以下、複数の実施形態による冷蔵庫について、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第一実施形態)
まず、第一実施形態について、図1から図6を参照して説明する。
図1に示すように、冷蔵庫10は、前面が開口した縦長矩形箱状の断熱箱体11内に、複数の貯蔵室を有して構成されている。以下、断熱箱体11の開口側すなわち図1において左側を冷蔵庫10の前側として説明する。
断熱箱体11を構成する周囲の壁部内には、例えば発泡ウレタンや真空断熱パネルなどの断熱材が設けられている。冷蔵庫10は、断熱箱体11の内部にあって、上から順に冷蔵室12及び冷凍室13を備えている。冷蔵室12と冷凍室13との間は、断熱性を有する断熱仕切部111によって仕切られている。冷蔵室12は、冷蔵温度帯の貯蔵室であって、1〜5℃程度のプラス温度帯に冷却される。冷凍室13は、冷凍温度帯の貯蔵室であって、−10〜−20℃のマイナス温度帯に冷却される。
冷蔵庫10は、冷蔵室扉14及び冷凍室扉15を備えている。冷蔵室扉14は、断熱性を有するヒンジ開閉式の扉であって、冷蔵室12の前側に設けられている。冷蔵室扉14は、冷蔵室12の前側の開口部分を開閉する。冷凍室扉15は、断熱性を有する引出式の扉であって、冷凍室13の前側に設けられている。冷凍室扉15の冷凍室13側には、収納容器131が取り付けられている。収納容器131は、冷凍室扉15の前後方向への移動に伴って冷凍室13内に対し出し入れされる。
冷蔵庫10は、冷蔵室扉開閉検出器16及び冷凍室扉開閉検出器17を備えている。冷蔵室扉開閉検出器16及び冷凍室扉開閉検出器17は、接触式のリミットスイッチ、又は非接触式のリードスイッチや近接センサなどで構成されている。冷蔵室扉開閉検出器16は、例えば冷蔵室12の前側上部に設けられ、冷蔵室扉14の開閉を検出する。冷凍室扉開閉検出器17は、例えば冷凍室13の前側上部に設けられ、冷凍室扉15の開閉を検出する。
冷蔵庫10は、冷蔵室温度センサ18、冷凍室温度センサ19、及び外気温度センサ20を備えている。冷蔵室温度センサ18、冷凍室温度センサ19、及び外気温度センサ20は、例えばサーミスタや熱電対などで構成されている。冷蔵室温度センサ18は、例えば冷蔵室12の後部に設けられ、冷蔵室12内の温度を検出する。冷凍室温度センサ19は、例えば冷凍室13の後部に設けられ、冷凍室13内の温度を検出する。外気温度センサ20は、例えば冷蔵室扉14の内部の前側に設けられ、外気温度すなわち断熱箱体11の外部の温度を検出する。
冷蔵庫10は、冷凍サイクル30を備えている。冷凍サイクル30は、圧縮機31、凝縮器32、減圧装置33、及び蒸発器34を有している。冷凍サイクル30は、冷媒が流れる順に、圧縮機31と、凝縮器32と、減圧装置33と、蒸発器34とを環状に接続して構成されている。蒸発器34は、冷蔵室12及び冷凍室13を冷却するための冷気を生成する。すなわち、冷蔵庫10は、一つの蒸発器34によって、二つの温度帯の貯蔵室である冷蔵室12及び冷凍室13を冷却する構成である。
断熱箱体11の後部、この場合、冷凍室13の後部には、蒸発器室112が形成されている。蒸発器34は、蒸発器室112内に設けられている。蒸発器室112と冷蔵室12とは、冷蔵側供給ダクト113及び冷蔵側戻りダクト114によって環状に接続されている。すなわち、冷蔵側供給ダクト113は、蒸発器室112を上流側とし冷蔵室12を下流側とする形態で、蒸発器室112と冷蔵室12とを接続している。冷蔵側戻りダクト114は、冷蔵室12を上流側とし蒸発器室112を下流側とする形態で蒸発器室112と冷蔵室12とを接続している。
蒸発器室112と冷凍室13とは、冷凍側供給ダクト115及び冷凍側戻りダクト116によって環状に接続されている。すなわち、冷凍側供給ダクト115は、蒸発器室112を上流側とし冷凍室13を下流側とする形態で、蒸発器室112と冷凍室13とを接続している。冷凍側戻りダクト116は、冷凍室13を上流側とし蒸発器室112を下流側とする形態で蒸発器室112と冷凍室13とを接続している。
冷蔵庫10は、送風機35、冷蔵側ダンパ36、及び冷凍側ダンパ37を備えている。送風機35は、蒸発器34と、冷蔵室12及び冷凍室13との間に設けられている。この場合、送風機35は、蒸発器室112内にあって、蒸発器34と、冷蔵側供給ダクト113及び冷凍側供給ダクト115との間に設けられている。送風機35は、蒸発器34側の空気を冷蔵側供給ダクト113及び冷凍側供給ダクト115へ向かって送風する。
冷蔵側ダンパ36は、蒸発器室112と冷蔵室12との間、すなわち冷蔵側供給ダクト113の途中部分に設けられており、蒸発器室112と冷蔵室12との間を開閉する。冷凍側ダンパ37は、蒸発器室112と冷凍室13との間、すなわち冷凍側供給ダクト115の途中部分に設けられており、蒸発器室112と冷凍室13との間を開閉する。
冷蔵庫10は、図2にも示すように、操作パネル40、及び制御手段としての制御装置41を備えている。操作パネル40は、図1に示すように、冷蔵室扉14の外側面に設けられており、図2に示すように、制御装置41に接続されている。使用者は、操作パネル40を操作することによって、冷蔵庫の運転に関する各種設定を行う。制御装置41は、図示はしないマイコンや記憶装置等を有している。
制御装置41には、図2に示すように、各種の入力機器として、冷蔵室扉開閉検出器16、冷凍室扉開閉検出器17、冷蔵室温度センサ18、冷凍室温度センサ19、及び外気温度センサ20が接続されている。また、制御装置41には、出力機器として、圧縮機31、送風機35、冷蔵側ダンパ36、及び冷凍側ダンパ37が接続されている。制御装置41は、入力機器である冷蔵室扉開閉検出器16、冷凍室扉開閉検出器17、冷蔵室温度センサ18、冷凍室温度センサ19、及び外気温度センサ20の検出結果などに基づいて、出力機器である圧縮機31、送風機35、冷蔵側ダンパ36、及び冷凍側ダンパ37の駆動を制御し、これにより冷却運転を行う。
冷却運転には、冷蔵室12を主に冷却するR冷却運転と、冷凍室13を主に冷却するF冷却運転と、冷蔵室12及び冷凍室13を同時に冷却するRF冷却運転との三態様がある。制御装置41は、圧縮機31及び送風機35を駆動させて冷気を供給するととともに、冷蔵側ダンパ36の開閉及び冷凍側ダンパ37の開閉の組み合わせることによって、R冷却運転とF冷却運転とRF冷却運転とを切り替える。
具体的には、図3にも示すように、制御装置41は、R冷却運転を行う際、冷蔵側ダンパ36を開状態にし、冷凍側ダンパ37を閉状態にする。これにより、蒸発器34によって生成された蒸発器室112内の冷気は、冷蔵側供給ダクト113を通って冷蔵室12へ供給されて冷蔵室12内を冷却する。そして、冷蔵室12内を冷却した空気は、冷蔵側戻りダクト114を通って、蒸発器室112へ戻される。このように、R冷却運転においては、蒸発器室112と冷蔵室12との間を冷気が循環することで、冷蔵室12内の冷却が行われる。
制御装置41は、F冷却運転を行う際、冷蔵側ダンパ36を閉状態にし、冷凍側ダンパ37を開状態にする。これにより、蒸発器34によって生成された蒸発器室112内の冷気は、冷凍側供給ダクト115を通って冷凍室13へ供給されて冷凍室13内を冷却する。そして、冷凍室13内を冷却した空気は、冷凍側戻りダクト116を通って、蒸発器室112へ戻される。このように、F冷却運転においては、蒸発器室112と冷凍室13との間を冷気が循環することで、冷凍室13内の冷却が行われる。
制御装置41は、RF冷却運転を行う際、冷蔵側ダンパ36及び冷凍側ダンパ37を共に開状態にする。これにより、蒸発器室112内の冷気は、冷蔵側供給ダクト113を介して冷蔵室12内へ供給されるとともに、冷凍側供給ダクト115を介して冷凍室13内へ供給される。このように、RF冷却運転においては、蒸発器室112と冷蔵室12との間、及び蒸発器室112と冷凍室13との間を冷気が循環することで、冷蔵室12及び冷凍室13の冷却が同時に行われる。
ここで、一般に冷凍サイクルにおいては、蒸発器と凝縮器との温度差が小さいほど冷却効率が良い。換言すれば、凝縮器の温度が一定であれば、蒸発器の温度が高い方が消費電力は少ない。この場合、凝縮器の温度は、圧縮機の回転数や外気温度に応じて変化する。また、蒸発器の温度は、圧縮機の回転数が一定であれば、冷却対象となる貯蔵室の温度つまり蒸発器室に流入する空気の温度に応じて変化する。
すなわち、R冷却運転時において、蒸発器室112には、冷蔵室12からの冷気が流入する。RF冷却運転時において、蒸発器室112には、冷蔵室12からの冷気と、冷蔵室12よりも低温となる冷凍室13からの冷気とが混合されて流入する。F冷却運転時において、蒸発器室112には、冷凍室13からの冷気が流入する。そのため、圧縮機43の回転数及び外気温度が一定であって、凝縮器32の温度が一定である場合について見ると、蒸発器室112内に流入する空気の温度は、温度が高い方から順に、R冷却運転時、RF冷却運転時、F冷却運転時となる。
したがって、R冷却運転時における凝縮器32と蒸発器34との温度差は、RF冷却運転時における凝縮器32と蒸発器34との温度差に比べて小さい。そのため、R冷却運転の冷却効率は、RF冷却運転の冷却効率に比べて良い。同様に、R冷却運転時における凝縮器32と蒸発器34との温度差は、F冷却運転時における凝縮器32と蒸発器34との温度差に比べて小さい。そのため、R冷却運転の冷却効率は、F冷却運転の冷却効率に比べて良い。
各冷却運転における圧縮機31の駆動回転数Mは、冷却対象となる冷蔵室12又は冷凍室13の現在の温度と、その貯蔵室12、13の設定温度との差に基づいて、例えば20〜60Hzの範囲内で決定される。すなわち、R冷却運転における圧縮機31の駆動回転数Mは、冷蔵室12の現在の温度と冷蔵室12の設定温度との差に基づいて決定される。F冷却運転における圧縮機31の駆動回転数Mは、冷凍室13の現在の温度と冷凍室13の設定温度との差に基づいて決定される。RF冷却運転における圧縮機31の駆動回転数Mは、冷蔵室12の現在の温度と冷蔵室12の設定温度との差、及び冷凍室13の現在の温度と冷凍室13の設定温度との差に基づいて決定される。
この場合、冷蔵室12の現在の温度は冷蔵室温度センサ18の検出温度であり、冷凍室13の現在の温度は冷凍室温度センサ19の検出温度である。以下、冷蔵室温度センサ18の検出温度と冷蔵室12の設定温度との差を、冷蔵室12の要冷却温度Rtとする。また、冷凍室温度センサ19の検出温度と冷凍室13の設定温度との差を、冷凍室13の要冷却温度Ftとする。これら要冷却温度Rt、Ftが大きいほど、冷却能力を必要とするため、圧縮機31の回転数Mが大きくなる。
制御装置41は、圧縮機31の回転数Mに基づいて、冷凍サイクル30の負荷の大小つまり負荷状態を判定する。制御装置41は、圧縮機31の回転数Mが閾値M1例えば40Hz以上であれば冷凍サイクル30が高負荷状態であると判定する。一方、制御装置41は、圧縮機31の回転数が40Hz未満であれば、冷凍サイクル30が低負荷状態であると判定する。この場合、圧縮機31は、冷凍サイクル30の負荷状態を検出する負荷検出手段として機能する。そして、制御装置41は、要冷却温度Rt、Ftと、冷凍サイクル30の負荷状態と、冷蔵側ダンパ36及び冷凍側ダンパ37のうち他方のダンパの開閉状態と、の三要素に基づいて、冷蔵側ダンパ36及び冷凍側ダンパ37の開閉を制御する。
すなわち、制御装置41は、冷凍サイクル30の負荷状態が低負荷状態であると判定した場合、冷蔵側ダンパ36と冷凍側ダンパ37とが同時に開状態になることを許可しない。つまり、冷凍サイクル30の負荷状態が低負荷状態である場合、制御装置41は、冷蔵側ダンパ36と冷凍側ダンパ37とが同時に開状態になることを禁止し、これによりRF冷却運転を禁止する。一方、冷凍サイクル30の負荷状態が高負荷状態であると判定した場合、制御装置41は、冷蔵側ダンパ36と冷凍側ダンパ37とが同時に開状態になることを許可し、これによりRF冷却運転を許可する。
具体的には、制御装置41は、図4に示す第1〜第5条件に従って冷蔵側ダンパ36及び冷凍側ダンパ37の開閉を許可するか否かを決定する。制御装置41は、第1〜第4条件のいずれか一つを満たした場合、R冷却運転又はF冷却運転のいずれか一方のみの運転を可能にする。制御装置41は、第5条件を満たした場合、R冷却運転及びF冷却運転に加えてRF冷却運転を実行可能にする。
すなわち、制御装置41は、冷凍サイクル30が低負荷状態であって、冷凍側ダンパ37が閉状態である場合つまりF冷却運転が実行中でない場合、第1条件に該当するとして、冷蔵側ダンパ36が開状態になることを許可する。これにより、R冷却運転が実行可能となる。一方、制御装置41は、冷凍サイクル30が低負荷状態であっても、冷凍側ダンパ37が開状態である場合つまりF冷却運転が実行中である場合、第2条件に該当するとして、冷蔵側ダンパ36が開状態になることを許可しない。この場合、R冷却運転を実行することができない。
制御装置41は、冷凍サイクル30が低負荷状態であって、冷蔵側ダンパ36が閉状態である場合つまりR冷却運転が実行中でない場合、第3条件に該当するとして、冷凍側ダンパ37が開状態になることを許可する。これにより、F冷却運転が実行可能となる。一方、制御装置41は、冷凍サイクル30が低負荷状態であっても。冷蔵側ダンパ36が開状態である場合つまりR冷却運転が実行中である場合、第4条件に該当するとして、冷凍側ダンパ37が開状態になることを許可しない。この場合、F冷却運転を実行することができない。
制御装置41は、冷凍サイクル30が高負荷状態である場合、第5条件に該当するとして、冷蔵側ダンパ36又は冷凍側ダンパ37が開状態であるか否かにかかわらず、冷蔵側ダンパ36及び冷凍側ダンパ37が同時に開状態になることを許可する。すなわち、制御装置41は、冷凍サイクル30が高負荷状態である場合には、R冷却運転又はF冷却運転を実行しているか否かにかかわらず、RF冷却運転を実行可能にする。
次に、図5及び図6も参照して、制御装置41による冷却運転の詳細を説明する。
図5に示すように、制御装置41は、冷蔵庫10の冷却運転を開始すると(スタート)、ステップS11において、冷凍サイクル30の負荷状況についての負荷判定処理を行う。制御装置41は、負荷判定処理を実行すると、図6に示すステップS31へ移行する。制御装置41は、ステップS31において、圧縮機31の現在の回転数Mが、閾値M1、例えば40Hz以上であるか否かを判定する。制御装置41は、回転数Mが閾値M1以上である場合(ステップS31でYES)、ステップS32へ移行して、冷凍サイクル30が高負荷状態であると判定する。一方、制御装置41は、回転数Mが閾値M1未満である場合(ステップS31でNO)、ステップS33へ移行して、冷凍サイクル30が低負荷状態であると判定する。そして、制御装置41は、ステップS32又はステップS33において冷凍サイクル30の負荷状態を判定した後、図5に示すステップS12へ移行する(リターン)。
次に、制御装置41は、ステップS12〜S17において、冷蔵室12の冷却運転に関する制御を行う。すなわち、制御装置41は、ステップS11で判定した負荷状態が低負荷状態であれば(ステップS12でYES)ステップS13へ移行し、低負荷状態でなければ(ステップS12でNO)ステップS14へ移行する。制御装置41は、ステップS13において、冷凍側ダンパ37の開閉状況を判定し、冷凍側ダンパ37が開状態であれば(NO)、冷蔵側ダンパ36が開状態になることを許可することなく、ステップS17へ移行する。制御装置41は、ステップS17において、冷蔵側ダンパ36が開状態であれば、閉状態にする。その後、制御装置41は、ステップS18へ移行する。
一方、制御装置41は、ステップS13において冷凍側ダンパ37が閉状態であれば(YES)、ステップS14へ移行して冷蔵側ダンパ36が開状態になることを許可する。その後、制御装置41は、ステップS15において、冷蔵室12の要冷却温度Rtが閾値R1以上となっているか否かを判定する。制御装置41は、要冷却温度Rtが閾値R1未満である場合(ステップS15でNO)、冷蔵室12内の冷却は不要と判定し、ステップS17へ移行する。一方、制御装置41は、要冷却温度Rtが閾値R1以上である場合(ステップS15でYES)、冷蔵室12内の冷却が必要と判定する。そして、制御装置41は、ステップS16へ移行し、冷蔵側ダンパ36を開状態にする。これにより、冷蔵室12内へ冷気が供給され、R冷却運転が開始される。
次に、制御装置41は、ステップS18〜S23において、冷凍室13の冷却運転に関する制御を行う。制御装置41は、ステップS11で判定した負荷状態が低負荷状態であれば(ステップS18でYES)ステップS19へ移行し、低負荷状態でなければ(ステップS18でNO)ステップS20へ移行する。制御装置41は、ステップS19において、冷蔵側ダンパ36の開閉状況を判定し、冷蔵側ダンパ36が開状態であれば(NO)、冷凍側ダンパ37が開状態になることを許可することなく、ステップS23へ移行する。制御装置41は、ステップS23において、冷凍側ダンパ37が開状態であれば、閉状態にする。その後、制御装置41は、ステップS24へ移行する。
一方、制御装置41は、ステップS19において冷蔵側ダンパ36が閉状態であれば(YES)、ステップS20へ移行して冷凍側ダンパ37が開状態になることを許可する。その後、制御装置41は、ステップS21において、冷凍室13の要冷却温度Ftが閾値F1以上となっているか否かを判定する。制御装置41は、要冷却温度Ftが閾値F1未満である場合(ステップS21でNO)、冷凍室13内の冷却は不要と判定し、ステップS23へ移行する。一方、制御装置41は、要冷却温度Ftが閾値R1以上である場合(ステップS21でYES)、冷凍室13内の冷却が必要と判定する。そして、制御装置41は、ステップS22へ移行し、冷凍側ダンパ37を開状態にする。これにより、冷凍室13内へ冷気が供給され、F冷却運転が開始される。
その後、制御装置41は、ステップS24へ移行し、圧縮機31の駆動回転数Mを決定する。図3に示すように、冷蔵側ダンパ36が開状態であって冷凍側ダンパ37が閉状態である場合、その運転態様はR冷却運転となっている。このR冷却運転において、制御装置41は、圧縮機31の駆動回転数Mを、冷蔵室12の要冷却温度Rtに基づいて決定する。冷蔵側ダンパ36が閉状態であって冷凍側ダンパ37が開状態である場合、その運転態様は、F冷却運転となっている。このF冷却運転において、制御装置41は、圧縮機31の駆動回転数Mを、冷凍室13の要冷却温度Ftに基づいて決定する。冷蔵側ダンパ36及び冷凍側ダンパ37が共に開状態である場合、その運転態様は、RF冷却運転となっている。このRF冷却運転において、制御装置41は、圧縮機31の駆動回転数Mを、冷蔵室12の要冷却温度Rtと冷凍室13の要冷却温度Ftとに基づいて決定する。その後、制御装置41は、ステップS11へ移行し、ステップS11〜S24を繰り返すことにより、冷蔵室12及び冷凍室13の冷却を継続する。
これによれば、冷蔵室12内及び冷凍室13内の温度が比較的安定しており大きな冷却能力を必要としない場合、すなわち、冷凍サイクル30の負荷状態が低負荷状態の場合、制御装置41は、冷蔵室12のみを冷却するR冷却運転と、冷凍室13のみを冷却するF冷却運転とを交互に繰り返す交互冷却を行う。これにより、冷蔵室12及び冷凍室13の冷却温度に適した冷却運転を個別に行うことができるため、冷却効率を向上することができ、その結果、冷蔵庫10について省エネ性能の向上を図ることができる。
一方、例えば冷蔵室12内及び冷凍室13内の温度が上昇するなどして大きな冷却能力が必要となった場合、すなわち、冷凍サイクル30の負荷状態が高負荷状態となった場合、制御装置41は、冷蔵室12と冷凍室13とを同時に冷却することができるRF冷却運転の実行を可能にする。これにより、例えば冷蔵室12及び冷凍室13の温度が共に上昇し、冷蔵室12及び冷凍室13の同時冷却が必要になった場合には、冷却能力を優先することで、冷蔵室12及び冷凍室13を素早く冷却することができる。このように、制御装置41は、冷凍サイクル30の負荷に応じて、R冷却運転とF冷却運転とRF冷却運転とを適宜選択することで、冷却効率を向上させるとともに必要なときに高い冷却能力を得ることができる。
また、制御装置41は、冷凍サイクル30が高負荷状態になった場合、冷蔵室12及び冷凍室13を同時に冷却するRF冷却運転の実行を可能にするが、必ずしもRF冷却運転を実行する必要はない。例えば、冷蔵室12内の温度は比較的安定しているが、冷凍室13内の温度が上昇し高負荷状態となった場合、R冷却運転とF冷却運転とを交互に行う構成では、冷凍室13内の温度が安定するまで、冷蔵室12内の冷却は行えず、冷蔵室12内の温度上昇を招いてしまうことになる。しかし、本願構成では、冷凍サイクル30が高負荷状態になった場合、RF冷却運転を可能にする。すなわち、冷凍室13内を冷却している場合であっても、冷蔵室12内の冷却も適宜行うことができ、冷蔵室12内の温度上昇を抑制することができる。
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について図7を参照して説明する。
第二実施形態では、図5のステップS11における負荷判定処理の内容が上記第一実施形態と異なる。第二実施形態において、制御装置41は、圧縮機31の回転数M及び扉14、15の開放時間Sに基づいて、冷凍サイクル30の負荷状態を判定する。この場合、扉開閉検出器16、17は、冷凍サイクル30の負荷状態を検出する負荷検出手段として機能する。開放時間Sは、直前の一定時間中例えば1分間中に、冷蔵室扉14又は冷凍室扉15が開放されていた合計時間である。開放時間Sは、冷蔵室扉開閉検出器16及び冷凍室扉開閉検出器17の検出結果に基づいて算出される。開放時間Sが長い程、冷凍サイクル30の負荷の増大が想定される。制御装置41は、圧縮機31の回転数Mが閾値M1以上となった場合、又は扉14、15の開放時間Sが所定時間S1以上となった場合に、冷凍サイクル30が高負荷状態であると判定し、それ以外の場合は低負荷状態であると判定する。
すなわち、制御装置41は、図5のステップS11において負荷判定処理を実行すると、図7に示すステップS31へ移行する。制御装置41は、ステップS31において、図6のステップS31と同様に、圧縮機31の現在の回転数Mが、閾値M1以上であるか否かを判定する。制御装置41は、回転数Mが閾値M1以上である場合は(ステップS31でYES)、ステップS32へ移行して、冷凍サイクル30が高負荷状態であると判定する。一方、制御装置41は、回転数Mが閾値M1未満である場合(ステップS31でNO)、ステップS41へ移行する。
制御装置41は、ステップS41において、開放時間Sが所定時間S1例えば30秒以上である場合(YES)、冷凍サイクル30の負荷状態は高負荷状態になると判定し、ステップS32へ移行し、高負荷状態であると判定する。一方、制御装置41は、ステップS41において、開放時間Sが所定時間S1未満である場合(NO)、冷凍サイクル30の負荷状態は低負荷状態で維持できると判定し、ステップS33へ移行し、低負荷状態であると判定する。その後、制御装置41は、図5に示すステップS12へ移行し(リターン)、上記第一実施形態と同様の処理が行われる。
これによれば、制御装置41は、圧縮機31の回転数Mに加えて、扉14、15の開放時間Sに基づいて、冷凍サイクル30の負荷状態の判定を行う。そのため、冷凍サイクル30の負荷状態の判定をより正確なものとすることができる。したがって、冷却効率をより向上させることができるとともに、より適切な時期に高い冷却能力を得ることができる。この結果、冷却能力を犠牲にすることなく高い省エネ性能を実現することができる。
(第三実施形態)
次に、第三実施形態について図8を参照して説明する。
第三実施形態において、制御装置41は、圧縮機31の回転数M及び外気温度Tに基づいて、冷凍サイクル30の負荷状態を判定する。外気温度Tは、外気温度センサ20の検出結果である。この場合、外気温度センサ20は、冷凍サイクル30の負荷状態を検出する負荷検出手段として機能する。制御装置41は、圧縮機31の回転数Mが閾値M1以上となり、かつ、外気温度Tが閾値T1以上となった場合に、冷凍サイクル30が高負荷状態であると判定し、それ以外の場合は低負荷状態であると判定する。
すなわち、制御装置41は、図5のステップS11において負荷判定処理を実行すると、図8に示すステップS31へ移行する。制御装置41は、図6のステップS31と同様に、圧縮機31の回転数Mが閾値M1未満である場合(ステップS31でNO)、スッテップS33へ移行し、低負荷状態であると判定する。一方、圧縮機の回転数Mが閾値M1以上である場合は(ステップS31でYES)、ステップS51へ移行する。
制御装置41は、ステップS51において、外気温度Tが閾値T1以上であるか否かを判定する。外気温度Tが閾値T1以上であれば(YES)、ステップS32へ移行し、冷凍サイクル30の負荷状態が高負荷状態であると判定する。一方、制御装置41は、ステップS51において、外気温度Tが閾値T1未満であれば(NO)、ステップS33へ移行し、冷凍サイクル30の負荷状態が高負荷状態であると判定する。その後、制御装置41は、図5に示すステップS12へ移行し(リターン)、上記各実施形態と同様の処理が行われる。
これによれば、制御装置41は、圧縮機31の回転数Mに加えて、外気温度Tに基づいて、冷凍サイクル30の負荷状態の判定を行う。そのため、冷凍サイクル30の負荷状態の判定をより正確なものとすることができる。したがって、冷却効率をより向上させることができるとともに、より適切な時期に高い冷却能力を得ることができる。この結果、冷却能力を犠牲にすることなく高い省エネ性能を実現することができる。
(第四実施形態)
次に、第四実施形態について図9を参照して説明する。
第四実施形態において、制御装置41は、圧縮機31の回転数M及び外気温度Tに基づいて、冷凍サイクル30の負荷状態を判定する。制御装置41は、圧縮機31の回転数Mが閾値M1以上となった場合、又は、外気温度Tが閾値T1以上となった場合に、冷凍サイクル30が高負荷状態であると判定し、それ以外の場合は低負荷状態であると判定する。この場合、外気温度センサ20は、冷凍サイクル30の負荷状態を検出する負荷検出手段として機能する。
すなわち、制御装置41は、図5のステップS11において負荷判定処理を実行すると、図9に示すステップS31へ移行する。制御装置41は、ステップS31において、図6のステップS31と同様に、圧縮機31の回転数Mが閾値M1未満である場合(ステップS31でYES)、ステップS32へ移行して、冷凍サイクル30が高負荷状態であると判定する。一方、制御装置41は、回転数Mが閾値M1未満である場合(ステップS31でNO)、ステップS61へ移行する。
制御装置41は、ステップS61において、外気温度Tが閾値T1以上である場合(YES)、ステップS32へ移行し、冷凍サイクル30が高負荷状態であると判定する。一方、制御装置41は、ステップS61において、外気温度Tが閾値T1未満である場合(NO)、ステップS33へ移行し、冷凍サイクル30が低負荷状態であると判定する。その後、制御装置41は、図5に示すステップS12へ移行し(リターン)、上記各実施形態と同様の処理が行われる。
これによれば、制御装置41は、圧縮機31の回転数Mに加えて、外気温度Tに基づいて、冷凍サイクル30の負荷状態の判定を行う。そのため、冷凍サイクル30の負荷状態の判定をより正確なものとすることができる。したがって、冷却効率をより向上させることができるとともに、より適切な時期に高い冷却能力を得ることができる。この結果、冷却能力を犠牲にすることなく高い省エネ性能を実現することができる。
(第五実施形態)
次に、第五実施形態について図10を参照して説明する。
第五実施形態において、制御装置41は、圧縮機31の回転数M、外気温度T、及び扉14、15の開放時間Sに基づいて、冷凍サイクル30の負荷状態を判定する。制御装置41は、圧縮機31の回転数Mが閾値M1以上となり、かつ、外気温度Tが閾値T2以上となった場合、又は扉14、15の開放時間Sが所定時間S1以上となった場合に、冷凍サイクル30が高負荷状態であると判定し、それ以外の場合は低負荷状態であると判定する。
閾値T2は、第三実施形態における閾値T1よりも高い温度に設定されている。つまりT2>T1となっている。閾値T2とした場合には、閾値T1とした場合に比べて、制御装置41により冷凍サイクル30が低負荷状態であると判断される範囲は広くなり、他方、高負荷状態であると判断される範囲は狭くなる。したがって、制御装置41により冷凍サイクル30が高負荷状態であると判断される機会が低減され、その結果、RF冷却運転が実行される機会が低減される。この場合、扉開閉検出器16、17、及び外気温度センサ20は、冷凍サイクル30の負荷状態を検出する負荷検出手段として機能する。
すなわち、制御装置41は、図5のステップS11において負荷判定処理を実行すると、図10に示すステップS31へ移行する。制御装置41は、図6のステップS31と同様に、圧縮機31の現在の回転数Mが、閾値M1以上であるか否かを判定する。制御装置41は、回転数Mが閾値M1以上である場合(ステップS31でYES)、ステップS71へ移行する。制御装置41は、ステップS71において、外気温度Tが閾値T2以上であるか否かを判定する。制御装置41は、外気温度Tが閾値T2以上であれば(ステップS71でYES)、ステップS32へ移行し、冷凍サイクル30の負荷状態が高負荷状態であると判定する。
一方、制御装置41は、回転数Mが閾値M1未満である場合(ステップS31でNO)、又は外気温度Tが閾値T2未満である場合(ステップS71でNO)、ステップS72へ移行する。制御装置41は、開放時間Sが所定時間S1以上である場合(ステップS72でYES)、ステップS32へ移行し、冷凍サイクル30の負荷状態が高負荷状態であると判定する。また、制御装置41は、開放時間Sが所定時間S1未満である場合(ステップS72でNO)、ステップS33へ移行し、冷凍サイクル30の負荷状態が低負荷状態であると判定する。その後、制御装置41は、図5に示すステップS12へ移行し(リターン)、上記各実施形態と同様の処理が行われる。
これによれば、制御装置41は、圧縮機31の回転数Mに加えて、扉14、15の開放時間S及び外気温度Tに基づいて、冷凍サイクル30の負荷状態の判定を行う。そのため、冷凍サイクル30の負荷状態の判定をより正確なものとすることができる。したがって、冷却効率をより向上させることができるとともに、より適切な時期に高い冷却能力を得ることができる。この結果、冷却能力を犠牲にすることなく高い省エネ性能を実現することができる。
(第六実施形態)
次に、第六実施形態について図11を参照して説明する。
第六実施形態において、制御装置41は、圧縮機31の回転数M、外気温度T、及び扉14、15の開放時間Sに基づいて、冷凍サイクル30の負荷状態を判定する。制御装置41は、圧縮機31の回転数Mが閾値M1以上となった場合、外気温度Tが閾値T2以上となった場合、扉14、15の開放時間Sが所定時間S2以上となった場合のいずれかの場合に、冷凍サイクル30が高負荷状態であると判定し、それ以外の場合は低負荷状態であると判定する。
所定時間S2は、第三実施形態における所定時間S1よりも長時間に設定されている。つまりS2>S1となっている。所定時間S2とした場合には、所定時間S1とした場合に比べて、制御装置41により冷凍サイクル30が低負荷状態であると判断される範囲は広くなり、他方、高負荷状態であると判断される範囲は狭くなる。したがって、制御装置41により冷凍サイクル30が高負荷状態であると判断される機会が低減され、その結果、RF冷却運転が実行される機会が低減される。この場合、扉開閉検出器16、17、及び外気温度センサ20は、冷凍サイクル30の負荷状態を検出する負荷検出手段として機能する。
すなわち、制御装置41は、図5のステップS11において負荷判定処理を実行すると、図11に示すステップS31へ移行する。制御装置41は、圧縮機31の回転数Mが閾値M1以上である場合(ステップS31でYES)、又は外気温度Tが閾値T1以上である場合(ステップS81でYES)、又は扉14、15の開放時間Sが所定時間S1以上である場合(ステップS82でYES)、ステップS32へ移行し、冷凍サイクル30が高負荷状態であると判定する。一方、制御装置41は、圧縮機31の回転数Mが閾値M1未満であって(ステップS31でNO)、外気温度Tが閾値T1未満であって(ステップS81でNO)、開放時間Sが所定時間S1未満である場合(ステップS82でNO)、ステップS33へ移行し、冷凍サイクル30が低負荷状態であると判定する。その後、制御装置41は、図5に示すステップS12へ移行し(リターン)、上記各実施形態と同様の処理が行われる。
これによれば、制御装置41は、圧縮機31の回転数Mに加えて、扉14、15の開放時間S及び外気温度Tに基づいて、冷凍サイクル30の負荷状態の判定を行う。そのため、冷凍サイクル30の負荷状態の判定をより正確なものとすることができる。したがって、冷却効率をより向上させることができるとともに、より適切な時期に高い冷却能力を得ることができる。この結果、冷却能力を犠牲にすることなく高い省エネ性能を実現することができる。
なお、冷蔵室12及び冷凍室13の数や配置は、上記各実施形態の構成に限られない。例えば、冷蔵庫10は、二以上の冷蔵温度帯の貯蔵室又は二以上の冷凍温度帯の貯蔵室を備えるものであってもよい。
圧縮機31や蒸発器34の配置も、上記各実施形態の構成に限られない。例えば、圧縮機31を、断熱箱体11の上部後ろ側寄り部分に設けてもよい。蒸発器34を、冷蔵室12の後部に設けてもよい。
以上説明した実施形態によれば、制御手段は、圧縮機の回転数が所定値未満である場合に冷凍サイクルの負荷状態が低負荷状態であると判定し、この場合、冷凍側ダンパと冷蔵側ダンパとが同時に開状態になることを許可しない。一方、制御手段は、圧縮機の回転数が所定値以上である場合に冷凍サイクルの負荷状態が高負荷状態であると判定して冷凍側ダンパと冷蔵側ダンパとが同時に開状態になることを許可する。
これによれば、冷蔵側ダンパを開状態にするとともに冷凍側ダンパを閉状態にして冷蔵室のみを冷却するR冷却運転と、冷蔵側ダンパを閉状態にするとともに冷凍側ダンパを開状態にして冷凍室のみを冷却するF冷却運転と、冷蔵側ダンパ及び冷凍側ダンパを共に開状態にして冷蔵室及び冷凍室を共に冷却するRF冷却運転とを、冷凍サイクルの負荷に応じて適宜選択することができる。したがって、冷却効率を向上させるとともに必要なときに高い冷却能力を得ることができる。その結果、冷却能力を犠牲にすることなく省エネ性能を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変更は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。