JP2014240808A - レーザ式酸素ガス分析計 - Google Patents

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Abstract

【課題】測定対象ガスに含まれる高温の酸素ガスのみに感度を示す波長を用いて濃度測定を行うレーザ式酸素ガス分析計において、補正時にガスや補正用ガスセルを400℃以上の高温に熱する必要がなく、かつ、現地作業時にガスや補正用ガスセルを高温に維持にする必要がない、レーザ式酸素ガス分析計を提供する。【解決手段】濃度測定に使用する高温の測定ガスのみに感度を示す波長と、隣接した常温の酸素ガスに対し十分な吸収強度をもつ波長と、による酸素濃度を測定できるようにする。これにより、常温の酸素ガスに対し十分な吸収強度をもつ波長の経時変化によるズレを補正することで高温の酸素ガスのみに感度を示す波長のズレを間接的に補正できるため、補正用のガスや補正用ガスセルを高温に熱する必要なく、常温で補正することが可能になる。【選択図】図5

Description

本発明は、燃焼制御用途で使用する高温な酸素ガスのガス濃度をガス温度の吸収強度差を利用して測定するレーザ式酸素ガス分析計に関する。
気体中のガス分子には、それぞれ固有の光吸収スペクトラムがあることが知られている。例えば、図17は、Oガス(酸素ガス)の光吸収スペクトラム例であり、横軸が波長、縦軸は吸収強度を示している。縦軸の吸収強度が大きいほど吸光量が大きくなる。レーザ式酸素ガス分析計は、測定対象である酸素ガスが吸収する波長のレーザ光を発光するレーザ素子を搭載しており、この特定波長のレーザ光を酸素ガスに吸光させることで酸素ガスの有無を検出することができる。加えてレーザ式酸素ガス分析計はレーザ光の特定波長の吸収量が酸素ガスの濃度に比例するため濃度を検出することもできる。
レーザ式酸素ガス分析計のガス濃度の測定方法としては、2波長差分方式と周波数変調方式とに大別される。周波数変調方式による濃度測定装置は、例えば後述する特許文献1にも記載されているものである。本発明も周波数変調方式によるレーザ式酸素ガス分析計に関するものである。
また、周波数変調では発光波長を変化させる必要があるが、このような発光波長の制御に関し、例えば、測定対象ガスと同じガス成分を予め封入した参照ガスセルを用いて、レーザ素子の発光波長を温度によって制御する方法も用いられており、例えば後述する特許文献2にも記載されているものである。
このようなレーザ式酸素ガス分析計は、特に大気環境測定や制御用途に使用され、具体的には主にゴミ焼却場などのボイラの燃焼制御に使用されることが多い。ボイラの燃焼制御に用いられるレーザ式酸素ガス分析計が対象とする測定対象ガスの温度は、700〜1200℃と高温である。そこで、熱による装置保護やダストによる汚れ付着を防止するために、ガスパージを常時行う必要がある。
図18はレーザ式酸素ガス分析計をボイラなどの測定場所に設置した時の外観構造と、測定対象となる煙道ガスおよびパージガスの流れを示したものである。壁40内には燃焼により生じた煙道ガスが通流している。また、パージガスがパージガス入口20,60から導入され、パージガスが発光部ボックス10や受光部ボックス70の表面のレンズやガラス窓の汚れを防止している。ガスパージは相フランジ30,50を経て壁40内にパージガスが排出される。
このパージガスとしては計装窒素が望ましい。この理由であるが、仮に計装空気を使用するとなると、計装空気には酸素ガスが含まれており、煙道の酸素ガスの分析ではこのパージガス中の酸素ガスによる影響を受けるためである。パージガスに窒素ガスを使えば、測定対象である酸素ガスの酸素濃度に影響を与えることはない。しかしながら、計装窒素の利用は設備コストや運用コストを要するため、主に製鉄所や鉄鋼所のような火災・爆発の危険性がある場所にしか採用されておらず、一般的な焼却炉では計装空気を使用している。空気を使用した場合、空気中の酸素ガスは測定対象である酸素ガスに対して影響がないようにする必要がある。
先に述べた計装空気には通常では約20.6vol%の酸素が含まれている。レーザ式酸素ガス分析計は、パージガスとして計測空気を使用する場合にこの約20.6vol%の酸素の影響を受ける。この影響を回避するため計装空気に含まれる酸素ガスの酸素量を求め、予めオフセットとして濃度換算して測定する方法が考えられる。しかしながら、一般的にボイラ内で制御する酸素ガスの酸素量は数vol%(例えば3〜7vol%)であり、計装空気に含まれる酸素濃度の方が相対的に高くなるため、測定精度に影響がでる。最悪の場合、十分なS/Nが得られないこともある。このため、燃焼制御で使用する酸素計では、上記のようなレーザ式酸素ガス分析計を使用することなく、定期的な清掃などメンテナンス頻度が高い他方式の酸素計(ジルコニア酸素計)を使用してきた。
そこで、燃焼制御で使用する用途であっても、計装空気によるガスパージが可能なレーザ式酸素ガス分析計の開発が進められている。これは以下の原理による。ガスを吸収する多数ある波長のうち、ある波長では温度によって吸収強度が変化する点が知見された。この原理を用い、パージガスおよび大気に含まれる低温(常温付近)の酸素ガスに対して感度を殆ど示すことはなく、測定対象の燃焼ガスに含まれる高温の酸素ガスのみに感度を示す波長を選定したレーザ式酸素ガス分析計とし、測定対象ガスに含まれる酸素ガスについてのみ濃度測定を行う。
特開平7−151681号公報(段落[0005]、図4等) 特開2001−235418号公報(段落[0012]〜[0024]、図2、図11等)
レーザ式酸素ガス分析計は経時変化による測定値のズレが発生するため、半年や1年毎に定期補正を実施する必要がある。この際、一般的には設置現場から受光部と発光部を取り外し、発光部と受光部を専用の補正用ガスセルの両端に接続する。そして、補正用ガスセルに補正用のガスを流して補正を行う。しかしながら、燃焼制御で使用する用途であって計装空気によるガスパージが可能なレーザ式酸素ガス分析計では、補正に手間を要する点が確認された。この点について説明する。
補正時にはガスによる光吸収が必要であるが、常温のガスの吸収がなく、高温のガスのみ吸収がある波長を使用したレーザ式酸素ガス分析計では、吸収がある高温までガスを熱し、また温度が一定になるように補正用ガスセルもガス同様熱しなくてはならなかった。
例えば、高温の酸素ガスの吸収強度が大きく、かつ、常温の酸素ガスの吸収強度が小さい波長を使用したレーザ式酸素ガス分析計の経時変化によるズレを補正する場合、使用するガスを400℃以上に熱する必要があり、またガスが流通する配管や補正用ガスセルもガス温度が低下しないように400℃以上に熱する必要がある。これを行うには、セラミックヒータを使って配管を熱するなど装置が大規模になり、実験室などで行うことはできてもあらゆる環境下で容易に行うことはできない。また、補正期間中温度を一定にすることが難しい上、安定するまで時間がかかり、現実的に、この方法で補正するのは、大変困難である。
このように、高温の酸素ガスの吸収強度が大きく、かつ、常温の酸素ガスの吸収強度が小さい波長を使用したレーザ式酸素ガス分析計は、実際の環境下で補正を行うことは非常に困難であると予想される。常温でガスの吸収がある場合の上記の一般的な補正を行えないため、補正が容易ではないという問題がある。
そこで、本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガス分析時にはパージガスおよび大気に含まれる低温の酸素ガスに対して感度を殆ど示すことはないが測定対象ガスに含まれる高温の酸素ガスのみに感度を示すようなレーザ式酸素ガス分析計であり、特に補正時では低温の酸素ガスを用いて補正を容易に行えるようにしたレーザ式酸素ガス分析計を提供することにある。
本発明は、常温ではガスの吸収が殆どなく、高温のみにガスの吸収がある波長を使用したレーザ式酸素ガス分析計におけるレーザ素子の電流駆動による波長掃引範囲を拡大するものであり、高温の酸素ガスのガス濃度測定に使用する目的の波長と、濃度測定に使用する波長に隣接して常温でも酸素ガスの吸収がある波長と、を含むような波長走査範囲として高温と常温の各々の酸素濃度を測定できるようにする。
常温でも酸素ガスの吸収がある波長で測定した酸素濃度が経時変化によって生じた誤差と、高温にのみガスの吸収がある波長で測定した酸素濃度が経時変化によって生じた誤差と、の間には一定の相関関係がある。この関係を利用し、常温でも酸素ガスの吸収がある波長で測定した酸素濃度の補正を行う。
これにより、高温にのみガスの吸収がある波長で測定した酸素濃度の補正を間接的に行うことが可能になる。したがって、高温にのみガスの吸収がある波長で測定した酸素濃度を直接補正するため補正に用いるガスを高温に熱する必要がなく、またガス温度が一定になるようにガスを流通する補正用ガスセルも同様に熱する必要がない。
そのため、どのような環境でも補正用ガスセルと補正用のガスがあれば補正することが可能であり、また常温で補正するため、ガス温度も安定しており、高温に熱して補正するよりも正確な補正を行えるようにした。
すなわち本発明の請求項1に係るレーザ式酸素ガス分析計は、
レーザ光による検出光を出射する発光部と、測定対象である酸素ガスが存在する空間を介して伝播された検出光を受光し、受光した検出光の検出ピークからガス濃度を算出する受光部と、経時変化によって生じた濃度誤差を補正係数によって補正する補正部と、を有し、酸素ガスのガス濃度を測定するレーザ式酸素ガス分析計であって、
前記発光部は、測定対象である高温の酸素ガスの吸収強度が大きく、かつ、常温の酸素ガスの吸収強度が小さいような波長のレーザ光によるガス分析用の検出光と、常温の酸素ガスの吸収強度が大きい波長のレーザ光による補正用の検出光と、をそれぞれ発光するものであり、
前記受光部は、ガス分析時ではガス分析用の検出光を受光して高温の酸素ガスのガス濃度を算出し、また、補正時では補正用の検出光を受光して検出ピークを算出するものであり、
前記補正部は、補正時では補正用の検出光から生成される検出ピークを用いて経時変化を補正する補正係数を算出するものであり、
前記受光部は、前記補正部で算出した補正係数を用いて、ガス分析用の検出光を受光して生成したガス濃度値を間接的に補正することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係るレーザ式酸素ガス分析計は、
レーザ光による検出光を出射する発光部と、測定対象である酸素ガスが存在する空間を介して伝播された検出光を受光し、受光した検出光の検出ピークからガス濃度を算出する受光部と、空気によるパージガスを発光部に供給する発光部側パージ部と、空気によるパージガスを受光部に供給する受光部側パージ部と、経時変化によって生じた濃度誤差を補正係数によって補正する補正部と、を有し、酸素ガスのガス濃度を測定するレーザ式酸素ガス分析計であって、
前記発光部は、
測定対象である高温の酸素ガスの吸収強度が大きく、かつ、発光部側パージ部および受光部側パージ部のパージガスに含まれる常温の酸素ガスの吸収強度が小さいような波長と、発光部側パージ部および受光部側パージ部のパージガスに含まれる常温の酸素ガスの吸収強度が大きい波長と、を含む所定範囲の走査波長で走査されるレーザ光によりガス分析用の検出光と補正用の検出光を発光するレーザ素子と、
前記レーザ素子の温度を安定化させる発光側温度安定化手段と、
酸素ガスの吸収波長を走査するように前記レーザ素子の発光波長を所定範囲の走査波長に可変とする可変駆動信号を含む波長走査駆動信号に対し、前記発光波長を変調するための高周波変調信号を合成してレーザ駆動信号として出力するレーザ駆動信号発生部と、
このレーザ駆動信号発生部から出力された前記レーザ駆動信号を電流に変換して前記レーザ素子へこの電流を供給する電流制御部と、
を備え、
前記受光部は、
ガス分析時のガス分析用の検出光および補正時の補正用の検出光に感度を有する受光素子と、
前記受光部の出力信号から前記発光部における変調信号の2倍周波数成分である2倍波信号の振幅を検出して検出信号を出力する同期検波部と、
前記受光部の出力信号からノイズを除去するフィルタ回路と、
フィルタ回路から出力された検出信号に基づいて演算を行うものであり、ガス分析時ではガス分析用の検出光で高温の酸素ガスのガス濃度を算出し、また、補正時では補正用の検出光で検出ピークを算出する演算部と、
前記補正部は、補正時では補正用の検出光から生成される検出ピークを用いて経時変化を補正する補正係数を算出するものであり、
前記受光部の前記演算部が、前記補正部で算出した補正係数を用いて、ガス分析用の検出光を受光して生成したガス濃度値を間接的に補正することを特徴とする。
徴とする。
また、本発明の請求項3に係るレーザ式酸素ガス分析計は、
請求項1または請求項2に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
前記の測定対象である高温の酸素ガスの吸収強度が大きく、かつ、常温の酸素ガスの吸収強度が小さいような波長は759.63nm〜759.64nmの範囲内に吸収のピークが含まれる波長であり、前記の常温の酸素ガスの吸収強度が大きい波長は759.65nm〜759.67nmの範囲内に吸収のピークが含まれる波長または759.60nm〜75.62nmの範囲内に吸収のピークが含まれる波長であることを特徴とする。
本発明によれば、ガス分析時にはパージガスおよび大気に含まれる低温の酸素ガスに対して感度を殆ど示すことはないが測定対象ガスに含まれる高温の酸素ガスのみに感度を示すようなレーザ式酸素ガス分析計であり、特に補正時では低温の酸素ガスを用いて補正を容易に行えるようにしたレーザ式酸素ガス分析計を提供することができる。
これにより、経時変化による補正を行う際、補正に用いるガスを高温に熱する必要がなく、常温で補正できるため、どのような環境下でも容易に行うことができ、また安定したガス温度で行えるため、正確な補正を行うことができる。
ガスの吸収スペクトラム特性図である。 一般的な酸素ガス温度別吸収スペクトラム例の説明図である。 燃焼制御用としてレーザ式酸素ガス分析計が使用される環境下の酸素濃度分布と光路長の説明図である。 燃焼制御用の酸素ガス温度別吸収スペクトラム例の説明図である。 本発明を実施するための形態のレーザ式酸素ガス分析計の構成図である。 レーザ光源部の構成図である。 レーザ素子の波長走査駆動信号発生部の出力波形を示す図である。 本発明を実施するための形態のレーザ式酸素ガス分析計による検出を説明するための説明図であり、図8(a)はレーザ素子の走査波形およびOガスの吸収波形の説明図、図8(b)はパージガスがあるが高温の酸素ガスがないときの同期検波部の出力波形を示す図、図8(c)はパージガスと高温の酸素ガスとがあるときの同期検波部の出力波形を示す図である。 受光素子および信号処理部の構成図である。 周波数変調方式の原理図である。 ドライブ電流による半導体レーザの発光波長の変化を示す図である。 温度による半導体レーザの発光波長の変化を示す図である。 レーザ式酸素ガス分析計の補正の説明図である。 高温の酸素ガスの吸収強度が大きく、かつ、常温の酸素ガスの吸収強度が小さい波長(λ)と常温の酸素ガスに対し十分吸収強度が大きい波長(λ)のゼロ点の相関関係を示す図である。 高温の酸素ガスの吸収強度が大きく、かつ、常温の酸素ガスの吸収強度が小さい波長(λ)と常温の酸素ガスに対し十分吸収強度が大きい波長(λ)のスパン係数の相関関係を示す図である。 本発明を実施するための他の形態のレーザ式酸素ガス分析計による検出を説明するための説明図であり、図16(a)はレーザ素子の走査波形およびOガスの吸収波形の説明図、図16(b)はパージガスがあるが高温の酸素ガスがないときの同期検波部の出力波形を示す図、図16(c)はパージガスと高温の酸素ガスとがあるときの同期検波部の出力波形を示す図である。 ガスの吸収スペクトラム特性図である。 パージガスの流れを説明する説明図である。
続いて、本発明のレーザ式酸素ガス分析計について以下に説明する。まず、検出原理について説明する。
図1に酸素ガス(Oガス)の吸収スペクトラムを示す。この酸素ガスの吸収線はそれぞれが線状のスペクトラムで表わされる。そして、一般的には、図2の酸素ガス温度別吸収スペクトラムで示すように温度依存性があり、一般的には酸素ガスの温度が高くなると同じ酸素濃度でも吸収強度が低下し、検出時において、見かけ上の濃度が低下する。
先に説明したように、レーザ式酸素ガス分析計は炉内の熱から装置を保護するため、また、ダストの付着を防ぐためガスパージを行っている。パージガスに窒素を使えば、測定対象である酸素ガスの酸素濃度に影響を与えることはないが、窒素は設備コストやランニングコストを要するため、計装空気が使用されている。
図3は、一般的な燃焼制御用途であって、パージガスとして計装空気を使用したときのレーザ式酸素ガス分析計の酸素濃度分布と光路長の関係を示している。パージガス中の酸素ガスのガス濃度は20.6vol%であり、測定対象ガス中の酸素ガスのガス濃度は3〜7vol%である。パージガス中の酸素ガスが存在する区間のパージ部距離は1m×2であり、測定対象ガス中の酸素ガスが存在する区間の煙道距離は2〜4mである。
レーザ式酸素ガス分析計における酸素濃度と光路長との関係はLambert-Beerの法則により、得られる信号強度はガス濃度とそのガスが存在する距離に比例する。Lambert-Beerの式を数1に記す。
[数1]
I(L)=I(0)・exp[−ks・ns・Ls]
I(L):受光光量 ks:ガス係数
I(0):発光光量 ns:ガス濃度
Ls:煙道またはセル長
よって、信号強度はガス濃度と距離の乗算値に影響される点が理解できる。一般にレーザ式酸素ガス分析計では計測レンジを設定できるが、燃焼制御用で使用するレーザ式酸素ガス分析計のレンジは大気中の酸素が20.6vol%であることから、25vol%を選ぶことが大半である。
この図3のモデルで0℃の測定レンジに対するパージエアの酸素濃度比率は(20.6vol%×パージ部距離)/(25vol%×煙道距離)で表されるが、パージ部距離=2、煙道距離=2〜4であることから酸素濃度比率=0.41〜0.82倍となり、1倍以下である。
しかしながら、実際の燃焼制御の環境では、図2の一般的な酸素ガスの温度別吸収強度に従うものであって、800℃の吸収強度が0℃の吸収強度の15%程度であり、この場合にはパージエアの酸素濃度は測定対象の酸素濃度に対して、(20.6vol%×パージ部距離)/(煙道内濃度vol%×煙道距離×0.15)で表されるが、パージ部距離=2、煙道距離=2〜4、煙道内濃度=3〜7であることから酸素濃度比率=9.8〜45.8倍になり、パージガスの影響が大きくなっている。
また、0℃の測定レンジに対する800℃の測定ガスの吸収強度(煙道内濃度vol%×0.15)/25×100で表されるが、煙道内濃度=3〜7であることから吸収強度=1.8〜4.2%FSとなり、フルスケールに対してわずか2〜4%でしかない。
以上から、燃焼制御環境下では外乱にあたるパージエアの酸素の吸収強度が相対的に大きくなり、また測定ガスの吸収強度はガス温度の影響で小さくなり、十分なS/Nが得られない状態になる。
そこでこのような問題を回避するため、燃焼制御で使用する酸素の吸収線スペクトラムを図4のようなガス温度特性をもつ吸収波長を選定する。この吸収波長は、例えば所定範囲759.63nm〜759.64nmの範囲内に吸収のピークがある波長である。この波長における吸収線の特長は常温付近では酸素を殆ど吸収しないが、ガス温度が高くなると酸素の吸収が発生し、400〜1200℃の吸収強度は常温に対し十分な大きさがあり、吸収強度の変化量も最大吸収強度から約20%の範囲で収まる。
そのため400℃の吸収強度を基準とした場合、常温雰囲気であるパージガスの酸素濃度は殆ど無視することができ、図3のモデルで実際の燃焼制御の環境下のパージエアの酸素濃度は測定対象の酸素濃度に対してほぼ0となり、0℃の測定レンジに対する800℃の測定ガスの吸収強度は14〜34%FSになり、パージエアを使用しても、その影響を受けることが殆どなく、また十分なS/Nを得ることができる。
このようにパージ部に流す計装空気であるパージガスに含まれる酸素ガスと測定対象の酸素ガスとを、特定波長のガス温度差によって生じる吸収強度の違いを利用し、パージ部へ流す計装空気に含まれる酸素ガスやパージ部等の装置内の酸素ガスの影響を殆ど受けることなく、測定対象の高温の酸素濃度を効率よく測定するレーザ式酸素ガス分析計とした。
続いて、本発明を実施するための第1の形態に係るレーザ式酸素ガス分析計について図を参照しつつ以下に説明する。図5は、本形態のレーザ式酸素ガス分析計1の構成図である。レーザ式酸素ガス分析計1は、発光部100、受光部200、発光部側パージ部300、受光部側パージ部400、通信線500、補正部600を備えている。
発光部100は、さらにレーザ光源部101、発光部側光学系の具体例であるコリメートレンズ102、ボックスカバー103を備える。
受光部200は、受光部側光学系の具体例である集光レンズ201、受光素子202、信号処理部203、ボックスカバー204を備える。
発光部側パージ部300は、パージ部本体301、流入口302、流出口303を備える。
受光部側パージ部400は、パージ部本体401、流入口402、流出口403を備える。
本形態のレーザ式酸素ガス分析計では、具体例として、酸素ガスを含む測定対象ガスが内部を通過する煙道などの配管に固定されているものとして説明する。測定対象ガスは例えば燃焼時に発生する排ガスなどである。
壁701a,701bは、この配管の壁である。相フランジ702a,702bは、この壁701a,701bに、例えば、溶接等によって固定されている。
一方の相フランジ702aには、角度調整機構部を含む発光部側パージ部300のパージ部本体301が取り付けられている。この発光部側パージ部300のパージ部本体301には、発光部100のボックスカバー103が取り付けられている。発光部側パージ部300の内部通路、相フランジ702aの内部通路が連通しており、さらに配管内と連通している。ボックスカバー103とは、コリメートレンズ102によって空間が隔てられている。
他方の相フランジ702bには、角度調整機構部を含む受光部側パージ部400のパージ部本体401が取り付けられている。この受光部側パージ部400のパージ部本体401には、受光部200のボックスカバー204が取り付けられている。受光部側パージ部400の内部通路、相フランジ702bの内部通路が連通しており、さらに配管内と連通している。ボックスカバー204とは、集光レンズ201によって空間が隔てられている。
発光部100のボックスカバー103は電子基板に搭載されるレーザ光源部101、光学部品であるコリメートレンズ102を内蔵する。レーザ光源部101から出射したレーザ光は、コリメートレンズ102によって平行光にコリメートされる。コリメートされた検出光800は、発光部側パージ部300の内部通路と相フランジ702aの内部通路の中心を通って壁701a,701bの内部(煙道内部)へ入射される。
検出光800は、壁701a,701bの内部にある測定対象ガス中の酸素ガスを透過する際に吸収を受ける。また、相フランジ702a,702bの内部、発光部側パージ部300の内部通路、受光部側パージ部400の内部通路に測定対象である高温の酸素ガスが存在する場合は、通常、同様に吸収を受ける。しかしながら、後述するがガス分析時には高温の酸素ガスについては感度があるが、エアパージによる常温の酸素ガスや大気に含まれる常温の酸素ガスについては感度が低い波長を選択して高温のガスについて吸収が生じるようにする。また、補正時には常温の酸素ガスについて感度がある波長を選択して常温の酸素ガスについて吸収が生じるようにする。
検出光800は受光部200へ入射される。受光部200のボックスカバー204は光学部品である集光レンズ201、電子基板に搭載される受光素子202や信号処理部203を内蔵する。壁701a,701bの内部(煙道内部)を透過した平行光である検出光800は、相フランジ702bの内部通路と受光部側パージ部400の内部通路との中心を通ってボックスカバー204内部の集光レンズ201により集光されて受光素子202により受光される。この光は、受光素子202により電気信号に変換され、後段の信号処理部203に入力される。
この際、測定対象ガスによる熱や腐食、汚れを防ぐため、発光部側パージ部300には流入口302からパージ部本体301内へ圧縮空気である計装空気が流入し、発光部側パージ部300の内部通路をパージし、また流出口303を通過して相フランジ702aの内部通路をパージする。このパージの後に壁701a,701bの内部(煙道内部)へパージガスが排出される。同様に受光部側パージ部400には流入口402からパージ部本体401内部へ圧縮空気である計装空気が流入し、受光部側パージ部400の内部通路をパージし、また流出口403を通過して相フランジ702bの内部通路をパージする。このパージの後に壁701a,701bの内部(煙道内部)へパージガスが排出される。
この計装空気により、測定対象ガスに含まれて各部に付着した煤塵等を吹き飛ばし、発光部100および受光部200のレンズ表面を清浄に保っている。また、パージ用に流入する計装空気が常温(例えば25℃)であり、パージ部本体301、401内、相フランジ702a,702bの内部を強制的に冷却している。
次に、発光部100、および、受光部200の詳細構成について説明する。まず、発光部100について図6,図7を参照しつつ詳細に説明する。図6はレーザ光源部101の詳細を示している。このレーザ光源部101は、波長走査駆動信号発生部101aと、高周波変調信号発生部101bと、を有するレーザ駆動信号発生部101sを備える。
波長走査駆動信号発生部101aは、測定対象ガスの吸収波長を走査するようにレーザ素子の発光波長を可変とするための波長走査駆動信号を出力する。なお、この波長走査駆動信号は通信線500を介して演算部203eへ送信される。
高周波変調信号発生部101bは、測定対象ガスである酸素ガスの吸収波長を検出するために、例えば10kHz程度の正弦波で波長を周波数変調するための高周波変調信号を出力する。
このような波長走査駆動信号発生部101aから出力される波長走査駆動信号に対し、高周波変調信号発生部101bからの高周波変調信号を合成して周波数変調を行いレーザ駆動信号が生成されるようになっている。レーザ駆動信号発生部101sから出力されたレーザ駆動信号は電流制御部101cにより電流に変換され、半導体レーザからなるレーザ素子101eに供給される。このレーザ素子101eは、例えば、DFBレーザ(Distributed Feedback Laser)、もしくはVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)といわれるレーザ素子である。
また、レーザ素子101eには温度安定化手段が設けられている。この温度安定化手段は、温度制御部101d、サーミスタ101f、ペルチェ素子101gを備える。レーザ素子101eに近接して温度検出素子としてのサーミスタ101fが配置され、このサーミスタ101fにはペルチェ素子101gが近接して配置されている。温度制御部101dのPID(比例・積分・微分)制御によりペルチェ素子101gが吸熱して温度を変化させ、サーミスタ101fの抵抗値を一定値とし、結果としてレーザ素子101eの温度を安定化させる。
ここで、波長走査駆動信号発生部101aから出力される波長走査駆動信号は、図7に示すように、可変駆動信号S1およびオフセット信号S2により、ほぼ台形波状の単位波形となり、このような単位波形が一定周期で繰り返される信号である。
波長走査駆動信号の可変駆動信号S1は、吸収波長を走査する信号であり、電流制御部101cを介してレーザ素子101eに供給される電流の大きさを直線的に変える部分である。この信号S1によってレーザ素子101eの発光波長を徐々にずらしていき、吸収波長を走査する信号である。信号S1の傾き、すなわち、供給電流の変化量によって、発光波長をサブnm〜数nmの範囲で走査可能である。例えばOガスであれば、(1)常温でも酸素吸収がある波長と、(2)高温のみ酸素吸収がある波長と、を含む範囲であって、0.04nm〜0.05nm程度の線幅を走査可能とする部分である。
波長走査駆動信号のオフセット信号S2は、吸収波長は走査しないがレーザ素子101eは発光させておくオフセット部分であり、光源部101のレーザ素子101eの発光が安定するスレッショルド電流値以上の値を光源部101のレーザ素子101eに供給するような値に設定する。信号S1と信号S2とは交互に切り替わるように挿入されている。
信号S3は駆動電流をほぼ0にした部分である。
続いて発光部100による発光を説明する。
まず、事前に、レーザ素子101eの温度をサーミスタ101fにより検出する。さらに、図7に示した波長走査駆動信号のS1の範囲内で測定対象ガスである酸素ガスを測定できるように(所定の吸収特性が得られるように)、温度制御部101dによりペルチェ素子101gの通電を制御してレーザ素子101eの温度を調整する。
その後にレーザ素子101eを駆動する。
なお、図8(a)はレーザ素子の駆動信号を示しており、高周波変調信号の周波数を10kHz,波長走査駆動信号の周波数を50Hzとしてあり、λはオフセットに相当する波長、λ(759.63nm),λ(759.64nm)は高温のみガス吸収がある酸素ガス(Oガス)の吸収波長に相当する走査波長の上下限値、および、λ(759.65nm),λ(759.67nm)は常温でもガス吸収がある酸素ガス(Oガス)の吸収波長に相当する走査波長の上下限値を示している。λは高温のみ酸素ガスの吸収波長に相当する波長を、また、λは常温のみ酸素ガスの吸収波長に相当する波長をそれぞれ示している。
レーザ素子101eがこのような波長走査されたレーザ光をコリメートレンズ102へ照射して平行光である検出光800を生成し、測定対象ガスが存在する壁701a,701bの内部空間にこの検出光800を出射し、集光した光を受光素子202へ入射させる。
続いて受光部200について説明する。図9は、受光素子202、信号処理部203の構成を示している。信号処理部203はさらにI/V変換部203a、同期検波部203b、発振器203c、フィルタ203d、演算部203eを備えている。
受光素子202は例えばフォトダイオードによって構成されており、発光部100のレーザ素子101eの発光波長に感度を持つ受光素子が使用される。この受光素子202の出力電流はI/V変換部203aへ入力される。I/V変換部203aにより受光素子202の出力電流が電圧に変換される。I/V変換部203aの出力信号は、同期検波部203bに入力される。同期検波部203bには、発信器203cからの2f信号が加えられ、出射光の同位相の2倍波信号の振幅のみを抽出したガス波形信号が得られる。同期検波部203bの出力信号は、ノイズ除去用のフィルタ203dを介してCPU等の演算部203eに送られる。演算部203eは後述する各種の処理により酸素ガスの有無の検出や酸素濃度の算出を行う。なお、演算部203eは、波長走査駆動信号生成部101aから波長走査駆動信号を受信する。
ここで周波数変調方式のレーザ式酸素ガス分析計の計測原理について、図10のレーザ式酸素ガス分析計の周波数変調方式の原理図を参照しつつ説明する。図1の酸素ガス(Oガス)の吸収スペクトラムに示すように、この酸素ガスの吸収線は線状のスペクトラムで表わされるため、周波数変調方式による濃度検出が可能である。そして、この周波数変調方式のレーザ式酸素ガス分析計では、中心周波数f、変調周波数fで半導体レーザ素子の出射光を周波数変調し、測定対象である酸素ガスに照射する。ここで、周波数変調とは、レーザ素子101eに供給するドライブ電流の波形を正弦波状に変調することである。
この周波数変調方式では、上記のように分布帰還型半導体レーザ(DFBレーザ)または垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)を用いて単一波長のレーザ光のみを出射しガス濃度を測定する。この場合、レーザ素子が発光するスペクトラム線幅が測定対象ガスの吸収線幅よりも小さいため、レーザの発光波長を測定対象ガスの吸収波長に合わせる必要がある。そこでレーザ素子の温度制御や電流制御を行って発光波長の制御を行う。
レーザ素子は、図11、図12に示すようにドライブ電流や温度によって発光波長が変化する。レーザ素子は温度と電流の一定値によって、特定の波長を発光することができるため、予め設定した温度と電流値によって吸収波長にあわせることができる。そして、周波数変調を行うことにより、ドライブ電流の変調に伴って発光波長が変調されることになる。
このように半導体レーザ素子は電流や温度で波長を変えることができるが、その波長範囲は数nmであり、測定対象ガスの吸収波長の近傍を発光するレーザ素子を使用する必要がある。このレーザ素子の波長選択性の性質から、図1に示したような全ての吸収線を測定対象にすることができず、測定に使用する吸収線は、比較的吸収強度が大きく、他ガスと吸収が重なり合わない1本または2本である。
図10に示したように、ガスの吸収線は変調周波数に対してほぼ2次関数となっているので、この吸収線が弁別器の役割を果たし、受光部では変調周波数fの2倍の周波数の信号(2倍波信号)が得られる。ここで、変調周波数fは任意の周波数で良いため、例えば、変調周波数fを数kHz程度に選ぶと、ディジタル信号処理装置(DSP)または汎用のプロセッサを用いて、2倍波信号の抽出等の高度な信号処理を行うことが可能になる。
また、受光部によりエンベロープ検波を行えば振幅変調による基本波を推定でき、この基本波の振幅と前記2倍波信号の振幅との比を位相同期させて検出することで、濃度以外に存在する同じ周波数成分の信号に影響されずに測定対象ガス濃度に比例した信号を得ることができる。
このような原理のもと、ガス分析を行っている場合に、以下のような出力がなされる。まず、測定対象ガス中に高温の酸素ガスがなく、かつ通常温度のパージガスがある場合である。この場合、同期検波部203bの出力は、図8(b)で示すようになる。
まず、高温のみ酸素吸収があり常温では酸素吸収がない波長λでは、測定対象ガス中に高温の酸素ガスがないことから、同期検波部203bによって2倍波信号が検出されないので、その出力波形は、図8(b)の囲いAで示すように同期検波部203bの出力はほぼ直線となる。
また、高温でも常温でも酸素吸収があるλでは、パージガスに含まれる常温の酸素ガスのみがあることから、同期検波部203bによって出射光の変調信号の2倍周波数成分の振幅のみが抽出された信号である2倍波信号が検出されるので、その出力波形は、図8(b)の囲いBで示すように出力がピーク波形となる。この検出ピークは、常温の酸素ガスの濃度を表す。
続いて、測定対象ガス中に高温の酸素ガスがあり、かつ通常温度のパージガスがある場合である。この場合、同期検波部203bの出力は、図8(c)で示すようになる。
まず、高温のみ酸素吸収があり常温では酸素吸収がない波長λでは、測定対象ガス中に高温の酸素ガスがあることから、同期検波部203bによって出射光の変調信号の2倍周波数成分の振幅のみが抽出された信号である2倍波信号が検出されるので、その出力波形は、図8(c)の囲いAで示すように出力がピーク波形となる。この検出ピークは、高温の酸素ガスの濃度を表す。
また、高温でも常温でも酸素吸収があるλでは、通常温度のパージガスがあることから、同期検波部203bによって出射光の変調信号の2倍周波数成分の振幅のみが抽出された信号である2倍波信号が検出されるので、その出力波形は、図8(c)の囲いBで示すように出力がピーク波形となる。
図8(b)または図8(c)の出力波形のいずれの場合にも、この出力波形はフィルタ203dによりノイズが除去され、適宜増幅して後段のCPUやDSP等である演算部203eへ出力される。演算部203eは以下のように機能する。濃度を測定する演算部203eは、波長走査駆動信号を発光部100から入力しており、例えば波長走査駆動信号のS3を抽出するなどしてタイミング同期を行うことにより図8(b),(c)の囲いAのタイミングの検出ピーク波形のみを選択できるようになされている。ガス分析時では図8(b),(c)の囲いBの検出ピークについては考慮しない。この図8(b),(c)の囲いAの検出ピーク波形Aが測定対象ガスのうちの高温の酸素ガスによる吸収を受けた部分(ガス吸収波形)であり、この検出ピーク波形Aの最大値または最小値が測定対象ガスのうちの高温の酸素ガスのガス濃度に相当する。
従って、演算部203eでは、この図8(b),(c)の四角枠内に示される同期検波部203bの出力である高温の酸素ガスの検出ピーク波形Aを用いて、高温の酸素ガスの濃度に相当する波形のピーク値を測定するか、高温の酸素ガスの検出ピーク波形Aの最大値または最小値の振幅差を測定するか、または、高温の酸素ガスの検出ピーク波形Aの一部または全部を積分して、その積分値から測定対象のうちの高温の酸素ガスの濃度を検出する手段として機能する。また、ガス濃度が所定値より低い場合に酸素ガスがないと判断する手段として機能する。
演算部203eには補正部600が接続されている。この補正部600は、演算部203eで濃度換算した値をガス温度やガス圧力の変化に応じた濃度値に補正する濃度値補正部と、濃度値補正部で補正した濃度値をディスプレイ表示する表示部と、補正した濃度値をアナログ、ディジタル信号を送信する外部伝送部と、を備えている。演算部203eは出力制御をおこなって補正機能表示部で補正された濃度値が表示部でディスプレイ表示がなされる。レーザ式酸素ガス分析計1によるガス分析はこのように行われる。
次にレーザ式酸素ガス分析計1の定期的な補正方法について説明する。定期補正を行う場合、一般的には設置現場から受光部と発光部を取り外し、図13に示すように発光部と受光部を専用の補正用ガスセル900の両端に接続する。窒素ガスや酸素ガスは通常は窒素ボンベ901や酸素ボンベ902から供給される。補正用ガスセルに流す窒素ガスや酸素ガスの温度は周囲温度(0〜35℃)と同じである。
ゼロ点のズレを確認するには、窒素ボンベ901から補正用ガスセル900へ補正用の窒素(N)ガスを流して、出荷時や前回補正時と比較してゼロ点のズレ幅を測定して、ゼロからズレが生じている場合は、補正を行い値がゼロになるようにゼロ係数を変更し、ガスボンベ濃度値と同じ値になるように補正を行う。
スパンのズレを確認するには、酸素ボンベ902から補正用ガスセル900へスパン相当の酸素ガスを流し、スパンのズレ幅を測定する。濃度値が酸素ボンベ902の濃度とズレが生じている場合は、補正を行い、スパン係数を変更する。
このような補正は、従来技術の燃焼制御で使用しない通常用途のレーザ式酸素ガス分析計では容易に行えるものであった。しかしながら、常温の酸素ガスの吸収がなく、高温の酸素ガスのみ吸収する波長により検出する新しい方式のレーザ式酸素ガス分析計では、特にスパンのズレを確認する場合にあっては、常温のスパン相当の酸素ガスを流しても、吸収が得られず補正することができないおそれがあった。
一方で本発明のレーザ式酸素ガス分析計1では以下のようにして補正を行う。本発明のレーザ式酸素ガス分析計1では先に説明した図8(a)のように走査するが、補正用の常温の酸素ガスのみある場合である。この場合、同期検波部203bの出力は、図8(b)で示すようになる。
まず、高温のみ酸素吸収があり常温では酸素吸収がない波長λでは、高温の酸素ガスがないことから、同期検波部203bによって2倍波信号が検出されないので、その出力波形は、図8(b)の囲いAで示すように同期検波部203bの出力はほぼ直線となる。
また、高温でも常温でも酸素吸収があるλでは、常温の酸素ガスのみがあることから、同期検波部203bによって出射光の変調信号の2倍周波数成分の振幅のみが抽出された信号である2倍波信号が検出されるので、その出力波形は、図8(b)の囲いBで示すように出力がピーク波形となる。この検出ピークは、補正用の常温の酸素ガスの濃度を表す。
この出力波形はフィルタ203dによりノイズが除去され、適宜増幅して後段のCPUやDSP等である演算部203eへ出力される。演算部203eは以下のように機能する。濃度を測定する演算部203eは、波長走査駆動信号を発光部100から入力しており、上記したようなタイミング同期により図8(b)の囲いBのタイミングのピーク波形を選択できるようになされている。ガス分析時と補正時とで異なるタイミングの切り替えは、例えば演算部203eに接続される図示しない切り替えスイッチ等により選択できる。この図8(b)の囲いBにおける検出ピーク波形Bが補正用の酸素ガスによる吸収を受けた部分(ガス吸収波形)であり、この検出ピーク波形Bの最大値または最小値が補正用の酸素ガスの濃度に相当する。
従って、演算部203eでは、この図8(b)の四角枠内に示される同期検波部203bの出力である常温の酸素ガスの検出ピーク波形Bを用いて、常温の酸素ガスの濃度に相当する波形のピーク値を測定するか、常温の酸素ガスの検出ピーク波形Bの最大値または最小値の振幅差を測定するか、または、常温の酸素ガスの検出ピーク波形Bの一部または全部を積分して、その積分値から常温の酸素ガスの濃度を検出する手段として機能する。この吸収波形Bによる濃度を用いて補正を行う。
なお、常温でも酸素吸収がある波長(λ)と高温のみ酸素吸収がある波長(λ)の400℃におけるゼロ点の経時変化率は図14で示す通り、相関関係がある。
また、常温でも酸素吸収がある波長(λ)と高温のみ酸素吸収がある波長(λ)の400℃におけるスパンの経時変化率は、図15で示す通り、ゼロ点と同様に相関関係がある。
以上から常温でも酸素の吸収がある波長(λ)と高温のみ酸素吸収がある波長(λ)には、次の数2の関係式を用いることにより、波長(λ)の補正を行うことにより間接的に波長(λ)の補正を行うことが可能になる。
[数2]
波長(λ)のゼロ点補正値=k×波長(λ)のゼロ点補正値
波長(λ)のスパン補正値=k’×波長(λ)のスパン補正値
これら波長(λ)のゼロ点補正値と波長(λ)のスパン補正値とを補正係数として算出し、補正部600は受光部200の演算203eへ送信する。受光部200の演算203eは、内蔵するメモリにこれら補正係数を登録し、以後はこの補正係数を用いて、高温の酸素ガスのガス濃度値を補正した上で出力する。したがって、補正後では経年変化による影響を打ち消して正確なガス濃度値を得られるようになる。このような補正は、ガスや配管を熱することなく、常温でズレを補正できるようになる。このようなレーザ式酸素ガス分析計1では補正が容易になるという利点がある。
続いて他の形態の装置について図16を参照しつつ説明する。本形態ではレーザ光の走査範囲を変更するものである。まず、先の形態では図8(a)のレーザ素子の駆動信号で示すように、高周波変調信号の周波数を10kHz,波長走査駆動信号の周波数を50Hzとしてあり、λはオフセットに相当する波長、λ(759.63nm),λ(759.64nm)は高温のみガス吸収がある酸素ガス(Oガス)の吸収波長に相当する走査波長の上下限値、および、λ(759.65nm),λ(759.67nm)は常温でもガス吸収がある酸素ガス(Oガス)の吸収波長に相当する走査波長の上下限値を示している。λは高温のみ酸素ガスの吸収波長に相当する波長を、また、λは常温のみ酸素ガスの吸収波長に相当する波長をそれぞれ示している。
一方で本形態では、図16に示すようにレーザ素子の駆動信号は、高周波変調信号の周波数を10kHz,波長走査駆動信号の周波数を50Hzとしてあり、λはオフセットに相当する波長、λ(759.60nm),λ(759.62nm)は常温でもガス吸収がある酸素ガス(Oガス)の吸収波長に相当する走査波長の上下限値、および、λ(759.63nm),λ(759.64nm)は高温のみガス吸収がある酸素ガス(Oガス)の吸収波長に相当する走査波長の上下限値を示している。λは高温のみ酸素ガスの吸収波長に相当する波長を、また、λは常温のみ酸素ガスの吸収波長に相当する波長をそれぞれ示している。このようなレーザ走査範囲を採用している。
このような原理のもと、以下のような出力がなされる。まず、測定対象ガス中に高温の酸素ガスがなく、かつ通常温度のパージガスがある場合である。この場合、同期検波部203bの出力は、図16(b)で示すようになる。
まず、高温でも常温でも酸素吸収があるλでは、パージガスに含まれる常温の酸素ガスのみがあることから、同期検波部203bによって出射光の変調信号の2倍周波数成分の振幅のみが抽出された信号である2倍波信号が検出されるので、その出力波形は、図17(b)の囲いBで示すように出力がピーク波形となる。この検出ピークは、常温の酸素ガスの濃度を表す。
また、高温のみ酸素吸収があり常温では酸素吸収がない波長λでは、測定対象ガス中に高温の酸素ガスがないことから、同期検波部203bによって2倍波信号が検出されないので、その出力波形は、図17(b)の囲いAで示すように同期検波部203bの出力はほぼ直線となる。
続いて、測定対象ガス中に高温の酸素ガスがあり、かつ通常温度のパージガスがある場合である。この場合、同期検波部203bの出力は、図16(c)で示すようになる。
まず、高温でも常温でも酸素吸収があるλでは、通常温度のパージガスがあることから、同期検波部203bによって出射光の変調信号の2倍周波数成分の振幅のみが抽出された信号である2倍波信号が検出されるので、その出力波形は、図16(c)の囲いBで示すように出力がピーク波形となる。
また、高温のみ酸素吸収があり常温では酸素吸収がない波長λでは、測定対象ガス中に高温の酸素ガスがあることから、同期検波部203bによって出射光の変調信号の2倍周波数成分の振幅のみが抽出された信号である2倍波信号が検出されるので、その出力波形は、図16(c)の囲いAで示すように出力がピーク波形となる。この検出ピークは、高温の酸素ガスの濃度を表す。
図16(b)または図16(c)の出力波形のいずれの場合にも、この出力波形はフィルタ203dによりノイズが除去され、適宜増幅して後段のCPUやDSP等である演算部203eへ出力される。演算部203eは以下のように機能する。濃度を測定する演算部203eは、波長走査駆動信号を発光部100から入力しており、上記したようなタイミング同期により図16(b),(c)の囲いAのタイミングの検出ピーク波形Aを選択できるようになされている。この図16(b),(c)の囲いAの検出ピーク波形Aが測定対象ガスのうちの高温の酸素ガスによる吸収を受けた部分(ガス吸収波形)であり、この検出ピーク波形Aの最大値または最小値が測定対象ガスのうちの高温の酸素ガスのガス濃度に相当する。
従って、演算部203eでは、この図16(b),(c)の四角枠内に示される同期検波部203bの出力である高温の酸素ガスの検出ピーク波形Aを用いて、高温の酸素ガスの濃度に相当する波形のピーク値を測定するか、高温の酸素ガスの検出ピーク波形Aの最大値または最小値の振幅差を測定するか、または、高温の酸素ガスの検出ピーク波形Aの一部または全部を積分して、その積分値から測定対象のうちの高温の酸素ガスの濃度を検出する手段として機能する。また、ガス濃度が所定値より低い場合に酸素ガスがないと判断する手段として機能する。
演算部203eには補正部600が接続されている。この補正部600は、演算部203eで濃度換算した値をガス温度やガス圧力の変化に応じた濃度値に補正する濃度値補正部と、濃度値補正部で補正した濃度値をディスプレイ表示する表示部と、補正した濃度値をアナログ、ディジタル信号を送信する外部伝送部と、を備えている。演算部203eは出力制御をおこなって補正機能表示部で補正された濃度値が表示部でディスプレイ表示がなされる。レーザ式酸素ガス分析計1によるガス分析はこのように行われる。
一方で本発明のレーザ式酸素ガス分析計1では以下のようにして補正を行う。本発明のレーザ式酸素ガス分析計1では図16(a)のように走査するが、補正用の常温の酸素ガスのみある場合である。この場合、同期検波部203bの出力は、図16(b)で示すようになる。
まず、高温でも常温でも酸素吸収があるλでは、常温の酸素ガスのみがあることから、同期検波部203bによって出射光の変調信号の2倍周波数成分の振幅のみが抽出された信号である2倍波信号が検出されるので、その出力波形は、図16(b)の囲いBで示すように出力が検出ピーク波形Bとなる。この検出ピーク波形Bは、補正用の常温の酸素ガスの濃度を表す。
また、高温のみ酸素吸収があり常温では酸素吸収がない波長λでは、高温の酸素ガスがないことから、同期検波部203bによって2倍波信号が検出されないので、その出力波形は、図16(b)の囲いAで示すように同期検波部203bの出力はほぼ直線となる。
この出力波形はフィルタ203dによりノイズが除去され、適宜増幅して後段のCPUやDSP等である演算部203eへ出力される。演算部203eは以下のように機能する。濃度を測定する演算部203eは、波長走査駆動信号を発光部100から入力しており、上記のタイミング同期により図16(b)の囲いBのタイミングの検出ピーク波形Bを選択できるようになされている。タイミングの切り替えは、例えば演算部203eに接続される図示しない切り替えスイッチ等により選択できる。この図16(b)の囲いBの検出ピーク波形Bが補正用の常温の酸素ガスによる吸収を受けた部分(ガス吸収波形)であり、この検出ピーク波形Bの最大値または最小値が補正用の酸素ガスの濃度に相当する。
従って、演算部203eでは、この図16(b)の四角枠内に示される同期検波部203bの出力である常温の酸素ガスの検出ピーク波形Bを用いて、常温の酸素ガスの濃度に相当する波形のピーク値を測定するか、常温の酸素ガスの検出ピーク波形Bの最大値または最小値の振幅差を測定するか、または、常温の酸素ガスの検出ピーク波形Bの一部または全部を積分して、その積分値から常温の酸素ガスの濃度を検出する手段として機能する。この検出ピーク波形Bによる濃度を用いて補正を行う。そして上記のように補正を行い、上記の数3のような補正係数を得る。
これら波長(λ)のゼロ点補正値と波長(λ)のスパン補正値とを補正係数として算出し、補正部600は受光部200の演算部203eへ送信する。受光部200の演算部203eは、内蔵するメモリにこれら補正係数を登録し、以後はこの補正係数を用いて、高温の酸素ガスのガス濃度値を補正した上で出力する。したがって、補正後では経年変化による影響を打ち消して正確なガス濃度値を得られるようになる。このような補正は、ガスや配管を熱することなく、常温でズレを補正できるようになる。
本形態のレーザ式酸素ガス分析計はこのようなものである。本形態でも先に説明したレーザ式酸素ガス分析計と同じ効果を奏しうるというものである。
以上本発明のレーザ式酸素ガス分析計について説明した。
本発明のレーザ式酸素ガス分析計は、酸素ガスの温度が異なる場合には吸収強度が異なるという物理的現象を利用し、特に高温の酸素ガスの吸収強度が大きいような特定波長で吸光させるというものであり、測定対象ガスに含まれる酸素ガスのうち、装置保護やダスト付着防止用を目的としたパージガスに使用する計装空気中の低温の酸素ガス、および、パージガスではない装置内の空気中の低温の酸素ガス、に影響されることなく、例えば、ゴミ焼却場施設などのボイラ内の測定対象ガスのうち400℃以上の高温の酸素ガスのガス濃度をレーザ光により測定するようにした。そして、特に補正時では低温の酸素ガスを用いて補正を容易に行えるようにしたため、運用が容易なレーザ式酸素ガス分析計とした。
本発明のレーザ式酸素ガス分析計は、ボイラ、ゴミ焼却等の燃焼排ガス測定用として最適である。その他、鉄鋼用ガス分析[高炉、転炉、熱処理炉、焼結(ペレット設備)、コークス炉]、青果貯蔵及び熟成、生化学(微生物)[発酵]、大気汚染[焼却炉、排煙脱硫・脱硝]、自動車排ガス(除テスタ)、防災[爆発性ガス検知、有毒ガス検知、新建築材燃焼ガス分析]、植物育成用、化学用分析[石油精製プラント、石油化学プラント、ガス発生プラント]、環境用[着地濃度、トンネル内濃度、駐車場、ビル管理]、理化学各種実験用などの分析計としても有用である。
1:レーザ式酸素ガス分析計
100:発光部
101:レーザ光源部
101a:波長走査駆動信号発生部
101b:高周波変調信号発生部
101c:電流制御部
101d:温度制御部
101e:レーザ素子
101f:サーミスタ
101g:ペルチェ素子
101s:レーザ駆動信号発生部
102:コリメートレンズ
103:ボックスカバー
200:受光部
201:集光レンズ
202:受光素子
203:信号処理部
204:ボックスカバー
300:発光部側パージ部
301:パージ部本体
302:流入口
303:流出口
400:受光部側パージ部
401:パージ部本体
402:流入口
403:流出口
500:通信線
600:補正部
701a,701b:壁
702a,702b:相フランジ
800:検出光
900:補正用ガスセル
901:窒素ボンベ
902:酸素ボンベ

Claims (3)

  1. レーザ光による検出光を出射する発光部と、測定対象である酸素ガスが存在する空間を介して伝播された検出光を受光し、受光した検出光の検出ピークからガス濃度を算出する受光部と、経時変化によって生じた濃度誤差を補正係数によって補正する補正部と、を有し、酸素ガスのガス濃度を測定するレーザ式酸素ガス分析計であって、
    前記発光部は、測定対象である高温の酸素ガスの吸収強度が大きく、かつ、常温の酸素ガスの吸収強度が小さいような波長のレーザ光によるガス分析用の検出光と、常温の酸素ガスの吸収強度が大きい波長のレーザ光による補正用の検出光と、をそれぞれ発光するものであり、
    前記受光部は、ガス分析時ではガス分析用の検出光を受光して高温の酸素ガスのガス濃度を算出し、また、補正時では補正用の検出光を受光して検出ピークを算出するものであり、
    前記補正部は、補正時では補正用の検出光から生成される検出ピークを用いて経時変化を補正する補正係数を算出するものであり、
    前記受光部は、前記補正部で算出した補正係数を用いて、ガス分析用の検出光を受光して生成したガス濃度値を間接的に補正することを特徴とするレーザ式酸素ガス分析計。
  2. レーザ光による検出光を出射する発光部と、測定対象である酸素ガスが存在する空間を介して伝播された検出光を受光し、受光した検出光の検出ピークからガス濃度を算出する受光部と、空気によるパージガスを発光部に供給する発光部側パージ部と、空気によるパージガスを受光部に供給する受光部側パージ部と、経時変化によって生じた濃度誤差を補正係数によって補正する補正部と、を有し、酸素ガスのガス濃度を測定するレーザ式酸素ガス分析計であって、
    前記発光部は、
    測定対象である高温の酸素ガスの吸収強度が大きく、かつ、発光部側パージ部および受光部側パージ部のパージガスに含まれる常温の酸素ガスの吸収強度が小さいような波長と、発光部側パージ部および受光部側パージ部のパージガスに含まれる常温の酸素ガスの吸収強度が大きい波長と、を含む所定範囲の走査波長で走査されるレーザ光によりガス分析用の検出光と補正用の検出光を発光するレーザ素子と、
    前記レーザ素子の温度を安定化させる発光側温度安定化手段と、
    酸素ガスの吸収波長を走査するように前記レーザ素子の発光波長を所定範囲の走査波長に可変とする可変駆動信号を含む波長走査駆動信号に対し、前記発光波長を変調するための高周波変調信号を合成してレーザ駆動信号として出力するレーザ駆動信号発生部と、
    このレーザ駆動信号発生部から出力された前記レーザ駆動信号を電流に変換して前記レーザ素子へこの電流を供給する電流制御部と、
    を備え、
    前記受光部は、
    ガス分析時のガス分析用の検出光および補正時の補正用の検出光に感度を有する受光素子と、
    前記受光部の出力信号から前記発光部における変調信号の2倍周波数成分である2倍波信号の振幅を検出して検出信号を出力する同期検波部と、
    前記受光部の出力信号からノイズを除去するフィルタ回路と、
    フィルタ回路から出力された検出信号に基づいて演算を行うものであり、ガス分析時ではガス分析用の検出光で高温の酸素ガスのガス濃度を算出し、また、補正時では補正用の検出光で検出ピークを算出する演算部と、
    前記補正部は、補正時では補正用の検出光から生成される検出ピークを用いて経時変化を補正する補正係数を算出するものであり、
    前記受光部の前記演算部が、前記補正部で算出した補正係数を用いて、ガス分析用の検出光を受光して生成したガス濃度値を間接的に補正することを特徴とするレーザ式酸素ガス分析計。
  3. 請求項1または請求項2に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
    前記の測定対象である高温の酸素ガスの吸収強度が大きく、かつ、常温の酸素ガスの吸収強度が小さいような波長は759.63nm〜759.64nmの範囲内に吸収のピークが含まれる波長であり、前記の常温の酸素ガスの吸収強度が大きい波長は759.65nm〜759.67nmの範囲内に吸収のピークが含まれる波長または759.60nm〜75.62nmの範囲内に吸収のピークが含まれる波長であることを特徴とするレーザ式酸素ガス分析計。
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