JP2014236726A - 胃がんの再発を予測する方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、陰性コントロールプローブが固定された位置で測定された標識断片の測定量を基準として、CEA、TFF1、FABP1、CK20、及びMUC2からなる5種のマーカー遺伝子検出用プローブが固定された位置におけるマーカー遺伝子の標識断片の量に関する測定量の結果が、第一の閾値を超えたとき、胃がん試料が陽性であると判定するステップを含む。
【選択図】図1
Description
前記マーカー遺伝子を検出する少なくとも一つのマーカー遺伝子検出用プローブと、植物由来の陰性コントロールプローブとが所定の位置にそれぞれ固定された担体に、前記マーカー遺伝子の前記標識断片を接触させて、前記マーカー遺伝子検出用プローブと前記マーカー遺伝子の前記標識断片とをハイブリダイズさせるステップと、
ハイブリダイズさせる前記ステップの後に、前記マーカー遺伝子検出用プローブが固定された位置、及び、前記陰性コントロールプローブが固定された位置における前記マーカー遺伝子の前記標識断片の量に関する測定量を取得するステップと、
前記陰性コントロールプローブが固定された位置における前記標識断片の量に関する測定量を基準として、前記マーカー遺伝子検出用プローブが固定された位置における前記標識断片の量に関する測定量が第一の閾値を超えたとき、前記胃がん試料が陽性であると判定するステップと、
を含み、
前記胃がん試料が陽性であると判定する前記ステップにおいて、CEA、TFF1、FABP1、CK20、及びMUC2からなる5種の前記マーカー遺伝子を用いて、前記胃がん試料の陽性を判定することを特徴とする胃がんの再発を予測する方法が提供される。
前記マーカー遺伝子は、CEA、TFF1、FABP1、CK20、及びMUC2からなる5種であり、
胃がん試料中に含まれる前記マーカー遺伝子の少なくとも一部の領域をポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction, PCR)により増幅するとともに標識して、取得された前記マーカー遺伝子の標識断片を前記マーカー遺伝子検出用プローブとハイブリダイズさせ、ハイブリダイズ後に、前記マーカー遺伝子検出用プローブが固定された位置、及び、前記陰性コントロールプローブが固定された位置における前記マーカー遺伝子の前記標識断片の量に関する測定量を取得し、前記陰性コントロールプローブが固定された位置における前記マーカー遺伝子の前記標識断片の量に関する測定量を基準として、前記マーカー遺伝子検出用プローブが固定された位置における前記マーカー遺伝子の前記標識断片の量に関する測定量が第一の閾値を超えたとき、前記胃がん試料が陽性であると判定することで胃がんの再発を予測するための胃がん再発予測用キットが提供される。
図1に示すように、本実施形態に係る胃がんの再発を予測する方法は、胃がん試料(腹腔内洗浄液)中に含まれる胃がん細胞に特異的なマーカー遺伝子の少なくとも一部の領域をポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction、PCR)により増幅するとともに標識してマーカー遺伝子の標識断片を取得するステップと、マーカー遺伝子を検出する少なくとも一つのマーカー遺伝子検出用プローブと、植物由来の陰性コントロールプローブとが所定の位置にそれぞれ固定された担体に、マーカー遺伝子の標識断片を接触させて、マーカー遺伝子検出用プローブとマーカー遺伝子の標識断片とをハイブリダイズさせるステップと、ハイブリダイズさせるステップの後に、マーカー遺伝子検出用プローブが固定された位置、及び、陰性コントロールプローブが固定された位置におけるマーカー遺伝子の標識断片の量に関する測定量を取得するステップと、陰性コントロールプローブが固定された位置における標識断片の量に関する測定量を基準として、マーカー遺伝子検出用プローブが固定された位置における標識断片の量に関する測定量が第一の閾値を超えたとき、胃がん試料が陽性であると判定するステップ(図中、「術後再発の判定」)と、を含んでいる。この方法によれば、胃がん試料が陽性であると判定するステップにおいて、CEA、TFF1、FABP1、CK20、及びMUC2からなる5種のマーカー遺伝子を用いて、胃がん試料が陽性であるか否かを判定している。こうすることで、上記背景技術の項にて前述した技術のように検査対象検体と同時に早期胃がん検体を用いた測定を行わなくても、高い確度で胃がんの再発を予測できる、簡便かつ実用的な方法を実現することができる。
まず、胃がんとは、胃の粘膜にできた悪性腫瘍のことを指す。そして、胃がんは、進行状態の違いにより、「早期胃がん」と「進行胃がん」の2種類に分類することができる。一般的に、「早期胃がん」とは、がん細胞が、粘膜層、または粘膜下層に存在しているものを指す。この「早期胃がん」は、侵襲性の小さい外科的切除や内視鏡的切除により、その90%以上を根治することができる。一方、「進行胃がん」とは、がん細胞が、固有筋層や、固有筋層より深い漿膜下組織、漿膜に存在しているものを指す。この進行胃がんは、最終的には胃以外のリンパ節、腹膜および肝臓などの遠隔部位に転移する。
ここで、胃がんの転移において最も頻度が高く発生するのは腹膜転移である。そして、腹膜転移は、胃がんの転移症例全体の60%程度を占める。そのため、開腹時にまたは治療前に行われる審査腹腔鏡時に、患者の腹腔内を洗浄して得られた腹腔洗浄液を採取し、顕微鏡を用いて腹腔内に散らばったがん細胞の有無を調べる検査が、日常診断として行われている(細胞診)。実際、細胞診で陽性と判定される症例の多くは、肉眼的に、またはCT検査で腹膜に転移している症例ではなく、漿膜また漿膜下に留まっているものの、一部のがん細胞が浸潤し、漿膜を破って腹腔内に微量に存在している症例である。このため、現在、細胞診は、術後のCT検査や血中腫瘍マーカーの経過観察等と同様に、胃がんの再発予知診断の1つとして重要な役割を担っている。
また、本実施形態に係る方法は、腹腔内洗浄液に含まれる細胞から抽出したRNAを鋳型とし、PCRを行って得られた蛍光標識された遺伝子試料の蛍光を測定をすることにより、胃がんの再発を予測するものである。すなわち、本実施形態に係る方法では、顕微鏡下の細胞形態観察、目視による評価ではなく、測定した数値により胃がんの再発を予測しているといえる。このため、本実施形態に係る方法によれば、簡便かつ実用的な方法で、客観的に胃がんの再発を予測することができる。
まず、本実施形態の方法を実行するための胃がん再発予測用キットを用意する。このキットは、少なくとも一つのマーカー遺伝子検出用プローブと、配列番号1で表される塩基配列からなるシロイヌナズナ遺伝子検出用プローブ(以下、「シロイヌナズナプローブ」ともいう。)とが所定の位置にそれぞれ固定された担体を備えている。
たとえば、従来使用されているマーカー遺伝子として、TACSTD1がある。この遺伝子を検出するためのプローブとしては、配列番号7で表される塩基配列からなるTACSTD1検出用プローブがある。このTACSTD1は、本実施形態に係る5種のマーカー遺伝子よりも感度(真陽性率)に劣っている。すなわち、マーカー遺伝子として、TACSTD1を用いた場合、再発予測の精度が低下する。
このため、たとえ、TACSTD1の発現量が高かったとしても、本実施形態に係る上記5種のマーカー遺伝子の発現量が高いときに陽性と判断する方が、予測精度という観点において優れた再発予測を行うことができる。
また、表2には上記において従来使用されているマーカー遺伝子として例示したTACSTD1の一部の領域を増幅するための、配列番号20、21で表される塩基配列からなるTACSTD1プライマーセットについても併せて示す。
例えば、蛍光ラベル化ヌクレオチドモノマーとしては、dTTPの塩基の3位を蛍光ラベルしたCy3−dUTPが挙げられる。Cy3−dUTPを用いた場合、鋳型DNA断片のアデニン(A)に対応する伸長(プライマー)側の位置にCy3−dUTPが挿入されたPCR産物を得ることができる。
また、放射性核種によるラベル化ヌクレオチドモノマーとしては、P32−ATP、P32−dATPが挙げられる。
また、アミノアリルdUTPを用いてPCR増幅反応をし、反応後に、アミノアリルdUTPを含むPCR産物に対して、Cy3蛍光色素やアミノ基染色試薬(NHS−試薬)を用いて発色させてもよい。
酵素標識の方法においては、ビオチン(biotin)化またはジゴキシゲニン(DIG:ステロイド系天然物)を結合した核酸(例えば、biotin−dUTP、DIG−dUTP)を使用して増幅した後、得られるPCR産物にアルカリフォスファターゼまたはアルカリフォスファターゼ処理しニトロブルーテトラゾリウム(NBT)と5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸(BCIP)液中で数時間反応させて発色させることもできる。
具体的には、(iii)の方法は、シロイヌナズナDNAの発現量を示す標識断片の測定量を基準として算出された、CEA、TFF1、FABP1、CK20、及び、MUC2のいずれか1以上のマーカー遺伝子の発現量を示す標識断片の量の相対値が第一の閾値を超えた場合、または、CEA、TFF1、FABP1、CK20、及び、MUC2のいずれか2以上のマーカー遺伝子の発現量を示す標識断片の量の相対値が第一の閾値よりも低い第二の閾値を超えており、かつ第一の閾値より低い値である場合、胃がん試料が陽性であると判定し、CEA、TFF1、FABP1、CK20、及び、MUC2のいずれか1のマーカー遺伝子の発現量を示す標識断片の量の相対値が第一の閾値よりも低い第二の閾値を超えており、かつ第一の閾値より低い値であり、その他のマーカー遺伝子の発現量を示す標識断片の量の相対値が第二の閾値よりも低い値である場合、胃がん試料が弱陽性であると判定する方法である。かかる(iii)の方法は、上記(ii)の方法と比べて、3段階評価を採用しているという点では共通しているものの、より正確に胃がんの再発予測を行うという観点から、その判定基準が異なっている。このように、(iii)の方法では、(ii)の方法と比べて詳細に設定したものであるため、測定機器や測定条件等の判定条件の違いにより、判定結果が変動していた閾値程度の値を示す患者について、より正確に再発の可能性を判別することができるようになる。
(1)プラスチック基板の製造
飽和環状ポリオレフィン樹脂(5−メチル−2−ノルボルネンの開環重合体の水素添加物(MFR(Melt flow rate):21g/10分、水素添加率:実質的に100%、熱変形温度123℃))を用い、射出成形によりスライドガラス形状の基板を得た。得られた基板を上記式(1)で表されるPMBNポリマー(MPC基:BMA基:NPMA基=23:74:3(モル比))の0.3重量%エタノール溶液に浸漬することにより、基板表面にホスホリルコリン基と活性エステル基とを有する高分子物質を導入して、プラスチック基板を得た。なお、MFRは、JIS K 7210:1999法記載の条件に準じて測定したものである。
5'末端がアミノ基で修飾された、胃がん再発に関するマーカー遺伝子6種類の特異配列を有するオリゴDNA鎖、およびコントロール遺伝子3種類を用意した。用意したプローブは表1に記載した9種類の遺伝子に対応したプローブである。各遺伝子に対応したプローブの配列番号は、CEA検出用として配列番号2、TFF1検出用として配列番号3、FABP1検出用として配列番号4、CK20検出用として配列番号5、MUC2検出用として配列番号6である。また、内部コントロールとして配列番号8(ACTB鎖検出用)、陰性コントロールとして配列番号1(シロイヌナズナDNA鎖検出用)、陽性コントロールとして配列番号9(λDNA鎖検出用)である。
スポッティングバッファー(製品名:×2スポッティング液、住友ベークライト社製)を用いて、本実施例の(2)で用意したプローブDNAを溶解し、10μMのプローブDNA溶液を調製した。この溶液をスポッター(日立ソフトウェアエンジニアリング社製MARKS−I)を用い、300μm径スポットピンで、本実施例の(1)で作製したプラスチック基板(縦75mm×横25mm)の表面上にスポットした。スポットは、各プローブについて、N=5でスポットした。プローブDNAをスポットした基板を、80℃で1時間加熱して、プローブDNAを固定化させた。これによりプラスチック基板のポリマー表面に一本鎖DNAが固定したDNAマイクロアレイを得た。スポットのレイアウトを図3に示す。
研究使用目的に対するインフォームド・コンセントが得られた胃がん術中患者に対し、通常行われる術式に従って50〜100mLの生理食塩水を用いて腹腔内洗浄を行い、洗浄液を回収した。回収された腹腔内洗浄液のうち病理部に検査検体20〜60mLとして提出するのに必要な分量を抜き取った余剰検体を検査対象検体とし、1500rpmで10分間遠心し、上清を除去することによりペレット状になった沈殿成分を腹腔内浮遊細胞として回収した。回収した細胞を培養し、得られた細胞をニッポンジーン社製試薬Isogenに加えてホモジナイズし、少量のクロロホルムを入れ、12k×gで15分間遠心分離させ、上清を採取した。さらに採取量と等量のイソプロパノールを加え、10分以上インキュベートした後、12k×gで10分間遠心して、ペレットを回収し、エタノール沈殿(70%)によりtotalRNAを得た。このtotalRNAを189症例分用意し、進行がんサンプルとした。
逆転写反応を行うことにより上記抽出したtotalRNAからcDNAを作製した。
上記抽出したtotalRNAを0.1または1μg/μLに濃度調製し、調製したtotalRNA1または10μLと、20μMのランダムヘキサマー(製品名:Random primer、タカラバイオ社製)1μLと、10mMのdNTP(GEヘルスケア社製)1μLと、精製水9μL、逆転写酵素(Invitrogen社製、SuperScriptII)1μL、及び、RNase Inhibitor(Roche社製)1μLを加え、42℃で50分加熱保持さらに72℃で15分加熱保持させ、一本鎖cDNAを得た。
腹腔内洗浄液から得た一本鎖cDNAを鋳型に検査対象となるマーカー遺伝子のcDNAを増幅するためのPCRを行った。同一反応中に複数のプライマーを用いるマルチプレックスPCR法によりcDNAの増幅を行った。同一のcDNAに対し、プライマーとして表2に示す配列番号10〜25の塩基配列からなるプライマーセットを用いた。
得られたアミノアリル標識PCR産物に対して、Cy3標識を行った。具体的には、本実施例の(6)で得られた調製ずみのアミノアリル標識PCR産物を蛍光ラベル化試薬(GEヘルスケア社製Cy3 Mono−reactive Dye Pack)を使用してCy3蛍光ラベル化し、さらにDNA精製キット(キアゲン社製QIA quick)を使用して精製を行い、Cy3蛍光ラベル化PCR産物を得た。
Cy3蛍光ラベル化PCR産物45μLに対し、バッファー85μLを加え、ハイブリダイゼーション溶液を得た。得られたハイブリダイゼーション溶液の組成は、以下のとおりである。
[ハイブリダイゼーション溶液]
・3×SSPE
・10%ホルムアミド
・0.05%SDS
(3)で作製したDNAマイクロアレイをハイブリダイゼーション装置(Genomic Solutions社製Hyb4)にセットし、上記組成のハイブリダイゼーション溶液を用いてハイブリダイゼーションを行った。具体的には、95℃で5分熱変性させたハイブリダイゼーション溶液を実施例1で作製したDNAマイクロアレイ上に分注し、55℃で4時間反応を行った。ハイブリダイゼーション反応終了後、0.1%SDSを含んだ2×SSC溶液、2×SSC、0.1×SSCの順でマイクロアレイの表面を洗浄して、ハイブリダイゼーション反応を終了した。
本実施例(8)で行ったハイブリダイゼーション反応終了後、スピンドライしたDNAマイクロアレイについて、DNAマイクロアレイ用スキャナー(Axon社製GenePix4000B)を用いて、プローブがスポットされた位置ごとに蛍光強度を測定した。測定する際の受光感度(PMT)は、λDNAが固定されたスポットにおける蛍光強度が900から1100となるように調整した。蛍光強度の算出にあたっては、プローブごとに5個の測定値が得られるが、最高値及び最低値を除く中間の3個の測定値を平均化して、プローブごとに平均値を算出し、これを蛍光強度とした。進行がんサンプル全189症例について蛍光強度を測定した。
得られた189症例の蛍光強度について、シロイヌナズナDNA鎖検出用プローブがスポットされた位置の蛍光強度をバックグラウンド値として、各プローブが固定された位置における蛍光強度からシロイヌナズナDNA鎖検出用プローブがスポットされた位置の蛍光強度を差し引いて、これを自然対数で表した結果を表3〜6に示す。また、各マーカー遺伝子の蛍光強度の相対値(自然対数)にそれぞれ閾値を設定し、その閾値を越えた場合には、陽性とし、下回る場合は、陰性とした。この閾値は、実施例1で説明したように、一般的なDNAマイクロアレイのカットオフ値の設定が通常バックグランドの3倍であることに基づきCEAの閾値を設定し、TFF1、FABP1、CK20、及び、MUC2については、CEAの閾値の約半分に設定した。そして、閾値を越えた場合には、陽性とし、下回る場合は、陰性とした。具体的には、進行がんサンプルのマーカー遺伝子の閾値は、下記のとおり設定した。
CEA: 2.11
TFF1: 1.85
FABP1: 1.85
CK20: 1.85
MUC2: 1.85
進行がんサンプル全189症例について陽性と判断されたマーカー遺伝子の数を表3〜6に併せて示す。また、表3〜6には、以下に説明する方法で得られた細胞診の結果、リンパ節転移の結果、及び、術後経過についても併せて示す。
胃がんの術中腹腔内洗浄細胞診ガイドライン(日臨細胞誌44(1);93−97.2001)に基づいて、進行がんサンプル189症例について、細胞診により判定を行った。各症例について回収した腹腔内浮遊細胞をスライドガラス上に載せ、引きガラスを用いて塗抹標本を作製した。速やかに塗抹標本を風乾燥させ、その後、メタノールによって3分間固定させた。ギムザ液と純水を1:2の割合で混合させ、混合液を用いて標本の染色を行った。30分間染色させた後、純水で洗浄し、乾燥させて封じ、標本を完成させた。光学顕微鏡による標本観察で染色されたがん細胞を探すことで、細胞診の判定を行った。細胞診では、クラス分類を行い、「1」は、陽性(再発する)とし、「0」は、陰性(再発しない)とした。結果を表3〜6に示す。
進行がんサンプル全189症例について、胃がん部とともに外科的に切除した周辺リンパ節の病理診断により、リンパ節転移の有無の診断を行った。結果を表3〜6に示す。なお、表3および以降の表中、リンパ節転移の有無の診断において、「0」は、周辺リンパ節にリンパ節転移が認められないものである。「1」は、周辺リンパ節に1個以上2個以下のリンパ節転移が認められたもの、「2」は、周辺リンパ節に3個以上6個以下のリンパ節転移が認められたもの、「3」は、周辺リンパ節に7個以上のリンパ節転移が認められたもの、「LN+」は、転移数は不明であるものの、周辺リンパ節にリンパ節転移が認められたものである。表3および以降の表中、「0」は、陰性(−、再発しない)、「1」、「2」、「3」および「LN+」は、陽性(+、再発する)である。
実施例1の(1)〜(8)の操作を行った。
(8)のハイブリダイゼーション反応終了後、実施例1の(9)で示すように、プローブがスポットされた位置ごとに蛍光強度を測定した。得られた189症例の蛍光強度について、シロイヌナズナDNA鎖検出用プローブがスポットされた位置の蛍光強度をバックグラウンド値として、各プローブが固定された位置における蛍光強度からシロイヌナズナDNA鎖検出用プローブがスポットされた位置の蛍光強度を差し引いて、これを自然対数で表した結果を表8〜11に示す。また、各マーカー遺伝子の蛍光強度の相対値(自然対数)にそれぞれ2つの閾値(第一の閾値と第二の閾値)を設定し、高い方の閾値(第一の閾値)を越えた場合には、陽性とし、2つの閾値の間の値を示す場合は、準陽性とした。この閾値は、カットオフ値付近に値を持つサンプルの測定誤差があることに基づき、カットオフ値の前後15%の範囲を中とし、それ以上であると高に設定するものである。また、この閾値は、実施例1で説明したように、一般的なDNAマイクロアレイのカットオフ値の設定が通常バックグランドの3倍であることに基づきCEAの閾値を設定し、TFF1、FABP1、CK20、及び、MUC2については、CEAの閾値の約半分に設定した。具体的には、進行がんサンプルのマーカー遺伝子の閾値は、下記のとおり設定した。
(第二の閾値;準陽性)
CEA: 1.79
TFF1: 1.57
FABP1: 1.57
CK20: 1.57
MUC2: 1.57
(第一の閾値;陽性)
CEA: 2.43
TFF1: 2.13
FABP1: 2.13
CK20: 2.13
MUC2: 2.13
進行がんサンプル全189症例について準陽性または陽性と判断されたマーカー遺伝子の数を表8〜11に併せて示す。また、表8〜11には、上記で説明した方法で得られた細胞診の結果、リンパ節転移の結果、及び、術後経過についても併せて示した。
また、表12では、リンパ節転移が陽性の132症例において、細胞診により検出できなかった98症例中、準陽性と判定された13症例の再発率は61.5%、死亡率は53.8%であり、陽性と判定された13症例の再発率は84.6%、死亡率は76.9%であった。これは、後述する比較例1において98症例中、陽性と判定された33症例の再発率、死亡率と比較して、ポイントがそれぞれ向上している。したがって、実施例2の方法によれば、より一層精度の高い予後判定が可能になることが明らかとなった。
実施例1の(1)〜(8)の操作を行った。
(8)のハイブリダイゼーション反応終了後、実施例1の(9)で示すように、プローブがスポットされた位置ごとに蛍光強度を測定した。得られた189症例の蛍光強度について、シロイヌナズナDNA鎖検出用プローブがスポットされた位置の蛍光強度をバックグラウンド値として、各プローブが固定された位置における蛍光強度からシロイヌナズナDNA鎖検出用プローブがスポットされた位置の蛍光強度を差し引いて、これを自然対数で表した結果を表13〜16に示す。また、各マーカー遺伝子の蛍光強度の相対値(自然対数)にそれぞれ2つの閾値(第一の閾値と第二の閾値)を設定し、少なくとも1つ測定結果の値が高い方の閾値(第一の閾値)を越えた場合、または高い方の閾値(第一の閾値)を越えたものはないが、少なくとも2つ以上の測定結果の値が2つの閾値の間の値を示す場合は、陽性とした。また、測定結果の値が高い方の閾値(第一の閾値)を越えるものはなく、5つのマーカーの内、1つのマーカーについて測定して得られた測定結果の値が2つの閾値の間の値を示すとともに、その他のマーカーについて測定して得られた測定結果の値は低い方の閾値を下回っている場合、弱陽性とした。この閾値は、カットオフ値付近に値を持つサンプルの測定誤差があることに基づき、カットオフ値の前後15%の範囲を中とし、それ以上であると高に設定するものである。また、この閾値は、実施例1で説明したように、一般的なDNAマイクロアレイのカットオフ値の設定が通常バックグランドの3倍であることに基づきCEAの閾値を設定し、TFF1、FABP1、CK20、及び、MUC2については、CEAの閾値の約半分に設定した。具体的には、進行がんサンプルのマーカー遺伝子の閾値は、下記のとおり設定した。
(第二の閾値)
CEA: 1.79
TFF1: 1.57
FABP1: 1.57
CK20: 1.57
MUC2: 1.57
(第一の閾値)
CEA: 2.43
TFF1: 2.13
FABP1: 2.13
CK20: 2.13
MUC2: 2.13
進行がんサンプル全189症例について弱陽性または陽性と判断されたマーカー遺伝子の数を表13〜16に併せて示す。また、表13〜16には、上記で説明した方法で得られた細胞診の結果、リンパ節転移の結果、及び、術後経過についても併せて示した。
また、表17では、リンパ節転移が陽性の132症例において、細胞診により検出できなかった98症例中、弱陽性と判定された11症例の再発率は54.5%、死亡率は45.5%であり、陽性と判定された15症例の再発率は86.7%、死亡率は80.0%であった。これは、比較例1において98症例中、陽性と判定された33症例の再発率、死亡率と比較して、ポイントがそれぞれ向上している。したがって、実施例3の方法によれば、極めて精度の高い予後判定が可能になることが明らかとなった。
(1)DNAマイクロアレイの作製
実施例1の(1)〜(3)の操作にしたがって、DNAマイクロアレイを作製した。ただし、配列番号1で表される塩基配列からなるシロイヌナズナDNA鎖検出用プローブはDNAマイクロアレイに固定しなかった。
(2)進行がんサンプルとDNAマイクロアレイとのハイブリダイゼーション
実施例1の(4)〜(7)の操作を行い、得られた進行がんサンプル189症例のCy3蛍光ラベル化PCR産物を本比較例1の(1)で作製したDNAマイクロアレイにそれぞれハイブリダイズした。ハイブリダイゼーションの条件及び操作は、実施例1の(8)に従った。ただし、Cy3蛍光ラベル化PCR産物にシロイヌナズナDNA鎖は加えなかった。
(3)早期がんサンプルとDNAマイクロアレイとのハイブリダイゼーション
細胞診により早期がんと判定された早期がん細胞25症例について、実施例1の(4)〜(7)で示す方法と同様な操作を行ってCy3蛍光ラベル化PCR産物を用意し、比較例1の(1)で作製したDNAマイクロアレイにハイブリダイズした。この場合も、ハイブリダイゼーションの条件及び操作は、実施例1の(8)に従い、Cy3蛍光ラベル化PCR産物にシロイヌナズナDNA鎖は加えなかった。
(4)測定
ハイブリダイゼーション反応終了後、スピンドライしたDNAマイクロアレイについて、DNAマイクロアレイ用スキャナー(Axon社製GenePix4000B)を用いて、プローブがスポットされた位置ごとに蛍光強度を測定した。測定する際の受光感度(PMT)は、λDNAが固定されたスポットにおける蛍光強度が100から600となるように調整した。蛍光強度の算出にあたっては、プローブごとに5個の測定値が得られるが、最高値及び最低値を除く中間の3個の測定値を平均化して、プローブごとに平均値を算出し、これを蛍光強度とした。全189症例、及び、早期がんサンプル25症例について蛍光強度をそれぞれ測定した。
(5)再発胃がんの再発予測
早期がんサンプルをハイブリダイズしたDNAマイクロアレイの測定結果25症例を用い、各マーカーについて、平均値+その標準偏差×2をカットオフ値とした。具体的なカットオフ値を以下に示す。
CEA: 56.9
TFF1: 54.0
FABP1: 55.3
CK20: 53.1
MUC2: 49.8
TACSTD1: 85.1
進行がんサンプル189症例について、カットオフ値を超えたマーカー遺伝子を陽性と判断し、カットオフ値以下のマーカー遺伝子は、陰性とした。蛍光強度の結果を表18〜21に示す。また、表18〜21には、上記で説明した方法で得られた細胞診の結果、リンパ節転移の結果、及び、術後経過についても併せて示した。
以上より、実施例1〜3に記載の方法を用いることにより、早期がん患者の症例を同時に用いた従来の検査法(比較例1)よりも、いっそう精度よく胃がんの再発予測が行えることが明らかとなった。リンパ節転移陰性の57症例についても、症例数は少ないもののマイクロアレイで陽性と判別された症例の再発率、死亡率は、陰性と判別された症例に比べて高かった。
Claims (13)
- 胃がん試料中に含まれる胃がん細胞に特異的なマーカー遺伝子の少なくとも一部の領域をポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction、PCR)により増幅するとともに標識して前記マーカー遺伝子の標識断片を取得するステップと、
前記マーカー遺伝子を検出する少なくとも一つのマーカー遺伝子検出用プローブと、植物由来の陰性コントロールプローブとが所定の位置にそれぞれ固定された担体に、前記マーカー遺伝子の前記標識断片を接触させて、前記マーカー遺伝子検出用プローブと前記マーカー遺伝子の前記標識断片とをハイブリダイズさせるステップと、
ハイブリダイズさせる前記ステップの後に、前記マーカー遺伝子検出用プローブが固定された位置、及び、前記陰性コントロールプローブが固定された位置における前記マーカー遺伝子の前記標識断片の量に関する測定量を取得するステップと、
前記陰性コントロールプローブが固定された位置における前記標識断片の量に関する測定量を基準として、前記マーカー遺伝子検出用プローブが固定された位置における前記標識断片の量に関する測定量が第一の閾値を超えたとき、前記胃がん試料が陽性であると判定するステップと、
を含み、
前記胃がん試料が陽性であると判定する前記ステップにおいて、CEA、TFF1、FABP1、CK20、及びMUC2からなる5種の前記マーカー遺伝子を用いて、前記胃がん試料の陽性を判定することを特徴とする胃がんの再発を予測する方法。 - 前記陰性コントロールプローブがシロイヌナズナ由来のDNA鎖であり、
前記陰性コントロールプローブが、配列番号1で表される塩基配列からなるシロイヌナズナ遺伝子検出用プローブである、請求項1に記載の胃がんの再発を予測する方法。 - 前記担体には、
配列番号2で表される塩基配列からなるCEA検出用プローブと、
配列番号3で表される塩基配列からなるTFF1検出用プローブと、
配列番号4で表される塩基配列からなるFABP1検出用プローブと、
配列番号5で表される塩基配列からなるCK20検出用プローブと、
配列番号6で表される塩基配列からなるMUC2検出用プローブと、
が前記マーカー遺伝子検出用プローブとしてそれぞれ所定の位置に固定されており、
前記マーカー遺伝子の前記標識断片を取得する前記ステップにおいて、
配列番号10及び11で表される塩基配列からなるCEA増幅用プライマーと、
配列番号12及び13で表される塩基配列からなるTFF1増幅用プライマーと、
配列番号14及び15で表される塩基配列からなるFABP1増幅用プライマーと、
配列番号16及び17で表される塩基配列からなるCK20増幅用プライマーと、
配列番号18及び19で表される塩基配列からなるMUC2増幅用プライマーと、
を用いて前記胃がん試料中に含まれる前記マーカー遺伝子の少なくとも一部の領域を前記ポリメラーゼ連鎖反応により増幅する、請求項1又は2に記載の胃がんの再発を予測する方法。 - 前記胃がん試料が陽性であると判定する前記ステップにおいて、前記CEA検出用プローブ、前記TFF1検出用プローブ、前記FABP1検出用プローブ、前記CK20検出用プローブ、及び、前記MUC2検出用プローブがそれぞれ固定化された位置で測定された、それぞれの前記標識断片の測定量の結果のうち、少なくとも1つの位置における前記標識断片の測定量が、前記陰性コントロールプローブが固定された位置における前記標識断片の測定量を基準として、前記第一の閾値を超えているとき、前記胃がん試料が陽性であると判定することを含み、
前記少なくとも1つの位置における前記標識断片の測定量が、前記陰性コントロールプローブが固定された位置における前記標識断片の測定量を基準として、前記第一の閾値を超えているとき、前記胃がん試料は陽性であると判定し、かつ前記第一の閾値よりも低い第二の閾値を超えており、かつ前記第一の閾値より低いとき、前記胃がん試料は準陽性であると判定する請求項3に記載の胃がんの再発を予測する方法。 - 前記胃がん試料が陽性であると判定する前記ステップにおいて、前記CEA検出用プローブ、前記TFF1検出用プローブ、前記FABP1検出用プローブ、前記CK20検出用プローブ、及び、前記MUC2検出用プローブがそれぞれ固定化された位置で測定された、それぞれの前記標識断片の測定量の結果のうち、少なくとも1つの位置における前記標識断片の測定量が、前記陰性コントロールプローブが固定された位置における前記標識断片の測定量を基準として、前記第一の閾値を超えているとき、前記胃がん試料が陽性であると判定することを含み、
前記少なくとも1つの位置における前記標識断片の測定量が、前記陰性コントロールプローブが固定された位置における前記標識断片の測定量を基準として、前記第一の閾値を超えている場合、または少なくとも2つの位置における前記標識断片の測定量が、前記陰性コントロールプローブが固定された位置における前記標識断片の測定量を基準として、前記第一の閾値よりも低い第二の閾値を超えており、かつ前記第一の閾値より低い場合、前記胃がん試料は陽性であると判定し、
1つの位置における前記標識断片の測定量が、前記陰性コントロールプローブが固定された位置における前記標識断片の測定量を基準として、前記第二の閾値を超えており、かつその他の位置における前記標識断片の測定量が、前記第二の閾値より低い場合、前記胃がん試料は弱陽性であると判定する請求項3または4に記載の胃がんの再発を予測する方法。 - 前記マーカー遺伝子の前記標識断片を取得する前記ステップにおいて、前記マーカー遺伝子の少なくとも一部の領域を増幅しながら、微生物由来の陽性コントロール核酸鎖の少なくとも一部の領域を前記ポリメラーゼ連鎖反応により増幅して、前記マーカー遺伝子の標識断片とともに前記陽性コントロール核酸鎖の標識断片を取得し、
ハイブリダイズさせる前記ステップにおいて、前記陽性コントロコール核酸鎖の前記標識断片と相補的に結合する陽性コントロールプローブがさらに固定された前記担体に、前記陽性コントロール核酸鎖の前記標識断片をさらに含む前記混合物を接触させて、前記陽性コントロールプローブと前記陽性コントロール核酸鎖の前記標識断片とをハイブリダイズし、
前記標識断片の量を測定する前記ステップは、前記陽性コントロールプローブが固定された位置における標識断片の測定量を基準として、前記マーカー遺伝子検出用プローブが固定された位置、及び、前記陰性コントロールプローブが固定された位置の前記標識断片の量をそれぞれ測定する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の胃がんの再発を予測する方法。 - 前記陽性コントロール核酸鎖がλDNA鎖であり、
前記陽性コントロールプローブが、配列番号9で表される塩基配列からなるλDNA鎖検出用プローブであり、
前記マーカー遺伝子の前記標識断片を取得する前記ステップにおいて、前記マーカー遺伝子の少なくとも一部の領域とともに、配列番号24及び25で表される塩基配列からなるλDNA増幅用プライマーを用いて前記陽性コントロール核酸鎖の少なくとも一部の領域を前記ポリメラーゼ連鎖反応により増幅する、請求項6に記載の胃がんの再発を予測する方法。 - 前記マーカー遺伝子の前記標識断片を取得する前記ステップにおいて、蛍光標識された前記マーカー遺伝子の前記標識断片を取得し、
前記標識断片の量を測定するステップにおいて、前記マーカー遺伝子検出用プローブが固定された位置、及び、前記陰性コントロールプローブが固定された位置の蛍光強度をそれぞれ測定する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の胃がんの再発を予測する方法。 - 胃がん細胞に特異的なマーカー遺伝子を検出する少なくとも一つのマーカー遺伝子検出用プローブと、陰性コントロールプローブとが所定の位置にそれぞれ固定された担体を備え、
前記マーカー遺伝子は、CEA、TFF1、FABP1、CK20、及びMUC2からなる5種であり、
胃がん試料中に含まれる前記マーカー遺伝子の少なくとも一部の領域をポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction, PCR)により増幅するとともに標識して、取得された前記マーカー遺伝子の標識断片を前記マーカー遺伝子検出用プローブとハイブリダイズさせ、ハイブリダイズ後に、前記マーカー遺伝子検出用プローブが固定された位置、及び、前記陰性コントロールプローブが固定された位置における前記マーカー遺伝子の前記標識断片の量に関する測定量を取得し、前記陰性コントロールプローブが固定された位置における前記マーカー遺伝子の前記標識断片の量に関する測定量を基準として、前記マーカー遺伝子検出用プローブが固定された位置における前記マーカー遺伝子の前記標識断片の量に関する測定量が第一の閾値を超えたとき、前記胃がん試料が陽性であると判定することで胃がんの再発を予測するための胃がん再発予測用キット。 - 前記陰性コントロールプローブがシロイヌナズナ由来のDNA鎖であり、
前記陰性コントロールプローブが、配列番号1で表される塩基配列からなるシロイヌナズナ遺伝子検出用プローブである、請求項9に記載の胃がん再発予測用キット。 - 前記担体には、
配列番号2で表される塩基配列からなるCEA検出用プローブと、
配列番号3で表される塩基配列からなるTFF1検出用プローブと、
配列番号4で表される塩基配列からなるFABP1検出用プローブと、
配列番号5で表される塩基配列からなるCK20検出用プローブと、
配列番号6で表される塩基配列からなるMUC2検出用プローブと、
が前記マーカー遺伝子検出用プローブとしてそれぞれ所定の位置に固定されており、
前記マーカー遺伝子の一部の領域を増幅するためのプライマーセットとして、
配列番号10及び11で表される塩基配列からなるCEA増幅用プライマーセットと、
配列番号12及び13で表される塩基配列からなるTFF1増幅用プライマーセットと、
配列番号14及び15で表される塩基配列からなるFABP1増幅用プライマーセットと、
配列番号16及び17で表される塩基配列からなるCK20増幅用プライマーセットと、
配列番号18及び19で表される塩基配列からなるMUC2増幅用プライマーセットと、
を備える、請求項9又は10に記載の胃がん再発予測用キット。 - 微生物由来の遺伝子配列からなる陽性コントロール核酸鎖と、
前記陽性コントロール核酸鎖の少なくとも一部の領域を増幅させる陽性コントロール核酸鎖増幅用プライマーセットと、
をさらに備え、
前記担体には、陽性コントロールプローブが所定の位置に固定されており、
前記陽性コントロールプローブは、前記陽性コントロール核酸鎖増幅用プライマーセットにより増幅される前記陽性コントロール核酸鎖の少なくとも一部の領域に相補的に結合する、請求項11に記載の胃がん再発予測用キット。 - 前記陽性コントロール核酸鎖がλDNA鎖であり、
前記陽性コントロールプローブが配列番号9で表される塩基配列からなるλDNA鎖検出用プローブであり、
前記陽性コントロール核酸鎖増幅用プライマーセットが、配列番号24及び25で表される塩基配列からなるλDNA鎖増幅用プライマーである、請求項12に記載の胃がん再発予測用キット。
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