JP2014239692A - TERT遺伝子のcDNAの製造、それを用いた核酸増幅法、検出方法、それらに用いるプライマー、及び、それらを用いた腫瘍の診断キット - Google Patents
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Abstract
【課題】腫瘍特異的な遺伝子であるテロメレース(TERT)遺伝子のmRNAを高感度に検出すること、及び、それを用いて腫瘍の診断を行う方法の提供。【解決手段】逆転写前に高温加熱するTERT遺伝子のmRNAの増幅・検出方法及びそれを用いた腫瘍の診断、及びTERT遺伝子のmRNAの増幅・検出方法に好適なプライマーセット、及びそれを用いた診断キット。【選択図】図2
Description
本発明は、TERT遺伝子のcDNAの製造、それを用いた核酸増幅法、検出方法、それらに用いるプライマー、及び、それらを用いた腫瘍の診断キットに関する。
日本国において、毎年、新たに、300,000件の癌の症例が診断されている。また、4人から5人に1人が、癌又は癌に関連する合併症で死亡している。このため、癌又は癌に関連する合併症の治療の改善に相当な努力が費やされている。また、癌は早期に発見されると治癒率が高いことから、癌を早期に発見できる精度の高い診断方法の開発が望まれている。
癌患者は、その癌自体によって死亡することは少ない。多くの癌患者の死亡原因は、転移した癌、即ち、元の腫瘍細胞から分かれて、元の腫瘍細胞が存在している部位とは別の部位に移動した悪性細胞から形成される複数の腫瘍コロニーである。したがって、患者の初期の腫瘍が発見・検出でき、そのような初期の腫瘍を、外科的切除術や、内科的抗癌治療、手術、放射線治療、抗癌剤による化学療法、もしくは、これらの組合わせにより、縮小したり、除去できれば、癌を克服したり、延命することができる確率が非常に高くなる。
しかしながら、悪性腫瘍を特徴付ける転移性コロニーをはじめとした腫瘍の早期発見・検出は困難であり、除去も困難である、という現状があり、臨床的観点から癌治療は困難なものであると言われる一因となっている。
癌の転移は、以下に示すような複雑な出来事を含む。
1)最初の腫瘍の発生位置から周囲組織への腫瘍の拡張。
2)体腔及び血管中への腫瘍細胞の浸透。
3)循環系による腫瘍細胞の離れた部位への輸送・放出。
4)滞留部位における腫瘍細胞の組織への侵入。
5)新たな部位における腫瘍細胞の生存と、腫瘍増殖をするための血管形成の新たな環境への適応。
1)最初の腫瘍の発生位置から周囲組織への腫瘍の拡張。
2)体腔及び血管中への腫瘍細胞の浸透。
3)循環系による腫瘍細胞の離れた部位への輸送・放出。
4)滞留部位における腫瘍細胞の組織への侵入。
5)新たな部位における腫瘍細胞の生存と、腫瘍増殖をするための血管形成の新たな環境への適応。
腫瘍細胞は、固形腫瘍の発達の非常に初期段階(例えば、104個以上106個以下の腫瘍細胞を含む状態)において、周囲組織・毛細血管に侵入し、結局は、血液中に至るものと考えられている。この時点においては、腫瘍細胞の大部分は、アポトーシスや、免疫細胞により排除される(細胞死や休眠状態が誘導される)。これは、このような初期段階での腫瘍細胞は、異所性環境において生き残ることや成長することができないからであると考えられる。
癌の早期発見・早期治療の観点から、このような初期段階の小さな腫瘍を検出する検出方法の開発が望まれているが、現時点では、腫瘍がある程度大きくなった場合に、特定タイプの癌の診断に使用可能な高感度方法が開発されているに過ぎない。そのような診断方法としては、例えば、乳房中の2×108個の乳腫瘍細胞を検出できる、乳房撮影法が開発されている。乳癌の場合、その初期段階においては、流出した腫瘍細胞の大部分が生着することなく死ぬものと考えられているが、106個以上109個まで増殖すると、遺伝子レベルの変化により、より迅速に増殖する攻撃的な変異細胞を生じ得る。そして、このような変異細胞は、二次腫瘍として生着する可能性が非常に高い。
しかしながら、上述したように、現状では、癌の診断は、初期段階では行えないため、例えば、膵臓、胃、卵巣、腎臓、肺、肝臓などの大部分の癌は、通常、1010個〜1012個の腫瘍細胞が存在するような、非常に後期の段階において行われており、この時点においては、腫瘍細胞が既に周囲組織に侵入し、転移している可能性がある。
癌の診断方法として、具体的には、結腸・直腸癌、膵癌、胆道系癌などの消化器癌や、肺癌などの腫瘍細胞上に発現する、癌胎児性抗原(carcino embryonic antigen; CEA)を用いたイムノアッセイ(ラジオイムノアッセイ(RIA)や酵素免疫測定法(EIA、ELISA)など)、αフェトプロテイン(α−feto protein; AFP)を腫瘍マーカーとして用いた逆受身赤血球凝集反応(R−PHA)やイムノアッセイ、前立腺特異性抗原(Prostate Specific Antigen; PSA)をマーカーとして用いたイムノアッセイや、CA15−3、CA50、CA125、PIVKA II(〔protein induced by vitamine K absence or antagonist〕II)といった各種癌抗原を用いたイムノアッセイなどが開発されてきた。
しかしながら、CEA、AFP、CA15−3、CA50、CA125、PIVKA IIといった抗原は、通常、血中への出現が予想されず、検出された時には、既に、患者の癌が既に相当進行しているため、臨床的観点からは更なる改善法が求められている。
このような状況に鑑み、本発明者は、癌の早期検出に有用な遺伝子として、テロメレース(TERT)に着目した上で、TERT遺伝子を用いた腫瘍(癌)の診断の実用化に向けて、研究を行ってきた(特許文献1)。
テロメレース(TERT)は、その発現の癌特異性にも関わらず、臨床応用に関しては血液中から簡易に検出することができないなどの改善すべき点が存在していた。2000年には、乳癌患者の血液からhTERTの定性的検出に関する報告がなされたが(Chen XQ, Clin. Cancer Res., 6: 3823-3826 (2000))、感度が60%以下であり、臨床応用には更なる改善が望まれていた。
また、血液中における腫瘍細胞の検出の感度が高いほど、初期段階の腫瘍の検出が可能となるため、より一層の検出感度の向上が望まれていた。
また、血液中における腫瘍細胞の検出の感度が高いほど、初期段階の腫瘍の検出が可能となるため、より一層の検出感度の向上が望まれていた。
さらに、例えばPCR法においては、鋳型核酸の量が、一定量以下になると、所望の核酸断片が増幅できないか、あるいは、増幅できても、複製の精度(正確性)が低下するため、目的遺伝子の検出方法にも更なる改善が望まれていた。
本発明は、斯かる状況に鑑みてなされたものであり、腫瘍特異的な遺伝子であるTERT遺伝子のmRNAを高感度に検出すること、及び、それを用いて腫瘍の診断を行うことを目的とする。
本発明は、斯かる状況に鑑みてなされたものであり、腫瘍特異的な遺伝子であるTERT遺伝子のmRNAを高感度に検出すること、及び、それを用いて腫瘍の診断を行うことを目的とする。
本発明者らは、癌特異的な遺伝子であるTERTを高感度に検出することを目的として鋭意研究を行った結果、特定の逆転写条件、及び/又は、特定のプライマーを用いてTERT遺伝子のmRNAを逆転写することにより、より正確かつ安定に逆転写反応を行うことができ、その後の核酸増幅や検出を感度良く行うことができることを見出した。
すなわち、本発明によれば、TERT遺伝子のmRNAを75℃以上の温度に加熱する工程と、その工程で得られたRNAを鋳型として、アンチセンスプライマーを用いた逆転写反応を行い、cDNAを合成する工程とを含む、cDNAの製造方法が提供される。このcDNAの製造方法では、逆転写反応の前に高温に加熱することでRNAの高次構造等を破壊することにより、正確で安定したcDNAへの逆転写反応を行うことができる。
また、本発明によれば、TERT遺伝子のmRNAの少なくとも一部に対応するcDNAを増幅するための方法であって、そのmRNAを75℃以上の温度に加熱する工程と、 その工程で得られたRNAを鋳型として、アンチセンスプライマーを用いた逆転写反応を行い、cDNAを合成する工程と、そのcDNAを鋳型として、プライマーセットを用いて、cDNAの少なくとも一部を核酸増幅する工程とを含む方法が提供される。この核酸増幅方法では、逆転写反応の前に高 温に加熱し、RNAの高次構造等を破壊することで、正確で安定した逆転写反応を実現し、増幅反応においても、安定して優れた核酸の増幅反応を行うことができる。
また、本発明によれば、TERT遺伝子のmRNAの検出方法であって、そのmRNAを75℃以上の温度に加熱する工程と、その工程で得られたRNAを鋳型として、アンチセンスプライマーを用いた逆転写反応を行い、cDNAを合成する工程と、そのcDNAを鋳型として、プライマーセットを用いた核酸増幅法により、そのmRNAの少なくとも一部を含む核酸の増幅産物を得る工程と、その増幅産物を定量的に検出する工程とを含む検出方法が提供される。この核酸の検出方法では、逆転写反応の前に高温に加熱し、RNAの高次構造等を破壊することで、正確で安定した核酸増幅反応を実現し、感度良くTERT遺伝子のmRNAを検出することができる。
また、本発明によれば、TERT遺伝子のmRNAを標的として核酸増幅するためのプライマーセットであって、配列番号:1で示される塩基配列と80%の同一性を有する核酸を含むセンスプライマーと、配列番号:2で示される塩基配列と80%の同一性を有する核酸を含むアンチセンスプライマーとを含んでなるプライマーセットが提供される。 これらのプライマーを用いることにより、正確かつ安定な逆転写反応、核酸増幅反応及び検出を行うことが可能となった。さら に、これらのプライマーは、その感度の高さから、癌の初期において癌細胞の存在証拠を血液中から検出する上でも効果的である。
また、本発明によれば、TERT遺伝子のmRNAを標的として核酸増幅するためのプライマーセットであって、配列番号:3で示される塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする核酸を含むセンスプライマーと、配列番号:4で示される塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする核酸を含むアンチセンスプライマーとを含んでなるプライマーセットが提供される。効果的な逆転写反応及び増幅反応の可能な、これらの領域に対するプライマーを用 いることにより、正確かつ安定な逆転写反応、核酸増幅反応及び検出を行うことが可能となった。さらに、これらのプライマーは、その感度の高さから、癌の初期において癌細胞の存在証拠を血液中から検出する上でも効果的である。
本発明は、TERT遺伝子のmRNAの高感度な検出を可能にし、それを用いた腫瘍の診断を可能にする。
〔発明の経緯〕
本発明者らは、癌特異的な遺伝子であるTERTを高感度に検出すること、及び、それを用いて癌の診断を行うことを目的として鋭意研究を行った結果、特定の逆転写条件、及び/又は、特定のプライマーを用いてTERT遺伝子のmRNAを逆転写することにより、より正確かつ安定した逆転写反応を行うことができ、その後の核酸増幅や検出を感度良く行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明者らは、癌特異的な遺伝子であるTERTを高感度に検出すること、及び、それを用いて癌の診断を行うことを目的として鋭意研究を行った結果、特定の逆転写条件、及び/又は、特定のプライマーを用いてTERT遺伝子のmRNAを逆転写することにより、より正確かつ安定した逆転写反応を行うことができ、その後の核酸増幅や検出を感度良く行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
〔用語の説明〕
本実施形態における「TERT(遺伝子)」とは、約90%の悪性腫瘍において発現する悪性腫瘍(癌)特異的抗原(酵素)であるテロメレースの活性中心に位置するサブユニットの一つであり、特にヒトのTERTをhTERTと称する。本実施形態では、TERTとして、TERTポリペプチドの遺伝子多型体やスプライシングバリアントなどを用いることもできる。テロメレースは、その活性が1994年に発見されて以来、遺伝子の発見及び機能解析が行われてきたが、その臨床応用に関しては、腫瘍形成、転移後の切除組織中からの検出に留まり、血液中から簡易に検出することができなかった。2000年には、乳癌患者の血液からhTERTの定性的検出に関する報告がなされたが(Chen XQ, Clin. Cancer Res., 6: 3823-3826 (2000))、その感度は60%以下であり、臨床応用にはほど遠かった。
本実施形態における「TERT(遺伝子)」とは、約90%の悪性腫瘍において発現する悪性腫瘍(癌)特異的抗原(酵素)であるテロメレースの活性中心に位置するサブユニットの一つであり、特にヒトのTERTをhTERTと称する。本実施形態では、TERTとして、TERTポリペプチドの遺伝子多型体やスプライシングバリアントなどを用いることもできる。テロメレースは、その活性が1994年に発見されて以来、遺伝子の発見及び機能解析が行われてきたが、その臨床応用に関しては、腫瘍形成、転移後の切除組織中からの検出に留まり、血液中から簡易に検出することができなかった。2000年には、乳癌患者の血液からhTERTの定性的検出に関する報告がなされたが(Chen XQ, Clin. Cancer Res., 6: 3823-3826 (2000))、その感度は60%以下であり、臨床応用にはほど遠かった。
また、本実施形態における「核酸」とは、天然に存在する塩基、糖及び糖間結合からなる核酸(RNAおよびDNAの双方を含む)のことをいい、そのオリゴマー(例えば、2から100塩基程度)及びポリマー(例えば、100塩基以上)を含む総称である。本実施形態における核酸は、同様に機能する天然に存在しないモノマー、蛍光分子等や放射性同位体で標識されたモノマー、あるいはこれらを含むオリゴマー又はポリマーを含む。
また、本実施形態における「mRNA」や「cDNA」は、必ずしも完全長である必要は無く、腫瘍の診断など、それぞれの使用目的に応じた鎖長と特異性とを有するmRNAやcDNAであればよい。
また、本実施形態における「プライマー」とは、逆転写反応もしくは核酸増幅反応において、鋳型とハイブリダイズし、逆転写反応もしくは核酸増幅反応を開始するのに必要な核酸のことをいう。逆転写反応もしくは核酸増幅反応において、標的の鋳型とハイブリダイズし、その後の反応を行えるように、好ましくは特異的な生成物(鎖長あるいは配列において)を生成可能なように、より好ましくはプライマー自身がその鋳型特異的な配列を含むように、設計される。また、一般 的なプライマーは、これに限られないが、通常、15塩基−100塩基、好ましくは15塩基−35塩基の鎖長を有するように設計される。
このようなプライマーは、プライマーのGC(グアニン・シトシン)の比率や、融解温度などの当業者によく知られた技術常識、並びにBLAST等の公知のプログラム及びデータベースを用いることにより、当業者には容易に設計可能である。また、各種プライマー設計ソフトウェアを用いてもよく、例えば、 Primer Express TM(パーキン・エルマー、アプライドバイオシステムズ)やPrimer Explorer(富士通株式会社;LAMP法用)を用いて設計することもできる。その際、プライマーの3'側の領域は鋳型鎖に対し相補的であることが好ましいが、5'側には制限酵素認識配列やタグなどを付加することも可能である。
また、例えば核酸増幅法としてICAN法を用いる場合などにおいては、プライマーはDNAだけでなくRNAを含むか、あるいは必要に応じてRNAのみで構成されていてもよい。また、用いる核酸増幅方法/核酸検出方法に応じて、プライマーは、RNAポリメラーゼのプロモーター配列、ステムループ構造部位、制限酵素配列などの様々な機能配列を更に含んでもよい。特に本発明に好適なプライマーについては、後述する。
また、本実施形態において、「特異的にハイブリダイズする」とは、ある核酸に対し、別の核酸が水素結合等を介し、相補的に結合し、比較対照とすべき核酸には同条件では結合しない状態をいう。必ずしも、「他の全ての核酸に対して結合しない」必要性は無く、使用目的に応じた特異性を有していればよい。例えば、TERT遺伝子のmRNAの検出においては、試料中に含まれる他のmRNAに対して無視できるほどにしか弱く結合しない核酸は、「特異的にハイブリダイズ する」核酸であるということができる。
ハイブリダイズの条件は、その核酸の使用目的に応じて選択することができる。例えば、PCRに用いるプライマーとしての核酸であれば、PCRでのアニーリング時の条件でハイブリダイズするように選択される。好ましくは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件でハイブリダイズするものが選択される。
また、本実施形態における「ストリンジェントな条件」は、ハイブリダイゼーション中にホルムアミド等の変性剤を含む条件、例えば、42℃において50%(v/v)ホルムアミドと0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%フィコール/0.1%のポリビニルピロリドン/50mMのpH6.5のリン酸ナトリウムバッファー、及び750mMの塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウムを用いるものや、その適宜改変したものが挙げられるが、これに限られない。ま た、ハイブリダイゼーション条件の温度については、用いる核酸増幅反応あるいはハイブリダイズ反応に応じて定めることができるが、例えば、42℃、43℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、68℃、70℃、72℃である。
また、本実施形態において、「核酸増幅」法としては、標的の核酸を増幅させる方法として公知のものならば、何れの方法を用いてもよいが、プライマー及びプライマーセットを用いる方法として、例えば、PCR法、LAMP法あるいはその他の核酸の協奏的核酸増幅方法が用いられる。特にRNAを増幅する際には、逆転写酵素によってRNAを鋳型としてcDNAを合成し、それと同時或いはそれに引き続いて、耐熱性DNAポリメラーゼによって標的RNA由来の核酸産物 を増幅させるRT−PCR法(Kinetic RT−PCR法など)、RT−LAMP法あるいはその他の核酸の協奏的RNA増幅方法が用いられる。
更に、核酸増幅法としては、上記のLAMP法に加え、NASBA法、TMA法、3SR法、ICAN法、TRC法等を用いることもでき、当業者であれば、それぞれの方法の試薬やキット等の通常用いられれる用い方に従って、これらの方法を実施することができる。
さらに、本発明のRT−PCR反応(逆転写反応と核酸増幅反応)としては、One−Step RT−PCRを用いることもできる。One−Step RT−PCRとは、RTでのインキュベーションからPCRでのサイクリングまで、チューブの開閉や試薬の添加を行うことなく、ワンステップで迅速かつ簡便にRT−PCRを行うことができるRT−PCR法のことであり、当該技術分野ではOne−Step RT−PCRのための様々なキット、プロトコールが使 用可能であり(例えば、QIAGENのOneStepRT−PCRMixなど)、適宜それらを選択して実施することができる。
また、本実施形態において、増幅産物の検出法としては、核酸を検出するための方法として公知のものならば、何れの方法を用いてもよい。例えば、増幅後の核酸を電気泳動して検出しても、検出可能な標識を結合させた核酸プローブを用いたハイブリダイゼーション法を用いて検出してもよいが、多数検体処理、自動化、再現性や二次汚染等の点で有利なインターカレーター性蛍光色素を用いてもよい。
増幅核酸の検出方法は、上記に限られず、例えば、LAMP法では、副産物のピロリン酸マグネシウムによる白濁を指標に検出してもよく、増幅核酸を直接測定しない方法等であっても、それぞれの核酸増幅方法に適用可能な公知の増幅産物検出方法であれば、何れの方法でも用いることができる。
本実施形態に係る「同一性」とは、配列を比較することにより決定される、2以上の核酸の間の関係をいい、核酸の塩基配列間の適合によって決定されるような配列一致性の程度を意味する。「同一性」に関するパラメーターは、既知の方法により容易に計算可能である。この際に、同一の塩基(チミンとウラシンも同一とみなす)を有するDNAとRNAとは結合特性が非常に近いため、同一の核酸塩基として定義される。同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の技量の範囲にある種々の方法、例えば、NCBI(National Center for Biotechnology Information)の提供するBLAST、BLAST2SEQ又はALIGNのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより達成可能であるが、簡便には、BLAST2SEQにおいて標準的な初期パラメーターを用いて計算された値を用いることもできる。
〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態について、説明する。
以下、本発明の実施形態について、説明する。
本発明のある実施形態は、TERT遺伝子のmRNAを75℃以上の温度に加熱する工程と、その工程で得られたRNAを鋳型として、アンチセンスプライマーを用いた逆転写反応を行い、cDNAを合成する工程とを含む、cDNAの製造方法である。
また、本発明の他の実施形態は、TERT遺伝子のmRNAの少なくとも一部に対応するcDNAを増幅するための方法であって、そのmRNAを75℃以上の温度に加熱する工程と、その工程で得られたRNAを鋳型として、アンチセンスプライマーを用いた逆転写反応を行い、cDNAを合成する工程と、そのcDNAを鋳型として、プライマーセットを用いて、cDNAの少なくとも一部を核酸増幅する工程とを含む方法である。
また、本発明の他の実施形態は、TERT遺伝子のmRNAの検出方法であって、そのmRNAを75℃以上の温度に加熱する工程と、その工程で得られたRNAを鋳型として、アンチセンスプライマーを用いた逆転写反応を行い、cDNAを合成する工程と、そのcDNAを鋳型として、プライマーセットを用いた核酸増幅法により、mRNAの少なくとも一部を含む核酸の増幅産物を得る工程と、その増幅産物を定量的に検出する工程とを含む検出方法である。
上記の、TERT遺伝子のcDNAの製造方法、それを用いた核酸増幅方法及び検出方法は、TERT遺伝子のmRNAを高温の加熱処理に付すことで、より正確な逆転写反応を行うことを可能にし、それと関連した核酸増幅反応や核酸の検出反応を、感度良く行うことができる。
RNAは、リボースの2'位にヒドロキシル基を有するため、DNAに比べ化学的な安定性が極めて低く、特に高温水溶液中では極めて不安定で分解しやすいことが知られていた(例えば、Viva Origino 33 (2005) 208-234参照のこと)。そのため、従来、通常の逆転写反応では、mRNAを加熱することは行われておらず、mRNAが高次構造を有する場合の特殊な手法として、mRNAを逆転写反応前に65℃で5−10分間加熱するという手法が僅かに知られているのみであり、通常mRNAをこれ以上の温度に加熱することは感度の低下を招くと考えられていた。これに対し、本発明者らは鋭意研究の結果、TERT遺伝子のmRNAを効率的に逆転写、増幅、検出するためには、逆転写反応前に、TERT遺伝子のmRNAをより高い温度で加熱処理することが極めて効果的であることを見出した。
さらに、通常、増幅反応の鋳型の核酸量が少ない場合、正確性及び再現性よく所望の配列を含む核酸断片を増幅することは困難になるが、本実施形態に係る方法では、その効率的な逆転写反応により、微量の鋳型からも正確で安定した核酸増幅反応を行うことが可能となる。
また、本発明者らが特許文献1に開示するように、TERT遺伝子のmRNAは、癌の臨床診断の上で、極めて重要な指標となるため、本実施形態に係る方法により、微量のTERT遺伝子のmRNAを、正確に逆転写、増幅、検出することは、癌の臨床診断の上でも、極めて有用なものとなる。
本実施形態に係る方法で用いるTERT遺伝子のmRNAとしては、TERT遺伝子のmRNAを含む試料であれば何でも用いることができるが、例えば、血液、リンパ液などの体液、組織試料、細胞、もしくは、それらを抽出・精製処理したものが好適に用いられる。また、TERT遺伝子のmRNAとは、必ずしもTERT遺伝子のmRNAの完全長を含んでいる必要は無く、TERT遺伝子由来で、かつ、逆転写で用いるプライマーに対応した部分が保存されていればよ い。
血液を試料として用いる場合、例えば、血液に適切な遠心分離操作を行うことで、血液細胞の存在を無視できる量になるまで減少させた血清を得、その血清に対してmRNAの検出試薬を反応させることで実施する方法が好適に用いられる。また、血液から得られた血清に対し、更なる処理操作を追加してもよい。このような処理操作としては、例えば、デオキシヌクレーゼ処理等によるDNAの除去、オリゴ(dT)固定化セルロースカラム法(モレキュラー・クローニング第2 版)、オリゴdTラテックス法、ファスト・トラック・mRNA単離キット(インビトロジェン社)、クイック・プレップ・mRNA精製キット(ファルマシア社)等によるmRNAの調製などが挙げられる。
また、正常組織、腫瘍組織、細胞などに対して、例えば、TRIzol試薬(インビトロジェン)などの、固体試料からのRNA抽出試薬を用いて試料を調整し、TERT遺伝子のmRNAを抽出することも、当業者にとっては容易に実施可能である。さらに、細胞から抽出したmRNAではなく、細胞そのまま逆転写反応に使用してもよい。
本実施形態に係る方法では、まず、TERT遺伝子のmRNAを含む試料を加熱し、その後、常法に従い、逆転写反応を行う。核酸増幅方法では、その反応と同時か或いはさらに続いて、そのcDNAを鋳型として各種の核酸増幅反応を行い、検出方法では、その反応と同時か或いはさらに続いて、増幅された核酸を検出する。
mRNAの加熱においては、75℃以上に加熱すれば、安定した逆転写を行うことができるが、好ましくは80℃以上、さらに好ましくは85℃以上、さらに好ましくは90℃以上であり、あるいは、DNAのPCR反応などの場合と同じく95℃以上に加熱してもよい。温度の上限は特に制限されないが、水溶液が沸騰しない範囲の温度である99℃以下で加熱されることが好ましい。加熱時間は、当業者であれば、上記温度範囲における条件検討により、安定した逆転写を行う ことのできる時間を設定することができるが、加熱によるRNAの高次構造等の破壊という目的を考慮すると、例えば、1秒以上加熱することが好ましく、より好ましくは5秒以上、さらに好ましくは10秒以上、さらに好ましくは15秒以上、さらに好ましくは30秒以上である。また、RNAの熱水中の不安定性を考慮すると、例えば、加熱時間は1分以下であることが好ましく、より好ましくは45秒以下、あるいは30秒以下である。
加熱後のmRNAを含む試料は、状況と必要に応じて、次に行う操作に適する温度まで冷却するなどの処理をされた後、逆転写反応に供される。逆転写酵素などの試薬は、通常用いられるものを用いることができ、その際の各種試薬の量や時間や温度などの諸条件なども、プローブ長や目的遺伝子などの因子に適合させて、逆転写酵素に添付されている説明書の記載や通常用いられるプロトコール等などの公知の手法により、適宜決定することができる。例えば、逆転写酵素は分 子生物学実験等に使用可能な公知の任意の逆転写酵素を用いることができ、特に、AMV逆転写酵素、MMLV逆転写酵素、HIV逆転写酵素等、およびそれらの誘導体が好適に使用される。
こうして逆転写合成されたcDNAは、ついで、これを鋳型とした増幅反応を行うこともできる。核酸増幅反応としては、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR;RT-PCR)、LAMP(Loop mediated isothermal amplification)法(RT−LAMP法)、ICAN(Isothermal and chimeric primer-initiated amplification of nucleic acids)法、TMA(Transcription mediated amplification)法、SDA(Strand displacement amplification)法、LCR(Ligase chain reaction)法、NASBA(Nucleic acid sequence-based amplification)法、TRC(Transcription Reverse-transcription Concerted reaction)法あるいは3SR法などを用いることができる。
また、核酸増幅産物の検出法としては、核酸を検出するための方法として公知のものならば、何れの方法を用いてもよい。例えば、増幅後の核酸を電気泳動して検出しても、検出可能な標識を結合させた核酸プローブを用いたハイブリダイゼーション法を用いて検出してもよいが、多数検体処理、自動化、再現性や二次汚染等の点で有利なインターカレーター性蛍光色素を用いてもよい。
また、本発明の更なる実施形態は、One−Step RT−PCRを用いた上述の方法であり、この方法では、RT−PCR反応をワンステップで行うことができる。
従来法では、逆転写反応(RT)とPCR反応を連続しないステップで行うため操作に時間を要し、試料のクロスオーバーやコンタミネーションの危険性があった。これに対し、One−Step RT−PCRでは、RTでのインキュベーションからPCRでのサイクリングまで、チューブの開閉や試薬の添加を行うことなく、ワンステップで迅速かつ簡便にRT−PCRを行うことができる。このOne−Step RT−PCRは、複数の試料で比較実験を行う場合に極めて 有効であるため、例えば、本発明を用いた複数の試料からの腫瘍の検出などにおいて、極めて有効となる。
従来法では、逆転写反応(RT)とPCR反応を連続しないステップで行うため操作に時間を要し、試料のクロスオーバーやコンタミネーションの危険性があった。これに対し、One−Step RT−PCRでは、RTでのインキュベーションからPCRでのサイクリングまで、チューブの開閉や試薬の添加を行うことなく、ワンステップで迅速かつ簡便にRT−PCRを行うことができる。このOne−Step RT−PCRは、複数の試料で比較実験を行う場合に極めて 有効であるため、例えば、本発明を用いた複数の試料からの腫瘍の検出などにおいて、極めて有効となる。
また、別の実施形態では、上述の方法は、リアルタイムRT−PCRを用いた方法であってもよい。リアルタイムPCRを用いることで、ワンステップあるいは短いステップ数の工程で、簡便に、リアルタイムで、かつ定量的に、検出工程までを行うことが可能となる。リアルタイムRT−PCRとしては、例えば、各種蛍光PCRベースの技術を用いることが可能である。蛍光PCRベースの技術としては、例えば、SYBR GREEN Iなどの各種の蛍光性核酸標識剤を用 いるインターカレーター法(例えば、ライトサイクラー(登録商標:ロシュ社)、ABI Prizm 7700 Sequence Detection System(登録商標)(パーキン・エルマー、アプライド・バイオシステムズ社)を用いる)、TaqDNAポリメラーゼ酵素の5'エキソヌクレアーゼ活性を利用して増幅をリアルタイムでモニターするTaqManプローブ法、RNaseH酵素のRNase活性及び専用のキメラRNAプローブを利用するサイクリングプローブ法などが挙げられるが、これに限られない。
また、本発明の更なる実施形態は、mRNAを加熱する工程の後に、加熱後のmRNAを急冷する工程を更に含む上述の方法である。
氷冷やサーマルサイクラー等により、加熱後のmRNAを急速に冷却することで、加熱により高次構造等が破壊されたmRNAが再びアニーリング等の高次構造形成をすることなく、次の逆転写反応を行うことができ、これにより逆転写反応の正確性や安定性がさらに高まる。急冷処理は、例えば、逆転写反応に適した温度付近(例えば、37℃、42℃、50℃、55℃もしくは60℃)まで急冷することができるが、0℃以上で、4℃以下あるいは10℃以下に急令すること で、より効果的に高次構造形成を防ぐこともできる。
氷冷やサーマルサイクラー等により、加熱後のmRNAを急速に冷却することで、加熱により高次構造等が破壊されたmRNAが再びアニーリング等の高次構造形成をすることなく、次の逆転写反応を行うことができ、これにより逆転写反応の正確性や安定性がさらに高まる。急冷処理は、例えば、逆転写反応に適した温度付近(例えば、37℃、42℃、50℃、55℃もしくは60℃)まで急冷することができるが、0℃以上で、4℃以下あるいは10℃以下に急令すること で、より効果的に高次構造形成を防ぐこともできる。
また、本発明のある実施形態は、逆転写反応が60℃以上で行われる上述の方法である。
逆転写反応は、一般的に40℃から60℃の温度範囲(50℃前後が多い)で行われることが多いが、熱安定性の逆転写酵素を用いる、もしくは適切な温度を選択するなどして、高温(例えば60℃以上)で逆転写反応を行うことにより、逆転写反応の鋳型となるmRNAの高次構造形成を防ぎ、より正確で安定した逆転写反応を行うことができる。さらに、条件に応じて、変性処理の後に、逆転写酵素を再度添加することなく逆転写工程を行ってもよく、その場合は、cDNAの 合成(製造)の全体を自動化することもできる。
逆転写反応は、一般的に40℃から60℃の温度範囲(50℃前後が多い)で行われることが多いが、熱安定性の逆転写酵素を用いる、もしくは適切な温度を選択するなどして、高温(例えば60℃以上)で逆転写反応を行うことにより、逆転写反応の鋳型となるmRNAの高次構造形成を防ぎ、より正確で安定した逆転写反応を行うことができる。さらに、条件に応じて、変性処理の後に、逆転写酵素を再度添加することなく逆転写工程を行ってもよく、その場合は、cDNAの 合成(製造)の全体を自動化することもできる。
また、本発明の他の実施形態は、TERT遺伝子のmRNAを標的として核酸増幅するためのプライマーセットであって、配列番号:1で示される塩基配列と80%の同一性を有する核酸を含むセンスプライマーと、配列番号:2で示される塩基配列と80%の同一性を有する核酸を含むアンチセンスプライマーとを含んでなるプライマーセットである。
また、本発明の他の実施形態は、TERT遺伝子のmRNAを標的として核酸増幅するためのプライマーセットであって、配列番号:3で示される塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする核酸を含むセンスプライマーと、配列番号:4で示される塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする核酸を含むアンチセンスプライマーとを含んでなるプライマーセットである。
また、本発明の更なる実施形態は、上述のアンチセンスプライマー及びプライマーセットを用いて行う、上述のTERT遺伝子のcDNAの製造方法、増幅方法、検出方法である。
また、本発明の更なる実施形態は、アンチセンスプライマーが配列番号:6で示される塩基配列と80%の相同性を有する核酸を含むアンチセンスプライマーであり、プライマーセットが、配列番号:5で示される塩基配列と80%の相同性を有する核酸を含むセンスプライマーと、配列番号:6で示される塩基配列と80%の相同性を有する核酸を含むアンチセンスプライマーとを含んでなるプライマーセットである、上述のTERT遺伝子のcDNAの製造方法、増幅方法、 検出方法である。
また、本発明の更なる実施形態は、アンチセンスプライマーが配列番号:8で示される塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする核酸を含むアンチセンスプライマーであり、プライマーセットが、配列番号:7で示される塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする核酸を含むセンスプライマーと、配列番号:8で示される塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする核酸を含むアンチセンスプライマーとを含んでなるプライマーセット である、上述のTERT遺伝子のcDNAの製造方法、増幅方法、検出方法である。
ここで、配列番号:1(gttcttccaa acttgctgat gaaat; TERT_NM_198253.2の3049-3071由来)及び2(gtgcaccaac atctacaaga tcc; TERT_NM_198253.2の3118-3142由来)は、本発明に好適なプライマーであり、配列番号:3(atttcatcag caagtttgga agaac; TERT_NM_198253.2の3049-3071由来)及び4(ggatcttgta gatgttggtg cac; TERT_NM_198253.2の3118-3142由来)は、それらのプライマーに対応するTERT遺伝子のmRNA上の配列(あるいは相補的配列)である。また、配列番号:5(cggaagagtg tctggagcaa; TERT_NM_198253.2の1787-1806由来)及び6(ggatgaagcg gagtctgga; TERT_NM_198253.2の1913-1931由来)は、特許文献1において本発明者らが開示している本発明に好適なプライマーであり、配列番 号:7(ttgctccaga cactcttccg; TERT_NM_198253.2の1787-1806由来)及び8(tccagactcc gcttcatcc; TERT_NM_198253.2の1913-1931由来)はそれらのプライマーに対応するTERT遺伝子のmRNA上の配列(あるいは相補的配列)である。これらのプライマーは、TERT遺伝子の配列(遺伝子データベース上では"TERT_NM_198253.2"である配列)を用いて設計された。
効果的な逆転写反応の可能なこれらの領域に対するプライマーを用いて逆転写反応及び核酸増幅を行うことにより、正確かつ安定な逆転写反応及び核酸増幅反応を行うことが可能となった。さらに、これらのプライマーは、その感度の高さから、腫瘍(癌)の初期において癌細胞の存在証拠を血液中から検出する上でも極めて有効である。
さらに、これらのプライマーは、本実施形態に示す逆転写反応前のmRNAの加熱処理と併用することで、逆転写(増幅、検出)反応における正確性、安定性及び感度をさらに増すことができる。
さらに、これらのプライマーは、本実施形態に示す逆転写反応前のmRNAの加熱処理と併用することで、逆転写(増幅、検出)反応における正確性、安定性及び感度をさらに増すことができる。
同一性で定義される上述のプライマーと各配列番号で示される塩基配列との間の同一性は、85%以上、90%以上、95%以上あるいは98%以上(100%以下)であることが好ましい。あるいは、上記塩基配列に対し、1塩基、2塩基、3塩基、4塩基、5塩基、又は数塩基の置換・欠失・挿入がなされた塩基配列を含むプライマーを用いてもよい(同一性の定義の際と同様に、同一の塩基を有するRNAとDNAの置換は、ここでの置換・欠失・挿入には含めない)。ま た、上記の塩基配列内の連続する配列であると、更に好ましい。
本発明のプライマーセットを用いる核酸増幅は、TERT遺伝子のmRNAを鋳型として、上述のアンチセンスプライマーによりcDNAを合成し、それと同時か或いはそれに引き続いて、上述のプライマーセットと適当なDNAポリメラーゼ活性および/あるいはRNAポリメラーゼ活性により連鎖的に実行される核酸増幅法によってなされる。以上の核酸増幅方法で得られた増幅産物は公知の核酸検出方法で検出することが可能である。
また、本発明の更なる実施形態は、センスプライマーが配列番号:1で示される塩基配列からなる核酸を含み、かつ、アンチセンスプライマーが配列番号:2で示される塩基配列からなる核酸を含む上述のプライマーセットである。
また、本発明の更なる実施形態は、アンチセンスプライマーが配列番号:6で示される塩基配列からなる核酸を含むアンチセンスプライマーであり、プライマーセットが、配列番号:5で示される塩基配列からなる核酸を含むセンスプライマーと、配列番号:6で示される塩基配列からなる核酸を含むアンチセンスプライマーとを含んでなる、上述のTERT遺伝子のcDNAの製造方法、増幅方法、検出方法である。
これらの、特定のプライマー配列を有するプライマーセットを用いることで、より確実かつ特異的なTERT遺伝子のmRNAの逆転写、核酸増幅及び検出を行うことができる。
それぞれのプライマーは、その目的に応じて、更に様々なものを付加して含んでもよいが、プライマーとしての有効性を考えると、その長さは少なくとも15塩基以上、あるいは18塩基以上、あるいは20塩基以上である。長さの上限は、特に制限されるものではないが、プライマーが長すぎることによる核酸増幅反応の効率低下や各増幅反応に必要なプライマー長を考慮し、上限を、100塩基以下、80塩基以下、60塩基以下、あるいは50塩基以下としてもよい。
また、本発明の更なる他の実施形態は、上述のプライマーセットを含む腫瘍の診断キットである。
この診断キットにおいては、TERT遺伝子のmRNAの発現量が高い場合は腫瘍の疑いが高いと診断され、その基準等は、当分野の医師などによる症例の比較などを通じて適宜設定することができる。
この診断キットにおいては、TERT遺伝子のmRNAの発現量が高い場合は腫瘍の疑いが高いと診断され、その基準等は、当分野の医師などによる症例の比較などを通じて適宜設定することができる。
腫瘍の診断においては、例えば、血液1ml中における1個の腫瘍細胞の存在を検出することができれば、循環している血液全体では3000個〜4000個の細胞に匹敵し、これは腫瘍生着の動物実験における、生着可能となる腫瘍細胞の数に匹敵することになる。仮に、3000個〜4000個の循環細胞が腫瘍中の全細胞の0.01%であると仮定しても、その段階での腫瘍には約4×107個の細胞しか含まれず、そのような数の細胞を含む腫瘍は、現在のいずれの方法によっても検出することができない。
したがって、腫瘍(癌)の初期の段階において腫瘍細胞が流出する場合、感度の高い検出方法が開発できれば、初期の段階の腫瘍(癌)でさえ検出することが可能となる。したがって、例えば、腫瘍細胞が腫瘍サイズといくらかの関連性を以って血液中に流出する場合、本実施形態に係る診断キットは効果的であり、腫瘍負荷を評価するための定量的試験としても有効となる。
さらに、流出した腫瘍細胞と生体内の免疫細胞との闘いの際に、腫瘍細胞や免疫細胞内の多種多様なDNAやタンパク質やRNAなどが血液中に流れ出ることでRNAが検出されることもあるため、腫瘍特異的RNAの検出は、転移の最も早期での出来事を反映しているとも考えられる。
したがって、非常に高感度で安定した検出が可能な、本実施形態に係る診断キットは、通常の腫瘍(癌)診断キットとしても有用であるだけでなく、特に、癌の初期段階での診断ではより一層有用である。この診断キットは、癌の初期において癌細胞の存在証拠を血液中から検出することもできるので、癌組織腫瘍形成、転移後の切除組織中から癌関連遺伝子を検出する場合に比べ、癌細胞の有無をより正確に検出することも可能である。
本発明に係る他の実施形態は、上述の診断キットを含む製造品である。この製造品は容器及び容器に備え付けられるラベル又はパッケージ挿入物を含む。容器は、例えば、ビン、バイアル、シリンジ等を含み、ガラス又はプラスチックなどの適切な素材から選択される。容器は、本発明に係る診断キットを含む組成物を収容し、場合によっては無菌のアクセスポートを有し得る形態も可能である(例えば、皮下注射針で貫通可能なストッパーを有する静脈内溶液バイアルであって よい)。ラベル又はパッケージ挿入物は、組成物が癌又は腫瘍の診断のために使用されることを示す。ラベル又はパッケージ挿入物は、診断に用いる際の注意書きを更に含む。製造品はさらに、コントロール試料、各種緩衝液、希釈液、フィルター、針、シリンジ及び注射用の静菌水(BWFI)等を含む付加的な容器を具備してもよい。
なお、上述の実施形態により説明される各種の方法やプライマーセット等は、本願発明を限定するものではなく、例示することを意図して開示されているものである。本願発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載により定められるものであり、当業者は、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲において種々の設計的変更が可能である。
例えば、本発明のプライマーセットをLAMP法などに用いる場合、TERT遺伝子のmRNA上で、この配列の外を標的とするプライマーを更に含む、4対のプライマーからなるプライマーセットとすることもできる。このように、それぞれの核酸増幅法の必要性に応じて、更に付加的なプライマーを有してもよく、そのような付加的なプライマーの数や配列等は、それぞれの核酸増幅法に応じて、常法に従い容易に設計することができる。これらの変形例も、本願発明の技術的 範囲に含まれる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これは一例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例で言及されている市販試薬は、特に示さない限りは製造者の使用説明に従い使用した。
本実施例では、最初に被験者(患者)の血液を採取し、次に血液中からRNAを含む試料を得た。この段階では、血液中を循環しているRNAを、他の血液細胞の影響を極力受けることのないように、選択的に抽出した。
より具体的に説明すると、以下のような手順で試料を調製した。
1)採血管にEDTAが混入していない場合
患者から採取した血液(約1〜2mL)について、700〜800xgで10分間、4℃で遠心分離し、上清を他のRNase freeのチューブに移し、それを1500xgで10分間、4℃で遠心分離し、上清を別のRNase freeのチューブに移し、最後に、1600〜3000xgで10分間、4℃で遠心分離し、RNAを含む原試料として、直ぐに用いるか、使用まで−80℃に貯蔵した。
1)採血管にEDTAが混入していない場合
患者から採取した血液(約1〜2mL)について、700〜800xgで10分間、4℃で遠心分離し、上清を他のRNase freeのチューブに移し、それを1500xgで10分間、4℃で遠心分離し、上清を別のRNase freeのチューブに移し、最後に、1600〜3000xgで10分間、4℃で遠心分離し、RNAを含む原試料として、直ぐに用いるか、使用まで−80℃に貯蔵した。
2)採血管にEDTAが混入している場合
採血管にEDTAが混入している場合は、上記のようにして得た体液を1500〜1600xgで10分間、4℃で遠心分離し、上清を他のRNase freeのチューブに移し、15,000xg以上で、10分間、4℃で遠心分離し、その上清を0.22μmのフィルターで濾過して、RNAを含む原試料として、直ぐに用いるか、使用まで−80℃に貯蔵した。
採血管にEDTAが混入している場合は、上記のようにして得た体液を1500〜1600xgで10分間、4℃で遠心分離し、上清を他のRNase freeのチューブに移し、15,000xg以上で、10分間、4℃で遠心分離し、その上清を0.22μmのフィルターで濾過して、RNAを含む原試料として、直ぐに用いるか、使用まで−80℃に貯蔵した。
上記により調製した原試料100μLに対し、175μLの希釈緩衝液、lisys buffer(SV total RNA isolation system)またはTRIzol試薬、及びDNaseを用いて、SV total RNA isolation systemに付属の使用説明書に従い、RNA抽出を行った。計RNase free water 200μLを用いた2回の溶出により試料を得た。
次に、1μLの試料に対し、2μLのSYBR GreenI(ロシュ社)を蛍光剤として用い、One Step RT−PCR Kit(キアゲン社)、及び、LightCycler(ロシュ社)を使用してリアルタイムRT−PCRを行った。
その際の反応条件は、以下のものを用いて行った。
1)逆転写前に、試料を様々な温度にて加熱した。
2)逆転写反応を、61℃で20−30分で行った。
3)反応活性化段階(RNase失活など)として、95℃で15分加熱した。
4)一般的な3ステップのPCR反応を55サイクル程度(アニーリング温度はプライマーに応じて変化させた)行った。
1)逆転写前に、試料を様々な温度にて加熱した。
2)逆転写反応を、61℃で20−30分で行った。
3)反応活性化段階(RNase失活など)として、95℃で15分加熱した。
4)一般的な3ステップのPCR反応を55サイクル程度(アニーリング温度はプライマーに応じて変化させた)行った。
このRT−PCRについて解析した実験結果の一部を、図1−15に示した。
より具体的には、逆転写前の加熱条件を変化させた際の、RT―PCRによる核酸増幅産物の量(インターカレーター性色素の蛍光の変化量)をRT−PCRのサイクル数の関数としてグラフで示したものが図1−12のaである。また、逆転写前の加熱条件を変化させた際の、RT−PCR後の核酸増幅産物の融解曲線の負の一次微分曲線(−dF/dT)を示したものが図1−12のb(Newのプライマー:配列番号:1および2を使用)およびc(Oldのプライマー:配 列番号:5および6を使用)である。また、逆転写前の加熱条件を変化させた際の、RT−PCRによる増幅結果(核酸増幅産物)を通常の核酸電気泳動により確認したものが図13−15である。
より具体的には、逆転写前の加熱条件を変化させた際の、RT―PCRによる核酸増幅産物の量(インターカレーター性色素の蛍光の変化量)をRT−PCRのサイクル数の関数としてグラフで示したものが図1−12のaである。また、逆転写前の加熱条件を変化させた際の、RT−PCR後の核酸増幅産物の融解曲線の負の一次微分曲線(−dF/dT)を示したものが図1−12のb(Newのプライマー:配列番号:1および2を使用)およびc(Oldのプライマー:配 列番号:5および6を使用)である。また、逆転写前の加熱条件を変化させた際の、RT−PCRによる増幅結果(核酸増幅産物)を通常の核酸電気泳動により確認したものが図13−15である。
また、結果を示した実験に用いたプライマーの塩基配列を、それぞれ、配列番号:1、2、5及び6に示す。図1−15の実験結果中では、配列番号1および2のプライマーセットを「New(もしくはN)」、配列番号5および6のプライマーセットを「Old(もしくはO)」と記した。
図1−12のaによると、いずれのプライマーの、何れの加熱条件においても、通常のシグモイド曲線が得られており、これらのプライマーおよび加熱条件のRT−PCRが有効に機能していることが明らかとなった。
次に、図1−12において、bは図中New(N)のプライマー(すなわち配列番号:1および2)、cは図中Old(O)のプライマー(すなわち配列番号:5および6)によりRT−PCRを行った際の、核酸増幅産物の融解曲線の負の一次微分曲線(−dF/dT)を表している。核酸増幅産物の融解曲線は、核酸増幅産物の融解温度(Tm)を反映しているため、その負の微分曲線も、同様に核酸の融解温度を反映している。一般的に、それぞれの核酸は、固有の融解温度を有していると考えられるので、この曲線におけるピークは、それぞれ固有の核酸を示すものと考えられる。すなわち、ピークが一本の場合は、一つの核酸が特異的に存在していると考えられ、ピークが複数の場合は、複数の核酸が存在しており、測定が不正確になると考えられる。また、ピーク幅が狭いほど、特定の分子を増幅しており、反応の特異性が高いと考えられる。
まず、逆転写前に加熱しなかった場合(図1)でも、ある程度選択的に核酸増幅はなされ、特にNew(配列番号:1および2)のプライマーを用いた場合、従来のOldのプライマーよりも特異的な増幅が可能となっている。
これに対し、逆転写前に高温加熱処理を施した、図2−12に示すRT−PCRでは、加熱しなかった際に複数観察されたピークが減少しており、また、目的物のピークと考えられる最も大きなピークは、高く細くシャープとなっており、PCRの特異性がさらに高まっていることが確認された。特に、Newのプライマーを用いた際には、逆転写前の高温加熱処理による特異性の上昇が顕著であることが明らかとなった。
これに対し、逆転写前に高温加熱処理を施した、図2−12に示すRT−PCRでは、加熱しなかった際に複数観察されたピークが減少しており、また、目的物のピークと考えられる最も大きなピークは、高く細くシャープとなっており、PCRの特異性がさらに高まっていることが確認された。特に、Newのプライマーを用いた際には、逆転写前の高温加熱処理による特異性の上昇が顕著であることが明らかとなった。
さらに、このRT−PCRの結果の核酸増幅産物を電気泳動により確認した(図13−15)。その結果、非加熱の状態でも、ある程度特異的に増幅されていることが確認されたが、逆転写前の高温加熱により目的物のバンドがさらに細くシャープになり、さらに特異性の高い増幅が行われていることが確認された。
以上の結果から、TERT遺伝子のmRNAの逆転写反応とその後の増幅反応(すなわちRT−PCR)において、1)逆転写前に高温に加熱することにより非特異的な増幅産物が減少し、RT−PCRの特異性が増し、従来より感度が高くなること、および2)本発明ではじめて配列を開示したプライマー(図中New:配列番号:1および2)は従来のもの(図中Old:配列番号:5および6、国際公開WO2005/049864公報)よりさらに特異性・感度が高 く、さらに逆転写前の高温加熱と組合わせることで、より大きく特異性と感度が増すこと、が明らかとなった。国際公開WO2005/049864公報で開示された内容と合わせると、本実施例で示された逆転写前に高温に加熱すること、および/又は、本実施例で示されたプライマーは、従来よりさらに感度良く、TERT遺伝子の分析に基づいた腫瘍(癌)の診断を行うことができると考えられる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
Claims (15)
- TERT遺伝子のmRNAを75℃以上の温度に加熱する工程と、
前記工程で得られたRNAを鋳型として、アンチセンスプライマーを用いた逆転写反応を行い、cDNAを合成する工程と
を含む、cDNAの製造方法。 - TERT遺伝子のmRNAの少なくとも一部に対応するcDNAを増幅するための方法であって、
前記mRNAを75℃以上の温度に加熱する工程と、
前記工程で得られたRNAを鋳型として、アンチセンスプライマーを用いた逆転写反応を行い、cDNAを合成する工程と、
前記cDNAを鋳型として、プライマーセットを用いて、前記cDNAの少なくとも一部を核酸増幅する工程と
を含む、方法。 - One−Step RT−PCRである、請求項2に記載の方法。
- mRNAを加熱する工程の後に、加熱後のmRNAを急冷する工程を更に含む、請求項2に記載の方法。
- 前記逆転写反応が60℃以上で行われる、請求項2に記載の方法。
- TERT遺伝子のmRNAを標的として核酸増幅するためのプライマーセットであって、
配列番号:1で示される塩基配列と80%の同一性を有する核酸を含むセンスプライマーと、
配列番号:2で示される塩基配列と80%の同一性を有する核酸を含むアンチセンスプライマーとを含んでなるプライマーセット。 - 前記センスプライマーが配列番号:1で示される塩基配列からなる核酸を含み、かつ、前記アンチセンスプライマーが配列番号:2で示される塩基配列からなる核酸を含む、請求項6に記載のプライマーセット。
- TERT遺伝子のmRNAを標的として核酸増幅するためのプライマーセットであって、
配列番号:3で示される塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする核酸を含むセンスプライマーと、
配列番号:4で示される塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする核酸を含むアンチセンスプライマーとを含んでなるプライマーセット。 - 前記センスプライマーが配列番号:1で示される塩基配列からなる核酸を含み、かつ、前記アンチセンスプライマーが配列番号:2で示される塩基配列からなる核酸を含む、請求項8に記載のプライマーセット。
- 請求項6または8に記載のプライマーセットを含む、腫瘍の診断キット。
- 前記アンチセンスプライマーが請求項6または8に記載のアンチセンスプライマーであり、かつ、前記プライマーセットが請求項6または8に記載のプライマーセットである、請求項2に記載の方法。
- 前記アンチセンスプライマーが配列番号:6で示される塩基配列と80%の相同性を有する核酸を含むアンチセンスプライマーであり、
前記プライマーセットが、
配列番号:5で示される塩基配列と80%の相同性を有する核酸を含むセンスプライマーと、
配列番号:6で示される塩基配列と80%の相同性を有する核酸を含むアンチセンスプライマーと
を含んでなるプライマーセットである、請求項2に記載の方法。 - 前記アンチセンスプライマーが配列番号:8で示される塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする核酸を含むアンチセンスプライマーであり、
前記プライマーセットが、
配列番号:7で示される塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする核酸を含むセンスプライマーと、
配列番号:8で示される塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする核酸を含むアンチセンスプライマーと
を含んでなるプライマーセットである、請求項2に記載の方法。 - 前記アンチセンスプライマーが配列番号:6で示される塩基配列からなる核酸を含むアンチセンスプライマーであり、
前記プライマーセットが、
配列番号:5で示される塩基配列からなる核酸を含むセンスプライマーと、
配列番号:6で示される塩基配列からなる核酸を含むアンチセンスプライマーと
を含んでなる、請求項2に記載の方法。 - TERT遺伝子のmRNAの検出方法であって、
前記mRNAを75℃以上の温度に加熱する工程と、
前記工程で得られたRNAを鋳型として、アンチセンスプライマーを用いた逆転写反応を行い、cDNAを合成する工程と、
前記cDNAを鋳型として、プライマーセットを用いた核酸増幅法により、前記mRNAの少なくとも一部を含む核酸の増幅産物を得る工程と、
前記増幅産物を定量的に検出する工程と
を含む、検出方法。
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