以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る輻射パネル装置1は、例えば建物の居室の一角に設置されて輻射暖房あるいは輻射冷房を行う装置である。輻射パネル装置1は、長尺状の扁平な複数のパネル4と、パネル4のそれぞれに配設される熱媒流通管5(図2参照)とを備えており、各熱媒流通管5は互いに接続され、更に熱源H(図10参照)とも配管100a,100bを通じて連結されて熱媒体の循環ラインを形成する。熱媒体の循環によってパネル4に輻射能が付与されることで居室の輻射暖房が可能になり、熱媒体の温度が居室の室温よりも低い場合には、居室の輻射冷房が可能になる。
輻射パネル装置1は、上述した通り、複数のパネル4及び熱媒流通管5と、居室の天井板Rと床板Fとの間で鉛直方向に立設された一対の支柱2A,2Bと、一対の支柱2A,2Bの上端側に架設され、複数のパネル4を保持するブリッジ3と、パネル4の下方且つ床板F上に設けられて結露水を受け止める結露水受け部材6と、を備えている。
支柱2A,2Bは、床板Fから天井板Rまで届く長さを有する支柱本体8と、支柱本体8の下端に外嵌して床板Fに固定される柱脚部材9と、を備えている。また、結露水受け部材6は、図示しない排水管に連通しており、パネル4に沿って流下した結露水は、結露水受け部材6に集められ、排水管を通じて外部に排出される。
ブリッジ3は、立てた状態で垂下した複数のパネル4を所定の間隔で横方向に並べた状態で保持する。なお、所定の間隔やパネル4の枚数等は、居室の広さや高さ、あるいは求められる性能に応じて適宜に決定できる。なお、ブリッジ3は、「上枠」ともいう。
図2、及び図5に示されるように、ブリッジ3は、パネル4の厚さ方向である水平方向Dhに延在する長尺状の支持プレート3aと、支持プレート3aの上面3fに立設された一対のリブ壁3bとを備えている。一対のリブ壁3bは、支持プレート3aの長手方向に沿って延在しており、互いに対向すべく、平行に配置されている。一対のリブ壁3bの上端には、カバー部材60に係合する爪3pが設けられている。ブリッジ3は、アルミニウムやステンレス等の金属を押出成形することによって形成されている。
図2、図6、及び図7に示されるように、支持プレート3aは、断面V字状をなし、角部(幅方向中央部)3hに向けて下面(下面部)3gが下り傾斜状となる一対の傾斜部3j,3kを、その幅方向両側部に備えている。角部3hは、一対の傾斜部3j,3kの下端部が連結されることにより形成されている。一対の傾斜部3j,3kの幅方向の長さは同一であり、また、床板F及び天井板Rと略平行な水平面からの傾斜角度は同一である。つまり、支持プレート3aは、一対の傾斜部3j,3kを左右対称状とした等辺V字状に形成されている。なお、一対の傾斜部3j,3kの傾斜角度は15〜45度であり、より好ましくは30度前後である。
支持プレート3aの一対の傾斜部3j,3kは、アルミニウム等の金属を押し出し成形することにより形成された1枚の長方形の鋼板を、更に折り曲げ加工等することによって形成される。具体的には、鋼板の幅方向中央部(角部3h)を境(折り線)にして折り曲げることにより、一対の傾斜部3j,3kが形成されている。
また、支持プレート3aは、一対のリブ壁3bに挟まれた内側の中央部3dと、各リブ壁3bよりも外側に張り出した一対の鍔部3eとを有する。中央部3dの各パネル4に対向するそれぞれの位置には、角部3hを切り欠くように貫通する貫通孔(通過部)3cが形成されており、また、一対のリブ壁3bの近傍には、パネル4を留めつけるボルト(留め具)78が挿入される一対の締付孔3m(図2参照)が設けられている。貫通孔3cには、熱媒流通管5が通される。
また、支持プレート3aの両端には、蓋部75(図5参照)をネジ止めするためのネジ受け部3xが設けられている。なお、支持プレート3aは押し出し成形で製造されることもあり、ネジ受け部3xは、支持プレート3aの長手方向全域に亘って設けられている。
図2、図3、及び図7に示されるように、パネル4は、鉛直方向に延在し、断面が扁平に形成された長尺状の筒状部材42と、少なくとも筒状部材42の上端面50を塞ぎ、更に支持プレート3aとの間で狭持されるキャップ41とを備える。筒状部材42は、例えば金属を押出成形することで形成される。筒状部材42の材料は特に限定されないが、アルミニウム製とすると軽量化が実現でき、好ましい。
筒状部材42の上端面50は、ブリッジ3の支持プレート3aに対応すべく、略V字状にカットされており、その幅方向両端部50cを上端としパネル角部(幅方向中央部)50dに向けて下り傾斜状となる一対のパネル傾斜部50a,50bを備えている。筒状部材42の幅方向両端部50cのうち一方の端部は、ブリッジ3の一方の傾斜部3jに対向し、幅方向両端部50cのうち他方の端部は、ブリッジ3の他方の傾斜部3kに対向している。一対のパネル傾斜部50a,50bの幅方向の長さは同一であり、また、床板F及び天井板Rと平行な水平面からの傾斜角度は同一である。なお、一対のパネル傾斜部50a,50bの傾斜角度はブリッジ3の傾斜部3j,3kの傾斜角度と同じく、15〜45度であり、より好ましくは30度前後である。
筒状部材42の上端面50には、ボルト(留め具)78が螺合される一対の締付孔50eが設けられている。また、一対の締付孔50eよりも内側の領域には、熱媒流通管5が収容される。
筒状部材42の外面には、外気に対する伝熱面積を広げるために波状に突き出た複数のフィン50iが設けられている。複数のフィン50iは、筒状部材42の長手方向、つまり筒状部材42を立てた状態での鉛直方向に延在しており、冷房時に筒状部材42に付着する結露水を結露水受け部材6に向けて下方へ案内するという機能も有する。
筒状部材42内に収容される熱媒流通管5は略U字状であり、筒状部材42の下端側で湾曲して折り返されている。熱媒流通管5の熱媒体が下方に向けて流れる通路を形成する部分は往路側収容部5aであり、熱媒体が上方に向けて流れる通路を形成する部分は復路側収容部5bであり、往路側収容部5aと復路側収容部5bとを連絡する部位が折り返し部5gである。
往路側収容部5a及び復路側収容部5bは、筒状部材42の上端側では筒状部材42の幅方向中央寄りにまとめられている。中央寄りにまとめられた熱媒流通管5は、筒状部材42の上端面50に取り付けられたキャップ41、及び、ブリッジ3の支持プレート3aを貫通してブリッジ3の上方に突出している。熱媒流通管5においてブリッジ3の上面3fから突出した部位は延在部5c,5dであり、特に、往路側収容部5aに連絡する側は往路側延在部5cであり、復路側収容部5bに連絡する側は復路側延在部5dである。
熱媒流通管5は、例えば、内径が7mm程度の樹脂製管からなる。このように樹脂製の熱媒流通管5を用いることにより、屈曲性が良く、小半径に曲げることができ、熱媒流通管5同士の加工、筒状部材42への組み付け作業を容易に行える。なお、樹脂製管としては、架橋ポリエチレン管や、ポリブデン又はポリオレフィン系の樹脂材料を採用することができる。
キャップ41は、筒状部材42の上端面50に被さるプレートであり、側面視で、支持プレート3aに対応すべく略V字状に屈曲している。キャップ41は、ブリッジ3の支持プレート3aとパネル4の上端面50との間に配置され、ボルト78で締結されることにより、支持プレート3aとパネル4とに狭持される。
キャップ41について更に詳しく説明する。キャップ41は、その幅方向両端部41cを上端としキャップ角部(幅方向中央部)41dに向けて下り傾斜状となる一対のキャップ傾斜部41a,41bを備えている。キャップ41は、その幅方向両端部41cのうち一方の端部がブリッジ3の一方の傾斜部3jに対向し、幅方向両端部41cのうち他方の端部がブリッジ3の他方の傾斜部3kに対向している。一対のキャップ傾斜部41a,41bの傾斜角度は、ブリッジ3の一対の傾斜部3j,3k、及び、筒状部材42の一対のパネル傾斜部50a,50bの傾斜角度と略一致しており、外形は、筒状部材42の外周に倣っている。
キャップ41には、キャップ角部41dを切り欠くように貫通する貫通孔41fが設けられており、その貫通孔41fには熱媒流通管5が通される。さらに、キャップ41の幅方向両端部41c近傍には、ボルト78が挿入される一対の締付孔41gが設けられている。
また、キャップ41は、例えばASA(アクリロニトリル-スチレン-アクリレート)やAES(アクリロニトリル-エチレンプロピレンジエン-スチレン)などを主成分とする樹脂から構成されており、筒状部材42とブリッジ3との間の熱伝達を抑制する機能を有している。
次に、ブリッジ3の上部構造について図4、図5、及び図6を参照して説明する。ブリッジ3の上部は、カバー部材60に覆われ、支持部材70を介して天井板Rに固定されている。支持部材70は、ブリッジ3と天井板Rとの間隔を調整する調整機構としても機能し、本実施形態では、多段の調整機構を例示するが、無段の調整機構とすることもできる。
支持部材70は、天井板Rに固定される天井取り付け部材71と、ブリッジ3に固定されるブリッジ取り付け部材72とを有する。天井取り付け部材71は、天井板Rに当接してネジ止めされる平板部71aと、平板部71aから鉛直下方に延びる矩形板状の調整部71eとを有している。調整部71eには、高さ調整の為に鉛直方向に沿って並ぶ3つの調整孔71fが設けられている。なお、調整孔71fは、微調整可能となるように上下に長い長孔となっている。
ブリッジ取り付け部材72は、支持プレート3aの上面3f側に配置され、ボルト74aによって支持プレート3aに固定されるベース板部72aと、ベース板部72aから立設され、カバー部材60を貫通して突き出す矩形板状の調整部72cとを有する。調整部72cには、高さ調整の為に鉛直方向に並ぶ3つの調整孔72dが設けられている。
支持部材70によって天井板Rまでの高さを調整する際には、天井取り付け部材71の調整部71eの調整孔71f、及び、ブリッジ取り付け部材72の調整部72cの調整孔72dを適宜に選択して互いに位置合わせすることで高さを調整し、位置合わせされた調整孔71f,72dにボルト73aの軸部を差し込みナット73cで締結することで固定する。
ブリッジ3の上面3fには、傾斜部3j,3kの傾斜角度を吸収して、ブリッジ取り付け部材72のベース板部72aを安定させる断面略三角形状の一対のスペーサ74bが配置されている。ベース板部72aは一対のスペーサ74b上に載置され、ボルト74aによってブリッジ3に固定される。なお、ボルト74aはブリッジ3を貫通し、ブリッジ3の下方に配置された支柱2Aの支柱本体8に螺合される。
ブリッジ3の上面3fを覆うカバー部材60は、ブリッジ3の長手方向に沿って延びており、天井板Rと水平な矩形板状の屋根部61と、天井板Rと垂直な矩形板状の一対の立ち上がり部62と、屋根部61及び立ち上がり部62を連結する矩形板状の一対の連結部63とを有している。なお、カバー部材60の内部には断熱材(図示せず)が設けられており、ブリッジ3の上面3fにおいて熱媒体が温度変化することを抑制している。
屋根部61には、ブリッジ取り付け部材72の調整部72cが挿入される挿入孔61aが形成されている。屋根部61には、熱媒流通管5に連結される配管100a,100bが貫通する貫通孔61xが設けられている。配管100a,100bは、熱源H(図10参照)及び熱媒流通管5に接続されており、各パネル4に向けて熱媒体が供給される。なお、支持部材70及び配管100a,100bを挟み込むようにして、カバー部材60と天井板Rとの間には配線カバー77が立設されている。配線カバー77が立設されていることにより、支持部材70及び配管100a,100bが露出し難くなり、不測の衝撃や埃等の外部の影響が抑制されるとともに、美観が向上する。
立ち上がり部62の下端には、リブ壁3bの爪3pに係合する爪62aが形成されている。立ち上がり部62の爪62aとリブ壁3bの爪3pとが係合することによって、カバー部材60は上方に抜け難くなる。また、立ち上がり部62の上部には内方に突き出た突出片62bが設けられており、係合状態において、突出片62bがリブ壁3bの上端と接しているため、突出片62bと爪62aとでリブ壁3bの爪3pを挟み込むこととなり、カバー部材60のブリッジ3への固定状態を強固にできる。
なお、カバー部材60とブリッジ3とは、上述したように、立ち上がり部62の爪62aとリブ壁3bの爪3pとが係合することにより固定されるところ、ブリッジ3の鍔部3eはカバー部材60の幅方向両端である立ち上がり部62よりも外側に張り出すこととなる。鍔部3eが外側に張り出していることにより、ブリッジ3上部の構成が視認し難くなり、見栄えの向上が図られる。
次に、複数の筒状部材42に収容された各熱媒流通管5の接続、及び熱媒流通管5の接続によって形成される熱媒体の通過経路について、図8及び図9を参照して説明する。なお、図8及び図9では、ブリッジ3を省略して記載しており、また、説明の便宜のため、パネル4の上端にV字状のパネル傾斜部50a,50bを描く代わりに平坦面を模式的に描いている。
パネル4内に収容された熱媒流通管5は、ブリッジ3の上方に突き出た往路側延在部5c及び復路側延在部5dを有し、それぞれブリッジ3の上方でブリッジ3の長手方向に向けて湾曲している。そして、復路側延在部5dは、他のパネル4内に収容された他の熱媒流通管5の往路側延在部5cに接続され、往路側延在部5cは、他のパネル4内に収容された他の熱媒流通管5の復路側延在部5dに接続されている。その結果、複数の熱媒流通管5同士が、復路側延在部5dと往路側延在部5cとの接続によって直列につながり、直列配管系統L1,L2,L3,L4が形成されている。
直列配管系統L1,L2,L3,L4のうち直列配管系統L1を代表して説明すると、左から一枚目の筒状部材42から突き出す往路側延在部5c(図8(a)参照)は、熱媒体が導入される上流側のヘッダ部250の並列分配部252に設けられた枝管252aに接続されている。往路側延在部5cは、筒状部材42内に収容された略U字状の流路を介し、復路側延在部5d(図8(b)参照)として筒状部材42から突き出す。復路側延在部5dは、左から五枚目の筒状部材42から突き出す往路側延在部5cに接続され、略U字状の流路を介し、復路側延在部5dとして筒状部材42から突き出す。この復路側延在部5dは、右から四枚目の筒状部材42から突き出す往路側延在部5cに接続され、略U字状の流路を介し、復路側延在部5d(図9(b)参照)として筒状部材42から突き出す。この復路側延在部5dは、熱媒体が排出される下流側のヘッダ部251の並列合流部253に設けられた枝管253aに接続されている。
他の直列配管系統L2〜L4も直列配管系統L1と同様に、上流側のヘッダ部250の並列分配部252に設けられた枝管252aに接続されており、また、下流側のヘッダ部251の並列合流部253に設けられた枝管253aに接続されている。
ヘッダ部250,251について図10を参照して詳細に説明する。なお、ヘッダ部250及びヘッダ部251は実質的に同じ構造であるため、重複する説明については、ヘッダ部250の構造で説明を行い、ヘッダ部251の説明を省略する。
図10(a)に示されるように、ヘッダ部250は、並列分配部252と、並列分配部252に接続されるジョイント部254と、熱源Hにつながる配管100aに接続されるジョイント部255と、ジョイント部254及びジョイント部255を連絡するヘッダ部配管256と、を有している。
並列分配部252には、ジョイント部254を接続するための筒状のジョイント管252gと、ジョイント管252gを介して熱媒体を受け入れる本体管252fと、本体管252fから分岐し、本体管252fに導入された熱媒体を各直列配管系統L1〜L4に分配する複数の枝管252aと、が設けられている。
図10(b)に示されるように、ヘッダ部250は、配管100aを介して熱源Hと接続されており、熱源Hから送り込まれた熱媒体を各直列配管系統L1〜L4に均等に分配する。また、ヘッダ部251は、配管100bを介して熱源Hと接続されており、各直列配管系統L1〜L4から排出された熱媒体を集約させ、熱源Hまで戻す。
ヘッダ部250のジョイント部255は、ジョイント管255bを介して配管100aに接続される。配管100aは、天井板Rから天井裏を介して熱源Hに接続されている。また、ジョイント管255bは、カバー部材60を貫通して天井板Rに向けて延びている。同様に、ヘッダ部251のジョイント部255は、ジョイント管255bを介して配管100bに接続される。配管100bは、天井板Rから天井裏を介して熱源Hに接続されている。
以上のとおり、本実施形態に係る輻射パネル装置1では、図2及び図7に示されるように、支柱2A,2B間において、居室等の天井に近接対向した状態で横設されるブリッジ3が、その幅方向両端部3iを上端とし角部(幅方向中央部)3hに向けて下り傾斜状となる一対の傾斜部3j,3kを備えている。その結果、熱媒体の流通等に起因してブリッジ3の下面3gに付着した水滴は、角部3hに集められた後に、筒状部材42のフィン50i等を伝って鉛直下方向に落下することとなる。すなわち、鉛直下方向に落下する水滴は、筒状部材42の幅方向中央部であるパネル角部50d近傍を伝って落下することとなる。パネル角部50dから幅方向両端部50cには距離があるため、水滴のハネが結露水受け部材6が設けられた幅を超えて幅方向外側まで飛散することを抑制できる。以上より、ブリッジ3に水滴等が付着する場合でも、当該水滴が装置周辺へ飛散することを抑制することができる。
また、本実施形態に係る輻射パネル装置1の、ブリッジ3は、一対の傾斜部3j,3kによりV字状が形成されている。これにより、下面3gに付着する水滴(結露水)の多くを一対の傾斜部3j,3kの連結により形成される角部3hから落下させることが可能となる。よって、角部3hが尖った形ではなく所定の幅を有するような場合と比較して、水滴が落下するポイントの幅をより狭くすることができる。なお、輻射パネル装置1が居室の壁面に沿って設けられる場合、当該壁面寄りに角部3hを設けることで、居室側への水滴のハネを低減することができる。
また、本実施形態に係る輻射パネル装置1では、一対の傾斜部3j,3kが左右対称状とした等辺V字状に形成されているため、ブリッジ3の下面3gの水滴をブリッジ3の幅方向中央部から落下させることができ、結露水受け部材6で確実に受けることができる。また、筒状部材42も左右対称状となるので、両側面からの外観が同じものとなり、居室中央部の間仕切りとして用いても違和感が少ないものとなる。なお、一対の傾斜部3j,3kを等辺V字状とすることで、限られたスペースであっても、一対の傾斜部3j,3kの傾斜角度を十分にとることができる。
また、本実施形態に係る輻射パネル装置1では、筒状部材42を留めつけるボルト(留め具)78が挿入される締付孔3mが、熱媒流通管5が通される貫通孔3cよりも上部(幅方向両端部50c)側に設けられている。熱媒流通管5の熱効果によって貫通孔3c周辺で発生した水滴は、傾斜に沿って下ることとなり、ボルト78周辺には存することとならない。このため、ボルト78等に錆が発生することを抑制できる。
また、本実施形態に係る輻射パネル装置1では、ブリッジ3の上部はカバー部材60により覆われ、更に長手方向の両端は蓋部75で塞がれているため、不測の衝撃や埃等の外部の影響を受け難くすることができる。また見栄えも向上する。
また、本実施形態に係る輻射パネル装置1では、各筒状部材42に向けて熱媒体を均等に供給するヘッダ部250を備えており、ヘッダ部250の一部であるジョイント管255bが、図10に示されるように、カバー部材60を貫通して天井板Rに向けて配設されていることにより、天井裏を介して熱媒流通管5を熱源Hに連結することができ、当該熱媒流通管5の露出を抑制することができるものとなる。なお、カバー部材60を貫通する部分は、ヘッダ部250のその他の部分であってもよい。
また、本実施形態に係る輻射パネル装置1では、ブリッジ3は、支持部材70を介して天井板Rに固定されている。その結果、天井高を異にする様々な居室に対応することができる。なお、ブリッジ3は、支持部材70による天井板Rへの固定とともに、床板Fに固定される柱脚部材9(図2参照)に支持されるが、上述した支持部材70による位置調整ができない場合には、柱脚部材9側で位置調整を行う必要があり、柱脚部材9の切断等が必要となるが、本実施形態に係る輻射パネル装置1ではそのような手間を回避することができる。
以上、本発明について各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではない。本発明に係る輻射パネル装置は、各請求項に記載した要旨を変更しないように実施形態に係る輻射パネル装置を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、ブリッジ3は、上面3f及び下面3gともに傾斜している態様を例示したが、下面のみが傾斜している構成であってもよい。また、ブリッジ3の断面形状としては、上記の等辺V字状やいずれかに角部3hが寄っている形状のみならず、一対の傾斜部3j、3kの間に水平部を設け、これにより複数の角部を有する構成を採用することも可能である。また、鍔部3eは、必ずしも一対の傾斜部3j,3kと同様に傾斜している必要はなく、水平方向に張り出していてもよい。この場合、水平方向に張り出した鍔部を天井に埋め込むことが可能となるため、ブリッジ3の上部を天井裏に配置することができる。
また、落下する水滴を受ける部材は、排水管に連通した部材である結露水受け部材6であるとして説明したが、必ずしもこれに限定されず、スポンジ等であってもよい。また、天井取り付け部材71及びブリッジ取り付け部材72による位置(高さ)調整は、調整孔71f,72dの組合せを変えることにより行う(多段の位置調整を行う)として説明したが、締付孔の組合せではなく、両部材をスライドさせて任意の位置で固定する無段の位置調整を行ってもよい。