JP2014240789A - 圧電デバイス及び電子機器 - Google Patents

圧電デバイス及び電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2014240789A
JP2014240789A JP2013123355A JP2013123355A JP2014240789A JP 2014240789 A JP2014240789 A JP 2014240789A JP 2013123355 A JP2013123355 A JP 2013123355A JP 2013123355 A JP2013123355 A JP 2013123355A JP 2014240789 A JP2014240789 A JP 2014240789A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
vibrator
groove
electrode
axial direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013123355A
Other languages
English (en)
Inventor
高橋 和夫
Kazuo Takahashi
和夫 高橋
諭司 三谷
Satoshi Mitani
諭司 三谷
秀年 椛澤
Hidetoshi Kabasawa
秀年 椛澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2013123355A priority Critical patent/JP2014240789A/ja
Priority to US14/293,630 priority patent/US9337803B2/en
Priority to CN201410247140.9A priority patent/CN104236534B/zh
Publication of JP2014240789A publication Critical patent/JP2014240789A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/15Constructional features of resonators consisting of piezoelectric or electrostrictive material
    • H03H9/21Crystal tuning forks
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C19/00Gyroscopes; Turn-sensitive devices using vibrating masses; Turn-sensitive devices without moving masses; Measuring angular rate using gyroscopic effects
    • G01C19/56Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces
    • G01C19/5607Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces using vibrating tuning forks
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/02244Details of microelectro-mechanical resonators
    • H03H9/02259Driving or detection means
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/24Constructional features of resonators of material which is not piezoelectric, electrostrictive, or magnetostrictive
    • H03H9/2405Constructional features of resonators of material which is not piezoelectric, electrostrictive, or magnetostrictive of microelectro-mechanical resonators
    • H03H9/2468Tuning fork resonators
    • H03H9/2478Single-Ended Tuning Fork resonators
    • H03H9/2484Single-Ended Tuning Fork resonators with two fork tines, e.g. Y-beam cantilever
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/24Constructional features of resonators of material which is not piezoelectric, electrostrictive, or magnetostrictive
    • H03H9/2405Constructional features of resonators of material which is not piezoelectric, electrostrictive, or magnetostrictive of microelectro-mechanical resonators
    • H03H9/2468Tuning fork resonators
    • H03H9/2478Single-Ended Tuning Fork resonators
    • H03H9/2489Single-Ended Tuning Fork resonators with more than two fork tines

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Radar, Positioning & Navigation (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Gyroscopes (AREA)

Abstract

【課題】目的とする共振モードでの安定した発振を実現することができる圧電デバイス及びこれを備えた電子機器を提供する。【解決手段】本技術の一形態に係る圧電デバイスは、振動子と、圧電駆動部と、第1の圧電検出部とを具備する。上記圧電駆動部は、上記振動子を第1の面に平行な面内で振動させることが可能に構成される。上記第1の圧電検出部は、上記振動子の上記第1の面に平行な面内における振動を検出することが可能に構成される。【選択図】図1

Description

本技術は、例えば発振デバイスや振動型ジャイロセンサ等に適用される圧電デバイス及びこれを備えた電子機器に関する。
民生用の角速度センサとして、振動型のジャイロセンサが広く用いられている。振動型ジャイロセンサは、振動子を所定の周波数で振動させておき、振動子に生じるコリオリ力を圧電素子などで検出することによって角速度を検出する。上記ジャイロセンサは、例えば、ビデオカメラ、バーチャルリアリティ装置、カーナビゲーションシステムなどの電子機器に搭載され、それぞれ手振れ検知、動作検知、方向検知などのセンサとして活用されている。
例えば下記特許文献1には、環状のフレームと、上記フレームを所定の面内において振動させる駆動部と、角速度を検出する検出部とを備えた角速度センサが記載されている。上記フレームは、相互に対向する第1の梁の組と、第1の梁の組と直交し相互に対向する第2の梁の組とを有する。上記駆動部は、各梁に設けられた複数の圧電素子で構成され、第1及び第2の梁の組のうち一方の組が近接したときに他方の組が離間し、一方の組が離間したときに他方の組が近接する振動モードで上記フレームを上記所定の面内において振動させる。上記検出部は、上記フレームの上記所定の面内における変形量に基づいて当該所定の面に垂直な軸回りの角速度を検出することが可能な圧電素子で構成される。
圧電膜を駆動部に用いる圧電デバイスは、典型的には、圧電膜が電圧の印加方向に直交する方向へ伸縮する圧電特性が利用される。例えば特許文献1に記載の角速度センサにおいて、上記駆動部及び検出部は、下部電極層と圧電材料層と上部電極層との積層構造を有し、それぞれフレームの同一表面上に配置される。
特許第4858662号公報
近年、例えば、圧電素子で駆動部及び検出部が構成されるジャイロセンサにおいては、目的以外の共振モードでも発振してしまうことがあり、このため目的とする共振モードで安定して発振させることができず、角速度の検出精度を向上させることが困難であった。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、目的とする共振モードでの安定した発振を実現することができる圧電デバイス及びこれを備えた電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る圧電デバイスは、振動子と、圧電駆動部と、第1の圧電検出部とを具備する。
上記振動子は、第1の面と、第1の溝部と、第2の溝部とを有する。上記第1の溝部は、第1の軸方向に沿って上記第1の面に形成される。上記第2の溝部は、上記第1の面に上記第1の溝部と平行に形成される。
上記圧電駆動部は、第1の電極対と、第1の圧電体とを有する。上記第1の電極対は、上記第1の溝部内に配置され、上記第1の軸方向と直交し上記第1の面に平行な第2の軸方向に相互に対向する。上記第1の圧電体は、上記第1の電極対の間に配置される。上記圧電駆動部は、上記第1の電極対間への電圧印加により上記振動子を上記第1の面に平行な面内で振動させることが可能に構成される。
上記第1の圧電検出部は、第2の電極対と、第2の圧電体とを有する。上記第2の電極対は、上記第2の溝部内に配置され、上記第2の軸方向に相互に対向する。上記第2の圧電体は、上記第2の電極対の間に配置される。上記第1の圧電検出部は、上記振動子の上記第1の面に平行な面内における振動を検出することが可能に構成される。
上記圧電デバイスにおいては、第1の電極対から第1の圧電体への電圧印加方向と振動子の励振方向とが一致するように構成されている。これにより振動子を第1の面に平行な面内で安定に発振させることができるとともに、当該面内での振動子の振動を第1の圧電検出部によって高精度に検出することができる。
上記振動子は、上記第1の軸方向及び上記第2の軸方向にそれぞれ直交する第3の軸方向に上記第1の面と対向する第2の面をさらに有し、上記第1の溝部は、上記第1の面から上記第2の面に達する深さで形成されてもよい。この場合、上記第1の溝部の両側面部は、上記第1の圧電駆動部で被覆される。
これにより第1の面内方向以外の方向への振動子の発振を抑制することができ、第1の面内方向への安定した発振を実現することができる。
上記振動子は、上記第1の軸方向に延在し、上記第2の軸方向に配列された複数本のアーム部を有してもよい。上記圧電駆動部及び上記第1の圧電検出部はそれぞれ、上記複数本のアーム部のうち少なくとも1つのアーム部に設けられる。
圧電駆動部及び第1の圧電検出部は、それぞれ同一のアーム部に設けられてもよいし、それぞれ異なるアーム部に設けられてもよい。
上記複数本のアーム部は、第1のアーム部と第2のアーム部とを有してもよい。この場合、上記圧電駆動部は、上記第1のアーム部及び上記第2のアーム部にそれぞれ設けられ、上記第1のアーム部及び上記第2のアーム部を上記第1の面内において相互に逆位相で振動させることが可能に構成される。
これにより、例えば、第1の軸回りの角速度を検出するための振動子を構成することができる。
上記振動子は、第1の梁の組と、第2の梁の組と、複数の接続部とを含むフレーム体を有してもよい。上記第1の梁の組は、上記第1の軸方向に延在し上記第2の軸方向に相互に対向する。上記第2の梁の組は、上記第2の軸方向に延在し上記第1の軸方向に相互に対向する。上記複数の接続部は、上記第1の梁と上記第2の梁との間を接続する。
この場合、上記圧電駆動部は、上記第1の梁の組及び上記第2の梁の組のうち一方の組が近接したときに他方の組が離間し、上記一方の組が離間したときに上記他方の組が近接する振動モードで上記フレーム体が振動するように、上記第1の梁及び上記第2の梁のうち少なくとも1つの梁に設けられる。
これにより、例えば、第1の面に垂直な軸回りの角速度を検出するための振動子を構成することができる。
上記圧電デバイスは、支持部と、連結部と、電極構造体とをさらに具備してもよい。
上記支持部は、上記振動子を支持する。上記連結部は、上記振動子と上記支持部との間を弾性的に連結する。上記電極構造体は、上記連結部に設けられ、上記第1の面に平行な面内における上記支持部に対する上記振動子の相対移動を静電的に検出することが可能に構成される。
これにより、電極構造体の静電容量の変化に基づいて振動子に作用する上記面内方向の加速度を検出することができる。
上記圧電デバイスは、第2の圧電検出部をさらに具備してもよい。
上記第2の圧電検出部は、上記第1の面に配置され、上記第1の面に垂直な面内における上記振動子の振動を検出することが可能に構成される。
これにより、第2の圧電検出部によって振動子の軸回りに作用する角速度を検出することができる。
上記第1の溝部は、相互に平行に配列された複数の溝部で構成されてもよい。この場合、上記第1の電極対は、上記複数の溝部内にそれぞれ配置され相互に並列的に電気接続された複数組の電極対で構成される。上記第1の圧電体は、上記複数組の電極対の間にそれぞれ配置された複数の圧電体で構成される。
あるいは、上記第1の電極対は、上記第1の溝部内にそれそれぞれ配置され相互に並列的に電気接続された複数組の電極対で構成されてもよい。この場合、上記第1の圧電体は、上記複数組の電極対の間にそれぞれ配置された複数の圧電体で構成される。
これにより圧電駆動部の駆動力を向上させることができる。
上記第2の溝部は、相互に平行に配列された複数の溝部で構成されてもよい。上記第2の電極対は、上記複数の溝部内にそれぞれ配置され相互に直列的に電気接続された複数組の電極対で構成される。上記第2の圧電体は、上記複数組の電極対の間にそれぞれ配置された複数の圧電体で構成される。
あるいは、上記第2の電極対は、上記第2の溝部内にそれぞれ配置され相互に直列的に電気接続された複数組の電極対で構成されてもよい。この場合、上記第2の圧電体は、上記複数組の電極対の間にそれぞれ配置された複数の圧電体で構成される。
これにより第1の圧電検出部の検出電圧を向上させることができる。
本技術の一形態に係る電子機器は、圧電デバイスを具備する。上記圧電デバイスは、振動子と、圧電駆動部と、第1の圧電検出部とを有する。
上記振動子は、第1の面と、第1の溝部と、第2の溝部とを有する。上記第1の溝部は、第1の軸方向に沿って上記第1の面に形成される。上記第2の溝部は、上記第1の面に上記第1の溝部と平行に形成される。
上記圧電駆動部は、第1の電極対と、第1の圧電体とを有する。上記第1の電極対は、上記第1の溝部内に配置され、上記第1の軸方向と直交し上記第1の面に平行な第2の軸方向に相互に対向する。上記第1の圧電体は、上記第1の電極対の間に配置される。上記圧電駆動部は、上記第1の電極対間への電圧印加により上記振動子を上記第1の面に平行な面内で振動させることが可能に構成される。
上記第1の圧電検出部は、第2の電極対と、第2の圧電体とを有する。上記第2の電極対は、上記第2の溝部内に配置され、上記第2の軸方向に相互に対向する。上記第2の圧電体は、上記第2の電極対の間に配置される。上記第1の圧電検出部は、上記振動子の上記第1の面に平行な面内における振動を検出することが可能に構成される。
以上のように、本技術によれば、目的とする共振モードでの安定した発振を実現することができる。
本技術の第1の実施形態に係る圧電デバイスの構成を示す概略斜視図である。 上記第1の実施形態に係る圧電デバイスにおける圧電駆動部の構成を示すアーム部の要部断面図である。 上記第1の実施形態に係る圧電デバイスにおける圧電検出部の構成を示すアーム部の要部断面図である。 d31モードで駆動する圧電体の動作例を説明する図である。 上記第1の実施形態に係る圧電デバイスの典型的な動作例を示す要部斜視図である。 比較例に係る発振子の構成例を示す要部斜視図及び断面図である。 上記第1の実施形態に係る圧電デバイスの製造方法を説明する要部の工程断面図である。 本技術の第2の実施形態に係る圧電デバイスの概略斜視図及びその要部断面図である。 上記第2の実施形態に係る圧電デバイスの製造方法を説明する要部の工程断面図である。 本技術の第3の実施形態に係る圧電デバイスの構成を模式的に示す平面図である。 上記第3の実施形態に係る圧電デバイスの断面図である。 上記第3の実施形態に係る圧電デバイスの動作例を示す概略平面図である。 上記第3の実施形態に係る圧電デバイスの他の動作例を説明する要部の概略斜視図である。 本技術の第4の実施形態に係る圧電デバイスの構成を模式的に示す平面図である。 上記第4の実施形態に係る圧電デバイスの要部断面図である。 本技術の第5の実施形態に係る圧電デバイスにおける圧電駆動部の構成を示す要部平面図及びその等価回路図である。 上記第5の実施形態に係る圧電デバイスにおける圧電検出部の構成を示す要部平面図及びその等価回路図である。 上記第5の実施形態に係る圧電デバイスにおける圧電検出部の他の構成を示す要部平面図及びその等価回路図である。 上記第5の実施形態に係る圧電検出部の分極方法を説明する要部の工程平面図である。 上記圧電駆動部及び圧電検出部のその他の構成例を示す要部断面図である。 図20Bに示す構造の製造方法を説明する工程断面図である。 図20Cに示す構造の製造方法を説明する工程断面図である。 図20Dに示す構造の製造方法を説明する工程断面図である。 本技術の第6の実施形態に係る圧電デバイスの構成を示す概略斜視図である。 上記第6の実施形態に係る圧電デバイスの入出力特性例を示す図である。 上記第3の実施形態に係る圧電デバイスの構成の変形例を示す概略平面図である。 上記圧電駆動部及び圧電検出部の構造の変形例を示す要部断面図である。 上記第5の実施形態に係る圧電駆動部及び圧電検出部の組み合わせ例を示す振動子の要部平面図である。 本技術の他の実施形態に係る圧電デバイスの概略斜視図である。 図29におけるA1部の拡大断面図である。
本技術の一実施形態に係る圧電デバイスは、振動子と、圧電駆動部と、第1の圧電検出部とを具備する。
上記振動子は、第1の面と、第1の溝部と、第2の溝部とを有する。上記第1の溝部は、第1の軸方向に沿って上記第1の面に形成される。上記第2の溝部は、上記第1の面に上記第1の溝部と平行に形成される。
上記圧電駆動部は、第1の電極対と、第1の圧電体とを有する。上記第1の電極対は、上記第1の溝部内に配置され、上記第1の軸方向と直交し上記第1の面に平行な第2の軸方向に相互に対向する。上記第1の圧電体は、上記第1の電極対の間に配置される。上記圧電駆動部は、上記第1の電極対間への電圧印加により上記振動子を上記第1の面に平行な面内で振動させることが可能に構成される。
上記第1の圧電検出部は、第2の電極対と、第2の圧電体とを有する。上記第2の電極対は、上記第2の溝部内に配置され、上記第2の軸方向に相互に対向する。上記第2の圧電体は、上記第2の電極対の間に配置される。上記第1の圧電検出部は、上記振動子の上記第1の面に平行な面内における振動を検出することが可能に構成される。
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本技術の第1の実施形態に係る圧電デバイスの構成を示す概略斜視図である。図においてX軸、Y軸及びZ軸は、相互に直交する3軸方向を示している。
[圧電デバイスの全体構成]
本実施形態の圧電デバイス100は、基部110と、振動子120と、圧電駆動部131,132と、圧電検出部140(第1の圧電検出部)とを有する。圧電デバイス100は、振動子120をX軸方向に沿って所定の共振周波数で発振させる発振デバイスとして構成され、例えばコンピュータ等の電子機器におけるクロック信号源として適用される。
基部110及び振動子120は相互に一体的に固定されており、例えば非圧電性材料である単結晶シリコン基板を図示する形状に微細加工することで形成される。基部110の一方の面(裏面)には、電子機器に搭載される回路基板CB上のランド部と電気的・機械的に接続される外部端子(図示略)が設けられている。基部110は、連結部111を介して振動子120を振動可能に支持する。
振動子120は、Y軸方向に延在し、X軸方向に配列された複数本のアーム部を有する。本実施形態において振動子120は、第1のアーム部121と第2のアーム部122とを有する音叉型の振動子として構成される。第1のアーム部121及び第2のアーム部122はそれぞれY軸方向に延在し、X軸方向に所定の間隔をおいて配列されている。
振動子120は、Z軸方向に相互に対向する(X軸及びY軸方向に平行な)表面120a(第1の面)及び裏面120b(第2の面)を有する。本実施形態では、振動子120の表面120aは基部110の表面と同一の平面で形成され、振動子120の裏面120bは基部110の裏面と同一の平面で形成される。
[圧電駆動部]
圧電駆動部131,132は、振動子120(第1及び第2のアーム部121,122)をXY平面内で振動させることが可能に構成される。本実施形態において圧電駆動部131,132は、各アーム部121,122に設けられるが、少なくとも1つのアーム部に設けられていればよい。
圧電駆動部131は第1のアーム部121に設けられ、圧電駆動部132は第2のアーム部122に設けられる。圧電駆動部131,132はそれぞれ同一の構成を有し、第1の圧電素子13aと第2の圧電素子13bとを含む。
図2は、圧電駆動部131の構成を示す第1のアーム部121の要部断面図である。第1の圧電素子13aは、第1のアーム部121の表面120aに形成された溝部T11(第1の溝部)の内部に配置され、第2の圧電素子13bは、第1のアーム部121の表面120aに形成された溝部T12(第1の溝部)の内部に配置される。
溝部T11,T12はそれぞれ、Y軸方向に沿って第1のアーム部121の表面120aに形成される。溝部T11,T12のX軸方向に沿った幅寸法、Y軸方向に沿った長さ方向及びZ軸方向に沿った深さ寸法はそれぞれ同一とされ、それらの大きさは特に限定されず、振動条件等に応じて適宜設定可能である。本実施形態において溝部T11,T12は、第1のアーム部121の先端部から基部110に向かって所定の長さで形成されるとともに、第1のアーム部121の表面120aから裏面120bに達する深さで形成される。
図2に示すように、第1の圧電素子13aは、一対の電極E1(第1の電極対)と、圧電層P1(第1の圧電体)との積層構造を有する。
一対の電極E1は、溝部T11の内部に配置され、X軸方向に相互に対向する。各々の電極E1は、溝部T11の各々の側面に絶縁膜S1を介して取り付けられる。圧電層P1は、一対の電極E1の間に配置される。圧電層P1は、YZ平面に平行でありY軸方向に長手の2つの主面を有し、一方の主面は一方の電極E1に固定され、他方の主面は他方の電極E1に固定される。これにより溝部T11の両側面は、第1の圧電素子13aによって被覆される。
第2の圧電素子13bもまた、第1の圧電素子13aと同様に構成され、X軸方向に相互に対向する一対の電極E1と、電極E1間に配置された圧電層P1との積層構造を有する。これにより溝部T12の両側面は、第2の圧電素子13bによって被覆される。
一方、第2のアーム部122に設けられる圧電駆動部132も、上述と同様に構成される。すなわち図1に示すように、第2のアーム部122の表面120aにはY軸方向に沿って2つの溝部T11,T12が形成されており、これら溝部T11,T12の内部に第1の圧電素子13a及び第2の圧電素子13bがそれぞれ配置される。
図1に示すように、第1及び第2の圧電駆動部131,132において、第1の圧電素子13aは、各アーム部121,122の軸心位置よりも内縁側に配置され、第2の圧電素子13bは、各アーム部121,122の軸心位置よりも外縁側に配置される。
電極E1は、典型的には、Ti(チタン)、Pt(白金)、Cr(クロム)、Au(金)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)等の金属材料で構成される。圧電層P1は、典型的には、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)で構成されるが、これ以外にも、AlN(窒化アルミニウム)、KNbO3(ニオブ酸カリウム)、Bi(Zr/Ti)O3(チタン酸ジルコン酸ビスマス)のほか、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、P(VDF/TrFE)(フッ化ビニリデンと三フッ化エチレンのコポリマ)等の有機強誘電体で構成されてもよい。絶縁膜S1は、典型的にはシリコン酸化膜で構成されるが、これ以外にもシリコン窒化膜、アルミニウム酸化膜(アルミナ)等で構成されてもよい。
圧電駆動部131,132は、圧電層P1の逆圧電効果により振動子120(第1及び第2のアーム部121,122)をその表面120aと平行な平面(XY平面)内で振動させることが可能に構成される。第1及び第2の圧電素子13a,13bは、例えば回路基板CB上に搭載された図示しない自励発振回路に接続される。自励発振回路は、例えば移相回路、AGC(オートゲインコントローラ)等を含み、圧電検出部140からの検出信号に基づいて圧電駆動部131,132へ供給される駆動信号を生成する。
本実施形態では、第1の圧電素子13aと第2の圧電素子13bとに相互に逆位相の交流電圧が印加されることで、第1の圧電素子13aの圧電層P1と第2の圧電素子13bの圧電層P1とが相互に逆位相で伸縮する。これにより両アーム部121,122が相互に逆方向に発振される(図5A,B)。
[圧電検出部]
圧電検出部140は、XY平面内における振動子120(第1及び第2のアーム部121,122)の振動を検出することが可能に構成される。本実施形態において圧電検出部140は、各アーム部121,122に設けられるが、少なくとも1つのアーム部に設けられていればよい。
圧電検出部140は、振動子120の表面120aに形成された一対の溝部T13(第2の溝部)及びこれらを連結する溝部T14の内部に配置される。
図1に示すように、一対の溝部T13は、Y軸方向に沿って第1のアーム部121及び第2のアーム部122の表面120aにそれぞれ同一の長さで形成される。本実施形態では、一対の溝部T13は、各アーム部121,122の長さ方向中央部から基部110に向かって延びる。溝部T14は、これら溝部T13の基部110側終端を連結するようにX軸方向に沿って形成される。なお溝部T14は、必要に応じて省略されてもよい。
溝部T13,T14はそれぞれ同一の幅、深さで形成され、本実施形態では、溝部T11,T12と同様に振動子120の表面120aから裏面120bに到達する深さで溝部T13,T14が形成される。
図3は、圧電検出部140の構成を示す第1のアーム部121の要部断面図である。圧電検出部140は、一対の電極E2(第2の電極対)と、圧電層P2(第2の圧電体)との積層構造を有する。
一対の電極E2は、溝部T13,T14の内部に配置され、溝部T13の内部においてはX軸方向に相互に対向し、溝部T14の内部においてはY軸方向に相互に対向する。各電極E2は、溝部T13,T14各々の側面に絶縁膜S2を介して取り付けられる。圧電層P2は、一対の電極E2の間に配置される。圧電層P2は、溝部T13の内部においてはYZ平面に平行でありY軸方向に長手の2つの主面を有し、溝部T14の内部においてはXZ平面に平行でありX軸方向に長手の2つの主面を有する。圧電層P2の一方の主面は一方の電極E2に固定され、他方の主面は他方の電極E2に固定される。これにより溝部T13,T14の両側面は、圧電検出部140によって被覆される。
電極E2は、典型的には、Ti(チタン)、Pt(白金)、Cr(クロム)、Au(金)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)等の金属材料で構成される。圧電層P2は、典型的には、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)で構成されるが、これ以外にも、AlN(窒化アルミニウム)、KNbO3(ニオブ酸カリウム)、Bi(Zr/Ti)O3(チタン酸ジルコン酸ビスマス)のほか、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、P(VDF/TrFE)(フッ化ビニリデンと三フッ化エチレンのコポリマ)等の有機強誘電体で構成されてもよい。絶縁膜S2は、典型的にはシリコン酸化膜で構成されるが、これ以外にもシリコン窒化膜、アルミニウム酸化膜(アルミナ)等で構成されてもよい。
圧電検出部140は、圧電層P2の圧電効果により生じる電位差を一対の電極E2を介して検出することで、振動子120(第1及び第2のアーム部121,122)の振動を検出することが可能に構成される。圧電検出部140は、例えば回路基板CB上に搭載された上記自励発振回路に接続され、当該自励発振回路へ圧電検出部140の検出信号が出力される。
本実施形態では、第1及び第2のアーム部121,122が相互に逆方向に励振されるとともに、圧電検出部140が各アーム部121,122に共通に構成される。これにより1つの圧電検出部140によって両アーム部121,122の変形量の総和に相当する電位を検出することが可能となる。
なお図示せずとも、基部110及び振動子120の表面120aあるいは裏面120bには、振動子120に設けられた圧電駆動部131,132及び圧電検出部140と回路基板CBとをそれぞれ電気的に接続する配線パターンが形成されている。
[圧電層]
圧電駆動部131,132における圧電層P1は、電圧の印加方向に分極処理が施されており、これにより電圧印加方向に対して直交する方向に伸縮する。一方、圧電検出部140における圧電層P2は、その面内方向に作用する伸縮応力を電極E2間の電位信号に変換する。このような圧電特性の性能指数として代表的なものは圧電定数d31であり、上記のような圧電層の駆動モードは「d31モード」として知られる。
図4A,Bは、このような圧電特性を有する圧電層の動作例を説明する図である。図中黒矢印は応力方向、白矢印は電圧印加方向を示している。
一対の電極E間に挟まれた圧電層Pは、その厚み方向へ電圧が印加されることで上記厚み方向に直交する面内方向に応力を発生させる。応力の向きは、圧電層Pに印加される電場の向きで決まる。典型的には、一方の電極Eが基準電位(例えばグランド電位)に接続される。そして他方の電極Eに、例えば+極性の電圧が印加されると圧電層Pには面内方向に伸びるような引張り応力が発生し、−極性の電圧が印加されると圧電層Pには面内方向に縮むように圧縮応力が発生する。したがって当該他方の電極Eに交流電圧が印加されることで、圧電層Pの面内には周期的な伸縮応力が発生する。
圧電層Pが一軸方向に長辺を有する短冊形状に形成されている場合、圧電層Pの伸縮応力は主としてその長辺方向に作用する。本実施形態においても第1及び第2の圧電素子13a,13bは、各アーム部121,122の延在方向に長辺を有する短冊形状に形成されており、圧電層P1の膜面が各アーム部121,122の振動方向に直交するように配置されている。このため、圧電層P1の伸縮応力は、各アーム部121,122の長手方向に制限される。
[圧電デバイスの典型的な動作]
図5A,Bは、本実施形態の圧電デバイス100の典型的な動作例を示す要部斜視図である。
圧電デバイス100は、回路基板CB上の自励発振回路から圧電駆動部131,132へ所定周波数の交流電圧が印加されることで、振動子120(第1のアーム部121及び第2のアーム部122)をXY平面内において振動させる。振動子120の発振周波数はアーム部121,122の固有振動数に基づいて設定されており、これにより振動子120は当該固有振動数で共振する発振子として機能する。
本実施形態では上述のように、圧電駆動部131,132各々の第1の圧電素子13a及び第2の圧電素子13bに相互に逆位相の駆動信号が入力される。このため第1の圧電素子13aと第2の圧電素子13bは、各々の圧電層P1の伸縮動作が逆となる。したがって第1の圧電素子13aがY軸方向に縮み、かつ第2の圧電素子13bがY軸方向に伸びることで両アーム部121,122は相互に近接する方向へ変形する(図5A)。反対に、第1の圧電素子13aがY軸方向に伸び、かつ第2の圧電素子13bがY軸方向に縮むことで両アーム部121,122は相互に離間する方向へ変形する(図5B)。
圧電検出部140は、振動子120の振動状態に応じた検出信号を上記自励発振回路へ出力する。自励発振回路は圧電検出部140からの検出信号に基づいて駆動信号を生成し、圧電駆動部131,132へ出力する。これにより振動子120はその固有振動周波数で自励発振をおこなう。
本実施形態の圧電デバイス100においては、圧電駆動部131,132の圧電層P1への電圧印加方向と振動子120の励振方向とが一致するように構成されている。これにより振動子120をXY平面内で安定に発振させることができるとともに、XY平面内での振動子の振動を圧電検出部140によって高精度に検出することができる。
以下、本実施形態の上記作用を比較例に係る発振子の構造と比較して説明する。
図6Aは比較例に係る発振子150の構成例を示す要部斜視図である。発振子150は、第1及び第2のアーム部161,162を含む振動子160をXY平面内で発振させる駆動部として、各アーム部161,162の表面160aの外縁側に各々配置された一対の圧電駆動部171,172を有する。
圧電駆動部171,172はそれぞれ同一の構成を有し、一対の電極E3と、一対の電極E3間に配置された圧電層P3との積層構造を有する。図6Bは、圧電駆動部171の構成を示す第1のアーム部161の要部断面図である。圧電駆動部171,172は、Y軸方向に長辺を有する短冊状に形成され、第1及び第2のアーム部161,162の表面160aに配置される。圧電層P3は一対の電極E3を介してZ軸方向に交流電圧が印加されることで、図6Aにおいて黒矢印方向で示すY軸方向に伸縮するように構成される。
図6A,Bに示す発振子150においては、各アーム部161,162をXY平面内で振動させるために、圧電駆動部171,172が各アーム部161,162の外縁側に沿って配置されている。これにより各アーム部161,162は、図中白矢印で示すように、X軸方向に相互に近接する方向への変形と相互に離間する方向への変形とを交互に繰り返すことが可能となるが、これらの変形と同時にXY平面に垂直な方向(Z軸方向)への振動も誘発され、結果的にこれらの合成方向となる斜め方向に励振される。
上述のように比較例に係る発振子150においては、圧電層P3の膜面が振動子120の励振方向に平行に配置されているため、目的とするX軸方向への振動モードだけでなく、目的としないZ軸方向への振動モードも発現してしまう。したがって比較例に係る発振子150においては、目的とする振動方向に沿った共振モードで安定に発振させることが難しかった。また安定動作をさせるために発振回路などに工夫が必要となり、これにより回路規模が大きくなるという問題もあった。
さらに比較例に係る発振子150において、振動子160の振動を検出する圧電検出部は、典型的には、検出用の圧電層をその膜面が振動子160の表面に平行に配置される。このため、各アーム部161,162のX軸方向への振動だけでなく、X軸方向の振動をも検出してしまうため、XY平面内における振動子160の変位に対しての十分な検出信号をとりにくいという問題がある。
これに対して本実施形態の圧電デバイス100においては、圧電駆動部131,132各々の圧電層P1の膜面が目的とする振動子120の振動方向(X軸方向)に直交するように配置されている。このため本実施形態によれば、振動子120のZ軸方向への不要な固有振動モードでの発振を制限でき、振動子120のXY平面内での安定した発振動作を実現することができる。また、圧電検出部140によってXY平面内における各アーム部121,122の変位に対しての十分な信号が得られ、これにより検出精度を向上させることができる。
[圧電デバイスの製造方法]
次に、本実施形態の圧電デバイス100の製造方法について説明する。圧電デバイス100は、MEMS技術を用いて作製される。図7A〜Dは、圧電デバイス100の製造方法の説明図であって、圧電駆動部131の作製工程を示している。
図7Aは、絶縁膜S1、電極E1及び圧電層P1の形成工程を示している。本実施形態の圧電デバイス100は、SOI(Silicon On Insulator)基板を用いて作製される。典型的には、2枚の単結晶シリコン基板L1,L2をシリコン酸化膜からなる中間層L3を介して貼り合わせたSOI基板が構成される。そして一方のシリコン基板L1に図示しないレジストマスクを介してRIE(Reactive Ion Etching)を施すことでアーム部121,122の形成領域内に溝部T11,T12が形成される。この場合、中間層L3は、エッチングストッパ層として機能する。
溝部T11,T12の形成後、溝部T11,T12の両側面を被覆する絶縁膜S1が形成される。絶縁膜S1は、シリコン基板L1の熱酸化膜であってもよいし、CVD法、スパッタ法等で成膜されてもよい。溝部T11,T12の底部を被覆する一部の絶縁膜S1は、エッチングにより除去される。次に、電極E1を構成する金属膜がスパッタ法、めっき法等によって成膜される。溝部T11,T12の底部を被覆する一部の金属膜は、ドライエッチングなどの異方性エッチングにより除去される。
続いて圧電層P1がスパッタ法、PLD(パルスレーザアブレーション)法、ゾルゲル法等によって成膜される。圧電層P1は、溝部T11,T12の内部に充填されるように形成されるが、これに限られない。シリコン基板L1上の絶縁膜S1、金属膜(電極E1)及び圧電層P1はこの順番で積層された後、所定形状にパターニングされる。
次に図7Bに示すように、シリコン基板L1上の溝部T11,T12以外の領域を被覆する圧電層P1を除去する。この工程ではCMP法やエッチバック法等の適宜の平坦化手法が採用可能である。このとき溝部T11の一側面と溝部T12の一側面とを相互に連結するように絶縁膜S1及び電極E1が形成される。
続いて図7Cに示すように、シリコン基板L1に図示しないレジストマスクを介してRIE(Reactive Ion Etching)を施すことで、圧電デバイス100の外形とアーム部121,122が形成される。この場合も、中間層L3は、エッチングストッパ層として機能する。そして図7Dに示すように、シリコン基板L1からシリコン基板L2と中間層L3とを除去することで、圧電駆動部131を構成する第1及び第2の圧電素子13a,13bが作製される。
第2のアーム部122に設けられる圧電駆動部132もまた、上述と同様の工程を経て作製される。典型的には、圧電駆動部131,132は同一工程で作製される。また圧電検出部140もまた、圧電駆動部131,132と同様の工程を経て製造される。この場合も、圧電検出部140は、圧電駆動部131,132と同一の材料を用いて圧電駆動部131,132の作製と同時に作製可能である。
<第2の実施形態>
図8は、本技術の第2の実施形態に係る圧電デバイスの概略斜視図及びその要部断面図である。以下、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
本実施形態の圧電デバイス200は、振動型ジャイロセンサ(角速度センサ)として構成され、例えばカメラやカーナビゲーションシステム等の電子機器における手振れ補正用センサあるいは方向検知センサとして適用される。
本実施形態の圧電デバイス200は、第1及び第2のアーム部121,122の表面120aに第2の圧電検出部141,142がそれぞれ配置されている。第2の圧電検出部141,142は、表面120aに垂直な面(YZ平面)内における各アーム部121,122の振動を検出することが可能に構成される。
第2の圧電検出部141,142はそれぞれ同一の構成を有しており、下部電極層E41(第1の電極層)と圧電層P4と上部電極層(第2の電極層)E42との積層体で構成される。第2の圧電検出部141,142は、Y軸方向に長辺を有する短冊形状に形成され、圧電層の膜面が振動子120の表面120aに平行に形成される。
下部電極層E41は、各アーム部121,122の表面120aに配置される。本実施形態では、アーム部121,122が半導体材料(単結晶シリコン)で構成されているため、下部電極層E41は絶縁層S4を介して表面120aに配置される。上部電極層E42は、表面120aとは垂直な方向(Z軸方向)に下部電極層E41と対向する。圧電層P4は、下部電極層E41と上部電極層E42との間に配置される。
圧電層P4は、Z軸方向に分極処理が施されており、Y軸方向に沿った圧縮応力あるいは引張り応力を受けることで電極層E41,42の間に所定の電位差を生じさせる。例えば、アーム部121,122のいずれかが+Z方向に変形したときは圧電層P4がY軸方向に縮み、−Z方向に変形したときは圧電層P4がY軸方向に伸びる。電極層E41,E42間の電位の極性は、圧電層P4のY軸方向に沿った伸縮方向で定まる。電極層E41,E42は、回路基板CB上の角速度検出回路(図示略)に電気的に接続される。典型的には、電極層E41、E42の一方が基準電位(例えばグランド電位あるいは所定のオフセット電位)に接続される。
電極層E41,E42は、例えば、圧電駆動部131,132における電極E1あるいは第1の圧電検出部140における電極E2と同一の材料で構成される。圧電層P4もまた、例えば、圧電駆動部131,132における圧電層P1あるいは第1の圧電検出部140における圧電層P2と同一の材料で構成される。
本実施形態において第2の圧電検出部141,142は、各アーム部121,122の軸心に沿って表面120aに配置される。第2の圧電検出部141,142のY軸方向に沿った長さ(長辺の長さ)は特に限定されず、各アーム部121,122のZ軸方向に沿った変位を検出できる長さであればよい。
以上のように構成される本実施形態の圧電デバイス200においては、上述の第1の実施形態と同様に、圧電駆動部131,132及び第1の圧電検出部140により各アーム部121,122がXY平面内において自励発振する。この状態において振動子120にそのY軸回りの角速度が作用すると、各アーム部121,122はコリオリ力によりZ軸方向に変形し、その変形量に応じた電圧信号が第2の圧電検出部141,142から上記角速度検出回路へ出力される。これにより圧電デバイス200に作用するY軸回りの角速度が検出される。
本実施形態によれば、各アーム部121,122のXY平面内における安定した発振動作を実現することができるため、各アーム部121,122に作用するZ軸方向に沿ったコリオリ力、すなわちY軸回りの角速度の検出精度を高めることができる。
図9A〜Dは、圧電デバイス200の製造方法の説明図であって、圧電駆動部131及び第2の圧電検出部141の作製工程を示している。第2の圧電検出部141は、圧電駆動部131の作製過程で作製される。
本実施形態では、図9Aに示すように電極E1を構成する金属膜の一部が下部電極層E41として構成され、上部電極層E42が圧電層P1の上に成膜される。各層をパターニングした後、図9Bに示すように圧電層P1が一部を除いてエッチングされることで、圧電層P4が形成される。電極E1を構成する金属膜は、電極E1の形成領域と下部電極層E41の形成領域とを区画するように絶縁分離される。その後、図9Cに示すようにアーム部121,122の形状加工が施され、さらに図9Dに示すようにシリコン基板L2及び中間層L3が除去される。
第2のアーム部122に設けられる第2の圧電検出部142もまた、上述と同様の工程を経て作製される。典型的には、第2の圧電駆動部141,142は同一工程で作製される。
<第3の実施形態>
図10は、本技術の第3の実施形態に係る圧電デバイスの構成を模式的に示す平面図であり、図11はその断面図である。
本実施形態の圧電デバイス300は、振動型ジャイロセンサ(角速度センサ)として構成され、例えばカメラやカーナビゲーションシステム等の電子機器における手振れ補正用センサあるいは方向検知センサとして適用される。
[振動子]
本実施形態の圧電デバイス300は、振動子320を有し、振動子320は、環状のフレーム体330と、複数の振り子部340とを有する。
フレーム体330は、a軸方向に横方向、b軸方向に縦方向、c軸方向に厚み方向を有する。一方、図10において、a軸に平行な軸方向にY軸が設定され、b軸に平行な方向にX軸が設定される。Z軸方向は、c軸方向と平行な軸方向である。
フレーム体330の各辺は、振動梁として機能し、a軸方向に相互に平行に延在する第1の梁31a,31bの組と、a軸方向に直交するb軸方向に、相互に平行に延在する第2の梁32a,32bの組とを含む。第1及び第2の梁31a,31b,32a,32bは、それぞれ同一の長さ、幅及び厚みを有しており、フレーム体330の外観は、中空の正方形状を有している。
フレーム体330の四隅に相当する部位には、第1の梁31a,31bと第2の梁32a,32bとの間を接続する接続部33a,33b,33c,33dがそれぞれ形成されている。第1の梁31a,31b及び第2の梁32a,32bの両端は、接続部33a〜33dによってそれぞれ支持される。フレーム体330は、接続部33a〜33dに形成された複数の支持部34を介して、図示しない回路基板に対してXY平面内において振動可能に固定されている。
複数の振り子部340は、第1の振り子部41a,41bと、第2の振り子部42a,42bとを有する。第1の振り子部41a,41bは、相互に対角関係にある1組の接続部33a,33cにそれぞれ形成されており、その対角線方向に沿ってフレーム体330の内側に延在している。第2の振り子部42a,42bは、相互に対角関係にある他の1組の接続部33b,33dにそれぞれ形成されており、その対角線方向に沿ってフレーム体330の内側に延在している。第1及び第2の振り子部41a,41b,42a,42bのそれぞれの一端は、接続部33a〜33dに固定され、それぞれの他端は自由端とされ、フレーム体330の中央付近に配置された振動錘として機能する。また、接続部33a〜33dに固定される一端と他端との間を、それぞれアーム部Mとする。
第1の梁31a,31b、第2の梁32a,32b、接続部33a〜33d、第1の振り子部41a,41b、第2の振り子部42a,42b及び複数の支持部34は、それぞれ一体的に形成されており、例えば非圧電性材料である単結晶シリコン基板を微細加工することで作製される。
[圧電駆動部]
圧電デバイス300は、フレーム体330を振動させる駆動部として、第1の梁31a,31bにそれぞれa軸方向に沿って設けられた第1の圧電駆動部351と、第2の梁32a,32bにそれぞれb軸方向に沿って設けられた第2の圧電駆動部352とを有する。図10においては、理解を容易にするため、第1及び第2の圧電駆動部351,352をそれぞれ異なる種類のハッチングで示す。
第1及び第2の圧電駆動部351,352は、第1の実施形態において説明した第1及び第2の圧電素子13a,13b(図2)と同様に構成され、一対の電極と当該一対の電極間に配置された圧電層との積層構造を有する。本実施形態において第1の圧電駆動部351は、a軸方向に長辺を有する短冊状に形成され、その圧電層の膜面がb軸方向に直交するように、第1の梁31a,31bに配置される。第2の圧電駆動部352は、b軸方向に長辺を有する短冊形状を有し、その圧電層の膜面がa軸方向に直交するように、第2の梁32a,32bに配置される(図11)。
第1及び第2の圧電駆動部351,352はそれぞれ同一の構成を有し、そのc軸方向に沿った幅寸法がフレーム体330のc軸方向に沿った厚み寸法と同一の大きさに形成される。第1の圧電駆動部351は、第1の梁31a,31bの表面にa軸方向に沿って形成された溝部内に配置され、第2の圧電駆動部352は、第2の梁32a,32bの表面にb軸方向に沿って形成された溝部内に配置される。上記各溝部は、各梁31a,31b,32a,32bの軸心位置よりもフレーム体330の外周側に設けられる。
第1及び第2の圧電駆動部351,352はそれぞれ自励発振回路(図示略)に接続され、相互に逆位相の交流電圧が印加されるように構成される。第1及び第2の圧電駆動部351,352は、入力電圧の極性に応じて長辺方向に伸縮し、その変形の駆動力で梁31a,31b,32a,32bを振動させる。変形の方向は、入力電圧の極性で制御される。第1及び第2の圧電駆動部351,352は、第1の梁31a,31bの組及び第2の梁32a,32bの組のうち一方の組が近接したときに他方の組が離間し、一方の組が離間したときに他方の組が近接する振動モードでフレーム体330をXY平面内で振動させる。
[第1の圧電検出部]
圧電デバイス300は、フレーム体330のXY平面内における振動を検出するための第1の圧電検出部361をさらに有する。本実施形態において第1の圧電検出部361は第2の梁32a,32bにそれぞれ設けられる。
第1の圧電検出部361は、第1の実施形態において説明した圧電検出部140(図3)と同様に構成され、一対の電極と当該一対の電極間に配置された圧電層との積層構造を有する。本実施形態において第1の圧電検出部361はそれぞれ、b軸方向に長辺を有する短冊状に形成され、その圧電層の膜面がa軸方向に直交するように、第2の梁32a,32bに配置される(図11)。
第1の圧電検出部361はそれぞれ同一の構成を有し、そのc軸方向に沿った幅寸法がフレーム体330のc軸方向に沿った厚み寸法と同一の大きさに形成される。第1の圧電検出部361は、第2の梁32a,32bの表面にb軸方向に沿って形成された溝部内にそれぞれ配置される。上記各溝部は、第2の梁32a,32bの軸心位置よりもフレーム体330の内周側に設けられる。
第1の圧電検出部361はそれぞれ自励発振回路(図示略)に接続され、第2の梁32a,32bのa軸方向に沿った変位量に対応する電気信号を上記自励発振回路へ出力する。上記自励発振回路は、第1の圧電検出部361の出力に基づいて、圧電駆動部351,352へ供給する駆動信号を生成する。これによりXY平面内におけるフレーム体330の安定した自励発振を実現することができる。
圧電デバイス300は、第1の角速度検出部362a,362b,362c,362dを有する。第1の角速度検出部362a〜362dは、フレーム体330の接続部33a〜33dにそれぞれ設けられ、フレーム体330の内周縁部に沿ってほぼ直角に屈曲した形状を有している。第1の角速度検出部362a〜362dは、上記振動モードで振動するフレーム体330に作用するZ軸回りの角速度を検出可能に構成される。
第1の角速度検出部362a〜362dは、第1の圧電検出部361と同様に、一対の電極と当該一対の電極間に配置された圧電層との積層構造を有する。本実施形態において第1の角速度検出部362a〜362dはそれぞれ、a軸及びb軸方向に長辺を有する短冊状に形成され、その圧電層の膜面がb軸及びa軸方向に直交するように、接続部33a〜33dに配置される。
第1の角速度検出部362a〜362dはそれぞれ同一の構成を有し、そのc軸方向に沿った幅寸法がフレーム体330のc軸方向に沿った厚み寸法と同一の大きさに形成される。第1の角速度検出部362a〜362dは、接続部33a〜33dの表面に形成された溝部内にそれぞれ配置される。上記各溝部は、第1の梁31a,31b及び第2の梁32a,32bの軸心位置よりもフレーム体330の内周側に設けられる。
第1の角速度検出部362a〜362dはそれぞれ角速度検出回路(図示略)に接続され、接続部33a〜33dのXY平面内における歪みを検出する。図12は、Z軸回りに角速度が作用したフレーム体330のある瞬間におけるフレーム体330の変形の様子を概略的に示す平面図である。なお説明を分かりやすくするため、フレーム体330の形状及び変形の様子はやや誇張して示している。
図12に示すように、上記振動モードで基本振動をするフレーム体330にZ軸を中心とする時計回り方向の角速度が作用すると、フレーム体330内の各点(梁31a,31b,32a,32b、振り子部41a,41b,42a,42b)には、Z軸と直交するXY平面内において、上記各点のその瞬間における移動方向(振動方向)と時計回り方向へ90度をなす方向に当該角速度の大きさに比例したコリオリ力が発生する。すなわち、コリオリ力の向きは、図12に示すように当該コリオリ力が作用する点の上記瞬間における振動の方向によって決まる。これにより、フレーム体330は、正方形状から概略平行四辺形状となるように、XY平面内において、ひしゃげられる(歪む)。
なお、図12は、Z軸を中心として時計まわりに所定の角速度が作用したときの様子を示している。なお、角速度の向きが反対(反時計まわり)の場合は、各点に作用するコリオリ力の向きも反対となる。
第1の角速度検出部362a〜362dは、角速度が生じたときの接続部33a〜33bの変形量及び変形方向に応じた電気信号を上記角速度検出回路へ出力する。上記角速度検出回路は、第1の角速度検出部362a〜362dの検出信号に基づいて、Z軸回りの角速度の大きさ及び方向を検出する。
第1の圧電検出部361は、第2の梁32a,32bに各々設けられたが、これに限られず、いずれか一方の梁にのみ設けられてもよい。また、第1の角速度検出部362a〜362dにおいてもフレーム体330の振動状態を検出することができるため、第1の圧電検出部361の機能を第1の角速度検出部362a〜362dで実現することも可能である。
[第2の圧電検出部]
圧電デバイス300は、第2の角速度検出部371a,371b,372a,372b(第2の圧電検出部)を有する。第2の角速度検出部371a,371b,372a,372bは、振り子部41a,41b,42a,42bの各アーム部Mに設けられ、上記振動モードで振動するフレーム体330に作用するX軸及びY軸回りの角速度を検出可能に構成される。
第2の角速度検出部371a,371b,372a,372bは、第2の実施形態において説明した第2の圧電検出部141(図8)と同様に構成され、一対の電極と当該一対の電極間に配置された圧電層との積層構造を有する。本実施形態において第2の角速度検出部371a,371b,372a,372bはそれぞれアーム部Mの長手方向に長辺を有する短冊状に形成され、その圧電層の膜面がc軸方向に直交するように、各アーム部Mの表面に配置される。
第1の角速度検出部362a〜362dはそれぞれ上記角速度検出回路に接続され、振り子部41a,41b,42a,42bのc軸方向に沿った変形を検出する。図13Aは、フレーム体330にX軸回りの角速度が作用したときの振り子部41a,41b,42a,42bの振動形態を説明する概略斜視図である。一方、図13Bは、フレーム体330にY軸回りの角速度が作用したときの振り子部41a,41b,42a,42bの振動形態を説明する概略斜視図である。
上記振動モードで基本振動をするフレーム体330にX軸まわりの角速度が作用すると、図13Aに示すように各振り子部41a,41b,42a,42bにその瞬間での振動方向と直交する方向のコリオリ力F1がそれぞれ発生する。これにより、X軸方向に隣接する一方の振り子部41a及び振り子部42bの組は、コリオリ力F1によりZ軸の正の方向へ変形し、それらの変形量が第2の角速度検出部371a,372bによって各々検出される。また、X軸方向に隣接する他方の振り子部42a,41bの組は、コリオリ力F1によりZ軸の負の方向へ変形し、それらの変形量が第2の角速度検出部372a,371bによって各々検出される。
一方、上記基本振動をするフレーム体330にY軸まわりの角速度が作用すると、図13Bに示すように各振り子部41a,41b,42a,42bにその瞬間での振動方向と直交する方向のコリオリ力F2がそれぞれ発生する。これにより、Y軸方向に隣接する一方の振り子部41a及び振り子部42aの組は、コリオリ力F2によりZ軸の負の方向へ変形し、それらの変形量が第2の角速度検出部371a,372aによって各々検出される。また、Y軸方向に隣接する他方の振り子部41b,42bの組は、コリオリ力F2によりZ軸の正の方向へ変形し、それらの変形量が第2の角速度検出部371b,372bによって各々検出される。
X軸及びY軸に各々斜めに交差する方向の軸まわりに角速度が生じた場合にも上述と同様な原理で角速度が検出される。すなわち、各振り子部41a,41b,42a,42bは、当該角速度のX方向成分及びY方向成分に応じたコリオリ力によって変形し、それらの変形量が第2の角速度検出部371a,371b,372a,372bによって各々検出される。上記角速度検出回路は、これら第2の角速度検出部の出力に基づいて、X軸まわりの角速度及びY軸まわりの角速度をそれぞれ抽出する。これにより、XY平面に平行な任意の軸まわりの角速度を検出することができる。
<第4の実施形態>
図14は、本技術の第4の実施形態に係る圧電デバイスの構成を模式的に示す平面図であり、図15はその要部の断面図である。
本実施形態の圧電デバイス400は、振動型ジャイロセンサ(角速度センサ)及び加速度センサとして構成され、例えばカメラやカーナビゲーションシステム等の電子機器における手振れ補正用センサあるいは方向検知センサとして適用される。
圧電デバイス400は、振動子420と、振動子420を支持する支持部410と、振動子420と支持部410との間を弾性的に連結する連結部430とを有する。
振動子420は、第3の実施形態において説明したフレーム体330と同一の構成を有する。フレーム体330に設けられる振り子部、圧電駆動部、圧電検出部、角速度検出部等の構成及び機能は上述の第3の実施形態と同様であるため、ここではそれらの説明を省略する。
支持部410は、フレーム体330の外周を囲むように形成され、図示しない回路基板に電気的・機械的に接続される。支持部410は、連結部430とともに振動子420と一体的に形成され、例えば非圧電性材料である単結晶シリコン基板を微細加工することで作製される。
連結部430は、フレーム体330の四隅(接続部33a〜33d)にそれぞれ設けられる。各々の連結部430は、接続部33a〜33dと支持部410の内周部との間に複数の屈曲部を有する。上記複数の屈曲部は、Y軸方向に反転する第1の屈曲部431と、X軸方向に反転する第2の屈曲部432とを有する。第1の屈曲部431は、支持部410に対する振動子420のX軸方向への弾性変形を許容し、第2の屈曲部432は、支持部410に対する振動子420のY軸方向への弾性変形を許容する。
圧電デバイス400は、第1の加速度センサ441と、第2の加速度センサ442とをさらに有する。第1の加速度センサ441は、振動子420に作用するX軸方向に沿った加速度を検出し、第2の加速度センサ442は、振動子420に作用するY軸方向に沿った加速度を検出する。
第1の加速度センサ441は、第1の屈曲部431にそれぞれ設けられ、X軸方向に相互に対向する一対の電極構造体ES1を含む。同様に、第2の加速度センサ442は、第2の屈曲部432にそれぞれ設けられ、Y軸方向に相互に対向する一対の電極構造体ES2を含む。これら電極構造体ES1,ES2は、XY平面内における支持部410に対する振動子420の相対移動を静電的に検出することが可能に構成される。
電極構造体ES1は、第1の屈曲部431のX軸方向に相互に対向する2つの側面にそれぞれ設けられている。一方、電極構造体ES2は、第2の屈曲部432のY軸方向に相互に対向する2つの側面にそれぞれ設けられている。図15に第2の屈曲部432に設けられた電極構造体ES2の断面構造を示す。
電極構造体441,442は、例えば、圧電駆動部や圧電検出部の作製工程と同時に形成される。この際、電極構造体441,442の下地として形成される絶縁膜S1には、圧電駆動部351,352等における絶縁膜S1と同一材料を用いることができ、電極構造体ES1,ES2には、圧電駆動部351,352等における電極E1と同一の金属材料を用いることができる。また、圧電駆動部351,352等における圧電層P1の形成工程では、電極構造体ES1,ES2の間隙に圧電材料が充填されることを避けるため、当該間隙にレジスト材料等のような後工程で除去可能な材料があらかじめ充填されればよい。
第1及び第2の加速度センサ442は、図示しない加速度検出回路に接続される。上記加速度検出回路は、上記角速度検出回路の中に組み込まれていてもよい。本実施形態の圧電デバイス400によれば、X軸、Y軸及びZ軸回りの角速度だけでなく、X軸及びY軸方向に沿った加速度をも検出することができる。
<第5の実施形態>
次に、本技術の第5の実施形態について説明する。本実施形態では、圧電駆動部及び/又は圧電検出部の構造が上述の各実施形態と異なる。以下に説明する圧電駆動部及び圧電検出部の構成例は、上述の第1〜第4の実施形態にも同様に適用可能である。
(第1の構成例)
図16Aは、圧電駆動部531の構造を示す振動子521の要部平面図であり、図16Bは、圧電駆動部531の等価回路図である。なお図16Aにおいては理解を容易にするため、圧電駆動部531の構成要素にハッチングを付加している。
本実施形態の圧電駆動部531は、相互に並列接続された複数(本例では4組)の圧電素子531aで構成されている。すなわち圧電駆動部531は、相互に並列的に電気接続された複数組の電極対E51と、これら電極対E51の間にそれぞれ配置された複数の圧電体P51とを有する。振動子521は、第1及び第2の実施形態におけるアーム部121,122、あるいは第3及び第4の実施形態における梁31a,31b,32a,32bに相当する。
各々の圧電素子531aは、各組の電極対E51と圧電体P51とで構成され、振動子521の表面にY軸方向に相互に平行に形成された複数の溝部T51にそれぞれ埋め込まれている。各圧電体P51は、Y軸方向に長辺を有する短冊形状の圧電薄膜で構成され、その膜面が振動子521の振動方向(X軸方向)に直交している。振動子521の表面には、各圧電素子531aを並列接続するための配線W51が形成されている。
本実施形態によれば、並列接続された複数の圧電素子531aで圧電駆動部531が構成されているため、単一の圧電素子で振動子を駆動する場合と比較して、その変位量を倍増させることができる。すなわち本例では、圧電駆動部531が4組の圧電素子531aで構成されているため、単一の圧電素子で振動子を駆動する場合と比較して、その変位量を4倍にすることができる。
圧電素子531aの組数は上述の例に限られず、設計に応じてその組数を増減することができる。また本実施形態によれば、レーザビーム等で配線W51を適宜の位置で断線することで、圧電素子531aの実質的な組数を3組以下に変更することができる。圧電素子531aの実質的な組数を2組としたときの一例を図16Cに示す。
また本構成例によれば、圧電駆動部による駆動量を離散的に変更することができる。さらに駆動特性のバラツキを後処理によって容易に調整することが可能となる。
各圧電素子531aは、配線W51を介して各圧電体P52に分極電圧を印加することで、各圧電体P52の分極処理が行われる。
また、上記構成(図16)は圧電駆動部だけに限られず、圧電検出部の構成として採用されてもよい。
(第2の構成例)
図17Aは、圧電検出部541の構造を示す振動子522の要部平面図であり、図17Bは、圧電検出部541の等価回路図である。なお図17Aにおいては理解を容易にするため、圧電検出部541の構成要素にハッチングを付加している。
本実施形態の圧電検出部541は、相互に直列接続された複数(本例では4組)の圧電素子541aで構成されている。すなわち圧電検出部541は、相互に直列的に電気接続された複数組の電極対E52と、これら電極対E52の間にそれぞれ配置された複数の圧電体P52とを有する。振動子522は、第1及び第2の実施形態におけるアーム部121,122、あるいは第3及び第4の実施形態における梁31a,31b,32a,32bに相当する。
各々の圧電素子541aは、各組の電極対E52と圧電体P52とで構成され、振動子522の表面にY軸方向に相互に平行に形成された複数の溝部T52にそれぞれ埋め込まれている。各圧電体P52は、Y軸方向に長辺を有する短冊形状の圧電薄膜で構成され、その膜面が振動子522の振動方向(X軸方向)に直交している。振動子522の表面には、各圧電素子541aを直列接続するための配線W52が形成されている。
本実施形態によれば、直列接続された複数の圧電素子541aで圧電検出部541が構成されているため、単一の圧電素子で振動子の変位を検出する場合と比較して、その検出電圧を倍増させることができる。すなわち本例では、圧電検出部541が4組の圧電素子541aで構成されているため、単一の圧電素子で振動子の変位を検出する場合と比較して、その検出電圧を4倍にすることができる。
圧電素子541aの組数は上述の例に限られず、設計に応じてその組数を増減することができる。また図18Aに示すように、振動子522の表面に各圧電素子541aを並列接続するための配線W53があらかじめ形成されてもよい。この場合、レーザビーム等で配線W53を適宜の位置で断線することで、圧電素子541aの実質的な組数を3組以下に変更することができる。圧電素子541aの実質的な組数を3組としたときの一例を図18Bに示す。
また本構成例によれば、圧電検出部による検出量を離散的に変更することができる。さらに検出特性のバラツキを後処理によって容易に調整することが可能となる。
図19A〜Cは、圧電検出部541の分極方法を説明する工程図及びその等価回路をそれぞれ示している。
振動子522へ複数の圧電素子541aを形成後、図19Aに示すように各圧電素子541aを並列的に電気接続するための配線W52a,W52bが振動子522の表面にそれぞれ形成される。この状態で各圧電素子541aの圧電体P52の分極処理が行われる。これにより直列接続時と比較して低電圧で分極処理を実行することができる。次に図19Bに示すように、配線W52a,W52bが振動子522の表面から選択的に除去される。配線W52a,W52bの除去は例えばウェットエッチング法によって行うことができる。この場合、配線W52a,W52bは、例えば電極E52よりもエッチング選択性の高い金属材料で構成される。最後に図19Cに示すように各圧電素子541aを直列的に接続するための配線W52を振動子522の表面に形成することで、図17Aに示した圧電検出部541が作製される。
(第3の構成例)
図20A〜Dは、圧電検出部の幾つかの構造例を模式的に示す要部断面図である。
図20Aに示す圧電検出部543は、振動子523の表面から裏面に到達する深さで形成された溝部T53の両側面に絶縁膜S53を介して形成された一対の電極E53と、これら電極E53の間に配置された圧電体P53との積層構造を有する。当該圧電検出部543は、第1の実施形態において説明した圧電検出部140(図3)と同様の構造を有する。
一方、図20B〜Dは、一つの溝部T53の内部に複数組の圧電素子が構成された例を示している。このような構成においても、上記第2の構成例(図17)と同様の作用効果を得ることができる。
図20Bに示す圧電検出部544は、相互に直列的に電気接続された複数組の電極対E53,E54と、これら電極対E53,E54の間にそれぞれ配置された複数の圧電体P54とを有する。圧電検出部544は、溝部T53内に相互に直列接続された2つの圧電素子544aを有する。
図21A〜Dは、圧電検出部544の製造方法を説明する要部の工程断面図である。電極E53の形成工程までは、第1の実施形態において説明した電極E1の形成工程(図7A)と同様である。
図21Aに示すように、電極E53の形成後、圧電体P54を構成する圧電薄膜を成膜する。当該圧電薄膜は、溝部T53を埋め尽くさない程度に電極E53を被覆する。次に図21Bに示すように、溝部T53の底部を被覆する圧電薄膜を除去した後、電極E54を構成する金属薄膜を成膜する。当該金属薄膜は、溝部T53を埋め尽くさない程度に圧電体P54を被覆する。続いて、図21Cに示すように溝部T53の内部に絶縁材料S54が充填される。絶縁材料S54は、電極E54の保護膜として形成されるが、必要に応じて省略されてもよい。そして図21Dに示すように、基板L1の表面に残存する圧電薄膜を平坦化処理により除去した後、シリコン基板L2及び中間層L3を除去することで、圧電検出部544が作製される。
図20Cに示す圧電検出部545は、相互に直列的に電気接続された複数組の電極対E53,E55と、これら電極対E53,E55の間にそれぞれ配置された複数の圧電体P54とを有する。圧電検出部545は、溝部T53内に相互に直列接続された2つの圧電素子545aを有する。
図22A〜Dは、圧電検出部545の製造方法を説明する要部の工程断面図である。圧電体P54の形成(図22A,B)までは圧電検出部544の製造工程と同様であるのでその説明は省略する。本例では、電極E55を構成する金属材料で溝部T53が充填される(図22C)。その後、上述と同様の後工程を実施することで、圧電検出部545が作製される(図22D)。
図20Dに示す圧電検出部546は、複数組の電極対E53,E56と、これら電極対E53,E56の間にそれぞれ配置された複数の圧電体P54とを有する。圧電検出部545は、溝部T53内に相互に対向配置された2つの圧電素子546aを有する。本例では、各圧電素子546aは相互に電気的には接続されておらず、各々を相互に並列接続可能に構成される。なお両圧電素子546aの間には絶縁材料が充填されてもよい。
図23A〜Dは、圧電検出部546の製造方法を説明する要部の工程断面図である。圧電体P54の形成(図23A)までは圧電検出部544の製造工程と同様であるのでその説明は省略する。本例では、電極E56を構成する金属薄膜を成膜した後、溝部T53の底部を被覆する上記金属薄膜がエッチングにより除去される(図23B,C)。その後、上述と同様の後工程を実施することで、圧電検出部546が作製される(図23D)。
<第6の実施形態>
図24は本技術の第6の実施形態に係る圧電デバイスの概略斜視図である。本実施形態の圧電デバイス600は、バンドパスフィルタとして構成され、例えば携帯電話機等の電子機器におけるフィルタ素子に適用される。
本実施形態の圧電デバイス600は、基部610と、振動子620とを有する。振動子620は、Y軸方向に延びる複数本(本例では4本)のアーム部621,622,623,624を有し、各アーム部621〜624は、X軸方向に間隔をおいて配列されている。各アーム部621〜624は、Y軸方向に沿った長さ寸法がそれぞれ同一の大きさに形成され、その一端は基部610に振動可能に固定され、他端は自由端とされている。
各アーム部621〜624のX軸方向に沿った幅寸法は相互に異なっており、これにより各アーム部621〜624は、それぞれ異なる固有振動数で振動可能に構成される。なお幅寸法だけでなく、Y軸方向に沿った長さ寸法やZ軸方向に沿った厚み寸法を相互に異ならせることで、各々が相互に異なる固有振動数を有するように構成されてもよい。
各アーム部621〜624は、アーム部621〜624をXY平面内で発振させるための複数の圧電駆動部630を有する。
複数の圧電駆動部630は、第1の実施形態において説明した第1及び第2の圧電素子13a,13b(図2)と同様に構成され、一対の電極と当該一対の電極間に配置された圧電層との積層構造を有する。本実施形態において複数の圧電駆動部630は、Y軸方向に長辺を有する短冊状に形成され、その圧電層の膜面がX軸方向に直交するように、各アーム部621〜624にそれぞれ配置される。
複数の圧電駆動部630はそれぞれ同一の構成を有し、そのZ軸方向に沿った幅寸法が各アーム部621〜624のZ軸方向に沿った厚み寸法と同一の大きさに形成される。複数の圧電駆動部630は、各アーム部621〜624の表面にZ軸方向に沿って形成された溝部内にそれぞれ配置される。上記各溝部は、各アーム部621〜624の軸心位置よりも一方側に偏った位置に設けられる。
圧電検出部640は、アーム部621〜624のXY平面内における振動を検出するための複数の圧電検出部640をさらに有する。
複数の圧電検出部640は、第1の実施形態において説明した圧電検出部140(図3)と同様に構成され、一対の電極と当該一対の電極間に配置された圧電層との積層構造を有する。本実施形態において複数の圧電検出部640は、Y軸方向に長辺を有する短冊状に形成され、その圧電層の膜面がX軸方向に直交するように、各アーム部621〜624にそれぞれ配置される。
複数の圧電検出部640はそれぞれ同一の構成を有し、そのX軸方向に沿った幅寸法が各アーム部621〜624のZ軸方向に沿った厚み寸法と同一の大きさに形成される。複数の圧電検出部640は、各アーム部621〜624の表面にZ軸方向に沿って形成された溝部内にそれぞれ配置される。上記各溝部は、各アーム部621〜624の軸心位置よりも圧電駆動部630とは反対側に偏った位置に設けられる。
以上のように構成される本実施形態の圧電デバイス600においては、各アーム部621〜624の圧電駆動部630に対して共通の入力信号(高周波信号)が入力される。圧電駆動部630は、上記入力信号を駆動信号としてY軸方向に伸縮して各アーム部621〜624を励振させ、アーム部621〜624毎に圧電検出部640によってそれらの変位に対応する検出信号が出力される。
例えば図25に示すように、各圧電駆動部630に入力される駆動信号が各アーム部621〜624の固有振動数f21〜f24を含む帯域の高周波信号である場合、各圧電検出部640から出力される検出信号は、それらを平滑化した合成信号が出力される。したがって上記構成により、圧電デバイス600を平滑フィルタあるいはバンドパスフィルタとして機能させることができる。
なお上記構成の圧電デバイス600において、圧電駆動部630を省略した構造のものを音場に設置することで、音源による空気の振動に共振を利用したフィルタ素子を構成することができる。
以上、本技術の実施形態について説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば以上の第1の実施形態では、圧電駆動部131,132は各アーム部121,122にそれぞれ設けられたが、圧電駆動部は、何れか一方のアーム部だけに設けられてもよい。また圧電駆動部131,132はそれぞれ2つの圧電素子13a,13bで構成されたが、圧電素子13a,13bはいずれか一方だけでもよい。また以上の第1及び第2の実施形態では2本のアーム部で振動子が構成されたが、アーム部の数はこれに限られず、1本あるいは3本以上であってもよい。
また以上の第3の実施形態では、振動子320の各振り子部41a,41b,42a,42bはそれぞれ接続部33a〜33dからフレーム体330の内方側へ向けて突出形成された。これに限られず、図26に示すように、各振り子部41a,41b,42a,42bは、接続部33a〜33dからフレーム体330の外方側へ向けて突出形成されてもよい。また以上の第3の実施形態では、振動子320がフレーム体330と複数の振り子部340とを有する構成とされたが、フレーム体330のみで構成されてもよい。
また以上の各実施形態では、振動子の表面に形成され圧電駆動部および圧電検出部が配置される溝部は、その両側面が振動方向に直交する平面となるように形成されたが、これに限られず、例えば図27に示すように溝部Tの両側面はテーパ状に形成されてもよい。また、溝部Tの両側面を覆う絶縁膜Sや電極Eもまたテーパ状に形成されてもよい。さらに圧電体Pは溝部T内に完全に充填されていなくてもよい。
また以上の第5の実施形態において説明した圧電駆動部および圧電検出部の各構成例は、それぞれ単独で用いられる場合に限られず、共通の振動子に各々が同時に用いられてもよい。図28A〜Cにそれらの一例を各々示す。
図28Aに示す圧電デバイスは、振動子123をX軸方向に駆動する圧電駆動部D1と、振動子123のZ軸方向の変位を検出する垂直変位検出部V1と、振動子のX軸方向の変位を検出する水平変位検出部H1とを有する。圧電駆動部D1及び水平変位検出部H1は、第1の実施形態において説明した圧電駆動部131,132及び第1の圧電検出部140と同様に振動子123の内部に埋め込まれ、垂直変位検出部V1は第2の実施形態において説明した第2の圧電検出部141と同様に振動子123の表面に配置される。垂直変位検出部V1は、Y軸方向に延びる振動子123の軸心上に配置され、圧電駆動部D1及び水平変位検出部H1は、その両側にそれぞれ設けられる。
図28B,Cに示す圧電デバイスはそれぞれ、振動子123の軸心に沿って配置された水平変位検出部H1と、その両側に配置された圧電駆動部D1,D2とを有する。圧電駆動部D2は、圧電駆動部D1と同様に構成される。
さらに本技術の一実施形態に係る圧電デバイスは、エナジーハーベスティング素子として構成することも可能である。図26はその概略斜視図である。
当該圧電デバイス700は、基部(基部)に対して振動可能に支持されたアーム部720と、アーム部720の先端に設けられた錘部721とを有する。図27は図26におけるA1部の拡大断面図である。アーム部720には錘部721のX軸方向への変位を検出するための第1の圧電検出部741と、錘部721のZ軸方向への変位を検出するための第2の圧電検出部742とが設けられる。第1の圧電検出部741は、アーム部720の軸心に関して対称な位置にそれぞれ設けられ、第2の圧電検出部742はアーム部720の表面及び裏面にそれぞれ配置される。これにより錘部721の振動エネルギーから圧電検出部741,742を介して電気エネルギーを得ることができる。
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)第1の面と、第1の軸方向に沿って前記第1の面に形成された第1の溝部と、前記第1の面に前記第1の溝部と平行に形成された第2の溝部とを有する振動子と、
前記第1の溝部内に配置され前記第1の軸方向と直交し前記第1の面に平行な第2の軸方向に相互に対向する第1の電極対と、前記第1の電極対の間に配置された第1の圧電体とを有し、前記第1の電極対間への電圧印加により前記振動子を前記第1の面に平行な面内で振動させることが可能な圧電駆動部と、
前記第2の溝部内に配置され前記第2の軸方向に相互に対向する第2の電極対と、前記第2の電極対の間に配置された第2の圧電体とを有し、前記第1の面に平行な面内における前記振動子の振動を検出することが可能な第1の圧電検出部と
を具備する圧電デバイス。
(2)上記(1)に記載の圧電デバイスであって、
前記振動子は、前記第1の軸方向及び前記第2の軸方向にそれぞれ直交する第3の軸方向に前記第1の面と対向する第2の面をさらに有し、
前記第1の溝部は、前記第1の面から前記第2の面に達する深さで形成され、
前記第1の溝部の両側面部は、前記第1の圧電駆動部で被覆される
圧電デバイス。
(3)上記(1)又は(2)に記載の圧電デバイスであって、
前記振動子は、前記第1の軸方向に延在し、前記第2の軸方向に配列された複数本のアーム部を有し、
前記圧電駆動部及び前記第1の圧電検出部はそれぞれ、前記複数本のアーム部のうち少なくとも1つのアーム部に設けられる
圧電デバイス。
(4)上記(3)に記載の圧電デバイスであって、
前記複数本のアーム部は、第1のアーム部と第2のアーム部とを有し、
前記圧電駆動部は、前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部にそれぞれ設けられ、前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部を前記第1の面内において相互に逆位相で振動させることが可能に構成される
圧電デバイス。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の圧電デバイスであって、
前記振動子は、前記第1の軸方向に延在し前記第2の軸方向に相互に対向する第1の梁の組と、前記第2の軸方向に延在し前記第1の軸方向に相互に対向する第2の梁の組と、前記第1の梁と前記第2の梁との間を接続する複数の接続部とを含むフレーム体を有し、
前記圧電駆動部は、前記第1の梁の組及び前記第2の梁の組のうち一方の組が近接したときに他方の組が離間し、前記一方の組が離間したときに前記他方の組が近接する振動モードで前記フレーム体が振動するように、前記第1の梁及び前記第2の梁のうち少なくとも1つの梁に設けられる
圧電デバイス。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の圧電デバイスであって、
前記振動子を支持する支持部と、
前記振動子と前記支持部との間を弾性的に連結する連結部と、
前記連結部に設けられ、前記第1の面に平行な面内における前記支持部に対する前記振動子の相対移動を静電的に検出することが可能な電極構造体とをさらに具備する
圧電デバイス。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の圧電デバイスであって、
前記第1の面に配置され、前記第1の面に垂直な面内における前記振動子の振動を検出することが可能な第2の圧電検出部をさらに具備する
圧電デバイス。
(8)上記(7)に記載の圧電デバイスであって、
前記第2の圧電検出部は、
前記第1の面に配置された第1の電極層と、
前記第1の面とは垂直な方向に前記第1の電極層と対向する第2の電極層と、
前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に配置された圧電層とを有する
圧電デバイス。
(9)上記(1)から(8)のいずれか1つに記載の圧電デバイスであって、
前記第1の溝部は、相互に平行に配列された複数の溝部で構成され、
前記第1の電極対は、前記複数の溝部内にそれぞれ配置され相互に並列的に電気接続された複数組の電極対で構成され、
前記第1の圧電体は、前記複数組の電極対の間にそれぞれ配置された複数の圧電体で構成される
圧電デバイス。
(10)上記(1)から(8)のいずれか1つに記載の圧電デバイスであって、
前記第1の電極対は、前記第1の溝部内にそれそれぞれ配置され相互に並列的に電気接続された複数組の電極対で構成され、
前記第1の圧電体は、前記複数組の電極対の間にそれぞれ配置された複数の圧電体で構成される
圧電デバイス。
(11)上記(1)から(10)のいずれか1つに記載の圧電デバイスであって、
前記第2の溝部は、相互に平行に配列された複数の溝部で構成され、
前記第2の電極対は、前記複数の溝部内にそれぞれ配置され相互に直列的に電気接続された複数組の電極対で構成され、
前記第2の圧電体は、前記複数組の電極対の間にそれぞれ配置された複数の圧電体で構成される
圧電デバイス。
(12)上記(1)から(10)のいずれか1つに記載の圧電デバイスであって、
前記第2の電極対は、前記第2の溝部内にそれぞれ配置され相互に直列的に電気接続された複数組の電極対で構成され、
前記第2の圧電体は、前記複数組の電極対の間にそれぞれ配置された複数の圧電体で構成される
圧電デバイス。
100,200,300,400,600…圧電デバイス
120,320,420…振動子
131,132,141,142,171,172、351,352,531,630…圧電駆動部
140,361,541,640…圧電検出部
142,362a〜362d…第2の圧電検出部
330…フレーム体
T11,T12,T13,T14,T51…溝部

Claims (13)

  1. 第1の面と、第1の軸方向に沿って前記第1の面に形成された第1の溝部と、前記第1の面に前記第1の溝部と平行に形成された第2の溝部とを有する振動子と、
    前記第1の溝部内に配置され前記第1の軸方向と直交し前記第1の面に平行な第2の軸方向に相互に対向する第1の電極対と、前記第1の電極対の間に配置された第1の圧電体とを有し、前記第1の電極対間への電圧印加により前記振動子を前記第1の面に平行な面内で振動させることが可能な圧電駆動部と、
    前記第2の溝部内に配置され前記第2の軸方向に相互に対向する第2の電極対と、前記第2の電極対の間に配置された第2の圧電体とを有し、前記第1の面に平行な面内における前記振動子の振動を検出することが可能な第1の圧電検出部と
    を具備する圧電デバイス。
  2. 請求項1に記載の圧電デバイスであって、
    前記振動子は、前記第1の軸方向及び前記第2の軸方向にそれぞれ直交する第3の軸方向に前記第1の面と対向する第2の面をさらに有し、
    前記第1の溝部は、前記第1の面から前記第2の面に達する深さで形成され、
    前記第1の溝部の両側面部は、前記第1の圧電駆動部で被覆される
    圧電デバイス。
  3. 請求項1に記載の圧電デバイスであって、
    前記振動子は、前記第1の軸方向に延在し、前記第2の軸方向に配列された複数本のアーム部を有し、
    前記圧電駆動部及び前記第1の圧電検出部はそれぞれ、前記複数本のアーム部のうち少なくとも1つのアーム部に設けられる
    圧電デバイス。
  4. 請求項3に記載の圧電デバイスであって、
    前記複数本のアーム部は、第1のアーム部と第2のアーム部とを有し、
    前記圧電駆動部は、前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部にそれぞれ設けられ、前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部を前記第1の面内において相互に逆位相で振動させることが可能に構成される
    圧電デバイス。
  5. 請求項1に記載の圧電デバイスであって、
    前記振動子は、前記第1の軸方向に延在し前記第2の軸方向に相互に対向する第1の梁の組と、前記第2の軸方向に延在し前記第1の軸方向に相互に対向する第2の梁の組と、前記第1の梁と前記第2の梁との間を接続する複数の接続部とを含むフレーム体を有し、
    前記圧電駆動部は、前記第1の梁の組及び前記第2の梁の組のうち一方の組が近接したときに他方の組が離間し、前記一方の組が離間したときに前記他方の組が近接する振動モードで前記フレーム体が振動するように、前記第1の梁及び前記第2の梁のうち少なくとも1つの梁に設けられる
    圧電デバイス。
  6. 請求項1に記載の圧電デバイスであって、
    前記振動子を支持する支持部と、
    前記振動子と前記支持部との間を弾性的に連結する連結部と、
    前記連結部に設けられ、前記第1の面に平行な面内における前記支持部に対する前記振動子の相対移動を静電的に検出することが可能な電極構造体とをさらに具備する
    圧電デバイス。
  7. 請求項1に記載の圧電デバイスであって、
    前記第1の面に配置され、前記第1の面に垂直な面内における前記振動子の振動を検出することが可能な第2の圧電検出部をさらに具備する
    圧電デバイス。
  8. 請求項7に記載の圧電デバイスであって、
    前記第2の圧電検出部は、
    前記第1の面に配置された第1の電極層と、
    前記第1の面とは垂直な方向に前記第1の電極層と対向する第2の電極層と、
    前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に配置された圧電層とを有する
    圧電デバイス。
  9. 請求項1に記載の圧電デバイスであって、
    前記第1の溝部は、相互に平行に配列された複数の溝部で構成され、
    前記第1の電極対は、前記複数の溝部内にそれぞれ配置され相互に並列的に電気接続された複数組の電極対で構成され、
    前記第1の圧電体は、前記複数組の電極対の間にそれぞれ配置された複数の圧電体で構成される
    圧電デバイス。
  10. 請求項1に記載の圧電デバイスであって、
    前記第1の電極対は、前記第1の溝部内にそれそれぞれ配置され相互に並列的に電気接続された複数組の電極対で構成され、
    前記第1の圧電体は、前記複数組の電極対の間にそれぞれ配置された複数の圧電体で構成される
    圧電デバイス。
  11. 請求項1に記載の圧電デバイスであって、
    前記第2の溝部は、相互に平行に配列された複数の溝部で構成され、
    前記第2の電極対は、前記複数の溝部内にそれぞれ配置され相互に直列的に電気接続された複数組の電極対で構成され、
    前記第2の圧電体は、前記複数組の電極対の間にそれぞれ配置された複数の圧電体で構成される
    圧電デバイス。
  12. 請求項1に記載の圧電デバイスであって、
    前記第2の電極対は、前記第2の溝部内にそれぞれ配置され相互に直列的に電気接続された複数組の電極対で構成され、
    前記第2の圧電体は、前記複数組の電極対の間にそれぞれ配置された複数の圧電体で構成される
    圧電デバイス。
  13. 第1の面と、第1の軸方向に沿って前記第1の面に形成された第1の溝部と、前記第1の面に前記第1の溝部と平行に形成された第2の溝部とを有する振動子と、
    前記第1の溝部内に配置され前記第1の軸方向と直交し前記第1の面に平行な第2の軸方向に相互に対向する第1の電極対と、前記第1の電極対の間に配置された第1の圧電体とを有し、前記第1の電極対間への電圧印加により前記振動子を前記第1の面に平行な面内で振動させることが可能な圧電駆動部と、
    前記第2の溝部内に配置され前記第2の軸方向に相互に対向する第2の電極対と、前記第2の電極対の間に配置された第2の圧電体とを有し、前記振動子の前記第1の面に平行な面内の振動を検出することが可能な第1の圧電検出部と
    を有する圧電デバイス
    を具備する電子機器。
JP2013123355A 2013-06-12 2013-06-12 圧電デバイス及び電子機器 Pending JP2014240789A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013123355A JP2014240789A (ja) 2013-06-12 2013-06-12 圧電デバイス及び電子機器
US14/293,630 US9337803B2 (en) 2013-06-12 2014-06-02 Piezoelectric device and electronic apparatus
CN201410247140.9A CN104236534B (zh) 2013-06-12 2014-06-05 压电装置及电子设备

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013123355A JP2014240789A (ja) 2013-06-12 2013-06-12 圧電デバイス及び電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014240789A true JP2014240789A (ja) 2014-12-25

Family

ID=52018638

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013123355A Pending JP2014240789A (ja) 2013-06-12 2013-06-12 圧電デバイス及び電子機器

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9337803B2 (ja)
JP (1) JP2014240789A (ja)
CN (1) CN104236534B (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019174254A (ja) * 2018-03-28 2019-10-10 リバーエレテック株式会社 Aeセンサ素子及びaeセンサ
JP2022532366A (ja) * 2019-05-15 2022-07-14 ティーディーケイ・エレクトロニクス・アクチェンゲゼルシャフト デバイス

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014205198A (ja) * 2013-04-10 2014-10-30 セイコーエプソン株式会社 ロボット、ロボット制御装置およびロボットシステム
JP6354122B2 (ja) 2013-06-05 2018-07-11 セイコーエプソン株式会社 ロボット
DE102014101542A1 (de) * 2014-02-07 2015-08-13 Marco Systemanalyse Und Entwicklung Gmbh Pneumatikventil und Ventileinheit
CN106253742B (zh) * 2015-06-12 2019-07-12 精工爱普生株式会社 马达用压电驱动装置、马达、机器人以及泵
JP6648821B2 (ja) * 2016-04-15 2020-02-14 第一精工株式会社 スピーカシステム
CN109075761B (zh) * 2016-09-16 2022-06-24 株式会社大真空 压电振动器件
US11342899B2 (en) 2016-11-16 2022-05-24 Daishinku Corporation Crystal resonator device
WO2019064663A1 (ja) * 2017-09-28 2019-04-04 株式会社村田製作所 共振子及び共振装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5275252A (en) * 1975-12-19 1977-06-24 Seiko Instr & Electronics Ltd Crystal oscillator circuit
FR2530338A1 (fr) * 1982-07-13 1984-01-20 Asulab Sa Element sensible a la pression et capteur de pression en faisant application
US7891245B2 (en) * 2006-11-22 2011-02-22 Panasonic Corporation Inertial force sensor including a sense element, a drive circuit, a sigma-delta modulator and a signal processing circuit
US20090160581A1 (en) * 2007-12-21 2009-06-25 Paul Merritt Hagelin Temperature Stable MEMS Resonator
EP2392897B1 (en) 2010-01-12 2014-06-11 Sony Corporation Angular velocity sensor, electronic device, and method for detecting angular velocity
WO2012090452A1 (ja) * 2010-12-28 2012-07-05 パナソニック株式会社 角速度センサ
JP5807344B2 (ja) * 2011-02-25 2015-11-10 ソニー株式会社 角速度センサ及び電子機器
JP2013251672A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Seiko Epson Corp 振動片、電子デバイス、電子機器および振動片の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019174254A (ja) * 2018-03-28 2019-10-10 リバーエレテック株式会社 Aeセンサ素子及びaeセンサ
JP7030331B2 (ja) 2018-03-28 2022-03-07 リバーエレテック株式会社 Aeセンサ素子及びaeセンサ
JP2022532366A (ja) * 2019-05-15 2022-07-14 ティーディーケイ・エレクトロニクス・アクチェンゲゼルシャフト デバイス
JP7432618B2 (ja) 2019-05-15 2024-02-16 ティーディーケイ・エレクトロニクス・アクチェンゲゼルシャフト デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
US9337803B2 (en) 2016-05-10
CN104236534B (zh) 2018-08-17
US20140368088A1 (en) 2014-12-18
CN104236534A (zh) 2014-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014240789A (ja) 圧電デバイス及び電子機器
JP5682267B2 (ja) 角速度センサ
US9885576B2 (en) Angular velocity sensor
US9651376B2 (en) Microelectromechanical gyroscopes and related apparatus and methods
WO2013005625A1 (ja) 振動子および振動ジャイロ
US8065914B2 (en) Vibration gyro
JP2013245939A (ja) 振動片、振動片の製造方法、角速度センサー、電子機器、移動体
CN103697875A (zh) 管脚式压电固体波动模态匹配陀螺
CN106461393B (zh) 陀螺仪传感器和电子装置
JP5093405B2 (ja) 振動ジャイロ素子
JP2012149961A (ja) 振動ジャイロ
US9488477B2 (en) Vibrating reed, angular velocity sensor, electronic device, moving object, and method for manufacturing vibrating reed
JP2011018959A (ja) 圧電振動子
US20150114126A1 (en) Vibrating reed, angular velocity sensor, electronic device, and moving object
JP2010223622A (ja) 角速度検出装置
JP5421651B2 (ja) 3軸角速度検出振動子、3軸角速度検出装置および3軸角速度検出システム
JP2013234873A (ja) 振動片およびその製造方法並びにジャイロセンサーおよび電子機器および移動体
JP3355998B2 (ja) 振動ジャイロ
JP2007240540A (ja) 薄膜微小機械式共振子ジャイロ
JP5810685B2 (ja) 振動子および振動ジャイロ
US7571648B2 (en) Piezoelectric vibration angular velocity sensor
JPH11201758A (ja) 圧電振動子及びこれを用いた圧電振動角速度計
JP3075262B2 (ja) 音叉型圧電ジャイロセンサ
JP2012093154A (ja) 3軸検出角速度センサ
JPH11173853A (ja) 振動ジャイロ