JP2013156595A - 現像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】現像スリーブへの現像剤の融着、また現像剤の温度上昇を抑えることができる現像装置、および、この現像装置を適用して高品位で、均質な、安定して維持できる画像形成装置を、装置の大型化を伴うことなく提供することにある。
【解決手段】現像スリーブ両端に冷却フィンを設けることにより、現像スリーブ内部に送風し、簡便な手法で現像スリーブを効率的に冷却しながら画像形成を行える構造とした。
【選択図】図5

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等に用いられる現像装置及び画像形成装置に関する。
電子写真方式による画像形成装置の構成として、像担持体を静電帯電させる帯電部、像担持体上に露光を行うことで静電潜像を形成する露光部、トナーを像担持体上の静電潜像部に付着させることで潜像像を顕像化(トナー像)させる現像部、像担持体上のトナー像を転写体に転写する転写部、さらにトナー像に熱・圧力をかけることによりトナーを融解・圧着することにより転写体から紙上に定着する定着部、転写後の像担持体をクリーニングするクリーニング部を設けた装置が知られている。この画像形成装置に適用される現像部には、トナー及びトナーとキャリアによって構成される現像剤を攪拌・輸送し、像担持体と対向し、円筒状の金属内に磁石を内蔵した現像スリーブに均一に担持し、静電気力を用い現像領域に搬送する構造をもつ現像装置が用いられている。
画像形成装置において、省電力化、カラー化、高速コピー化、低環境負荷等の要求が強まっている。省電力化では画像形成装置において電力の大きな消費源である定着装置の定着温度を下げることによって節電するために、軟化温度の低い低融点現像剤が用いられるようになってきている。また、カラー化では、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)現像剤用の現像装置を重ねて小型化され配置されると、小型の現像装置内で軸受部での摩擦熱、モータでの発熱、現像剤と回転部材との摩擦熱等が発生しやすい。高速コピー化を目指す場合、現像装置内の回転部材を高速で回転させるので、モータでの発熱、現像剤と回転部材との摩擦熱等が発生しやすい。低環境負荷として装置を小型化し原材料の消費を抑える場合小型化により前記の摩擦熱・発熱が大きくなり、またモータや現像装置が近接して配置されるようになっており、また内部空間の縮小のため熱容量が小さくなり、現像装置内の温度が高くなる傾向にある。これらの現像剤の低融点化や画像形成装置現像装置内の発熱・昇温は、現像剤の現像スリーブ等へ融着の原因となる。また現像剤の昇温は現像剤劣化の原因の一つであり、現像装置内での現像剤の現像性の低下や現像剤流動性の低下を引き起こし、像形成時の不良や画像斑等を引き起こし、結果として画質の低下を招きやすい。これらの場合、問題の対策として現像剤の融着がおこった現像スリーブや劣化した現像剤の交換が必要となり、製品コスト及びランニングコストの増加につながる。
この問題を解決するためには現像器内の現像スリーブ及び現像剤の昇温を抑えることが効果的である。発熱源が現像スリーブ等の軸受けの摩擦や現像スリーブ等の駆動源であるモータ、そして現像スリーブと現像剤との摩擦のため、この現像スリーブを直接冷却することが望ましい。実際この問題をスリーブの冷却を用いることで解決する提案がすでになされている。
現像装置と冷媒と冷媒流路を備えることで、現像剤の熱を外部に排出することを特徴とする技術が開示されている(特許文献1参照)。この方法では冷媒を用いるため効果的に熱を排出し現像スリーブを冷却することができる。しかしながら現像スリーブ内に冷媒流路を新たに設けるため構造が複雑化、且つチラー等の冷媒を排熱する機構が必要となり構造が大型化及び消費エネルギー増加が考えられる。これらは前記の省電力や低環境負荷といった画像形成装置に対する要望にそぐわない。
また、現像スリーブが現像装置本体の外部に一部が露出し、現像剤を保持しない露出部を有することにより、前記露出部より前記回転部材の熱を放熱することを特徴とする技術が開示されている(特許文献2参照)。この方法では前記の特許文献1の方法よりも簡単な構造で冷却することができる。しかしながら現像スリーブの一部のみを外部に露出しているため現像スリーブに用いられる金属の熱伝導特性によっては現像スリーブ全体を均一に冷却することが難しくなり熱伝導の高いスリーブが必要となるため、スリーブ材料に制限がついてしまう。
また、現像スリーブ両端のフランジに固定されたフィンを設け、現像スリーブの回転によって空気流を発生することにより現像スリーブを冷却することを特徴とする技術が開示されている(特許文献3参照)。この方法は特許文献1と比較すると冷媒は空気に限られるものの構成が簡便であり、特許文献2と比較すると現像スリーブの軸方向に空気を流し冷却するために均一な冷却が可能となっている。しかしながら両端のフィンの回転速度は現像スリーブ回転速に依存するため、現像器が小型化していく中で現像スリーブ内の空間が狭い場合は流量の不足が考えられる。
また、現像スリーブ両端の調整コロにフィンを設け、現像スリーブ両端軸に空けられた穴から現像スリーブ内部に空気流を流入させ、現像スリーブを冷却することを特徴とする技術が開示されている(特許文献4参照)。この方式では簡便且つ省スペース、省エネルギーで送風することができるが、十分な風力を得ることが難しい。
特開2006-003383号公報 特開2005-148103号公報 特開2004-258258号公報 特開2006-011275号公報
現像装置内、特に現像スリーブ近傍において、回転軸の摩擦、モータの発熱、スリーブと現像剤の摩擦等による現像スリーブ及び現像剤の昇温が起こることが知られている。この現像スリーブ及び現像剤の昇温は現像剤の現像スリーブへの融着や現像剤の温度劣化による現像性・流動性の低下を引き起こし、出力画像では画質の低下や画像異常といった製品問題が発生する。
本発明の目的は現像スリーブの昇温を防ぐことによって画像品質の低下や画像異常を抑え、長期にわたりメンテナンスなしに高品質の画像を印刷することが可能な画像形成装置を提供することである。
現像スリーブの両端のフランジに通風孔を設置し、現像スリーブ両端にスリーブとは別回転の回転数を調整できるフィンを設置することにより、現像スリーブ内のスリーブ素管・現像マグネット間に一定方向に空気を能動的に流し、主な発熱源である現像スリーブの冷却を行う。
簡便な手法で現像スリーブ回転速度に関係なく現像スリーブ内に十分な風量を送ることができるため、長手方向に均一に冷却することが可能になり、スリーブ融着や現像剤の劣化を防ぐことが可能になる。
画像形成装置の一例を示す、カラー複写機の全体概略図である。 本発明の現像スリーブを備えた現像装置の概略図である。 通常の現像スリーブの概略図である。 本発明の実施例1の形態を適用した、現像スリーブの概略図である。 本発明の実施例2の形態を適用した、現像スリーブの概略図である。 本発明と従来の現像装置におけるプリントアウト試験時の現像スリーブ表面温度を表すグラフである。 本発明と従来の現像装置における空回転耐久時の現像剤劣化度を比較するグラフである。 本発明と従来の現像装置における空回転耐久試験6h後におけるの融着発生状況を示す表である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[実施例1]
[画像形成装置全体]
まず本発明が用いられる画像形成装置の全体構成について説明する。本発明が用いられる画像形成装置の装置構成を図1に示す。この画像形成装置はPCやFAXといった情報端末からの信号に従って画像を形成する、二成分接触現像方式を採用した電子写真方式のカラーレーザビームプリンタである。図1の構成ではイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Br)の4色によるカラー画像形成装置の構成例であり、4Y・4M・4C・4Brが本発明で対象となる現像装置である。
図中の1は感光ドラムでありこれが本画像形成装置における像担持体である。この像担持体である感光ドラム1は、まず帯電部によって一様に負電荷に帯電される。露光のための光源としてレーザービーム、レーザービームを集光し焦点を作り出すための、反射鏡やレンズから構成されるレーザービーム光学系を用いた露光部により、画像に応じてトナー像を形成すべき部位に露光することによって、感光ドラム内の半導体部に正電荷が生成される。帯電ドラム1の表面に帯電されていた負電荷と打ち消しあうことにより除電され、静電潜像が形成されている。感光ドラム1はこの状態で本発明の適応領域である現像過程で潜像部にトナーを付着され、トナー像を形成する。現像過程及び現像装置については詳しく後述する。トナー像を形成された感光ドラム1は一次転写装置52において圧力と静電気力を用いトナー像を中間転写体5に転写する。転写後、感光ドラム1は転写されずに残った現像剤を除去するクリーニング装置7においてクリーニングされ、その後、潜像の除去のために除電装置8の光源によって一様に露光され、除電される。また中間転写体5に写されたトナー像は二次転写装置53において紙面に転写される。紙面に転写されたトナー像は定着部6において熱及び圧力を加え、紙に定着を行うことで最終的な画像形成を行っている。
[現像装置]
次に現像装置の構成について説明する。図2に現像装置の構成を示す。現像装置は現像剤担持回転体である現像スリーブ46、現像スリーブ内に位置し現像剤の保持を担う非回転体の現像マグネット45、現像スリーブの剤担持量を調整する現像ブレード43、現像剤の長手方向の搬送を行う搬送スクリュー41、現像剤の攪拌を行う攪拌スクリュー42、現像剤の補給を行う現像剤補給口44で構成される。
現像装置内4には現像剤が封入されている。二成分現像では顔料を含むトナーと磁性を持った搬送用のキャリアからなる現像剤を使用しており、トナーとキャリアが摩擦帯電させることによってトナーが負電荷、キャリアには正電荷に帯電する。この帯電によりトナーキャリア間には静電気引力が働き、付着している。
トナーは顔料、樹脂、ワックス、外添剤で構成されている。今回使用している樹脂はポリエステルであり、トナーは粉砕法によって生成されている。円形度約0.965平均粒径は5.8μmである。帯電量や流動性の最適化のために表面に外添剤量を調整したものを使用している。
二成分現像で用いられるキャリアは磁性を持っている。今回使用しているキャリアは平均粒径35μmでコアシェル構造をとっている。コアはマグネタイト紛体を主成分とし、フェノール樹脂で結着されている。シェルはフッ素アクリルのコートがされており、帯電量の調整のためカーボンブラックが混入されている。
現像剤のトナー現像剤質量比はおおよそ8%程度であるが、画像の出力状態よって調整されており、必ずしも常時この値とは限らない。二成分現像を用いて画像の形成を行う場合、現像剤ではキャリアは消費されず、トナーのみが消費される。そのため現像剤の補給はトナーのみである。このとき画像形成状況から帯電量を調整するために補給するトナーの量を調整し、帯電量を適切な値に調整している。
現像器内の現像剤の振る舞いについて説明する。初期の状態として搬送スクリュー41及び攪拌スクリュー42が位置している搬送路に現像剤が満たされているものとする。現像剤は基本的にこの搬送路上を一定方向に輸送される。攪拌スクリュー42から搬送スクリュー41への受け渡しについては、攪拌スクリュー42によって攪拌された現像剤は攪拌スクリュー42端部に位置する受け渡し部において搬送スクリュー41に輸送される。現像剤は搬送スクリュー41によって現像装置長手方向に一方向に輸送されつつ、現像マグネット45の汲み取り極によって生じる磁気よって磁性体であるキャリアが引き寄せられ、現像剤は現像スリーブ46上に付着される。現像スリーブ46現像マグネット45の詳しい構成は後述する。現像スリーブ46は表面に荒らし加工がされており、現像剤の搬送が可能になっている。現像スリーブ46をさせて現像剤の搬送を行う。現像スリーブ46上に付着した現像剤は現像ブレード43によって現像スリーブ46上の載り量を規制され、一様に現像スリーブ46上にコートされる。このとき現像剤中のキャリアは磁気ブラシと呼ばれる状態にあり、これは磁性体であるキャリアが現像マグネット45からの時気力を受け磁力線の方向に整列し、ブラシのような形状になっている状態である。この現像剤は主に現像ブレード43部やその他搬送スクリュー41、攪拌スクリュー42にて圧力を受けながら仕事を受けることにより、トナーキャリア間の摩擦によって帯電し、トナーが負電荷、キャリアが正電荷をもっている。そのためこの状態で磁気ブラシは静電気力によってトナーを保持している。現像ブレード43によって量が規制され、適切な乗り量となった状態で現像剤は現像スリーブ46上を感光ドラム1近傍に輸送される。今回の画像形成装置では接触方式を採用しており、トナーを保持した磁気ブラシが感光ドラムに接触する。このとき感光ドラム1上の潜像にて像形成部は非像形成部よりも高い静電ポテンシャルの状態であり、感光ドラム1と現像スリーブ46の間に適当な電圧をかけることにより、像形成部には外部電圧によりトナーが付着し、潜像上にトナー像を形成し、感光ドラム1上の潜像が顕像化する。現像剤中のキャリア及び現像されなかったトナーはそのまま現像スリーブ46上を搬送され、現像マグネットの剥ぎ取り極上で向心力がなくなり、落下し搬送スクリューに戻る。搬送スクリュー41の現像剤は搬送スクリュー41端部の受け渡し部において攪拌スクリュー42に輸送される。トナーを消費したことにより、現像剤のトナー現像剤質量比が低下しているため、トナーの補給が必要となる。そのため現像剤補給口44からトナーを補給し、このトナーを攪拌スクリュー42によって元からの現像剤と攪拌することにより適正なトナー現像剤質量比が維持されている。
現像器内ではこの循環繰り返し像の形成を行っている。
次に通常の現像スリーブ46、現像マグネット45の構成説明する。図3は現像スリーブの構成を示している。46a左フランジ、46cは右フランジ、46bはスリーブ、45は現像マグネットを示している。現像スリーブ46内部にはスリーブ素管46bと現像マグネット45の間には空間があり空気塊が存在する。この通常の構成の場合の現像スリーブ46内部の空気塊は外気と接していない。右フランジ46a及び現像マグネット45は固定、スリーブ46b、右フランジ46cは回転体である。
回転の動力は外部のモータから得ている。このため現像スリーブ46はモータの発熱や回転軸周りの摩擦熱の発生源と連結しており、これらの熱の影響を受けやすいといえる。
スリーブ素管46bにはブラスト処理によって表面に荒らし処理がされており、現像剤の搬送が可能となっている。現像マグネット45は現像剤中の磁性体であるキャリアに力を及ぼすために設置されており、主に現像剤の搬送スクリュー41からの汲み取り、現像スリーブ46上搬送のための垂直抗力、磁気ブラシの形成、現像スリーブ上からの剥ぎ取りに寄与している。スリーブ素管46bの荒らし加工と現像マグネット45の垂直抗力により現像スリーブ46表面と現像剤の間で摩擦熱が発生する。これらの発熱による昇温が原因となりスリーブ融着や現像剤劣化といった問題が発生する。
本発明ではこの現像スリーブの昇温を抑える構成の提案を行っている。
本発明の実施例1を図4に示す。
右フランジ46aと左フランジ46cに通風孔46gをあけ外気を流入できるようにする。通風孔46gには飛散トナーの流入を防ぐためのフィルター46fを設置する。現像スリーブ46の両端に現像スリーブ46と同軸且つ独立回転可能なフィンを設け、左フィン46dと右フィン46eとする。左フィン46dと右フィン46eを同一方向回転させることにより一定方向、本実施例の場合では左フィン46dから右フィン46eの方向に送風させ、左フランジ46aと右フランジ46cの通風孔46gを通してスリーブ素管46bと現像マグネットの間に空気を流すことによって、スリーブ素管46b裏側より熱を奪い、スリーブを冷却する。ここでは通風孔46gと左フィン46d及び右フィン46eとの距離を短くしているため、遠部にフィンまたはその他送風機を設置して空気流路を用いて空気塊を搬送する場合に比べ、省スペース且つ効率よく送風することができる。これらの動力はスリーブ46の駆動と別に外部から駆動させることによって回転数を調整可能にし、スリーブ動力の回転数によらず、スリーブ46bと現像マグネット45の間に十分な空気塊を輸送できるようにした。本実勢例ではスリーブ素管46bと左フランジ46a右フランジ46cにはAl6063を使用し強度を維持しつつ、高熱伝導を実現している。なお本実施例ではスリーブ素管46bと左フランジ46a右フランジ46cの基材には高熱伝導の金属を使用するので、必ずしもAl6063に限るものではない。本実施例では現像スリーブ46の直径は20mm、回転数380rpmで回転させる。
左フィン46d及び右フィン46eの駆動は現像スリーブ46回転と別駆動となっている。外部モータからの駆動を駆動ギア46iから従動ギア46hに伝えている。従動ギア46hは左フィン46dと固定されているため右フィン46dが回転する。右フィン46eの回転についても同様である。本実施例では左フィン46d右フィン46eの回転数はそれぞれ1000rpmとした。
またスリーブ素管46b内壁はRz=20程度で荒らされており、表面積を増やすことによって冷却フィン効果をさせ放熱能を高めている。
従来例(従来の画像形成装置)および本実施例(実施例1)の構成をもつ画像形成装置を用いて高温高湿(30℃、80%RH)環境下でプリントアウト試験を行い、現像スリーブ上の温度の測定を行った。
プリントアウト試験中における現像スリーブ上の現像剤の表面温度推移を図5に示す。温度の測定は赤外放射温度計(キーエンス社製 IT2−02)を用いて行った。図5において、冷却機構を設けていない従来例は50分のプリントアウト試験後(3500枚後)に、スリーブ上温度は32.0℃から38.0℃まで上昇した。本実施例の形態ではプリントアウト試験3500枚後のスリーブ上温度は35.5度であった。本実施例の形態を適用することにより、現像スリーブ上の現像剤の昇温を抑えることができた。
更に、従来例および本実施例の構成を持つ画像形成装置を用いて高温高湿(30、80%RH)環境下で現像器空回転器を用いた耐久試験を行い、現像剤劣化およびスリーブ融着の評価を行った。
トナー表面に添加された外添剤(シリカ、チタニア等)は現像剤の帯電量や流動性に寄与している。現像剤耐久では外添剤が剥がれや埋め込みを起こし、トナーの比表面積が減少する。現像装置およびスリーブの温度が高いほど、現像剤の温度が樹脂成分のTg(ガラス転移点)に近づきトナーの表面がやわらかくなるため外添剤の剥がれや埋め込みはさらに起こしやすくなる。トナーの表面外添剤の減少は帯電量の低下や流動性の低下といった現像剤劣化の原因であるため、同一種のトナーの場合、比表面積は数値が小さいほど、現像剤劣化のレベルが悪いと判断される。
現像剤劣化の比較を図6に示す。現像剤の劣化指標としてのトナーの比表面積(m2/g)の測定はQUANTACHROME社製 比表面積測定用ガス吸着量測定装置QUADRASORB SIを用いて行った。この装置は液体窒素温度での窒素吸着を用い、BET分子吸着式を利用して表面積を測定する方法をとっている。
QUADRASORB SIを用いて測定した新品のトナーの比表面積は2.58(m2/g)であった。1時間の現像器空回転耐久を行った。空回転耐久試験後の現像剤劣化の比較を図7に示す。通常例での1時間耐久後のトナー比表面積は1.83(m2/g)であった。本実施例を用いた構成の現像器の空回転耐久では1時間後のトナー比表面積は2.04(m2/g)であった。本実施の形態を適用することにより、現像装置中の現像剤の劣化を小さく抑えることができた。
また前記から回転耐久後続けて6時間空回転を行い現像スリーブ表面の観察を行い、スリーブ癒着を確認した。初期状態では通常例及び本実施例の現像器の現像スリーブ表面にはスリーブ癒着がないことを確認した。スリーブ融着の比較を図8に示す。通常例では6時間の空回転後のスリーブ上にトナーのスリーブ融着が確認された。本実施例の構成を適応した現像器の現像スリーブではスリーブ融着は確認されなかった。本実施の形態を適用することにより、スリーブ融着を抑えることができた。
[実施例2]
本発明の実施例2は上記の実施例1の画像形成装置において現像スリーブの構成のみを変更したものである。このためここでは上記実施例1と異なる点のみ記述する。
実施例2は実施例1の効果を省エネルギー且つ省スペースで発揮できるよう改良された構成である。図5において現像スリーブ46及び現像マグネット45の構成を示す。実施例2では現像スリーブ46内側に送風用の右フィン46e及び左フィン46dを設置したものである。これらの駆動には、スリーブ46c駆動を駆動源とし、遊星ギア機構46hを用い回転の伝播及び任意の増速を行っている。スリーブ素管46b内壁に駆動ギア46i、右フィン46e及び左フィン46dに従動ギア46hを設置し、固定されたスリーブ軸46kに遊星ギア46jを設置した。この構造では冷却フィンに対し外部モータからの駆動入力がなく、スリーブ回転をギアによって増速することで冷却フィンに使用しているため速度変調が不可能だが、外部駆動装置がないため上記の実施例1よりも小型且つ省エネルギーで駆動させることができる。
本実施例ではスリーブ回転速度をギア比1:3で増速して使用した。本実施例での現像スリーブの回転速度は380rpmのため、右フィン46e及び左フィン46dの回転速度は1140rpmとなっている。
さらにスリーブ内にフィンがあるためより効率よく送風することができる。この場合も実施例1と同様スリーブ素管46b内壁にRz=20程度で荒し加工を施し、表面積を増やすことによって放熱能を高めている。
実施例1と同じく従来例(従来の構成の画像形成装置)と本実施例(実施例2)との比較検討を行った。
従来例および本実施例の構成を持つ画像形成装置を用いて高温高湿(30℃、80%RH)環境下でプリントアウト試験を行い、現像スリーブ上の温度の測定を行った。
プリントアウト試験中における現像スリーブ上の現像剤の表面温度推移を図5に示す。本実施例の形態ではプリントアウト試験3500枚後のスリーブ上温度は35.0度であった。本実施例の形態を適用することにより、実施例1同様に現像スリーブ上の現像剤の昇温を抑えることができた。
また従来例および本実施例の構成を持つ画像形成装置を用いて高温高湿(30、80%RH)環境下で現像器空回転を用いた耐久試験を行い、現像剤劣化およびスリーブ融着の評価を行った。
1時間の空回転耐久試験後の現像剤劣化比較を図6に示す。本実施例を用いた構成の現像器の空回転耐久では1時間後のトナー比表面積は2.08(m2/g)であった。本実施の形態を適用することにより、現像装置中の現像剤の劣化をより小さく抑えることができた。
また上記空回転耐久後、続けて6時間空回転を行い現像スリーブ表面の観察を行い、スリーブ癒着を確認した。初期状態では通常例及び本実施例の現像器の現像スリーブ表面にはスリーブ癒着がないことを確認した。スリーブ融着の比較を図9に示す。通常例では6時間の空回転後のスリーブ上にトナーのスリーブ融着が確認された。本実施例の構成を適応した現像器の現像スリーブではスリーブ融着は確認されなかった。本実施の形態を適用することによっても、実施例1と同様にスリーブ融着を抑えることができた。
1…感光体ドラム
2…帯電装置
3…露光装置
4…現像装置
41…現像スクリュー
42…撹拌スクリュー
43…ブレード
44…現像容器
45…マグネット
46…現像スリーブ
46a…左フランジ
46b…スリーブ素管
46c…右フランジ
46d…左フィン
46e…右フィン
46f…フィルター
46g…通風孔
46h…従動ギア
46i…駆動ギア
46j…遊星ギア
46k…スリーブ軸
5…転写装置
51…中間転写体
52…一次転写装置
53…二次転写装置
6…定着装置
7…クリーニング装置
8…除電装置

Claims (5)

  1. 電子写真方式の静電潜像を現像剤担持体に担持された現像剤により現像する現像装置において、前記現像剤担持体は金属を基材とする回転可能なスリーブと、該スリーブ内に固定して配置されたマグネットと、該マグネットの両端外側に設けられた回転可能な冷却フィンからなり、該冷却フィンはスリーブの回転数によらずに回転駆動されることを特徴とする現像装置。
  2. 前記冷却フィンの回転を増速するために、前記スリーブ回転を駆動源とし、前記スリーブ内壁に駆動ギアと、前記冷却フィンに連結した従動ギアと、前記駆動ギアと前記従動ギアの間に遊星ギアを設けることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 放熱フィンの効果を高めるために、前記スリーブ内壁に凹凸若しくはスリットを設けることを特徴としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
  4. 前記スリーブ両端に設けられたフランジに送風用の空気の取り込み及び排出を目的とした通風孔を設置するとともに、該通風孔に飛散トナーの流入を防ぐフィルターを設置することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の現像装置。
  5. 請求項1〜3において、冷却効果を高めるために、前記スリーブの金属基材に熱伝導率のよい金属部材を使用したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の現像装置。
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WO2019088540A1 (en) * 2017-10-31 2019-05-09 Hp Printing Korea Co., Ltd. Developer roller with airflow generating mechanism

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017062369A (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置
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