JP2014240550A - ガラス窓 - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない部材にて剛性及び防火性能を備え、意匠性に優れたガラス窓を提供する。【解決手段】互いに対面する複数枚の板ガラス12,14間の周縁部にスチールまたはステンレス製の骨材13が介装され前記板ガラス12,14と前記骨材13とが接合された複層ガラス14と、前記複層ガラス14の周縁部を収容するスチールまたはステンレス製の収容部材15と、を有し、前記骨材13は、前記複層ガラス14の周端面14aに露出しており、前記骨材13と前記収容部材15とが連結されている。【選択図】図3

Description

本発明は、複数枚の板ガラスを互いに間隔を隔てて対面させた複層ガラスを備えたガラス窓に関する。
複数枚の板ガラスを互いに間隔を隔てて対面させた複層ガラスを備えたガラス窓としては、例えば、2枚の板ガラスの周端部にスペーサーが介装された複層ガラスが、障子を構成する框に設けられたガラス保持溝に収容されたサッシが知られている。このサッシは、防火性を高めるために、ガラス保持溝の下方に形成されている中空部に備えられたスチール製の補強材に、ガラスの端部を覆うスチール製のガラス間口補強材がねじにて固定されており、ガラスは、ガスケットを介してガラス保持溝に保持されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013―72218号公報
上記のようなサッシは、火災などにより框が軟化、溶融してガラスが脱落しないように、框の中空部にスチール製の補強材が設けられており、この補強材は、風圧等による変形の防止にも機能するため、補強材はもちろん補強材を収容する框も大きくなることにより、採光開口が狭められてしまう、或いは、意匠性が悪くなるという課題がある。
また、上記のサッシは、框のガラス保持溝にガラスを保持するためのガスケット、ガラスの端部を覆うガラス間口補強材、下框補強材、框、障子を枠から吊り出すステー等、多くの部材にて構成されており、組立が煩雑であるとともに障子重量やコストも嵩むという課題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、少ない部材にて剛性及び防火性能を備え、意匠性に優れたガラス窓を提供することにある。
かかる目的を達成するために本発明のガラス窓は、互いに対面する複数枚の板ガラス間の周縁部にスチールまたはステンレス製の骨材が介装され前記板ガラスと前記骨材とが接合された複層ガラスと、前記複層ガラスの周縁部を収容するスチールまたはステンレス製の収容部材と、を有し、前記骨材は、前記複層ガラスの周端面に露出しており、前記骨材と前記収容部材とが連結されていることを特徴とするガラス窓である。
このようなガラス窓によれば、板ガラスの周縁部に介装される骨材と、この骨材と板ガラスとが接合された複層ガラスの周縁部が収容される収容部材とが連結されると板ガラスは骨材と収容部材とにより挟まれる。骨材と収容部材とは、いずれもスチールまたはステンレス製であり、板ガラスとともに高い剛性を有しており、また不燃材料なので、樹脂やアルミなどの框に囲まれた障子等に比べて、高い剛性と耐火性を有している。更に、骨材と収容部材とが連結されており、間にシール材等の可燃材料が介在されていないので、より高い耐火性を備えることが可能である。このため、剛性や耐火性を備えるための補強材を設ける必要がないので、部材点数を少なくすることが可能である。また、框に補強材を収容する必要もないので、框を小さくすることにより、開口におけるガラスの占有面積を広くすることができるため採光開口を大きくすることが可能である。すなわち、少ない部材にて高い剛性及び防火性能を備え、意匠性に優れたガラス窓を提供することが可能である。
かかるガラス窓であって、前記板ガラスの周端面と前記収容部材との間には熱膨張性部材が設けられていることが望ましい。
このようなガラス窓によれば、板ガラスの周端面と収容部材との間には熱膨張性部材が設けられているので、板ガラスはスチールやステンレスに接触しない。このため、板ガラスの損傷を防止することが可能である。また、板ガラスの周端面と収容部材との間に設けられているのは熱膨張性部材なので、火災等により板ガラスの周縁部が加熱された際には、熱膨張性部材が膨張して、複層ガラスと収容部材との間を塞ぐため、板ガラスと骨材との接合部が溶融されることを防止することや、加熱側からの炎が非加熱側へ貫通することを防止することが可能である。
かかるガラス窓であって、前記骨材は、前記板ガラス間にて当該複層ガラスの前記周端面に露出する外周壁部と、前記外周壁部と面内方向に間隔を隔てるとともに前記互いに隣り合う前記板ガラスの各々と対向する2つの対向部と、前記外周壁部と前記2つの対向部とを各々連結する2つの連結部と、が前記複層ガラスの中央側に向かって開放された溝状をなしていることが望ましい。
このようなガラス窓によれば、複層ガラスの周端面に露出する外周壁部と、板ガラスの各々と対向する2つの対向部と、外周壁部と2つの対向部とを各々連結する2つの連結部とが複層ガラスの中央側に向かって開放された溝状をなしているので、骨材が2枚の板ガラスの間に介装された状態で、その一部、すなわち外周壁部を複層ガラスの周端面に露出させることが可能である。このため、骨材との間に他の部材を介在させることなく当該骨材を支持することが可能である。また、骨材は、外周壁部と2つの対向部と2つの連結部とが複層ガラスの中央側に向かって開放された溝状をなしているので、例えばスチールやステンレスの板材から曲げ加工のような簡単な加工により形成することが可能である。
かかるガラス窓であって、前記複層ガラスを支持する部材が、前記骨材にビスにて固定されており、前記ビスは、ねじ部にシール材が設けられていることが望ましい。
このようなガラス窓によれば、骨材を支持する部材をビスにて確実に固定することができるとともに、固定するビスのねじ部にシール材が設けられているので、骨材とビスとの間をシール材により塞ぐことが可能である。このため、骨材を支持する部材をビスにて固定しても、骨材により外部の空間と仕切られる板ガラス間の空間の密閉状態を維持することが可能である。
かかるガラス窓であって、前記連結部は、前記外周壁部から各々の前記対向部に向かって前記板ガラスとの間隔が狭くなる傾斜をなし、前記板ガラスと前記連結部とにより形成される空隙に接合材が充填されていることが望ましい。
従来、複層ガラスを構成する板ガラス間に介在されるスペーサーとして使用されているアルミニウムと比較して、スチールやステンレスは線膨張係数がガラスに近い。このため、日照などにより加熱されたときに骨材と板ガラスとの間にて接合材に生じる歪みをアルミニウムの場合より小さく抑えることが可能である。このため、外周壁部から各々の対向部に向かって板ガラスとの間隔が狭くなる傾斜をなす連結部と板ガラスとの間の狭い部位に接合材が充填されている上記のような複層ガラスであっても、板ガラスと骨材とを接合することが可能である。すなわち、接合材を外周壁部の外周側に存在させることなく、僅かな接合材にて板ガラスと骨材とを接合することが可能である。また、接合材が少量なので、火災時において可燃ガスの発生を低減させることが可能である。
かかるガラス窓であって、前記板ガラス間の空間内に前記板ガラス間の空間を除湿する乾燥材が設けられていることが望ましい。
このようなガラス窓によれば、骨材により仕切られた板ガラス間の空間内をより確実に除湿して板ガラスへの水滴の付着を防止することが可能である。
本発明によれば、少ない部材にて剛性及び防火性能を備え、意匠性に優れたガラス窓を提供することが可能である。
本実施形態に係るガラス窓の縦断面図である。 本実施形態に係るガラス窓の横断面図である。 図3(a)は、図1におけるA部の拡大図であり、図3(b)は、複層ガラスの周端面と収容部材との間に介在された熱膨張性黒鉛を示す縦断面図である。 骨材に螺合されるビスを示す図である。 骨材とハンドルとを連結する連結部品を示す図である。 ガラス窓の障子を開いた状態を示す横断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るガラス窓について図面を参照して説明する。
本実施形態のガラス窓1は、図1、図2に示すように、室内と室外とを連通する開口を形成する枠体2と、開口を閉塞可能な障子10と、障子10が回動して開閉すべく枠体2と障子10とを連結するリンク機構20と、を有し、ハンドル6の操作により障子10を開閉することが可能なたてすべり出し窓である。
以下の説明においては、建物等に取り付けられた状態のガラス窓1を室内側から見たときに、枠体2、障子10の上下となる方向を上下方向、左右となる方向を左右方向または見付け方向、室内外方向である奥行き方向を見込み方向として示す。また、ガラス窓1を構成する部材は、単体の状態であってもガラス窓1が建物等に取り付けられた状態で上下方向、見付け方向、見込み方向等となる方向にて方向を特定して説明する。
枠体2は、上下に位置する上枠3及び下枠4と見付け方向において左右に位置する縦枠5とが矩形状に枠組みされて形成されている。
障子10は、互いに対面する2枚の板ガラス11、12間の周縁部にスチール製の骨材13が介装され、板ガラス11、12と骨材13とが接合された複層ガラス14と、複層ガラス14の外周縁部を収容するステンレス製の収容部材15と、収容部材15を外周側から覆う合成樹脂製の框材16と、を有している。
複層ガラス14は、矩形状をなす1枚の網入り板ガラス11と、遠赤外線の反射率が高くなるように表面に処理が施された低放射板ガラス(Low−Eガラス)12とが、見込み方向に間隔を隔てて対面し、2枚の板ガラス11、12間の周縁部にスチール製の骨材13が介装され2枚の板ガラス11、12と骨材13とが接合材としてのシーラント19により接合されている。
2枚の板ガラス11、12間にて、各板ガラス11、12の四方の周縁部に設けられる骨材13は、同一の断面形状をなしている。骨材13は、図3(a)に示すように、複層ガラス14の2枚の板ガラス11、12間にて当該複層ガラス14の周端面14aに露出する外周壁部13aと、外周壁部13aと面内方向に間隔を隔てるとともに2枚の板ガラス11、12の各々と対向する2つの対向部13bと、外周壁部13aと2つの対向部13bとを各々連結する2つの連結部13cと、が複層ガラス14の中央側に向かって開放された溝状をなしている。この骨材13は、スチール製の板材をプレス加工により折り曲げて形成されており、2枚の板ガラス12の各々と対向する2つの対向部13bは、ロール成型により二重に折り重ねられている。
外周壁部13aは、2枚の板ガラス11、12の間隔より狭い幅に形成され、外周壁部13aの見込み方向における両縁から、板ガラス11、12との間を気密・水密するシール26を介して対向する対向部13bとを連結する連結部13cが形成されている。このため、連結部13cは、外周壁部13aから各々の対向部13bに向かって各板ガラス11、12との間隔が狭くなる傾斜をなしており、各板ガラス11、12と連結部13cとにより形成される空隙にシーラント19が充填されている。また、複層ガラス14の2枚の板ガラス11、12間の空間内には、複層ガラス14の下側の骨材13の対向部13b間と、左側の骨材13の対向部13b間とに、2枚の板ガラス11、12間の空間内を除湿するための乾燥材25が設けられている。
収容部材15は、複層ガラス14の厚みより広く間隔を隔てて互いに対向する室内側壁部15a及び室外側壁部15bと、室内側壁部15a及び室外側壁部15bの下端から各々対向する方向に向かって延出された内延出部15c及び外延出部15dと、室内側壁部15aと室外側壁部15bとのほぼ中央に位置して骨材13の外周壁部13aに当接される当接部15eと、当接部15eと内延出部15c及び外延出部15dとを連結する内連結部15f及び外連結部15gとを有している。
収容部材15に収容される複層ガラス14は、見付け方向における両端側にそれぞれ、各板ガラス11、12の下側の周端面11a、12aと内延出部15c及び外延出部15dとの間にセッティングブロック28が介在されており、低放射板ガラス12の周端面12aと内延出部15cとの間には、セッティングブロック28が設けられている部位を除く全周に渡って、図3(b)に示すように、熱膨張性部材としての熱膨張性黒鉛17が介在されている。
当接部15eは、複層ガラス14が有する各板ガラス11、12の周端面11a、12aとほぼ同一平面をなす外周壁部13aに当接されるので、内延出部15c及び外延出部15dは当接部15eより複層ガラス14から離れて形成されている。このため、当接部15eと内延出部15c及び外延出部15dとを連結する内連結部15f及び外連結部15gは、当接部15eから内延出部15c及び外延出部15dに向かって漸次複層ガラス14から離れる方向に傾斜するように形成されている。そして、複層ガラス14の周縁部が収容部材15に収容された状態で、当接部15eが内延出部15c及び外延出部15dより各板ガラス11、12における面内方向の中央側に窪んでいる。
収容部材15は、複層ガラス14の周縁部を収容するように、当接部15eが骨材13の外周壁部13aに当接され、各板ガラス11、12の周端面11a、12aと内延出部15c及び外延出部15dとの間に熱膨張性黒鉛17が介在されて、外周側からビス18にて固定されている。このビス18は、図4に示すように、ねじ部18bの外周面にシール材18aが塗布されており、骨材13に螺合されたときに、ビス18と骨材13との間がシール材18aにてシールされる。また、収容部材15に設けられてビス18が貫通する孔15hと、骨材13に設けられてビス18が螺合されるビス孔13dは、ブチルゴム製のシート29で覆われてシールされている。このため、複層ガラス14は、収容部材15が骨材13にビス止めされても、2枚の板ガラス11、12間の空間は密閉された状態が保たれている。
框材16は、複層ガラス14の周縁部が収容された収容部材15の室内側壁部15aを室内側から覆う室内カバー部16aと、室外側壁部15bを室外側から覆う室外カバー部16bと、室内側カバー部16aの下端と室外側カバー部16bの下端とを繋ぐ外周カバー部16cと、外周カバー部16cの室外側にて外周側に突出され、障子10を閉じたときに枠体2との間を覆う外周突出部16dとを有している。
障子10は、複層ガラス14の上下の周縁部を覆う框材16と、上枠3または下枠4との間にそれぞれ介在されたリンク機構20、及び、図5に示すような、ハンドル6と連結されて骨材13にビス止めされた連結部品30により開閉自在に支持されている。また、障子10の戸先側の骨材13にビス止めされたロック機構31(図2)により、障子10が閉止された状態で枠体2に支持されるように構成されている。なお、連結部品30、及び、ロック機構31を骨材13に固定するビスのねじ部にもシール材が設けられており、ビスが螺合される孔は、ブチルゴム製のシート29で覆われてシールされている。
障子10の上下に設けられているリンク機構20は、同一構造の部材であるため、以下の説明では、障子10の下に設けられたリンク機構20を例に挙げて説明する。
下側のリンク機構20は、図6に示すように、下枠4にビスにて固定される枠固定リンク21と、障子10の下面にビス18にて固定される障子固定リンク22と、一端23aが枠固定リンク21の右端側の部位21aに、他端23bが障子固定リンク22にそれぞれ枢着された第1連結リンク23と、一端24aが枠固定リンク21の左端側の部位21bに、他端24bが障子固定リンク22の反戸先側の部位22bにそれぞれ枢着された第2連結リンク24と、を有している。
枠体2にリンク機構20を介して取り付けられた障子10は、枠固定リンク21に枢着された第1連結リンク23の他端23bと第2連結リンク24の他端24bとが枢着されている障子固定リンク22が固定されている骨材13にて支持されている。このとき障子固定リンク22を固定するビス18は、ねじ部18bの外周面にシール材18aが塗布されており、障子固定リンク22を框材16とともに骨材13にビスが螺合された際に、骨材13とビス18のねじ部18bの外周面との間の空隙がシール材18aにより密閉される。このため、骨材13にて囲まれた各板ガラス11、12間の空間は、密閉状態が維持されている。
本実施形態のガラス窓1によれば、2枚の板ガラス11、12の周縁部に介装される骨材13と、この骨材13と板ガラス11、12とが連結された複層ガラス14の周縁部が収容される収容部材15とが接合されると複層ガラス14の各板ガラス11、12は骨材13と収容部材15とにより挟まれる。骨材13と収容部材15とは、いずれもスチールまたはステンレス製であり、各板ガラス11、12とともに高い剛性を有しており、また不燃材料なので、樹脂やアルミニウムなど框にガラスが囲まれた障子等に比べて、高い剛性と耐火性を有している。更に、骨材13と収容部材15とが直接連結されており、間にシール材等の可燃材料が介在されていないので、より高い耐火性を備えることが可能である。このため、剛性や耐火性を備えるための補強材を設ける必要がないので、部材点数を少なくすることが可能である。また、框材16に補強材を収容する必要もないので框材16を小さくすることにより、開口における複層ガラス14の占有面積を広くすることができるため採光開口を大きくすることが可能である。すなわち、少ない部材にて剛性及び防火性能を備え、意匠性に優れたガラス窓1を提供することが可能である。
また、板ガラス11、12の周端面11a、12aと収容部材15との間には熱膨張性黒鉛17が設けられているので、板ガラス11、12はスチールやステンレスに接触しない。このため、板ガラス11、12の損傷を防止することが可能である。また、板ガラス11、12の周端面11a、12aと収容部材15との間に設けられているのは熱膨張性黒鉛17なので、火災等により複層ガラス14の周縁部が加熱された際には、熱膨張性黒鉛17が膨張して、複層ガラス14と収容部材15との間を塞ぐため、シーラント19の溶融または燃焼を防止することや、加熱側からの炎が非加熱側へ貫通することを防止することが可能である。
また、複層ガラス14の周端面14aに露出する外周壁部13aと、板ガラス11、12の各々と対向する2つの対向部13bと、外周壁部13aと2つの対向部13bとを各々連結する2つの連結部13cとが複層ガラス14の中央側に向かって開放された溝状をなしているので、骨材13が2枚の板ガラス11、12の間に介装された状態で、剛性が高い骨材13の一部、すなわち外周壁部13aを複層ガラス14の周端面14aに露出させることが可能である。このため、障子10を支持するリンク機構20と骨材13との間に他の剛性の高い部材を介して支持させることなく、スチール製の骨材13を直接支持することが可能である。また、骨材13は、外周壁部13aと2つの対向部13bと2つの連結部13cとが複層ガラス14の中央側に向かって開放された溝状をなしているので、スチールやステンレスの板材から曲げ加工のような簡単な加工により形成することが可能である。
複層ガラス14を有する障子10を支持する障子固定リンク22が、骨材13にビス18にて固定されているので、障子10を確実に支持することができるとともに、障子固定リンク22を骨材13に固定するビス18は、ねじ部18bの外周面にシール材18aを備えているので、骨材13とビス18のねじ部18bとの空隙をシール材18aにより塞ぐことが可能である。このため、障子10を支持する障子固定リンク22をビス18にて固定しても、骨材13により外部の空間と仕切られる板ガラス11、12間の空間の密閉状態を維持することが可能である。
スチールやステンレスは、従来、複層ガラスのスペーサーとして使用されているアルミニウムと比較して、線膨張係数がガラスに近い。このため、日照などにより加熱されたときに骨材13と板ガラス11、12との間にて、各板ガラス11、12と連結部13cとにより形成される空隙に充填されたシーラント19に生じる歪みを、アルミニウムの場合より小さく抑えることが可能である。このため、外周壁部13aから各々の対向部13bに向かって板ガラス11、12との間隔が狭くなる傾斜をなす連結部13cと板ガラス11、12との間の狭い部位にシーラント19が充填されている本実施形態の複層ガラス14であっても、板ガラス11、12と骨材13とを接合することが可能である。すなわち、シーラント19を外周壁部13aの外周側に充填することなく、僅かなシーラント19にて板ガラス11、12と骨材13とを接合することが可能である。また、シーラント19が少量なので、火災時において可燃ガスの発生を低減させて性能の安定を図ることが可能である。
また、板ガラス11、12間の空間内に板ガラス11、12間の空間を除湿する乾燥材25が設けられているので、仕切られた板ガラス11、12間の空間内をより確実に除湿して板ガラス11、12の内面への水滴の付着を防止することが可能である。
上記実施形態においては、複層ガラス14を2枚の板ガラスにて構成した例について説明したが、ガラスは、3枚以上の板ガラスを互いに間隔を隔てて対面させて一体に形成したもの、2枚以上の板ガラスの間に樹脂板を介在させたものであっても構わない。また、複層ガラス14を構成する板ガラスの組み合わせは、低放射ガラスと網入りガラスに限らず、例えば、耐熱強化ガラスと低放射ガラス10bとを組み合わせた構成であっても構わない。さらに、框材16は合成樹脂製に限らず、アルミニウム製や、アルミニウム材と合成樹脂材との複合材製、木製であっても構わない。
また、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
1 ガラス窓、10 障子、11 板ガラス(網入り板ガラス)、11a 周端面、
12 板ガラス(低放射板ガラス)、12a 周端面、13 骨材、13a 外周壁部、
13b 対向部、13c 連結部、14 複層ガラス、14a 周端面、
15 収容部材、17 熱膨張性黒鉛、18 ビス、18a シール材、
18b ねじ部、19 シーラント、20 リンク機構、22 障子固定リンク、
25 乾燥材

Claims (6)

  1. 互いに対面する複数枚の板ガラス間の周縁部にスチールまたはステンレス製の骨材が介装され前記板ガラスと前記骨材とが接合された複層ガラスと、
    前記複層ガラスの周縁部を収容するスチールまたはステンレス製の収容部材と、
    を有し、
    前記骨材は、前記複層ガラスの周端面に露出しており、
    前記骨材と前記収容部材とが連結されていることを特徴とするガラス窓。
  2. 請求項1に記載のガラス窓であって、
    前記板ガラスの周端面と前記収容部材との間には熱膨張性部材が設けられていることを特徴とするガラス窓。
  3. 請求項1または請求項2に記載のガラス窓であって、
    前記骨材は、
    前記板ガラス間にて当該複層ガラスの前記周端面に露出する外周壁部と、
    前記外周壁部と面内方向に間隔を隔てるとともに前記互いに隣り合う前記板ガラスの各々と対向する2つの対向部と、
    前記外周壁部と前記2つの対向部とを各々連結する2つの連結部と、
    が前記複層ガラスの中央側に向かって開放された溝状をなしていることを特徴とするガラス窓。
  4. 請求項3に記載のガラス窓であって、
    前記複層ガラスを支持する部材が、前記骨材にビスにて固定されており、
    前記ビスは、ねじ部にシール材が設けられていることを特徴とするガラス窓。
  5. 請求項3または請求項4に記載のガラス窓であって、
    前記連結部は、前記外周壁部から各々の前記対向部に向かって前記板ガラスとの間隔が狭くなる傾斜をなし、
    前記板ガラスと前記連結部とにより形成される空隙に接合材が充填されていることを特徴とするガラス窓。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のガラス窓であって、
    前記板ガラス間の空間内に前記板ガラス間の空間を除湿する乾燥材が設けられていることを特徴とするガラス窓。
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