JP2014240768A - 移動体を模擬する周波数シフト方法 - Google Patents

移動体を模擬する周波数シフト方法 Download PDF

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Abstract

【課題】移動体による反射波のドップラー周波数が時々刻々と変化する場合でも、簡易な構成で該ドップラー周波数の変化を実現できる周波数シフト回路及びそれを備えた模擬装置を提供する。【解決手段】周波数シフト回路は、入力信号と第1発振器で生成された第1周波数の信号とを乗算する第1乗算器と、第1乗算器の出力から入力信号の周波数と第1周波数との和の周波数のみを通過させる高域通過フィルタと、高域通過フィルタの出力信号と第2発振器で生成された第2周波数の信号とを乗算する第2乗算器と、第2乗算器の出力から高域通過フィルタの出力周波数と第2周波数との差の周波数のみを通過させる低域通過フィルタと、第1発振器及び第2発振器による発振周波数を制御する制御部とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は移動体を模擬する周波数シフト方法に関する。
水中や空間へ波(音波、電波等)を出射し、海面、水中の航走体や航空機等の移動体から反射する反射波を受波することで該移動体を検出する装置(以下、検出装置と称す)が知られている。このような検出装置の試験は検出対象となる移動体を実際に運動させて実施することが理想である。しかしながら、本物の移動体を使用した試験は、該移動体を手配する必要があり、また試験規模も大きくなるため、試験に要する費用や試験時間等が増大する。そのため、本物の移動体を使用した試験は容易に実施することができない。
そこで、移動体を模擬する模擬装置が必要になる。模擬装置は、検出装置が移動体として認識し所要の試験を実施できるように、移動体によって反射される反射波を模擬する必要がある。すなわち、模擬装置は、移動体の運動に伴う周知のドップラー効果による周波数シフトを模擬すると共に、検出装置の出射波を、その形状を変化させることなく、かつ適切なレベルで検出装置へ返さなければならない。
このような模擬装置の構成については、例えば特許文献1や2で提案されている。
特許文献1には、周波数変換器を用いて検出装置の出射波から周波数シフトさせた信号を生成し、該生成した信号を検出装置へ移動体の反射波として送出する構成が記載されている。
特許文献2には、検出装置の出射波と周波数シフト量(以下、「ドップラー周波数」と称す場合がある)に等しい周波数信号とを乗算器を用いて乗算し、出射波の周波数とドップラー周波数の和の周波数成分及び差の周波数成分を含む乗算器の出力信号から、帯域フィルタを用いて周波数シフト後の周波数成分のみを抽出する構成が記載されている。なお、乗算器及びフィルタを用いて入力信号の周波数を変換する技術は、例えば特許文献3や4に記載されているように、無線通信分野でも利用されている。
特開平10−123230号公報 特開平05−034095号公報 特開平06−291557号公報 特開平05−083034号公報
上述した特許文献1や2に記載された模擬装置は、ドップラー周波数が一定であることを前提としている。すなわち、検出装置が等速直線運動する移動体の移動線上にある場合を想定した装置である。
しかしながら、検出装置は、移動体の移動線上にあるとは限らず、該移動線上からずれた位置で移動体を検出する場合もある。その場合、移動体が等速直線運動していても、検出装置で検出される移動体からの反射波のドップラー周波数は時々刻々と変化する。具体的には、移動体が検出装置に近づくときはドップラー周波数がプラス(+)側で徐々に低くなり、移動体が検出装置と最接近したときにドップラー周波数が零(0)になり、移動体が検出装置から離れるときはドップラー周波数がマイナス(−)側で徐々に高くなる。なお、ドップラー周波数がプラス(+)とは検出装置の出射波の周波数に対して反射波の周波数が高い状態を示し、ドップラー周波数がマイナス(−)とは検出装置の出射波の周波数に対して反射波の周波数が低い状態を示す。
上述したように、特許文献1や2に記載された模擬装置は、ドップラー周波数が一定であることを前提としているため、ドップラー周波数が時々刻々と変化する移動体からの反射波を模擬できるとは限らない。
例えば、特許文献2では、入力信号とドップラー周波数を生成する発振器の出力信号とを乗算器へ入力し、それらの和および差の周波数成分を含む乗算器の出力信号から、帯域フィルタを用いていずれか一方の周波数成分を抽出することが記載されている。しかしながら、これら二つの周波数成分は非常に接近しているため、いずれか一方の周波数成分を抽出する帯域フィルタを実現するのは非常に困難である。
一方、特許文献1は、検出装置の出射波から周波数シフトした信号を生成する周波数変換器の具体的な構成を何も示していない。周波数変換器は、例えば入力信号をA/D(Analog-to-digital)変換するA/D変換器と、入力信号の波形やレベルを記録するメモリと、FFT(Fast Fourier Transform)解析により入力信号の周波数を検出し、該検出結果とメモリに記録した情報とを用いて移動体の反射波を模擬した信号を生成するDSP(Digital Signal Processor)やCPU(Central Processing Unit)等を備えた処理回路と、処理回路で生成された信号をD/A(Digital-to-analog)変換するD/A変換器とを備えたディジタル信号処理回路で実現することが考えられる。
しかしながら、そのようなディジタル信号処理回路を有する模擬装置は、上述した複雑な処理を実行するために、高性能なDSPやCPUを備える必要がある。そのため、模擬装置のコストが上昇してしまう。
本発明は上述したような背景技術が有する問題点を解決するために成されたものであり、移動体による反射波のドップラー周波数が時々刻々と変化する場合でも、簡易な構成で該ドップラー周波数の変化を模擬できる周波数シフト回路及びそれを備えた模擬装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の周波数シフト回路は、以下の第1〜第6の発明で示す構成である。
(第1の発明)
入力信号から該入力信号の周波数をシフトさせた信号を出力する周波数シフト回路であって、
発振周波数が可変な第1発振器及び第2発振器と、
前記入力信号と前記第1発振器から出力された第1信号とを乗算する第1乗算器と、
前記第1乗算器の出力信号から、前記入力信号の周波数と前記第1信号の周波数である第1周波数との和の周波数成分のみを通過させる高域通過フィルタと、
前記高域通過フィルタの出力信号と前記第2発振器から出力された第2信号とを乗算する第2乗算器と、
前記第2乗算器の出力信号から、前記高域通過フィルタの出力信号の周波数と前記第2信号の周波数である第2周波数との差の周波数成分のみを通過させる低域通過フィルタと、
前記第1発振器及び前記第2発振器を制御し、前記第1周波数または前記第2周波数のいずれか一方、あるいは前記第1周波数及び前記第2周波数を変更することで前記入力信号の周波数に対する周波数シフト量を変化させる制御部と、
を有する。
(第2の発明)
入力信号から該入力信号の周波数をシフトさせた信号を出力する周波数シフト回路であって、
発振周波数が可変な第1発振器及び第2発振器と、
前記入力信号と前記第1発振器から出力された第1信号とを乗算する第1乗算器と、
前記第1乗算器の出力信号から、前記入力信号の周波数と前記第1信号の周波数である第1周波数との差の周波数成分のみを通過させる低域通過フィルタと、
前記低域通過フィルタの出力信号と前記第2発振器から出力された第2信号とを乗算する第2乗算器と、
前記第2乗算器の出力信号から、前記低域通過フィルタの出力信号の周波数と前記第2信号の周波数である第2周波数との和の周波数成分のみを通過させる高域通過フィルタと、
前記第1発振器及び前記第2発振器を制御し、前記第1周波数または前記第2周波数のいずれか一方、あるいは前記第1周波数及び前記第2周波数を変更することで前記入力信号の周波数に対する周波数シフト量を変化させる制御部と、
を有し、
前記第1周波数及び第2周波数が前記入力信号の周波数よりも低い。
(第3の発明)
入力信号から該入力信号の周波数をシフトさせた信号を出力する周波数シフト回路であって、
発振周波数が可変な第1発振器及び第2発振器と、
前記入力信号と前記第1発振器から出力された第1信号とを乗算する第1乗算器と、
前記第1乗算器の出力信号から、前記入力信号の周波数と前記第1信号の周波数である第1周波数との差の周波数成分のみを通過させる第1低域通過フィルタと、
前記第1低域通過フィルタの出力信号と前記第2発振器から出力された第2信号とを乗算する第2乗算器と、
前記第2乗算器の出力信号から、前記第1低域通過フィルタの出力信号の周波数と前記第2信号の周波数である第2周波数との差の周波数成分のみを通過させる第2低域通過フィルタと、
前記第1発振器及び前記第2発振器を制御し、前記第1周波数または前記第2周波数のいずれか一方、あるいは前記第1周波数及び前記第2周波数を変更することで前記入力信号の周波数に対する周波数シフト量を変化させる制御部と、
を有し、
前記第1周波数及び第2周波数が前記入力信号の周波数よりも高い。
(第4の発明)
入力信号から該入力信号の周波数をシフトさせた信号を出力する周波数シフト回路であって、
周波数が一定であり、それぞれが異なる周波数の信号を出力する複数の発振器と、
前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器の出力信号と前記入力信号とを乗算する第1乗算器と、
前記第1乗算器の出力信号から、該発振器の周波数と前記入力信号の周波数との和の周波数成分のみを通過させる高域通過フィルタと、
前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器の出力信号と前記高域通過フィルタの出力信号とを乗算する第2乗算器と、
前記第2乗算器の出力信号から、該発振器の周波数と前記高域通過フィルタの出力信号の周波数との差の周波数成分のみを通過させる低域通過フィルタと、
前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器と前記第1乗算器とを接続する第1スイッチと、
前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器と前記第2乗算器とを接続する第2スイッチと、
前記第1スイッチ及び第2スイッチを制御し、前記第1乗算器または前記第2乗算器へ供給する信号の周波数のいずれか一方、あるいは前記第1乗算器及び前記第2乗算器へ供給する信号の周波数を変更することで前記入力信号の周波数に対する周波数シフト量を変化させる制御部と、
を有する。
(第5の発明)
入力信号から該入力信号の周波数をシフトさせた信号を出力する周波数シフト回路であって、
周波数が一定であり、それぞれが異なる周波数の信号を出力する複数の発振器と、
前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器の出力信号と前記入力信号とを乗算する第1乗算器と、
前記第1乗算器の出力信号から、該発振器の周波数と前記入力信号の周波数との差の周波数成分のみを通過させる低域通過フィルタと、
前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器の出力信号と前記低域通過フィルタの出力信号とを乗算する第2乗算器と、
前記第2乗算器の出力信号から、該発振器の周波数と前記低域通過フィルタの出力信号の周波数との和の周波数成分のみを通過させる高域通過フィルタと、
前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器と前記第1乗算器とを接続する第1スイッチと、
前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器と前記第2乗算器とを接続する第2スイッチと、
前記第1スイッチ及び第2スイッチを制御し、前記第1乗算器または前記第2乗算器へ供給する信号の周波数のいずれか一方、あるいは前記第1乗算器及び前記第2乗算器へ供給する信号の周波数を変更することで前記入力信号の周波数に対する周波数シフト量を変化させる制御部と、
を有し、
前記第1乗算器に入力する前記発振器の出力信号の周波数が前記入力信号の周波数よりも低い。
(第6の発明)
入力信号から該入力信号の周波数をシフトさせた信号を出力する周波数シフト回路であって、
周波数が一定であり、それぞれが異なる周波数の信号を出力する複数の発振器と、
前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器の出力信号と前記入力信号とを乗算する第1乗算器と、
前記第1乗算器の出力信号から、該発振器の周波数と前記入力信号の周波数との差の周波数成分のみを通過させる第1低域通過フィルタと、
前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器の出力信号と前記第1低域通過フィルタの出力信号とを乗算する第2乗算器と、
前記第2乗算器の出力信号から、該発振器の周波数と前記第1低域通過フィルタの出力信号の周波数との差の周波数成分のみを通過させる第2低域通過フィルタと、
前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器と前記第1乗算器とを接続する第1スイッチと、
前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器と前記第2乗算器とを接続する第2スイッチと、
前記第1スイッチ及び第2スイッチを制御し、前記第1乗算器または前記第2乗算器へ供給する信号の周波数のいずれか一方、あるいは前記第1乗算器及び前記第2乗算器へ供給する信号の周波数を変更することで前記入力信号の周波数に対する周波数シフト量を変化させる制御部と、
を有し、
前記第1乗算器に入力する前記発振器の出力信号の周波数が前記入力信号の周波数よりも高い。
一方、本発明の模擬装置は、移動体により反射される反射波を模擬する模擬装置であって、
前記移動体を検出する検出装置から出射される波を受波し、電気信号に変換する受波センサと、
前記受波センサの出力信号を入力信号とする、上記いずれかの周波数シフト回路と、
前記周波数シフト回路の出力信号を増幅する電力増幅器と、
前記電力増幅器で増幅された信号を前記検出装置の出射波に対応する波に変換し、前記検出装置へ送波する送波部と、
を有する。
本発明によれば、移動体による反射波のドップラー周波数が時々刻々と変化する場合でも、簡易な構成で該ドップラー周波数の変化を模擬できる。
第1の実施の形態の模擬装置の一構成例を示すブロック図である。 図1に示した周波数シフト回路の一構成例を示すブロック図である。 検出装置から出射される波の一例を示す波形図である。 移動体と検出装置の位置関係の一例を示す模式図である。 図4に示した移動体による反射波のドップラー周波数の変化例を示すグラフである。 図5に示したドップラー周波数の変化を実現する、前段シンセサイザの発振周波数の制御例を示すグラフである。 図2に示した前段乗算器の出力信号から周波数の和の成分を抽出する場合であって、図2に示した前段シンセサイザ及び後段シンセサイザの発振周波数と前段乗算器及び後段乗算器の出力信号に含まれる二つの周波数成分との関係例を示すグラフである。 図2に示した前段乗算器の出力信号から周波数の差の成分を抽出する場合であって、図2に示した前段シンセサイザ及び後段シンセサイザの発振周波数と前段乗算器及び後段乗算器の出力信号に含まれる二つの周波数成分との関係例を示すグラフである。 図2に示した高域通過フィルタ及び低域通過フィルタで用いることができるフィルタ回路の一例を示す回路図である。 第2の実施の形態の模擬装置が備える周波数シフト回路の一構成例を示すブロック図である。 第3の実施の形態の模擬装置が備える周波数シフト回路の一構成例を示すブロック図である。 本発明の試験装置の一構成例を示すブロック図である。
次に本発明について図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態の模擬装置の一構成例を示すブロック図であり、図2は図1に示した周波数シフト回路の一構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、第1の実施の形態の模擬装置1は、受波センサ2、帯域通過フィルタ3、初段アンプ4、周波数シフト回路5、電力増幅器6及び送波部7を備える。
受波センサ2は、検出装置(不図示)20から出射された波(音波、電波等)を受波し、電気信号に変換して出力する。受波センサ2は、音波を受信するマイクロフォン、あるいは電波を受信するアンテナ装置等で実現できる。検出装置20からは、例えば図3に示すようにエンベロープが楕円状であり、一定の周波数fiから成る波が出射される。
帯域通過フィルタ3は、受波センサ2の出力信号のうち、検出装置20の出射波の周波数を含む、予め想定される帯域の信号を通過させる。帯域通過フィルタ3の通過帯域は、検出装置20の出射波の周波数に応じて予め設定される。帯域通過フィルタ3は、模擬装置の使用条件において、ノイズレベル、ダイナミックレンジ等が許容できる範囲内にあれば、無くてもよい。
初段アンプ4は、帯域通過フィルタ3の出力信号を適切なレベルまで増幅する。初段アンプ4は、受波センサ2または帯域通過フィルタ3から周波数シフト回路5に適切なレベルの信号を供給できれば無くてもよい。
周波数シフト回路5は、初段アンプ4から供給される、受波センサ2で受波した信号から、移動体30による反射波を模擬する信号を生成して出力する。
電力増幅器6は、周波数シフト回路5の出力信号を適切な送波レベルまで増幅する。
送波部7は、電力増幅器6で増幅された信号を検出装置20の出射波に対応した波(音波、電波等)に変換して検出装置20へ送波する。送波部7は、音波を出力する送波センサ(例えば超音波センサ)やスピーカ、あるいは電波を放射するアンテナ装置によって実現できる。
図2に示すように、周波数シフト回路5は、前段乗算器51、高域通過フィルタ52、前段アンプ53、後段乗算器54、低域通過フィルタ55、後段アンプ56、制御部57、前段シンセサイザ58及び後段シンセサイザ59を備える。
前段シンセサイザ58及び後段シンセサイザ59は、入力信号の周波数に対して周波数シフトした信号を生成するために用いる、レベルが一定であり、周波数が可変の信号を発振・出力する。前段シンセサイザ58及び後段シンセサイザ59は、例えば周知のPLL(Phase Locked Loop)回路で実現される。
制御部57は、前段シンセサイザ58及び後段シンセサイザ59の動作を制御し、それぞれの発振周波数を変更する。前段シンセサイザ58及び後段シンセサイザ59の発振周波数は、例えばPLL回路の分周数を変更することで制御できる。制御部57は、プログラムにしたがって処理を実行するCPU等で実現できる。
前段乗算器51は、周波数シフト回路5の入力信号と前段シンセサイザ58の出力信号とを乗算して出力する。周波数シフト回路5の入力信号の周波数をfiとし、前段シンセサイザ58の発振周波数をflaとしたとき、前段乗算器51からは、それらの和の周波数成分fi+flaと差の周波数成分fi−flaとを含む信号が出力される。
高域通過フィルタ52は、前段乗算器51の出力信号から周波数成分fi−flaを減衰させ、周波数成分fi+flaを通過させる。
前段アンプ53は、高域通過フィルタ52の出力信号を適切なレベルまで増幅する。高域通過フィルタ52の出力信号が所要のレベルである場合、前段アンプ53は無くてもよい。
後段乗算器54は、前段アンプ53の出力信号と後段シンセサイザ59の出力信号とを乗算して出力する。上述したように前段アンプ53の出力信号の周波数はfi+flaであり、後段シンセサイザ59の発振周波数をflbとすると、後段乗算器54からは、それらの和の周波数成分fi+fla+flbと差の周波数成分fi+fla−flbとを含む信号が出力される。
低域通過フィルタ55は、後段乗算器54の出力信号から周波数成分fi+fla+flbを減衰させ、周波数成分fi+fla−flbを通過させる。
後段アンプ56は、低域通過フィルタ55の出力信号を適切なレベルまで増幅し、図1に示した電力増幅器6へ出力する。低域通過フィルタ55の出力信号が所要のレベルである場合、後段アンプ56は無くてもよい。
上述したように、周波数シフト回路5の出力信号の周波数foutは、fi+fla−flbであり、入力信号の周波数fiに対して(fla−flb)だけ周波数シフトした信号である。ここで、前段シンセサイザ58及び後段シンセサイザ59の発振周波数、またはいずれか一方の発振周波数をスイープさせれば、周波数シフト回路5からは、入力信号の周波数fiに対して周波数シフト量(ドップラー周波数)が時々刻々と変化する信号が出力される。周波数foutは、fla=flbのときにfiと一致するため、ドップラー周波数が零(0)の状態も再現できる。
また、前段シンセサイザ58の発振周波数flaと後段シンセサイザ59の発振周波数flbとを、入力信号の周波数fiに対してある程度離れた周波数に設定すれば、周波数成分fi+fla及びfi−flaのうち、周波数成分fi+flaのみを通過させる高域通過フィルタ52、あるいは周波数成分fi+fla+flb及びfi+fla−flbのうち、周波数成分fi+fla−flbのみを通過させる低域通過フィルタ55を比較的容易に実現できる。
さらに、前段シンセサイザ58及び後段シンセサイザ59の出力信号レベルを一定にすることで、周波数シフト回路5の出力信号は、エンベロープ波形が入力信号と同一であり、レベルが入力信号のレベルと比例した信号となる。
したがって、移動体30による反射波のドップラー周波数が時々刻々と変化する場合でも、簡易な構成で該ドップラー周波数の変化を模擬できる。
なお、図2に示す周波数シフト回路5は、先に前段乗算器51及び高域通過フィルタ52を用いて周波数成分fi+flaを抽出し、続いて後段乗算器54及び低域通過フィルタ55を用いて周波数成分fi+fla−flbを抽出する構成例を示した。しかしながら、周波数シフト回路5は、先に前段乗算器51及び低域通過フィルタ55を用いて周波数成分fi−flaを抽出する構成でもよい。但し、先に周波数成分fi−flaを抽出する構成では、fiとflaの関係に応じて後段乗算器54の出力側に設けるフィルタを変更する必要がある。具体的には、fi>flaの場合は、高域通過フィルタ52を用いて後段乗算器54の出力信号から周波数成分fi−fla+flb(和の周波数成分)を抽出する。また、fi<flaの場合は、低域通過フィルタ55を用いて後段乗算器54の出力信号から周波数成分fi−fla−flb(差の周波数成分)を抽出する。
例えば、fi=50kHz、fla=flb=30kHz(fi>fla)とすると、前段乗算器51及び低域通過フィルタ55の出力から抽出される周波数成分はfi−fla=20kHzとなる。このとき、後段乗算器54の出力信号から抽出する周波数成分をfi−fla−flb(差の周波数成分)とすると、fi−fla−flb=−10kHzとなり、fi=50kHzを出力できなくなる。なお、マイナス(−)の周波数とは、信号のベクトルの回転方向が時計回りの状態を指す。プラス(+)の周波数とは、信号のベクトルの回転方向が反時計回りの状態であり、周波数はベクトルの回転方向が異なっていても同一である。すなわち、fi−fla−flb=10kHzである。
それに対して、後段乗算器54の出力信号から抽出する周波数成分をfi−fla+flb(和の周波数成分)とすると、fi−fla+flb=50kHzとなり、fi=50kHzを出力できることが分かる。
一方、例えば、fi=30kHz、fla=flb=50kHz(fi<fla)とすると、前段乗算器51及び低域通過フィルタ55の出力から抽出される周波数成分はfi−fla=−20kHzとなる。このとき、後段乗算器54の出力信号から抽出する周波数成分をfi−fla+flb(和の周波数成分)とすると、fi−fla(=20kHz)+flb=70kHzとなり、fi=30kHzを出力できなくなる。
それに対して、後段乗算器54の出力信号から抽出する周波数成分をfi−fla−flb(差の周波数成分)とすると、fi−fla(=20kHz)−flb=−30kHzとなり、fi=30kHzを出力できることが分かる。
次に本実施形態の具体例について図面を用いて説明する。
図4は移動体と検出装置の位置関係の一例を示す模式図であり、図5は図4に示した移動体による反射波のドップラー周波数の変化例を示すグラフである。
図4は、検出装置20が音波を用いて水中の移動体30を検出する様子を示し、検出装置20が等速直線運動する移動体30の移動線上からずれて位置する例である。移動体30は等速直線運動を行っており、速度vが、例えば20ノットとする。検出装置20と移動体30の最接近距離dは100mとする。また、検出装置20から出射される音波の周波数fiは20kHzとする。
この場合、検出装置20で検出される、移動体30による反射波のドップラー周波数は図5に示すように変化する。図5に示すグラフの縦軸は周波数を示し、横軸は時間を示している。図5の横軸は、検出装置20と移動体30の最接近時を零(t=0)とし、マイナス(−)は移動体30が検出装置20に近づいてくる期間であり、プラス(+)は移動体30が検出装置20から遠ざかっていく期間である。この場合、模擬装置1は、検出装置20から送出される音波の周波数を、図5に示すように時間の経過と共にシフトさせれば、移動体30による反射波を模擬できる。
図5に示すグラフにおいて、例えば検出装置20と移動体30の最接近時から0.1分前では、ドップラー周波数が+145.1Hzである。すなわち、移動体30からの反射波の周波数は20145.1Hzになる。
この場合、例えば後段シンセサイザ59の発振周波数flbを30000Hzとし、前段シンセサイザ58の発振周波数faを30145.1Hzに設定すれば、周波数シフト回路5からは周波数シフト(=20145.1Hz)した信号が出力される。また、例えば、後段シンセサイザ59の発振周波数flbを固定し、前段シンセサイザ58の発振周波数flaを変化させれば、周波数シフト回路5からはドップラー周波数が時々刻々と変化する信号が出力される。
図6は、図5に示したドップラー周波数の変化を実現する、前段シンセサイザ58の発振周波数flaの制御例を示している。後段シンセサイザ59の発振周波数は30000Hzで一定とする。
模擬装置1は、周波数シフト回路5により、図6で示すように前段シンセサイザ58の発振周波数flaを制御すれば、図5に示したドップラー周波数の変化を実現することが可能であり、図4に示した移動体30による反射波を模擬できる。図6は、後段シンセサイザ59の発振周波数flbを固定し、前段シンセサイザ58の発振周波数flaを変化させることでドップラー周波数を制御する例を示しているが、周波数シフト回路5は、前段シンセサイザ58の発振周波数flaを固定し、後段シンセサイザ59の発振周波数flbを変化させることでドップラー周波数を変化させてもよい。また、周波数シフト回路5は、前段シンセサイザ58の発振周波数fla及び後段シンセサイザ59の発振周波数flbをそれぞれ変化させることでドップラー周波数を変化させてもよい。
本具体例では、前段乗算器51から周波数成分50145.1Hz(20000Hz+30145.1Hz)及び周波数成分10145.1Hz(30145.1Hz−20000Hz)を含む信号が出力される。これら二つの周波数成分のレベルは同一である。
周波数成分50145.1Hzに対して周波数成分10145.1Hzが影響しないようにするには周波数成分10145.1Hzを40dB以上減衰させることが望ましい(電圧で表すと、1/100以下)。
この関係から高域通過フィルタ52に要求される減衰特性を計算すると、−25dB/octとなる。
一方、後段乗算器54からは、周波数成分20145.1Hz(50145.1Hz−30000Hz)と周波数成分80145.1Hz(50145.1Hz+30000Hz)とを含む信号が出力される。これら二つの周波数成分のレベルは同一である。
周波数成分20145.1Hzに対して周波数成分80145.1Hzが影響しないようにするには,周波数成分80145.1Hzを40dB以上減衰させることが望ましい(電圧で表すと、1/100以下)。
この関係から低域通過フィルタ55に要求される減衰特性を計算すると、−13.4dB/octとなる。なお、oct(オクターブ)とは2倍の周波数を示し、−25dB/octとは周波数が2倍の信号を25dB減衰させる特性を指す。また、−13.4dB/octとは周波数が2倍の信号を13.4dB減衰させる特性を指す。
この場合、低域通過フィルタ55で必要な減衰量に比べて高域通過フィルタ52で必要な減衰量が大きいため、低域通過フィルタ55よりも高域通過フィルタ52の回路規模が大きくなる。そこで、低域通過フィルタ55及び高域通過フィルタ52の両方を最も簡易に構成できる、前段シンセサイザの発振周波数fla及び後段シンセサイザの発振周波数flbについて以下で検討する。
上述したように、図2に示した周波数シフト回路5では、前段乗算器51から周波数成分fi+fla及びfi−flaを含む信号が出力され、高域通過フィルタ52を用いて周波数成分fi+flaのみを抽出する。このとき、必要な周波数成分fi+flaと不要な周波数成分fi−flaとが離れているほど、高域通過フィルタ52は小規模な回路で構成できる。
同様に、図2に示した周波数シフト回路5では、後段乗算器54から周波数成分fi+fla+flb及びfi+fla−flbを含む信号が出力され、低域通過フィルタ55を用いて所要の周波数成分fi+fla−flbのみを抽出する。このとき、必要な周波数成分fi+fla−flbと不要な周波数成分fi+fla+flbとが離れているほど、低域通過フィルタ55は小規模な回路で構成できる。
前段乗算器51から出力される二つの周波数成分の比をxとすると、
x=(fi+fla)/(fi−fla)…(1)
で表される。
同様に、後段乗算器54から出力される二つの周波数成分の比をyとすると、
y=(fi+fla+flb)/(fi+fla−flb)…(2)
で表される。
以下、高域通過フィルタ52及び低域通過フィルタ55をそれぞれ小規模な回路で構成できる条件について求める。以下では式を簡素化するためにドップラー周波数が0(すなわち、fla=flb)の場合にて考察する。
このとき、上記(2)式は、
y=(fi+2fla)/fi…(3)
に変形できる。
fi/fla=c…(4)
と定義すると、上記(1)式は、
x=(c+1)/(c−1)…(5)
となる。
また、上記(2)式は、
y=(c+2)/c…(6)
となる。
上記(5)式及び(6)式に基づき、cの変化に対するx及びyの変化を示した表が図7(a)であり、グラフが図7(b)である。図7(b)に示すグラフの縦軸はx及びyの値を示し、横軸はcの値を示している。
なお、上記(5)式によれば、cが1よりも小さい場合、xはマイナス(−)の値となる。但し、xがマイナス(−)の値であっても、二つの周波数成分の比の関係は維持されており、xがプラス(+)の場合と同様に扱うことができる。よって、図7(b)のグラフではxを絶対値で示している。
図7(a)及び(b)で示すように、xは、cの値が1に近づくほど大きな値となり、周波数成分fi+flaと周波数成分fi−flaの差が大きくなる。一方、yは、cの値が小さくなるほど大きな値となり、周波数成分fi+fla+flbと周波数成分fi+fla−flbの差が大きくなる。
したがって、cは、yの値を大きくするために1よりも小さい値であることが望ましく、xの値を大きくするために1に近い値であることが望ましい。すなわち、cの値をxとyが交差する図7(b)で示すz点に設定すれば、x及びyの両方を最大にできる。
z点は、−x=yである。したがって、上記(5)式及び(6)式を用いて、
−(c+1)/(c−1)=(c+2)/c…(7)
が成立する。
(7)式を変形すると、
2+c−1=0…(8)
が得られる。
(8)式から根の公式を用いてcを求めると、
Figure 2014240768
したがって、c=0.618、−1.618である。
ここで、cはマイナス(−)の値にならないため、c=0.618が最適な値となる。
(4)式よりc=fi/flaであるため、
fla=fi/c=fi/0.618=1.618fiとなる。
よって、c<1、すなわち、fi<flaに設定する場合、前段シンセサイザ58の発振周波数fla及び後段シンセサイザ59の発振周波数flbをそれぞれ入力信号の1.618倍の周波数に設定すれば、前段乗算器51の出力信号に含まれる二つの周波数成分の差、並びに後段乗算器54の出力信号に含まれる二つの周波数成分の差を共に最大にすることが可能であり、高域通過フィルタ52及び低域通過フィルタ55の両方を最も簡易に構成できる。
ドップラー周波数を変化させる場合は、前段シンセサイザ58及び後段シンセサイザ59で発振する中心周波数をそれぞれ1.618fiに設定し、前段シンセサイザ58または後段シンセサイザ59の発振周波数のいずれか一方、あるいは両方の発振周波数をスイープさせればよい。
なお、c>1、すなわち、fi>flaに設定する場合、図7(a)及び(b)で示したように、x及びyの値を大きくするためには、cの値をできるだけ1に近づけた方がよい。但し、高域通過フィルタ52と低域通過フィルタ55の回路規模を同程度とする場合は、xとyの値をできるだけ近い値とすることが望ましい。したがって、図7(a)及び(b)より、例えばc=5に設定する。
この場合、fla=fi/c=fi/5=0.2fiとなり、前段シンセサイザ58の発振周波数fla及び後段シンセサイザ59の発振周波数flbをそれぞれ入力信号の0.2倍の周波数に設定すればよい。
fla及びflbは、fla=flbのときに1.618fiまたは0.2fiとなるように厳密に設定する必要はない。fla及びflbは、fla=flbのときに1.618fiまたは0.2fi付近の周波数であればよく、高域通過フィルタ52及び低域通過フィルタ55によって不要な周波数成分を十分に減衰させることができればどのような周波数に設定してもよい。
なお、図7(a)及び(b)から分かるように、fla=flb=1.618fiのとき、x、yの値は4.23である。一方、fla=flb=0.2fiのとき、x、yの値は1.4〜1.5である。x及びyは、大きい値であるほど、差の周波数と和の周波数が離れることを示しているため、fla=flb=1.618fiに設定する方が、高域通過フィルタや低域通過フィルタを小規模な回路で構成できる。
一方、前段乗算器51の出力信号から低域通過フィルタを用いて周波数成分fi−flaを抽出する構成では、前段乗算器51から出力される二つの周波数成分の比xは、上記(1)式と同様に、
x=(fi+fla)/(fi−fla)…(10)
で表される。
また、後段乗算器54から出力される二つの周波数成分の比yは、上記(2)式と同様に、
y=(fi−fla+flb)/(fi−fla−flb)…(11)
で表される。
以下、高域通過フィルタ52及び低域通過フィルタ55を小規模な回路で構成できる条件について求める。以下では式を簡素化するためにドップラー周波数が0(すなわち、fla=flb)の場合にて考察する。
このとき、上記(11)式は、
y=fi/(fi−2fla)…(12)
に変形できる。
fi/fla=c…(13)
と定義すると、上記(10)式は、
x=(c+1)/(c−1)…(14)
となる。
また、上記(12)式は、
y=c/(c−2)…(15)
となる。
上記(14)式及び(15)式に基づき、cの変化に対するx及びyの変化を示した表が図8(a)であり、グラフが図8(b)である。図8(b)に示すグラフの縦軸はx及びyの値を示し、横軸はcの値を示している。
なお、上記(14)式によれば、cが1よりも小さい場合、xはマイナス(−)の値となる。但し、xがマイナス(−)の値であっても、二つの周波数成分の比の関係は維持されており、xがプラス(+)の場合と同様に扱うことができる。よって、図8(b)のグラフではxを絶対値で示している。
また、上記(15)式によれば、cが2よりも小さい場合、yはマイナス(−)の値となる。但し、yがマイナス(−)の値であっても、二つの周波数成分の比の関係は維持されており、yがプラス(+)の場合と同様に扱うことができる。よって、図8(b)のグラフではyを絶対値で示している。
図8(a)及び(b)で示すように、xは、cの値が1に近づくほど大きな値となり、周波数成分fi+flaと周波数成分fi−flaの差が大きくなる。一方、yは、cの値が2に近づくほど大きな値となり、周波数成分fi−fla+flbと周波数成分fi−fla−flbの差が大きくなる。
したがって、cは、yの値を大きくするために2に近い値であることが望ましく、xの値を大きくするために1に近い値であることが望ましい。すなわち、cの値を、xとyが交差する図8(b)で示すz1点に設定すれば、x及びyの両方を最大にできる。
z1点は、x=−yである。したがって、上記(14)式及び(15)式を用いて、
(c+1)/(c−1)=−c/(c−2)…(16)
が成立する。
(17)式を変形すると、
2−c−1=0…(17)
が得られる。
(17)式から根の公式を用いてcを求めると、
Figure 2014240768
したがって、c=−0.618、1.618である。
ここで、cはマイナス(−)の値にならないため、c=1.618が最適な値となる。
(4)式よりc=fi/flaであるため、
fla=fi/c=fi/1.618=0.618fiとなる。
よって、c>1、すなわちfi>flaに設定する場合、前段シンセサイザ58の発振周波数fla及び後段シンセサイザ59の発振周波数flbをそれぞれ入力信号の0.618倍の周波数に設定すれば、前段乗算器51の出力信号に含まれる二つの周波数成分の差、並びに後段乗算器54の出力信号に含まれる二つの周波数成分の差を共に最大にすることが可能であり、高域通過フィルタ52及び低域通過フィルタ55の両方を最も簡易に構成できる。
なお、c<1、すなわち、fi<flaに設定する場合、図8(a)及び(b)で示すように、xとyとは交わらないため、x=yとなるcの値が存在しない。そこで、cの変化に対するyの逆数の変化を求める。x及びyは二つの周波数の比であり、これら二つの周波数は相対関係にある。例えば、一方の周波数に対して他方の周波数が2倍である場合、他方の周波数からは一方の周波数が0.5倍となる。したがって、x=yとなるcの値を求めるために、yの逆数を用いることも可能である。図8(b)のグラフではyを絶対値で示すと共に、c<1の範囲において1/yの絶対値を示している。
図8(a)及び(b)で示すように、xは、cの値が1に近づくほど大きな値となり、周波数成分fi+flaと周波数成分fi−flaの差が大きくなる。一方、1/yは、cの値が小さいほど大きな値となり、周波数成分fi−fla+flbと周波数成分fi−fla−flbの差が大きくなる。
したがって、cは、1/yを大きくするためにはできるだけ小さい値であることが望ましく、xの値を大きくするために1に近い値であることが望ましい。すなわち、cの値を、xと1/yが交差する図8(b)で示すz2点に設定すれば、x及び1/yの両方を最大にできる。
z2点は、−x=−1/yである。したがって、上記(14)式及び(15)式を用いて、
−(c+1)/(c−1)=−(c−2)/c…(20)
が成立する。
したがって、c=0.5となる。
(4)式よりc=fi/flaであるため、
fla=fi/c=fi/0.5=2fiとなる。
よって、c<1、すなわち、fi<flaに設定する場合、前段シンセサイザ58の発振周波数fla及び後段シンセサイザ59の発振周波数flbをそれぞれ入力信号の2倍の周波数に設定すれば、前段乗算器51の出力信号に含まれる二つの周波数成分の差、並びに後段乗算器54の出力信号に含まれる二つの周波数成分の差を共に最大にすることが可能であり、低域通過フィルタを最も簡易に構成できる。
次に、前段シンセサイザ58及び後段シンセサイザ59の発振周波数を、例えば1.618fiに設定したときの、高域通過フィルタ52及び低域通過フィルタ55の回路規模について検討する。
c=0.618であるとき、上記(5)式より前段乗算器51から出力される二つの周波数成分の比xは、
x=(1+c)/(1−c)=(1+0.618)/(1−0.618)
=4.236
となる。
また、上記(6)式より後段乗算器54から出力される二つの周波数成分の比yは、
y=(2+c)/c=(2+0.618)/0.618
=4.236となる。
すなわち、前段乗算器51及び後段乗算器54の出力信号に含まれる二つの周波数成分は、1:4.236の関係にある。
高域通過フィルタ52及び低域通過フィルタ55は、例えば図9(a)及び(b)に示すオペアンプを用いたフィルタ回路で実現できる。図9(a)はオペアンプを用いた低域通過フィルタ55の回路例を示し、図9(b)はオペアンプを用いた高域通過フィルタ52の回路例を示している。
図9(a)及び(b)に示すフィルタ回路は−12dB/octの減衰特性を有することが知られている。したがって、図9(a)に示す低域通過フィルタまたは図9(b)に示す高域通過フィルタを直列に2段接続した回路を用いると、周波数が4.236倍(約4倍)の関係にある二つの周波数のうち、不要な周波数成分を1/100、すなわち40dB減衰させることができる。理由は以下による。
周波数が約4倍の関係にある二つの周波数のうち、一方の周波数を40dB減衰させる場合、二つの周波数が2倍の関係にあるときは一方の周波数を20dB減衰させればよい。すなわち、20dB/oct以上の減衰特性が必要である。図9(a)または(b)で示したフィルタ回路は−12dB/octの減衰特性であるため、直列に2段接続すると、−12dB/oct×2=24dB/octとなり、−20dB/oct以上の減衰特性を実現できる。
不要な周波数成分を約60dB減衰させたい場合は、図9(a)に示す低域通過フィルタや図9(b)に示す高域通過フィルタを直列に3段接続すればよい。
また、不要な周波数成分を約80dB減衰させたい場合は、図9(a)に示す低域通過フィルタや図9(b)に示す高域通過フィルタを直列に4段接続すればよい。
以上説明したように、本実施形態の周波数シフト回路5は、容易に実現可能な高域通過フィルタ52及び低域通過フィルタ55を用いて構成できる。
(第2の実施の形態)
図10は、第2の実施の形態の模擬装置が備える周波数シフト回路の一構成例を示すブロック図である。
図10に示すように、第2の実施の形態の周波数シフト回路15は、図2に示した第1の実施の形態の周波数シフト回路5が備える前段シンセサイザ58及び後段シンセサイザ59に代えて、発振周波数が一定であり、かつ発振周波数がそれぞれ異なる複数の固定発振器151を備えた構成である。前段乗算器51には、複数の固定発振器151のうち、いずれか一つの固定発振器151の出力信号がスイッチ152を介して供給され、後段乗算器54には、複数の固定発振器151のうち、いずれか一つの固定発振器151の出力信号がスイッチ153を介して供給される。
周波数シフト回路15のその他の構成及び模擬装置の構成は第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。また、周波数シフト回路15における周波数シフトの原理も第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
図10では、周波数シフト回路15が4台の固定発振器(発振周波数fl1〜fl4)151を備えた構成例を示しているが、固定発振器151の数は2個以上であれば何個でもよく、設定したいドップラー周波数の数に応じて設ければよい。
また、図10に示す周波数シフト回路15は、先に前段乗算器51及び高域通過フィルタ52を用いて周波数成分fi+flaを抽出し、続いて後段乗算器54及び低域通過フィルタ55を用いて周波数成分fi+fla−flbを抽出する構成例を示しているが、第1の実施の形態と同様に、周波数シフト回路15は、先に前段乗算器及び低域通過フィルタを用いて周波数成分fi−flaを抽出し、続いて後段乗算器及び高域通過フィルタを用いて周波数成分fi−fla+flbを抽出する構成(fi>flaの場合)、または後段乗算器及び低域通過フィルタを用いて周波数成分fi−fla−flbを抽出する構成(fi<flaの場合)でもよい。
本実施形態の周波数シフト回路15は、前段乗算器51及び後段乗算器54へ供給する周波数信号の組み合わせによって、出力信号の周波数シフト量(ドップラー周波数)を設定できる。そのため、例えば検出装置20の試験時における、ドップラー周波数の設定数が比較的少ない場合、あるいはドップラー周波数が固定値である場合に使用すればよい。
本実施形態の周波数シフト回路15を用いれば、前段乗算器51及び後段乗算器54と固定発振器151とを接続するスイッチ152及び153を切り換えるだけでドップラー周波数を変化させることができる。そのため、第1の実施の形態で示した周波数シフト回路5よりも制御部57をより簡易に構成できる。
(第3の実施の形態)
図11は、第3の実施の形態の模擬装置が備える周波数シフト回路の一構成例を示すブロック図である。
図11に示すように、第3の実施の形態の模擬装置は、図2に示した第1の実施の形態の周波数シフト回路5、または図10に示した第2の実施の形態の周波数シフト回路15をディジタル信号処理で実現する例である。
本実施形態の周波数シフト回路25は、例えば入力信号をA/D変換するA/D変換器251と、DSP、CPU、FPGA(Field Programmable Gate Array)、メモリ等を備える処理回路252と、処理回路252で生成された信号をD/A変換するD/A変換器253とを有するディジタル信号処理回路で実現できる。
処理回路252は、例えばプログラムにしたがって処理を実行することで、図2に示した前段乗算器51、高域通過フィルタ52、前段アンプ53、後段乗算器54、低域通過フィルタ55、後段アンプ56、制御部57、前段シンセサイザ58及び後段シンセサイザ59の機能、図10に示した固定発振器151並びにスイッチ152及び153の機能を実現する。処理回路252は、例えばFPGA等のようなディジタル回路(ハードウェア)を用いて、図2に示した前段乗算器51、高域通過フィルタ52、前段アンプ53、後段乗算器54、低域通過フィルタ55、後段アンプ56、制御部57、前段シンセサイザ58及び後段シンセサイザ59の機能、図10に示した固定発振器151並びにスイッチ152及び153の機能を実現することも可能である。
周波数シフト回路25を備えた模擬装置の構成は第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。また、周波数シフト回路25における周波数シフトの原理も第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
なお、図11に示す周波数シフト回路25においても、第1の実施の形態と同様に、先に前段乗算器及び高域通過フィルタを用いて周波数成分fi+flaを抽出し、続いて後段乗算器及び低域通過フィルタを用いて周波数成分fi+fla−flbを抽出してもよく、先に前段乗算器及び低域通過フィルタを用いて周波数成分fi−flaを抽出し、続いて後段乗算器及び高域通過フィルタを用いて周波数成分fi−fla+flbを抽出する構成(fi>flaの場合)、または後段乗算器及び低域通過フィルタを用いて周波数成分fi−fla−flbを抽出する構成(fi<flaの場合)でもよい。
第1の実施の形態及び第2の実施の形態で示した周波数シフト回路が備える乗算器、アンプ、高域通過フィルタ、低域通過フィルタ、シンセサイザ、固定発振器、スイッチ等は、ディジタル信号処理によって簡易に実現できる。そのため、例えばFFT解析によって入力信号の周波数を検出したり、該検出結果とメモリに記録した入力信号の波形情報やレベル情報から移動体30の反射波を模擬する信号を生成したりする等、複雑な処理を実行する必要がない。
したがって、処理性能があまり高くないDSPやCPU等を用いて周波数シフト回路25を実現できるため、該周波数シフト回路25の機能を実現するディジタル信号処理回路のコストを低減できる。
(第4の実施の形態)
上述した第1〜第3の実施の形態では、移動体30からの反射波を模擬する模擬装置について提案した。第4の実施の形態は、第1〜第3の実施の形態で示した周波数シフト回路を備える、検出装置20の試験で用いる試験装置40について提案する。
試験装置40は、検出装置20の組み立て製造時に実施される、複数の工程間の試験で用いる装置であり、例えば検出装置20から送出される波を電気信号として受信し、移動体30を模擬した波を生成し電気信号として検出装置20へ出力する構成である。
図12は、本発明の試験装置の一構成例を示すブロック図である。
図12に示すように、試験装置40は、図1に示した第1の実施の形態の模擬装置1から受波センサ2及び送波部7を取り外した構成である。その他の構成は図1に示した第1の実施の形態の模擬蔵置1と同様であるため、その説明は省略する。
なお、図12は、試験装置40が図1に示した第1の実施の形態の周波数シフト回路5を備える構成例を示しているが、試験装置40には、図10に示した第2の実施の形態の周波数シフト回路15や図11に示した第3の実施の形態の周波数シフト回路25を備えていてもよい。
本発明は、ドップラー周波数を模擬する場合に限らず、おおよその入力信号の周波数範囲が分かっており、入力信号のレベルや波形を変えることなく入力信号の周波数をダイナミックにまたは固定的にシフトさせたい分野に使用できる。
1 模擬装置
2 受波センサ
3 帯域通過フィルタ
4 初段アンプ
5 周波数シフト回路
6 電力増幅器
7 送波部
20 検出装置
30 移動体
40 試験装置
51 前段乗算器
52 高域通過フィルタ
53 前段アンプ
54 後段乗算器
55 低域通過フィルタ
56 後段アンプ
57 制御部
58 前段シンセサイザ
59 後段シンセサイザ
151 固定発振器
152、153 スイッチ
251 A/D変換器
252 処理回路
253 D/A変換器

Claims (16)

  1. 入力信号から該入力信号の周波数をシフトさせた信号を出力する周波数シフト回路であって、
    発振周波数が可変な第1発振器及び第2発振器と、
    前記入力信号と前記第1発振器から出力された第1信号とを乗算する第1乗算器と、
    前記第1乗算器の出力信号から、前記入力信号の周波数と前記第1信号の周波数である第1周波数との和の周波数成分のみを通過させる高域通過フィルタと、
    前記高域通過フィルタの出力信号と前記第2発振器から出力された第2信号とを乗算する第2乗算器と、
    前記第2乗算器の出力信号から、前記高域通過フィルタの出力信号の周波数と前記第2信号の周波数である第2周波数との差の周波数成分のみを通過させる低域通過フィルタと、
    前記第1発振器及び前記第2発振器を制御し、前記第1周波数または前記第2周波数のいずれか一方、あるいは前記第1周波数及び前記第2周波数を変更することで前記入力信号の周波数に対する周波数シフト量を変化させる制御部と、
    を有する周波数シフト回路。
  2. 前記制御部は、
    前記周波数シフト量が零であるとき、前記第1周波数及び前記第2周波数を、前記入力信号の周波数の1.618倍に設定する請求項1記載の周波数シフト回路。
  3. 入力信号から該入力信号の周波数をシフトさせた信号を出力する周波数シフト回路であって、
    発振周波数が可変な第1発振器及び第2発振器と、
    前記入力信号と前記第1発振器から出力された第1信号とを乗算する第1乗算器と、
    前記第1乗算器の出力信号から、前記入力信号の周波数と前記第1信号の周波数である第1周波数との差の周波数成分のみを通過させる低域通過フィルタと、
    前記低域通過フィルタの出力信号と前記第2発振器から出力された第2信号とを乗算する第2乗算器と、
    前記第2乗算器の出力信号から、前記低域通過フィルタの出力信号の周波数と前記第2信号の周波数である第2周波数との和の周波数成分のみを通過させる高域通過フィルタと、
    前記第1発振器及び前記第2発振器を制御し、前記第1周波数または前記第2周波数のいずれか一方、あるいは前記第1周波数及び前記第2周波数を変更することで前記入力信号の周波数に対する周波数シフト量を変化させる制御部と、
    を有し、
    前記第1周波数及び第2周波数が前記入力信号の周波数よりも低い周波数シフト回路。
  4. 前記制御部は、
    前記周波数シフト量が零であるとき、前記第1周波数及び前記第2周波数を、前記入力信号の周波数の0.618倍に設定する請求項3記載の周波数シフト回路。
  5. 入力信号から該入力信号の周波数をシフトさせた信号を出力する周波数シフト回路であって、
    発振周波数が可変な第1発振器及び第2発振器と、
    前記入力信号と前記第1発振器から出力された第1信号とを乗算する第1乗算器と、
    前記第1乗算器の出力信号から、前記入力信号の周波数と前記第1信号の周波数である第1周波数との差の周波数成分のみを通過させる第1低域通過フィルタと、
    前記第1低域通過フィルタの出力信号と前記第2発振器から出力された第2信号とを乗算する第2乗算器と、
    前記第2乗算器の出力信号から、前記第1低域通過フィルタの出力信号の周波数と前記第2信号の周波数である第2周波数との差の周波数成分のみを通過させる第2低域通過フィルタと、
    前記第1発振器及び前記第2発振器を制御し、前記第1周波数または前記第2周波数のいずれか一方、あるいは前記第1周波数及び前記第2周波数を変更することで前記入力信号の周波数に対する周波数シフト量を変化させる制御部と、
    を有し、
    前記第1周波数及び第2周波数が前記入力信号の周波数よりも高い周波数シフト回路。
  6. 前記制御部は、
    前記周波数シフト量が零であるとき、前記第1周波数及び前記第2周波数を、前記入力信号の周波数の2倍に設定する請求項5記載の周波数シフト回路。
  7. 前記第1発振器及び前記第2発振器は、レベルが一定の信号を出力する請求項1から6のいずれか1項記載の周波数シフト回路。
  8. 入力信号から該入力信号の周波数をシフトさせた信号を出力する周波数シフト回路であって、
    周波数が一定であり、それぞれが異なる周波数の信号を出力する複数の発振器と、
    前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器の出力信号と前記入力信号とを乗算する第1乗算器と、
    前記第1乗算器の出力信号から、該発振器の周波数と前記入力信号の周波数との和の周波数成分のみを通過させる高域通過フィルタと、
    前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器の出力信号と前記高域通過フィルタの出力信号とを乗算する第2乗算器と、
    前記第2乗算器の出力信号から、該発振器の周波数と前記高域通過フィルタの出力信号の周波数との差の周波数成分のみを通過させる低域通過フィルタと、
    前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器と前記第1乗算器とを接続する第1スイッチと、
    前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器と前記第2乗算器とを接続する第2スイッチと、
    前記第1スイッチ及び第2スイッチを制御し、前記第1乗算器または前記第2乗算器へ供給する信号の周波数のいずれか一方、あるいは前記第1乗算器及び前記第2乗算器へ供給する信号の周波数を変更することで前記入力信号の周波数に対する周波数シフト量を変化させる制御部と、
    を有する周波数シフト回路。
  9. 前記制御部は、
    前記周波数シフト量が零であるとき、前記第1乗算器及び前記第2乗算器へ、前記入力信号の周波数の1.618倍の周波数の信号を供給する請求項8記載の周波数シフト回路。
  10. 入力信号から該入力信号の周波数をシフトさせた信号を出力する周波数シフト回路であって、
    周波数が一定であり、それぞれが異なる周波数の信号を出力する複数の発振器と、
    前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器の出力信号と前記入力信号とを乗算する第1乗算器と、
    前記第1乗算器の出力信号から、該発振器の周波数と前記入力信号の周波数との差の周波数成分のみを通過させる低域通過フィルタと、
    前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器の出力信号と前記低域通過フィルタの出力信号とを乗算する第2乗算器と、
    前記第2乗算器の出力信号から、該発振器の周波数と前記低域通過フィルタの出力信号の周波数との和の周波数成分のみを通過させる高域通過フィルタと、
    前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器と前記第1乗算器とを接続する第1スイッチと、
    前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器と前記第2乗算器とを接続する第2スイッチと、
    前記第1スイッチ及び第2スイッチを制御し、前記第1乗算器または前記第2乗算器へ供給する信号の周波数のいずれか一方、あるいは前記第1乗算器及び前記第2乗算器へ供給する信号の周波数を変更することで前記入力信号の周波数に対する周波数シフト量を変化させる制御部と、
    を有し、
    前記第1乗算器に入力する前記発振器の出力信号の周波数が前記入力信号の周波数よりも低い周波数シフト回路。
  11. 前記制御部は、
    前記周波数シフト量が零であるとき、前記第1乗算器及び前記第2乗算器へ、前記入力信号の周波数の0.618倍の周波数の信号を供給する請求項10記載の周波数シフト回路。
  12. 入力信号から該入力信号の周波数をシフトさせた信号を出力する周波数シフト回路であって、
    周波数が一定であり、それぞれが異なる周波数の信号を出力する複数の発振器と、
    前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器の出力信号と前記入力信号とを乗算する第1乗算器と、
    前記第1乗算器の出力信号から、該発振器の周波数と前記入力信号の周波数との差の周波数成分のみを通過させる第1低域通過フィルタと、
    前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器の出力信号と前記第1低域通過フィルタの出力信号とを乗算する第2乗算器と、
    前記第2乗算器の出力信号から、該発振器の周波数と前記第1低域通過フィルタの出力信号の周波数との差の周波数成分のみを通過させる第2低域通過フィルタと、
    前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器と前記第1乗算器とを接続する第1スイッチと、
    前記複数の発振器のうち、いずれか1つの発振器と前記第2乗算器とを接続する第2スイッチと、
    前記第1スイッチ及び第2スイッチを制御し、前記第1乗算器または前記第2乗算器へ供給する信号の周波数のいずれか一方、あるいは前記第1乗算器及び前記第2乗算器へ供給する信号の周波数を変更することで前記入力信号の周波数に対する周波数シフト量を変化させる制御部と、
    を有し、
    前記第1乗算器に入力する前記発振器の出力信号の周波数が前記入力信号の周波数よりも高い周波数シフト回路。
  13. 前記制御部は、
    前記周波数シフト量が零であるとき、前記第1乗算器及び前記第2乗算器へ、前記入力信号の周波数の2倍の周波数の信号を供給する請求項12記載の周波数シフト回路。
  14. 前記複数の発振器は、レベルが一定の信号をそれぞれ出力する請求項8から13のいずれか1項に記載の周波数シフト回路。
  15. 移動体により反射される反射波を模擬する模擬装置であって、
    前記移動体を検出する検出装置から出射される波を受波し、電気信号に変換する受波センサと、
    前記受波センサの出力信号を入力信号とする、請求項1から14のいずれか1項に記載の周波数シフト回路と、
    前記周波数シフト回路の出力信号を増幅する電力増幅器と、
    前記電力増幅器で増幅された信号を前記検出装置の出射波に対応する波に変換し、前記検出装置へ送波する送波部と、
    を有する模擬装置。
  16. 移動体を検出する検出装置を試験するための試験装置であって、
    前記検出装置の出力信号を入力信号とする、請求項1から14のいずれか1項に記載の周波数シフト回路と、
    前記周波数シフト回路の出力信号を増幅し、前記検出装置に出力する電力増幅器と、
    を有する試験装置。
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