JP2014234730A - 燃料噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポジットの堆積を抑制するために筒内噴射弁から燃料を噴射して噴孔部を冷却する際に、噴射圧が過度に低下して筒内噴射弁の噴射性能が悪化してしまうことを抑制する。
【解決手段】燃料噴射装置は、機関冷間時のように機関暖機が完了していないときには、ポート噴射弁及び筒内噴射弁のうちポート噴射弁から燃料を噴射する。そして、筒内噴射弁の噴孔部の温度(最終噴孔部温度θfin)が許容温度θt以上となるとき、筒内噴射弁からも燃料を噴射して噴孔部を冷却する。この燃料噴射装置では、筒内噴射弁の最低噴射圧と最小噴射時間とにより定まる噴射量(噴射圧維持量Qlow)を、噴孔部を冷却する際の噴射量の下限値としている。
【選択図】図5
【解決手段】燃料噴射装置は、機関冷間時のように機関暖機が完了していないときには、ポート噴射弁及び筒内噴射弁のうちポート噴射弁から燃料を噴射する。そして、筒内噴射弁の噴孔部の温度(最終噴孔部温度θfin)が許容温度θt以上となるとき、筒内噴射弁からも燃料を噴射して噴孔部を冷却する。この燃料噴射装置では、筒内噴射弁の最低噴射圧と最小噴射時間とにより定まる噴射量(噴射圧維持量Qlow)を、噴孔部を冷却する際の噴射量の下限値としている。
【選択図】図5
Description
この発明は、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁と燃焼室に燃料を噴射する筒内噴射弁とを備える内燃機関の燃料噴射装置に関する。
吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁と燃焼室に燃料を噴射する筒内噴射弁とを備える内燃機関の燃料噴射装置では、機関運転状態に基づいて設定される比率で燃料をポート噴射弁と筒内噴射弁とに振り分けて噴射するようにしている。こうした燃料噴射装置において、機関冷間時には燃焼室の温度が低くなるため、ポート噴射弁や筒内噴射弁の噴射燃料が霧化し難くなる。特に、機関冷間時に筒内噴射弁により燃料噴射を行うと、その噴射燃料が霧化せずに燃焼室の壁面やピストンの頂面に付着し、燃料によるオイルの希釈や不完全燃焼による燃焼状態の悪化を招くこととなる。
このため、こうした機関冷間時には、筒内噴射弁による燃料噴射を停止し、ポート噴射弁により燃料を噴射することが望ましい。ただし、筒内噴射弁の噴孔部は燃焼室の混合気にさらされているため、筒内噴射弁の燃料噴射が長期間にわたって停止されると、その噴孔部の温度が上昇し、同噴孔部にデポジットが堆積しやすくなる。
そこで、例えば特許文献1に記載の燃料噴射装置では、機関運転状態に基づいて筒内噴射弁の噴孔部の温度を推定し、その温度がデポジットの堆積が進行する温度領域に移行したときには、筒内噴射弁の燃料噴射を許可し、筒内噴射弁からも燃料を噴射して噴孔部を冷却することにより、噴孔部におけるデポジットの堆積を抑制するようにしている。
ところで、このように筒内噴射弁の噴孔部を冷却するために噴射される燃料は、上述したような燃料によるオイルの希釈や不完全燃焼による燃焼状態の悪化を避けるため、必要最小限の量に制限することが望ましい。ただし、このような制限により噴射量を少なくすると、その噴射要求を満たすためには、筒内噴射弁の噴射圧を低下せざるを得ない場合もある。
しかし、このように筒内噴射弁の噴射圧を低下させると、燃料噴霧の粒径が大きくなる、噴霧形状が規定の形状と異なるものになる等して、同筒内噴射弁の本来の噴射性能が得られなくなるおそれがある。
この発明の目的は、デポジットの堆積を抑制するために筒内噴射弁から燃料を噴射して噴孔部を冷却する際に、噴射圧が過度に低下して筒内噴射弁の噴射性能が悪化してしまうことを抑制することにある。
上記課題を解決する燃料噴射装置は、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁と燃焼室に燃料を噴射する筒内噴射弁とを備える。また、この燃料噴射装置は、機関冷間時のように機関暖機が完了していないときには、ポート噴射弁及び筒内噴射弁のうちポート噴射弁から燃料を噴射する。そして、燃料噴射装置は、筒内噴射弁の噴孔部の温度が許容温度以上となるとき、すなわち噴孔部の温度がデポジットの堆積が進行する温度領域に移行したときには、筒内噴射弁からも燃料を噴射して噴孔部を冷却する。このように噴孔部を冷却することにより、デポジットが噴孔部に堆積することを抑制できる。
さらに、この燃料噴射装置では、正常な筒内噴射を実行可能な噴射圧の下限値と筒内噴射弁の最小噴射時間とにより定まる噴射量を、噴孔部を冷却する際の噴射量の下限値としている。すなわち、筒内噴射弁から燃料を噴射して噴孔部を冷却する際の噴射量が制限されて少なくなる場合でも、その噴射量には上述したような下限値が設定されているため、筒内噴射弁の噴射圧が正常な筒内噴射を実行可能な噴射圧の下限値を下回ることがない。このため、噴射圧が低下することに起因して筒内噴射弁の噴射性能が悪化することを抑制することができる。
また、内燃機関が高負荷高回転域や冷却水温が高い状況のもとで運転されるときには、燃焼室の温度が高く、筒内噴射弁の噴孔部の温度も高いため、同噴孔部におけるデポジットの堆積が進行しやすくなる。一方、内燃機関が低負荷低回転域や冷却水温が低い状況のもとで運転されるときには、筒内噴射弁の噴孔部の温度が低いため、デポジットが噴孔部に堆積し難い。
このため、上述した燃料噴射装置において、筒内噴射弁の噴孔部を冷却する際の噴射量を、内燃機関の回転速度及び負荷及び冷却水温を少なくとも含むパラメータ群に基づいて都度設定することとすれば、同噴射量を噴孔部の温度に即して設定することができ、噴孔部を冷却するのに適した量の燃料を筒内噴射弁から噴射することができる。
その結果、筒内噴射弁から必要以上の燃料が噴射され、燃料によるオイルの希釈や燃焼状態の悪化を招いたり、筒内噴射弁から噴射される燃料の量が不足して噴孔部を十分に冷却できなくなったりすることを抑制できるようになる。
ただし、このように冷却の際の噴射量を内燃機関の回転速度、負荷、冷却水温に応じて都度設定するようにした場合、内燃機関が低負荷低回転域や冷却水温が低い状況のもとで運転されるときには噴射量が少なくなり、その噴射要求を満たすためには噴射圧を低下せざるを得ない状況が生じる。
しかしこのような場合でも、筒内噴射弁の噴射圧が正常な筒内噴射を実行可能な噴射圧の下限値を下回ることはない。このため、内燃機関が低負荷低回転域や冷却水温が低い状況のもとで運転されるときに、噴射圧の低下に起因して筒内噴射弁の噴射性能が悪化してしまうことも抑制することができる。
以下、燃料噴射装置の第1の実施形態について図1〜図5を参照して説明する。
図1に示すように、内燃機関の吸気通路10には、上流側から順に、吸入空気量を検出するエアフローメータ12、吸入空気量を調整するスロットルバルブ13が配設されている。吸気通路10は、スロットルバルブ13の下流にて内燃機関の気筒毎に分岐した後、吸気ポート14を介して各気筒の燃焼室15に接続されている。各気筒の吸気ポート14には、その内部に燃料を噴射するポート噴射弁16がそれぞれ配設されている。加えて、各気筒の燃焼室15には、その内部に燃料を噴射する筒内噴射弁17がそれぞれ配設されている。
図1に示すように、内燃機関の吸気通路10には、上流側から順に、吸入空気量を検出するエアフローメータ12、吸入空気量を調整するスロットルバルブ13が配設されている。吸気通路10は、スロットルバルブ13の下流にて内燃機関の気筒毎に分岐した後、吸気ポート14を介して各気筒の燃焼室15に接続されている。各気筒の吸気ポート14には、その内部に燃料を噴射するポート噴射弁16がそれぞれ配設されている。加えて、各気筒の燃焼室15には、その内部に燃料を噴射する筒内噴射弁17がそれぞれ配設されている。
この燃料噴射装置には、ポート噴射弁16及び筒内噴射弁17から噴射される燃料を貯留する燃料タンク18が設けられている。燃料タンク18には、その内部から燃料を汲み出すフィードポンプ19が配設されている。フィードポンプ19は、低圧燃料通路20を介して、フィードポンプ19の汲み出した燃料を蓄圧する低圧燃料配管21に接続されている。そして、低圧燃料配管21には、各気筒のポート噴射弁16がそれぞれ接続されている。
また、低圧燃料通路20の途中からは、高圧燃料通路22が分岐している。高圧燃料通路22には、フィードポンプ19の汲み出した燃料を更に加圧して吐出する高圧燃料ポンプ23が配設されている。高圧燃料通路22は、高圧燃料ポンプ23により加圧された燃料を蓄圧する高圧燃料配管24に接続されている。そして、その高圧燃料配管24には、各気筒の筒内噴射弁17がそれぞれ接続されている。また、高圧燃料配管24には、その内部の燃圧、すなわち筒内噴射弁17の噴射圧を検出する燃圧センサ25が配設されている。
この燃料噴射装置の制御部30には、エアフローメータ12や燃圧センサ25の他、回転速度センサ26や内燃機関の冷却水温を検出する水温センサ27などのセンサ類の検出信号が入力されている。そして、制御部30は、これらセンサ類の検出結果に基づき、ポート噴射弁16、筒内噴射弁17、高圧燃料ポンプ23などの、機関各部に設けられたアクチュエーター類を駆動することで、各種制御を行っている。
例えば、制御部30は、こうした制御として、筒内噴射の噴射圧制御や燃料噴射制御を行っている。筒内噴射の噴射圧制御は、燃圧センサ25により検出された燃圧が、現状の機関運転状態に基づいて設定された目標燃圧となるように、高圧燃料ポンプ23の燃料吐出量をフィードバック調整することで行われる。
燃料噴射制御は、内燃機関の回転速度、燃料噴射量及び回転速度等に基づいて求められる内燃機関の負荷、内燃機関の冷却水温等々、機関運転状態を示すパラメータに基づいて、ポート噴射弁16及び筒内噴射弁17の噴射態様を調整することで行われる。例えば、この燃料噴射制御では、ポート噴射弁16のみによる燃料噴射、筒内噴射弁17のみによる燃料噴射、ポート噴射弁16及び筒内噴射弁17の双方による燃料噴射が、機関運転状態に応じて切り替えられて行われる。
そして、このようにポート噴射弁16及び筒内噴射弁17の双方による燃料噴射が行われる場合には、機関運転状態に基づいて求められる総噴射量が、同じく機関運転状態に基づいて求められる所定の比率でポート噴射弁16及び筒内噴射弁17に振り分けられ、ポート噴射弁16及び筒内噴射弁17の燃料噴射が行われる。
また、この燃料噴射制御では、内燃機関の暖機が完了していない機関冷間時に、ポート噴射弁16のみによる燃料噴射を基本としつつ、筒内噴射弁17の噴孔部17aの温度が許容温度以上となったときには、同噴孔部17aを冷却するために、筒内噴射弁17による燃料噴射を併せて行うようにしている。
以下、このように筒内噴射弁17の噴孔部17aを噴射燃料により冷却する際の処理手順について図2を参照して説明する。なお、図2に示す一連の処理は所定の周期をもって繰り返し実行される。
図2に示すように、この一連の処理ではまず、筒内噴射弁17の要求噴射量Qが算出される(ステップS301)。この要求噴射量Qは、現在の機関運転状態において、デポジットの堆積が進行しない温度にまで、筒内噴射弁17の噴孔部17aを冷却するために必要且つ十分な噴射燃料の量である。
この要求噴射量Qは、内燃機関の回転速度、負荷、及び冷却水温をパラメータとする、例えばマップ演算を通じて求められる。なお、この演算では、筒内噴射弁17の要求噴射量Qに相当する燃料の分だけ、ポート噴射弁16の噴射量が少なくなることを前提としている。
図3は、こうしたマップの一例を示している。同図3に示すように、回転速度が高いほど、また負荷が高いほど、要求噴射量Qは多くなる。さらに、回転速度及び負荷が同じであれば、冷却水温が高いほど、要求噴射量Qは多くなる。
このように、筒内噴射弁17の要求噴射量Qが求められると、次に第1の噴孔部温度θ1が算出される(ステップS302)。この第1の噴孔部温度θ1は、ポート噴射弁16の燃料噴射が単独で行われていることを前提とし、現在の回転速度及び負荷のもと、冷却水温が暖機完了後の値θs(例えば88℃)であると仮定したときの噴孔部17aの推定温度である。この第1の噴孔部温度θ1は、回転速度及び負荷をパラメータとする、例えばマップ演算を通じて求められる。
図4は、このマップの一例を示している。同図4に示すように、回転速度が高いほど、また負荷が高いほど、第1の噴孔部温度θ1は高くなる。なお、この図4のマップに示されるような、第1の噴孔部温度θ1と回転速度及び負荷との関係や、先の図3のマップに示されるような、要求噴射量Qと、回転速度、負荷、及び冷却水温との関係は、実験等を通じて予め求められている。
次に、第2の噴孔部温度θ2が算出される(ステップS303)。この第2の噴孔部温度θ2は、冷却水温が暖機完了後の値θsであると仮定して求められた第1の噴孔部温度θ1を、現在の冷却水温の値θaに対応するように変換した値である。この第2の噴孔部温度θ2は、例えば次の式(1)に基づいて算出される。
θ2←θ1−α・(θs−θa) ・・・(1)
上式において、「α」は、暖機完了後の冷却水温(=θs)と現在の冷却水温(=θa)との差を、噴孔部17aの温度差に変換するためのものであり、「0<α<1.0」の関係を満たす係数である。
次に、こうして求められた第2の噴孔部温度θ2とその重み付け平均値θ2’とが比較される(ステップS304)。この重み付け平均値θ2’は、例えば次の式(2)に基づいて算出される。
θ2’(i)←(θ2(i)+(n-1)・θ2’(i-1))/n ・・・(2)
ここで、「θ2’(i)」は、今回の演算タイミングにおける重み付け平均値、「θ2(i)」は、今回の演算タイミングにおける第2の噴孔部温度、「θ2’(i-1)」は、前回の演算タイミングにおける重み付け平均値、「n」は重み付け係数をそれぞれ示す。なお、噴孔部17aの温度は、機関運転状態の変化に対して遅れて変化するが、この遅れ度合いが大きいほど、上記重み付け係数nは大きくされる。すなわち、第2の噴孔部温度θ2は、機関運転状態が変化しない状態が継続したときに収束する定常時の噴孔部17aの推定温度を示すものであるのに対し、この重み付け平均値θ2’は、このように収束する前の過渡時の噴孔部17aの推定温度を示している。
そして、第2の噴孔部温度θ2がその重み付け平均値θ2’以上である場合には、同第2の噴孔部温度θ2が最終噴孔部温度θfinとされ、重み付け平均値θ2’が第2の噴孔部温度θ2以上である場合には、重み付け平均値θ2’が最終噴孔部温度θfinとされる(ステップS304)。
さらに、この最終噴孔部温度θfinと許容温度θtとが比較される(ステップS305)。この許容温度θtは、デポジットの堆積が進行する温度領域の最低温度である。したがって、最終噴孔部温度θfinがこの許容温度θt以上であるときには、噴孔部17aにおいてデポジットの堆積が進行すると判断することができる。
ここで、最終噴孔部温度θfinが許容温度θt未満であるときには(ステップS305:NO)、筒内噴射弁17の最終要求噴射量Qfinが「0」とされ、噴射が実行される(ステップS366,ステップS307)。すなわち、この場合は、最終噴孔部温度θfinがデポジットの堆積が進行する温度領域に達していないため、筒内噴射弁17による燃料噴射は行われず、ポート噴射弁16の燃料噴射が単独で行われる。
一方で、最終噴孔部温度θfinが許容温度θt以上であるときには(ステップS305:YES)、先に求められた要求噴射量Qと、噴射圧維持量Qlowとが比較される(ステップS306)。
ところで、筒内噴射弁17には、正常な筒内噴射を実行可能な噴射時間にそれ以上短縮することができない限界値、最小噴射時間が存在する。このため、筒内噴射弁17の噴射時間をこの最小噴射時間まで短縮させても噴射燃料の減量要求が満たされないときには、筒内噴射弁17の噴射圧を低下させることで同減量要求に対処することとなる。
ただし、このように噴射圧を低下させるとしても、筒内噴射弁17には、正常な筒内噴射を実行可能な噴射圧について下限値、最低噴射圧が存在する。筒内噴射弁17の噴射圧がこの最低噴射圧を下回る場合には、燃料噴霧の粒径が過度に大きくなる、噴霧形状が規定の形状と大きく異なるものになる等して、筒内噴射弁17の本来の噴射性能が得られなくなる。
上述した噴射圧維持量Qlowは、筒内噴射弁17の噴射圧を上記最低噴射圧とし、その噴射時間を上記最小噴射時間としたときに、筒内噴射弁17から噴射される燃料の量に相当する。すなわち、この噴射圧維持量Qlowは、正常な筒内噴射を行うことのできる筒内噴射弁17の最小噴射量である。なお、この最低噴射圧は、例えば筒内噴射弁17の定格噴射圧の最低値であってもよいし、筒内噴射弁17の噴射特性の経時変化等を考慮するなどして、同最低値にある程度の余裕を持たせた値(>最低値)であってもよい。
そして、要求噴射量Qがこの噴射圧維持量Qlow以下である場合には、噴射圧維持量Qlowが最終要求噴射量Qfinとされ、噴射圧維持量Qlowが要求噴射量Q以下である場合には、要求噴射量Qが最終要求噴射量Qfinとされる(ステップS306)。このように、要求噴射量Qと噴射圧維持量Qlowとの大小関係により、最終要求噴射量Qfinは異なる値に切り替えられるが、同最終要求噴射量Qfinが噴射圧維持量Qlowを下回ることはない。
次に、ポート噴射弁16及び筒内噴射弁17の双方により燃料噴射が行われる(ステップS307)。この場合は、最終噴孔部温度θfinがデポジットの堆積が進行する温度領域に達しているため、筒内噴射弁17からは最終要求噴射量Qfinに相当する量の燃料が噴射される。一方、ポート噴射弁16からは総噴射量から最終要求噴射量Qfinを除いた残り量の燃料が噴射される。
以下、この燃料噴射装置の作用について図5を参照して説明する。
図5に示すように、タイミングt1以前では、最終噴孔部温度θfin(図5(b))が許容温度θtに達していないため、最終要求噴射量Qfin(図5(a))は「0」に設定される。すなわち、筒内噴射弁17による燃料噴射は行われず、ポート噴射弁16の燃料噴射が単独で実行される。
図5に示すように、タイミングt1以前では、最終噴孔部温度θfin(図5(b))が許容温度θtに達していないため、最終要求噴射量Qfin(図5(a))は「0」に設定される。すなわち、筒内噴射弁17による燃料噴射は行われず、ポート噴射弁16の燃料噴射が単独で実行される。
次に、最終噴孔部温度θfinが上昇して許容温度θt以上になると(タイミングt1以降)、ポート噴射弁16に加え、筒内噴射弁17による燃料噴射が開始される(図5(d))。ここで、要求噴射量Qは噴射圧維持量Qlowを上回っているため、同要求噴射量Qが最終要求噴射量Qfinに設定される。そして、このように筒内噴射弁17による燃料噴射が行われることで、その噴射燃料により噴孔部17aが冷却されるようになる。
次に、タイミングt2において、筒内噴射弁17の噴射時間が最小噴射時間にまで短縮されると、高圧燃料ポンプ23の目標燃圧が低下し、それに伴って筒内噴射弁17の噴射圧(図5(c))が低下する。これにより、筒内噴射弁17の噴射時間が最小噴射時間に維持されたまま、最終要求噴射量Qfinが更に低下するようになる。
さらに、要求噴射量Qが噴射圧維持量Qlowを下回るようになると(タイミングt3以降)、最終要求噴射量Qfinは、要求噴射量Qから噴射圧維持量Qlowに切り替えられ、同噴射圧維持量Qlowに維持される。したがって、筒内噴射弁17の噴射圧はそれ以上低下せず、最低噴射圧に維持されるようになる。
そして、最終噴孔部温度θfinが低下して許容温度θtを下回ると(タイミングt4以降)、最終要求噴射量Qfinは「0」に設定される。このため、筒内噴射弁17による燃料噴射が停止され、再びポート噴射弁16の燃料噴射が単独で行われるようになる。
以上、説明したように、本実施形態の燃料噴射装置によれば、次の効果を奏することができる。
(1)この燃料噴射装置では、最低噴射圧と筒内噴射弁17の最小噴射時間とによって定まる噴射圧維持量Qlowを、噴孔部17aを冷却する際の噴射量の下限値としているため、筒内噴射弁17の噴射圧が最低噴射圧を下回ることがない。このため、噴射圧が低下することに起因して筒内噴射弁17の噴射性能が悪化することを抑制することができる。
(1)この燃料噴射装置では、最低噴射圧と筒内噴射弁17の最小噴射時間とによって定まる噴射圧維持量Qlowを、噴孔部17aを冷却する際の噴射量の下限値としているため、筒内噴射弁17の噴射圧が最低噴射圧を下回ることがない。このため、噴射圧が低下することに起因して筒内噴射弁17の噴射性能が悪化することを抑制することができる。
(2)また、この燃料噴射装置では、筒内噴射弁17の噴孔部17aを冷却する際の要求噴射量Qを、内燃機関の回転速度、負荷、及び冷却水温に基づいて都度設定するようにしているため、同要求噴射量Qを噴孔部17aの温度に即して設定することができる。したがって、噴孔部17aを冷却するのに適した量の燃料を筒内噴射弁17から噴射することができる。その結果、筒内噴射弁17から必要以上の燃料が噴射され、燃料によるオイルの希釈や燃焼状態の悪化を招いたり、筒内噴射弁17から噴射される燃料の量が不足して噴孔部17aを十分に冷却できなくなったりすることを抑制できるようになる。
さらに、内燃機関が低負荷低回転域や冷却水温が低い状況のもとで運転されるときには要求噴射量Qが少なくなり、その噴射要求を満たすためには筒内噴射弁17の噴射圧を低下せざるを得ない状況が生じる。
しかしこのような場合でも、最終要求噴射量Qfinは噴射圧維持量Qlowをその下限値として制限されるため、筒内噴射弁17の噴射圧が最低噴射圧を下回ることはない。このため、内燃機関が低負荷低回転域や冷却水温が低い状況のもとで運転されるときに、噴射圧の低下に起因して筒内噴射弁17の噴射性能が悪化してしまうことも抑制することができる。
なお、本実施形態の燃料噴射装置は、以下のような態様にて実施することもできる。また、以下の変形例を適宜組み合わせて実施することもできる。
・回転速度、負荷、冷却水温に基づいて噴孔部17aを冷却する際の要求噴射量Qを求めるようにしたが、これに代えて、例えば排気温度を監視し、同排気温度に基づいて同要求噴射量Qを求めるようにしてもよい。この場合、排気温度が高いときほど、筒内噴射弁17の噴孔部17aの温度は高くなるため、排気温度が高いときほど要求噴射量Qを多くなるようにする。
・回転速度、負荷、冷却水温に基づいて噴孔部17aを冷却する際の要求噴射量Qを求めるようにしたが、これに代えて、例えば排気温度を監視し、同排気温度に基づいて同要求噴射量Qを求めるようにしてもよい。この場合、排気温度が高いときほど、筒内噴射弁17の噴孔部17aの温度は高くなるため、排気温度が高いときほど要求噴射量Qを多くなるようにする。
・また、要求噴射量Qを求める際には、回転速度、負荷、冷却水温といったパラメータの他、例えば外気温、空燃比、上述した排気温度等々、筒内噴射弁17の噴孔部17aの温度に影響を及ぼすパラメータを加え、それらパラメータ群に基づいて要求噴射量Qを求めるようにしてもよい。
・暖機完了後の水温、回転速度及び負荷に基づいて噴孔部17aの温度(第1の噴孔部温度θ1)を求め、その温度を係数αを用いて現在の冷却水温における噴孔部17aの温度(第2の噴孔部温度θ2)に変換するようにした。こうした変換処理を省略し、例えば要求噴射量Qの算出方法と同様に、現在の冷却水温、回転速度、及び負荷に基づいて噴孔部17aの温度を求めるようにしてもよい。
・また、噴孔部17aの温度と冷却水温との相関が同冷却水温によって異なる場合には、上記係数αを冷却水温に応じて変更することが望ましい。
・第2の噴孔部温度θ2とその重み付け平均値θ2’とを比較し、それらのうち高い温度を最終噴孔部温度θfinとしたが、例えば、常に、重み付け平均値θ2’を最終噴孔部温度θfinとすることもできる。
・第2の噴孔部温度θ2とその重み付け平均値θ2’とを比較し、それらのうち高い温度を最終噴孔部温度θfinとしたが、例えば、常に、重み付け平均値θ2’を最終噴孔部温度θfinとすることもできる。
10…吸気通路、12…エアフローメータ、13…スロットルバルブ、14…吸気ポート、15…燃焼室、16…ポート噴射弁、17…筒内噴射弁、17a…噴孔部、18…燃料タンク、19…フィードポンプ、20…低圧燃料通路、21…低圧燃料配管、22…高圧燃料通路、23…高圧燃料ポンプ、24…高圧燃料配管、25…燃圧センサ、26…回転速度センサ、27…水温センサ、30…制御部。
Claims (2)
- 吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁と燃焼室に燃料を噴射する筒内噴射弁とを備え、機関冷間時にはポート噴射弁及び筒内噴射弁のうちポート噴射弁から燃料を噴射する内燃機関の燃料噴射装置において、
筒内噴射弁の噴孔部の温度が許容温度以上であるときに筒内噴射弁からも燃料を噴射して噴孔部を冷却するに際し、正常な筒内噴射を実行可能な噴射圧の下限値と筒内噴射弁の最小噴射時間とにより定まる噴射量を、噴孔部を冷却する際の噴射量の下限値とする
ことを特徴とする燃料噴射装置。 - 前記噴孔部を冷却する際の噴射量は内燃機関の回転速度及び負荷及び冷却水温を少なくとも含むパラメータ群に基づいて設定される
請求項1に記載の燃料噴射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013115323A JP2014234730A (ja) | 2013-05-31 | 2013-05-31 | 燃料噴射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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