JP2014237291A - トナーを用いたシートの綴じ方法、シート綴じ装置、シート後処理装置、及び画像形成装置 - Google Patents

トナーを用いたシートの綴じ方法、シート綴じ装置、シート後処理装置、及び画像形成装置 Download PDF

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哲夫 渡辺
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崇 橋本
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Fumito Masubuchi
文人 増渕
菜摘 松江
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菜摘 松江
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武士 小川
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Abstract

【課題】トナーを接着媒体として用いるシート綴じ方法であって、シートの重ね合わせ接着する際の接着力の低下を抑制できるシート綴じ方法を提供する。
【解決手段】シート後処理装置110に設けた接着トナーTを用いる加熱接着部120に、綴じ処理を施すシート束Sを受ける受け台122と、この受け台122に対して接離するように移動可能な、接着トナーTが介在したシート束Sを加熱する加熱ヘッド121とを設けた。そして、シートPの重ね合わせ接着を行うのに先立ち、加熱ヘッド121を受け台122のシリコンゴム122aに接触させて、受け台122の表面温度を上げた後に、シートPの重ね合わせ接着を行うように構成した。
【選択図】図7

Description

本発明は、トナーを用いた用紙等のシートの綴じ方法、このシートの綴じ方法を用いた用紙綴じ装置、この用紙綴じ装置を備えた用紙後処理装置、及びこれらの用紙綴じ装置又は用紙後処理装置を備えた画像形成装置に関するものである。
従来から、プリンタ等の画像形成装置で画像形成を行なった後の複数のシートからなるシート束を金属製の針等を用いて綴じる方法に替えて、接着媒体としてトナーを用いて各シート間を接着する方法が知られている。具体的には、画像を形成するトナーとは別に、接着媒体としてのトナー(以下、接着トナーという)をシート上の綴じ位置に担持させて定着を行う。その後、複数のシートを重ね合わせて綴じ位置を再加熱して接着トナーを溶融させ、加圧して接着トナーが介在する複数のシートを接着(以下、重ね合わせ接着という)することで綴じるというものである。このように、金属製の針等を使わないことにより、省エネ性や、安全性の面でメリットが大きい。また、個人情報の保護の観点から、事務処理で用いた印刷物等をシュレッダー等を用いて裁断する場合にも、金属製の針等を用いる綴じ方法と異なり、事前に金属製の針等を外す作業を省略でき、利用者の利便性も高まる。
例えば、特許文献1には、接着トナーを用いた製本装置における、次のようなシートの綴じ方法が記載されている。画像形成が行われ、トナー像が定着されたシートをスタックトレー上のシート又はシート束に新たなシートを1枚づつ重ねる毎に、スタックトレーに対向して設けた加熱ヘッドで、スタックトレー上に積載したシート束の接着トナーが介在した部分を押圧する。このように押圧することで、新たに積載されたシートと先に積載されたシートとの間に介在した接着トナーを再溶融させるとともに、溶融した接着トナーが介在した各シートに圧力を加えて重ね合わせ接着を行い、シート束を綴じるというものである。
しかし、特許文献1に記載のシートの綴じ方法では、1枚目のシートと2枚目のシートとを接着する際に、次のような不具合が発生するおそれがあった。最初に1枚目と2枚目のシートを重ね合わせ接着する際、加圧ヘッドに対向して設けられ、重ね合わされるシートを受ける受け部材として機能するスタックトレーに接触することによる各シートの温度低下により接着部の接着力(接着強度)が低下する不具合である。これは、加圧ヘッドから供給される熱量が1枚目と2枚目のシートを介してスタックトレーに伝搬し、接着トナーの温度が、その融点である接着温度まで上昇しないためであり、トナーの溶融による濡れ性やアンカー効果が作用せず、接着力が低下するものである。なお、2枚目以降の各シート間では、新たに重ね合わせ接着するシートに対向する接着済みのシート表面は前回の重ね合わせ接着で温度が上昇しており、連続して1枚毎に重ね合わせ接着を行う場合には、上記のような接着力の低下は起き難いものと考えられる。
一方、1枚目と2枚目のシート間の接着力の低下を解消するため、加熱ヘッドの温度を上げると、2枚目以降の各シート間に介在する接着トナーが流動化しずぎてシートの繊維中に浸み込んでしまい、2枚目以降の各シート間の接着成分が減少するおそれがある。このように、2枚目以降の各シート間の接着成分が減少すると、2枚目以降の各シート間での接着力が低下する。
また、上記のように1枚目と2枚目のシート間の接着力が弱くなってしまうという不具合は、次のような重ね合わせ接着を行うシートの綴じ方法においも発生するおそれがある。未接着のシートを複数枚づつ重ねる毎に、受け部材側に向けて加熱ヘッドを押圧して、未接着の複数のシートを重ね合わせ接着接、又は接着済みのシート束に未接着の複数のシートを重ね合わせ接着を行うシートの綴じ方法である。
このような綴じ方法では、例えば、最初に3枚のシートを重ね合わせ接着を行う場合、1枚目と2枚目のシート間の接着トナーの温度が上昇せず、2枚目と3枚目のシート間の接着力に比べて、1枚目と2枚目のシート間の接着力が顕著に低下するおそれがある。
一方、1枚目と2枚目のシート間の接着力の低下を解消するため、加熱ヘッドの温度を上げると、2枚目と3枚目のシート間の接着トナーが流動化しずぎてシートの繊維中に浸み込んで接着成分が減少し、2枚目と3枚目のシート間の接着力が低下するおそれがある。すなわち、加熱ヘッドの温度を上げると、受け部材側のシート間の接着力の低下は抑制できるものの、加熱ヘッド側のシート間の接着力は低下してしまうおそれがある。また、接着済みのシート束上に、新たな3枚のシートを重ね合わせ接着を行う際にも、加熱ヘッド側のシート間の接着力は低下してしまうおそれがある。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、次のようなシート綴じ方法を提供することである。トナーを接着媒体として用いるシート綴じ方法であって、シートの重ね合わせ接着する際の接着力の低下を抑制できるシート綴じ方法である。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、トナーを接着媒体として用いるシート綴じ方法において、シートの重ね合わせ接着を行うのに先立ち、接着媒体として用いるトナーを加熱する加熱ヘッドを、該加熱ヘッドに対向して設けられ、重ね合わされるシートを受ける受け部材の表面に接触させて、前記受け部材の表面温度を上げた後に、シートの重ね合わせ接着を行うことを特徴とするものである。
本発明は、トナーを接着媒体として用いるシート綴じ方法であって、シートの重ね合わせ接着する際の接着力の低下を抑制できるシート綴じ方法を提供できる。
一実施形態に係る、画像形成装置である複合機の全体構成の説明図。 実施例1に係る、シート後処理装置、及び複合機の操作パネルの説明図。 プレスタック部におけるプレスタック動作の説明図。 トナーを用いたシートの重ね合わせ接着方法の説明図。 実施例1に係る、加熱接着部、及びシート束搬送に関する説明図。 実施例1に係る、最初に複数枚のシートの重ね合わせ接着を行う場合、接着力が低下する箇所の説明図。 実施例1に係る、受け台のプリヒート方法の説明図。 実施例1に係る、受け台のプリヒート方法における、加熱ヘッドの接離状態、シート束の後端位置、及び受け台の表面温度の変化に関するタイミングチャート。 実施例2に係る、接着済みのシート束上に複数枚づつシートの重ね合わせ接着を行う場合、接着力が低下する箇所の説明図。 実施例2に係る、受け台、及び接着済みのシート束のプリヒート方法の説明図。 実施例2に係る、接着済みのシート束のプリヒート方法における、加熱ヘッドの接離状態、後続のシート束の後端位置、及び接着済みのシート束の表面温度の変化に関するタイミングチャート。 実施例3に係る、シート後処理装置、及び複合機の操作パネルの説明図。 実施例3に係る、加熱接着部、及びシート束搬送に関する説明図。 実施例3に係る、受け台又は接着済みのシート束のプリヒート方法における、加熱ヘッドの接離状態、シート束の後端位置、受け台又は接着済みのシート束の表面温度の変化に関するタイミングチャート。
本発明を、電写真方式の画像形成装置であるカラー対応のMFP機(以下、複合機500という)のシート後処理装置に有したシート綴じ装置に適用した一実施形態について、複数の実施例を挙げ、図を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置である複合機500の全体構成の説明図である。
まず、各実施例に共通する本実施形態の複合機500の構成及び動作について説明する。この複合機500は、図1に示すように、主に次のものから構成されている。画像形成装置本体であり画像を作像する作像部100、作像部100を載置する給紙テーブル200、作像部100上に取り付けられたスキャナ300、及びスキャナ300上に取り付けられた原稿自動搬送装置(ADF)400である。また、画像データ処理や各部及び各装置の動作を制御する制御部である本体制御部(不図示、図5、13参照)も備えている。そして、この複合機500には、作像部100で画像を形成したシートPに所定の後処理を施すシート後処理装置110も備えている。
スキャナ300では、原稿照明用光源やミラーなどを搭載した第1走行体303と、複数の反射ミラーを搭載した第2走行体304とが往復移動するのにともなって、コンタクトガラス301上に載置された原稿の読取り走査が行われる。第2走行体304から送り出される走査光は、結像レンズ305によってその後方に設置されている読取りセンサ306の結像面に集光せしめられた後、読取りセンサ306によって画像信号として読込まれる。また、このスキャナ300の装置本体前面側には、装置本体の状態を表示したり、装置本体の設定や操作を行う操作パネル310(不図示、図2、12参照)が配置されている。
作像部100には、潜像担持体としてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のトナーに対応した感光体ドラム40Y、40M、40C、40Bkが設けられている。各感光体ドラム40の周囲には現像装置70、帯電装置85、感光体クリーニング装置86等の電子写真プロセスを実行する各手段が配置され、これによって画像形成ユニット38(Y,M,C,Bk)が形成されている。また、各画像形成ユニット38は、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。各画像形成ユニット38は4つ並列に設けられており、タンデム型画像形成部20を形成している。ここで、各画像形成ユニット38の構成は使用するトナーの色が異なるのみで、その構成・動作は、同一でああるので以下の説明では、符号Y、M、C、Bkは適宜、省略して説明する。
また、各画像形成ユニット38の現像装置70においては、それぞれ上記4色のトナーを含んだ現像剤が用いられる。現像装置70は、現像剤担持体である現像ローラ71が現像剤を担持、搬送して、感光体ドラム40との対向位置において、感光体ドラム40上の潜像を現像する。
タンデム型画像形成部20の上部には、画像情報に基づいて感光体ドラム40をレーザ光又はLED光により露光して潜像を形成する露光装置31が設けられている。
また、タンデム型画像形成部20の感光体ドラム40と対向する下方位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写体である中間転写ベルト15が配置されている。中間転写ベルト15は支持ローラ34,35及び2次転写バックアップローラ36によって支持されている。中間転写ベルト15を介して感光体ドラム40と相対する隣接位置には、感光体ドラム40上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト15に転写する1次転写装置62が配置されている。
中間転写ベルト15の下方には、中間転写ベルト15表面に重ね合わせて形成されたトナー像を、給紙テーブル200の給紙カセット44から搬送されてくるシートPに一括転写する2次転写装置19が配置されている。2次転写装置19は、2次転写ローラ23と、この2次転写ローラ23を中間転写ベルト15に接離可能に支持する接離機構(不図示)とを備えている。2次転写装置19は中間転写ベルト15を介して2次転写バックアップローラ36に2次転写ローラ23を押し当て、中間転写ベルト15上のトナー像をシートPに転写する。
中間転写ベルト15の表面に残留するトナーを取り除くためにベルトクリーニングユニット37が設けられている。ベルトクリーニングユニット37は、例えばファーブラシやウレタンゴムで形成されたクリーニングブレードを中間転写ベルト15に当接させて、中間転写ベルト15に付着している2次転写残トナーを掻き取る。
2次転写装置19に隣接するように定着装置60が設けられており、定着装置60はシートP上の画像を定着する。定着装置60は、内部に熱源としてのヒータが組み込まれた加熱ローラ66と、この加熱ローラ66に押し当てられる加圧ローラ67とから主として構成されている。
2次転写装置19及び定着装置60の下方には、シートPを反転する反転装置28が配置されている。反転装置28は、シートPの両面に画像を記録すべくシートPを反転させる。
次に、上記構成の複合機500の複写機としての動作について説明する。
図1の原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットするか、または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス301上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。この状態で、操作パネル上のスタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス301上へと移動した後、第1走行体303および第2走行体304を走行させる。また、コンタクトガラス301上に原稿をセットしたときは直ちにスキャナ300が駆動し、第1走行体303および第2走行体304を走行させる。
そして、第1走行体303で光源から光を照射するとともに原稿面からの反射光を受ける。この反射光を第2走行体304に向けて反射し、第2走行体304のミラーで反射光を更に反射して結像レンズ305を通して読取りセンサ306に入射させ、読取りセンサ306で原稿内容を読取る。
また、操作パネル上のスタートスイッチを押すことによって、駆動モータ(不図示)を駆動させて、駆動ローラでもある支持ローラ34を回転駆動し、他の支持ローラ35、及び2次転写バックアップローラ36を従動回転させる。このように回転させることで、中間転写ベルト15を回動させる。同時に、各画像形成ユニット38において、帯電装置85によって感光体ドラム40を一様に帯電させる。そして、スキャナ300の読取り内容に応じて露光装置31からレーザやLED等による書込み光を照射して帯電した各感光体ドラム40上に静電潜像を形成する。
静電潜像が形成された感光体ドラム40に現像装置70からトナーを供給し、静電潜像を可視像化し、各感光体ドラム40上にそれぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の単色画像を形成する。単色画像を順次、1次転写装置によって中間転写ベルト15上に重なるように1次転写し、中間転写ベルト15上に合成カラー画像を形成する。画像転写後の感光体ドラム40の表面は、感光体クリーニング装置86によって残留トナーを除去し、除電装置(不図示)で除電して再度の画像形成に備える。
操作パネル上のスタートスイッチを押すことにより、また給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つが選択されて回転し、ペーパーバンク43に多段に設けられた給紙カセット44の1つからシートPを繰り出す。繰り出したシートPを、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に挿入し、搬送ローラ対47で搬送して作像部100内の給紙路48に導き、レジストローラ対49に突き当てて停止させる。次に、中間転写ベルト15上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ対49を回転し、中間転写ベルト15と2次転写装置19との間にシートPを送り込み2次転写装置19で転写してシートP上にカラー画像を転写する。
2次転写ローラ23を通過した未定着トナー像を担持したシートPを、定着装置60へ搬送し、定着装置60で熱と圧力とを加えて転写画像を定着する。画像定着後のシートPは、切換爪55で切り換えて排出路68を介して、排出ローラ対56によって作像部100から排出され、シート後処理装置110に導入されるか、切換爪55で切り換えて反転装置28に導入される。シート後処理装置110に導入されたシートPは、所定の後処理を施されるか、後処理を施されないまま、シート後処理装置110の排紙トレイ136上に排出される。
反転装置28に導入したシートPは、反転されて再び転写位置へと導かれ、裏面にも画像を記録され、その後、切換爪55で切り換えて排出路68を介して、排出ローラ対56によって作像部100から排出され、シート後処理装置110に導入される。シート後処理装置110に導入されたシートPは、所定の後処理を施されるか、後処理を施されないまま、シート後処理装置110の排紙トレイ136上に排出される。このとき、画像転写後の中間転写ベルト15上に残留する残留トナーをベルトクリーニングユニット37で除去し、タンデム型画像形成部20による再度の画像形成に備える。
そして、本実施形態のシート後処理装置110は、画像形成を行なった後の複数のシートPを、スタックしてシート束毎に排紙トレイ136上に排紙する際の位置をずらして仕分ける仕分け処理と、スタックしてシート束を綴じる綴じ処理とを施せる。これらの処理は、組み合わせて施すこともできるし、単独で施すことも可能である。また、画像形成を行なった後の複数のシートPからなるシート束に綴じ処理を施す手段として、接着媒体としてトナー(以下、接着トナーという)を用いるシート綴じ装置である加熱接着部120を備えている。
接着トナーを用いて綴じ処理を施すシート綴じ装置は、従来から様々なものが知られている。しかし、加圧ヘッドに対向して設けられ、重ね合わされるシートを受ける受け部材を有し、加圧ヘッド側からだけ加熱する従来の綴じ装置では、最初に1枚目と2枚目のシートを重ね合わせ接着する際に接着部の接着力(接着強度)が低下するという不具合があった。
また、上記のように1枚目と2枚目のシート間の接着力が弱くなってしまうという不具合は、次のような重ね合わせ接着を行うシートの綴じ方法においも発生するおそれがある。未接着のシートを複数枚づつ重ねる毎に、受け部材側に向けて加熱ヘッドを押圧して、未接着の複数のシートを重ね合わせ接着接、又は接着済みのシート束に未接着の複数のシートを重ね合わせ接着を行うシートの綴じ方法である。
このような綴じ方法では、例えば、最初に3枚のシートを重ね合わせ接着を行う場合、1枚目と2枚目のシート間の接着トナーの温度が上昇せず、2枚目と3枚目のシート間の接着力に比べて、1枚目と2枚目のシート間の接着力が顕著に低下するおそれがある。
上記の不具合を解消するために、受け部材側にも、加熱用のヒータを設け、1枚目と2枚目のシートの接着時にヒータからの熱量を伝達して接着用トナーを所望の接着温度近傍に上昇させる方法も考えられる。しかし、シート綴じ装置が大型化するとともに、そのコストが上昇してしまう。
また、加熱ヘッドの温度を上げると、2枚目以降の各シート間に介在する接着トナーが流動化しずぎてシートの繊維中に浸み込んでしまい、接着成分が減少する場合がある。このように、接着成分が減少すると、1枚づつ重ねる毎にシートの重ね合わせ接着を行う場合の2枚目以降や、複数枚づつ重ねる毎にシートの重ね合わせ接着を行う場合の加熱ヘッド側のシート間の接着力が低下してしまう。
また、3枚以上の複数枚づつシートの重ね合わせ接着を行う際に、1枚目と2枚目のシート間の接着力が低下するという不具合を、シート綴じ装置の装置規模を大きくすることなく、簡易に解決する従来技術は見当たらない。
そこで、本実施形態では、次のような接着トナーを用いるシート綴じ方法を提供することを目的とした。
第1の目的とするシート綴じ方法は、接着トナーを用いてシートの重ね合わせ接着を行う場合に、各シート間の接着力の低下を抑制できるシート綴じ方法である。特に、特に、最初に複数枚のシートを重ね合わせ接着を行う際の1枚目と2枚目の接着力の低下を抑制できるシート綴じ方法である。第2の目的とするシート綴じ方法は、複数枚づつ未接着のシートを重ねる毎に、接着されていない各シート間の重ね合わせ接着を行う場合に、接着済みのシート束と後続のシート束との間の接着力が低下を抑制できるシート綴じ方法である。第3の目的とするシート綴じ方法は、複数枚づつ未接着のシートを重ねる毎に、接着されていない各シート間の重ね合わせ接着を行うシート綴じ方法において、綴じ処理を施すシートの種類や環境温度が異なっても好適な接着力を獲得できるシート綴じ方法である。
また、上記のようなシート綴じ方法を用いたシート綴じ装置、シート後処理装置、及び画像形成装置を提供することを目的とした。
また、上記した不具合は、特に、3枚以上の複数枚づつシートの重ね合わせ接着を行い、シートPとして再生紙を用いる画像形成装置で顕著に発生する。このため、本実施形態の目的とするシート綴じ方法は、上記のようにシートPとして再生紙を用いる場合や、1色分のトナーで綴じ処理を行う場合には、接着力が弱くなるので、それに対して接着力をアップするにも有効な技術である。
次に、本実施形態の特徴部である、接着トナーを用いるシートの綴じ方法のシート綴じ装置である加熱接着部120を有した、シート後処理装置110について、複数の実施例を挙げて説明する。
(実施例1)
まず、本実施形態のシート後処理装置110の実施例1について、図を用いて説明する。
図2は、本実施例に係る、シート後処理装置110、及び複合機500の操作パネル310の説明図、図3は、プレスタック部147におけるプレスタック動作の説明図、図4は、トナーを用いたシートの重ね合わせ接着方法の説明図である。図5は、本実施例に係る、加熱接着部120、及びシート束S搬送に関する説明図、図6は、本実施例に係る、最初に複数枚のシートの重ね合わせ接着を行う場合、接着力が低下する箇所の説明図である。図7は、本実施例に係る、受け台122のプリヒート方法の説明図、図8は、本実施例に係る、受け台122のプリヒート方法における、加熱ヘッド121の接離状態、シート束Sの後端位置、及び受け台122の表面温度の変化に関するタイミングチャートである。
本実施例のシート後処理装置110は、上記した第1の目的とした、接着トナーを用いてシートの重ね合わせ接着を行う場合に、各シート間の接着力の低下を抑制できるシート綴じ方法を用いるものである。特に、特に、最初に複数枚のシートを重ね合わせ接着を行う際の1枚目と2枚目の接着力の低下を抑制できるシート綴じ方法である。
図2に示すように、本実施例のシート後処理装置110は、複合機500の作像部100の排出ローラ対から排出されるシートを、受入ローラ対132で受入れ、綴じ処理を施すか、綴じ処理を施さないまま、排紙トレイ136上に排出するものである。
具体的には、綴じ処理を施す場合は、受入ローラ対132のシート搬送方向下流側に設けた第1切替爪133を、受入れたシートPに後処理を施す後処理搬送路141に導くように回転させる。一方、綴じ処理を施さない場合は、第1切替爪133を、受入れたシートPを後処理を施さずに、搬送ローラ対134及び排紙ローラ対135により、排紙トレイ136上に排紙する搬送路であるプルーフ搬送路131に導くように回転させる。
本実施例のシート後処理装置110では、作像部100での画像形成速度を落とさずに積層したシート束に綴じ処理を施すために、複数枚づつ未接着のシートPを重ねる毎に、接着されていない各シートP間の重ね合わせ接着を行う。具体的には、後処理搬送路141のスタック部150及び加熱接着部120のシート搬送方向上流側にプレスタック部147を設けている。例えば3枚のシートを、加熱接着部120のシート搬送方向上流側に設けたプレスタック部147を用いてスタックしている間に、すでにスタックを終えて加熱接着部120に移動させたシート束に、シートの重ね合わせ接着を行う綴じ処理が行える。
仕分け処理だけを行う場合には、後処理搬送路141に導入されたシートPは、第1搬送ローラ対142、第2搬送ローラ対143、第3搬送ローラ対144、及び第4搬送ローラ対145を介して、スタック部150のスタックトレイ151に順次、積載される。そして、スタック部150で重力により、スイッチバックして、スタック部150の図2図中下方に配置された加熱接着部120に設けたエンドフェンス(不図示)によりシート後端が揃えられる。また、シート搬送方向に垂直なシート幅方向両端に設けられたジョガーフェンスにより、シート幅方向の位置が、所定の位置に揃えられる。ここで、所定の位置とは、例えば、仕分けする奇数番目のシート束を通常の排紙位置になるように揃え、偶数番目のシート束を通常の排紙位置よりも装置後方側へ所定距離(例えば1cm)だけずらして揃える位置である。
上記のように各シート束毎に、シート幅方向の位置をずらして排紙トレイ136上に排紙することで、シート束の仕分け処理が行える。なお、仕分けを行うのはシート束単位に限られず、1枚づつシート幅方向を交互にずらしたり、シート幅方向にずらず位置を2つでなく、3以上の複数の位置に設定することも可能である。なお、スタック部150では、順次搬送されてくるシートを、スイッチバックさせるので、少なくとも搬送されてくる各シートの位置を揃えるまでは、2組のスタックローラ対153のジョガーフェンス152側のローラをスタックトレイ151側から離間させる。そして、所定の位置に移動させたシート、又は所定の位置に揃えたシート束を排出する際には、シート又はシート束を2組のスタックローラ対153で挟持して第5搬送ローラ対側へ送り出す。送り出されたシート又はシート束は、第5搬送ローラ対、及び排紙ローラ対により挟持搬送され、排紙トレイ136上にシート幅方向が所定の位置になるように積載される。
一方、綴じ処理だけを行う場合には、後処理搬送路141に導入されたシートPは、第4搬送ローラ対145を介して、スタック部150のスタックトレイ151に順次、積載される前に、プレスタック部147を用いて複数枚からなるシート束にまとめられる。
次に、本実施例のプレスタック部147を用いて、3枚のシートPからなるシート束を、第4搬送ローラ対145を介して、スタック部150に搬送する例について説明する。ここで、各シートP又はシート束が後処理搬送路141内を第4搬送ローラ対145側に向けて移動する(搬送される)際の移動方向を下流側の方向と呼称し、その反対側に移動する際の方向を上流側の方向と呼称する。
まず、1枚目のシートが、図3(a)に示すように、(第1切替爪133に案内されて)受入ローラ対により、後処理搬送路141に導入される。
導入された1枚目のシートは、その後、図3(b)に示すように、第1搬送ローラ対142の回転により、第1搬送ローラ対142と第2搬送ローラ対143との間に配置された第2切替爪146を押しのけて、下流側へ搬送される。
そして、1枚目のシートの後端が第1搬送ローラ対142を通過する前に、1枚目のシートの先端が第2搬送ローラ対143により挟持され、さらに、図3(c)に示すように、1枚目のシートの後端が第2切替爪146を通過するまで下流側に搬送される。このとき、シートの搬送方向の長さによっては、シートの先端が第3搬送ローラ対144まで達する。また、第2切替爪146は、バネ(不図示)の付勢力により、通過したシートがスイッチバックした際に、その後端をプレスタック部147のプレスタック搬送路148に導く通常位置まで回転する。
その後、1枚目のシートは、その後端が第2切替爪146を通過した所定の位置まで搬送された時点で、第2搬送ローラ対143及び第3搬送ローラ対144の回転方向が逆方向に切り替えられ、図3(d)に示すように、上流側へスイッチバックする。このスイッチバックした1枚目のシートの後端は、上記したように通常位置まで回転した第2切替爪146により、プレスタック部147のプレスタック搬送路148に導かれ、プレスタックローラ対149により、さらに上流側に挟持搬送される。
そして、プレスタックローラ対149により、上流側に挟持搬送される1枚目のシートの先端が、第2搬送ローラ対143から離間した所定の位置で、プレスタックローラ対149の回転を停止し、2枚目のシートの先端が略同一な位置に搬送されるまで待機する。一方、この1枚目のシートのスイッチバックと略同一なタイミングで、2枚目のシートが受入ローラ対により、後処理搬送路141に導入される。
後処理搬送路141に導入された2枚目のシートは、その後、図3(e)に示すように、第1搬送ローラ対142の回転により、第1搬送ローラ対142と第2搬送ローラ対143との間に配置された第2切替爪146を押しのけて、下流側へ搬送される。このとき、プレスタック搬送路148の1枚目のシートは、下流側へ搬送される2枚目のシートの先端の通過タイミングに合わせて、プレスタックローラ対149が回転駆動され、互いの先端位置が略同一となるように重ねられて下流側に搬送される。
重ね合わされた1枚目と2枚目のシート(以下、2枚のシート束という)の後端が第1搬送ローラ対142を通過する前に、2枚のシート束の先端が第2搬送ローラ対143により挟持される。そして、図3(f)に示すように、2枚のシート束の後端が第2切替爪146を通過するまで下流側に搬送される。このとき、1枚目のシートの場合と同様に、シートの搬送方向の長さによっては、2枚のシート束の先端が第3搬送ローラ対144まで達する。また、第2切替爪146は、バネの付勢力により、通過したシートがスイッチバックした際に、2枚のシート束の後端をプレスタック部147のプレスタック搬送路148に導く通常位置まで回転する。
その後、2枚のシート束は、その後端が第2切替爪146を通過した所定の位置まで搬送された時点で、第2搬送ローラ対143及び第3搬送ローラ対144の回転方向が逆方向に切り替えられ、図3(g)に示すように、上流側へスイッチバックする。このスイッチバックした2枚のシート束の後端は、上記したように通常位置まで回転した第2切替爪146により、プレスタック部147のプレスタック搬送路148に導かれ、プレスタックローラ対149により、さらに上流側に挟持搬送される。
そして、プレスタックローラ対149により、上流側に挟持搬送される2枚のシート束の先端が、第2搬送ローラ対143から離間した所定の位置で、プレスタックローラ対149の回転を停止し、3枚目のシートの先端が略同一な位置に搬送されるまで待機する。一方、この2枚のシート束のスイッチバックと略同一なタイミングで、3枚目のシートが受入ローラ対により、後処理搬送路141に導入される。一方、この2枚のシート束のスイッチバックと略同一なタイミングで、3枚目のシートが受入ローラ対により、後処理搬送路141に導入される。
後処理搬送路141に導入された3枚目のシートは、その後、図3(h)に示すように、第1搬送ローラ対142の回転により、第1搬送ローラ対142と第2搬送ローラ対143との間に配置された第2切替爪146を押しのけて、下流側へ搬送される。このとき、プレスタック搬送路148の2枚のシート束は、下流側へ搬送される3枚目のシートの先端の通過タイミングに合わせて、プレスタックローラ対149が回転駆動され、互いの先端位置が略同一となるように重ねられて下流側に搬送される。
重ね合わされた2枚のシート束と3枚目のシート(以下、3枚のシート束という)の後端が第1搬送ローラ対142を通過する前に、3枚のシート束の先端が第2搬送ローラ対143により挟持される。そして、図3(i)に示すように、3枚のシート束の後端が第2切替爪146を通過する際、各シートの搬送方向の長さによっては、3枚のシート束の先端が第3搬送ローラ対144まで達する。また、第2切替爪146は、バネの付勢力により、通過したシートがスイッチバックした際に、通常位置まで回転する。
第2切替爪146を通過を後端が通過した3枚のシート束は、その先端が第3搬送ローラ対144に達し、第3搬送ローラ対144の回転により下流側へ搬送される。その後、3枚のシート束の先端は、図3(j)に示すように、第4搬送ローラ対145に達し、第4搬送ローラ対145の回転により3枚のシート束が、図2に示したスタック部150に搬送されることになる。そして、上記の処理を作像部100から3枚のシートを受入れる毎に繰り返す。なお、3枚のシート束の先端位置は、各シートの下流側への搬送タイミングにより略同一に揃えられているため、厳密には揃っていないが、重ね合わせた状態での搬送に支障しない程度であれば問題なく、下流側のスタック部150で後端、及び幅方向が揃えられる。
上記のように、3枚のシート束とした後にスタック部150に搬送することで、作像部100での画像形成速度を落とさずに、先行してスタック部150に搬送し、積層した3枚のシート束に綴じ処理を施すことができる。すなわち、複数枚づつ未接着のシートPを重ねる毎に、接着されていない各シートP間の重ね合わせ接着を行うことで、綴じ処理を施すシートPに画像形成を行う複合機500の画像形成速度を遅くすることなく、シートPの綴じ処理を行うことができる。
上記のようにして、スタック部150に搬送されたシート束は、仕分け処理と同様にスタック部150でスイッチバックしてエンドフェンスによりシート後端が揃えられ、ジョガーフェンスによりシート幅方向の位置が、所定の位置に揃えられる。そして、加熱接着部120で、各シート間に介在した接着トナーの部分に、熱加えて各シート間の接着トナーを溶融させ、加圧して接着トナーが介在する複数のシートを接着することで綴じる。
具体的には、例えば3枚のシート束を接着する場合、図4に示すように、3枚のシートPからなるシート束Sの、接着トナーTが介在した部分を、スタック部150のスタックトレイ151側に配置した受け部材である受け台122で支持する。そして、スタック部150のジョガーフェンス152側に、通常時は受け台122側から離間して設けた、接着トナーを加熱する加熱ヘッド121を、受け台122側へ向け移動させて、シート束Sを挟持する。このように挟持することで、各シートP間に介在した接着トナーTの部分に、熱加えて接着トナーTを溶融させ、加圧して接着トナーの溶融による濡れ性やアンカー効果により、接着トナーTが介在する複数のシートPを接着することで綴じるものである。なお、先行して接着するシート束Sの加熱ヘッド121側のシートPと、後続のシート束Sの受け台122側のシートPとの間の接着トナーを、先行して接着するシート束S側に付着させる構成では、加熱ヘッド121は接着トナーTに直接、接触することになる。
ここで、本実施例の加熱接着部120に有した、加熱ヘッド121及び受け台122の詳細を、図4を用いて説明する。
加熱ヘッド121は、図4に示すように、シート束Sの加熱ヘッド121側のシートP、又はこのシートP上の接着トナーTを加熱する熱源として、セラミックヒータ121dを有している。このセラミックヒータ121dには、シートP又は接着トナーTにセラミックヒータ121dの熱を伝えるとともに、押圧力を作用させる部分である加熱パッド121bが形成されたアルミ製の支持部材121cが接合されている。
また、加熱パッド121bの受け台122側の面には、直接、接着トナーに接触した場合であっても、接着トナーの焦げ付きを防ぐためにテフロン(登録商標)コート121aを施している。そして、加熱パッド121b及び支持部材121cを除く部分からの放熱を抑制するために、支持部材121cとでセラミックヒータ121dを覆うように、耐熱性を有した断熱材121fを設け、支持部材121cに接合している。また、セラミックヒータ121dの支持部材121cと接する面の反対側の面と、断熱材121fとの間には、耐熱性を有したシリコンゴム121eを設けて、断熱材121fと一体化させることで、支持部材121cとの接合をより強固なものとしている。
なお、この加熱ヘッド121は、詳しくは後述する加熱ヘッド121を保持する加熱ヘッド保持部材123を移動させるヘッド加圧モータ125(図5参照)の駆動により、受け台122に対して接触又は離間する方向に移動可能に設けられている。
一方、受け台122は、シート束Sの受け台122側のシートPの表面に接触する部分に、耐熱性を有したシリコンゴム122aを有し、このシリコンゴム122aを支持するアルミ製の支持部材122bも有している。
そして、受け台122の支持部材122b、ヘッド加圧モータ125、及び加熱ヘッド保持部材123の移動をガイドするガイド部材(不図示)等は、取り付けブラケット(不図示)を介して、シート後処理装置110の筐体に固定されている。
上記のように、本実施例の加熱接着部120では、加熱側である加熱ヘッド121から、同時に加圧力(押圧力)を作用させて、熱的伝導性が高効率に行なえるよに構成している。そして、加熱ヘッド121と受け台122の間にシート束Sを介在させ、セラミックヒータ121dを駆動して受け台122側に押圧することで、画像形成され定着装置60で定着された後の、接着トナーを再溶融させてシート束Sの各シート間を接着する。
次に、図5を用いて、加熱接着部120における加熱ヘッド121の接離動作、及びシートP又はシート束Sの搬送動作の制御について説明する。ここで、シート束Sの搬送動作については、複数の搬送ローラ対が関与するため、代表的な搬送ローラ対の動作について説明する。
上記したように、加熱接着部120では、受け台122はシート後処理装置110の筐体に固定され、加熱ヘッド121はヘッド加圧モータ125の駆動により、受け台122に対して接触又は離間する方向に移動可能に設けられている。
具体的には、図5に示すように、加熱ヘッド121は加熱ヘッド保持部材123に取り付けられている。この加熱ヘッド保持部材123には、ヘッド加圧モータ125の出力軸に接合されたリードスクリュ126のスクリュ状の突起部に嵌め合う、スクリュ状の溝が形成された孔が設けられている。そして、ヘッド加圧モータ125を駆動して、リードスクリュ126を回転させることで、リードスクリュ126の回転方向に応じて、不図示のガイド部材に案内されて、受け台122に対して平行に接触(押圧)又は離間する方向に移動する。すなわち、受け台122、又は受け台122に支持されたシート束Sの加熱ヘッド121のシートP’に向けて、受け台122に対して平行な状態を維持したまま、接触(押圧)又は離間する方向に移動する。
ここで、ヘッド加圧モータ125は、装置本体の操作パネル310から入力された条件や本体制御部170との通信で得た情報に基づいて後処理制御部180により制御されるモータドライバーにより駆動される。また、加熱ヘッド121のセラミックヒータ121dの動作は、装置本体の操作パネル310から入力された条件や設定(情報)、及び本体制御部170との通信で得た情報に基づいて後処理制御部180により制御されるヒータドライバーにより駆動される。
そして、後処理制御部180の制御により、あらかじめ実験等により求め、テーブル化された設定条件に基づき、回転開始又は停止するタイミング、回転量、回転速度、及び回転方向を設定してヘッド加圧モータ125を駆動する。また、テーブル化された設定条件に基づき、加熱ヘッド121のセラミックヒータ121dに通電を開始又は停止するタイミング、及び通電する単位時間当りの電力量を設定してセラミックヒータ121dを駆動する。
一方、シートP又はシート束Sの搬送動作は、次のように制御される。例えば、3枚のシート束を下流側に搬送したり、プレスタック部147へ1枚目のシートや2枚のシート束をスイッチバックさせたりする第2搬送ローラ対143の駆動モータ(不図示)は、上記したヘッド加圧モータ125と同様に制御される。すなわち、装置本体の操作パネル310から入力された条件や本体制御部170との通信で得た情報に基づいて後処理制御部180により制御されるモータドライバーにより駆動される。
そして、後処理制御部180の制御により、あらかじめ実験等により求め、テーブル化された設定条件に基づき、回転開始又は停止するタイミング、回転量、回転速度、及び回転方向を設定して第2搬送ローラ対143の駆動モータを駆動する。
ここで、図5に示したスタックローラ対153、第5搬送ローラ対154、及び図示を省略した他の搬送ローラ対や第1切替爪等の駆動源となる駆動モータの制御についても、それぞれの条件に応じて、同様に制御される。
また、加熱ヘッド121のセラミックヒータ121dや各駆動モータの動作を制御する後処理制御部180は、コントローラ、CPU、比較器、及び入出力I/F(インターフェース)を有している。そして、比較器内のメモリに格納された、あらかじめ実験等により求め、テーブル化された設定条件と、入出力I/Fを介して通信して得た本体制御部170からの情報、装置本体の操作パネル310から入力された条件や設定とを比較しする。この比較結果に基づき、CPUでヒータドライバーやモータドライバーの動作タイミングや動作量等を演算し、コントローラでヒータドライバーやモータドライバーを動作させ、最終的に、セラミックヒータ121dや各駆動モータの動作を制御する。なお、装置本体の操作パネル310に入力された条件や設定は、本体制御部170を介して得るように構成されている。また、比較器内のメモリには、CPUで演算する際に用いるプログラムや、操作パネル310から入力された設定の情報を、更新されるまで格納しており、比較器内のメモリは記憶手段としても機能し、別途、記憶手段を設ける必要がない。
ここで、上記した本実施例の目的、すなわち、解決すべき不具合について、さらに詳しく説明する。上記した本実施例の接着トナーを用いるシート綴じ方法では、最初に複数枚のシートPを重ねたシート束Sの各シートP間の接着を行う場合、受け台122側の温度低下により、の各シートP間の接着部の接着力が低下(接着部強度が弱くなる)する。これは、加熱ヘッド121のセラミックヒータ121dで供給される熱量が、各シートPの内部を通過して、温度勾配を持った受け台122側に伝搬して、接着トナーの融点である接着温度(70〜80℃程度以上)まで上昇しないためである。このように上昇しないと、接着トナーの溶融による濡れ性や、アンカー効果が作用しないことにより、各シートP間の接着部の接着力が弱くなる。また、上記の不具合は、コート紙より普通紙や再生紙において顕著に発生する。
具体的には、図6に示すように、例えば、3枚のシートPからなるシート束Sを受け台122上に支持し、このシート束Sを加熱ヘッド121で、受け台122側に押圧したとする。すると、加熱ヘッド121に対向したシートP’と中央のシートPとの間の接着トナーは好適に溶融し、顕著な接着力の低下は現れない。しかし、受け台122上に支持され、受け台122に直接、接触している受け台122側のシートPは、受け台122に加熱ヘッド121のセラミックヒータ121dから供給された熱量を奪われ、その温度が上昇しない。このため、図6図中、Taの符号を付した受け台122側のシートPと中央のシートPとの間に介在した接着トナーTaが、その融点である接着温度まで上昇できず、この接着トナーTaが介在した接着部の接着力が弱くなる(低下する)。
また、この不具合を解消するために、受け台122側にもセラミックヒータ121dのような加熱用のヒータを設ける構成も考えられが、上記したように加熱接着部120が大型化するとともに、そのコストが上昇してしまう。
また、セラミックヒータ121dの温度を上げると、上記したように1枚づつ重ねる毎にシートの重ね合わせ接着を行う場合の2枚目以降や、複数枚づつ重ねる毎にシートの重ね合わせ接着を行う場合の加熱ヘッド121側のシート間の接着力が低下してしまう。
そこで、本実施例では、受け台122側に加熱用のヒータを設けたり、セラミックヒータ121dの温度を上げたりすることなく、シートPの重ね合わせ接着する際の接着力の低下を抑制できるシート綴じ方法を適用した。特に、最初に1枚目と2枚目の接着力の低下を抑制できるシート綴じ方法を適用した。
以下に、本実施例のシート後処理装置110に設けた加熱接着部120に適用したシート綴じ方法について詳細に説明する。
本実施例では、接着すべき(綴じるべき)シート束Sが、加熱接着部120に搬送されてきていない図7(a)に示す状態から、シート束Sが搬送されて来る前に、図7(b)に示すように加熱ヘッド121を受け台122の表面に接触(当接)させる。このように接触させることで、受け台122の表面温度を上昇させるプリヒート動作(以下、単にプリヒートという)を行う。受け台122の表面温度を上昇させた後、図7(c)に示すように、一旦、加熱ヘッド121を受け台122から離間させ、その直後に、シート束Sを加熱ヘッド121と受け台122との間に搬送し、シート後端やシート幅方向を所定の位置に揃える。
所定の位置に揃えた直後、図7(d)に示すように、加熱ヘッド121を受け台122側に移動して、シート束Sの加熱ヘッド121側のシートP’側を、所定時間、押圧することで、シート束Sの各シートP間の接着(以下、本接着という)を行う。このように本接着を行うことで、図6で示した接着力が低下した接着トナーTaを、接着温度まで加熱して溶融させ、図7(d)に示す接着力が改善された接着トナーTbにできる。すなわち、プリヒートを行うことで、1枚目のシートPと、2枚目のシートPとの間の接着部に介在する接着トナーTbを接着温度まで加熱して溶融させ、接着力を向上させることができる。
その後、シート束Sを加熱及び加圧した後、図7(e)に示すように、シート束Sの加熱ヘッド121側のシートP’側から、加熱ヘッド121を離間させる。
すなわち、シート束Sの各シートP間の接着(以下、本接着という)に先立ち、事前にシート束Sの介在しない状態でセラミックヒータ121dに通電して昇温させた状態で、加熱ヘッド121を受け台122に接触させる。このように接触させることで、受け台122の表面温度を一定以上に高め、その直後に本接着すべきシート束Sを受け台122上に導いて、再び、セラミックヒータ121dに通電して昇温させた状態の加熱ヘッド121をシート束Sに押圧して本接着を行う。
接着トナーの溶融温度は通常70〜80℃なので、上記のようなプリヒートにより受け台122の表面温度を80℃以上に昇温させて、その直後にシート束Sを乗せることにより少なくとも20〜30℃程度の補助温度を得ることができる。なお、加熱ヘッド121を取り去った時点から急激に放熱が始まるので、1秒程度の間に本接着のために加熱ヘッド121で、シート束Sの加熱ヘッド121側のシートP’側を押圧して、シート束Sの加熱しないと効果は減少する。
また、受け台122側からの加熱は、加熱ヒータ等による常時加熱ではないので、2〜3枚のシートPの重ね合わせ接着にのみに対して有効であるが、その後は接着済みのシート束Sの受け台122側からの熱拡散は減少する。したがって、後続のシート束Sの重ね合わせ接着時に、受け台122側のシートPの温度が極端に低下することはなく、後続のシート束Sを重ね合わせ接着する際に、受け台122側の接着部の接着力が低下する不具合も解決できる。
また、受け台122の材料は、接着トナーを用いたシートの重ね合わせ接着を行う際の、加熱ヘッド121によりシート束Sに与える熱量の受け台122側への拡散の特性を大きく左右する。これに有効な材料としては、耐熱性であるとともに、短時間に高い蓄熱性を有する材料である。好適な材料としては、耐熱性樹脂(PI樹脂、PEEK樹脂等)、本実施例で用いた耐熱性を有したシリコンゴム122a等の耐熱ゴム、その他、セラミック、ガラスなどで形成するのが有効である。
次に、図7を用いて説明したシート綴じ方法を適用した際の、加熱ヘッド121の接離状態、シート束Sの後端位置、及びプリヒートした受け台122の表面温度の推移の例を、図8のタイミングチャートを用いて説明する。ここで、シート束Sの後端位置のタイミングチャートは、所定枚数のシートPが重ね合わされてから加熱接着部120の所定の位置まで搬送され、本接着を行った後に排紙ローラ対135に向けて搬送されるシート束Sの後端の移動距離を示している。また、最初に複数枚のシートPからなるシート束Sの重ね合わせ接着を行う際のタイミングチャートであるため、受け台122の表面温度の初期値は、シート後処理装置110内の環境温度と略同一であり、接着トナーの接着温度よりも極端に低いものとなっている。
図8のタイミングチャートに示すように、加熱ヘッド121を受け台122の表面に当接(接触)させてプリヒートを行うことで、本接着を行う際の受け台122の表面温度の低下を抑制できることが分かる。また、上記のようにプリヒートを行うことで、結果的に、プリヒートを行わない構成に比べて、最初に複数枚のシートPからなるシート束Sの重ね合わせ接着を行う場合の1枚目と2枚目の接着力よりも、数十パーセント高いトナー接着力を得ることが可能となった。
また、上記した本実施例では、トナー(接着トナー)を接着媒体として用いたシート綴じ方法、このシート綴じ方法を用いたシート綴じ装置としての加熱接着部120、この加熱接着部120を有したシート後処理装置110について説明した。そして、本実施形態の画像形成装置である複合機500は、上記シート後処理装置110を備えている。したがって、本実施例で説明したシート綴じ方法で奏することができる効果と同様な効果を、シート綴じ装置としての加熱接着部120、シート後処理装置110、及び画像形成装置としての複合機500でも奏することができる。
また、上記した本実施例では、シート後処理装置110で、複数枚(3枚)のシートPからなるシート束Sを重ね合わせ接着するシート綴じ方法について説明したが、本発明は、このような構成に限定されるものではない。例えば、シート又はシート束に新たなシートを1枚づつ重ねる毎に、重ね合わせ接着するシート綴じ方法にも適用可能である。
(実施例2)
次に、本実施形態のシート後処理装置110の実施例2について、図を用いて説明する。
図9は、本実施例に係る、接着済みのシート束S上に複数枚づつシートPの重ね合わせ接着を行う場合、接着力が低下する箇所の説明図、図10は、本実施例に係る、受け台122、及び接着済みのシート束Sのプリヒート方法の説明図である。図11は、本実施例に係る、接着済みのシート束Sのプリヒート方法における、加熱ヘッド121の接離状態、後続のシート束Sの後端位置、及び接着済みのシート束Sの表面温度の変化に関するタイミングチャートである。ここで、図9(b)〜(d)、及び図10(g)〜(i)では、重ね合わせる各シート束Sを識別しやすいように、意図的に上部に積載する各シート束Sの位置を各図中、右方向にずらして記載しているが、実際には各シート束Sの位置は揃えられる。
本実施例のシート後処理装置110は、次のようなシート綴じ方法を用いるものである。上記した第2の目的とした、複数枚づつ未接着のシートを重ねる毎に、接着されていない各シート間の重ね合わせ接着を行う場合に、接着済みのシート束と後続のシート束との間の接着力が低下を抑制できるシート綴じ方法である。
本実施例のシート綴じ方法と、実施例1のシート綴じ方法とでは、次のことに係る点のみ異なる。本実施例のシート綴じ方法が、接着済みのシート束Sに後続のシート束Sを重ね合わせ接着を行うのに先立ち、接着済みのシート束Sの加熱ヘッド121に対向するシートP’をプリヒートすることに係る点である。
他のことに係る点は、実施例1と同様であるので、実施例1と同様な構成及び、その作用・効果については、適宜、省略して説明する。また、特に、区別する必要がない限り、同一な構成部材や同様な機能を有した構成部材については、同一の符号を用いて説明する。
複数枚づつ未接着のシートを重ねる毎に、接着されていない各シート間の重ね合わせ接着を行う場合に、接着済みのシート束Sと後続のシート束Sとの間の接着力が低下する場合がある。具体的には、接着済みのシート束Sの加熱ヘッド121側のシートP’と、後続のシート束Sの受け台122側のシートPとの間の接着部の接着力が、他の接着部の接着力よりも極端に弱くなる場合がある。このような不具合は、特に、シート後処理装置110内の環境温度が低かったり、作像部100で、シートPの両面に画像形成を行ったりする場合に発生し易い。
この不具合も、上記した最初の1枚目と2枚目のシート間の接着力の低下と同様に、接着済みのシート束Sの受け台122側への熱拡散により、接着済みのシート束Sと後続のシート束Sとの間の接着力が低下するものである。また、先行して行ったシート束Sの本定着から、後続のシート束Sの本定着までの時間が長くなり、接着済みのシート束Sの加熱ヘッド121側等への放熱による加熱ヘッド121側のシートP’の温度低下が、受け台122側への熱拡散に加わるためと考えられる。
そして、接着済みのシート束Sの加熱ヘッド121側のシートP’の温度低下により、後続のシート束Sの受け台122側のシートPとの間の接着トナーが接着温度に達することができず、この部分の接着力が低下することになる。
具体的には、図9(a)に示すように、受け台122をプリヒートすることで、最初(1回目)のシート束S1では、いずれの接着部も他の接着部に比べて、極端に接着力が低下する部分は発生しない。
しかし、シート後処理装置110内の環境温度が低かったり、作像部100で、シートPの両面に画像形成を行ったりする場合には、次のような接着部の接着力が低下する。例えば、図9(b)に示すように、図中、Taの符号を付した接着トナーTaが介在した、先行して接着した1回目のシート束S1と、後続の2回目のシート束S2との間である。この部分に介在した接着トナーTaが、その融点である接着温度まで上昇できず、この接着トナーTaが介在した接着力が弱くなる。同様に、3回シート束を重ねた場合は図9(c)に示すように、2回目のシート束S2と3回目のシート束S3との間で、4回シート束を重ねた場合は図9(d)に示すように、3回目のシート束S2と4回目のシート束S3との間で、それぞれ接着力が低下する。
重ねるシートPの枚数が10枚とか15枚程度になり、シート束Sの積層厚が、普通紙の厚さにして0.1mm〜0.5mm程度になると、実施例1で説明した受け台122のプリヒートによる加熱ヘッド121側のシートP’の温度上昇は完全に作用しなくなる。
このため、受け台122のプリヒートによる接着済みのシート束Sと後続のシート束Sとの間の接着力の低下を抑制する効果は期待できない。
そこで、本実施例では、実施例1で説明した受け台122のプリヒートと同様な方法で、接着済みのシート束Sの加熱ヘッド121側のシートP’をプリヒートして、その表面温度を上昇させることとした。このように上昇させることで、接着済みのシート束Sの加熱ヘッド121側のシートP’の表面温度を80℃以上に昇温させて、その直後に後続のシート束Sを乗せることにより少なくとも20〜30℃程度の補助温度を得ることができる。
具体的には、図10に示すように、実施例1で図7を用いて説明した方法と同様に、図10(a)〜(e)に示す手順で受け台122をプリヒートした直後に1回目のシート束S1を重ね合わせ接着を行う。その後、図10(e)に示す1回目のシート束S1から加熱ヘッド121が離間した状態から、2回目のシート束S2が搬送されて来る前に、図10(f)に示すように1回目のシート束S1の加熱ヘッド121側のシートP’に加熱ヘッド121を接触させる。このように接触させることで、1回目のシート束S1の加熱ヘッド121側のシートP’をプリヒートして、その表面温度を上昇させることができる。
その後、図10(g)に示すように、一旦、加熱ヘッド121を1回目のシート束S1から離間させ、その直後に、2回目のシート束S2を加熱ヘッド121と1回目のシート束S1との間に搬送し、シート後端やシート幅方向を所定の位置に揃える。
所定の位置に揃えた直後、図10(h)に示すように、加熱ヘッド121を受け台122側に移動して、1回目のシート束S1の加熱ヘッド121側のシートP’側を、所定時間でけ押圧する。このように押圧することで、1回目のシート束S1上に積載した2回目のシート束S2の各シートP間、及び1回目のシート束S1の加熱ヘッド121側のシートP’と2回目のシート束S2の受け台122側のシートPとの本接着を行う。
この本接着時、1回目のシート束S1の加熱ヘッド121側のシートP’は、上記のようにプリヒートされて表面温度を上昇しており、1回目のシート束S1と2回目のシート束S2との間の接着部の温度を短時間に接着トナーの接着温度に近づけることができる。したがって、図9(b)で示した接着力が低下した接着トナーTaを挟持していた各シート面を十分な温度に保持でき、図9(b)で示した接着トナーTaを接着温度まで加熱して溶融させ、図10(h)に示す接着力が改善された接着トナーTbにできる。すなわち、プリヒートを行うことで、接着済みのシート束S1の加熱ヘッド121側のシートP’と、後続のシート束S2の受け台122側のシートPとの間の接着部に介在する接着トナーTbを接着温度まで加熱して溶融させ、接着力を向上させることができる。
その後、シート束S1,2を加熱及び加圧した後、図10(i)に示すように、シート束S2の加熱ヘッド121側のシートP’側から、加熱ヘッド121を離間させる。
なお、図10では、2回目のシート束S2を1回目のシート束S1に重ねて、重ね合わせ接着を行う例までしか記載していないが、加熱ヘッド121と受け台122との離間距離等の条件を満たす範囲で、図10を用いて説明した手順を繰り返すことができる。
次に、図10を用いて説明したシート綴じ方法を適用した際の、加熱ヘッド121の接離状態、シート束S2の後端位置、及びプリヒートしたシート束S1の表面温度の推移の例を、図11のタイミングチャートを用いて説明する。ここで、シート束S2の後端位置のタイミングチャートは、所定枚数のシートPが重ね合わされてから加熱接着部120の所定の位置まで搬送され、本接着を行った後に排紙ローラ対135に向けて搬送されるシート束Sの後端の移動距離を示している。
図11のタイミングチャートに示すように、加熱ヘッド121を1回目のシート束S1の加熱ヘッド121側のシートP’の表面に当接(接触)させてプリヒートを行うことで、次のような効果を奏するのが分かる。2回目(後続)のシート束S2の本接着を行う際に、1回目(先行)のシート束S1の加熱ヘッド121側のシートP’の表面温度の低下を抑制できることである。
また、図2、3を用いて実施例1で説明したように、本実施例のシート後処理装置110は、複合機500の作像部100から連続して受入れるシートPを加熱接着部120に搬送する前に、プレスタック部147を用いて複数枚単位でスタックする。このようにプレスタックすることで、加熱接着部120でシートの重ねあわせ接着を行うのに必要な時間により、作像部100での画像形成速度が速度制約を受けないようにすることができ、複合機500の生産性(接着時間を含めた全体の印刷時間)を確保できる。
具体的には、上記した例では3枚のシートPからなるシート束S2を、加熱接着部120のシート搬送方向上流側に設けたプレスタック部147を用いてスタックしている間に、すでにスタックを終えて加熱接着部120に移動させたシート束S1に本接着を行う。そして、この本接着が終了したシート束S1に対し、次のシート束S2がスタックされている間に、プリヒートを行う。
(実施例3)
次に、本実施形態のシート後処理装置110の実施例3について、図を用いて説明する。
図12は、本実施例に係る、シート後処理装置110、及び複合機500の操作パネル310の説明図、図13は、本実施例に係る、加熱接着部120、及びシート束搬送に関する説明図である。図14は、本実施例に係る、受け台122又は接着済みのシート束Sのプリヒート方法における、加熱ヘッド121の接離状態、シート束Sの後端位置、受け台122又は接着済みのシート束Sの表面温度の変化に関するタイミングチャートである。そして、図14(a)が、受け台122のプリヒート方法における、加熱ヘッド121の接離状態、シート束Sの後端位置、受け台122の表面温度の変化に関するタイミングチャートである。また、図14(b)が、接着済みのシート束Sのプリヒート方法における、加熱ヘッド121の接離状態、シート束Sの後端位置、接着済みのシート束Sの表面温度の変化に関するタイミングチャートである。
本実施例のシート後処理装置110は、次のようなシート綴じ方法を用いるものである。上記した第3の目的とした、複数枚づつ未接着のシートを重ねる毎に、接着されていない各シート間の重ね合わせ接着を行うシート綴じ方法において、綴じ処理を施すシートの種類や環境温度が異なっても好適な接着力を獲得できるできるシート綴じ方法である。
本実施例のシート綴じ方法と、実施例1、2のシート綴じ方法とでは、次のことに係る点のみ異なる。本実施例のシート綴じ方法が、プリヒート対象の表面温度と綴じるシートPの種類とにとに基づいて、あらかじめテーブル化された設定条件から、後続のシート又はシート束の重ね合わせ接着を行う際の加熱ヘッドの動作条件を設定することに係る点である。
他のことに係る点は、実施例1、2と同様であるので、実施例1、2と同様な構成及び、その作用・効果については、適宜、省略して説明する。また、特に、区別する必要がない限り、同一な構成部材や同様な機能を有した構成部材については、同一の符号を用いて説明する。
本実施形態のシート後処理装置110の加熱接着部120で行う、シート綴じ方法では、シートP又はシート束Sが積載される前の受け台122の表面温度や、接着済みのシート束Sの表面温度は、シート後処理装置110の機内の環境温度により変化する。すなわち、プリヒート対象の表面温度がシート後処理装置110の機内の環境温度により変化する。
そこで、本実施例のシート後処理装置110では、受け台122の表面温度や、接着済みのシート束Sの表面温度を検知する表面温度検知手段を設けることとした。そして、表面温度検知手段で検知した温度に応じて、受け台122や接着済みのシート束Sの表面に加熱ヘッド121を接触させるプリヒートにより、受け台122や接着済みのシート束Sに与える熱量を設定(決定)する。
例えば、受け台122や、接着済みのシート束Sの表面温度が下がり過ぎている場合には、加熱ヘッド121で付与する熱量を、接触させる時間を長くするか、加熱ヘッド121の電流値(電圧値)を多くするか、あるいは組み合わせによるかして増加させる。そして、プリヒートした受け台122や接着済みのシート束Sに、後から重ね合わせ接着を行うシートP又はシート束Sを素早く移動させて重ね、再度、加熱ヘッド121を押圧して、未接着の各シート間の接着トナーを溶融させ、加圧して本接着を行う。
ここで、本実施例のシート後処理装置110に適用可能な、受け台122の表面温度の検知方法について説明する。
1つ目の検知方法は、非接触の赤外線放射温度計を用いて、赤外線エネルギーを受光し温度換算を行って計測して検知する方法である。具体的には、非接触の赤外線放射温度計のセンサである表面温度センサ160を、その取り付け角が、検知対象である受け台122のシリコンゴム122a面に垂直な垂線に対して30°以内の範囲になり、且つ、周囲の影響を受けないよう取り付ける。また、分解能は0.1℃で0.5秒くらいの速度で測定を行うことができる。
2つめ検知方法は、熱電対型のセンサーを受台内部に埋め込んで、加圧に影響しないように計測し検知する方法である。熱電対計測方式のセンサー埋め込みは、積載するシートP又はシート束Sに平行なφ1mm程度の穴を、受け台122のアルミ製の支持部材122bに開けて差し込む。シート搬送方向の長さと厚さが、30×5mmの受け台122の表面には、最大20Kg程度の圧力(加圧力)が作用するが、上記のように埋め込むことで熱電対は直接的な圧力変形を受けないで済む。このように構成することで、圧力による影響を受けずに受け台122の表面温度を正確に測定することができる。
次に、本実施例のシート後処理装置110に適用可能な、接着済みのシート束Sの表面温度の検知方法について説明する。
接着済みのシート束Sの表面には、後続のシート束Sが積載されたり、加熱ヘッド121によるプリヒートのための接触が行われるので、接触型の温度センサーを用いることは難しい。このため、適用可能な接着済みのシート束Sの表面温度の検知方法としては、上記した非接触型の赤外放射温度計を用いる検知方法が挙げられる。
そこで、本実施例では、図12及び図13に示すように、表面温度検知手段として、非接触の赤外線放射温度計である上記した表面温度センサ160を設けることとした。
このように表面温度センサ160を設けることで、昇温すべき目標温度に対して、実際に測定された測定値との差分に基づいて、プリヒート対象である受け台122や接着済みのシート束Sに加熱ヘッド121から与える熱量を設定することが可能となる。
また、接着済みのシート束Sの表面温度は、シート後処理装置110の機内の環境温度に加え、シートの種類によっても変化する。例えば、同じ再生紙でも、使用されるシートPの厚さや、表面に塗布される白色コーティング材料の種類や繊維密度によって熱伝達率が異なる。
このため、本実施例のシート後処理装置110では、上記した表面温度センサ160で検知したプリヒート対象の表面温度に加え、綴じ処理を施すシートPの種類の情報を取得することとした。そして、プリヒート対象の表面温度とシートPの種類とに基づいて、あらかじめ実験等で求め、テーブル化された設定条件から、プリヒート対象である受け台122や接着済みのシート束Sに加熱ヘッド121から与える熱量を設定(決定)することとした。
また、綴じ処理を施すシートPの種類の情報を取得する方法としては、複合機500の給紙テーブル200に有した、いずれかの給紙カセット44に、操作者がシートPをセットした際に、操作パネル310から入力していれば取得可能である。あるいは、自動検出化を進めて、シートの表面粗さと、シートの種類が相関関係にあることを応用したシート種別センサ163をシート後処理装置110のプレスタック部147等に設け、このシート種別センサ163により検出させることもできる。
また、本実施例のシート後処理装置110にも、実施例1で図5を用いて説明したように、ヘッド加圧モータ125、加熱ヘッド121のセラミックヒータ121d、各搬送ローラ対の動作を制御する後処理制御部180を有している。そして、上記した表面温度センサ160やシート種別センサ163を、図13に示すように、入出力I/F(インターフェース)に接続されている。
また、あらかじめ実験等で求め、テーブル化された設定条件や、操作パネル310から入力された設定の情報は、更新されるまで、実施例1と同様に比較器内のメモリに格納されている。そして、表面温度センサ160により検知した表面温度と、操作パネル310から入力された設定、又はシート種別センサ163で検出したシートPの種類に基づいて、テーブル化された設定条件から、加熱ヘッド121から与える好適な熱量が設定(決定)される。
上記のように構成することで、後続の接着すべきシート束Sを、空き時間を短縮して搬送し、重ね合わせ接着することが可能となる。
そして、複数枚づつ未接着のシートを重ねる毎に、接着されていない各シート間の重ね合わせ接着を行うシート綴じ方法において、綴じ処理を施すシートの種類や環境温度が異なっても好適な接着力を獲得できるできるシート綴じ方法を提供することが可能となる。
すなわち、受け台122の表面温度や、重ね合わせ接着済みのシート束Sの加熱ヘッド121に対向するシートP’面の表面温度と、綴じ処理を施すシートPの種類とに応じて、規定の温度値まで、許容される時間内に昇温させることができる。したがって、加熱ヘッド121でシート束Sをプリヒートする際に、精度良く熱量(温度)を設定することが可能となる。よって、綴じ処理を施すシートの種類や環境温度が異なっても好適な接着力を獲得することができる。
次に、上記したシート綴じ方法を適用した際の、加熱ヘッド121の接離状態、シート束Sの後端位置、及びプリヒートした受け台122又は接着済みのシート束Sの表面温度の推移の例を、図14のタイミングチャートを用いて説明する。
ここで、図14(a)のシート束Sの後端位置のタイミングチャートは、所定枚数のシートPが重ね合わされてから加熱接着部120の所定の位置まで搬送され、本接着を行った後に排紙ローラ対135に向けて搬送されるシート束Sの後端の移動距離を示している。また、最初に複数枚のシートPからなるシート束Sの重ね合わせ接着を行う際のタイミングチャートであるため、受け台122の表面温度の初期値は、シート後処理装置110内の環境温度と略同一であり、接着トナーの接着温度よりも極端に低いものとなっている。
また、図14(b)のシート束S2の後端位置のタイミングチャートは、所定枚数のシートPが重ね合わされてから加熱接着部120の所定の位置まで搬送され、本接着を行った後に排紙ローラ対135に向けて搬送されるシート束Sの後端の移動距離を示している。
まず、受け台122のプリヒートの例について、図14(a)のタイミングチャートを用いて説明する。
図14(a)のタイミングチャートに示すように、実施例1で図8を用いて説明した効果と同様な効果を奏することができる。すなわち、プリヒートを行うことで、本接着を行う際の受け台122の表面温度の低下を抑制できる。また、結果的にプリヒートを行わない構成に比べて、最初に複数枚のシートPからなるシート束Sの重ね合わせ接着を行う場合の1枚目と2枚目の接着力よりも数十パーセント高いトナー接着力を得ることが可能となる。
加えて、本実施例では、受け台122の表面温度と、綴じ処理を施すシートPの種類とに応じて、規定の温度値まで、許容される時間内に昇温させることができる。
具体的には、例えば、シート後処理装置110機内の環境温度が低下した場合、図14(a)に記載した加熱ヘッド121の接離状態のタイキングのプリヒートする際の当接(接触)時間を図中、破線で囲むとともにハッチングを施した範囲まで延ばすことができる。このように当接時間を延ばすことで、図14(a)に記載したプリヒートした受け台122の表面温度の変化を、図中、破線で示すように変化させ、受け台122の表面温度を規定の規定の温度値まで、許容される時間内に昇温させることができる。
次に、接着済みのシート束Sのプリヒートの例について、図14(b)のタイミングチャートを用いて説明する。
図14(b)のタイミングチャートに示すように、実施例2で図8を用いて説明した効果と同様な効果を奏することができる。すなわち、2回目(後続)のシート束S2の本接着を行う際に、1回目(先行)のシート束S1の加熱ヘッド121側のシートP’の表面温度の低下を抑制できる。また、プレスタックすることで、加熱接着部120でシートの重ねあわせ接着を行うのに必要な時間により、作像部100での画像形成速度が速度制約を受けないようにすることができ、複合機500の生産性を確保できる。
加えて、本実施例では、受け台122の表面温度と、綴じ処理を施すシートPの種類とに応じて、規定の温度値まで、許容される時間内に昇温させることができる。
具体的には、例えば、シート後処理装置110機内の環境温度が低下した場合、図14(b)に記載した加熱ヘッド121の接離状態のタイキングのプリヒートする際の当接(接触)時間を図中、破線で囲むとともにハッチングを施した範囲まで延ばすことができる。このように当接時間を延ばすことで、図14(b)に記載したプリヒートした接着済みのシート束Sの表面温度の変化を、図中、破線で示すように変化させ、接着済みのシート束Sの表面温度を規定の規定の温度値まで、許容される時間内に昇温させることができる。
また、本実施例の本実施例のシート後処理装置110では、上記した表面温度センサ160やシート種別センサ163に加え、図12及び図13に示すように、シート後処理装置110機内の環境温度を検知する環境温度検知手段を設けることもできる。
具体的には、図12及び図13に示すように、第2搬送ローラ対143と第3搬送ローラ対144との間であって、シート束Sが通過する経路近傍である後処理搬送路141の図12図中、右側近傍に環境温度検知手段として環境温度センサ164を設けた。この環境温度センサ164の検知方式は、配置する場合に他の構成部材の配置に影響を与えないものであれば特に限定されるものではなく、例えば、被検知部材としてアルミ製のプレートを用い、そのプレート内に熱電対型のセンサーを埋め込んだものでもよい。
上記のように表面温度センサ160やシート種別センサ163に加え、環境温度センサ164を設けることで、後続のシート束Sが通過する経路近傍の環境温度を検知できる。このように検知することで、定着後に重ねあわされて、その温度が低下している後続のシート束Sの温度を予測することが可能となる。したがって、表面温度センサ160で検知した表面温度と、環境温度センサ164で検知した環境温度と、綴じるシートPの種類とに基づいて、環境温度センサ164を設けていない構成よりも、さらに精度良く、加熱する際の熱量(温度)を設定することができる。
よって、綴じ処理を施すシートPの種類や環境温度が異なっても最適な接着力を獲得することができる。
ここで、表面温度センサ160、環境温度センサ164、及びシート種別センサ163で検出したシートPの種類等に応じてプリヒート対象に最適な熱量を与えることができる加熱ヘッド121の動作条件を、あらかじめ実験等により求め、テーブル化しておく。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
接着トナーTなどのトナーを接着媒体として用いるシートPなどのシート綴じ方法において、シートの重ね合わせ接着を行うのに先立ち、接着媒体として用いるトナーを加熱する加熱ヘッド121などの加熱ヘッドを、該加熱ヘッドに対向して設けられ、重ね合わされるシートを受ける受け台122などの受け部材のシリコンゴム122aなどの表面に接触させて、前記受け部材の表面温度を上げた後に、シートの重ね合わせ接着を行うことを特徴とするものである。
これによれば、上記した実施例1(乃至3)で説明したように、加熱ヘッドにより受け部材を加熱でき、1枚目と2枚目のシート間の接着媒体としての接着トナーの温度が上がらないために起こる接着力の低下を抑制することができる。
また、加熱ヘッドの温度を上げなくても接着力の低下を抑制することができるので、加熱ヘッドの温度を上げて2枚目以降の各シート間に介在する接着トナーが流動化しずぎてシートの繊維中に浸み込んでしまい、接着成分が減少することを回避することができる。したがって、1枚づつ重ねる毎にシートの重ね合わせ接着を行う場合の2枚目以降や、複数枚づつ重ねる毎にシートの重ね合わせ接着を行う場合の加熱ヘッド側のシート間の接着力を低下させずに、1枚目と2枚目のシート間の接着力が低下することを回避できる。
よって、トナーを接着媒体として用いるシート綴じ方法であって、シートの重ね合わせ接着する際の接着力の低下を抑制できるシート綴じ方法を提供できる。
(態様B)
(態様A)において、複数枚づつ未接着のシートPなどのシートを重ねる毎に、接着されていない各シート間の重ね合わせ接着を行うことを特徴とするものである。
これによれば、上記した実施例1(乃至3)で説明したように、綴じ処理を施すシートに画像形成を行う画像形成装置の画像形成速度を遅くすることなく、シートの綴じ処理を行うことができる。
(態様C)
(態様B)において、重ね合わせ接着済みのシート束Sなどのシート束に、後続の複数枚のシートからなるシート束を重ねて、シートの重ね合わせ接着を行うのに先立ち、前記重ね合わせ接着済みのシート束の加熱ヘッド121などの前記加熱ヘッドに対向するシートP’などのシート面に前記加熱ヘッドを接触させて温度を上げた後に、後続のシート束を重ねて、シートの重ね合わせ接着を行うことを特徴とするものである。
これによれば、上記した実施例2(又は3)で説明したように、次のような効果を奏することができる。シートの重ね合わせ接着を複数枚毎に行う場合、重ね合わせ接着済みのシート束の加熱ヘッド側のシートと、後続の複数枚のシートからなるシート束の受け部材側のシートとの重ね部の温度が低いと、加熱ヘッドで後続のシート束を押圧しても熱が拡散してしまう。そして、重ね合わせ接着済みのシート束の加熱ヘッド側のシートと後続のシート束の受け台122などの受け部材側のシートとの間の接着トナーの温度が接着温度まで上昇せず、重ね合わせ接着済みのシート束と後続のシート束との接着力が低下する場合がある。
一方、加熱ヘッドを接着済みのシート束の加熱ヘッド側のシートに接触させて温度を上げた後に加熱ヘッドで後続のシート束を押圧することで、熱の拡散を抑制して重ね部の温度低下を低減し、接着済みのシート束と後続のシート束との接着力の低下を抑制できる。
(態様D)
(態様A)乃至(態様C)において、受け台122などの前記受け部材や、前記重ね合わせ接着済みのシート束Sなどのシート束の加熱ヘッド121などの前記加熱ヘッドに対向するシートP’などのシート面の表面温度を検知する表面温度センサ160などの表面温度検知手段を設け、前記表面温度検知手段で検知した表面温度と、綴じるシートPなどのシートの種類とに基づいて、あらかじめテーブル化された設定条件から、後続のシート又はシート束の重ね合わせ接着を行う際の前記加熱ヘッドの動作条件を設定することを特徴とするものである。
これによれば、上記した実施例3で説明したように、次のような効果を奏することができる。受け部材の温度や、重ね合わせ接着済みのシート束の加熱ヘッドに対向するシート面の表面温度と、綴じ処理を施すシートの種類とに応じて、規定の温度値まで、許容される時間内に昇温させることができる。したがって、したがって、加熱ヘッドでシート束をプリヒートする際に、精度良く熱量(温度)を設定することが可能となる。
よって、綴じ処理を施すシートの種類や環境温度が異なっても好適な接着力を獲得することができる。
(態様E)
(態様D)において、シート束Sなどのシート束が通過する第2搬送ローラ対143と第3搬送ローラ対144との間の後処理搬送路141の近傍などの経路近傍の環境温度を検知する環境温度センサ164などの環境温度検知手段を設け、表面温度センサ160などの前記表面温度検知手段で検知した表面温度と、前記環境温度検知手段で検知した環境温度と、綴じるシートPなどのシートの種類とに基づいて、あらかじめテーブル化された設定条件から、後続のシート束の重ね合わせ接着を行う際の加熱ヘッド121などの前記加熱ヘッドの動作条件を設定することを特徴とするものである。
これによれば、上記した実施例3で説明したように、次のような効果を奏することができる。(態様D)の構成に加え、後続のシート束が通過する経路近傍の環境温度を検知できるので、定着後に重ねあわされて、その温度が低下している後続のシート束の温度を予測することが可能となる。したがって、表面温度検知手段で検知した表面温度と、環境温度検知手段で検知した環境温度と、綴じるシートの種類とに基づいて、(態様D)よりも、さらに精度良く、加熱する際の熱量(温度)を設定することが可能となる。
よって、綴じ処理を施すシートの種類や環境温度が異なっても最適な接着力を獲得することができる。
(態様F)
接着トナーTなどのトナーを接着媒体として用いる加熱接着部120などのシート綴じ装置において、シートPなどのシートの重ね合わせ接着を行うのに先立ち、接着媒体として用いるトナーを加熱する加熱ヘッド121などの加熱ヘッドを、該加熱ヘッドに対向して設けられ、重ね合わされるシートを受ける受け台122などの受け部材のシリコンゴム122aなどの表面に接触させて、前記受け部材の表面温度を上げた後に、シートの重ね合わせ接着を行うことを特徴とするものである。
これによれば、上記した実施例1(乃至3)で説明したように、次のような効果を奏することができる。トナーを接着媒体として用いるシート綴じ装置であって、シートの重ね合わせ接着する際の接着力の低下を抑制できるシート綴じ装置を提供できる。
(態様G)
接着トナーTなどのトナーを接着媒体として用いるシート綴じ処理をシートPなどのシートに施せるシート後処理装置110などのシート後処理装置において、シートの重ね合わせ接着を行うのに先立ち、接着媒体として用いるトナーを加熱する加熱ヘッド121などの加熱ヘッドを、該加熱ヘッドに対向して設けられ、重ね合わされるシートを受ける受け台122などの受け部材のシリコンゴム122aなどの表面に接触させて、前記受け部材の表面温度を上げた後に、シートの重ね合わせ接着を行うことを特徴とするものである。
これによれば、上記した実施例1(乃至3)で説明したように、次のような効果を奏することができる。トナーを接着媒体として用いるシート綴じ処理をシートに施せるシート後処理装置であって、シートの重ね合わせ接着する際の接着力の低下を抑制できるシート後処理装置を提供できる。
(態様H)
接着トナーTなどのトナーを接着媒体として用いるシート綴じ処理をシートPなどのシートに施せる複合機500などの画像形成装置において、シートの重ね合わせ接着を行うのに先立ち、接着媒体として用いるトナーを加熱する加熱ヘッド121などの加熱ヘッドを、該加熱ヘッドに対向して設けられ、重ね合わされるシートを受ける受け台122などの受け部材のシリコンゴム122aなどの表面に接触させて、前記受け部材の表面温度を上げた後に、シートの重ね合わせ接着を行うことを特徴とするものである。
これによれば、上記した実施例1(乃至3)で説明したように、次のような効果を奏することができる。トナーを接着媒体として用いるシート綴じ処理をシートに施せる画像形成装置であって、シートの重ね合わせ接着する際の接着力の低下を抑制できる画像形成装置を提供できる。
15 中間転写ベルト
19 2次転写装置
20 タンデム型画像形成部
23 2次転写ローラ
28 反転装置
30 原稿台
31 露光装置
34,35 支持ローラ
36 2次転写バックアップローラ
37 ベルトクリーニングユニット
38 画像形成ユニット
40 感光体ドラム
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ対(作像部、給紙テーブル)
48 給紙路
49 レジストローラ対
55 切換爪
56 排出ローラ対
60 定着装置
62 1次転写装置
66 加熱ローラ
67 加圧ローラ
68 排出路
70 現像装置
71 現像ローラ
85 帯電装置
86 感光体クリーニング装置
100 作像部
110 シート後処理装置
120 加熱接着部
121 加熱ヘッド
121a テフロンコート
121b 加熱パッド
121c 支持部材(加熱ヘッド)
121d セラミックヒータ
121e シリコンゴム(加熱ヘッド)
121f 断熱材
122 受け台
122a シリコンゴム(受け台)
122b 支持部材(受け台)
123 加熱ヘッド保持部材
125 ヘッド加圧モータ
126 リードスクリュ
131 プルーフ搬送路
132 受入ローラ対
133 第1切替爪
134 搬送ローラ対(プルーフ搬送路)
135 排紙ローラ対
136 排紙トレイ
141 後処理搬送路
142 第1搬送ローラ対
143 第2搬送ローラ対
144 第3搬送ローラ対
145 第4搬送ローラ対
146 第2切替爪
147 プレスタック部
148 プレスタック搬送路
149 プレスタックローラ対
150 スタック部
151 スタックトレイ
152 ジョガーフェンス
153 スタックローラ対
154 第5搬送ローラ対
160 表面温度センサ
163 シート種別センサ
164 環境温度センサ
170 本体制御部
180 後処理制御部
200 給紙テーブル
300 スキャナ
301 コンタクトガラス
303 第1走行体
304 第2走行体
305 結像レンズ
306 読取りセンサ
310 操作パネル
400 原稿自動搬送装置
500 複合機
P シート
P’ 加熱ヘッドに対向するシート
S シート束
T 接着トナー
Ta 接着力が低下する接着トナー
Tb 接着力が向上する接着トナー
実公平07−056209号公報

Claims (8)

  1. トナーを接着媒体として用いるシート綴じ方法において、
    シートの重ね合わせ接着を行うのに先立ち、接着媒体として用いるトナーを加熱する加熱ヘッドを、該加熱ヘッドに対向して設けられ、重ね合わされるシートを受ける受け部材の表面に接触させて、前記受け部材の表面温度を上げた後に、シートの重ね合わせ接着を行うことを特徴とするシート綴じ方法。
  2. 請求項1に記載のシート綴じ方法において、
    複数枚づつ未接着のシートを重ねる毎に、接着されていない各シート間の重ね合わせ接着を行うことを特徴とするシート綴じ方法。
  3. 請求項2に記載のシート綴じ方法において、
    重ね合わせ接着済みのシート束に、後続の複数枚のシートからなるシート束を重ねて、シートの重ね合わせ接着を行うのに先立ち、前記重ね合わせ接着済みのシート束の前記加熱ヘッドに対向するシート面に前記加熱ヘッドを接触させて温度を上げた後に、後続のシート束を重ねて、シートの重ね合わせ接着を行うことを特徴とするシート綴じ方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一に記載のシート綴じ方法において、
    前記受け部材や、前記重ね合わせ接着済みのシート束の前記加熱ヘッドに対向するシート面の表面温度を検知する表面温度検知手段を設け、
    前記表面温度検知手段で検知した表面温度と、綴じるシートの種類とに基づいて、あらかじめテーブル化された設定条件から、後続のシート又はシート束の重ね合わせ接着を行う際の前記加熱ヘッドの動作条件を設定することを特徴とするシート綴じ方法。
  5. 請求項4に記載のシート綴じ方法において、
    シート束が通過する経路近傍の環境温度を検知する環境温度検知手段を設け、
    前記表面温度検知手段で検知した表面温度と、前記環境温度検知手段で検知した環境温度と、綴じるシートの種類とに基づいて、あらかじめテーブル化された設定条件から、後続のシート束の重ね合わせ接着を行う際の前記加熱ヘッドの動作条件を設定することを特徴とするシート綴じ方法。
  6. トナーを接着媒体として用いるシート綴じ装置において、
    シートの重ね合わせ接着を行うのに先立ち、接着媒体として用いるトナーを加熱する加熱ヘッドを、該加熱ヘッドに対向して設けられ、重ね合わされるシートを受ける受け部材の表面に接触させて、前記受け部材の表面温度を上げた後に、シートの重ね合わせ接着を行うことを特徴とするシート綴じ装置。
  7. トナーを接着媒体として用いるシート綴じ処理をシートに施せるシート後処理装置において、
    シートの重ね合わせ接着を行うのに先立ち、接着媒体として用いるトナーを加熱する加熱ヘッドを、該加熱ヘッドに対向して設けられ、重ね合わされるシートを受ける受け部材の表面に接触させて、前記受け部材の表面温度を上げた後に、シートの重ね合わせ接着を行うことを特徴とするシート後処理装置。
  8. トナーを接着媒体として用いるシート綴じ処理をシートに施せる画像形成装置において、
    シートの重ね合わせ接着を行うのに先立ち、接着媒体として用いるトナーを加熱する加熱ヘッドを、該加熱ヘッドに対向して設けられ、重ね合わされるシートを受ける受け部材の表面に接触させて、前記受け部材の表面温度を上げた後に、シートの重ね合わせ接着を行うことを特徴とする画像形成装置。
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