JP2014234867A - 線状部材の保持構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】クリップ座の剛性をより高くするとともに、より簡易な構成の線状部材の保持構造を提供する。
【解決手段】ワイヤー22の保持構造20であって、クリップ座30は、脚部32と、脚部32に支持されるとともにクリップ21が取り付けられる座面部50と、を備え、脚部32は、開口部31を有する平面視U字状をなしており、脚部32の開口部31における開口端部には、開口部31と反対側に突き出すフランジ部36が設けられ、フランジ部36と開口端部との接続部分37は、平面視円弧状をなしており、裏面11Aにおいて、接続部分37の円弧の中心C1となる位置には、ドアインナパネル12に向けて突出された突出部61が接続部分37との間に隙間を空けて設けられ、ワイヤー22の一部は、接続部分37と突出部61との間を通るように配索されるとともに、接続部分37の円弧に沿って屈曲されていることに特徴を有する。
【選択図】図3
【解決手段】ワイヤー22の保持構造20であって、クリップ座30は、脚部32と、脚部32に支持されるとともにクリップ21が取り付けられる座面部50と、を備え、脚部32は、開口部31を有する平面視U字状をなしており、脚部32の開口部31における開口端部には、開口部31と反対側に突き出すフランジ部36が設けられ、フランジ部36と開口端部との接続部分37は、平面視円弧状をなしており、裏面11Aにおいて、接続部分37の円弧の中心C1となる位置には、ドアインナパネル12に向けて突出された突出部61が接続部分37との間に隙間を空けて設けられ、ワイヤー22の一部は、接続部分37と突出部61との間を通るように配索されるとともに、接続部分37の円弧に沿って屈曲されていることに特徴を有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、線状部材の保持構造に関する。
従来、板状部材を他の部材に対して取り付ける取付手段として、クリップを用いた取付手段が知られている。クリップを用いる場合、板状部材の裏面には、クリップを保持するためのクリップ座が設けられる。また、板状部材の裏面には、様々な種類の線状部材(例えば、ハーネスやワイヤーなど)が配索される場合がある。そこで、このような線状部材を保持するための保持構造として、ホルダがクリップ座の外面に一体的に形成された構成のものが知られている(下記特許文献1参照)。
しかしながら、クリップ座の外面にホルダを形成すると、ホルダ及びクリップ座の形状が複雑になる。このため、より簡易な構成の保持構造が求められている。また、このような保持構造を備えるとともにクリップ座の剛性をより高くすることも求められており、その点においても改善の余地があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、クリップ座の剛性をより高くするとともに、より簡易な構成の線状部材の保持構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、他の部材に取り付け可能なクリップを保持可能なクリップ座を備える板状部材に対して線状部材を保持する線状部材の保持構造であって、前記クリップ座は、前記板状部材における前記他の部材側の面から前記他の部材に向けて立ち上がる脚部と、前記脚部に支持されるとともに前記クリップが取り付けられる座面部と、を備え、前記脚部は、開口部を有する平面視U字状をなしており、前記脚部の前記開口部における両開口端部のうち、少なくとも一方の開口端部には、前記開口部と反対側に突き出すフランジ部が設けられ、前記フランジ部と前記一方の開口端部との接続部分は、平面視円弧状をなしており、前記他の部材側の面において、前記接続部分の円弧の中心となる位置には、前記他の部材に向けて突出された突出部が、前記接続部分との間に隙間を空けて設けられ、前記線状部材は、前記接続部分と前記突出部との間を通るように配索されるとともに、前記接続部分の円弧に沿って屈曲されていることに特徴を有する。
本発明によれば、フランジ部を備えることで、脚部(クリップ座)の剛性をより高くすることができる。また、フランジ部と脚部との接続部分は、円弧状をなしているから、接続部分に応力が集中する事態を抑制することができる。そして、本発明では、線状部材を接続部分と突出部との間に配することで、線状部材を保持することができる。また、線状部材を接続部分の円弧に沿って屈曲させることで、線状部材を屈曲させた状態で配索することができる。このように、本発明では、クリップ座の一部を用いて線状部材の保持を行うことができ、より簡易な構成とすることができる。
上記構成において、前記突出部における前記接続部分との対向面は、前記接続部分の円弧の中心を中心とした円弧状をなしているものとすることができる。
このような構成とすれば、接続部分の外面と対向面との双方に沿って線状部材を屈曲させることができる。また、接続部分の外面及び対向面は、円弧状をなしているため、線状部材と接触した際に、線状部材を傷付ける事態を抑制することができる。
また、前記他の部材側の面には、前記フランジ部と前記突出部とを連結する連結部が設けられているものとすることができる。これにより、突出部の剛性をより高くすることができる。
本発明によれば、クリップ座の剛性をより高くするとともに、より簡易な構成の線状部材の保持構造を提供することができる。
本発明の一実施形態を図1ないし図4によって説明する。図1は、本実施形態のドアトリム10(車両用ドアトリム、車両用内装材)を示す正面図である。
ドアトリム10は、板状をなすトリム本体部11(板状部材)を備えている。トリム本体部11は、例えば、合成樹脂材料、あるいは合成樹脂材料と天然繊維(ケナフなど)を混合した材料等を板状に成形することで構成されている。
トリム本体部11は、図4に示すようにドアインナパネル12(車両パネル、他の部材)と対向配置され、ドアインナパネル12に対してクリップ21を介して取り付けられる。なお、図4は、クリップ座30を側方(側壁部34側)から視た側面図である。
本実施形態では、トリム本体部11は、図1に示すように、例えば、アッパーボード13、オーナメント14、ロアボード15から分割構成されている。図1に示すように、トリム本体部11には、インサイドハンドル16、スピーカグリル17、アームレスト18などが設けられている。
図2及び図4に示すように、トリム本体部11の裏面11A(車室外側の面、板状部材における他の部材側の面)には、クリップ21を保持可能なクリップ座30が、例えば、複数個所に設けられている。図2は、トリム本体部11を裏側から視たもので、クリップ座30を示す斜視図である。
クリップ座30は、図2及び図3に示すように、座面部50と、奥壁部40と、一対の側壁部33,34と、を備えている。各側壁部33,34は、奥壁部40の各周端部とそれぞれ連結されている。側壁部33,34と奥壁部40とは、裏面11Aからドアインナパネル12に向けて立ち上がる構成とされ、クリップ21が取り付けられる座面部50を支持する構成とされる。つまり、側壁部33,34及び奥壁部40は、クリップ座30の脚部32(支持部)を構成するものとされる。
座面部50は、ドアインナパネル12と対向配置された板状をなしている。座面部50には、図2及び図4に示すように、クリップ21の基端部21Aが取り付けられるクリップ保持孔51が貫通形成されている。
クリップ21は、弾性変形可能な材質で形成されている。図4に示すように、クリップ21の基端部21Aは、クリップ保持孔51の孔縁部に対して表裏両面からそれぞれ係止可能な構成となっている。
また、クリップ21の先端部21Bは、ドアインナパネル12に貫通形成されたクリップ取付孔12Aに挿通される構成となっている。クリップ取付孔12Aに対して車室内側から挿入された先端部21B(挿入部)は、クリップ取付孔12Aに挿入された後、弾性復帰することで、クリップ取付孔12Aの孔縁部に対して車室外側(図4の上側)から係止する構成となっている。これにより、クリップ21がドアインナパネル12に取り付けられる。
クリップ座30は、図2及び図3に示すように、裏面11Aの延設方向に沿った一方向(図3の下側)に開口された開口部31を有する箱状をなしている。つまり、脚部32は、図3に示すように、開口部31を有する平面視U字状をなしている。なお、ここで言う平面視とは、クリップ座30をドアインナパネル12側(クリップ21側)から見ることを意味する。
クリップ座30は、例えば、スライド型70(図3の2点鎖線)を備える射出成形型を用いた射出成形によって、トリム本体部11と一体的に成形される。開口部31は、スライド型70を用いてクリップ座30を成形することで形成される。
具体的には、クリップ座30の成形時には、クリップ座30の内部空間(座面部50、側壁部33,34、奥壁部40に囲まれた空間)内にスライド型70が嵌合された状態でクリップ座30が成形される。そして、クリップ座30を成形した後に、開口部31からスライド型70が型抜きされる。つまり、開口部31の開口方向(図2及び図3に示す矢線P1)は、スライド型70の型抜き方向と一致するものとされる。
なお、クリップ座30のような一方向が開口された箱状は、矢倉状やドッグハウス形状などと呼ばれることがある。また、上述したクリップ保持孔51は、開口部31の開口方向と同じ方向に開口されている。
なお、本実施形態における側壁部33,34とは、図3に示すように、開口部31の開口方向に沿った中心軸P2を基準として、両側にそれぞれ配される壁部のことを指すものとする。また、奥壁部40は、開口部31の開口方向と反対側に配される壁部のことを指すものとする。
図2及び図3に示すように、脚部32の開口部31における両開口端部には、フランジ部35,36がそれぞれ形成されている。フランジ部35は、側壁部33の周端部からクリップ座30の外側に突き出す形状をなしている。また、フランジ部36は、側壁部34の周端部(開口部31の開口端部)からクリップ座30の外側(開口部31と反対側)に突き出す形状をなしている。また、フランジ部35,36は、トリム本体部11の裏面11Aと一体的に連結されている。
フランジ部35と側壁部33との接続部分は、図3に示すように、平面視円弧状をなすものとされる。また、フランジ部36と側壁部34の周端部(一方の開口端部)との接続部分37は、図3に示すように、平面視円弧状をなすものとされる。
トリム本体部11の裏面11A上には、図3に示すように、可撓性を有するワイヤー22(線状部材)が配索されている。このようなワイヤー22は、例えば、図1の破線で示すように、一端がインサイドハンドル16に接続されており、他端が、図示しないドアロック解除機構に接続されている。
このようなワイヤー22は、例えば、乗員がインサイドハンドル16を操作した際の操作力をドアロック解除機構に伝達し、ドアロック解除機構を駆動させる機能を担っている。
次に、ワイヤー22をトリム本体部11に対して固定する保持構造20(線状部材の保持構造)について説明する。ワイヤー22の保持構造20は、図2に示すように、クリップ座30と、突出部61とを備えている。
突出部61は、接続部分37との間にワイヤー22の径よりもわずかに大きい隙間S1を空けて設けられており、ワイヤー22は、この隙間S1を通るように配索されている。突出部61は、トリム本体部11の裏面11Aからドアインナパネル12側に向けて突設されている。突出部61は、クリップ座30の側方に配されており、接続部分37の円弧の中心C1となる位置に配されている。また、突出部61は、中心C1の軸線に沿う形で延びている。
突出部61は、図2及び図3に示すように、中心C1を中心とした円柱状をなしている。このため、突出部61における接続部分37との対向面61A(突出部61の外周面の一部)は、中心C1を中心とした円弧状をなしている。
また、接続部分37における突出部61側の曲面37Aも中心C1を中心とした円弧状をなしている。つまり、接続部分37における突出部61側の曲面37Aと対向面61Aは、互いに平行となるように配されている。
ワイヤー22は、曲面37Aと対向面61Aの間(隙間S1)を通るように配索されており、ワイヤー22の一部は、曲面37A及び対向面61Aの円弧に沿って屈曲された屈曲部22Aとされる。
また、図2及び図4に示すように、トリム本体部11の裏面11Aには、フランジ部36と突出部61とを連結する連結部62が設けられている。図4に示すように、連結部62におけるワイヤー22側の面62Aは、ワイヤー22から遠ざかる方向に凹むとともに、ワイヤー22の外周面の形状に倣った形状をなしている。これにより、ワイヤー22の一部が面62Aの凹みに嵌合することで、ワイヤー22が安定して保持される構成となっている。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態によれば、フランジ部36を備えることで、脚部32(クリップ座30)の剛性をより高くすることができる。また、フランジ部36と脚部32との接続部分37は、円弧状をなしているから、接続部分37に応力が集中する事態を抑制することができる。
そして、本実施形態では、ワイヤー22を接続部分37と突出部61との間に配することで、ワイヤー22を保持することができる。また、ワイヤー22を接続部分37の円弧に沿って屈曲させることで、ワイヤー22を屈曲させた状態で配索することができる。このように、本実施形態では、クリップ座30の一部を用いてワイヤー22の保持を行うことができ、より簡易な構成とすることができる。
上記構成において、突出部61における接続部分37との対向面61Aは、接続部分37の円弧の中心C1を中心とした円弧状をなしている。
このような構成とすれば、ワイヤー22を、接続部分37の外面(曲面37A)と対向面61Aとの双方に沿って屈曲させることができる。これにより、ワイヤー22の延設方向を容易に調節することができる。また、曲面37A及び対向面61Aは、円弧状をなしているため、ワイヤー22と接触した際に、ワイヤー22を傷付ける事態を抑制することができる。
また、トリム本体部11の裏面11Aには、フランジ部36と突出部61とを連結する連結部62が設けられている。これにより、突出部61の剛性をより高くすることができる。
また、連結部62の裏面11Aからの高さを調節することで、ワイヤー22の裏面11Aからの距離を容易に調節することができる。
また、本実施形態では、図3に示すように、クリップ座30を構成する壁部同士の接続部分(具体的には、側壁部34とフランジ部36との接続部分37や側壁部33とフランジ部35との接続部分38など)が、曲線状をなしている。
このため、クリップ座30の壁部を成形するためのスライド型70の角部(例えば、図3の符号70A,70B)の各々をR形状とすることができる。これにより、スライド型70の角部の強度を高くすることができ、好適である。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)突出部の形状及び配置箇所は、上記実施形態で例示したものに限定されず適宜変更可能である。図5の保持構造120で示すように、突出部161は、例えば、側壁部33とフランジ部35との接続部分38側に設けられていてもよい。また、突出部161は、図5に示すように、接続部分38の円弧の中心C2を中心とした円弧状の曲面161Aを有する角柱状をなしていてもよい。
(2)クリップ座の形状は、上記実施形態で例示したものに限定されず適宜変更可能である。図6のクリップ座230のように、例えば、脚部232を構成する奥壁部240が曲線状をなしていてもよい。
(3)上記実施形態では、板状部材としてドアトリム10におけるトリム本体部11を例示し、クリップを介して板状部材が取り付けられる他の部材として、ドアインナパネル12を例示したが、これに限定されない。板状部材は、クリップ座を備えたものであればよい。例えば、板状部材としては、車両の荷室を構成するトランクトリムなどを例示することができる。また、板状部材は、車両用内装材に限定されない。例えば、板状部材として、車両用のバンパーなどの外装材を例示することもできる。
(4)上記実施形態では、線状部材として、動力伝達用のワイヤー22を例示したが、これに限定されない。線状部材としては、板状部材に配索されるものであればよい。例えば、線状部材として、車両に設けられるワイヤーハーネス(電線)や、流体(例えば、ウォッシャ液など)を所定箇所に供給するためのホースなどを例示することができる。
11…トリム本体部(板状部材)、11A…裏面(板状部材における他の部材側の面)、12…ドアインナパネル(他の部材)、20,120,220…線状部材の保持構造、21…クリップ、22…ワイヤー(線状部材)、30…クリップ座、31…開口部、32…脚部、36…フランジ部、37…接続部分(フランジ部と一方の開口端部との接続部分)、50…座面部、61…突出部、61A…突出部における接続部分との対向面、62…連結部、C1…接続部分の円弧の中心
Claims (3)
- 他の部材に取り付け可能なクリップを保持可能なクリップ座を備える板状部材に対して線状部材を保持する線状部材の保持構造であって、
前記クリップ座は、
前記板状部材における前記他の部材側の面から前記他の部材に向けて立ち上がる脚部と、
前記脚部に支持されるとともに前記クリップが取り付けられる座面部と、を備え、
前記脚部は、開口部を有する平面視U字状をなしており、
前記脚部の前記開口部における両開口端部のうち、少なくとも一方の開口端部には、前記開口部と反対側に突き出すフランジ部が設けられ、
前記フランジ部と前記一方の開口端部との接続部分は、平面視円弧状をなしており、
前記他の部材側の面において、前記接続部分の円弧の中心となる位置には、前記他の部材に向けて突出された突出部が、前記接続部分との間に隙間を空けて設けられ、
前記線状部材は、前記接続部分と前記突出部との間を通るように配索されるとともに、前記接続部分の円弧に沿って屈曲されている線状部材の保持構造。 - 前記突出部における前記接続部分との対向面は、前記接続部分の円弧の中心を中心とした円弧状をなしている請求項1に記載の線状部材の保持構造。
- 前記他の部材側の面には、前記フランジ部と前記突出部とを連結する連結部が設けられている請求項1又は請求項2に記載の線状部材の保持構造。
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JP2013116642A JP2014234867A (ja) | 2013-06-03 | 2013-06-03 | 線状部材の保持構造 |
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