JP2014239228A - Cmp研磨液 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来と比較して粗大粒子を効果的に低減し、研磨後の被研磨面におけるスクラッチの発生を抑制することが可能なCMP研磨液を提供する。
【解決手段】本発明に係るCMP研磨液は、砥粒と水とを含有する混合液をフィルタ1で濾過して得られるCMP研磨液であって、当該CMP研磨液における0.56μm以上の粒径の粗大粒子数が5010個/ml以下であり、フィルタ1は、円筒状の濾材積層体5を有し、濾材積層体5は、外周側から内周側に向かって複数枚の不織布状の濾材5aが配置されてなると共にプリーツ加工されており、濾材5aを構成するフィルタ繊維の平均繊維径及びフィルタ繊維間の孔が外周側から内周側に向かって小さくなっており、濾材の枚数を数えて外周側の濾材と内周側の濾材との間の中央に位置する中間層について所定の工程により算出されるフィルタ繊維の5%トリム平均繊維長が50〜55μmである。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係るCMP研磨液は、砥粒と水とを含有する混合液をフィルタ1で濾過して得られるCMP研磨液であって、当該CMP研磨液における0.56μm以上の粒径の粗大粒子数が5010個/ml以下であり、フィルタ1は、円筒状の濾材積層体5を有し、濾材積層体5は、外周側から内周側に向かって複数枚の不織布状の濾材5aが配置されてなると共にプリーツ加工されており、濾材5aを構成するフィルタ繊維の平均繊維径及びフィルタ繊維間の孔が外周側から内周側に向かって小さくなっており、濾材の枚数を数えて外周側の濾材と内周側の濾材との間の中央に位置する中間層について所定の工程により算出されるフィルタ繊維の5%トリム平均繊維長が50〜55μmである。
【選択図】図1
Description
本発明は、CMP研磨液の製造方法及び基板の研磨方法に関し、特に、半導体デバイスの配線形成工程等における研磨に使用されるCMP研磨液の製造方法及び基板の研磨方法に関する。
CMPに用いられる金属用研磨液としては、研磨対象の金属種や研磨対象の基体の構造等に応じて多種多様なものが存在している。例えば、表面に隆起部及び溝部からなる凹凸を有する層間絶縁膜の溝部に銅等の導電性物質を埋め込むダマシンプロセスにおいて、層間絶縁膜の凹凸に沿って層間絶縁膜上に配置されるタンタル等のバリア膜を研磨するための研磨液として、砥粒、酸化剤、酸化金属溶解剤、保護膜形成剤を含むCMP研磨液などがある(例えば、下記特許文献1参照)。
このようなCMP研磨液を用いて研磨を行う際には、研磨液中に粗大粒子が存在することにより、バリア膜、銅配線(溝部の導電性物質)、層間絶縁膜の表面などに大小様々な研磨傷(以下、「スクラッチ」という。)が発生してしまう場合がある。このようにスクラッチが発生してしまう問題に関しては、これまで、研磨液をフィルタで濾過して研磨液中の粗大粒子そのものを除去すること、粗大粒子の混入が少ない粒子径の揃った砥粒を用いること、粒子の凝集を抑制して粗大粒子の一種となる凝集体を低減することにより対処している。
中でも、最も直接的で効果的と考えられているのは、研磨液をフィルタで濾過することにより粗大粒子を除去する方法である。このような濾過に用いるフィルタのメディア形状としては、デプスタイプやプリーツタイプなどが知られている。デプスタイプは、円筒状のフィルタ外周側(外側)から内周側(中心側)に向かって、繊維径が小さくなるようにかつ孔が小さくなるように勾配をもたせて多数の濾材が積層され、濾材表面だけでなく濾材内部でも固体粒子を捕捉するような深層濾過が可能なフィルタである。プリーツタイプは、濾過面積を広くするために単層の濾材がひだ折り加工されており(ここで用いられる濾材は、ある程度の厚みをもつ場合もある)、濾材表面で固体粒子を捕捉する表層濾過が可能なフィルタである。フィルタメーカー各社は、CMP研磨液などの濾過にはデプスタイプを推奨しており、プロセス水などの濾過にはプリーツタイプを推奨している。いずれにしても、水やCMP研磨液のような低粘度の液体の濾過用途のフィルタとしては、このデプスタイプやプリーツタイプが一般的である。
しかしながら、近年のデバイスの多様化や配線の微細化に伴ってスクラッチに対する顧客要求も厳しくなり、前記のような方法ではその要求を満たすほど粗大粒子を低減することが困難になってきている。したがって、粗大粒子を更に低減することが求められている。
本発明は、前記問題点に鑑み、従来と比較して粗大粒子を効果的に低減し、研磨後の被研磨面におけるスクラッチの発生を抑制することが可能なCMP研磨液の製造方法及び基板の研磨方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために種々の検討を行った結果、CMP研磨液の濾過に使用することがこれまで一般的に推奨されていないデプスプリーツタイプをフィルタとして用いた上で、濾材を構成するフィルタ繊維の直線性を、SEM観察して得られる画像におけるフィルタ繊維の繊維長に基づき調整することにより前記課題を解決することができることを見出した。
本発明に係るCMP研磨液の製造方法は、砥粒と水とを含有する混合液をフィルタで濾過してCMP研磨液を得る工程を備え、フィルタは、筒状の濾材積層体を有し、濾材積層体は、外周側から内周側に向かって複数枚の不織布状の濾材が配置されてなると共にプリーツ加工されており、濾材を構成するフィルタ繊維の平均繊維径及びフィルタ繊維間の孔が外周側から内周側に向かって小さくなっており、濾材の枚数を数えて外周側の濾材と内周側の濾材との間の中央に位置する中間層について下記工程(a)〜(d)により算出されるフィルタ繊維の5%トリム平均繊維長が50〜55μmである。
工程(a):中間層を1000倍でSEM観察して画像を得る。
工程(b):工程(a)で得られた画像において濾材の50μm×50μmの領域を選択する。
工程(c):工程(b)で選択された領域の一辺から当該一辺に対向する辺にわたって延在しているフィルタ繊維を前記領域において全て特定し、当該フィルタ繊維のそれぞれについて前記領域における繊維長を算出する。
工程(d):工程(c)で算出される繊維長を、工程(a)〜(c)を繰り返して計3回取得し、当該繊維長のうち大きい順に5%及び小さい順に5%を除き、残りの繊維長について平均値を5%トリム平均繊維長として算出する。
工程(a):中間層を1000倍でSEM観察して画像を得る。
工程(b):工程(a)で得られた画像において濾材の50μm×50μmの領域を選択する。
工程(c):工程(b)で選択された領域の一辺から当該一辺に対向する辺にわたって延在しているフィルタ繊維を前記領域において全て特定し、当該フィルタ繊維のそれぞれについて前記領域における繊維長を算出する。
工程(d):工程(c)で算出される繊維長を、工程(a)〜(c)を繰り返して計3回取得し、当該繊維長のうち大きい順に5%及び小さい順に5%を除き、残りの繊維長について平均値を5%トリム平均繊維長として算出する。
なお、「中間層」とは、外周側の濾材と内周側の濾材との間の丁度中間にあたる層であり、濾材積層体を構成する濾材の枚数が2n+2枚(nは自然数)で表される偶数である場合は、外周側から数えてn+1枚目の濾材として定義する。また、濾材積層体を構成する濾材の枚数が2n+1枚(nは自然数)で表される奇数である場合は、外周側から数えてn+1枚目の濾材として定義する。
本発明に係るCMP研磨液の製造方法では、従来と比較して粗大粒子を効果的に低減し、研磨後の被研磨面におけるスクラッチの発生を抑制することができる。なお、「トリム平均」とは、一般に調整平均や刈り込み平均とも呼ばれる平均値の算出方法であり、分布の両端から一定数の値を除いた上で求める平均のことである。本発明においては、大きい順に5%の値と小さい順に5%の値を除いて求められる、分布の中心90%分に該当する平均値を5%トリム平均として定義する。
工程(d)における前記残りの繊維長のうち最小の値は、50〜55μmであることが好ましい。また、工程(d)における前記残りの繊維長のうち最大の値は、50〜60μmであることが好ましい。これらの場合、中間層に含まれるフィルタ繊維の直線性は更に高くなり、粗大粒子を更に効果的に低減すること、及び、濾過において高流量を実現することを両立できる傾向がある。
本発明者らは、フィルタ繊維の直線性に関する前記条件に加えて、フィルタ繊維の繊維径を調整することで、粗大粒子を捕捉(吸着)する表面と空隙(又は細孔)とをフィルタに効率よく形成可能であり、その結果、粗大粒子を更に効果的に低減すること、及び、濾過において高流量を実現することを容易に両立できるようになることを見出した。すなわち、中間層において、下記工程(e)〜(h)により算出されるフィルタ繊維の平均繊維径は、0.5〜1.0μmであることが好ましい。
工程(e):工程(a)で得られた画像において20本のフィルタ繊維を選択する。
工程(f):工程(e)で選択された20本のフィルタ繊維のそれぞれについて繊維径の平均値を算出する。
工程(g):工程(f)で算出された繊維径の平均値に基づき、20本のフィルタ繊維全体における繊維径の平均値を算出する。
工程(h):工程(g)で算出される平均値を、工程(e)〜(g)を繰り返して計3回取得し、繰り返し3回の平均値を中間層における平均繊維径として算出する。
工程(e):工程(a)で得られた画像において20本のフィルタ繊維を選択する。
工程(f):工程(e)で選択された20本のフィルタ繊維のそれぞれについて繊維径の平均値を算出する。
工程(g):工程(f)で算出された繊維径の平均値に基づき、20本のフィルタ繊維全体における繊維径の平均値を算出する。
工程(h):工程(g)で算出される平均値を、工程(e)〜(g)を繰り返して計3回取得し、繰り返し3回の平均値を中間層における平均繊維径として算出する。
工程(f)で算出される繊維径の平均値のうち最小の値は、0.1〜0.5μmであることが好ましい。また、工程(f)で算出される繊維径の平均値のうち最大の値は、1.5〜3.0μmであることが好ましい。これらの場合、フィルタ繊維間に形成される空隙(又は細孔)のサイズが適切な範囲となり、効率的に粗大粒子を低減することが更に容易になり、濾過において高流量を実現することとの両立が更に容易になる傾向がある。
CMP研磨液のpHは2.0〜4.0であることが好ましい。
CMP研磨液は、酸化金属溶解剤を更に含有することが好ましい。CMP研磨液は、金属酸化剤を更に含有していてもよい。CMP研磨液は、金属防食剤を更に含有していてもよい。これらのCMP研磨液を使用することによって、特に導電性物質やバリア膜を良好な研磨速度で研磨することが可能となる。
また、本発明に係る基板の研磨方法は、隆起部及び溝部からなる段差部を一方面側に有する層間絶縁膜と、前記段差部に追従して層間絶縁膜を被覆するように設けられたバリア膜と、溝部に充填すると共にバリア膜を被覆するように設けられた金属層と、を備える基板の金属層を研磨してバリア膜における隆起部の上方に位置する部分を露出させる第1工程と、バリア膜と溝部に充填された金属層とを研磨して、層間絶縁膜の隆起部を露出させる第2工程と、を備え、第1工程又は第2工程の少なくともいずれかの研磨を、前記CMP研磨液の製造方法により得られるCMP研磨液を用いて行う。このような方法によれば、従来と比較して粗大粒子を効果的に低減し、研磨後の被研磨面におけるスクラッチの発生を更に抑制することができる。また、バリア膜にスクラッチが発生することを抑制しつつ、高速に研磨することができる。
また、本発明に係る基板の研磨方法において、第2工程の研磨を、前記CMP研磨液の製造方法により得られるCMP研磨液を用いて行うことが好ましい。これにより、粗大粒子を除去したことによる研磨傷低減効果がより顕著に得られる。
本発明に係る基板の研磨方法において、層間絶縁膜は、シリコン系被膜及び有機ポリマ膜から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、金属層は、銅を含むことが好ましい。
また、バリア膜は、タンタル、タンタル合金、タンタル化合物、チタン、チタン合金、チタン化合物、タングステン、タングステン合金、タングステン化合物、ルテニウム、ルテニウム合金及びルテニウム化合物から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
また、第2工程において、層間絶縁膜の隆起部を更に研磨することが好ましい。これにより、研磨終了後の平坦性に更に優れる基板の研磨方法を提供することができる。
本発明によれば、従来と比較して粗大粒子を大幅にかつ効果的に低減することが可能なCMP研磨液が得られ、そのCMP研磨液を用いて研磨したウエハ上のスクラッチ数を大幅に低減することができる。本発明によれば、スクラッチ数を理想的には0個/ウエハとすることができる。また、本発明のこれらの効果は、スクラッチ数の低減効果以外の研磨液特性を低下させることなく得ることができる。
<CMP研磨液の製造方法>
本発明に係るCMP研磨液の製造方法は、砥粒と水とを少なくとも含有する混合液をフィルタで濾過してCMP研磨液を得る濾過工程を備えることを特徴とする。混合液中の砥粒は、濾材の孔(孔径)よりも大きな粒径の粗大粒子を含んでおり、濾過工程において混合液をフィルタで濾過することにより、前記粗大粒子が除去された砥粒と水とを少なくとも含有するCMP研磨液が得られる。
本発明に係るCMP研磨液の製造方法は、砥粒と水とを少なくとも含有する混合液をフィルタで濾過してCMP研磨液を得る濾過工程を備えることを特徴とする。混合液中の砥粒は、濾材の孔(孔径)よりも大きな粒径の粗大粒子を含んでおり、濾過工程において混合液をフィルタで濾過することにより、前記粗大粒子が除去された砥粒と水とを少なくとも含有するCMP研磨液が得られる。
砥粒及び水以外の成分は、濾過工程の前に混合液に予め含有されていてもよく、濾過工程の後にCMP研磨液に添加されてもよい。後述する酸化金属溶解剤、金属防食剤等をCMP研磨液が含有する場合は、これらを混合液に添加した後に前記濾過工程を行うことが、粗大粒子をより効率的に低減できる点で好ましい。但し、金属酸化剤は、前記濾過工程の後にCMP研磨液に混合することが、砥粒の安定性に優れる観点で好ましい。
本発明の一実施形態におけるフィルタは、筒状の濾材積層体を有し、濾材積層体は、外周側から内周側に向かって複数枚の不織布状の濾材が配置されてなると共にプリーツ加工されており、濾材を構成するフィルタ繊維の平均繊維径及びフィルタ繊維間の孔が外周側から内周側に向かって小さくなっており、濾材の枚数を数えて外周側の濾材と内周側の濾材との間の中央に位置する中間層について、後述する工程(a)〜(d)により算出されるフィルタ繊維の5%トリム平均繊維長が50〜55μmである。
以下、前記フィルタや、当該フィルタにより混合液を濾過して得られるCMP研磨液について詳細に説明する。
[フィルタ]
図1は、フィルタの一部を切り欠いた斜視図である。フィルタ(フィルタカートリッジ)1は、表面に多数の通液孔を有する長尺且つ円筒状の中心多孔コア3と、中心多孔コア3の外周側に配置された筒状の濾材積層体5と、濾材積層体5の外周側に配置された円筒状のプロテクター7と、これらの部材の軸方向の両端に配置されたエンドキャップ9とを有している。エンドキャップ9の一方は、濾液回収のための開口部を有しており、エンドキャップ9の他方は、プロテクター7の内部を密閉している。フィルタ1では、例えば、濾過される前の混合液が濾材積層体5の外周側から内周側に向かって流れ、濾材積層体5内において粗大粒子が除去されることにより、濾過後のCMP研磨液が中心多孔コア3の内部において得られる。
図1は、フィルタの一部を切り欠いた斜視図である。フィルタ(フィルタカートリッジ)1は、表面に多数の通液孔を有する長尺且つ円筒状の中心多孔コア3と、中心多孔コア3の外周側に配置された筒状の濾材積層体5と、濾材積層体5の外周側に配置された円筒状のプロテクター7と、これらの部材の軸方向の両端に配置されたエンドキャップ9とを有している。エンドキャップ9の一方は、濾液回収のための開口部を有しており、エンドキャップ9の他方は、プロテクター7の内部を密閉している。フィルタ1では、例えば、濾過される前の混合液が濾材積層体5の外周側から内周側に向かって流れ、濾材積層体5内において粗大粒子が除去されることにより、濾過後のCMP研磨液が中心多孔コア3の内部において得られる。
濾材積層体5は、複数の筒状の濾材5aが互いに同一軸を有するように外周側から内周側に向かって配置されてなると共にプリーツ(ひだ折り)加工されている。濾材5aのそれぞれは、複数のフィルタ繊維を絡み合わせた不織布状の繊維シートである。濾材積層体5は、外周層と、内周層と、外周層及び内周層の中間に位置する中間層とを濾材5aとして少なくとも備えている。但し、濾材5aの積層枚数は、精度良く効率的に濾過が可能であれば特に制限されるものではない。すなわち、濾材積層体5は、外周層及び中間層の間や中間層及び内周層の間に濾材5aを一層又は複数層更に備えていてもよい。濾材積層体5の外側や濾材5a間には、濾材5aを支えるパーツが配置されていてもよい。
なお、「中間層」とは、濾材5aの配置方向の中央に位置する濾材を意味しており、奇数枚、すなわち2n+1枚(nは自然数)の濾材が配置されている場合には、外周側からn+1枚目の濾材であり、偶数枚、すなわち2n+2枚(nは自然数)の濾材が配置されている場合には、外周側からn+1枚目の濾材である。
フィルタ1は、濾材積層体5がプリーツ加工されてなるフィルタ(以下「デプスプリーツタイプのフィルタ」という。)である。デプスプリーツタイプのフィルタは、フィルタ繊維の平均繊維径及びフィルタ繊維間の孔(孔径)がフィルタの外周側から内周側にかけて小さくなるように勾配をもたせて、平均繊維径の異なる数種類の濾材が複数層積層された構造を有している。このような構造のフィルタは、平均繊維径の異なる数種類の濾材を積層した上でプリーツ加工することで、デプスタイプの利点である深層濾過(濾材表面だけでなく、濾材内部でも固体粒子を捕捉)と、プリーツタイプの利点である表層濾過(広い濾過表面積で固体粒子を捕捉)との両立が可能である。なお、前記勾配は、濾材積層体5全体で見て、孔径がフィルタの外周側から内周側にかけて小さくなっていればよく、隣り合う濾材5a同士の孔径が同じであってもよい。
ところで、従来、このデプスプリーツタイプのフィルタは、粘性流体やペーストといった高粘度液体の濾過に推奨されているものであり、CMP研磨液のように粘性の低い液体の濾過には推奨されておらず、また、これを使用した従来技術も見当たらない。本発明者らは、CMP研磨液に含まれる粗大粒子を低減するために、種々の方法を検討したが、特にフィルタを使用して粗大粒子を除去する場合に、フィルタ繊維間の孔(孔径)を小さくするだけでは粗大粒子の低減効果が充分ではないことを見出した。これに対し、本発明者らは、デプスプリーツタイプのフィルタにおいて中間層を構成するフィルタ繊維の直線性を、SEM観察して得られる画像におけるフィルタ繊維の繊維長に基づき調整することで、粗大粒子を効果的に低減し、研磨特性を向上させることができることを見出した。
(フィルタ繊維の直線性)
図2は、濾材を構成するフィルタ繊維の模式図である。フィルタの濾材としては、図2(a)に示すように、濾材を構成するフィルタ繊維があまり曲線状になっておらず、ほぼ直線状であるか、曲線状であってもあまり繊維が曲がっていないことが好ましい。図2(b)に示すような極度に曲線を描く曲線状のフィルタ繊維は、濾過中にフィルタ繊維が自由に動きやすいため、このような曲線状のフィルタ繊維が濾材中に多く含まれていると、粗大粒子がフィルタ繊維を押しのけてくぐり抜けてしまい、粗大粒子を充分低減できないものと考えられる。また、直線状のフィルタ繊維が多いことにより、フィルタ繊維で形成される空隙(又は細孔)が多くなるため、高流量での濾過が可能になる。
図2は、濾材を構成するフィルタ繊維の模式図である。フィルタの濾材としては、図2(a)に示すように、濾材を構成するフィルタ繊維があまり曲線状になっておらず、ほぼ直線状であるか、曲線状であってもあまり繊維が曲がっていないことが好ましい。図2(b)に示すような極度に曲線を描く曲線状のフィルタ繊維は、濾過中にフィルタ繊維が自由に動きやすいため、このような曲線状のフィルタ繊維が濾材中に多く含まれていると、粗大粒子がフィルタ繊維を押しのけてくぐり抜けてしまい、粗大粒子を充分低減できないものと考えられる。また、直線状のフィルタ繊維が多いことにより、フィルタ繊維で形成される空隙(又は細孔)が多くなるため、高流量での濾過が可能になる。
前記のような観点から、中間層において、下記工程(a)〜(d)により得られるフィルタ繊維の5%トリム平均繊維長は、50〜55μmである。
工程(a):濾材積層体から濾材を一枚ずつ剥離し、中間層を測定サンプルとして抽出する。中間層を1000倍でSEM観察して画像を得る。
工程(b):工程(a)で得られた画像(拡大画像)において中間層の50μm×50μmの正方形の領域を任意に選択する。なお、前記正方形の領域は、当該領域において最も直線状に近いと認識されるフィルタ繊維が、少なくとも正方形の一辺に直交するように選択することができる。
工程(c):工程(b)で選択された領域の一辺から当該一辺に対向する辺にわたって延在していることが明確に認識される全てのフィルタ繊維を前記領域において特定し、当該フィルタ繊維のそれぞれについて前記領域における繊維長を算出する。
工程(d):工程(c)で算出される繊維長を、工程(a)〜(c)を繰り返して計3回取得し、当該繊維長のうち大きい順に5%の繊維長及び小さい順に5%の繊維長を除き、残り90%分の繊維長について平均値を5%トリム平均繊維長として算出する。
工程(a):濾材積層体から濾材を一枚ずつ剥離し、中間層を測定サンプルとして抽出する。中間層を1000倍でSEM観察して画像を得る。
工程(b):工程(a)で得られた画像(拡大画像)において中間層の50μm×50μmの正方形の領域を任意に選択する。なお、前記正方形の領域は、当該領域において最も直線状に近いと認識されるフィルタ繊維が、少なくとも正方形の一辺に直交するように選択することができる。
工程(c):工程(b)で選択された領域の一辺から当該一辺に対向する辺にわたって延在していることが明確に認識される全てのフィルタ繊維を前記領域において特定し、当該フィルタ繊維のそれぞれについて前記領域における繊維長を算出する。
工程(d):工程(c)で算出される繊維長を、工程(a)〜(c)を繰り返して計3回取得し、当該繊維長のうち大きい順に5%の繊維長及び小さい順に5%の繊維長を除き、残り90%分の繊維長について平均値を5%トリム平均繊維長として算出する。
濾材積層体を構成する濾材のうち平均的な繊維径及びフィルタ繊維間の孔を有する中間層について、当該中間層を構成するフィルタ繊維の直線性を粗大粒子の低減に好適な状態に調整することで、濾材積層体全体として深層濾過により粗大粒子を捕捉する効率が向上するものと考えられる。そして、本実施形態で使用するフィルタは、このように深層濾過の効率が向上すると共に、表層濾過により粗大粒子を捕捉することができるため、従来と比較して粗大粒子を効果的に低減できるものと考えられる。
50μm×50μmの正方形の領域において、一辺から当該一辺に対向する辺にわたって延在しているフィルタ繊維の長さは、フィルタ繊維が完全に直線であるとすると、50μm〜50×√2μm(約70.7μm)の範囲に収まる。従って、前記のように5%トリム平均繊維長が50〜55μmであるとは、それぞれのフィルタ繊維が極度に曲線を描くことなく、正方形の領域の一辺から当該一辺に対向する辺にわたって延在していることを意味する。5%トリム平均繊維長は、フィルタ繊維の直線性を高め、粗大粒子を更に効果的に低減することができるという観点から、50〜55μmであり、50〜54.5μmが好ましく、50〜54μmがより好ましい。
工程(d)において5%トリム平均繊維長の算出に用いる前記残り90%分の繊維長のうち最小の値は、フィルタ繊維の直線性を高め、繊維同士の絡み合いで形成される空隙(又は細孔)を広く且つ多くし、粗大粒子を更に効果的に低減することができるという観点から、50〜55μmが好ましく、50〜54μmがより好ましく、50〜53μmが更に好ましい。また、工程(d)において5%トリム平均繊維長の算出に用いる前記残り90%分の繊維長のうち最大の値は、フィルタ繊維の直線性を高め、粗大粒子を更に効果的に低減することができるという観点から、50〜60μmが好ましく、50〜57μmがより好ましく、50〜55μmが更に好ましい。
(フィルタ繊維の繊維径)
濾材に粗大粒子が捕捉される機構としては、(1)物理的に粗大粒子を通過させないこと、(2)粗大粒子を電気的に吸着させて補足することの二通りがあると考えられる。本実施形態では、(2)の電気的作用が粗大粒子の主な捕捉機構であると考えられ、濾材の表面積が大きいこと及び粗大粒子が吸着しやすい空隙(又は細孔)が濾材に形成され易いことで前記捕捉機構に理想的な状態となると考えられる。
濾材に粗大粒子が捕捉される機構としては、(1)物理的に粗大粒子を通過させないこと、(2)粗大粒子を電気的に吸着させて補足することの二通りがあると考えられる。本実施形態では、(2)の電気的作用が粗大粒子の主な捕捉機構であると考えられ、濾材の表面積が大きいこと及び粗大粒子が吸着しやすい空隙(又は細孔)が濾材に形成され易いことで前記捕捉機構に理想的な状態となると考えられる。
濾材としては、フィルタ繊維の繊維径が比較的小さくて揃っているものが好ましい。これにより、繊維同士が作り出す空孔の大きさが揃うため、全ての空孔が効率良く使える。この観点から、中間層においてフィルタ繊維の繊維径は特定の範囲にあることが好ましく、中間層において、下記工程(e)〜(h)により算出されるフィルタ繊維の平均繊維径は、0.5〜1.0μmが好ましい。フィルタ繊維の平均繊維径が0.5μm以上であると、空孔が大きくなりすぎないことにより粗大粒子のサイズに合った捕捉場が確保できるため、粗大粒子を効率よく捕捉でき、同様の観点で、フィルタ繊維の平均繊維径は0.55μm以上であることが好ましく、0.6μm以上であることが更に好ましい。フィルタ繊維の平均繊維径が1.0μm以下であると、フィルタ繊維により空孔が極端に狭くなることが抑制でき、同様の観点で、フィルタ繊維の平均繊維径は、0.95μm以下がより好ましく、0.9μm以下が更に好ましい。
工程(e):前記工程(a)で得られた画像(拡大画像)において、像が明確な任意の20本のフィルタ繊維を選択する。
工程(f):工程(e)で選択された20本のフィルタ繊維のそれぞれについて繊維径の平均値を算出する。具体的には、選択した各フィルタ繊維の任意の3点において繊維径(SEM画像上では繊維の幅にあたる)を測定する。例えば、フィルタ繊維の一端側、中央部、他端側の3点の繊維径を測定し、これらの平均値を算出する。
工程(g):工程(f)で算出された繊維径の平均値に基づき、20本のフィルタ繊維全体における繊維径の平均値を算出する。
工程(h):工程(g)で算出される平均値を、工程(e)〜(g)を繰り返して計3回取得し、繰り返し3回の平均値を中間層における前記平均繊維径として算出する。すなわち、工程(e)〜(g)を3回繰り返し、計60本のフィルタ繊維について繊維径の平均値を算出する。フィルタ繊維は場所によって繊維径が異なる場合があるが、前記操作により、およそ標準化されると考えられる。
工程(f):工程(e)で選択された20本のフィルタ繊維のそれぞれについて繊維径の平均値を算出する。具体的には、選択した各フィルタ繊維の任意の3点において繊維径(SEM画像上では繊維の幅にあたる)を測定する。例えば、フィルタ繊維の一端側、中央部、他端側の3点の繊維径を測定し、これらの平均値を算出する。
工程(g):工程(f)で算出された繊維径の平均値に基づき、20本のフィルタ繊維全体における繊維径の平均値を算出する。
工程(h):工程(g)で算出される平均値を、工程(e)〜(g)を繰り返して計3回取得し、繰り返し3回の平均値を中間層における前記平均繊維径として算出する。すなわち、工程(e)〜(g)を3回繰り返し、計60本のフィルタ繊維について繊維径の平均値を算出する。フィルタ繊維は場所によって繊維径が異なる場合があるが、前記操作により、およそ標準化されると考えられる。
粗大粒子を捕捉(吸着)する表面を更に効率よく提供できる観点から、工程(f)で算出される繊維径の平均値のうち最小の値は、0.1〜0.5μmが好ましく、0.1〜0.4μmがより好ましく、0.1〜0.3μmが更に好ましい。また、粗大粒子を捕捉(吸着)する空隙(又は細孔)を更に効率よく形成することができる観点から、工程(f)で算出される繊維径の平均値のうち最大の値は、1.5〜3.0μmが好ましく、1.6〜2.9μmがより好ましく、1.7〜2.8μmが更に好ましい。
濾材の材質としては、スクラッチ数の低減効果以外の研磨液特性を低下させることなく、濾過により粗大粒子を効果的に低減することが可能なものを選択することが好ましい。濾材は、強酸、強アルカリ及び多くの有機溶媒に耐性があることからポリプロピレン不織布が好ましいが、前記のような特性があるものであれば特に制限はない。
フィルタの孔径(メーカによる公称値)は、除去することを目的とする粗大粒子の粒径に基づき適宜選択される。但し、本実施形態において除去可能な粗大粒子は、フィルタの孔径のみにより定められるものではない。フィルタの孔径は、濾過に必要な時間が短縮され濾過効率が向上する観点から、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上が更に好ましく、0.5μm以上が特に好ましい。また、フィルタの孔径は、半導体分野で使用する材料中に含まれる粗大粒子を更に効果的に除去できる観点から、5.0μm以下が好ましく、3.0μm以下がより好ましく、2.0μm以下が更に好ましく、1μm以下が特に好ましい。
なお、本実施形態において除去される粗大粒子としては、例えば、フィルタの孔(孔径)よりも大きな粒径の粒子が挙げられる。また、研磨後のスクラッチ数を低減するという観点では、粒度分布測定装置(例えば、Particle Sizing System社製の商品名「Accusizer780」)を用いて検出される0.56μm以上のサイズの粒子とすることが好ましい。
[CMP研磨液]
本実施形態におけるCMP研磨液は、砥粒と水とを少なくとも含有し、任意にその他の添加剤を含有する。
本実施形態におけるCMP研磨液は、砥粒と水とを少なくとも含有し、任意にその他の添加剤を含有する。
(砥粒)
CMP研磨液に含まれる砥粒は、特に制限はないが、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、ゲルマニア及びこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種の砥粒が好ましい。
CMP研磨液に含まれる砥粒は、特に制限はないが、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、ゲルマニア及びこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種の砥粒が好ましい。
前記変性物は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、ゲルマニア等の砥粒粒子の表面をアルキル基で変性したものが挙げられる。砥粒粒子の表面をアルキル基で変性する方法は、特に制限はないが、例えば、砥粒粒子の表面に存在する水酸基と、アルキル基を有するアルコキシシランとを反応させる方法が挙げられる。アルキル基を有するアルコキシシランとしては、特に制限はないが、モノメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルモノメトキシシラン、モノエチルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、トリエチルモノメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルモノエトキシシランなどが挙げられる。反応方法としては、特に制限はなく、例えば砥粒粒子とアルコキシシランとを研磨液中で室温又は所望により加熱下で反応させる。
前記砥粒の中でも、CMP研磨液中での分散安定性が良く、CMPにより発生する研磨傷(スクラッチ)の発生数が更に少なくなる観点から、コロイダルシリカやコロイダルアルミナ等のコロイダル粒子が好ましい。
また、コロイダル粒子を使用する場合、研磨傷(スクラッチ)の発生数を更に低減できる観点から、粒子の平均粒径は、200nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。
前記粒子の平均粒径は、「二次粒子の平均径」を示す。コロイダルシリカやコロイダルアルミナは一般的に、水等の液体に分散した状態で販売されており、例えば粒子含有量5質量%前後にこの分散液を希釈したものを、光回折散乱式粒度分布計(例えば、COULTER Electronics社製の商品名COULTER N5)で測定したときに平均値として表示される値を二次粒子径とすることができる。
また、後述する導電性物質層(金属層)、バリア膜及び層間絶縁膜の研磨速度に優れる観点から、砥粒は、平均2粒子未満の一次粒子が凝集した凝集粒子であることが好ましく、平均1.2粒子未満の一次粒子が凝集した凝集粒子であることがより好ましい。さらに、光回折散乱式粒度分布計で前記平均粒径を測定したときのチャートから求められる砥粒の平均粒度分布の標準偏差は、10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましい。
これら砥粒は1種類単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
砥粒の含有量は、被研磨面の研磨速度に優れる観点から、CMP研磨液100質量部に対して0.01質量部以上が好ましく、0.02質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上が更に好ましい。また、砥粒の含有量は、スクラッチの発生数を更に低減できる観点から、CMP研磨液100質量部に対して50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下が更に好ましい。
(酸化金属溶解剤)
CMP研磨液は、導電性物質層及びバリア膜等の金属に対する良好な研磨速度が得られる観点から、酸化金属溶解剤を含有することが好ましい。このような酸化金属溶解剤は、pHの調整及び導電性物質を溶解する目的で使用されるものであり、その機能を有していれば特に制限はないが、具体的には例えば、有機酸、有機酸エステル、有機酸の塩、無機酸、無機酸の塩、アミノ酸等が挙げられ、中でも有機酸、有機酸エステル、有機酸の塩が好ましく、有機酸がより好ましい。
CMP研磨液は、導電性物質層及びバリア膜等の金属に対する良好な研磨速度が得られる観点から、酸化金属溶解剤を含有することが好ましい。このような酸化金属溶解剤は、pHの調整及び導電性物質を溶解する目的で使用されるものであり、その機能を有していれば特に制限はないが、具体的には例えば、有機酸、有機酸エステル、有機酸の塩、無機酸、無機酸の塩、アミノ酸等が挙げられ、中でも有機酸、有機酸エステル、有機酸の塩が好ましく、有機酸がより好ましい。
前記有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、グリオキシル酸、ピルビン酸、乳酸、マンデル酸、ビニル酢酸、3−ヒドロキシ絡酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、フタル酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、グルタル酸、オキサロ酢酸、クエン酸、ヘミメリト酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メリト酸、イソクエン酸、アコニット酸、オキサロコハク酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、オクタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アクリル酸、プロピオール酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、安息香酸、ケイヒ酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フランカルボン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、グリコール酸、サリチル酸、クレオソート酸、バニリン酸、シリング酸、ピロカテク酸、レソルシル酸、ゲンチジン酸、プロカテク酸、オルセリン酸、没食子酸、タルトロン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、リシノール酸、リシネライジン酸、セレブロン酸、シトラマル酸、キナ酸、シキミ酸、マンデル酸、ベンジル酸、アトロラクチン酸,メリロト酸、フロレト酸、クマル酸、ウンベル酸、カフェー酸、フェルラ酸、イソフェルラ酸、シナピン酸等の有機酸;無水マレイン酸、無水プロピオン酸、無水コハク酸、無水フタル酸等の有機酸の酸無水物などが挙げられる。中でも、実用的なCMP速度を維持しつつ、エッチング速度を効果的に抑制できるという観点から、ギ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、アジピン酸が好ましい。
前記無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸等の一価の無機酸;硫酸、クロム酸、炭酸、モリブデン酸、硫化水素、亜硫酸、チオ硫酸、セレン酸、テルル酸、亜テルル酸、タングステン酸、ホスホン酸等の二価の無機酸、リン酸、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、バナジン酸等の三価の無機酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸等の四価以上の無機酸などが挙げられ、中でも、導電性物質に対する高い研磨速度が得られやすい観点から、硫酸等の二価の無機酸が好ましい。
前記の有機酸の塩及び無機酸の塩として代表的なものは、アンモニウム塩である。これらの酸化金属溶解剤は1種類単独で又は2種類以上混合して用いることができる。なお、有機酸及び無機酸を併用してもかまわない。
前記アミノ酸としては、わずかでも水に溶解するアミノ酸であれば特に制限はなく、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、シシチン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、プロリン、オキシプロリン等が挙げられる。これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記アミノ酸の中でも、研磨剤のpHを調整し易いという点で、pKaが2〜3のアミノ酸を使用することが好ましい。このようなアミノ酸としては、上記の例示化合物の中では、具体的には、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、トリプトファンが好ましく、研磨速度の向上効果が高くかつ安価である点でグリシンがより好ましい。
酸化金属溶解剤を配合する場合、酸化金属溶解剤の含有量は、導電性物質層及びバリア膜等の金属に対して良好な研磨速度が得られる観点から、CMP研磨液100質量部に対して0.001質量部以上が好ましく、0.002質量部以上がより好ましく、0.005質量部以上が更に好ましい。また、酸化金属溶解剤の含有量は、エッチングを抑制し被研磨面に荒れが生じることを防ぐことができる観点から、CMP研磨液100質量部に対して20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下が更に好ましく、3質量部以下が特に好ましい。
(金属酸化剤)
CMP研磨液は、金属酸化剤を含有していてもよい。金属酸化剤としては、導電性物質を酸化する能力を有していれば特に制限はないが、具体的には例えば、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、オゾン水等が挙げられ、その中でも過酸化水素が特に好ましい。これらは1種類単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
CMP研磨液は、金属酸化剤を含有していてもよい。金属酸化剤としては、導電性物質を酸化する能力を有していれば特に制限はないが、具体的には例えば、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、オゾン水等が挙げられ、その中でも過酸化水素が特に好ましい。これらは1種類単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
金属酸化剤を配合する場合、金属酸化剤の含有量は、金属の酸化が不充分となりCMP速度が低下することを防ぐ観点から、CMP研磨液100質量部に対して0.01質量部以上が好ましく、0.02質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上が更に好ましい。また、金属酸化剤の含有量は、被研磨面に荒れが生じることを防ぐことができる観点から、CMP研磨液100質量部に対して50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、10質量部以下が更に好ましい。なお、金属酸化剤として過酸化水素を使用する場合、通常過酸化水素水として入手できるので、過酸化水素が最終的に前記範囲になるように過酸化水素水を配合する。
なお、金属酸化剤は予めCMP研磨液に混合されていても良いが、長期保存中にCMP研磨液の特性に影響を与える懸念がある場合は、前記CMP研磨液となるように該CMP研磨液の構成成分を2液以上に分けて保存されていることが好ましい。例えば、金属酸化剤を含む水溶液(第1の液)と、金属酸化剤以外の構成成分を含むスラリ(第2の液)とに分けて保存される。また、前記CMP研磨液は、保管スペース確保、輸送等を容易にする観点から、濃縮されていても良い。濃縮倍率としては特に制限はないが、2〜10倍とすることが好ましい。
(金属防食剤)
CMP研磨液は、金属防食剤を含有していてもよい。金属防食剤としては、導電性物質に対する保護膜形成能を有していれば特に制限はないが、具体的には例えば、トリアゾール骨格を有するもの、ピラゾール骨格を有するもの、ピラミジン骨格を有するもの、イミダゾール骨格を有するもの、グアニジン骨格を有するもの、チアゾール骨格を有するもの、テトラゾール骨格を有するもの等が挙げられる。これらは1種類単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
CMP研磨液は、金属防食剤を含有していてもよい。金属防食剤としては、導電性物質に対する保護膜形成能を有していれば特に制限はないが、具体的には例えば、トリアゾール骨格を有するもの、ピラゾール骨格を有するもの、ピラミジン骨格を有するもの、イミダゾール骨格を有するもの、グアニジン骨格を有するもの、チアゾール骨格を有するもの、テトラゾール骨格を有するもの等が挙げられる。これらは1種類単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
金属防食剤を配合する場合、金属防食剤の含有量は、配線用金属のエッチングを抑制し被研磨面に荒れが生じることを防ぐことができる観点から、CMP研磨液100質量部に対して0.0001質量部以上が好ましく、0.001質量部以上がより好ましく、0.01質量部以上が更に好ましい。また、金属防食剤の含有量は、導電性物質層の研磨速度を実用的な研磨速度に保つことができる観点から、CMP研磨液100質量部に対して10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、2質量部以下が更に好ましい。
(水)
CMP研磨液の媒体としては、砥粒粒子を分散できる液体であれば特に制限されないが、pH調整の取り扱い性、安全性、被研磨面との反応性などの点から水を主成分とするものが好ましく、より具体的には、脱イオン水、イオン交換水、超純水等が好ましい。また、水は、濃縮保存されたCMP研磨液を、使用に適する濃度まで希釈する希釈剤としても用いられる。なお、水の含有量は前記含有成分の残部でよく、含有されていれば特に制限はない。
CMP研磨液の媒体としては、砥粒粒子を分散できる液体であれば特に制限されないが、pH調整の取り扱い性、安全性、被研磨面との反応性などの点から水を主成分とするものが好ましく、より具体的には、脱イオン水、イオン交換水、超純水等が好ましい。また、水は、濃縮保存されたCMP研磨液を、使用に適する濃度まで希釈する希釈剤としても用いられる。なお、水の含有量は前記含有成分の残部でよく、含有されていれば特に制限はない。
CMP研磨液は、必要に応じて水以外の有機溶媒を添加しても良い。これらの有機溶媒は、水に溶解しにくい成分の溶解補助剤として使用したり、研磨する面に対するCMP研磨液の濡れ性を向上させる目的で使用したりすることができる。また、有機溶媒を添加することで、CMP研磨液を用いてバリア層と層間絶縁膜の一部を研磨する場合、両者の研磨速度比を容易に制御することができる。有機溶媒としては特に制限はないが、水と混合できるものが好ましい。有機溶媒は、1種類単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
溶解補助剤として使用する場合の有機溶媒としては、アルコールや、酢酸等の極性溶媒を挙げることができる。また、有機溶媒としては、濡れ性を向上させる目的では、例えば、グリコール類、グリコールモノエーテル類、グリコールジエーテル類、アルコール類、炭酸エステル類、ラクトン類、エーテル類、ケトン類、その他フェノール、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリドン、酢酸エチル、乳酸エチル、スルホラン等が挙げられる。好ましくは、グリコールモノエーテル類、アルコール類、炭酸エステル類から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
有機溶媒を配合する場合、有機溶媒の含有量は、CMP研磨液の基板に対する濡れ性を向上させる観点から、CMP研磨液100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が更に好ましい。また、有機溶媒の含有量は、製造プロセス上困難が生じることを防ぐ観点から、CMP研磨液100質量部に対して95質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、10質量部以下が更に好ましい。
(pH)
CMP研磨液は、層間絶縁膜を高速に研磨できるが、バリア膜をオーバー研磨する場合のCMP研磨液としても好適に使用するためには、溝部の導電性物質(配線用金属)及びバリア膜の研磨速度を良好な値に保つことが好ましい。このような観点から、CMP研磨液のpHは2.0〜7.0であることが好ましい。pHが2.0以上であれば、配線用金属に対する腐食を抑制しやすく、配線用金属が過剰に研磨されることに起因するディッシングを抑制しやすくなる。また、酸性が強すぎる場合と比較しても取り扱いが容易になる。配線用金属及びバリア膜の導体に対しても良好な研磨速度を得ることができる点でpHは4.0以下であることがより好ましい。
CMP研磨液は、層間絶縁膜を高速に研磨できるが、バリア膜をオーバー研磨する場合のCMP研磨液としても好適に使用するためには、溝部の導電性物質(配線用金属)及びバリア膜の研磨速度を良好な値に保つことが好ましい。このような観点から、CMP研磨液のpHは2.0〜7.0であることが好ましい。pHが2.0以上であれば、配線用金属に対する腐食を抑制しやすく、配線用金属が過剰に研磨されることに起因するディッシングを抑制しやすくなる。また、酸性が強すぎる場合と比較しても取り扱いが容易になる。配線用金属及びバリア膜の導体に対しても良好な研磨速度を得ることができる点でpHは4.0以下であることがより好ましい。
研磨液のpHは、pHメーター(例えば、株式会社堀場製作所の型番F−51)で測定することができる。pHの測定値としては、標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液:pH4.01(25℃)、中性りん酸塩pH緩衝液:pH6.86(25℃)、ホウ酸塩pH緩衝液:pH9.18(25℃))を用いて、3点校正した後、電極を研磨液に入れて、3分以上経過し安定した後の値を採用する。
<基板の研磨方法>
以下、本実施形態に係る基板の研磨方法について説明する。本実施形態に係る基板の研磨方法では、少なくとも一方面上に被研磨膜が形成された基板の該被研磨膜を研磨定盤の研磨布に押圧した状態で、前記CMP研磨液を被研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして被研磨膜を化学機械研磨する。
以下、本実施形態に係る基板の研磨方法について説明する。本実施形態に係る基板の研磨方法では、少なくとも一方面上に被研磨膜が形成された基板の該被研磨膜を研磨定盤の研磨布に押圧した状態で、前記CMP研磨液を被研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かして被研磨膜を化学機械研磨する。
図3は、本実施形態に係る基板の研磨方法の工程を示す模式断面図である。本実施形態に係る基板の研磨方法では、図3中(a)に示す基板100が準備される。基板100は、相互に隣接する溝部11及び隆起部12からなる段差部13を面(一方面)14側に有する層間絶縁膜10と、段差部13を有する面14に追従して層間絶縁膜10被覆するように設けられたバリア膜20と、バリア膜20の溝部11に充填されると共にバリア膜20を被覆するように設けられた導電性物質層(金属層)30と、を備える。なお、半導体デバイスの配線形成工程においては、通常、層間絶縁膜10、バリア膜20及び導電性物質層30はシリコン基板等の基体上に形成されるが、図3では層間絶縁膜10の下層の構造が省略されている。
本実施形態に係る基板の研磨方法は、図3中(b)に示されるように、基板100の導電性物質層30を研磨してバリア膜20における隆起部12の上方に位置する部分を露出させる第1工程と、図3中(c)に示されるように、バリア膜20と溝部11に充填された導電性物質層30とを少なくとも研磨して、層間絶縁膜10の隆起部12を露出させる第2工程と、を備え、第1工程又は第2工程の少なくともいずれかの研磨を、本実施形態に係るCMP研磨液の製造方法により得られるCMP研磨液を用いて行う。本実施形態に係る基板の研磨方法では、第2工程の後、図3中(d)に示されるように、層間絶縁膜10の隆起部12の一部を更に研磨する工程(オーバー研磨工程)を備えていてもよい。
第1工程では、本実施形態において得られた前記CMP研磨液を用いてもよいが、導電性物質層30を研磨可能であれば研磨液は限定されるものではない。第2工程では、バリア膜20及び導電性物質層30を研磨可能であれば研磨液は限定されるものではないが、本実施形態において得られた前記CMP研磨液を用いることが好ましい。以上の工程により得られた基板200は、溝部11の内部の壁面に沿ってバリア膜20が形成され、溝部11を埋めるように導電性物質層30がバリア膜20上に形成されている。また、基板200では、層間絶縁膜10における隆起部12が露出した状態となる。
層間絶縁膜10としては、シリコン系被膜及び有機ポリマ膜から選ばれる少なくとも1種が好ましい。シリコン系被膜としては、二酸化ケイ素、フルオロシリケートガラス、トリメチルシラン又はジメトキシジメチルシラン等を出発原料として得られるオルガノシリケートグラス、シリコンオキシナイトライド、水素化シルセスキオキサン等のシリカ系被膜、更には、シリコンカーバイド、シリコンナイトライド等の被膜などが挙げられる。また、有機ポリマ膜としては、例えば全芳香族系定誘電率層間絶縁膜が挙げられる。層間絶縁膜10の形成には、CVD法、スピンコート法、ディップコート法、スプレー法などを適用することができる。また、層間絶縁膜10における段差部13の形成には、フォトリソ法などを適用することができる。
バリア膜20は、導電性物質層30から層間絶縁膜10への金属の拡散を抑制すると共に、層間絶縁膜10と導電性物質層30との密着性を向上させる機能を有する。バリア膜20の構成材料としては、タンタル、タンタル合金、タンタル化合物(例えば窒化タンタル)、チタン、チタン合金、チタン化合物(例えば窒化チタン)、タングステン、タングステン合金)、タングステン化合物(例えば窒化タングステン)、ルテニウム、ルテニウム合金、及び、ルテニウム化合物(例えば例えば窒化ルテニウム)から選ばれる少なくとも1種が好ましい。なお、図3にはバリア膜20が単層構造である場合の例を示したが、バリア膜20は2層以上の積層構造であってもよい。
導電性物質層30は、銅(純銅、銅合金、銅の酸化物、銅合金の酸化物など)、タングステン(純タングステン、タングステン合金など)、銀、金等の金属を主成分として含む。これらの中でも、導電性物質層30は、銅を主成分として含むことが好ましい。
研磨装置としては、例えば、基板を保持するホルダーと、研磨パッドが貼り付けられる研磨定盤と、研磨パッド上に研磨液を供給する手段とを備える装置が好適である。例えば、荏原製作所株式会社製の研磨装置(型番:EPO−111)、AMAT製の研磨装置(商品名:Mirra3400、Reflextion、Reflextion LK)等が挙げられる。研磨パッドとしては、特に制限はなく、例えば、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等を使用することができる。また、研磨パッドは、研磨液が溜まるような溝加工が施されたものが好ましい。
研磨条件としては、特に制限はないが、基板が飛び出さないようにという見地から、研磨定盤の回転速度は200min−1以下が好ましく、基板にかける圧力(加工荷重)は、研磨面の傷を抑制するという見地から、100kPa以下が好ましい。研磨している間、ポンプ等によって研磨パッドに研磨液を連続的に供給することが好ましい。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。
研磨終了後、流水中で基板を充分に洗浄し、更にスピンドライヤ等を用いて基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。このように研磨することによって、表面の凹凸を解消し、基板全面にわたって平滑な面を得ることができる。膜の形成及びこれを研磨する工程を所定の回数繰り返すことによって、所望の層数を有する基板を製造することができる。
このようにして得られた基板は、種々の電子部品として使用することができる。具体例としては、半導体素子、フォトマスク・レンズ・プリズム等の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバーの端面、シンチレータ等の光学用単結晶、固体レーザ単結晶、青色レーザLED用サファイヤ基板、SiC、GaP、GaAs等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、ボトル類、シリンジは全て新品を使用した。
[実施例1〜3、比較例1〜6]
(CMP研磨液aの調製)
容器に酸化金属溶解剤としてリンゴ酸1.2質量部、金属防食剤としてベンゾトリアゾール0.5質量部を入れ、超純水を38.3質量部注ぎ、攪拌して両成分を溶解させた。次に、コロイダルシリカ(平均粒径70nm、シリカ粒子含有量20質量%)を60質量部(シリカ粒子として12.0質量部に相当する量)添加し、CMP研磨液aを調製した。このCMP研磨液aは2倍濃縮タイプの研磨液である。なお、CMP研磨液aのpHを株式会社堀場製作所の型番F−51を用いて測定したところ2.4であった。
(CMP研磨液aの調製)
容器に酸化金属溶解剤としてリンゴ酸1.2質量部、金属防食剤としてベンゾトリアゾール0.5質量部を入れ、超純水を38.3質量部注ぎ、攪拌して両成分を溶解させた。次に、コロイダルシリカ(平均粒径70nm、シリカ粒子含有量20質量%)を60質量部(シリカ粒子として12.0質量部に相当する量)添加し、CMP研磨液aを調製した。このCMP研磨液aは2倍濃縮タイプの研磨液である。なお、CMP研磨液aのpHを株式会社堀場製作所の型番F−51を用いて測定したところ2.4であった。
(濾過)
未濾過のCMP研磨液a 10kgを10Lクリーンボトルにはかりとり、10インチサイズのフィルタA〜Cにより、濾過開始時に2kgのハナ切りを行なった後、20分間循環濾過した。濾過中の差圧は0.06MPaとし、循環濾過後のCMP研磨液a’は別の10Lクリーンボトルへと充填した。なお、フィルタAとして、孔径(公称)が0.8μmのデプスプリーツタイプのフィルタを使用し、フィルタBとして、孔径(公称)が1.0μmのデプスタイプのフィルタを使用し、フィルタCとして、孔径(公称)が0.3μmのデプスタイプのフィルタを使用した。
未濾過のCMP研磨液a 10kgを10Lクリーンボトルにはかりとり、10インチサイズのフィルタA〜Cにより、濾過開始時に2kgのハナ切りを行なった後、20分間循環濾過した。濾過中の差圧は0.06MPaとし、循環濾過後のCMP研磨液a’は別の10Lクリーンボトルへと充填した。なお、フィルタAとして、孔径(公称)が0.8μmのデプスプリーツタイプのフィルタを使用し、フィルタBとして、孔径(公称)が1.0μmのデプスタイプのフィルタを使用し、フィルタCとして、孔径(公称)が0.3μmのデプスタイプのフィルタを使用した。
(CMP研磨液bの調製)
前記CMP研磨液a’を超純水にて2倍希釈し、希釈後の研磨液99.5質量部に金属酸化剤として30質量%の過酸化水素水を0.5質量部添加して、CMP研磨液bを調製した。なお、CMP研磨液bのpHを株式会社堀場製作所の型番F−51を用いて測定したところ2.6であった。
前記CMP研磨液a’を超純水にて2倍希釈し、希釈後の研磨液99.5質量部に金属酸化剤として30質量%の過酸化水素水を0.5質量部添加して、CMP研磨液bを調製した。なお、CMP研磨液bのpHを株式会社堀場製作所の型番F−51を用いて測定したところ2.6であった。
(濾材のSEM観察)
まず、10インチサイズの各フィルタA〜Cの濾材(他に、最外部の濾材の外側や積層された濾材間に、濾材を支えるパーツがあればそれらを含む)を剪定ハサミにより切り出した。この切り出しは、濾材が10cm×10cmとなるサイズで、最外部の濾材から最内部の濾材(フィルタ中心の芯部分に接する濾材)まで全て行なった。
まず、10インチサイズの各フィルタA〜Cの濾材(他に、最外部の濾材の外側や積層された濾材間に、濾材を支えるパーツがあればそれらを含む)を剪定ハサミにより切り出した。この切り出しは、濾材が10cm×10cmとなるサイズで、最外部の濾材から最内部の濾材(フィルタ中心の芯部分に接する濾材)まで全て行なった。
切り出した濾材の積層枚数を数え、積層枚数が奇数(2n+1枚:nは自然数)である場合にはn+1枚目を、積層枚数が偶数(2n+2枚:nは自然数)である場合にはn+1枚目をそれぞれ濾材の中間層とし、中間層を1cm×1cmのサイズに更に切り出し、SEM観察を行なった。
[繊維径の評価]
中間層を1000倍でSEM観察した画像から、任意の20本のフィルタ繊維を選択し、フィルタ繊維のそれぞれについて繊維径の平均値を算出した。次に、算出された繊維径の平均値に基づき、20本のフィルタ繊維全体における繊維径の平均値を算出した。そして、以上の操作を3回繰り返し、20本のフィルタ繊維全体における繊維径の平均値を計3回取得し、繰り返し3回の平均値を中間層の繊維径における平均値とした。また、3回の操作で評価した60本のフィルタ繊維の繊維径のうち最小の繊維径及び最大の繊維径と、最大の繊維径及び最小の繊維径の差と、繊維径の標準偏差とを算出した。
中間層を1000倍でSEM観察した画像から、任意の20本のフィルタ繊維を選択し、フィルタ繊維のそれぞれについて繊維径の平均値を算出した。次に、算出された繊維径の平均値に基づき、20本のフィルタ繊維全体における繊維径の平均値を算出した。そして、以上の操作を3回繰り返し、20本のフィルタ繊維全体における繊維径の平均値を計3回取得し、繰り返し3回の平均値を中間層の繊維径における平均値とした。また、3回の操作で評価した60本のフィルタ繊維の繊維径のうち最小の繊維径及び最大の繊維径と、最大の繊維径及び最小の繊維径の差と、繊維径の標準偏差とを算出した。
[直線性(繊維長)の評価]
中間層を1000倍でSEM観察した画像から、濾材の50μm×50μmの正方形の領域を任意に選択し、その領域の一辺(上辺)から当該一辺に対向する一辺(下辺)にわたって延在していることが明確に認識される全てのフィルタ繊維の繊維長を読み取った。具体的には、図4に示すように、正方形の領域の上辺から下辺にわたって延在していることが明確に認識されるフィルタ繊維(図4中の符号Fを付した繊維)の繊維長を測定した。以上の操作を3回繰り返し、3回の操作で測定された繊維長のうち大きい順に5%、及び、小さい順に5%を除いた残りの90%分の繊維長について平均値を5%トリム平均繊維長として算出した。また、5%トリム平均繊維長の算出に用いた繊維長のうち最小の繊維長と最大の繊維長とを算出した。
中間層を1000倍でSEM観察した画像から、濾材の50μm×50μmの正方形の領域を任意に選択し、その領域の一辺(上辺)から当該一辺に対向する一辺(下辺)にわたって延在していることが明確に認識される全てのフィルタ繊維の繊維長を読み取った。具体的には、図4に示すように、正方形の領域の上辺から下辺にわたって延在していることが明確に認識されるフィルタ繊維(図4中の符号Fを付した繊維)の繊維長を測定した。以上の操作を3回繰り返し、3回の操作で測定された繊維長のうち大きい順に5%、及び、小さい順に5%を除いた残りの90%分の繊維長について平均値を5%トリム平均繊維長として算出した。また、5%トリム平均繊維長の算出に用いた繊維長のうち最小の繊維長と最大の繊維長とを算出した。
[粗大粒子数評価]
まず、100mlポリボトルにCMP研磨液a’100gを小分けして、ミックスローターにセットし、回転数60rpm/minで5分間撹拌させた。その後、5mlシリンジにCMP研磨液a’を5mlとり、エア抜き後にループチューブから粒度分布測定装置内に全量投入して粒度分布を測定した。測定終了後、測定結果から≧0.56μmサイズの粗大粒子数、及び、≧1.04μmサイズの粗大粒子数を読み取った。これを3回繰り返し、その平均値を粗大粒子数とした。また、CMP研磨液a’と同様にCMP研磨液a(未濾過品)についても粗大粒子数を測定し、CMP研磨液a’及びCMP研磨液aの粗大粒子数を比較して、フィルタA〜Cにより捕捉される粗大粒子の捕捉率を算出した。
まず、100mlポリボトルにCMP研磨液a’100gを小分けして、ミックスローターにセットし、回転数60rpm/minで5分間撹拌させた。その後、5mlシリンジにCMP研磨液a’を5mlとり、エア抜き後にループチューブから粒度分布測定装置内に全量投入して粒度分布を測定した。測定終了後、測定結果から≧0.56μmサイズの粗大粒子数、及び、≧1.04μmサイズの粗大粒子数を読み取った。これを3回繰り返し、その平均値を粗大粒子数とした。また、CMP研磨液a’と同様にCMP研磨液a(未濾過品)についても粗大粒子数を測定し、CMP研磨液a’及びCMP研磨液aの粗大粒子数を比較して、フィルタA〜Cにより捕捉される粗大粒子の捕捉率を算出した。
粗大粒子数評価における粒度分布の測定条件は、下記のとおりである。
(測定条件)
・評価装置:粒度分布測定装置Accusizer780(Particle Sizing System社製)
・data collection time:60sec
・number channels:128
・diluent flow rate:60ml/min
・target concentration:3000part/ml
・# of samples:1
・time between samples:1min
・background threshold:50part/sec
・initial 2nd−stage dilution factor:10
・vessel flush time:80sec
・2nd−stage mixer volume:8ml
・sample flow time:10sec
・sum mode:min.
・diameter:0.56μm
(測定条件)
・評価装置:粒度分布測定装置Accusizer780(Particle Sizing System社製)
・data collection time:60sec
・number channels:128
・diluent flow rate:60ml/min
・target concentration:3000part/ml
・# of samples:1
・time between samples:1min
・background threshold:50part/sec
・initial 2nd−stage dilution factor:10
・vessel flush time:80sec
・2nd−stage mixer volume:8ml
・sample flow time:10sec
・sum mode:min.
・diameter:0.56μm
[研磨及びスクラッチ数評価]
<研磨>
Cu用CMP研磨液を用いて、下記研磨条件1(後述のステップ1で研磨後、ステップ2で研磨し、洗浄する)で下記パターンウエハを研磨・洗浄した。このCu用CMP研磨液としては、市販のCu用CMP研磨液50質量部と30%過酸化水素水50質量部とを混合し、100質量部として撹拌したものを使用した。ステップ1では、Cuを200nm程度残して荒削りする。ステップ2では、この荒削り後にバリア膜であるTa膜が露出する(EP:エンドポイント)まで研磨し、さらに追加で研磨(OP:オーバーポリッシュ)する。次に、CMP研磨液bを用いて、下記研磨条件2でこのCu研磨後のパターンウエハを研磨し、洗浄した。また、CMP研磨液bに代えて、CMP研磨液a(未濾過品)を用いて同様にCu研磨後のパターンウエハを研磨し、洗浄した。なお、CMP研磨液1種類につき、Cu研磨後のパターンウエハを2枚ずつ研磨し、洗浄した。
<研磨>
Cu用CMP研磨液を用いて、下記研磨条件1(後述のステップ1で研磨後、ステップ2で研磨し、洗浄する)で下記パターンウエハを研磨・洗浄した。このCu用CMP研磨液としては、市販のCu用CMP研磨液50質量部と30%過酸化水素水50質量部とを混合し、100質量部として撹拌したものを使用した。ステップ1では、Cuを200nm程度残して荒削りする。ステップ2では、この荒削り後にバリア膜であるTa膜が露出する(EP:エンドポイント)まで研磨し、さらに追加で研磨(OP:オーバーポリッシュ)する。次に、CMP研磨液bを用いて、下記研磨条件2でこのCu研磨後のパターンウエハを研磨し、洗浄した。また、CMP研磨液bに代えて、CMP研磨液a(未濾過品)を用いて同様にCu研磨後のパターンウエハを研磨し、洗浄した。なお、CMP研磨液1種類につき、Cu研磨後のパターンウエハを2枚ずつ研磨し、洗浄した。
(研磨条件1)
・研磨、洗浄装置:CMP用研磨機Reflexion(AMAT製)
・研磨パッド:発砲ポリウレタン樹脂
・プラテン回転数:60rpm(ステップ1、2ともに)
・ヘッド回転数:55rpm(ステップ1、2ともに)
・研磨圧力:13.4kPa(ステップ1)、6.7kPa(ステップ2)
・研磨液供給量:400ml/min(ステップ1、2ともに)
・研磨時間:30sec(ステップ1)、60sec(ステップ2)
なお、ステップ1の研磨時間は、ステップ2の研磨時間は前記EP+OPの時間。
(研磨条件2)
・研磨、洗浄装置:CMP用研磨機Reflexion(AMAT製)
・研磨パッド:発砲ポリウレタン樹脂
・プラテン回転数:93rpm
・ヘッド回転数:87rpm
・研磨圧力:6.7kPa
・研磨液供給量:300ml/min
・研磨時間:85sec
・研磨、洗浄装置:CMP用研磨機Reflexion(AMAT製)
・研磨パッド:発砲ポリウレタン樹脂
・プラテン回転数:60rpm(ステップ1、2ともに)
・ヘッド回転数:55rpm(ステップ1、2ともに)
・研磨圧力:13.4kPa(ステップ1)、6.7kPa(ステップ2)
・研磨液供給量:400ml/min(ステップ1、2ともに)
・研磨時間:30sec(ステップ1)、60sec(ステップ2)
なお、ステップ1の研磨時間は、ステップ2の研磨時間は前記EP+OPの時間。
(研磨条件2)
・研磨、洗浄装置:CMP用研磨機Reflexion(AMAT製)
・研磨パッド:発砲ポリウレタン樹脂
・プラテン回転数:93rpm
・ヘッド回転数:87rpm
・研磨圧力:6.7kPa
・研磨液供給量:300ml/min
・研磨時間:85sec
(パターンウエハ)
研磨に使用したパターンウエハは、Si基板上にp−SiCN膜(100nm)、p−SiOC膜(150nm)の順に積層し、深さ150nmのトレンチを掘り、その後、Ta膜(10nm)をパターンの凹凸に沿って積層し、さらに、Cu膜(340nm)をTa膜の凹凸を埋めるように積層したものである。なお、パターンウエハは、パターンの繰り返し最小単位であるチップを132個有している。
研磨に使用したパターンウエハは、Si基板上にp−SiCN膜(100nm)、p−SiOC膜(150nm)の順に積層し、深さ150nmのトレンチを掘り、その後、Ta膜(10nm)をパターンの凹凸に沿って積層し、さらに、Cu膜(340nm)をTa膜の凹凸を埋めるように積層したものである。なお、パターンウエハは、パターンの繰り返し最小単位であるチップを132個有している。
<スクラッチ数評価>
研磨、洗浄後のパターンウエハを欠陥検査装置にかけ、下記条件で得られた欠陥光学画像を観察し、L/Sパターン上の欠陥が3点以上直線状に確認された場合をスクラッチとして識別した。2枚のパターンウエハのそれぞれについてスクラッチ数を測定し、平均値を各実施例・比較例のスクラッチ数の評価結果とした。
研磨、洗浄後のパターンウエハを欠陥検査装置にかけ、下記条件で得られた欠陥光学画像を観察し、L/Sパターン上の欠陥が3点以上直線状に確認された場合をスクラッチとして識別した。2枚のパターンウエハのそれぞれについてスクラッチ数を測定し、平均値を各実施例・比較例のスクラッチ数の評価結果とした。
(評価条件)
・評価装置:欠陥検査装置SR−7300(日立ハイテク製)
・検査したL/Sパターン:L/S=250nm/180nm(配線占有率:60%)、250nm/250nm(配線占有率:50%)、250nm/380nm(配線占有率:40%)
・検査面積:0.5mm×0.5mm/チップ
・検査チップ:132チップ(ウエハ全面)
・欠陥検出感度(閾値):15
・評価装置:欠陥検査装置SR−7300(日立ハイテク製)
・検査したL/Sパターン:L/S=250nm/180nm(配線占有率:60%)、250nm/250nm(配線占有率:50%)、250nm/380nm(配線占有率:40%)
・検査面積:0.5mm×0.5mm/チップ
・検査チップ:132チップ(ウエハ全面)
・欠陥検出感度(閾値):15
中間層におけるフィルタ繊維の繊維径及び直線性(繊維長)の評価結果、粗大粒子数の評価結果、並びに、スクラッチ数の評価結果を表1に示す。なお、表1中、メディア形状の「D/P」はデプスプリーツタイプを意味し、「D」はデプスタイプを意味する。
[評価結果]
表1に示すように、実施例1〜3では、フィルタAにより≧0.56μmサイズ、及び、≧1.04μmサイズの粗大粒子が劇的に低減可能であることが確認された。また、実施例1〜3では、研磨後のパターンウエハ上のスクラッチ数は非常に少ない(1個または0個/ウエハである)ことが確認された。特に、実施例2および3では研磨後のパターンウエハ上のスクラッチ数は0個/ウエハであり、スクラッチがないことが確認された。
表1に示すように、実施例1〜3では、フィルタAにより≧0.56μmサイズ、及び、≧1.04μmサイズの粗大粒子が劇的に低減可能であることが確認された。また、実施例1〜3では、研磨後のパターンウエハ上のスクラッチ数は非常に少ない(1個または0個/ウエハである)ことが確認された。特に、実施例2および3では研磨後のパターンウエハ上のスクラッチ数は0個/ウエハであり、スクラッチがないことが確認された。
これに対して比較例1〜6では、それぞれデプスタイプのフィルタB及びCを用いているが、いずれも本発明の要件を満たすフィルタではない。そのため、いずれのフィルタも、粗大粒子の捕捉効果がフィルタAよりも悪かった。また、フィルタCは孔径(公称)が0.3μmであり、フィルタAの孔径(公称)0.8μmよりも小さいにも関わらず、粗大粒子の捕捉効果は劣っており、スクラッチ数も多かった。
1…フィルタ、3…中心多孔コア、5…濾材積層体、5a…濾材、7…プロテクター、9…エンドキャップ、10…層間絶縁膜、11…溝部、12…隆起部、13…段差部、14…面(一方面)、20…バリア層、30…金属層、100,200…基板、F…フィルタ繊維。
Claims (2)
- 砥粒と水とを含有する混合液をフィルタで濾過して得られるCMP研磨液であって、
当該CMP研磨液における0.56μm以上の粒径の粗大粒子数が5010個/ml以下であり、
前記フィルタは、筒状の濾材積層体を有し、
前記濾材積層体は、外周側から内周側に向かって複数枚の不織布状の濾材が配置されてなると共にプリーツ加工されており、
前記濾材を構成するフィルタ繊維の平均繊維径及びフィルタ繊維間の孔が前記外周側から前記内周側に向かって小さくなっており、
前記濾材の枚数を数えて前記外周側の前記濾材と前記内周側の前記濾材との間の中央に位置する中間層について下記工程(a)〜(d)により算出される前記フィルタ繊維の5%トリム平均繊維長が50〜55μmである、CMP研磨液。
工程(a):前記中間層を1000倍でSEM観察して画像を得る。
工程(b):前記工程(a)で得られた前記画像において前記濾材の50μm×50μmの領域を選択する。
工程(c):前記工程(b)で選択された前記領域の一辺から当該一辺に対向する辺にわたって延在している前記フィルタ繊維を前記領域において全て特定し、当該フィルタ繊維のそれぞれについて前記領域における繊維長を算出する。
工程(d):前記工程(c)で算出される前記繊維長を、前記工程(a)〜(c)を繰り返して計3回取得し、当該繊維長のうち大きい順に5%及び小さい順に5%を除き、残りの前記繊維長について平均値を前記5%トリム平均繊維長として算出する。 - 当該CMP研磨液における1.04μm以上の粒径の粗大粒子数が260個/ml以下である、請求項1に記載のCMP研磨液。
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- 2014-06-27 JP JP2014132568A patent/JP2014239228A/ja active Pending
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