JP2014102140A - レーザ式酸素ガス分析計 - Google Patents

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Abstract

【課題】パージガスおよび大気に含まれる酸素ガスと、測定対象ガスに含まれる酸素ガスと、の温度差を利用することで、パージガスおよび大気に含まれる低温の酸素ガスに対して感度を殆ど示すことはないが、測定対象ガスに含まれる高温の酸素ガスのみに感度を示すようにして、測定対象ガスに含まれる酸素ガスについてのみ酸素ガスの有無の検出や濃度の測定を行うようなレーザ式酸素ガス分析計を提供する。
【解決手段】発光部100は、測定対象である高温の酸素ガスの吸収強度が大きく、かつ、発光部側パージ部300および受光部側パージ部400のパージガスに含まれる低温の酸素ガスの吸収強度が小さいような波長のレーザ光を発光し、受光部400は、測定対象である高温の酸素ガスが多く吸光された検出光を受光するようなレーザ式酸素ガス分析計とした。
【選択図】図5

Description

本発明は、ガス温度の吸収強度差を利用してボイラ内の高温酸素濃度を測定するレーザ式酸素ガス分析計に関する。
気体中のガス分子には、それぞれ固有の光吸収スペクトラムがあることが知られている。例えば、図24は、Oガス(酸素ガス)の光吸収スペクトラム例であり、横軸が波長、縦軸は吸収強度を示している。縦軸の吸収強度が大きいほど吸光量が大きくなる。レーザ式酸素ガス分析計は、測定対象である酸素ガスが吸収する波長のレーザ光を発光するレーザ素子を搭載しており、この特定波長のレーザ光を酸素ガスに吸光させることで酸素ガスの有無を検出することができる。加えてレーザ式酸素ガス分析計はレーザ光の特定波長の吸収量が酸素ガスの濃度に比例するため濃度を検出することもできる。
レーザ式酸素ガス分析計のガス濃度の測定方法としては、2波長差分方式と周波数変調方式とに大別される。周波数変調方式による濃度測定装置は、例えば後述する特許文献1にも記載されているものである。本発明も周波数変調方式によるレーザ式酸素ガス分析計に関するものである。
また、周波数変調では発光波長を変化させる必要があるが、このような発光波長の制御に関し、例えば、測定対象ガスと同じガス成分を予め封入した参照ガスセルを用いて、レーザ素子の発光波長を温度によって制御する方法も用いられており、例えば後述する特許文献2にも記載されているものである。
このようなレーザ式酸素ガス分析計は、特に大気環境測定や制御用途に使用され、具体的には主にゴミ焼却場などのボイラの燃焼制御に使用されることが多い。ボイラの燃焼制御に用いられるレーザ式酸素ガス分析計が対象とする測定対象ガスの温度は、700〜1200℃と高温である。そこで、熱による装置保護やダストによる汚れ付着を防止するために、ガスによるパージ(以下ガスパージという)を常時行う必要がある。図25はレーザ式酸素ガス分析計をボイラなどの測定場所に設置した時の外観構造と、測定対象となる煙道ガスおよびパージガスの流れを示したものである。壁40内には燃焼により生じた煙道ガスが通流している。また、パージガスがパージガス入口20,60から導入され、パージガスが発光部ボックス10や受光部ボックス70の表面のレンズやガラス窓の汚れを防止している。ガスパージは相フランジ30,50を経て壁40内にパージガスが排出される。
特開平7−151681号公報(段落[0005]、図4等) 特開2001−235418号公報(段落[0012]〜[0024]、図2、図11等)
このパージガスとしては計装窒素が望ましい。この理由であるが、仮に計装空気を使用するとなると、計装空気には酸素が含まれており、煙道の酸素ガスの分析ではこのパージガス中の酸素ガスによる影響を受けるためである。しかしながら、計装窒素の利用は設備コストや運用コストを要するため、主に製鉄所や鉄鋼所のような火災・爆発の危険性がある場所にしか採用されておらず、一般的な焼却炉では計装空気を使用している。
先に述べた計装空気には通常では約20.6vol%の酸素が含まれている。レーザ式酸素ガス分析計は、パージガスとして計測空気を使用する場合にこの約20.6vol%の酸素の影響を受ける。この影響を回避するため計装空気に含まれる酸素ガスの酸素量を求め、予めオフセットとして濃度換算して測定する方法が考えられる。しかしながら、一般的にボイラ内で制御する酸素ガスの酸素量は数vol%(例えば3〜7vol%)であり、計装空気に含まれる酸素濃度の方が相対的に高くなるため、測定精度に影響がでる。最悪の場合、十分なS/Nが得られないこともある。このため、燃焼制御で使用する酸素計はレーザ式酸素ガス分析計を使用することなく、定期的な清掃などメンテナンス頻度が高い他方式の酸素計(ジルコニア酸素計)を使用してきた。
そこで、本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、パージガスおよび大気に含まれる酸素ガスと、測定対象ガスに含まれる酸素ガスと、の温度差を利用することで、パージガスおよび大気に含まれる低温の酸素ガスに対して感度を殆ど示すことはないが、測定対象ガスに含まれる高温の酸素ガスのみに感度を示すようにして、測定対象ガスに含まれる酸素ガスについてのみ酸素ガスの有無の検出や濃度測定を行うようなレーザ式酸素ガス分析計を提供することにある。
本発明のレーザ式酸素ガス分析計は、酸素ガスの温度が異なる場合には吸収強度が異なるという物理的現象を利用し、特に高温の酸素ガスの吸収強度が大きいような特定波長で吸光させるというものであり、測定対象ガスに含まれる酸素ガスのうち、装置保護やダスト付着防止用を目的としたパージガスに使用する計装空気中の低温の酸素ガス、および、パージガスではない装置内の空気中の低温の酸素ガス、に影響されることなく、例えば、ゴミ焼却場施設などのボイラ内の測定対象ガスのうち400℃以上の高温の酸素ガスのガス濃度のみをレーザ光により測定するようにした。
すなわち本発明の請求項1に係るレーザ式酸素ガス分析計は、
レーザ光による検出光を出射する発光部と、測定対象である酸素ガスが存在する空間を介して伝播された検出光を受光する受光部と、空気によるパージガスを発光部に供給する発光部側パージ部と、空気によるパージガスを受光部に供給する受光部側パージ部と、を備え、酸素ガスの濃度の測定を行う周波数変調方式のレーザ式酸素ガス分析計であって、
前記発光部は、測定対象である高温の酸素ガスの吸収強度が大きく、かつ、発光部側パージ部および受光部側パージ部のパージガスに含まれる低温の酸素ガスの吸収強度が小さいような吸収波長を含む所定範囲の走査波長で走査されるレーザ光を発光し、前記受光部は、測定対象である高温の酸素ガスが多く吸光された検出光を受光することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係るレーザ式酸素ガス分析計は、
請求項1に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
前記吸収波長は759.63nm〜759.64nmの範囲内に吸収のピークが含まれる波長であることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係るレーザ式酸素ガス分析計は、
レーザ光による検出光を出射する発光部と、測定対象である酸素ガスが存在する空間を介して伝播された検出光を受光する受光部と、空気によるパージガスを発光部に供給する発光部側パージ部と、空気によるパージガスを受光部に供給する受光部側パージ部と、を備え、酸素ガスの有無の検出または酸素ガスの濃度の測定を行う周波数変調方式のレーザ式酸素ガス分析計であって、
前記発光部は、
測定対象である高温の酸素ガスの吸収強度が大きく、かつ、発光部側パージ部および受光部側パージ部のパージガスに含まれる低温の酸素ガスの吸収強度が小さいような吸収波長を含む所定範囲の走査波長で走査されるレーザ光による検出光を出射するレーザ素子と、
前記レーザ素子の温度を安定化させる発光側温度安定化手段と、
酸素ガスの吸収波長を走査するように前記レーザ素子の発光波長を所定範囲の走査波長に可変とする可変駆動信号を含む波長走査駆動信号に対し、前記発光波長を変調するための高周波変調信号を合成してレーザ駆動信号として出力するレーザ駆動信号発生部と、
このレーザ駆動信号発生部から出力された前記レーザ駆動信号を電流に変換して前記レーザ素子へこの電流を供給する電流制御部と、
を備え、
前記受光部は、
測定対象である高温の酸素ガスが多く吸光された検出光であるレーザ光に感度を有する受光素子と、
前記受光部の出力信号から光源部における変調信号の2倍周波数成分である2倍波信号の振幅を検出して検出信号を出力する同期検波部と、
前記受光部の出力信号からノイズを除去するフィルタ回路と、
フィルタ回路から出力された検出信号に基づいて酸素ガスによる吸光量を算出し、この吸光量に基づいて酸素ガスの濃度の測定を行う手段として機能する演算部と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係るレーザ式酸素ガス分析計は、
請求項3に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
前記吸収波長は759.63nm〜759.64nmの範囲内に吸収のピークが含まれる波長であることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係るレーザ式酸素ガス分析計は、
請求項3または請求項4に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
前記演算部は、
前記検出信号のガス吸収波形の一部または全部を積分し、その積分値から測定対象ガスの濃度を検出する手段として機能することを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係るレーザ式酸素ガス分析計は、
請求項3または請求項4に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
前記演算部は、
前記検出信号のガス吸収波形の最大値と最小値との差分から測定対象ガスの濃度を検出する手段として機能することを特徴とする。
また、本発明の請求項7に係るレーザ式酸素ガス分析計は、
請求項3または請求項4に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
前記演算部は、
前記検出信号のガス吸収波形の最大値と最小値との差分にガス濃度変換係数を乗じた値から測定対象ガスの濃度を検出する手段として機能することを特徴とする。
また、本発明の請求項8に係るレーザ式酸素ガス分析計は、
請求項3〜請求項7の何れか一項に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
前記波長走査駆動信号は、さらにオフセット信号を含むものであって可変駆動信号とオフセット信号とが一定周期で繰り返される信号であり、
前記オフセット信号は、前記レーザ素子のスレッショルド電流値以上の電流を前記レーザ素子に供給するような値であることを特徴とする。
また、本発明の請求項9に係るレーザ式酸素ガス分析計は、
請求項3〜請求項8の何れか一項に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
前記レーザ駆動信号発生部から出力されるパルス状のトリガ信号を、前記波長走査駆動信号と同期させ、前記演算部は同期したタイミングで演算を行うことを特徴とする。
また、本発明の請求項10に係るレーザ式酸素ガス分析計は、
請求項9に記載したレーザ式酸素ガス分析計において、
前記トリガ信号を、前記レーザ素子の駆動電流をゼロにするような前記波長走査駆動信号のタイミングに同期させたことを特徴とする。
また、本発明の請求項11に係るレーザ式酸素ガス分析計は、
請求項3〜請求項8の何れか一項に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
前記受光部は、前記受光部の出力信号から前記波長走査駆動信号の成分を抽出する抽出部を更に備え、
前記演算部は、前記抽出部の出力信号と受光光量設定値との比である受光光量補正係数を用いて前記ガス吸収波形の振幅を補正する手段として機能することを特徴とする。
また、本発明の請求項12に係るレーザ式酸素ガス分析計は、
請求項11に記載したレーザ式酸素ガス分析計において、
前記演算部は、前記受光光量設定値を、受光光量が最大であるときの前記抽出部の出力信号のレベルに設定することを特徴とする。
本発明によれば、パージガスおよび大気に含まれる酸素ガスと、測定対象ガスに含まれる酸素ガスと、の温度差を利用することで、パージガスおよび大気に含まれる低温の酸素ガスに対して感度を殆ど示すことはないが、測定対象ガスに含まれる高温の酸素ガスのみに感度を示すようにして、測定対象ガスに含まれる酸素ガスについてのみ酸素ガスの有無の検出や濃度測定を行うようなレーザ式酸素ガス分析計を提供することができる。
ガスの吸収スペクトラム特性図である。 一般的な酸素ガス温度別吸収スペクトラム例の説明図である。 燃焼制御用としてレーザ式酸素ガス分析計が使用される環境下の酸素濃度分布と光路長の説明図である。 燃焼制御用の酸素ガス温度別吸収スペクトラム例の説明図である。 本発明の第1の実施の形態のレーザ式酸素ガス分析計の構成図である。 レーザ光源部の構成図である。 レーザ素子の波長走査駆動信号発生部の出力波形を示す図である。 本発明の実施形態の動作を説明するための、レーザ素子の走査波形、Oガスの吸収波形および同期検波部の出力波形を示す図である。 受光素子および信号処理部の構成図である。 周波数変調方式の原理図である。 ドライブ電流による半導体レーザの発光波長の変化を示す図である。 温度による半導体レーザの発光波長の変化を示す図である。 本発明の第2の実施の形態のレーザ式酸素ガス分析計の構成図である。 レーザ光源部の構成図である。 受光素子および信号処理部の構成図である。 レーザ素子の波長走査駆動信号発生部の出力波形および信号処理部に送られるトリガ信号の説明図である。 I/V変換部及び同期検波部の出力信号を示す図である。 I/V変換部及び同期検波部の出力信号を示す図である。 同期検波部の出力信号を示す図である。 本発明の第3の実施の形態のレーザ式酸素ガス分析計の信号処理部の構成図である。 受光信号の波形図である。 受光信号の波形図である。 図20Aに対応した同期検波部の出力波形を示す図である。 図20Bに対応した同期検波部の出力波形を示す図である。 受光光量レベルとガス吸収波形の振幅レベルとの関係を示す図である。 図21Aに対応した波長走査信号成分の波形図である。 図21Bに対応した波長走査信号成分の波形図である。 ガスの吸収スペクトラム特性図である。 パージガスの流れを説明する説明図である。
続いて、本発明のレーザ式酸素ガス分析計について以下に説明する。まず、本発明の特徴をなす検出原理について説明する。
図1に酸素ガス(Oガス)の吸収スペクトラムを示す。この酸素ガスの吸収線はそれぞれが線状のスペクトラムで表わされる。そして、一般的には、図2の酸素ガス温度別吸収スペクトラムで示すように温度依存性があり、酸素ガスの温度が高くなると同じ酸素濃度でも吸収強度が低下し、検出時において、見かけ上の濃度が低下する。
先に説明したように、レーザ式酸素ガス分析計は炉内の熱から装置を保護するため、また、ダストの付着を防ぐためガスパージを行っている。パージガスに窒素を使えば、測定対象である酸素ガスの酸素濃度に影響を与えることはないが、窒素は設備コストやランニングコストを要するため、計装空気が使用されている。
図3は、一般的な燃焼制御用途であって、パージガスとして計装空気を使用したときのレーザ式酸素ガス分析計の酸素濃度分布と光路長の関係を示している。パージガス中の酸素ガスのガス濃度は20.6vol%であり、測定対象ガス中の酸素ガスのガス濃度は3〜7vol%である。パージガス中の酸素ガスが存在する区間のパージ部距離は1m×2であり、測定対象ガス中の酸素ガスが存在する区間の煙道距離は2〜4mである。
レーザ式酸素ガス分析計における酸素濃度と光路長との関係はLambert-Beerの法則により、得られる信号強度はガス濃度とそのガスが存在する距離に比例する。Lambert-Beerの式を数1に記す。
[数1]
I(L)=I(0)・exp[−ks・ns・Ls]
I(L):受光光量 ks:ガス係数
I(0):発光光量 ns:ガス濃度
Ls:煙道またはセル長
よって、信号強度はガス濃度と距離の乗算値に影響される点が理解できる。一般にレーザ式酸素ガス分析計では計測レンジを設定できるが、燃焼制御用で使用するレーザ式酸素ガス分析計のレンジは大気中の酸素が20.6vol%であることから、25vol%を選ぶことが大半である。
この図3のモデルで0℃の測定レンジに対するパージエアの酸素濃度比率は(20.6vol%×パージ部距離)/(25vol%×煙道距離)で表されるが、パージ部距離=2、煙道距離=2〜4であることから酸素濃度比率=0.41〜0.82倍となり、1倍以下である。
しかしながら、実際の燃焼制御の環境では、図2の一般的な酸素ガスの温度別吸収強度に従うものであって、800℃の吸収強度が0℃の吸収強度の15%程度であり、この場合にはパージエアの酸素濃度は測定対象の酸素濃度に対して、(20.6vol%×パージ部距離)/(煙道内濃度vol%×煙道距離×0.15)で表されるが、パージ部距離=2、煙道距離=2〜4、煙道内濃度=3〜7であることから酸素濃度比率=9.8〜45.8倍になり、パージガスの影響が大きくなっている。
また、0℃の測定レンジに対する800℃の測定ガスの吸収強度(煙道内濃度vol%×0.15)/25×100で表されるが、煙道内濃度=3〜7であることから吸収強度=1.8〜4.2%FSとなり、フルスケールに対してわずか2〜4%でしかない。
以上から、燃焼制御環境下では外乱にあたるパージエアの酸素の吸収強度が相対的に大きくなり、また測定ガスの吸収強度はガス温度の影響で小さくなり、十分なS/Nが得られない状態になる。
そこでこのような問題を回避するため、燃焼制御で使用する酸素の吸収線スペクトラムは図4のようなガス温度特性をもつ吸収波長を選定する。この吸収波長は、例えば所定範囲759.63nm〜759.64nmの範囲内に吸収のピークがある波長である。この波長における吸収線の特長は常温付近では酸素を殆ど吸収しないが、ガス温度が高くなると酸素の吸収が発生し、400〜1200℃の吸収強度は常温に対し十分な大きさがあり、吸収強度の変化量も最大吸収強度から約20%の範囲で収まる。
そのため400℃の吸収強度を基準とした場合、常温雰囲気であるパージガスの酸素濃度は殆ど無視することができ、図3のモデルで実際の燃焼制御の環境下のパージエアの酸素濃度は測定対象の酸素濃度に対してほぼ0となり、0℃の測定レンジに対する800℃の測定ガスの吸収強度は14〜34%FSになり、パージエアを使用しても、その影響を受けることが殆どなく、また十分なS/Nを得ることができる。
このようにパージ部に流す計装空気であるパージガスに含まれる酸素ガスと測定対象の酸素ガスとを、特定波長のガス温度差によって生じる吸収強度の違いを利用し、パージ部へ流す計装空気に含まれる酸素ガスやパージ部等の装置内の酸素ガスの影響を殆ど受けることなく、測定対象の高温の酸素濃度を効率よく測定するレーザ式酸素ガス分析計とした。
続いて、本発明を実施するための第1の形態に係るレーザ式酸素ガス分析計について図を参照しつつ以下に説明する。図5は、本形態のレーザ式酸素ガス分析計1の構成図である。レーザ式酸素ガス分析計1は、発光部100、受光部200、発光部側パージ部300、受光部側パージ部400を備えている。
発光部100は、さらにレーザ光源部101、発光部側光学系の具体例であるコリメートレンズ102、ボックスカバー103を備える。
受光部200は、受光部側光学系の具体例である集光レンズ201、受光素子202、信号処理部203、ボックスカバー204を備える。
発光部側パージ部300は、パージ部本体301、流入口302、流出口303を備える。
受光部側パージ部400は、パージ部本体401、流入口402、流出口403を備える。
本形態のレーザ式酸素ガス分析計では、具体例として、酸素ガスを含む測定対象ガスが内部を通過する煙道などの配管に固定されているものとして説明する。測定対象ガスは例えば燃焼時に発生する排ガスなどである。
壁501a,501bは、この配管の壁である。相フランジ502a,502bは、この壁501a,501bに、例えば、溶接等によって固定されている。
一方の相フランジ502aには、角度調整機構部を含む発光部側パージ部300のパージ部本体301が取り付けられている。この発光部側パージ部300のパージ部本体301には、発光部100のボックスカバー103が取り付けられている。発光部側パージ部300の内部通路、相フランジ502aの内部通路が連通しており、さらに配管内と連通している。ボックスカバー103とは、コリメートレンズ102によって空間が隔てられている。
他方の相フランジ502bには、角度調整機構部を含む受光部側パージ部400のパージ部本体401が取り付けられている。この受光部側パージ部400のパージ部本体401には、受光部200のボックスカバー204が取り付けられている。受光部側パージ部400の内部通路、相フランジ502bの内部通路が連通しており、さらに配管内と連通している。ボックスカバー204とは、集光レンズ201によって空間が隔てられている。
発光部100のボックスカバー103は電子基板に搭載されるレーザ光源部101、光学部品であるコリメートレンズ102を内蔵する。レーザ光源部101から出射したレーザ光は、コリメートレンズ102によって平行光にコリメートされる。コリメートされた検出光600は、発光部側パージ部300の内部通路と相フランジ502aの内部通路の中心を通って壁501a,501bの内部(煙道内部)へ入射される。
検出光600は、壁501a,501bの内部にある測定対象ガス中の酸素ガスを透過する際に吸収を受ける。また、相フランジ502a,502bの内部、発光部側パージ部300の内部通路、受光部側パージ部400の内部通路に測定対象である高温の酸素ガスが存在する場合は、通常、同様に吸収を受ける。しかしながら、エアパージによる低温の酸素ガスや大気に含まれる低温の酸素ガスについては感度が低いため吸収は生じない。
検出光600は受光部200へ入射される。受光部200のボックスカバー204は光学部品である集光レンズ201、電子基板に搭載される受光素子202や信号処理部203を内蔵する。壁501a,501bの内部(煙道内部)を透過した平行光である検出光600は、相フランジ502bの内部通路と受光部側パージ部400の内部通路との中心を通ってボックスカバー204内部の集光レンズ201により集光されて受光素子202により受光される。この光は、受光素子202により電気信号に変換され、後段の信号処理部203に入力される。
この際、測定対象ガスによる熱や腐食、汚れを防ぐため、発光部側パージ部300には流入口302からパージ部本体301内へ圧縮空気である計装空気が流入し、発光部側パージ部300の内部通路をパージし、また流出口303を通過して相フランジ502aの内部通路をパージする。このパージの後に壁501a,501bの内部(煙道内部)へパージガスが排出される。同様に受光部側パージ部400には流入口402からパージ部本体401内部へ圧縮空気である計装空気が流入し、受光部側パージ部400の内部通路をパージし、また流出口403を通過して相フランジ502bの内部通路をパージする。このパージの後に壁501a,501bの内部(煙道内部)へパージガスが排出される。
この計装空気により、測定対象ガスに含まれて各部に付着した煤塵等を吹き飛ばし、発光部100および受光部200のレンズ表面を清浄に保っている。また、パージ用に流入する計装空気が常温(例えば25℃)であり、パージ部本体301、401内、相フランジ502a、502bの内部を強制的に冷却している。
次に、発光部100、および、受光部200の詳細構成について説明する。まず、発光部100について図6,図7を参照しつつ詳細に説明する。図6はレーザ光源部101の詳細を示している。このレーザ光源部101は、波長走査駆動信号発生部101aと、高周波変調信号発生部101bと、を有するレーザ駆動信号発生部101sを備える。
波長走査駆動信号発生部101aは、測定対象ガスの吸収波長を走査するようにレーザ素子の発光波長を可変とするための波長走査駆動信号を出力する。
高周波変調信号発生部101bは、測定対象ガスである酸素ガスの吸収波長を検出するために、例えば10kHz程度の正弦波で波長を周波数変調するための高周波変調信号を出力する。
このような波長走査駆動信号発生部101aから出力される波長走査駆動信号に対し、高周波変調信号発生部101bからの高周波変調信号を合成して周波数変調を行いレーザ駆動信号が生成されるようになっている。レーザ駆動信号発生部101sから出力されたレーザ駆動信号は電流制御部101cにより電流に変換され、半導体レーザからなるレーザ素子101eに供給される。このレーザ素子101eは、例えば、DFBレーザ(Distributed Feedback Laser)、もしくはVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)といわれるレーザ素子である。
また、レーザ素子101eには温度安定化手段が設けられている。この温度安定化手段は、温度制御部101d、サーミスタ101f、ペルチェ素子101gを備える。レーザ素子101eに近接して温度検出素子としてのサーミスタ101fが配置され、このサーミスタ101fにはペルチェ素子101gが近接して配置されている。このペルチェ素子101gは、サーミスタ101fの抵抗値が一定値になるようにするため、温度制御部101dによってPID(比例・積分・微分)制御が行われ、結果としてレーザ素子101eの温度を安定化するように動作するものである。
ここで、波長走査駆動信号発生部101aから出力される波長走査駆動信号は、図7に示すように、可変駆動信号S1およびオフセット信号S2により、ほぼ台形波状の単位波形となり、このような単位波形が一定周期で繰り返される信号である。
波長走査駆動信号の可変駆動信号S1は、吸収波長を走査する信号であり、電流制御部101cを介してレーザ素子101eに供給される電流の大きさを直線的に変える部分である。この信号S1によってレーザ素子101eの発光波長を徐々にずらしていき、吸収波長を走査する信号である。信号S1の傾き、すなわち、供給電流の変化量によって、発光波長をサブnm〜数nmの範囲で走査可能である。例えばOガスであれば、0.03nm程度の線幅を走査可能とする部分である。
波長走査駆動信号のオフセット信号S2は、吸収波長は走査しないがレーザ素子101eは発光させておくオフセット部分であり、光源部101のレーザ素子101eの発光が安定するスレッショルド電流値以上の値を光源部101のレーザ素子101eに供給するような値に設定する。信号S1と信号S2とは交互に切り替わるように挿入されている。
信号S3は駆動電流をほぼ0にした部分である。
続いて発光部100による発光を説明する。
まず、事前に、レーザ素子101eの温度をサーミスタ101fにより検出する。さらに、図7に示した波長走査駆動信号のS1の中心部分で測定対象ガスである酸素ガスを測定できるように(所定の吸収特性が得られるように)、温度制御部101dによりペルチェ素子101gの通電を制御してレーザ素子101eの温度を調整する。
その後にレーザ素子101eを駆動する。
なお、図8はレーザ素子の駆動信号を示しており、高周波変調信号の周波数を10kHz,波長走査駆動信号の周波数を50Hzとしてあり、λはオフセットに相当する波長、λ(759.62nm),λ(759.65nm)は酸素ガス(Oガス)の吸収波長に相当する走査波長の上下限値を示している。
レーザ素子101eがこのようなレーザ光をコリメートレンズ102へ照射して平行光である検出光600を生成し、測定対象ガスが存在する壁501a,501bの内部空間にこの検出光600を出射し、集光した光を受光素子202へ入射させる。
続いて受光部200について説明する。図9は、受光素子202、信号処理部203の構成を示している。信号処理部203はさらにI/V変換部203a、同期検波部203b、発振器203c、フィルタ203d、演算部203eを備えている。
受光素子202は例えばフォトダイオードによって構成されており、発光部100のレーザ素子101eの発光波長に感度を持つ受光素子が使用される。この受光素子202の出力電流はI/V変換部203aへ入力される。I/V変換部203aにより受光素子202の出力電流が電圧に変換される。I/V変換部203aの出力信号は、同期検波部203bに入力される。同期検波部203bには、発信器203cからの2f信号が加えられ、出射光の同位相の2倍波信号の振幅のみを抽出したガス波形信号が得られる。同期検波部203bの出力信号は、ノイズ除去用のフィルタ203dを介してCPU等の演算部203eに送られる。演算部203eは後述する各種の処理により酸素ガスの有無の検出や酸素濃度の算出を行う。
ここで周波数変調方式のレーザ式酸素ガス分析計の計測原理について、図10のレーザ式酸素ガス分析計の周波数変調方式の原理図を参照しつつ説明する。図1の酸素ガス(Oガス)の吸収スペクトラムに示すように、この酸素ガスの吸収線は線状のスペクトラムで表わされるため、周波数変調方式による濃度検出が可能である。そして、この周波数変調方式のレーザ式酸素ガス分析計では、中心周波数f、変調周波数fで半導体レーザ素子の出射光を周波数変調し、測定対象である酸素ガスに照射する。ここで、周波数変調とは、レーザ素子101eに供給するドライブ電流の波形を正弦波状に変調することである。
この周波数変調方式では、上記のように分布帰還型半導体レーザ(DFBレーザ)または垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)を用いて単一波長のレーザ光のみを出射しガス濃度を測定する。この場合、レーザ素子が発光するスペクトラム線幅が測定対象ガスの吸収線幅よりも小さいため、レーザの発光波長を測定対象ガスの吸収波長に合わせる必要がある。そこでレーザ素子の温度制御や電流制御を行って発光波長の制御を行う。
レーザ素子は、図11A、図11Bに示すようにドライブ電流や温度によって発光波長が変化する。レーザ素子は温度と電流の一定値によって、特定の波長を発光することができるため、予め設定した温度と電流値によって吸収波長にあわせることができる。そして、周波数変調を行うことにより、ドライブ電流の変調に伴って発光波長が変調されることになる。
このように半導体レーザ素子は電流や温度で波長を変えることができるが、その波長範囲は数nmであり、測定対象ガスの吸収波長の近傍を発光するレーザ素子を使用する必要がある。このレーザ素子の波長選択性の性質から、図1に示したような全ての吸収線を測定対象にすることができず、測定に使用する吸収線は、比較的吸収強度が大きく、他ガスと吸収が重なり合わない1本または2本である。
図10に示したように、ガスの吸収線は変調周波数に対してほぼ2次関数となっているので、この吸収線が弁別器の役割を果たし、受光部では変調周波数fの2倍の周波数の信号(2倍波信号)が得られる。ここで、変調周波数fは任意の周波数で良いため、例えば、変調周波数fを数kHz程度に選ぶと、ディジタル信号処理装置(DSP)または汎用のプロセッサを用いて、2倍波信号の抽出等の高度な信号処理を行うことが可能になる。
また、受光部によりエンベロープ検波を行えば振幅変調による基本波を推定でき、この基本波の振幅と前記2倍波信号の振幅との比を位相同期させて検出することで、濃度以外に存在する同じ周波数成分の信号に影響されずに測定対象ガス濃度に比例した信号を得ることができる。
このような原理のもと、同期検波部203bにおいて、測定対象ガスによるレーザ光の吸収が無い場合は、同期検波部203bによって2倍波信号が検出されないので、同期検波部203bの出力はほぼ直線となる(図16参照)。
一方、測定対象ガスによるレーザ光の吸収がある場合は、同期検波部203bによって出射光の変調信号の2倍周波数成分の振幅のみが抽出された信号である2倍波信号が検出される。その出力波形は図8の長方形の枠内に図示された同期検波部203bの出力波形や図17のようなピーク波形になる。このピーク波形はフィルタ203dによりノイズが除去され、適宜増幅して後段のCPUやDSP等である演算部203eへ出力される。演算部203eは後述する各種の処理により酸素ガスの有無の検出や酸素濃度の算出を行う。
演算部203eは以下のように機能する。まず、この図8の四角枠内のピーク波形におけるAが測定対象ガスによる吸収を受けた部分(ガス吸収波形)であり、この吸収波形Aの最大値または最小値が測定対象ガスの濃度に相当する。従って、演算部203eでは、この図8の四角枠内に示される同期検波部203bの出力であるガス吸収波形Aを用いて、測定対象ガスの濃度に相当する波形のピーク値を測定するか、ガス吸収波形Aの最大値または最小値の振幅差を測定するか、または、ガス吸収波形Aの一部または全部を積分して、その積分値から測定対象である酸素ガスの濃度を検出する手段として機能する。また、ガス濃度が所定値より低い場合に酸素ガスがないと判断する手段として機能する。
演算部203eには図示しない変換器が接続されている。この変換器は、演算部203eで濃度換算した値をガス温度やガス圧力の変化に応じた濃度値に補正する補正部と、補正部で補正した濃度値をディスプレイ表示する表示部と、補正した濃度値をアナログ、ディジタル信号を送信する外部伝送部と、を備えている。演算部203eは出力制御をおこなって補正機能表示部で補正された濃度値が表示部でディスプレイ表示がなされる。
以上のようにこの実施形態について説明した。従来技術では、パージガスおよび大気に含まれる酸素ガスと、測定対象ガスに含まれる酸素ガスと、を区別できず、ともに計測していたため信頼性の点で難があった。これに対し、本実施形態では、パージガスおよび大気に含まれる酸素ガスと、測定対象ガスに含まれる酸素ガスと、の温度差を利用することで、パージガスおよび大気に含まれる低温の酸素ガスに対して感度を殆ど示すことはないが、測定対象ガスに含まれる高温の酸素ガスのみに感度を示すようにして、測定対象ガスに含まれる酸素ガスについてのみ酸素ガスの有無の検出や濃度の測定を行うようなレーザ式酸素ガス分析計とすることができる。
続いて本発明の第2形態について図を参照しつつ説明する。先の第1形態と比較すると、本形態では、基本的に図5と同じ構成を有するものであるが、図12で示すように発光部100のレーザ光源部101’と、受光部200の信号処理部203’と、を通信可能に接続する点が相違する。詳しくは、図13で示すように、レーザ光源部101’の波長走査駆動信号発生部101aから波長走査駆動信号のうちのトリガ信号S4(図15参照)が抽出されて出力され、また、図14で示すように、信号処理部203’の演算部203eがこのトリガ信号S4を入力し、トリガ信号S4(図15参照)を用いて同期を取る点が相違する。なお、図13の発光部100のレーザ光源部101’と、図14の受光部200の信号処理部203’と、は、図6のレーザ光源部101と図9の信号処理部203と比較すると同一の構成を有するがトリガ信号S4を入出力し、演算部203eがこのトリガ信号S4に基づいて演算処理する点が相違するものであり、他の構成については同じ符号を付すともに重複する説明を省略し、相違点のみを説明するものである。
図15は、上記トリガ信号S4を説明するための図である。演算部203eに、波長走査駆動信号発生部101aからトリガ信号S4が入力される。図示するように、トリガ信号S4は、上記S1,S2,S3を含めた波長走査駆動信号の1周期に同期して波長走査駆動信号発生部101aから出力されるパルス状の信号である。このトリガ信号S4は、例えば、レーザ素子101eの駆動電流をゼロにするような波長走査駆動信号のタイミング(信号S3の発生タイミング)に同期して発生させればよい。波長走査駆動信号発生部101aよりトリガ信号S4が出力され、通信線700を介して、演算回路203eへ入力される。
続いて本形態の信号処理部203の演算部203eによる酸素ガスの濃度算出方法について説明する。図15で示すように、レーザ光源部101では、波長走査駆動信号S1の中心部分で測定対象ガスを測定できるように、温度制御部101dによりペルチェ素子101gの通電を制御してレーザ素子101eの温度を調整する。レーザ素子101eを駆動し、測定対象ガスが存在する壁501a,501bの内部空間にレーザ光を出射する。
レーザ光は、集光部201により集光され、この集光した光を受光素子202へ入射させる。測定対象ガスとして酸素ガスを測定する。この受光素子202は、受光量に応じて、電気信号による検出信号に変換して信号処理部203に送る。これら信号処理部203は、例えば、検出信号に対して増幅やノイズのフィルタリングを行い、濃度を検出する。信号処理部203において、測定対象ガスによるレーザ光の吸収がない場合は、図16で示すように、同期検波部203bによって2倍周波数信号が検出されないため、同期検波部203bの出力はほぼ直線となる。
一方で、測定対象ガスによるレーザ光の吸収がある場合は、同期検波部203bによって2倍周波数信号が検出される。図17は、同期検波部203bの出力信号SbをI/V変換部203aの出力信号Saと併せて示した波形図である。図17において、点線で囲んだ部分がガス吸収波形Aである。
ここで、何らかの原因によって同期検波部203bの出力信号Sbにオフセットがある場合、図18に示すように、本来の出力信号Sbではなくオフセット分が加算された信号Sbが現れる。その結果、図17におけるガス吸収波形Aの最大値または最小値、あるいは波形の積分値による検出では誤差が生じてしまい、ガス濃度を正確に検出できないおそれがある。そこで、本形態では、ガス濃度を更に高精度かつ安定的に検出するために、以下のような方法を用いることとした。
前述したように、測定対象ガスが存在しない図16で示すような場合は、同期検波部203bにより2倍周波数信号は検出されず、同期検波部203bの出力はほぼ直線となる。しかし、様々なノイズが存在するので、仮に測定対象ガスが存在しない場合でも、図16に示すように、同期検波部203bの出力信号Sbは少しの凹凸のある波形となる。このような波形の場合、単純に波形の最大値や最小値のみを検出する方法ではノイズによる凹凸部分をガス吸収波形として誤認し、最大値や最小値を誤って検出するおそれがある。また、波形の積分値を求める場合にも、同様に誤検出する可能性がある。特に、測定対象ガスが低濃度である場合には、上記凹凸部分がガス濃度検出時の大きな誤差要因となる。
このため、本形態では、ノイズによる凹凸部分をガス吸収波形として誤認しないように、図15で示すような、波長走査駆動信号発生部204aから出力されるトリガ信号S4を用いて、ガス吸収波形の最大値または最小値が存在するべき位置を特定する。トリガ信号S4は、波長走査駆動信号の一周期に同期し特に波長走査駆動信号のS3と同期がとれている。このトリガ信号S4と同期検波部203bの出力信号Sbとの間には一定の時間的な相関関係がある。
つまり、測定対象ガスが存在する場合に、トリガ信号S4のタイミングに対して図16,図17のガス吸収波形Aや最大値C、最小値B,Dが発生するタイミングは、予めほぼ正確に検出可能である。そこで、トリガ信号から所定時間tb,tc,td経過したときに同期検波部出力波形でB点の最小値B、C点の最大値C、D点の最小値Dが登場するものとして計測を行う。この。これら所定時間tb,tc,tdは工場出荷前や校正時に実験的に予め算出しておいて、図示しないメモリに登録しておく。この値を用いて濃度を算出する。
そして、ガス濃度の測定時には、波長走査駆動信号発生部204aから受信したトリガ信号S4を基準として、最大値C及び最小値B,Dが発生するべきタイミング所定時間tb,tc,tdにおける同期検波部203bの出力信号Sb(フィルタ203dの出力信号)から最大値及び最小値を測定する。
これにより、測定対象ガスの濃度が限りなく0に近いような低濃度の場合にも、演算部203eは、トリガ信号S4に基づいてガス吸収波形Aや最大値C及び最小値B,Dを検出する手段として機能する。演算部203eは、これら値を正確に検出し、測定することができる。従って、ノイズによる波形の凹凸部分に影響されることなく、ガス濃度の演算を高精度に行うことが可能である。
そして演算部203eとしては、トリガ信号から所定時間tb,tc,td経過するときに同期検波部出力波形の値を読みとって記憶し、その後に濃度を算出する手段として機能する。この同期検波部出力波形はその波形のピークにある最大値がそのままガス濃度を表すため、例えば、最大値を濃度として出力する。または最大値から最小値を減じた差分値を濃度とするというものである。これらABCDを用いて濃度を計測する。図14の演算部203eは、図17に示したガス吸収波形Aにおいて、最大値Cとその前後の最小値B,Dとを検出し、以下の数2または数3によってガス濃度を演算する手段として機能する。
[数2]
酸素ガス濃度=α×|B−C|
[数3]
酸素ガス濃度=α×|C−D|
なお、数2、数3においては、αはガス濃度変換係数である。ガス濃度変換係数αは、測定ガス成分の濃度が既知であるガスで予め校正することによって決定される。たとえば、測定ガス成分の濃度が0ppmのゼロガスと、測定ガス成分の濃度が所望の測定レンジの最大濃度であるスパンガスと、を測定し、ゼロガス、スパンガスの実測値を第一校正点、第二校正点とし、その2点を結ぶ直線を基準検量線とする。該基準検量線の傾きをガス濃度変換係数αとする。酸素ガス濃度はこのようにして算出される。また、図16で示すような同期検波部出力の場合には酸素ガス濃度が所定値以下となり、酸素がないと判定される。演算部203eはこのような処理を行う手段として機能する。
以上のようにこの実施形態について説明した。単にガス吸収波形の最大値や最小値、あるいは積分値だけを検出する場合に比べ、トリガ信号の同期によりピーク位置を正確に検出できるようにしたため、やはり低濃度のガスの検出能力を向上させた。特に酸素ガスは濃度が低いことが多いため、上記構成を採用すれば計測精度をより高めることができる。
また、低損失であるためピークが確実に表れるようにしてやはり低濃度の酸素ガスの検出能力を向上させた。
また、特に、レーザ素子の駆動電流をゼロにするような波長走査駆動信号のタイミングに同期させており、同期信号を判別できる。
また、特にガス濃度が低くなると、光学窓材料やレンズなどによるレーザ光の干渉による影響のノイズの影響が強くなり、これらのノイズがピークとなって検出されてしまうなど、ピークの発見が困難であるが、本発明ではこのようにガス吸収が発生する部分をあらかじめ設定しトリガ信号を基準にガス吸収のピークを検出するようにしたため、ノイズ等に影響されることなく正確なガス濃度検出ができるという利点がある。
続いて本発明の第3形態について図を参照しつつ説明する。先の第1形態と比較すると、本形態では、全体構成として図5のレーザ式酸素ガス分析計と同様の構造を有し、また、発光部100に関しては図6のレーザ光源部と同一の構成を有しているが、受光部200に関しては図19の受光部200の信号処理部203”において、I/V変換部203aと演算部203eとに接続される抽出部203fをさらに備え、この抽出部203fで抽出された受光光量レベルを信号処理部203の演算部203eを入力し、受光光量レベルを参照値として得る点が相違する。なお、図5、図6,図9と同一の構成要素には同一の番号を付して説明を省略し、以下では異なる部分を中心に説明する。
図19において、受光素子202の出力は電流信号であり、この電流信号はI/V変換部203aにより電圧信号に変換される。この電圧信号を受光信号と呼ぶものとし、その波形の一例を図20A、図20Bに示す。図20Aは、測定環境にダストがない清浄な空間における受光信号波形であり、図20Bは、ダストが存在する空間における受光信号波形である。これらの図から明らかなように、ダストが存在する場合にはレーザ光が遮られるため、受光光量(受光信号レベル)が低下している。
前述したように、同期検波部203bにより、出射光の変調信号の2倍周波数成分である2倍波信号の振幅のみが抽出される。例えば、図20A、図20Bに示した受光信号を同期検波とすると、それぞれ図21A、図21Bのような波形が得られる。
図21AにおけるAは前記同様にガス吸収波形であり、この波形の振幅w(=w)を検出することでガス濃度を測定することができる。
一方、ダストが存在する場合の図21Bでは、図20Bに対応して振幅w(=w)も小さくなっている。
このように、受光光量によってガス吸収波形の振幅が変動するために、特にダスト量が変動する環境では、正確なガス濃度の測定が困難である。
そこで、本実施形態では、図22に示すように受光光量レベルとガス吸収波形の振幅レベルとがほぼ比例関係にあることに着目し、演算部203eにおいて受光光量レベルを得るための波長走査駆動信号成分を参照してガス吸収波形の振幅を補正することにより、ダスト等が存在する環境においても正確なガス濃度の検出を可能にしたものである。
すなわち、図19に示すように、I/V変換部203aから出力された受光信号を抽出部(フィルタ)203fに入力して、波長走査駆動信号成分を取り出す。そして、演算部203eにより、波長走査駆動信号成分と受光光量設定値との比を受光光量補正係数βとして算出し、フィルタ203dから出力されるガス吸収波形の振幅を、上記補正係数βにより補正するようにした。
例えば、図21A,図21Bに示した受光信号を抽出部(フィルタ)203fに入力して波長走査駆動信号成分を取り出すと、図23A、図23Bのような波形が得られる。図23Aはダストがなく受光光量が低下していない場合、図23Bはダストがあって受光光量が低下している場合である。
図23Aのように、ある時点において、ダストがなく受光光量が最大である時の受光信号(フィルタ203fから出力される波長走査駆動信号)のレベルP(=Pmax)を、前記受光光量設定値として演算部203eに予め設定登録しておく。演算部203eは、図21Aのようにダストがある場合の受光信号レベルPを検出し、このPと同一時点のPmaxとの比を、受光光量補正係数βとして数式4により演算する。
[数4]
β=Pmax/P
上記の補正係数βを、ガス吸収波形の振幅w(例えば図21Bのw)に乗算または除算することにより、数式5に示すごとく、ダストに起因する受光光量の変動分を補正した振幅wを得ることができる。
[数5]
=w×β
こうして補正されたガス吸収波形の振幅wを用いてガス濃度を測定することで、煙道のようにダスト量が多い環境で受光光量の減少が著しい場合にも、ガス濃度を正確に測定することができる。
このようなレーザ式酸素ガス分析計によれば、受光部の出力信号からの前記波長走査駆動信号の成分を抽出する抽出部(フィルタ)を備え、出力信号を演算部に出力する。演算部は、抽出部(フィルタ)の出力信号と受光光量設定値(例えば、ダストがない清浄な環境で測定した場合の、受光光量が最大であるときの抽出手段の出力信号レベル)との比である受光光量補正係数を用いて、ガス吸収波形の振幅を補正するようにしたため、さらに燃焼制御装置用の酸素ガス濃度分析能力を高めている。
以上本発明のレーザ式酸素ガス分析計について説明した。
本発明によれば、ボイラなどの高温の酸素ガスをレーザ分析計で測定するプロセスにおいて、パージガスに使用するガス成分に影響されることなく、測定対象の酸素濃度を効率よく測定することができる。パージガスに計装空気を使用できることは導入コスト、運用コスト面において、大きなメリットがある。
通常、パージガスに空気を使用した場合、空気に含まれる酸素量は、測定対象の酸素量に対し、外乱として影響を及ぼす十分な量がある場合が多く、さらに常温の酸素濃度に対して大きな感度がある吸収線は、500℃以上の高温になると吸収強度が40〜80%程度低下する傾向が多くあり、その結果、S/Nが低下して測定が困難になる。
一方、本発明は常温の空気中の酸素濃度に影響されず、400〜1200℃の吸収強度は常温に対して十分な大きさがあり、吸収強度の変化量も最大吸収強度から約20%の範囲で収まる。
その結果、パージガスに酸素を含むエアを使用しても、その影響を受けず、測定対象となる高温ガス中の酸素濃度に対して、正確な計測が可能となる。
また、半導体レーザを用いた吸収分光法に基づくレーザ式酸素ガス分析計において、従来の光ファイバ式ガス分析計では、ガスの吸収スペクトラム波形のピークを検出するように信号処理していたが、信号強度が電気信号ノイズよりも大きくなければならず、濃度が低いガス濃度検出が困難であったが、本願発明では低損失であるためピークが確実に表れるようにして低濃度のガスの検出能力を向上させた。さらに波長走査信号のトリガ信号をもとに、ガス吸収ピークを検出することで、低濃度ガス検出が可能となった。さらに、ダスト等の影響も考慮してガス吸収ピークを検出することで、さらに低濃度ガス検出が可能となった。
本発明のレーザ式酸素ガス分析計は、ボイラ、ゴミ焼却等の燃焼排ガス測定用として最適である。その他、鉄鋼用ガス分析[高炉、転炉、熱処理炉、焼結(ペレット設備)、コークス炉]、青果貯蔵及び熟成、生化学(微生物)[発酵]、大気汚染[焼却炉、排煙脱硫・脱硝]、自動車排ガス(除テスタ)、防災[爆発性ガス検知、有毒ガス検知、新建築材燃焼ガス分析]、植物育成用、化学用分析[石油精製プラント、石油化学プラント、ガス発生プラント]、環境用[着地濃度、トンネル内濃度、駐車場、ビル管理]、理化学各種実験用などの分析計としても有用である。
1,1’,1”:レーザ式酸素ガス分析計
100:発光部
101,101’:レーザ光源部
101a:波長走査駆動信号発生部
101b:高周波変調信号発生部
101c:電流制御部
101d:温度制御部
101e:レーザ素子
101f:サーミスタ
101g:ペルチェ素子
101s:レーザ駆動信号発生部
102:コリメートレンズ
103:ボックスカバー
200:受光部
201:集光レンズ
202:受光素子
203,203’,203”:信号処理部
204:ボックスカバー
300:発光部側パージ部
301:パージ部本体
302:流入口
303:流出口
400:受光部側パージ部
401:パージ部本体
402:流入口
403:流出口
501a,501b:壁
502a,502b:相フランジ
600:検出光
700:通信線
また、本発明の請求項11に係るレーザ式酸素ガス分析計は、
請求項3〜請求項8の何れか一項に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
前記受光部は、前記受光部の出力信号から前記波長走査駆動信号の成分を抽出する抽出部を更に備え、
前記演算部は、前記抽出部の出力信号と受光光量設定値との比である受光光量補正係数を用いて前記検出信号のガス吸収波形の振幅を補正する手段として機能することを特徴とする。

Claims (12)

  1. レーザ光による検出光を出射する発光部と、測定対象である酸素ガスが存在する空間を介して伝播された検出光を受光する受光部と、空気によるパージガスを発光部に供給する発光部側パージ部と、空気によるパージガスを受光部に供給する受光部側パージ部と、を備え、酸素ガスの濃度の測定を行う周波数変調方式のレーザ式酸素ガス分析計であって、
    前記発光部は、測定対象である高温の酸素ガスの吸収強度が大きく、かつ、発光部側パージ部および受光部側パージ部のパージガスに含まれる低温の酸素ガスの吸収強度が小さいような吸収波長を含む所定範囲の走査波長で走査されるレーザ光を発光し、前記受光部は、測定対象である高温の酸素ガスが多く吸光された検出光を受光することを特徴とするレーザ式酸素ガス分析計。
  2. 請求項1に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
    前記吸収波長は759.63nm〜759.64nmの範囲内に吸収のピークが含まれる波長であることを特徴とするレーザ式酸素ガス分析計。
  3. レーザ光による検出光を出射する発光部と、測定対象である酸素ガスが存在する空間を介して伝播された検出光を受光する受光部と、空気によるパージガスを発光部に供給する発光部側パージ部と、空気によるパージガスを受光部に供給する受光部側パージ部と、を備え、酸素ガスの有無の検出または酸素ガスの濃度の測定を行う周波数変調方式のレーザ式酸素ガス分析計であって、
    前記発光部は、
    測定対象である高温の酸素ガスの吸収強度が大きく、かつ、発光部側パージ部および受光部側パージ部のパージガスに含まれる低温の酸素ガスの吸収強度が小さいような吸収波長を含む所定範囲の走査波長で走査されるレーザ光による検出光を出射するレーザ素子と、
    前記レーザ素子の温度を安定化させる発光側温度安定化手段と、
    酸素ガスの吸収波長を走査するように前記レーザ素子の発光波長を所定範囲の走査波長に可変とする可変駆動信号を含む波長走査駆動信号に対し、前記発光波長を変調するための高周波変調信号を合成してレーザ駆動信号として出力するレーザ駆動信号発生部と、
    このレーザ駆動信号発生部から出力された前記レーザ駆動信号を電流に変換して前記レーザ素子へこの電流を供給する電流制御部と、
    を備え、
    前記受光部は、
    測定対象である高温の酸素ガスが多く吸光された検出光であるレーザ光に感度を有する受光素子と、
    前記受光部の出力信号から光源部における変調信号の2倍周波数成分である2倍波信号の振幅を検出して検出信号を出力する同期検波部と、
    前記受光部の出力信号からノイズを除去するフィルタ回路と、
    フィルタ回路から出力された検出信号に基づいて酸素ガスによる吸光量を算出し、この吸光量に基づいて酸素ガスの濃度の測定を行う手段として機能する演算部と、
    を備えることを特徴とするレーザ式酸素ガス分析計。
  4. 請求項3に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
    前記吸収波長は759.63nm〜759.64nmの範囲内に吸収のピークが含まれる波長であることを特徴とするレーザ式酸素ガス分析計。
  5. 請求項3または請求項4に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
    前記演算部は、
    前記検出信号のガス吸収波形の一部または全部を積分し、その積分値から測定対象ガスの濃度を検出する手段として機能することを特徴とするレーザ式酸素ガス分析計。
  6. 請求項3または請求項4に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
    前記演算部は、
    前記検出信号のガス吸収波形の最大値と最小値との差分から測定対象ガスの濃度を検出する手段として機能することを特徴とするレーザ式酸素ガス分析計。
  7. 請求項3または請求項4に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
    前記演算部は、
    前記検出信号のガス吸収波形の最大値と最小値との差分にガス濃度変換係数を乗じた値から測定対象ガスの濃度を検出する手段として機能することを特徴とするレーザ式酸素ガス分析計。
  8. 請求項3〜請求項7の何れか一項に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
    前記波長走査駆動信号は、さらにオフセット信号を含むものであって可変駆動信号とオフセット信号とが一定周期で繰り返される信号であり、
    前記オフセット信号は、前記レーザ素子のスレッショルド電流値以上の電流を前記レーザ素子に供給するような値であることを特徴とするレーザ式酸素ガス分析計。
  9. 請求項3〜請求項8の何れか一項に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
    前記レーザ駆動信号発生部から出力されるパルス状のトリガ信号を、前記波長走査駆動信号と同期させたことを特徴とするレーザ式酸素ガス分析計。
  10. 請求項9に記載したレーザ式酸素ガス分析計において、
    前記トリガ信号を、前記レーザ素子の駆動電流をゼロにするような前記波長走査駆動信号のタイミングに同期させ、前記演算部は同期したタイミングで演算を行うことを特徴とするレーザ式酸素ガス分析計。
  11. 請求項3〜請求項8の何れか一項に記載のレーザ式酸素ガス分析計において、
    前記受光部は、前記受光部の出力信号から前記波長走査駆動信号の成分を抽出する抽出部を更に備え、
    前記演算部は、前記抽出部の出力信号と受光光量設定値との比である受光光量補正係数を用いて前記ガス吸収波形の振幅を補正する手段として機能することを特徴とするレーザ式酸素ガス分析計。
  12. 請求項11に記載したレーザ式酸素ガス分析計において、
    前記演算部は、前記受光光量設定値を、受光光量が最大であるときの前記抽出部の出力信号のレベルに設定することを特徴とするレーザ式酸素ガス分析計。
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