JP2014237842A - フッ素ポリマー分散液からのフルオロエーテルカルボン酸または塩の熱減量 - Google Patents

フッ素ポリマー分散液からのフルオロエーテルカルボン酸または塩の熱減量 Download PDF

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Abstract

【課題】含フッ素ポリマー水性分散液のフルオロエーテルカルボン酸又は塩の含有量を低減する方法を提供。
【解決手段】下記の式で表わされるフルオロエーテルカルボン酸又は塩を含み水性含フッ素ポリマー分散液に安定剤を加えて安定化された含フッ素ポリマー水性分散液を形成し、この水性分散液を加熱し添加したフルオロエーテルカルボン酸又は塩を脱炭酸することによりフルオロエーテル副生成物を生成させ、フルオロエーテル副生成物の少なくとも一部を除去することでフルオロエーテルカルボン酸又は塩を低減する方法。[R−O−L−COO]Y(Rはエーテル結合を含んでいてもよい一部又は全部がフッ素化された直鎖状、分枝状、又は環状脂肪族基;Lは、エーテル結合を含んでいてもよい一部又は全部がフッ素化された分枝状アルキレン基;Y+はH、アンモニウム、又はアルカリ金属陽イオン)
【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素ポリマー分散液からフルオロエーテルカルボン酸または塩を熱的に減量する方法に関する。
一般に、フッ素ポリマーの水性分散重合プロセスにはパーフルオロオクタン酸またはその塩等のフッ素系界面活性剤が重合剤として用いられる。パーフルオロオクタン酸およびその塩が環境問題に関与することから、フッ素ポリマー重合プロセス中にパーフルオロオクタン酸およびその塩を減量または除去することへの関心が高まっている。最近では、フッ素ポリマー重合時にパーフルオロアルカンカルボン酸または塩に替えてフルオロエーテルカルボン酸または塩を使用することに関心が寄せられている。また、フッ素ポリマー製造業者は使用したフルオロエーテルカルボン酸または塩を捕集するかまたはそれ以外で収容することを望んでいる。フルオロポリエーテル酸または塩を使用して作製されたフッ素ポリマー水性分散液は残留フルオロエーテルカルボン酸または塩を多量に含む可能性があるため、このような分散液中の残留フルオロエーテルカルボン酸または塩を減量することが望まれている。
例えば、特許文献1にはフッ素ポリマーの水性分散重合におけるフルオロエーテルカルボン酸界面活性剤の使用および分散液中のフルオロエーテルカルボン酸界面活性剤の減量が開示されている。特許文献1のフルオロエーテルカルボン酸界面活性剤は、式:
[R−O−L−COOi+
(式中、Lは、一部または全部がフッ素化された直鎖状アルキレン基または脂肪族炭化水素基を表し、Rは、一部もしくは全部がフッ素化された直鎖状脂肪族基または1個もしくはそれ以上の酸素原子が介在した一部もしくは全部がフッ素化された直鎖状脂肪族基を表し、Xi+はi価の陽イオンを表し、iは1、2、または3である)を有する。この式の界面活性剤を以後「直鎖状フルオロエーテルカルボン酸または塩」と称する。
特許文献1には、フッ素ポリマー分散液中の直鎖状フルオロエーテルカルボン酸の減量に適した周知の技法が幾つか記載されており、特許文献2には分散液とイオン交換樹脂との接触が開示されており;例えば特許文献3には限外濾過が開示されており;特許文献4には傾瀉を含む方法が開示されており;特許文献5にはフッ素系界面活性剤の遊離酸形態の水蒸気蒸留を含む方法が開示されている。特許文献1に記載されているフッ素系界面活性剤の減量方法は複雑かつ/またはフッ素ポリマー分散液の処理に顕著な不利益をもたらすことが周知である。
米国特許出願公開第2007/0015864A1号明細書 国際公開第00/35971号パンフレット 米国特許第4,369,266号明細書 欧州特許第1538177号明細書 欧州特許第1274771号明細書
フッ素ポリマー分散液からフルオロエーテルカルボン酸または塩を減量する改善された
方法、特に分散液の濃縮操作と十分に連携する簡素な方法が望まれている。
本発明は、フッ素ポリマー水性分散液のフルオロエーテルカルボン酸または塩の含有量を低減する方法を提供する。使用されるフルオロエーテルカルボン酸または塩は以下の式I:
[R−O−L−COO]Y (I)
(式中、R1は、エーテル結合を含んでいてもよい一部または全部がフッ素化された直鎖状、分枝状、または環状脂肪族基であり、Lは、エーテル結合を含んでいてもよい一部または全部がフッ素化された分枝状アルキレン基であり、Y+は、水素、アンモニウム、またはアルカリ金属陽イオンである)を有するフルオロエーテルカルボン酸または塩を含む。本方法は、フッ素ポリマー水性分散液に安定剤を添加することにより安定化されたフッ素ポリマー水性分散液を形成することと、安定化されたフッ素ポリマー水性分散液を加熱することによりフルオロエーテルカルボン酸または塩を脱炭酸してフルオロエーテル副生成物を生成させることとを含む。このフルオロエーテル副生成物の少なくとも一部が除去される。
フルオロエーテルカルボン酸または塩
本発明による方法においては、フッ素ポリマー分散液中の上式Iに従う幅広い種類の任意の分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩を減量することができる。式Iのフルオロエーテルを以後「分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩」と称する。好ましくは、式I中のLはエーテル結合を含んでいてもよい完全にフッ素化された分枝状アルキレン基であり、より好ましくは−CF(CF)−である。分散液中には式1の単一種の化合物または2種以上の化合物の混合物が存在してもよい。
本発明の方法は、フルオロエーテルカルボン酸または塩が高度にフッ素化されている場合に特に有用である。「高度にフッ素化されている」とは、フッ素系界面活性剤中のフッ素および水素原子の総数の少なくとも約50%がフッ素原子であることを意味する。より好ましくは、フルオロエーテルカルボン酸または塩中のフッ素および水素原子の総数の少なくとも約75%、最も好ましくは少なくとも約90%がフッ素原子である。本発明の方法は、フッ素ポリマー分散液中のパーフルオロエーテルカルボン酸または塩の減量に特に適している。
本発明の方法の一実施形態に従い減量することができる分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩は、式(I)(式中、Rは、CF−CF−CF−O−(−CFCF−CF−O−)であり、nは、0〜35であり、Lは、−CF(CF)−である)で表される構造を有する化合物または化合物の混合物である。便宜上、これらの化合物を式II:
[CF−CF−CF−O−(−CFCF−CF−O−)−CFCF−COO]Y (II)
(式中、nは、0〜35であり、Yは、水素、アンモニウム、またはアルカリ金属陽イオンである)で表すこともできる。本発明は、nが0〜10、特にnが0〜3である場合に有利に用いられる。本発明は、Yが水素またはアンモニウムである場合に特に有用である。
本発明の他の実施形態においては、本方法は、数平均分子量が少なくとも約800g/molである分枝状フルオロポリエーテルカルボン酸または塩の混合物と分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩界面活性剤の組合せを含む重合剤の存在下に重合されたフッ素ポリマー分散液の分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩の含有量を低減するため
に用いられる。この種の分散液は米国特許出願公開第2008/0269408A1号明細書に開示されている。好ましくは、分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩界面活性剤の鎖長は6以下である。本出願に用いられる「鎖長」は、本発明の方法に用いられるフルオロエーテルの疎水性末端すなわち式I中のR−O−L−で表される構造を有する部分の最も長い直鎖中の原子数を指す。鎖長には界面活性剤の疎水性末端鎖中の炭素以外に酸素原子等の原子も含まれるが、最長直鎖とは異なる分枝状の鎖は含まず、カルボキシレート基の炭素原子も含まない。好ましくは、鎖長は原子4〜6個である。本発明の他の好ましい形態によれば鎖長は原子3〜5個である。最も好ましくは、鎖長は原子4〜5個である。
例えば、本発明の方法の好ましい実施形態に従い処理される分散液は、nが0である式IIに従う分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩界面活性剤を含んでいてもよく、これは以下の式III:
[CFCFCFOCF(CF)COO]Y (III)
(式中、Yは水素、アンモニウム、またはアルカリ金属陽イオンである)で表すことができる。この化合物を以後ダイマー酸(DA)(酸形態)およびダイマー酸塩(DAS)(塩形態)と称する。この化合物の鎖長は5である。この式の化合物は、米国特許第3,291,843号明細書に従い調製されるパーフルオロ−2−プロポキシプロピオニルフルオリド中間体から得てもよいし、あるいはヘキサフルオロプロピレンオキシドを二量化した後、得られたフッ化アシルを加水分解してカルボン酸(酸の場合)にし、塩の場合は同時に、または次いで適切な塩基と反応させて所望の塩を生成させることにより得てもよい。ヘキサフルオロプロピレンオキシドを二量化する手順は英国特許第1292268号明細書に開示されている。
フッ素ポリマーおよび分散重合
本発明による方法は、少なくとも1種の含フッ素モノマーすなわち少なくとも1種のモノマーがフッ素を含むもの、好ましくは二重結合した炭素に結合した少なくとも1種のフッ素またはパーフルオロアルキル基を有するオレフィン性モノマーから作製されたフッ素ポリマーの粒子を含む多種多様なフッ素ポリマー分散液に有用である。含フッ素モノマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブチレン、パーフルオロアルキルエチレン、フルオロビニルエーテル、フッ化ビニル(VF)、フッ化ビニリデン(VF2)、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール(PDD)、パーフルオロ−2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン(PMD)、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)、およびパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)からなる群から独立に選択してもよい。好ましいパーフルオロアルキルエチレンモノマーはパーフルオロブチルエチレン(PFBE)である。好ましいフルオロビニルエーテルとしては、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)等のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)モノマーが挙げられる。エチレンやプロピレン等の非フッ素系オレフィン性コモノマーを含フッ素モノマーと共重合させることができる。
フルオロビニルエーテルとしては、フッ素ポリマーに官能性を導入するのに有用なものも挙げられる。そのようなものとして、CF=CF−(O−CFCFR−O−CFCFR’SOF(式中、RおよびR’はF、Cl、または1〜10個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル基から独立に選択され、a=0、1、または2である)が挙げられる。この種のポリマーは、米国特許第3,282,875号明細書(CF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCFSOF、パーフルオロ(3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホニルフルオリド))、ならびに米国特許
第4,358,545号明細書および米国特許第4,940,525号明細書(CF=CF−O−CFCFSOF)に開示されている。他の例としては、米国特許第4,552,631号明細書に開示されているCF=CF−O−CF−CF(CF)−O−CFCFCOCH、パーフルオロ(4,7−ジオキサ−5−メチル−8−ノナンカルボン酸)のメチルエステルがある。ニトリル、シアネート、カルバメート、およびホスホン酸の官能性を有する類似のフルオロビニルエーテルが米国特許第5,637,748号明細書、米国特許第6,300,445号明細書、および米国特許第6,177,196号明細書に開示されている。
本発明は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(変性PTFEを含む)の水性分散液中の分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩を減量するのに特に有用である。PTFEおよび変性PTFEの溶融クリープ粘度は典型的には少なくとも約1×10Pa・sであり、このような高溶融粘度を有するポリマーは溶融状態における流動性がかなり低いため、溶融加工可能なポリマーではない。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とは、任意のコモノマーを有意に存在させることなくテトラフルオロエチレン同士を重合させたものを指す。変性PTFEとは、結果として得られるポリマーの融点がPTFEのそれよりも大幅に低下しないような低含有量のコモノマーとTFEとの共重合体を指す。この種のコモノマーの含有量は好ましくは1重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満である。有意な効果を得るための最小量として、好ましくは少なくとも約0.05重量%が使用される。少量のコモノマー変性剤を用いることにより焼成(融解)時の被膜形成能が改善される。コモノマー変性剤としては、パーフルオロオレフィン、特にヘキサフルオロプロピレン(HFP)またはアルキル基が1〜5個の炭素原子を含むパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)が挙げられ、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)およびパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)が好ましい。クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、パーフルオロブチルエチレン(PFBE)、または分子に嵩高い側基を導入する他のモノマーもコモノマー変性剤として可能である。
本発明はまた、溶融加工可能なフッ素ポリマー分散液中のフルオロエーテルカルボン酸または塩の含有量を低減するのに特に有用である。溶融加工可能とは、ポリマーを押出機や射出成形機等の従来の加工設備を用いて溶融状態で加工する(すなわち、溶融物を成形して意図された目的に有用な十分な強度および靭性を示すフィルム、繊維、チューブ等の物品を作製する)ことができることを意味する。このような溶融加工可能なフッ素ポリマーの例としては、ポリクロロトリフルオロエチレン等の単独重合体またはテトラフルオロエチレン(TFE)と、少なくとも1種の共重合可能な含フッ素モノマー(コモノマー)(これは、通常、共重合体の融点がTFE単独重合体であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のそれを実質的に下回るように、例えば融解温度が315℃以下となるように低下させるのに十分な量でポリマー中に存在する)との共重合体が挙げられる。
溶融加工可能なTFE共重合体は、典型的には、ASTM D−1238に準拠して特定の共重合体に標準的な温度で測定されたメルトフローレートが約1〜100g/10分となる共重合体を得る量のコモノマーが共重合体に組み込まれている。好ましくは、ASTM D−1238の方法を米国特許第4,380,618号明細書に記載されているように改変して372℃で測定された溶融粘度が少なくとも約10Pa・s、より好ましくは約10Pa・s〜約10Pa・s、最も好ましくは約10〜約10Pa・sの範囲である。さらなる溶融加工可能なフッ素ポリマーはエチレン(E)またはプロピレン(P)とTFEまたはCTFEとの共重合体、特に、ETFE、ECTFE、およびPCTFEである。
本発明の実施において形成される好ましい溶融加工可能な共重合体は、テトラフルオロ
エチレン単位を少なくとも約40〜98mol%と、少なくとも1種の他のモノマーを約2〜60mol%とを含む。TFEと一緒に用いるのに好ましいコモノマーは3〜8個の炭素原子を有するパーフルオロオレフィン(ヘキサフルオロプロピレン(HFP)等)および/または直鎖状もしくは分枝状のアルキル基が1〜5個の炭素原子を有するパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)である。好ましいPAVEモノマーは、アルキル基が1、2、3、または4個の炭素原子を有するものであり、この共重合体は数種のPAVEモノマーを用いて作製してもよい。好ましいTFE共重合体としては、FEP(TFE/HFP共重合体)、PFA(TFE/PAVE共重合体)、TFE/HFP/PAVE(PAVEはPEVEおよび/またはPPVE)、MFA(TFE/PMVE/PAVE(PAVEのアルキル基は少なくとも2個の炭素原子を有する))、およびTHV(TFE/HFP/VF2)が挙げられる。
さらなる有用なポリマーは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)およびフッ化ビニリデン共重合体に加えてポリフッ化ビニル(PVF)およびフッ化ビニル共重合体の被膜形成性ポリマーである。
本発明はまた、フッ素系エラストマー分散液中の分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩を減量するために用いることもできる。これらのエラストマーは典型的にはガラス転移温度が25℃未満であり、結晶性をほとんどまたは全く示さない、すなわち室温で非晶質である。本発明の方法により作製されたフッ素系エラストマー共重合体は、典型的には、第1含フッ素モノマー(フッ化ビニリデン(VF2)またはテトラフルオロエチレン(TFE)であってもよい)の共重合単位を、フッ素系エラストマーの総重量を基準として25〜70重量%含む。フッ素系エラストマーの残りの単位は、含フッ素モノマー、炭化水素オレフィン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、第1モノマーとは異なる1種またはそれ以上のさらなる共重合したモノマーから構成される。本発明の方法により調製されるフッ素系エラストマーはまた、場合により、1種またはそれ以上の架橋基導入用モノマーの単位を含んでいてもよい。共重合した架橋基導入用モノマーが存在する場合は、その量は、典型的には、フッ素系エラストマーの総量を基準として0.05〜7重量%である。好適な架橋基導入用モノマーとしては、i)臭素、ヨウ素、または塩素含有含フッ素オレフィンまたは含フッ素ビニルエーテル、ii)ニトリル基含有含フッ素オレフィンまたは含フッ素ビニルエーテル、iii)パーフルオロ(2−フェノキシプロピルビニルエーテル)、およびiv)非共役ジエンが挙げられる。
好ましいTFEベースのフッ素系エラストマー共重合体としては、TFE/PMVE、TFE/PMVE/E、TFE/P、およびTFE/P/VF2が挙げられる。好ましいVF2ベースのフッ素系エラストマー共重合体としては、VF2/HFP、VF2/HFP/TFE、およびVF2/PMVE/TFEが挙げられる。これらの任意のエラストマー共重合体は架橋基導入用モノマーの単位をさらに含んでいてもよい。
本発明の方法に従い処理されるフッ素ポリマー分散液は、加圧反応器における回分法で作製することができる。本発明の方法を実施するのに好適な縦型または横型反応器は、TFE等の気相モノマーを水性媒体と十分に接触させることにより所望の反応速度およびコモノマー(使用する場合)の均一な混合を達成するための撹拌機を備えている。反応器は、好ましくは、温度制御された熱交換媒体を循環させることにより反応温度を好都合に制御できるように、反応器を囲む冷却ジャケットを含む。
米国特許出願公開第2008/0269408A1号明細書に開示されている、数平均分子量が少なくとも約800g/molの分枝状フルオロポリエーテルカルボン酸または塩と分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩界面活性剤との組合せを含む重合剤を用いる形態の典型的な方法においては、反応器にまず最初に重合媒体である脱イオン水およ
び脱気水が装入され、そしてフルオロポリエーテルカルボン酸または塩およびフルオロエーテルカルボン酸または塩界面活性剤が媒体中に分散される。PTFE単独重合体および変性PTFEの場合は、安定剤としてパラフィンワックスを添加する場合が多い。PTFE単独重合体および変性PTFEに好適な手順には、まず最初に反応器をTFEで加圧することが含まれる。HFPやパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等のコモノマーを使用する場合はこれに続いて添加する。次いで過硫酸アンモニウム溶液等のラジカル開始剤溶液を加える。PTFE単独重合体および変性PTFEの場合は、凝塊物を減らすことを目的としてコハク酸供給源であるジコハク酸パーオキシド等の第2開始剤が開始剤溶液中に存在してもよい。別法として、過マンガン酸カリウム/シュウ酸等のレドックス開始剤系が使用される。温度を昇温し、一旦重合が開始すると圧力を維持するためにさらなるTFEを加える。重合の開始とは開始時点(kick−off)を指し、気体モノマー供給原料の圧力の実質的な降下(例えば約10psi(約70kPa))が観測された時点として定義される。重合の進行に伴いコモノマーおよび/または連鎖移動剤も添加してもよい。一部の重合においては重合の最中にさらなるモノマー、開始剤、および重合剤を添加してもよい。
所望の量のポリマーまたは固形分に到達して1回分が終結したら(典型的には数時間)供給を停止し、反応器を排気して窒素置換し、槽内の未処理分散液を冷却槽に移し替える。
溶融加工可能な共重合体の分散重合は、有意な量のコモノマーを最初に回分に加え、かつ/または重合中に導入することを除いて類似している。連鎖移動剤は典型的にはメルトフローレートを高める目的で分子量を低下させるのに有意な量で使用される。
重合は加圧反応器で連続法として実施してもよい。連続法はフッ素系エラストマーの製造に特に有用である。
本発明の方法に使用するのに好ましい分散液は、数平均分子量が少なくとも約800g/molである分枝状フルオロポリエーテルカルボン酸または塩と分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩界面活性剤との組合せを含む重合剤を使用して作製され、分枝状フルオロポリエーテルカルボン酸または塩の混合物は、好ましくは、上の式II(式中、Yは、水素、アンモニウム、またはアルカリ金属陽イオンであり、nは少なくとも1であり、平均値は約3〜約13である(数平均分子量は約800〜約2500g/mol))で表される組成を有するものが用いられる。この好ましい混合物中のn=1であるパーフルオロポリエーテル酸または塩の量は、混合物中のパーフルオロポリエーテルの総量の50重量ppm以下である。この混合物中のnが13以上であるパーフルオロポリエーテルの量は、混合物中のパーフルオロポリエーテルの総量の40重量%以下である。好ましい実施形態においては、混合物中のnが13を超えるパーフルオロポリエーテルの量は35重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、7.5%以下である。好ましい実施形態においては、Yは水素またはアンモニウムである。
本発明の実施に用いるのに好ましい分散液を作製する本方法の他の実施形態においては、混合物中のnが16以上であるパーフルオロポリエーテルカルボン酸または塩の量は、混合物中のパーフルオロポリエーテルの総量の10重量%以下である。本発明の好ましい実施形態においては、混合物中のnが16以上であるパーフルオロポリエーテルカルボン酸または塩の量は、7重量%以下、5重量%以下、3重量%以下である。
さらなる実施形態においては、混合物中のnが4以下であるパーフルオロポリエーテルの量は、混合物中のパーフルオロポリエーテルの総量の10重量%以下、より好ましくは、混合物中のパーフルオロポリエーテルの総量の1重量%以下である。
本発明の実施において用いられる好ましい分散液を作製する本方法のさらなる他の実施形態においては、混合物中のパーフルオロポリエーテルの少なくとも約50重量%はn=3〜n=13の範囲にある。本発明の他の実施形態においては、混合物中のパーフルオロポリエーテルの少なくとも約60重量%はn=3〜n=13の範囲にあり、好ましくはパーフルオロポリエーテルの75%、より好ましくは90重量%。
本発明の実施に用いるのに好ましい分散液を作製する本方法のさらなる実施形態においては、組成物は式IIのパーフルオロポリエーテル酸または塩の混合物を含み、式中、nの平均値は約4〜約13(数平均分子量が約1000〜約2500g/mol、好ましくは、平均値は約5〜約13(数平均分子量が約1150〜約2500g/mol)、より好ましくは、平均値は約5〜約10(数平均分子量が約1150〜約1700g/mol)である。
パーフルオロポリエーテル酸または塩の混合物は、ヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)を重合させてパーフルオロポリエーテルアシルフルオリドを形成することにより調製することができる。ヘキサフルオロプロピレンオキシドの重合による反応生成物は、様々な重合度により様々な分子量のオリゴマーが分布したパーフルオロポリエーテルの混合物である。低分子量オリゴマーは蒸留により分離され再利用される。好ましい実施形態においては、アシルフルオリドを加水分解によってカルボン酸とすることができ、所望によりアンモニウム塩を形成させる水酸化アンモニウム等の適切な塩基を用いて塩に変換してもよい。
本発明の方法に用いるのに好ましい分散液の作製に用いられる、低分子量画分および高分子量画分の量がいずれも上述したように制限されたパーフルオロポリエーテルカルボン酸または塩の混合物は、アシルフルオリドの分別蒸留により得ることができる。
数平均分子量が少なくとも約800g/molである分枝状フルオロポリエーテルカルボン酸または塩と分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩界面活性剤との組合せを含む重合剤が用いられる、好ましい分散液を作製する本方法においては、重合剤中のフッ素系界面活性剤の重量対パーフルオロポリエーテルカルボン酸または塩の混合物の重量の比は約2:1〜約200:1である。他の実施形態においては、フッ素系界面活性剤の重量対パーフルオロポリエーテル酸または塩の混合物の重量の比は約3:1〜約150:1、好ましくは約5:1〜約100:1、より好ましくは10:1〜約80:1である。
本発明の実施に用いられる分散液を作製する好ましい重合方法においては、水性重合媒体中に重合剤として用いられる数平均分子量が少なくとも約800g/molであるフルオロポリエーテル酸または塩の混合物は、好ましくは、水性重合媒体中の水の重量を基準として約5〜約3000ppmの範囲の量で存在する。
本発明の方法に用いるのに好ましい分散液の作製に使用される数平均分子量が少なくとも約800g/molである分枝状フルオロポリエーテルカルボン酸または塩と分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩界面活性剤との組合せを含む重合剤を形成するために、分枝状パーフルオロエーテルカルボン酸または塩の混合物および分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩界面活性剤は、重合剤として効果的に機能するように、好ましくは水性媒体中に十分に分散される。本明細書において用いられる「分散される」とは、溶解されている(分枝状フルオロポリエーテルカルボン酸または塩の混合物および分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩界面活性剤が水性媒体に可溶である場合)かまたは分散されていること(フルオロポリエーテルカルボン酸もしくは塩の混合物および/またはフルオロエーテルカルボン酸もしくは塩界面活性剤が完全に溶解せず、非常に細かい、例え
ば約1nm〜約1μmの粒子として水性媒体中に存在する場合)のいずれかを指す。同様に、本明細書において用いられる「分散させる」とは、分枝状フルオロポリエーテル酸もしくは塩の混合物および/または分枝状フルオロエーテルカルボン酸もしくは塩界面活性剤を上に定義したように分散されるように溶解または分散させることのいずれかを指す。好ましくは、分枝状フルオロポリエーテルカルボン酸または塩の混合物および分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩界面活性剤は、分枝状フルオロポリエーテルカルボン酸または塩の混合物および分枝状ルオロエーテルカルボン酸または塩界面活性剤を含む重合媒体が無色透明またはほぼ無色透明になるように十分に分散される。一般に、混合物の透明性は重合性能の改善の指標であり、例えば、ヘイズがより低い混合物を用いて重合を行うと、典型的には、よりヘイズ値が高い混合物を用いた場合よりも生成する未分散のポリマー(凝塊物)が少なくなる。
分枝状フルオロポリエーテルカルボン酸または塩の混合物および分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩界面活性剤の分散は様々な方法により実施することができる。好適な一手順においては、この重合剤は、水性重合媒体中で直接作製することができる。この手順においては、分枝状フルオロポリエーテルカルボン酸または塩の混合物が酸形態で供給された後、塩形態に変換される。これは、まず最初に、続いて添加されるフルオロポリエーテルカルボン酸混合物を実質的に完全に塩形態に変換するのに十分な量の水酸化アンモニウムまたはアルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化アンモニウムを水性重合媒体に添加することにより達成される。次いで、分枝状フルオロポリエーテルカルボン酸を水酸化アンモニウムまたはアルカリ金属水酸化物溶液に加えることができ、所望により、使用された塩基が不十分または過剰であるかを確認するためにpH測定を行うことができる。さらに、当該技術分野において周知のように、他の材料と一緒に重合媒体に添加される水酸化アンモニウムまたはアルカリ金属水酸化物は、使用される特定の開始剤系に所望される程度の活性を促すpHを水性重合媒体に付与するとともに、重合剤が機能できるpH範囲を付与する量で使用すべきである。分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩界面活性剤は、水性重合媒体に分枝状フルオロポリエーテルカルボン酸の混合物を添加する前、同時、または後に添加することができる。
好ましい実施形態においては、分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩および分枝状フルオロポリエーテルカルボン酸または塩混合物は両方共酸形態で供給される。分枝状フルオロポリエーテルカルボン酸混合物および分枝状フルオロポリエーテルカルボン酸フッ素系界面活性剤は、塩形態に変換することができる混合物を形成し、それによって分枝状フルオロポリエーテルカルボン酸塩が分散された濃縮物が形成されることが見出された。この濃縮物は、有利には、分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩界面活性剤および分枝状フルオロポリエーテルカルボン酸または塩混合物を水性媒体中に分散形態で得るために使用される。
上述したように生成された本発明に従い処理することができるフッ素ポリマー粒子の水性分散液は、典型的には、未処理分散液粒度(raw dispersion particle size)(RPDS)が約10〜約400nmである。ほとんどの市販の分散液は未処理分散液粒度が100〜350nmの範囲にある。
重合されたそのままの分散液は、以下により詳細に検討するように、本発明に従い安定剤を添加することにより処理することができる。この種の分散液は、典型的には、固形分が約20〜約50重量%の範囲にある。固形分がより多い、例えば約35〜約70重量%の濃縮分散液も本発明に従い処理することができる。安定剤は、典型的には濃縮工程の前に添加されるので、安定剤は濃縮分散液中に既に存在するのが普通である。以下により詳細に検討するが、本発明の方法は、分散液製造を高効率で改善することができる分散液濃縮ステップと有利に連係する。
安定剤
本発明の方法においては、安定化されたフッ素ポリマー水性分散液を形成するためにフッ素ポリマー水性分散液に安定剤が添加される。次いで、安定化されたフッ素ポリマー水性分散液を処理することによりフルオロエーテルカルボン酸または塩が減量される。本発明の方法においては分散液を安定化させるために様々な安定剤を使用することができる。安定剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性高分子電解質分散剤、およびこれらの混合物が挙げられる。使用される安定剤の種類は、それに続く分散液処理ステップ(用いる場合は濃縮手順の種類等)および意図された分散液の最終用途に応じて選択することができる。好ましい安定剤は非フッ素系であり、以下に記載する種類の安定剤を典型的な非フッ素系と理解すべきである。非イオン性界面活性剤は本発明の実施に特に有用である。
安定剤は、フッ素ポリマー分散液を安定化させるのに有効な量で本発明の方法の最中に分散液に添加される。安定剤の量は、分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩を減量する方法に用いられる安定剤の種類および条件に応じて変化する。使用される安定剤の量は、分散液濃度や最終用途の処理に所望される性状等の後続の処理ステップも考慮してもよい。一般に、安定剤は、分散液のフッ素ポリマー固形分を基準として約0.01重量%〜約30重量%の量で添加される。
非イオン性界面活性剤
非イオン性界面活性剤としては、米国特許第3,037,953号明細書および米国特許第3,704,272号明細書に開示されているものなどの芳香族アルコールエトキシレートが挙げられる。しかしながら、芳香族化合物に関する環境問題への懸念のため、非イオン性界面活性剤としては脂肪族アルコールエトキシレートまたはその混合物が好ましい。濃縮に熱相分離(thermal phase separation)を用いようとする場合、選択される非イオン性界面活性剤は、この目的に好適な、例えば、約30℃〜約90℃の曇点を有するべきである。さらに、意図された最終用途に応じて、非イオン性界面活性剤に所望される他の特性(低焼失温度、低起泡性等)を有していてもよい。好適な脂肪族アルコールエトキシレートがMarksらによる米国特許第3,037,953号明細書およびMiuraらによる米国特許第6,153,688号明細書に開示されている。非イオン性界面活性剤は、好ましくは、分散液中のフッ素ポリマー固形分の約0.5重量%を超え、より好ましくは約1重量%〜約10重量%の量で添加される。
本発明の方法に用いるのに特に好適な脂肪族アルコールエトキシレートは、式:
(R)(R)CH(OCHCHOH
(式中、RおよびRは非分枝状または分枝状のアルキル、非分枝状または分枝状のアルケニル、シクロアルキル、またはシクロアルケニル炭化水素基であり、RおよびRの炭素原子の総数は7〜17個であり、nは平均値であり4〜18である)の化合物または化合物の混合物である。好ましくは、RまたはRの少なくとも1つは分枝状または環状炭化水素基である。分子の親水性部分のエチレンオキシド単位の数は、一般に供給されている広いもしくは狭い単峰性分布を有するかまたはブレンドにより得ることができるより広い分布もしくは双峰性分布を有していてもよい。
本発明の好ましい実施形態においては、非イオン性界面活性剤は0.1重量%水溶液としての25℃における静的表面張力が約29dyne/cm未満、より好ましくは約28dyne/cm未満である。
フッ素ポリマー分散液を安定化させるために通常使用される種類の非イオン性界面活性剤は、室温で液体または固体のいずれであってもよい。固体の場合は、界面活性剤はペー
スト状になる傾向があり、取扱いが難しい。これらを取り扱うことは可能であるが、これらを液体として維持するための加熱されたタンクおよび移送ラインが必要となる場合が多い。加熱された設備の資本コストに加えてシステムに課せられる運転上の制限がある。低過ぎる温度が維持された場合、タンクおよび移送ラインは固形物で閉塞する可能性がある。温度が高過ぎる場合は界面活性剤が分解する可能性がある。
本発明の特に好ましい実施形態によれば、本発明の水性分散液に用いられる非イオン性界面活性剤は、2,6,8−トリメチル4−ノナノール(nananol)のエトキシレートである。この分散液のより好ましい形態においては、脂肪族アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤は平均約4〜約12個のエチレンオキシド(EO)単位を有する2,6,8−トリメチル−4−ナナノールのエトキシレート、最も好ましくは平均約9〜約11個のエチレンオキシド単位を有する2,6,8−トリメチル−4−ナナノールのエトキシレートを含む。この種の好ましい界面活性剤の例は、Dow Chemical Corporationより入手可能なTergitol(登録商標)TMN−6(公称6EO単位)およびTergitol(登録商標)TMN−10(公称10EO単位)の商標で販売されているものである。Tergitol(登録商標)TMN−6を30%とTergitol(登録商標)TMN−10を70%とのブレンドもDow Chemical CorporationよりTergitol(登録商標)TMN−100Xとして入手可能である。
他の好適な8〜18個の炭素原子を有する飽和または不飽和2級アルコールのエトキシレートとしては、商標Leocol(登録商標)TD−90でライオン株式会社(Lion Corporation)(日本)より販売されている界面活性剤が挙げられる。この界面活性剤は分枝状第2級アルコールより形成される式C1327O(CO)Hで表される分枝状エトキシレートである。
アニオン性界面活性剤
分散液の安定化に使用することができる好適なアニオン性界面活性剤としては、酸基、特にスルホン酸またはカルボン酸基を有する界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤の例としては、1種またはそれ以上のアニオン性基を有する界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤は、1種またはそれ以上のアニオン性基の他に、他の親水性基(オキシアルキレン基中に2〜4個の炭素を有するポリオキシエチレン基等のポリオキシアルキレン基等)も含んでいてもよい。好適なアニオン性界面活性剤としては、アニオン性炭化水素界面活性剤が挙げられる。本明細書において用いられる「アニオン性炭化水素界面活性剤」という用語には、分子内に1種またはそれ以上の炭化水素部分および1種またはそれ以上のアニオン性基、特にスルホン酸、硫酸、リン酸、カルボン酸基等の酸基またはその塩を有する界面活性剤が包含される。アニオン性炭化水素界面活性剤の炭化水素部分の例としては、例えば6〜40個の炭素原子、好ましくは8〜20個の炭素原子を有する飽和および不飽和の脂肪族基が挙げられる。この種の脂肪族基は直鎖状または分枝状であってもよく、環状構造を含んでいてもよい。炭化水素部分は芳香族であっても芳香族基を含んでいてもよい。さらに、炭化水素部分は、例えば、酸素、窒素、硫黄等の1種またはそれ以上のヘテロ原子を含んでいてもよい。アニオン性界面活性剤は、好ましくは、分散液中のフッ素ポリマー固形分を基準として約0.5重量%を超え、より好ましくは約1重量%〜約10重量%の量で使用される。
本発明に使用されるアニオン性炭化水素界面活性剤の例としては、アルキルスルホン酸塩(ラウリルスルホン酸塩等)、アルキル硫酸塩(ラウリル硫酸塩等)、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリール硫酸塩、脂肪(カルボン)酸およびその塩(ラウリン酸およびその塩等)、リン酸アルキルまたはアルキルアリールエステルおよびその塩が挙げられる。市販の典型的なアニオン性炭化水素界面活性剤はナトリウム塩である。使用す
ることができる市販のアニオン性炭化水素界面活性剤としては、Stepan CompanyからのPolystep(登録商標)A16(ドデシルベンジルスルホン酸ナトリウム)、Clariant GmbHより入手可能なHostapur(登録商標)SAS30(2級アルキルスルホン酸ナトリウム塩)、Emulsogen(登録商標)LS(ラウリル硫酸ナトリウム)、およびEmulsogen(登録商標)EPA1954(C12〜C14アルキル硫酸ナトリウムの混合物)、Cognisより入手可能なEdenor(登録商標)C−12(ラウリン酸)、ならびにUnion Carbideより入手可能なTriton(登録商標)X−200(アルキル硫酸ナトリウム)が挙げられる。
アニオン性高分子電解質分散剤
本発明に使用される安定剤として好適なアニオン性高分子電解質分散剤は、米国特許出願第2006/0144794A1号明細書および国際公開第2007/0142888号パンフレットに開示されている。アニオン性高分子電解質分散剤は、好ましくは、直鎖状または分枝状構造を有し、アニオン性基が高分子鎖に沿って分布しており、場合により鎖末端基中にも存在するアニオン性ポリマーである。高分子電解質分散剤は、高分子電解質中に存在するアニオン性基1個当たりの分子量として定められる当量が好ましくは約150を超え、好ましくは約200を超え、よりさらに好ましくは約250を超える。通常、本発明のプロセスに使用することができるアニオン性高分子電解質分散剤の当量は約5,0000未満、好ましくは約10,000未満、より好ましくは約3,000未満、よりさらに好ましくは約1,500未満である。
アニオン性高分子電解質分散剤の数平均分子量は、好ましくは少なくとも約500、より好ましくは約500〜約100,000の範囲にある。より好ましくは、分子量は、少なくとも約1,000である。特に好ましい実施形態の分子量は約2,000〜約100,000であり、好ましくは5,000〜約20,000である。
本発明による方法に使用することができるアニオン性高分子電解質分散剤は、好ましくは、分子内に含まれるアニオン性官能基の数が2個以上、より好ましくは5個以上である。アニオン性高分子電解質試剤の分子内に存在するアニオン性基は、好ましくはカルボン酸、硫酸、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸から選択され、より好ましくはカルボン酸、硫酸、スルホン酸であり、よりさらに好ましくはカルボン酸である。通常、アニオン性高分子電解質分散剤はフッ素原子を含まない。
アニオン性高分子電解質分散剤は、好ましくは、分散液中のフッ素ポリマー固体の重量を基準として0.03重量%〜約10重量%の量で使用される。
カチオン性界面活性剤
本発明の一実施形態によれば、本発明の方法に使用される分散液を安定化させるためにカチオン性界面活性剤を使用することができる。好適なカチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウムハロゲン化物または水酸化物、好ましくは式:
Figure 2014237842
(式中、Rは長鎖アルキル炭化水素、アルキル化アリール炭化水素であり、R、R、およびRは、好ましくは1〜16個の炭素原子を有するアルキル基である)の化合物である。アルキル基は環状構造を含んでいてもよく、直鎖状または分枝状のいずれであっ
てもよく、Yは、F、Cl、Br、またはOHであってもよい。好ましくは、Rは、8〜28個の炭素原子、より好ましくは12〜18個の炭素原子を含むアルキル基である。
一実施形態においては、R、R、およびRは、同一または異なっていてもよく、メチルまたはエチルからなる群から選択される。2種の好適な界面活性剤はドデシルトリメチルアンモニウムブロミドおよびセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTMAB)である。CTMABはヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドとしても周知である。
カチオン性界面活性剤は、好ましくは、分散液のフッ素ポリマー固形分を基準として約0.5重量%を超える、より好ましくは約1重量%〜約10重量%の量で使用される。
熱減量方法
本発明によれば、本方法は、安定化されたフッ素ポリマー水性分散液を加熱してフルオロエーテルカルボン酸または塩を脱炭酸することによりフルオロエーテル副生成物を生成させることを含む。好ましくは、加熱は、好適な速度の脱炭酸を促進する温度および条件下で実施され、分散液に悪影響を与えることがなく、例えば多量のフッ素ポリマー凝塊物を形成しない。本発明の実施形態によれば、フッ素ポリマー分散液は約70℃〜約200℃、他の実施形態においては約75℃〜約150℃、さらなる他の実施形態においては約80℃〜約125℃、さらなる他の実施形態においては約85℃〜約110℃、さらなる他の実施形態においては約90℃〜約100℃の温度で加熱される。
〔発明の効果〕
予期せぬことに、曇点を有する非イオン性界面活性剤を使用し、曇点の範囲を超える温度で脱炭酸を行うと、凝塊物をほとんど形成させることなく分散液中の分枝状フルオロエーテルカルボン酸または酸を効果的に脱炭酸することができる。
所望の伝熱を提供して分散液を所望の温度に加熱することができる方法を実施するために様々な任意の加熱槽を使用することができる。典型的には、この槽はフルオロエーテル副生成物の逃散を阻止するために閉鎖すべきであり、フルオロエーテル副生成物を取り出すことができるように適切な出口を備えるべきである。この方法を高圧で実施することが所望される場合は加圧槽を用いることができる。同様に、この方法を真空中で運転することが所望される場合は、槽に減圧下で運転するための設備を取り付けるべきである。
加熱中に分散液への悪影響を回避しながら脱炭酸を促進するための他の処理条件も有利に用いてもよい。一般に撹拌は脱炭酸の速度に有利であるが、通常は高剪断を避けるべきである。例えば、一般に、この方法を実施するために使用される槽の表面に撹拌器が接触したり非常に近接する撹拌法を避けることが望ましい。水性媒体を沸騰させると非常に良好な撹拌を得ることができるが、分散液中のフッ素ポリマー分散体を幾分凝集させてしまうことが認められている。100℃を超える沸騰を避けるために、所望により高圧下でこの方法を実施することができる。
分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩を所望の量まで減量するのに必要な加熱時間は出発時点の分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩の量および用いられる処理条件に応じて変化する。典型的には、約30分間〜約30時間の時間で所望の量に到達する。好ましくは約24時間未満でフルオロエーテルカルボン酸または塩が所望の量まで減量される。本発明の実施形態においては、フルオロエーテルカルボン酸または塩の所望量への減量は、約15時間未満、他の実施形態においては約12時間未満、さらなる他の実施形態においては約10時間未満、さらなる他の実施形態においては約8時間未満、さらなる他の実施形態においては約4時間未満、さらなる他の実施形態においては約3時間未満
で達成される。
本発明の方法は、好ましくは約500ppm未満の分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩を含む安定化されたフッ素ポリマー水性分散液を提供する。好ましい実施形態においては、分散液は、分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩を約300ppm未満、より好ましくは100ppm未満、よりさらに好ましくは約50ppm未満、最も好ましくは約20ppm未満含む。
以下の脱炭酸実施例に例示されるように、分枝状および直鎖状のフルオロエーテルカルボン酸または塩はいずれも加熱により脱炭酸するが、本発明の方法に用いられる分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩は、より低い最大脱炭酸温度(Temperature of Maximum Decarboxylation)で示されるように、より低い温度でもそのようになる。さらに、分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩の200℃における脱炭酸半減期(t1/2)は大幅に低くなる。好ましくは、本発明に従い用いられる分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩のアンモニウム塩として測定された200℃における脱炭酸半減期(t1/2)は約30分未満、より好ましくは約20分未満、最も好ましくは約10分未満である。
通常、分枝状フルオロエーテルカルボン酸の塩形態は酸形態よりも容易に脱炭酸されるので、残留フルオロエーテルカルボン酸の大部分を塩形態とする、すなわちフルオロエーテルカルボン酸のpKaを超える好適なpHを用いることにより、フルオロエーテル副生成物のより高速かつより高収率での生成が促進される。有利には、約7を超えるpHが用いられる。本発明の他の実施形態においては、pHは約9を超える。pH調節はNHOHを適切に分散液に加えることにより達成することができる。本発明を有利に実施するpH範囲は、分散液の処理および貯蔵に所望される通常のpHとすることができる。
脱炭酸の結果、二酸化炭素が発生するとともに分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩のヒドロフルオロエーテル副生成物が生成する。例えば、上式IIに従う好ましいフルオロエーテルカルボン酸または塩の場合、ヒドロフルオロエーテル副生成物は式IVで示される以下の構造の2−ヒドロフルオロエーテルに相当する:
CF−CF−CF−O−(−CFCF−CF−O−)−CFHCF (IV)。
この構造の化合物は様々な工業用途に、例えば溶剤として有用であることが周知である。n=0のこの構造の化合物はDuPont Companyより「E1 Stable
Fluid」または「Freon(登録商標)E−1」として市販されている。n=1およびn=2のこの構造の化合物はそれぞれDuPontより「Freon(登録商標)E−2」および「Freon(登録商標)E−3」として入手可能である。さらに式IVの2−ヒドロフルオロエーテルをフッ素化してパーフルオロポリエーテルを生成させることができ、これは様々な用途、例えば、DuPont CompanyよりKrytox(登録商標)の商標で販売されている油およびグリース等の潤滑剤として有用である。
本発明の方法に従い、フルオロエーテル副生成物の少なくとも一部が除去される。本方法の一実施形態においては、フルオロエーテル副生成物は蒸気として除去される。例えば、本発明の方法により除去される分枝状フルオロエーテル酸または塩がダイマー酸塩(DAS)である場合、2−ヒドロフルオロエーテル副生成物(E1 Stable Fluid)の沸点は約46℃である。上述の温度範囲内の処理温度および大気圧においては、E1 Stable Fluidが蒸気形態で存在することとなるので、これを排気により槽から除去することができる。本発明のこの実施形態においては、槽からの除去を促進し、かつ/または分散液中に溶解しているフルオロエーテル副生成物を減量するために、槽内の分散液表面に窒素や空気等の気体を循環させることが望ましい場合もある。
高圧が用いられる場合は、存在し得る形成されたフルオロエーテル副生成物は液体であり、加圧下での傾瀉や、液体フルオロエーテルを排気により除去することができる蒸気に減圧下でフラッシュするなどの様々な方法で除去してもよい。
本発明の好ましい形態においては、フルオロエーテル副生成物の少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%が分散液から除去される。
本発明の好ましい実施形態によれば、フルオロエーテル副生成物は捕集される。フルオロエーテル副生成物が蒸気の場合は、好ましくは、槽から排気された気体を吸着粒子床を通過させることにより達成される。本発明に関連する「吸着粒子」という用語は、物理吸着させる任意の機構によりフルオロエーテル副生成物を物理的に吸着させることができる粒子を意味する。本発明の好ましい実施形態においては、排気流中に存在するフルオロエーテル副生成物の蒸気が活性炭床で捕集される。
本発明の一実施形態においては、捕集されるフルオロエーテル副生成物は回収される。活性炭床が用いられる場合、回収は、有利にはフルオロエーテル副生成物を吸着粒子から加熱脱着することにより達成される。スチームストリッピングが好適な方法である。溶剤抽出に続く溶剤分離、例えば蒸留も回収に用いることができる。前述したことではあるが、回収されたフルオロエーテル副生成物は他の生成物を製造するための中間体として有用である。
別法として、捕集されたフルオロエーテル副生成物は環境上適性な方法で廃棄することができる。例えば活性炭床が用いられる場合、フルオロエーテル副生成物で飽和した活性炭を焼却することができる。
濃縮
多くのグレードのフッ素ポリマー分散液、特に、分散コーティング剤に使用されるものは濃縮形態で用いられる。本発明は、分散液濃縮操作と適切に連係する方法を提供する。
本発明の一実施形態においては、安定化されたフッ素ポリマー水性分散液のフルオロエーテルカルボン酸または塩を脱炭酸するために加熱を行うと、安定化されたフッ素ポリマー水性分散液から水が蒸発し、分散液が少なくとも一部濃縮される。所望により、蒸発速度を高めるために真空引きすることができる。蒸発は、有利には、脱炭酸と同時に行われる。濃縮に蒸発が用いられる場合は本方法が曇点に左右されないので、使用する安定剤の幅広い選択(最終用途に望ましい性質を付与するものなど)が可能になる。所望により、以下で検討する熱相分離や限界濾過等の他の方法でさらなる濃縮を行うことができる。本発明の一実施形態においては、最終固形分を得るための濃縮は蒸発により実施される。
濃縮は米国特許第3,037,953号明細書に開示されている熱相分離や米国特許第4,369,266号明細書に開示されている限外濾過等の周知の方法で実施することができる。熱相分離による濃縮は以下により詳細に検討するように有利に用いられる。
熱相分離によって濃縮を行う場合、脱炭酸用安定剤として非イオン性界面活性剤を用いると有利であり、かつ、当該技術分野において周知であるが、非イオン性界面活性剤は相分離に好適な曇点を有するべきである。分散液はフルオロエーテルカルボン酸および塩の脱炭酸および濃縮の両方の目的で加熱されるため、これらの操作を高い効率で連係させることができるので、分散液を一度高温で加熱するのみで両操作が行われる。
本発明の一実施形態においては、フルオロエーテルカルボン酸または塩を脱炭酸するた
めに安定化されたフッ素ポリマー水性分散液を加熱することにより、分散液が非イオン性界面活性剤の曇点を超える温度に加熱される。この方法は、熱相分離を起こさせるために分散液を非イオン性界面活性剤の曇点範囲に冷却することをさらに含む。例えば、90℃の温度で脱炭酸が実施され、非イオン性界面活性剤の曇点範囲が約70℃である場合、分散液を曇点範囲まで冷却することによって相分離させることができ、上清を傾瀉して除去することにより濃縮された分散液が生成する。本出願において用いられる「非イオン性界面活性剤の曇点範囲」とは、その非イオン性界面活性剤を含有する特定の分散液が相分離する温度範囲を意味する。本発明のこの実施形態においては、曇点範囲をやや下回るまで冷却して、温度を曇点範囲に戻すことにより実施することができる。
所望により、脱炭酸および濃縮を、分散液の温度を必要に応じて維持して槽間を移送しながら別々の槽で実施することができる。処理を大幅に簡素化することができる本発明の他の実施形態においては、フルオロエーテルカルボン酸または塩を脱炭酸するための加熱および熱相分離による分散液の濃縮は同一の槽で実施される。
試験方法
共重合体の融点(Tm)およびガラス転移温度(Tg)はASTM D4591の手順に従い示差走査熱量分析により測定される。PTFE単独重合体の融点は、ASTM D−4591−87の方法による示差走査熱量分析(DSC)で測定される、ポリマーを1回目に加熱した際(初回昇温とも称される)の融点である。報告する融解温度は1回目の融解の吸熱ピーク温度である。
標準比重(SSG)(PTFE)はASTM D−4895の方法により測定される。
コモノマー含有量(PPVEまたはHFP)は米国特許第4,743,658号明細書第5欄9〜23行に開示された方法に従いFTIRにより測定される。
メルトフローレート(MFR)はASTM D−1238に準拠し特定の共重合体に標準的な温度で測定される。
未処理分散液粒度(RDPS)はMicrotrac(登録商標)Nanotrac Particle Size Analyzerを用いて光子相関分光法により測定される。
完全質量減少温度(Temperature of Complete Weight
Loss)は、熱重量分析−赤外分析装置(TGA/IR)により、Nicolet FT−IR装置を直結したTA Q500 TGAを用いて測定される。
最大脱炭酸温度は、熱重量分析−赤外分析装置(TGA/IR)により、Nicolet FT−IR装置を直結したTA Q500 TGAを用いて測定される。COの発生が最大になる温度が最大脱炭酸温度である。
200℃における脱炭酸半減期(t1/2)は、ヘッドスペースガスクロマトグラフィー/質量選択検出器分析(GC/MSD)を用いてフルオロエーテルカルボン酸のアンモニウム塩を200℃で加熱しながら対応するヒドロフルオロエーテルの形成を観測することにより測定される。この分析を行うため、別個のヘッドスペースバイアル中の既知の濃度のフルオロエーテルアンモニウム塩を200℃でオーバー(over)中加熱して反応速度(kinetic)プロットを作成する。GC/MSDを用いて、選択された時間間隔で各バイアルのヘッドスペースを分析し、ヒドロフルオロエーテルの量を検出および推定して反応速度プロットを作成する。
フルオロポリエーテルカルボン酸または塩の数および重量平均分子量ならびに式(I)中のnフルオロポリエーテル酸または塩の混合物の重量平均分子量は、水素炎イオン化検出器(FID)または質量選択検出器(MSD)のいずれかを備えた機器を用いたガスクロマトグラフィー(GC)により測定される。ガスクロマトグラフィーはAgilent
Model 6890等のクロマトグラフィー装置で適切に実施される。GC注入前のフルオロポリエーテルカルボン酸または塩がまず最初に2,3−ジヒドロデカフルオロペンタン(DuPont Companyより入手可能なVertrel(登録商標)XF)等の好適な溶媒に溶解される。典型的には、溶媒中の濃度が1%未満であるフルオロポリエーテル酸または塩が、典型的なインジェクター温度が300℃以上であるGC注入ポートに注入される。本試験方法の場合、高温の注入ポートに注入されたフルオロポリエーテル酸または塩が対応するヒドロフルオロポリエーテル(式VI)に熱的に変換されることになる。異なるオリゴマーの保持時間は式VIの組成を有する既知の標準品を用いて得ることができる。各オリゴマーの面積(GC面積%)を測定し、これを用いて重量平均分子量を算出する。数平均分子量は重量平均分子量から標準式を用いて求められ、また、19F NMR分光法を用いても独立に測定される。本明細書においては分子量はカルボン酸として報告され、変換されたヒドロフルオロエーテル化合物ではない。式(I)のnの平均値は重量平均分子量から導出する。
分子量が特定の値を上回るかまたは下回る、例えば2500g/mol以上(または式(I)のnが13以上のフルオロポリエーテルカルボン酸または塩の量は、重量平均分子量に用いたものと同じデータから決定される。GC面積%値は重量百分率を良く近似しているので、対象範囲のオリゴマーのGC面積%値を合計することにより対象範囲のオリゴマーの重量百分率を決定することができる。
式(I)のn=1であるパーフルオロポリエーテル酸または塩の定量化には、質量選択検出器を使用することによりGCの特定選択イオン検出(SIM)モードを利用し、既知の濃度の較正用標準が作成される。
フルオロエーテルカルボン酸/塩含有量は、フルオロエーテル酸/塩を酸性メタノールでエステル化することによりガスクロマトグラフィー(GC)で測定される。内部標準としてメタノール中パーフルオロヘプタン酸(「C7」)が用いられる。外部標準として水中フルオロエーテルカルボン酸/塩が用いられる。
パーフルオロアルカンカルボン酸または塩を含む分散液試料の場合、エステル化によって分析される分散液試料は、HOがエステル化反応を干渉しないように乾燥される。非イオン性界面活性剤が存在するフルオロエーテルカルボン酸/塩を含む分散液の場合、フルオロエーテルカルボン酸/塩のマスキング検出(masking detection)における非イオン性界面活性剤の干渉を避けるため、乾燥ステップは省略される。水が存在することによりメチルエステル生成物の形成が抑制される可能性があるが、水性内部および外部標準を用いることによりこの影響が最小限に抑えられ、フルオロエーテルカルボン酸/塩の定量的測定が可能になる。各試料中の総水分量が一定であれば精度が最も高くなる。
特に本発明の実施例においてフッ素ポリマー分散液を調製する場合、予め秤量しておいた50mLバイアルに分散液0.5g(名目上の試料サイズ)を装入する。比較用としてフルオロカルボン酸/エーテル標準水溶液を同様に50mLバイアルに装入する。試料の重量を測定するためすべてのバイアルを正確に秤量する。各バイアルに、「メタノール性内部標準」1mL(メタノール中C7を100ppm(名目上))およびメタノール性HClを10mLを加える。密閉したバイアルを55±5℃の水浴で60分間加熱する。バ
イアルを冷却した後、圧力を開放し、ヘキサン10mLを各試料に加え、内容物を混合するため各バイアルを回転させる。次いでNaCl溶液20mL(名目上15重量%)を加えてバイアルを激しく振盪する。NaClおよびヘキサンを加えることによりエステルをヘキサン上層に抽出する。10%OV−210、70/80メッシュ(mech)、Chromosorb W(AW.DMCS)を充填した20フィート×内径2mmのGCガラスカラムを90℃に維持し、ヘキサン層を注入することにより分析する。検出器をECD、キャリアガスを95%アルゴン/5%メタン、流速を20〜30ml/分とする。
定量化はフルオロカルボン酸/塩およびC7ピークの「ピーク面積」に基づく。各操作(試料および標準)に関し、フルオロカルボン酸/塩ピークの面積をC7(内部標準)ピークの面積で除することにより応答比を求める。各標準に関する応答(「面積比」)対量(μg)の較正プロットを作成する。較正プロットの直線回帰を行い傾きおよびy切片を求める。回帰パラメータから試料のフルオロカルボン酸/塩(μg)の量を求める。濃度を初期試料(湿潤基準)1g当たりのフルオロカルボン酸/塩(μg)として求める。
選択された分枝状および直鎖状フルオロエーテルカルボン酸のアンモニウム塩に関し完全質量減少温度、最大脱炭酸温度、および200℃における脱炭酸半減期(t1/2)を測定する。結果を以下の表1に報告する。
表1のデータから、分枝状フルオロエーテルカルボン酸の最大脱炭酸温度および200℃における脱炭酸半減期(t1/2)が直鎖状フルオロエーテルカルボン酸より大幅に低いことがわかる。
Figure 2014237842
実施例−フッ素ポリマー分散液からのフルオロエーテルカルボン酸または塩の熱減量
以下の実施例1A、1B、2A、2B、および2Cは、実施例A、B、およびCに記載するように分枝状フルオロエーテルカルボン酸または塩を含む重合剤を用いて重合されたフッ素ポリマー分散液からフルオロポリエーテル酸または塩を低減する例である。
重合剤成分
式CFCFCFOCF(CF)COOHを有する分枝状フルオロエーテルカルボン酸(ダイマー酸またはDAと称される)が用いられ、これが以下の実施例においては
アンモニウム塩に変換される(ダイマー酸塩またはDASと称される)。
式(II)の構造(YはH)を有するフルオロポリエーテルカルボン酸の混合物が用いられる(PFPEAと称される)。この酸は以下の実施例においてアンモニウム塩に変換される。
実施例に用いられるフルオロポリエーテルカルボン酸の混合物の分子量分布を表1Aに列挙する。表に列挙した平均値は重量平均分子量と記載した欄を除いて数平均分子量に基づく。
Figure 2014237842
使用する水酸化アンモニウムは30重量%水溶液(NHOHとして算出した重量%)である。
以下のようにして重合剤混合物を調製することにより無色透明またはほぼ無色透明の混合物が得られる。実施例に述べる量のPFPEAおよびDAを100mL容のガラス瓶で合一して約5〜30分間激しく撹拌する。指定量の30%水酸化アンモニウム水溶液(NHOH)をゆっくりとPFPEA/DA混合物に水浴で冷却しながら加え、濃縮物を生成させる。
安定剤
Tergitol(登録商標)TMN−100XはDow Corporationより入手可能な脂肪族アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤である。この界面活性剤は2,6,8−トリメチル−4−ナナノールエトキシレートであるTergitol(登録商標)TMN−6を約30%およびTergitol(登録商標)TMN−10を約70%のブレンドを含む。TMN−6は平均約6個(公称値)、TMN10は平均約10個(公称値)のエチレンオキシド(EO)単位を有する。Tergitol(登録商標)TMN−100Xの曇点範囲は61〜69℃である。
実施例A〜C フッ素ポリマー分散液の調製
実施例A−TFE/HFP共重合体分散液(FEP)の調製
水冷ジャケットおよび撹拌パドルを備えた長さ対直径比が約1.5であり水容量が10ガロン(37.9L)である円筒形縦型ステンレス鋼反応器に重合剤混合物(PFPEAを1.8g、DAを120g、NHOHを30ml)および脱イオン水48ポンド(21.8kg)を装入する。重合剤混合物に使用した瓶を脱イオン水約20mLずつで2回洗浄し、洗液を反応器に加える。反応器のパドルで90rpmで撹拌しながら反応器を30℃で5分間加熱することにより反応器の内容物を混合する。反応器のパドルで46rpmで撹拌しながら反応器を65℃に加熱し、排気後にTFEで3回置換する。次いで反応器の温度を103℃に昇温する。温度が103℃に安定したら反応器にHFPを圧力が486psig(3.35MPa)になるまでゆっくりと加える。次いでTFEを反応器に加えて最終圧力を650psig(4.48MPa)に到達させる。次いで、過硫酸アンモニウム(APS)3.60重量%を含む調製直後の開始剤水溶液20mLを反応器に装入
する。重合開始(反応器圧力が10psi(70kPa)降下することにより示される)後、残分の重合を行うため、過硫酸アンモニウム(APS)3.60重量%を含む調製直後の開始剤水溶液を反応器に0.0278ポンド溶液/ポンドTFEの速度でポンプ送液する。開始後にさらなるTFEも、開始時点から合計してTFEが21.5lb(9.75kg)添加されるまで21.5lb(9.75kg)/160分の速度で反応器に加える。重合開始からの総反応時間を160分とする。反応時間終了時にTFE供給および開始剤供給を停止し、撹拌速度を10rpmに減速して反応器を冷却する。反応器内容物の温度が90℃に到達したら撹拌を停止し、反応器をゆっくりと排気する。大気圧付近まで排気した後、反応器を窒素置換して残留モノマーを除去する。さらに冷却し、分散液を反応器から70℃未満で排出する。分散液の固形分は37.16重量%、RDPSは190nmである。TFE/HFP共重合体(FEP)のメルトフローレート(MFR)は1.94g/10分であり、HFP含有量は11.41wtである。
FEP分散液の性状を表2に報告する。
実施例B−PTFE分散液の調製
水冷ジャケットおよび撹拌パドルを備えた長さ対直径比が約1.5であり水容量が10ガロン(37.9L)である円筒形縦型ステンレス鋼反応器に脱イオン水41ポンド(18.6kg)およびパラフィンワックス900gを装入する。50rpmで撹拌しながら反応器に重合剤混合物(PFPEAを4.0g、DAを200g、NHOHを45ml)を装入する。重合剤混合物に使用した瓶を脱イオン水約50mLずつで2回洗浄し、洗液を反応器に加える。50rpmで撹拌を継続しながらさらなる原料(1w/w%メタノールを60mLおよび1w/w%Triton(登録商標)X−100溶液を15mLを脱塩水と合わせて500mLに定容したもの)を反応器に加える。50rpmで撹拌しながら反応器の内容物を65℃に加熱し、反応器を排気してテトラフルオロエチレン(TFE)で3回置換する。反応器の温度を90℃に昇温し、圧力が380psig(2.62MPa)になるまでTFEを加える。次いで、ジコハク酸パーオキシド(DSP)0.6gおよびリン酸アンモニウム0.6gを脱塩水500mL中に含む開始剤水溶液285mLを60mL/分の速度で加える。TFEを0.6lb/分の速度で加えて圧力を50psig〜380psig(0.34〜2.62MPa)に維持する。最初の加圧の後にTFEを3lb(6.6kg)を加えた後、ジコハク酸パーオキシド(DSP)7.5gを脱塩水1000mL中に含む開始剤水溶液を25mL/分の速度で加える。最初の加圧からTFEを合計30lb(13.6kg)供給した後、TFEの添加を停止し、反応器圧力が175psig(1.21MPa)に降下するまで反応を継続させ、次いで反応器を排気する。反応器の内容物を60℃〜85℃に冷却し、反応器から排出し、上清ワックスを除去する。分散液の固形分は44.2重量%であり、未処理分散液粒度(RDPS)は186nmである。
PTFE分散液の性状を表2に報告する。
Figure 2014237842
実施例1A FEP(分散液A)の約100℃における熱処理
FEP分散液(分散液A)を上述したように調製して濾過する。濾過した分散液537gにTergitol(登録商標)TMN−100X(15.2g)を加えて分散液を安定化させる。安定化された分散液(428g)を、冷水で15℃に冷却された冷却器および窒素パージを備えた三つ口フラスコに装入する。安定化された分散液を98〜100℃の温度に加熱し、分散液が沸騰しないように8時間維持する。DA/DASを脱炭酸して副生成物E1(沸点46℃)とし、E1を蒸発させて制御された廃棄系中に除去する。表3に記載するように、濃縮前の試料について様々な時間間隔で分散液試料中の残留DA/DAS含有量を測定する。
分散液を加熱してから3時間後の残留DA/DAS(分枝状フルオロエーテルカルボン酸)の測定値は10ppm未満となる。加熱から8時間後の残留DA/DAS含有量は使用した装置の検出限界(ND)を下回る。
分散液を冷却して固形分を測定すると36.03重量%となり、ポリマー固体を基準とする安定剤含有量は7.68重量%となる。
MarksおよびWhippleに付与された米国特許第3,037,953号明細書に用いられた手順に従い、処理後の分散液250gにさらに安定剤Tergitol(登録商標)TMN−100Xを5.1gおよびNHOH(29重量%(NHとして)水溶液)4mlを加えて、ポリマー分散液を68℃(安定剤の曇点範囲を超える温度)で2時間維持することにより、分散液を熱相分離させて濃縮する。濃縮は30分未満で完結したようである。濃縮された分散液を上清から分離し、分散液を冷却する。濃縮された分散液の固形分を測定すると62.69重量%となり、ポリマー固体を基準とする安定剤の含有量は5.30重量%となる。
実施例1B FEP(分散液A)の約80℃における熱処理
FEP分散液(分散液A)を上述したように調製して濾過する。Tergitol(登録商標)TMN−100X(15.0g)を濾過した分散液559gに加えて分散液を安定化させる。安定化された分散液(400g)を、冷水で15℃に冷却された冷却器および窒素パージを備えた三つ口フラスコに装入する。安定化された分散液を78〜82℃の温度に加熱して15時間維持する。DA/DASを脱炭酸することにより副生成物E1とし、E1を制御された廃棄系中に除去する。表3に記載するように、未濃縮の試料について様々な時間間隔で分散液試料の残留DA/DAS含有量を測定する。分散液を加熱してから15時間後の残留DA/DAS(分枝状フルオロエーテルカルボン酸)の測定値は500ppm未満となる。
分散液を冷却して固形分を測定すると36.16重量%となり、ポリマー固体を基準とする安定剤の含有量は7.24重量%となる。
実施例1Aに記載した手順および同一条件を用いて分散液を熱相分離により濃縮する。濃縮は60分未満で完了するようである。濃縮された分散液の固形分を測定すると62.14重量%となり、ポリマー固体を基準とする安定剤の含有量は5.33重量%となる。
Figure 2014237842
実施例2A−PTFE(分散液B)の約100℃における熱処理
PTFE分散液(分散液B)を上述したように調製して濾過する。Tergitol(登録商標)TMN−100X(10.0g)を濾過した分散液400gに加えて分散液を安定化させる。この混合物を、冷却装置を有しない長首フラスコに装入する。安定化された分散液を、環流(フラスコの首部による環流を除く)、窒素置換、および撹拌を行わずに穏やかに沸騰するように約100℃の温度で5時間加熱する。DA/DASを脱炭酸して副生成物E1(沸点46℃)とし、E1を制御された廃棄系に除去する。表4に記載 するように様々な時間間隔で分散液試料の残留DA/DAS含有量を測定する。
分散液の加熱から3時間後の残留DA/DAS(分枝状フルオロエーテルカルボン酸)の測定値は141ppm未満となる。加熱から4時間後に残留DA/DAS含有量を測定すると1ppm未満となる。
分散液を冷却して濾過し、湿潤ポリマー凝塊物25gを除去する。ポリマー凝塊物を濾去した後に冷却した分散液の固形分を測定すると43.91重量%となり、ポリマー固体を基準とする安定剤の含有量は5.82重量%となる。
実施例2B−PTFE(分散液B)の約95℃における熱処理
PTFE分散液(分散液B)を上述したように調製して濾過する。Tergitol(登録商標)TMN−100X(17g)を濾過した分散液400gに加えて分散液を安定化させる。この混合物を、冷却装置を有しない長首フラスコに装入する。安定化された分散液を、環流(フラスコの首部による環流を除く)、窒素置換、および撹拌を行わずに約95℃の温度で7時間加熱する。DA/DASを脱炭酸して副生成物E1(沸点46℃)とし、E1を蒸発させて制御された廃棄系に除去する。表4に記載するように様々な時間間隔で分散液試料の残留DA/DAS含有量を測定する。
分散液の加熱から6.67時間後の残留DA/DAS(分枝状フルオロエーテルカルボン酸)の測定値は273ppmとなる。
分散液は加熱および熱相分離(濃縮相/上清相)の最中に濃縮が起こる場合があることに留意されたい。このような場合、分散液を穏やかに再混合する。加熱完了後に分散液を冷却するとさらなる濃縮が起こる。
分散液を冷却して濾過し、湿潤ポリマー凝塊物6g(これは実施例2Aを大幅に下回る)を除去する。凝塊物の形成がより少ないことは、分散液をより低温で加熱することによって分散液の沸騰が最小限に抑えられることに起因する。
湿潤ポリマー凝塊物を濾過した後に冷却された分散液の固形分の測定値は52.93重量%となり、ポリマー固体を基準とする安定剤の含有量は4.99重量%となる。
実施例2C−単一槽におけるPTFE(分散液B)の約80℃での熱処理および濃縮
PTFE分散液(分散液B)を上述したように調製して濾過する。Tergitol(登録商標)TMN−100X(17g)を濾過した分散液400gに加えて分散液を安定化させる。この混合物を、冷却装置を有しない1000mlの三つ口ガラス反応器に装入する。反応器の使用していない開口部に栓を緩目に装入する。反応器は懸吊された撹拌システムを備えており、これはそれぞれ約15°の角度で切り込まれた4つの歯を有するディスク[2.5インチ(63mm)]である。安定化された分散液を、環流、窒素置換、および撹拌を行わずに約80℃の温度で15時間加熱する。撹拌を50rpmで開始した後、加熱1時間後に150rpmに昇速する。撹拌を昇速することにより熱相分離を防止する。DA/DASを脱炭酸して副生成物E1(沸点46℃)とし、E1を蒸発させて制御された廃棄系に除去する。表4に記載するように分散液試料の残留DA/DAS含有量を様々な時間間隔で測定する。
分散液を加熱してから15時間後の残留DA/DAS(分枝状フルオロエーテルカルボン酸)の測定値は500ppm未満となる。
温度を68℃に低下させて分散液の温度を安定剤の曇点範囲に近づけることにより、分散液を取り出すことなく分散液を同じガラス反応器で濃縮できる。1時間後、熱相分離(濃縮相/上清相)が起こる。濃縮された分散液を上清から分離する。熱処理および濃縮が単一槽内で起こる。分散液を冷却して濾過し、湿潤ポリマー凝塊物0.5g(これは実施例2Aおよび2Bを大幅に下回る)を除去する。凝塊物の形成がより少ないことは、より低温で加熱することによって分散液の沸騰が最小限に抑えられることに起因する。
濃縮された分散液の固形分を測定すると58.94重量%となり、ポリマー固体を基準とする安定剤含有量は3.78重量%となる。
Figure 2014237842
濃縮された分散液の固形分を測定すると58.94重量%となり、ポリマー固体を基準とする安定剤含有量は3.78重量%となる。
Figure 2014237842
以上、本発明を要約すると下記の通りである。
1.フッ素ポリマー水性分散液のフルオロエーテルカルボン酸または塩含量を低減する方法であって、該フルオロエーテルカルボン酸または塩が、式:
[R−O−L−COO]Y
(式中、
は、エーテル結合を含んでいてもよい一部または全部がフッ素化された直鎖状、分枝状、または環状脂肪族基であり、
Lは、エーテル結合を含んでいてもよい一部または全部がフッ素化された分枝状アルキレン基であり、
は、水素、アンモニウムまたはアルカリ金属の、陽イオンである)
を有するフルオロエーテルカルボン酸または塩を含み、
上記フッ素ポリマー水性分散液に安定剤を加えて、安定化されたフッ素ポリマー水性分散液を形成させることと、
該安定化されたフッ素ポリマー水性分散液を加熱し、上記フルオロエーテルカルボン酸または塩を脱炭酸して、フルオロエーテル副生成物を生成させることと、
該フルオロエーテル副生成物の少なくとも一部を除去することと、
を含む、上記方法。
2.Lが、エーテル結合を含んでいてもよい完全にフッ素化された分枝状アルキレン基である、上記1に記載の方法。
3.Lが、−CF(CF)−である、上記1に記載の方法。
4.前記フルオロエーテルカルボン酸または塩は、RがCF−CF−CF−O−(−CFCF−CF−O−)であり、nが0〜35であり、Lが−CF(CF)−である化合物または化合物の混合物を含む、上記1に記載の方法。
5.nが、0〜10である、上記4に記載の方法。
6.nが、0〜3である、上記4に記載の方法。
7.nが、0である、上記4に記載の方法。
8.Yが、水素またはアンモニウムである、上記1に記載の方法。
9.前記方法が、約500ppm未満のフルオロエーテルカルボン酸または塩を含む、安定化されたフッ素ポリマー水性分散液を与える、上記1に記載の方法。
10.前記安定化されたフッ素ポリマー水性分散液が、フルオロエーテルカルボン酸または塩を24時間未満で所望の量に低減させる温度に加熱される、上記1に記載の方法。
11.前記安定化されたフッ素ポリマー水性分散液が、約70℃〜約200℃の温度に加熱される、上記1に記載の方法。
12.前記フルオロエーテル副生成物が、蒸気として除去される、上記1に記載の方法。13.前記フルオロエーテル副生成物を捕集することをさらに含む、上記1に記載の方法。
14.前記フルオロエーテル副生成物の前記捕集が、吸着粒子の床を用いて行なわれる、上記13に記載の方法。
15.前記吸着粒子の床が活性炭である、上記14に記載の方法。
16.前記捕集されたフルオロエーテル副生成物が回収される、上記13に記載の方法。17.前記回収が、前記フルオロエーテル副生成物を前記吸着粒子から熱的に脱着することを含む、上記16に記載の方法。
18.前記フルオロエーテルカルボン酸または塩が200℃で約30分未満の、アンモニウム塩形態における脱炭酸半減期を有する、上記1に記載の方法。
19.前記安定化されたフッ素ポリマー水性分散液の前記フルオロエーテルカルボン酸または塩を脱炭酸するための前記加熱によって、前記安定化されたフッ素ポリマー水性分散
液から水が蒸発し、前記分散液が少なくとも部分的に濃縮される、上記1に記載の方法。20.前記安定剤が、非イオン性界面活性剤である、上記1に記載の方法。
21.前記分散液を熱相分離により濃縮することをさらに含む、上記20に記載の方法。22.前記フルオロエーテルカルボン酸または塩を脱炭酸するための前記加熱および前記分散液の前記濃縮が単一容器内で行なわれる、上記21に記載の方法。
23.前記フルオロエーテルカルボン酸または塩を脱炭酸するための前記安定化されたフッ素ポリマー水性分散液の前記加熱により、該分散液が前記非イオン性界面活性剤の曇点を超える温度に加熱され、該方法が、該分散液を該非イオン性界面活性剤の曇点範囲に冷却して前記熱相分離を引き起こすことをさらに含む、上記22に記載の方法。

Claims (23)

  1. フッ素ポリマー水性分散液のフルオロエーテルカルボン酸または塩含量を低減する方法であって、該フルオロエーテルカルボン酸または塩が、式:
    [R−O−L−COO]Y
    (式中、
    は、エーテル結合を含んでいてもよい一部または全部がフッ素化された直鎖状、分枝状、または環状脂肪族基であり、
    Lは、エーテル結合を含んでいてもよい一部または全部がフッ素化された分枝状アルキレン基であり、
    は、水素、アンモニウムまたはアルカリ金属の、陽イオンである)
    を有するフルオロエーテルカルボン酸または塩を含み、
    上記フッ素ポリマー水性分散液に安定剤を加えて、安定化されたフッ素ポリマー水性分散液を形成させることと、
    該安定化されたフッ素ポリマー水性分散液を加熱し、上記フルオロエーテルカルボン酸または塩を脱炭酸して、フルオロエーテル副生成物を生成させることと、
    該フルオロエーテル副生成物の少なくとも一部を除去することと、
    を含む、上記方法。
  2. Lが、エーテル結合を含んでいてもよい完全にフッ素化された分枝状アルキレン基である、請求項1に記載の方法。
  3. Lが、−CF(CF)−である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記フルオロエーテルカルボン酸または塩は、RがCF−CF−CF−O−(−CFCF−CF−O−)であり、nが0〜35であり、Lが−CF(CF)−である化合物または化合物の混合物を含む、請求項1に記載の方法。
  5. nが、0〜10である、請求項4に記載の方法。
  6. nが、0〜3である、請求項4に記載の方法。
  7. nが、0である、請求項4に記載の方法。
  8. が、水素またはアンモニウムである、請求項1に記載の方法。
  9. 前記方法が、約500ppm未満のフルオロエーテルカルボン酸または塩を含む、安定化されたフッ素ポリマー水性分散液を与える、請求項1に記載の方法。
  10. 前記安定化されたフッ素ポリマー水性分散液が、フルオロエーテルカルボン酸または塩を24時間未満で所望の量に低減させる温度に加熱される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記安定化されたフッ素ポリマー水性分散液が、約70℃〜約200℃の温度に加熱される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記フルオロエーテル副生成物が、蒸気として除去される、請求項1に記載の方法。
  13. 前記フルオロエーテル副生成物を捕集することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記フルオロエーテル副生成物の前記捕集が、吸着粒子の床を用いて行なわれる、請求
    項13に記載の方法。
  15. 前記吸着粒子の床が活性炭である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記捕集されたフルオロエーテル副生成物が回収される、請求項13に記載の方法。
  17. 前記回収が、前記フルオロエーテル副生成物を前記吸着粒子から熱的に脱着することを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記フルオロエーテルカルボン酸または塩が200℃で約30分未満の、アンモニウム塩形態における脱炭酸半減期を有する、請求項1に記載の方法。
  19. 前記安定化されたフッ素ポリマー水性分散液の前記フルオロエーテルカルボン酸または塩を脱炭酸するための前記加熱によって、前記安定化されたフッ素ポリマー水性分散液から水が蒸発し、前記分散液が少なくとも部分的に濃縮される、請求項1に記載の方法。
  20. 前記安定剤が、非イオン性界面活性剤である、請求項1に記載の方法。
  21. 前記分散液を熱相分離により濃縮することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記フルオロエーテルカルボン酸または塩を脱炭酸するための前記加熱および前記分散液の前記濃縮が単一容器内で行なわれる、請求項21に記載の方法。
  23. 前記フルオロエーテルカルボン酸または塩を脱炭酸するための前記安定化されたフッ素ポリマー水性分散液の前記加熱により、該分散液が前記非イオン性界面活性剤の曇点を超える温度に加熱され、該方法が、該分散液を該非イオン性界面活性剤の曇点範囲に冷却して前記熱相分離を引き起こすことをさらに含む、請求項22に記載の方法。
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