JP2014237991A - 許容される倒壊方向を有する塔状構造物 - Google Patents

許容される倒壊方向を有する塔状構造物 Download PDF

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Abstract

【課題】倒壊を許容する方向に塔状構造物を導くことのできる許容される倒壊方向を有する塔状構造物を提供する。【解決手段】複数の主柱材101、102、103、104と、主柱材どうしを結合する複数の横架材251、252、253、254、271、272、273、274とを備え、横架材によって囲まれる架構面235、255、275、295と、架構面の上方または下方に隣接する別の架構面とによって境界づけられる層315、335、355、375が上下方向に複数重ねて構成される塔状構造物であって、複数の層のうち所定の層355において、複数の主柱材のうち、倒壊を許容する方向の主柱材の座屈長さが最も長くなるように補剛材11、12、13、14が設置される。【選択図】図1

Description

本発明は、許容される倒壊方向を有する塔状構造物に関する。具体的には、万一、設計強度を超える外力を受けた場合に、倒壊する方向が予め設定されている塔状構造物に関する。
鉄塔構造物等の塔状構造物は、風の影響、地震の影響を考慮して設計される。従来より、骨組み構造体において、構造体があらゆる方向の外力に対して剛性を有することが記載された文献がある(特許文献1参照)。塔状構造物において、座屈長さを短くして、小断面であっても十分な座屈強度を確保することが記載された文献がある(特許文献2参照)。ガゼットプレートを用いた構造物の接合構造において、面外座屈、面外変形を抑制することが記載された文献がある(特許文献3参照)。
再表95/021351号公報 特開2006−193902号公報 特開2004−324270号公報
しかしながら、特許文献1〜3のいずれの文献にも、倒壊を許容する方向に塔状構造物を導くことについての記載はない。
本発明は、倒壊を許容する方向に塔状構造物を導くことのできる許容される倒壊方向を有する塔状構造物を提供することを目的とする。
本発明は、複数の主柱材と、前記主柱材どうしを結合する複数の横架材とを備え、前記横架材によって囲まれる架構面と、前記架構面の上方または下方に隣接する別の架構面とによって境界づけられる層が上下方向に複数重ねて構成される塔状構造物であって、前記複数の層のうち所定の層において、前記複数の主柱材のうち、倒壊を許容する方向の主柱材の座屈長さが最も長くなるように補剛材が設置される、許容される倒壊方向を有する塔状構造物に関する。
本発明によれば、倒壊を許容する方向に塔状構造物を導くことができる。
本発明による第1実施形態の塔状構造物を示す概略的立面図である。 許容される倒壊方向を有する層を示す概略的斜視図である。 図2の層において架構面を示す図である。 図2の層を平面的に示す概念図である。 本発明による第2実施形態の塔状構造物の要部を示す概略的斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明による第1実施形態の塔状構造物1を示す。塔状構造物1は、主柱材100と、横架材200と、ブレース300とを備える。ここで、主柱材の符号100、横架材の符号200、ブレースの符号300は、いずれも総称としてのものであり、図中では個別の符号を付す。図1に関する以下の説明において、図示されない部分の符号については、括弧をつけて示す。
主柱材100は、4本設けられる。4本の主柱材101、102、103(、104)は、下端部111、112、113(、114)を有する。主柱材101、102、103(、104)は、下端部111、112、113(、114)から所定の高さに、第1高さ位置131、132、133(、134)を有する。下端部111、112、113(、114)から第1高さ位置131、132、133(、134)までの部分を、第1主柱部材121、122、123(、124)と称する。主柱材101、102、103(、104)は、第1高さ位置131、132、133(、134)から所定の高さに、第2高さ位置151、152、153(、154)を有する。第1高さ位置131、132、133(、134)から第2高さ位置151、152、153(、154)までの部分を、第2主柱部材141、142、143(、144)と称する。主柱材101、102、103(、104)は、第2高さ位置151、152、153(、154)から所定の高さに、第3高さ位置171、172、173(、174)を有する。第2高さ位置151、152、153(、154)から第3高さ位置171、172、173(、174)までの部分を、第3主柱部材161、162、163(、164)と称する。主柱材101、102、103(、104)は、第3高さ位置171、172、173(、174)から所定の高さに、第4高さ位置191、192、193(、194)を有する。第3高さ位置171、172、173(、174)から第4高さ位置191、192、193(、194)までの部分を、第4主柱部材181、182、183(、184)と称する。
横架材200は、主柱材101、102、103(、104)の各高さ位置に、それぞれ4本ずつ設けられる。
主柱材101、102、103(、104)の第1高さ位置131、132、133(、134)には、第1高さの横架材231、232(、233、234)が設けられる。横架材231の一端部は、主柱材101の第1高さ位置131に結合される。横架材231の他端部は、主柱材102の第1高さ位置132に結合される。横架材232の一端部は、主柱材102の第1高さ位置132に結合される。横架材232の他端部は、主柱材103の第1高さ位置133に結合される。横架材(233)の一端部は、主柱材103の第1高さ位置133に結合される。横架材(233)の他端部は、主柱材(104)の第1高さ位置(134)に結合される。横架材(234)の一端部は、主柱材(104)の第1高さ位置(134)に結合される。横架材(234)の他端部は、主柱材101の第1高さ位置131に結合される。第1高さの4本の横架材231、232(、233、234)によって囲まれる平面を、第1架構面235と称する。
主柱材101、102、103(、104)の第2高さ位置151、152、153(、154)には、第2高さの横架材251、252(、253、254)が設けられる。横架材251の一端部は、主柱材101の第2高さ位置151に結合される。横架材251の他端部は、主柱材102の第2高さ位置152に結合される。横架材252の一端部は、主柱材102の第2高さ位置152に結合される。横架材252の他端部は、主柱材103の第2高さ位置153に結合される。横架材(253)の一端部は、主柱材103の第2高さ位置153に結合される。横架材(253)の他端部は、主柱材(104)の第2高さ位置(154)に結合される。横架材(254)の一端部は、主柱材(104)の第2高さ位置(154)に結合される。横架材(254)の他端部は、主柱材101の第2高さ位置151に結合される。第2高さの4本の横架材251、252(、253、254)によって囲まれる平面を、第2架構面255と称する。
主柱材101、102、103(、104)の第3高さ位置171、172、173(、174)には、第3高さの横架材271、272(、273、274)が設けられる。横架材271の一端部は、主柱材101の第3高さ位置171に結合される。横架材271の他端部は、主柱材102の第3高さ位置172に結合される。横架材272の一端部は、主柱材102の第3高さ位置172に結合される。横架材272の他端部は、主柱材103の第3高さ位置173に結合される。横架材(273)の一端部は、主柱材103の第3高さ位置173に結合される。横架材(273)の他端部は、主柱材(104)の第3高さ位置(174)に結合される。横架材(274)の一端部は、主柱材(104)の第3高さ位置(174)に結合される。横架材(274)の他端部は、主柱材101の第3高さ位置171に結合される。第3高さの4本の横架材271、272(、273、274)によって囲まれる平面を、第3架構面275と称する。
主柱材101、102、103(、104)の第4高さ位置191、192、193(、194)には、第4高さの横架材291、292(、293、294)が設けられる。横架材291の一端部は、主柱材101の第4高さ位置191に結合される。横架材291の他端部は、主柱材102の第4高さ位置192に結合される。横架材292の一端部は、主柱材102の第4高さ位置192に結合される。横架材292の他端部は、主柱材103の第4高さ位置193に結合される。横架材(293)の一端部は、主柱材103の第4高さ位置193に結合される。横架材(293)の他端部は、主柱材(104)の第4高さ位置(194)に結合される。横架材(294)の一端部は、主柱材(104)の第4高さ位置(194)に結合される。横架材(294)の他端部は、主柱材101の第4高さ位置191に結合される。第4高さの4本の横架材291、292(、293、294)によって囲まれる平面を、第4架構面295と称する。
ブレース300は、隣接する2本の主柱材100および隣接する2本の横架材200によって囲まれる面に2本ずつ設けられる。但し、最下段については、主柱材100の接地面を仮想の横架材200とみなす。
主柱材101、102の第1主柱部材121、122と、主柱材101、102の接地面と、第1高さの横架材231とで囲まれる面には、2本のブレース311、321が設けられる。主柱材102、103の第1主柱部材122、123と、主柱材102、103の接地面と、第1高さの横架材232とで囲まれる面には、2本のブレース312、322が設けられる。主柱材103(、104)の第1主柱部材123(、124)と、主柱材103(、104)の接地面と、第1高さの横架材(233)とで囲まれる面には、2本のブレース(313、323)が設けられる。主柱材(104、)101の第1主柱部材(124、)121と、主柱材(104、)101の接地面と、第1高さの横架材(234)とで囲まれる面には、2本のブレース(314、324)が設けられる。ブレース311、321、312、322(、313、323、314、324)によって4面を囲まれる高さ空間、換言すれば、接地面から第1架構面235までの高さ空間を、第1層315と称する。なお、各ブレース311、321、312、322(、313、323、314、324)の結合の態様については、後述する第3層355と同様である。
主柱材101、102の第2主柱部材141、142と、第1高さの横架材231と、第2高さの横架材251とで囲まれる面には、2本のブレース331、341が設けられる。主柱材102、103の第2主柱部材142、143と、第1高さの横架材232と、第2高さの横架材252とで囲まれる面には、2本のブレース332、342が設けられる。主柱材103(、104)の第2主柱部材143(、144)と、第1高さの横架材(233)と、第2高さの横架材(253)とで囲まれる面には、2本のブレース(333、343)が設けられる。主柱材(104、)101の第2主柱部材(144、)141と、第1高さの横架材(234)と、第2高さの横架材(254)とで囲まれる面には、2本のブレース(334、344)が設けられる。ブレース331、341、332、342(、333、343、334、344)によって4面を囲まれる高さ空間、換言すれば、第1架構面235から第2架構面255までの高さ空間を、第2層335と称する。なお、各ブレース331、341、332、342(、333、343、334、344)の結合の態様については、後述する第3層355と同様である。
ここでは、第3層355について説明する。第3層355は、図2に示されているので、図1に加え図2も併せて参照しながら説明する。
主柱材101、102の第3主柱部材161、162と、第2高さの横架材251と、第3高さの横架材271とで囲まれる面には、2本のブレース351、361が設けられる。ブレース351の一端部は、主柱材101の第2高さ位置151に結合される。ブレース351の他端部は、主柱材102の第3高さ位置172に結合される。ブレース361の一端部は、主柱材102の第2高さ位置152に結合される。ブレース361の他端部は、主柱材101の第3高さ位置171に結合される。
主柱材102、103の第3主柱部材162、163と、第2高さの横架材252と、第3高さの横架材272とで囲まれる面には、2本のブレース352、362が設けられる。ブレース352の一端部は、主柱材102の第2高さ位置152に結合される。ブレース352の他端部は、主柱材103の第3高さ位置173に結合される。ブレース362の一端部は、主柱材103の第2高さ位置153に結合される。ブレース362の他端部は、主柱材102の第3高さ位置172に結合される。
主柱材103、104の第3主柱部材163、164と、第2高さの横架材253と、第3高さの横架材273とで囲まれる面には、2本のブレース353、363が設けられる。ブレース353の一端部は、主柱材103の第2高さ位置153に結合される。ブレース353の他端部は、主柱材104の第3高さ位置174に結合される。ブレース363の一端部は、主柱材104の第2高さ位置154に結合される。ブレース363の他端部は、主柱材103の第3高さ位置173に結合される。
主柱材104、101の第3主柱部材164、161と、第2高さの横架材254と、第3高さの横架材274とで囲まれる面には、2本のブレース354、364が設けられる。ブレース354の一端部は、主柱材104の第2高さ位置154に結合される。ブレース354の他端部は、主柱材101の第3高さ位置171に結合される。ブレース364の一端部は、主柱材101の第2高さ位置151に結合される。ブレース364の他端部は、主柱材104の第3高さ位置174に結合される。
ブレース351、361、352、362、353、363、354、364によって4面を囲まれる高さ空間、換言すれば、第2架構面255から第3架構面275までの高さ空間を、第3層355と称する。
主柱材101、102の第4主柱部材181、182と、第3高さの横架材271と、第4高さの横架材291とで囲まれる面には、2本のブレース371、381が設けられる。主柱材102、103の第4主柱部材182、183と、第3高さの横架材272と、第4高さの横架材292とで囲まれる面には、2本のブレース372、382が設けられる。主柱材103(、104)の第4主柱部材183(、184)と、第3高さの横架材(273)と、第4高さの横架材(293)とで囲まれる面には、2本のブレース(373、383)が設けられる。主柱材(104、)101の第4主柱部材(184、)181と、第3高さの横架材(274)と、第4高さの横架材(294)とで囲まれる面には、2本のブレース(374、384)が設けられる。ブレース371、381、372、382(、373、383、374、384)によって4面を囲まれる高さ空間、換言すれば、第3架構面275から第4架構面295までの高さ空間を、第4層375と称する。なお、各ブレース371、381、372、382(、373、383、374、384)の結合の態様については、第3層355と同様である。
上記のような塔状構造物1において、強度設計上の余裕度が各層の中で最も小さい層(例えば、第3層355)に対して、許容される倒壊方向を設定するための座屈止めが施される。図2〜図4は、第3層335を示す。図2〜図4を参照して、許容される倒壊方向を設定するための座屈止めについて説明する。
図3において、第2架構面255は、比較的密度の細かいドットを付けて示し、第3架構面275は、比較的密度の粗いドットを付けて示す。図3に示すように、第3層335は、第2架構面255と、第3架構面275とによって、上下方向に境界づけられる。第2架構面255と、第3架構面275とは、主柱材101、102、103、104の第3主柱部材161、162、163、164によって間隔を保持される。
図4において、塔状構造物1が万一倒壊すると仮定した場合に、最もまたは絶対に倒壊させたくない方向を主柱材103(第3主柱部材163)の方向D3とし、相対的に倒壊を許容する方向を主柱材101(第3主柱部材161)の方向D1とする。この場合、倒壊を許容する方向D1の主柱材101(第3主柱部材161)の座屈長さが最も長くなるように補剛材10が設けられる。ここで、補剛材の符号10は、総称としてのものであり、図中では個別の符号を付す。
具体的に、第3主柱部材161、162間には、第1補剛材11が設けられる。第1補剛材11の一端部は、第3主柱部材161の下端部に結合される。第1補剛材11の他端部は、第3主柱部材162の下端部から第3主柱部材162の長さのほぼ1/4の高さに結合される。
第3主柱部材162、163間には、第2補剛材12が設けられる。第2補剛材12の一端部は、第3主柱部材162の下端部から第3主柱部材162の長さのほぼ1/4の高さに結合される。第2補剛材12の他端部は、第3主柱部材163の下端部から第3主柱部材163の長さのほぼ1/2の高さに結合される。
第3主柱部材163、164間には、第3補剛材13が設けられる。第3補剛材13の一端部は、第3主柱部材163の下端部から第3主柱部材163の長さのほぼ1/2の高さに結合される。第3補剛材13の他端部は、第3主柱部材164の下端部から第3主柱部材164の長さのほぼ1/4の高さに結合される。
第3主柱部材164、161間には、第4補剛材14が設けられる。第4補剛材14の一端部は、第3主柱部材164の下端部から第3主柱部材164の長さのほぼ1/4の高さに結合される。第4補剛材14の他端部は、第3主柱部材161の下端部に結合される。
すなわち、第3主柱部材161(主柱材101)には、その下端部に、第1補剛材11および第4補剛材14が結合される。そのため、第3主柱部材161(主柱材101)の座屈長さは、変更されない。
これに対して、第3主柱部材163(主柱材103)には、その下端部から第3主柱部材163の長さのほぼ1/2の高さに、第2補剛材12および第3補剛材13が結合される。そのため、第3主柱部材163(主柱材103)の座屈長さは、その下端部から第2補剛材12および第3補剛材13の結合部までの長さをとっても、上端部から第2補剛材12および第3補剛材13の結合部までの長さをとっても、どちらも約1/2に短縮される。
第3主柱部材162(主柱材102)には、その下端部から第3主柱部材162の長さのほぼ1/4の高さに、第1補剛材11および第2補剛材12が結合される。そのため、第3主柱部材162(主柱材102)の座屈長さは、その上端部から第1補剛材11および第2補剛材12の結合部までの長さ(第3主柱部材162の長さの約3/4)に短縮される。
第3主柱部材164(主柱材104)には、その下端部から第3主柱部材164の長さのほぼ1/4の高さに、第3補剛材13および第4補剛材14が結合される。そのため、第3主柱部材164(主柱材104)の座屈長さは、その上端部から第3補剛材13および第4補剛材14の結合部までの長さ(第3主柱部材164の長さの約3/4)に短縮される。
したがって、図4において、塔状構造物1が万一倒壊すると仮定した場合に、最もまたは絶対に倒壊させたくない方向D3にある第3主柱部材163(主柱材103)の座屈長さは、最も短い。つまり、最も座屈しにくい。
反対に、相対的に倒壊を許容する方向D1にある第3主柱部材161(主柱材101)の座屈長さは、最も長い。つまり、最も座屈しやすい。
方向D3、D1に対して直交する方向D2、D4にある第3主柱部材162(主柱材102)の座屈長さおよび第3主柱部材164(主柱材104)の座屈長さは、共に、第3主柱部材163(主柱材103)の座屈長さと、第3主柱部材161(主柱材101)の座屈長さとの中間にある。
方向D3にある第3主柱部材163を除き、残りの第3主柱部材161、162、164には、テンションワイヤ20が設けられる。ここで、テンションワイヤの符号20は、総称としてのものであり、図中では個別の符号を付す。テンションワイヤ20は、主柱材101、102、104の第2高さ位置151、152、154と第3高さ位置171、172、174との距離が第3主柱部材161、162、164の長さよりも実質的に大きくなることを防止する。
第3主柱部材161には、第1テンションワイヤ21が取り付けられる。第1テンションワイヤ21の下端部は、主柱材101の第2高さ位置151に取り付けられる。第1テンションワイヤ21の上端部は、主柱材101の第3高さ位置171に取り付けられる。
第3主柱部材162には、第2テンションワイヤ22が取り付けられる。第2テンションワイヤ22の下端部は、主柱材102の第2高さ位置152に取り付けられる。第2テンションワイヤ22の上端部は、主柱材102の第3高さ位置172に取り付けられる。
第3主柱部材164には、第3テンションワイヤ23が取り付けられる。第3テンションワイヤ23の下端部は、主柱材104の第2高さ位置154に取り付けられる。第3テンションワイヤ23の上端部は、主柱材104の第3高さ位置174に取り付けられる。
次に、上記のように構成された塔状構造物1の作用について説明する。
塔状構造物1は、設計強度の範囲内の外力を受ける限り、倒壊することなく通常の使用に耐える。塔状構造物1が、万一、例えば巨大地震等で想定を超える外力を受けて倒壊する危険を生じた場合に、塔状構造物1は、つぎのように挙動する。
第3層355は、強度設計上の余裕度が各層の中で最も小さい。そのため、塔状構造物1が想定を超える外力を受けて倒壊する危険を生じた場合に、圧縮座屈を起こす可能性が最も高いのは、第3層355である。
図4に示すように、第3層355において、方向D3にある第3主柱部材163(主柱材103)の座屈長さは、最も短く、方向D1にある第3主柱部材161(主柱材101)の座屈長さは、最も長い。そして、方向D2にある第3主柱部材162(主柱材102)の座屈長さ、および方向D4にある第3主柱部材164(主柱材104)の座屈長さは、両者の中間にある。
そのため、第3層355において、圧縮座屈を起こす可能性が最も高いのは、方向D1にある第3主柱部材161(主柱材101)である。したがって、塔状構造物1は、方向D1にある第3主柱部材161(主柱材101)に圧縮座屈が起こるように導かれる。そして、その結果、塔状構造物1は、方向D1を中心とするある範囲内の方向に倒壊する。
ところで、方向D1にある第3主柱部材161(主柱材101)に圧縮座屈が起きても、塔状構造物1は、少し変形しただけで動き止まり、直ぐには破断しない場合も考えられる。このとき、反対方向(方向D3)への揺り戻しを受けると、塔状構造物1は、今度は方向D3に倒壊する危険が生じる。
しかしこの危険は、第1〜3テンションワイヤ21、22、23によって防止される。すなわち、第1テンションワイヤ21は、主柱材101の第2高さ位置151と第3高さ位置171との距離が第3主柱部材161の長さよりも実質的に大きくなる(塔状構造物1がD3方向に傾く)ことを防止する。第2テンションワイヤ22は、主柱材102の第2高さ位置152と第3高さ位置172との距離が第3主柱部材162の長さよりも実質的に大きくなる(塔状構造物1がD3からややD4に振れる方向に傾く)ことを防止する。第3テンションワイヤ23は、主柱材104の第2高さ位置154と第3高さ位置174との距離が第3主柱部材164の長さよりも実質的に大きくなる(塔状構造物1がD3からややD2に振れる方向に傾く)ことを防止する。
したがって、方向D1にある第3主柱部材161(主柱材101)に圧縮座屈が起きた後、反対方向(方向D3)への揺り戻しを受けた場合でも、塔状構造物1が方向D3に倒壊する危険は、回避される。
第1実施形態の塔状構造物1によれば、倒壊を許容する方向D1にある第3主柱部材161(主柱材101)の座屈長さを最も長くすることができる。そのため、想定を超える外力が作用して塔状構造物1が倒壊に至ることを避けられない場合に、倒壊を許容する方向D1に塔状構造物1を導くことができき、したがって、最もまたは絶対に倒壊させたくない方向への倒壊を回避することができる。
図5は、本発明による第2実施形態の塔状構造物2を示す。塔状構造物2は、各層(第3層355以外は図示省略)において、ブレース(ブレース351、361、352、362、353、363、354、364以外は図示省略)の交差部を通る高さ位置に、水平に延びる4本の座屈止め材(座屈止め材451、452、453、454以外は図示省略)が既に設置されている。
すなわち、座屈止め材451の一端部は、第3主柱部材161の中間高さに結合される。座屈止め材451の他端部は、第3主柱部材162の中間高さに結合される。座屈止め材451の中間部は、ブレース351、361の交差部に結合される。座屈止め材452の一端部は、第3主柱部材162の中間高さに結合される。座屈止め材452の他端部は、第3主柱部材163の中間高さに結合される。座屈止め材452の中間部は、ブレース352、362の交差部に結合される。座屈止め材453の一端部は、第3主柱部材163の中間高さに結合される。座屈止め材453の他端部は、第3主柱部材164の中間高さに結合される。座屈止め材453の中間部は、ブレース353、363の交差部に結合される。座屈止め材454の一端部は、第3主柱部材164の中間高さに結合される。座屈止め材454の他端部は、第3主柱部材161の中間高さに結合される。座屈止め材454の中間部は、ブレース354、364の交差部に結合される。
そのため、塔状構造物2において、各層は、上下2層に分割される。例えば、第3層355は、4本の座屈止め材451、452、453、454によって囲まれる平面により、上層と下層とに分割される。
上記のような塔状構造物2において、強度設計上の余裕度が各層の上層および下層の中で最も小さい層(例えば、第3層355の下層)に対して、許容される倒壊方向を設定するための座屈止めが施される。
具体的に、第3主柱部材161、162間には、第1補剛材11が設けられる。第1補剛材11の一端部は、第3主柱部材161の下端部に結合される。第1補剛材11の他端部は、第3主柱部材162の下端部から、第3主柱部材162と座屈止め材451との結合部までの長さのほぼ1/4の高さに結合される。
第3主柱部材162、163間には、第2補剛材12が設けられる。第2補剛材12の一端部は、第3主柱部材162の下端部から、第3主柱部材162と座屈止め材452との結合部までの長さのほぼ1/4の高さに結合される。第2補剛材12の他端部は、第3主柱部材163の下端部から、第3主柱部材163と座屈止め材452との結合部までの長さのほぼ1/2の高さに結合される。
第3主柱部材163、164間には、第3補剛材13が設けられる。第3補剛材13の一端部は、第3主柱部材163の下端部から、第3主柱部材163と座屈止め材453との結合部までの長さのほぼ1/2の高さに結合される。第3補剛材13の他端部は、第3主柱部材164の下端部から、第3主柱部材164と座屈止め材453との結合部までの長さのほぼ1/4の高さに結合される。
第3主柱部材164、161間には、第4補剛材14が設けられる。第4補剛材14の一端部は、第3主柱部材164の下端部から、第3主柱部材164と座屈止め材454との結合部までの長さのほぼ1/4の高さに結合される。第4補剛材14の他端部は、第3主柱部材161の下端部に結合される。
すなわち、第3層355の下層において、第1実施形態の塔状構造物1において第3層355に施された座屈止めと同様の座屈止めが施される。
上記のように構成された塔状構造物2の作用は、第1実施形態の塔状構造物1の作用と同様であるので、重複する説明を省略する。
また、塔状構造物2の効果は、第1実施形態の塔状構造物1の効果と同様であるので、重複する説明を省略する。
なお、上記の実施形態では、塔状構造物1を4層構造として説明した。しかしながら、塔状構造物は、例えば、5層以上の構造としてもよく、または3層以下の構造としてもよい。
1、2…塔状構造物
11、12、13、14…補剛材
21、22、23…テンションワイヤ
101、102、103、104…主柱材
161、162、163、164…主柱部材
251、252、253、254、271、272、273、274…横架材
235、255、275、295…架構面
315、335、355、375…層

Claims (4)

  1. 複数の主柱材と、前記主柱材どうしを結合する複数の横架材とを備え、前記横架材によって囲まれる架構面と、前記架構面の上方または下方に隣接する別の架構面とによって境界づけられる層が上下方向に複数重ねて構成される塔状構造物であって、
    前記複数の層のうち所定の層において、前記複数の主柱材のうち、倒壊を許容する方向の主柱材の座屈長さが最も長くなるように補剛材が設置される、許容される倒壊方向を有する塔状構造物。
  2. 前記倒壊を許容する方向の前記主柱材から、反対側の主柱材に向かって、各主柱材の座屈長さが段階的に短くなるように補剛材が設置される、請求項1に記載の許容される倒壊方向を有する塔状構造物。
  3. 前記所定の層において、前記倒壊を許容する方向の前記主柱材の外側に、テンションワイヤが取り付けられる、請求項1または2に記載の許容される倒壊方向を有する塔状構造物。
  4. 前記所定の層は、前記複数の層のうち、外力により座屈を受けやすい層が選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の許容される倒壊方向を有する塔状構造物。
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