以下、本発明の遊技機の一実施形態であるパチンコ機について、図面に基づいて、詳細に説明する。
(1)パチンコ機の構造
以下、本発明の一実施形態としてのパチンコ機について、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、パチンコ機1の正面を示したものである。パチンコ機1は、周囲が機枠3で覆われており、その機枠3の正面の上部には、遊技盤2が設置されている。また、遊技盤2の中央よりやや上方には、遊技球レール23によって区画された略円形の遊技領域16が設けられており、当該遊技領域16の前方には、ガラス板を嵌め込んだ前扉4が片開き可能に設置されている。また、遊技領域16の下方には、供給皿7と貯留皿8とが、上下に連設されており、貯留皿8の右側には、発射装置10(図3参照)を操作するためのハンドル9が突設されている。一方、遊技領域16の上方の左右には、効果音を発生させるためのスピーカ14,14が設置されている。
図2は、遊技盤2を示したものであり、遊技領域16の中央上部には、センター部材26が設置されており、そのセンター部材26の略中央には、図柄表示装置6が設けられている。図柄表示装置6は、液晶表示画面を有しており、その液晶表示画面の左表示部位6a、右表示部位6b、中表示部位6cの各表示部位に、一桁の数字や一文字のアルファベット等(たとえば、「0」〜「9」、「A」〜「E」)の所定種類の「装飾図柄」(「演出図柄」とも称される)を表示することができるようになっている。加えて、図柄表示装置6は、液晶表示画面の左表示部位6a、右表示部位6b、中表示部位6cの各表示部位、およびそれらの各表示部位6a〜6cの上下の領域において、「装飾図柄」を一定の方向(上下方向)にスクロール表示することができるようになっている(なお、左表示部位6aおよびその上下の領域を左変動表示領域22aといい、右表示部位6bおよびその上下の領域を右変動表示領域22bといい、中表示部位6cおよびその上下の領域を中変動表示領域22cという)。さらに、図柄表示装置6は、上記した「装飾図柄」を、様々な背景を動画化あるいは映像化した「背景画像」に重ねて(重なった動画や映像等の画像として)表示することができるようになっている。なお、「背景画像」上への「装飾図柄」の表示は、「背景画像」を表示するためのレイヤー画像と、「装飾図柄」を表示するためのレイヤー画像とを重畳して表示する方法によって行われる。
また、図柄表示装置6の中央下側には、遊技球を入賞可能な始動入賞口20が設けられている。加えて、始動入賞口20の下側には、チューリップ式電動役物17が設けられており、上部の扉部材(爪片)が開閉するようになっている。なお、チューリップ式電動役物17等の各入賞装置の内部には、遊技球の入賞を検出する入賞検出装置37(図4参照)が設けられている。さらに、チューリップ式電動役物17の下側には、入賞装置である大入賞装置(大入賞口)18が設置されており、内蔵された作動装置24(図4参照)によって、横長な長方形の板状の扉体が下端縁を中心として片開きするようになっている。一方、センター部材26の左側には、遊技球の通過可能なゲート部材19が設けられている。
また、遊技領域2の右下方には、表示部材81が付設されており、当該表示部材81には、2つのLEDによって形成された普通図柄保留ランプ84、1つのLEDによって形成された普通図柄表示器83、7セグメントのLED板によって形成された特別図柄表示器82、4つのLEDによって形成された特別図柄保留ランプ85、4つのLEDによって形成されたラウンドランプ86等が設けられている。普通図柄表示器83は、「当たり図柄」を表示することができるようになっており、特別図柄表示器82は、所定の種類の「特別図柄」を表示することができるようになっている。加えて、遊技領域16には、上記部材の他に、各種の態様で発光する電飾ランプ15,15・・、種々の入賞口、風車、および多数の障害釘等が設けられている。
一方、図3は、パチンコ機1の背面を示したものであり、パチンコ機1の中央よりやや上側には、パチンコ機1の作動内容を制御するためのメイン制御基板31を内蔵したメイン制御装置30が設置されている。また、メイン制御基板31の右下方(パチンコ機1を背面から見た場合の右下方)には、図柄表示装置6の表示内容を制御するための表示制御基板56が設置されている。さらに、表示制御基板56の左側には、遊技領域16に設置された電飾ランプ15,15・・等の発光部材の発光態様を制御するための発光制御基板61、スピーカ14,14から発生させる効果音の発生態様を制御するための効果音制御基板71が設けられている。また、表示制御基板56の下方には、表示制御基板56、発光制御基板61および効果音制御基板71を統合して制御するためのサブ統合基板41が設置されている。加えて、メイン制御装置30の右側には、賞品球や貸球を払い出すための払出制御装置28が設置されている。
(2)パチンコ機の制御機構
図4は、パチンコ機1の制御機構を示したブロック図である。メイン制御基板31には、後述する「大当たり判定用乱数取得」を実行するとともに種々の作動部材の動作を制御するメインCPU32、ROMやRAM等の記憶手段33、タイマ34、およびインターフェイス35等が搭載されている。そして、メインCPU32は、インターフェイス35を介して、始動入賞口20、チューリップ式電動役物17等に内蔵された入賞検出装置37、大入賞装置18を作動させるための作動装置24、払出制御装置28等と接続されている。また、メイン制御基板31は、インターフェイス35を介してサブ統合基板41と電気的に接続されている。
また、メイン制御基板31の記憶手段33には、後述する「当たり判定」に使用するaカウンタ、「大当たり判定用乱数取得」に使用するcカウンタ、および、主に「特別図柄」や「装飾図柄」の変動時間である基本変動パターン(図柄変動パターン)を決定するdカウンタ、生起した「大当たり」の種別を決定する大当たり種別決定カウンタであるfカウンタ等が内蔵されている。
各カウンタは、電源投入時から所定の規則にしたがって所定の数値の間をごく短時間(たとえば1割込2.000ms)の内に1ずつ加算しながらループカウントするループカウンタであり、当該カウンタを用いた数値の取得は、乱数の取得とみなすことができる。また、aカウンタは“0”〜“100”(101通り)の間を、cカウンタは“0”〜“700”(701通り)の間を、 dカウンタは“0”〜“200”(201通り)の間を、fカウンタは“0”〜“40”(41通り)の間を、夫々ループカウントするようになっている。また、メインCPU32は、遊技球のゲート部材19の通過検出を契機としてaカウンタから1つの数値を取得する一方、遊技球の始動入賞口20またはチューリップ式電動役物17への入賞検出を契機としてc,d,fカウンタから夫々1つの数値を取得するようになっている。
さらに、メイン制御基板31の記憶手段33には、図5(a)の如きaカウンタの数値と「普通図柄」とを対応付けた普通図柄決定テーブル、図6の如きdカウンタの数値と基本変動パターンとを対応付けた基本変動パターン決定テーブル、および図7の如きfカウンタの数値と大当たりの種類とを対応付けた大当たり種別決定テーブル等が記憶されている。なお、大当たり種別決定テーブルにおける「非確変大当たり」とは、大入賞装置18の所定回数(たとえば、16回)の断続的な開成のみを伴う「大当たり」であり、「確変大当たり」とは、大入賞装置18の所定回数の断続的な開成の後に後述する「高確率状態」を生起させる特典を伴う「大当たり」である。
一方、サブ統合基板41には、サブ統合CPU42、記憶手段43、タイマ44、およびインターフェイス45等が搭載されている。当該サブ統合基板41は、インターフェイス45を介して、表示制御基板56、発光制御基板61、および効果音制御基板71と電気的に接続されている。そして、サブ統合CPU42は、後述するようにメイン制御基板31から「大当たり判定用乱数取得」に係る信号を受信すると、その信号の内容に応じて各制御基板を制御し、スピーカ14,14や電飾ランプ15,15・・の動作、図柄表示装置6における「装飾図柄」等の変動表示動作を制御するようになっている。
さらに、サブ統合基板41の記憶手段43には、表示部材81の特別図柄表示器82に表示される「特別図柄」が、図8の如く「大当たり判定用乱数取得」の結果に対応付けられて記憶されている。また、記憶手段43には、図柄表示装置6の各変動表示領域22a〜22cにおいて変動表示あるいは確定表示される「0」〜「9」の数字やアルファベット、絵柄等からなる「装飾図柄」が記憶されている。加えて、記憶手段43には、図柄表示装置6における「装飾図柄」の詳細な変動態様、キャラクターの動画を用いたキャラクター演出、映像を利用した映像演出等からなる複数の詳細変動パターン(「装飾図柄」の表示態様としての図柄変動パターン)が、図9の如く、メイン制御基板31で決定される基本変動パターンと対応付けられて記憶されている。
各詳細変動パターンにおける「装飾図柄」の変動態様は、変動開始後、まず、高速でスクロールしているように見える高速スクロール変動を実行し、徐々にスクロール速度が低減する低速スクロール変動を実行した後、確定表示となるものである。また、「装飾図柄」の変動態様は、原則的に、各変動表示領域22a〜22cにおいてスクロールしている「装飾図柄」が、左表示部位6a、右表示部位6b、中表示部位6cの順で停止表示となる。また、一部の変動態様においては、左表示部位6aに「装飾図柄」が仮停止表示され、右表示部位6bに同一の「装飾図柄」が仮停止表示された後に、中表示部位6cにおいて、他の場合より長い時間に亘って、「装飾図柄」が、高速スクロール変動や低速スクロール変動等の態様でスクロールした後に確定表示となる所謂「リーチ表示態様」を実行する。さらに、一部の変動態様においては、低速スクロール変動後に、各変動表示領域22a〜22cの「装飾図柄」が左表示部位6a、右表示部位6b、中表示部位6cの順で仮停止表示となり、変動再開後に変動開始後に確定表示となる。
また、詳細変動パターンの内、基本変動パターンAに対応した「ノーマル」は、上記した「リーチ表示態様」を実行しない変動パターンである。さらに、詳細変動パターンの内、基本変動パターンBに対応した「リーチ」は、左表示部位6aに「装飾図柄」を停止表示した後に、右表示部位6bに同一の「装飾図柄」を停止表示し、しかる後に、動画による「リーチ表示態様」を実行した後に、各表示部位6a〜6cに「装飾図柄」を停止表示する変動パターンである。
一方、基本変動パターンCに対応した「単発揺動滑り演出+リーチ」は、変動開始から初期の段階(たとえば、約3.0秒後)で、左表示部位6aに「装飾図柄」を停止表示した後に、後述する「揺動滑り演出」を1回のみ実行し、さらに「リーチ表示態様」を実行した後に、各表示部位6a〜6cに「装飾図柄」を停止表示する変動パターンである。さらに、基本変動パターンDに対応した「スーパーリーチ」は、左表示部位6aに「装飾図柄」を停止表示した後に、右表示部位6bに同一の「装飾図柄」を仮停止表示し、しかる後に、動画による「リーチ表示態様」を実行してから映像による「リーチ表示態様」を実行する変動パターンである。
また、基本変動パターンEに対応する詳細変動パターンである「単発揺動滑り演出+スーパーリーチ」とは、変動開始から初期の段階で、左表示部位6aに「装飾図柄」を停止表示した後に、後述する「揺動滑り演出」を1回のみ実行し、しかる後に、右表示部位6bに同一の「装飾図柄」を停止表示した後に、動画による「リーチ表示態様」を実行してから映像による「リーチ表示態様」を実行する変動パターンである。
さらに、基本変動パターンFに対応する詳細変動パターンである「連続(2回)揺動滑り演出+スーパーリーチ」とは、変動開始から初期の段階で、左表示部位6aに「装飾図柄」を停止表示した後に、後述する「揺動滑り演出」を2回繰り返し実行し、しかる後に、右表示部位6bに同一の「装飾図柄」を停止表示した後に、動画による「リーチ表示態様」を実行してから映像による「リーチ表示態様」を実行する変動パターンである。加えて、基本変動パターンGに対応する詳細変動パターンである「連続(3回)揺動滑り演出+スーパーリーチ」とは、変動開始から初期の段階で、左表示部位6aに「装飾図柄」を停止表示した後に、後述する「揺動滑り演出」を3回繰り返し実行し、しかる後に、右表示部位6bに同一の「装飾図柄」を停止表示した後に、動画による「リーチ表示態様」を実行してから映像による「リーチ表示態様」を実行する変動パターンである。
なお、「連続揺動滑り演出」を伴う変動パターン(変動パターンF,G)は、実際には1個の始動入賞に対応した図柄変動を、複数個(2個あるいは3個)の始動入賞に対応した図柄変動が一連のものとして連続しているかの如く見せるステップアップ式の変動パターン(所謂、「擬似連」)である。
さらに、図6および図9から明らかなように、「大当たり判定用乱数取得」の結果が「はずれ」である場合には、基本変動パターンA,B→基本変動パターンC→基本変動パターンD→基本変動パターンE→基本変動パターンFの順(すなわち、「ノーマル」および「リーチ」→「単発揺動滑り演出+リーチ」→「スーパーリーチ」→「単発揺動滑り演出+スーパーリーチ」→「連続(2回)揺動滑り演出+スーパーリーチ」の順)に、選択されにくくなっている。反対に、「大当たり判定用乱数取得」の結果が「大当たり」である場合には、基本変動パターンC→基本変動パターンD→基本変動パターンE→基本変動パターンF→基本変動パターンGの順(すなわち、「リーチ」→「単発揺動滑り演出+リーチ」→「スーパーリーチ」→「単発揺動滑り演出+スーパーリーチ」→「連続(2回)揺動滑り演出+スーパーリーチ」→「連続(3回)揺動滑り演出+スーパーリーチ」の順)に、選択され易くなっている。加えて、「連続(3回)揺動滑り演出+スーパーリーチ」は、「大当たり判定用乱数取得」の結果が「大当たり」である場合以外には選択されないようになっている。
また、サブ統合基板41記憶手段43には、スピーカ14,14の報音動作態様となる音発生パターンが、メイン制御基板31で決定される基本変動パターンと対応付けられて記憶されている。加えて、サブ統合基板の記憶手段43には、電飾ランプ15,15・・の発光態様となる電飾発光パターンが、メイン制御基板31で決定される基本変動パターンと対応付けられて記憶されている。
(3)パチンコ機の作動内容
上記の如く構成されたパチンコ機1の基本的な作動内容について以下に説明する。遊技者によってハンドル9が回動操作されると、発射装置10が作動し、遊技球レール23,23同士の間(発射通路13)から遊技球が遊技領域16内へ打ち込まれる。そして、遊技領域16内へ打ち込まれた遊技球がゲート部材19を通過すると、当該通過がメインCPU32により検出される。メインCPU32は、ゲート部材19の通過を検出すると、通過検出のタイミングでaカウンタから1つの数値を取得し、取得した数値が所定の「当たり数値(“7”)」であるか否かを判定するという「当たり判定」を実行するとともに、普通図柄表示器83において「普通図柄」を変動表示させる。
そして、「当たり判定」の結果、「当たり」である場合(すなわち、取得数値が「当たり数値」である場合)には、「普通図柄」の変動表示を所定時間(たとえば30秒間)に亘って継続した後、図5の如き「普通図柄(“1”)」を普通図柄表示器83に確定表示させるとともに、チューリップ式電動役物17の爪片を所定の設定時間(たとえば1.0秒間)だけ開成させる。一方、「当たり判定」の結果、「はずれ」である場合(すなわち、取得した数値が「当たり数値」以外の数値である場合)には、「普通図柄」の変動表示を所定時間に亘って継続した後、図5の如き「普通図柄(“−”)」を普通図柄表示器83に確定表示させる。
また、遊技領域16内を流下する遊技球が図柄始動口20またはチューリップ式電動役物17へ入賞(始動入賞)すると(すなわち、所定条件を充足すると)、当該入賞がメインCPU32により検出される。メインCPU32は、始動入賞を検出すると、入賞検出のタイミングでc,d,fカウンタが1つの数値を取得する。そして、cカウンタにおける取得数値が所定の「大当たり数値(たとえば“0”または“300”)」(なお、「大当たり数値」以外の数値を「はずれ数値」という)であるか否かを判定するという「大当たり判定用乱数取得」を実行する。
当該「大当たり判定用乱数取得」の結果、cカウンタの取得数値が「大当たり数値」である場合には、大当たり種別決定テーブル(図7参照)を用い、fカウンタの取得数値に対応した「大当たり」の種別を読み出す。さらに、大当たり時用の基本変動パターン決定テーブル(図6(b)参照)を用い、dカウンタの取得数値に対応した基本変動パターンを読み出す。一方、「大当たり判定用乱数取得」の結果、取得数値が「大当たり数値」以外の数値(「はずれ数値」)である場合には、基本変動パターン決定テーブル(図6(a)参照)を用い、dカウンタの取得数値に対応した基本変動パターンを読み出す。
そして、メインCPU32は、「大当たり判定用乱数取得」の結果(取得した乱数が「大当たり数値」であるか「はずれ数値」であるか)、「大当たり」の種類(「非確変大当たり」であるか「確変大当たり」であるか)、および読み出した基本変動パターン(特に、変動継続時間)の種類を示す情報を含んだ指令コマンドを作成するとともに、当該指令コマンドをサブ統合CPU42へと送信する。
サブ統合CPU42では、指令コマンドを受信すると、「大当たり判定用乱数取得」の結果に応じて最終的に確定表示する「装飾図柄」や仮停止表示させる「装飾図柄」を決定する(たとえば、乱数取得等の抽選を実行する)とともに、基本変動パターンに対応した詳細変動パターン(図柄表示態様)を読み出し、タイマ44により計時しながら、読み出した詳細変動パターンにしたがって図柄表示装置6における「装飾図柄」を変動表示させる。なお、図柄表示装置6において、受信した指令コマンドに対応した始動入賞より前の始動入賞に基づいた「装飾図柄」の変動表示が行われている場合には、その(あるいはそれらの)「装飾図柄」の変動表示が終了した後に、受信した指令コマンドに対応した始動入賞に基づく「装飾図柄」の変動表示を開始する。
また、サブ統合CPU42では、指令コマンドを受信すると、基本変動パターンに対応した音発生パターンを読み出し、タイマ44により計時しながら、図柄表示装置6における「装飾図柄」の変動表示(受信した指令コマンドに対応した始動入賞に基づく「装飾図柄」の変動表示)と同じタイミングで、読み出した音発生パターンにしたがってスピーカ14,14から効果音を発生させる。さらに、サブ統合CPU42では、指令コマンドを受信すると、基本変動パターンに対応した電飾発光パターンを読み出し、タイマ44により計時しながら、図柄表示装置6における「装飾図柄」の変動表示(受信した指令コマンドに対応した始動入賞に基づく「装飾図柄」の変動表示)と同じタイミングで、読み出した電飾発光パターンにしたがって電飾ランプ15,15・・等を発光させる。
一方、図柄表示装置6における「装飾図柄」の変動開始に合わせて、特別図柄表示器82においても「特別図柄」の変動を開始する。そして、「装飾図柄」および「特別図柄」の変動を開始してから、実行中の詳細変動パターンの変動時間の経過に伴い、「大当たり判定用乱数取得」の結果に応じた「装飾図柄」を図柄表示装置6に、「特別図柄」を特別図柄表示器82に、それぞれ確定表示する。すなわち、「大当たり判定用乱数取得」の結果が「大当たり数値」の取得であり、fカウンタが「非確変大当たり」に対応した数値を選択した場合には、図柄表示装置6に同一の「装飾図柄」を3つ並べた「大当たり装飾図柄」(たとえば「“2・2・2”」)を確定表示させ、特別図柄表示器82には「大当たり特別図柄(“7”)」を確定表示させる(図8参照)。
さらに、「大当たり判定用乱数取得」におけるcカウンタの数値取得結果が「大当たり数値」の取得であり、fカウンタが「確変大当たり」に対応した数値を選択した場合には、図柄表示装置6に同一の「装飾図柄」を3つ並べた「大当たり装飾図柄」の内の特定のもの(たとえば、「“7・7・7”」、以下、「特定大当たり装飾図柄」という)を確定表示させ、特別図柄表示器82には「大当たり特別図柄(“7”)」を確定表示させる(図8参照)。なお、「特定大当たり装飾図柄」以外の「大当たり装飾図柄」を「非特定大当たり装飾図柄」という。
一方、「大当たり判定用乱数取得」におけるcカウンタの数値取得結果が「はずれ数値」である場合には、図柄表示装置6に3つのうち少なくとも1つの「装飾図柄」が異なる「はずれ装飾図柄」(たとえば「“1・2・3”」)を確定表示させ、特別図柄表示器82には「はずれ特別図柄(“−”)」を確定表示させる(図8参照)。
そして、「大当たり判定用乱数取得」の結果として「通常大当たり」となった場合には、「装飾図柄」および「特別図柄」の確定表示後、大入賞装置18の扉部材を所定回数(たとえば、16回)にわたって断続的に開成させる「大当たり状態」を生起させる。なお、「大当たり状態」における大入賞装置18の扉部材の開成は、所定個数の遊技球が入賞するまで、あるいは、所定時間(約30秒)が経過するまで継続される。したがって、「大当たり状態」が生起した場合には、遊技者は、多くの賞品球を獲得することが可能となる。
また、「大当たり判定用乱数取得」の結果として「確変大当たり」となった場合には、「大当たり状態」の終了後に、「高確率状態」を生起させて、「大当たり判定用乱数取得」における「大当たり数値」の個数を増加し(たとえば、約10倍に増加し)、「当たり判定」における「当たり数値」の個数を増加する(たとえば、約10倍に増加する)とともに、「当たり図柄」、「装飾図柄」および「特別図柄」の変動時間を短縮する。そのため、したがって、「高確率状態」が生起した場合には、遊技者は、遊技球を浪費することなく、次回の「大当たり」を生起させることが可能となる。
また、「大当たり判定用乱数取得」の結果が「はずれ数値」の取得である場合には、「装飾図柄」および「特別図柄」の確定表示を実行し、「大当たり状態」を生起させることなく、始動入賞を契機とした「大当たり判定用乱数取得」を繰り返し実行する。
(4)パチンコ機の特徴部分の説明
パチンコ機1は、上記の如く、図柄表示装置6において「装飾図柄」の変動表示を実行し、下記(i),(ii)の場合には、図柄表示装置6の液晶表示画面において「揺動滑り演出」を実行する。
(i)「大当たり判定用乱数取得」におけるcカウンタの取得数値が「大当たり数値」であり、dカウンタの取得数値が基本変動パターンC,E,F,Gに対応したものである場合
(ii)「大当たり判定用乱数取得」におけるcカウンタの取得数値が「はずれ数値」であり、dカウンタの取得数値が基本変動パターンC,E,Fに対応したものである場合
「揺動滑り演出」には、1回のみのもの(「単発揺動滑り演出」)ものと、同様な演出表示を2回あるいは3回繰り返すもの(「連続揺動滑り演出」)とが存在する。単発の「揺動滑り演出」においては、まず、液晶表示画面において、「装飾図柄」の変動開始から所定の時間が経過した後、左変動表示領域22aにおいて上から下へスクロールしていた一連の「装飾図柄」の内の一つが左表示部位6aに停止する。しかる後、右変動表示領域22bにおいて上から下へスクロールしていた一連の「装飾図柄」の内の左表示部位6aに停止したものと同一のものが、一旦スクロール速度を遅くして(具体的には、約5cm/秒から約1cm/秒に減速して)上方から右表示部位6bにアプローチした後に、図10(a)の如く、右表示部位6bにおいて所定の時間(約2.0秒間)に亘って所定の方向(上下方向)に所定の周期(約5Hz)で振動する。しかる後、当該「装飾図柄」が、図10(b)の如く、再度、スクロール速度を増加させて(具体的には、約1cm/秒から約10cm/秒に増速して)スクロールする。そして、同一の「装飾図柄」が、図10(c)の如く、再度スクロール速度を遅くして(具体的には、約5cm/秒から約1cm/秒に減速して)上方から右表示部位6bにアプローチした後に右表示部位6bで停止する。
また、連続の「揺動滑り演出」においても、単発の「揺動滑り演出」と同様に、「装飾図柄」の内の一つが左表示部位6aに停止した後に、同一の「装飾図柄」が右表示部位6bにおいて所定の時間に亘って所定の態様で振動し、しかる後に、当該「装飾図柄」が、再度、スクロール速度を増加させてスクロールする。そして、連続2回の「揺動滑り演出」においては、再度スクロールを開始した「装飾図柄」(左表示部位6aに停止した「装飾図柄」と同じもの)が、再度、スクロール速度を遅くして上方から右表示部位6bにアプローチした後に、図10(a)の如く、右表示部位6bにおいて所定の時間に亘って所定の態様で振動し、しかる後、図10(b)の如く、再度、スクロール速度を増加させてスクロールする。そして、同一の「装飾図柄」が、図10(c)の如く、再度スクロール速度を遅くして上方から右表示部位6bにアプローチした後に右表示部位6bで停止する。一方、連続3回の「揺動滑り演出」においては、上記した“左表示部位6aへの「装飾図柄」の停止表示→同一の「装飾図柄」の右表示部位6bへのアプローチ→右表示部位6bでの振動→再度スクロール開始”という演出表示を3回繰り返した後に、同一の「装飾図柄」が、図10(c)の如く、再度スクロール速度を遅くして上方から右表示部位6bにアプローチした後に右表示部位6bで停止する。
加えて、「揺動滑り演出」が繰り返される毎に、図柄表示装置6の液晶表示画面において、「装飾図柄」と重畳して表示されていた「背景画像」生成用のレイヤー画像が変更され、当所白色であった「装飾図柄」の周囲の背景の色が、「揺動滑り演出」が繰り返される毎に、白色→青色→赤色と変化する。また、「揺動滑り演出」を実行しない基本変動パターンB,Dの中には、「揺動滑り演出」が実行されないにも拘わらず「揺動滑り演出」が実行されるかの如く演出するために、右変動表示領域22bにおいて上から下へスクロールしていた一連の「装飾図柄」の内の一つ(左表示部位6aに停止した「装飾図柄」と同じもの)が、一旦スクロール速度を遅くして上方から右表示部位6bにアプローチして右表示部位6bにおいて「揺動滑り演出」の態様と同じ態様で振動した後に、そのまま右表示部位6bに停止して「リーチ表示態様」を実行するものが含まれている。
上記の如く、「揺動滑り演出」を実行して、右表示部位6bの左右位置において上から下にスクロールしていた一連の「装飾図柄」の内の一つが右表示部位6bで停止した後には、中変動表示領域22cにおいて上から下にスクロールしていた一連の「装飾図柄」の内の一つが停止する。
パチンコ機1は、上記の如く、「装飾図柄」の変動表示の内の一部の場合に「揺動滑り演出」を実行し、その「装飾図柄」の変動表示の契機となった始動入賞に対応した「大当たり判定用乱数取得」におけるcカウンタの取得数値が「大当たり数値」であった場合には、その「装飾図柄」の変動表示の後に、上記した「大当たり状態」を生起させる。また、図6、図9の如く、その「装飾図柄」の変動の契機となった始動入賞に対応した「大当たり判定用乱数取得」におけるcカウンタの取得数値が「大当たり数値」であった場合であり、かつ、dカウンタの取得数値が基本変動パターンGに対応したものである場合にのみ、「揺動滑り演出」を3回繰り返す「連続揺動滑り演出」が実行される。
また、上記の如く、パチンコ機1における「大当たり」生起時にdカウンタによって各基本変動パターンが取得される確率(期待値)は、パターンC<パターンD<パターンE<パターンF<パターンGの順になっている。反対に、「はずれ」時にdカウンタによって各変動態様が抽選される確率(期待値)は、パターンA,B>パターンC>パターンD>パターンE>パターンFの順になっている。それゆえ、長期間に亘って遊技を継続した遊技者にとっては、「揺動滑り演出」が行われた後に、「リーチ表示態様」で「装飾図柄」の変動表示が実行された場合には、「揺動滑り演出」が行われることなく、「リーチ表示態様」で「装飾図柄」の変動表示が実行された場合よりも、高い確率で「大当たり状態」が生起すると感じるようになる。また、繰り返し回数が3回の「揺動滑り演出」が実行された場合には、必ず、「大当たり状態」が生起するように認識される。
(5)パチンコ機の効果
パチンコ機1は、上記の如く、左変動表示領域22aで左表示部位6aに「装飾図柄」を停止させた後に、右変動表示領域22bにおいて、「装飾図柄」を右表示部位6bで所定時間だけ左右あるいは上下に振動させ、停止させることなく、再度、その「装飾図柄」をスクロールさせる「揺動滑り演出」を実行するものであり、当該「揺動滑り演出」の内容が斬新であるので、趣向性が高く、長期間に亘って遊技者の遊技意欲を高く保持することができる。
また、パチンコ機1は、「装飾図柄}の変動表示の初期段階で「揺動滑り演出」が唐突に実行され、それが所定回数(3回)に亘って繰り返された場合には、遊技者にとって有利な大当たり状態が生起するので、遊技の内容がエキサイティングであり、きわめて長期間に亘って遊技者の遊技意欲を高く保持することができる。
さらに、パチンコ機1は、「揺動滑り演出」を実行する毎に、「装飾図柄」の変動表示における「背景画像」を変化させるため、遊技者の「大当たり」に対する期待感が高められるので、きわめて趣向性が高く、遊技者を飽きさせたりしない。
(6)パチンコ機の変更例
なお、本発明の遊技機の構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、図柄始動口、図柄表示装置(変動表示領域、表示部位)、大入賞装置、メイン制御基板、表示制御基板、発光制御基板、効果音制御基板、サブ統合基板等の形状・構造等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
たとえば、本発明の遊技機は、上記実施形態の如く、図柄表示装置の液晶画面に、複数の変動表示領域や表示部位を横方向に並べたものに限定されず、縦方向に並べたものに変更することも可能である。加えて、図柄表示装置の液晶画面に設ける変動表示領域や表示部位の個数は、上記実施形態の如き3個に限定されず、必要に応じて、適宜増減させることができる。
また、本発明の遊技機は、3個の変動表示領域や表示部位を横方向に並べたものとする場合には、上記実施形態の如く、左表示部位→右表示部位→中表示部位の順に図柄を停止させるものに限定されず、 左表示部位→中表示部位→右表示部位の順に図柄を停止させるものや、右表示部位→中表示部位→左表示部位の順図柄を停止させるもの等に変更することも可能である。さらに、本発明の遊技機は、3個の変動表示領域や表示部位を横方向に並べたものとする場合には、上記実施形態の如く、右側の変動表示領域においてのみ図柄の「揺動滑り演出」を実行するものに限定されず、中央の変動表示領域や左側の変動表示領域において図柄の「揺動滑り演出」を実行するものや、異なる複数の変動表示領域において「揺動滑り演出」を実行するものに変更することも可能である。
また、本発明の遊技機は、上記実施形態の如く、先に停止表示となった「装飾図型」と同じ図柄で「揺動滑り演出」を実施するものに限定されず、先に停止表示となった「装飾図型」と異なる図柄で「揺動滑り演出」を実施するものに変更することも可能である。
さらに、本発明の遊技機は、上記実施形態の如く、「揺動滑り演出」の最大繰り返し回数が3回であるものに限定されず、「揺動滑り演出」の最大繰り返し回数が2回以下であるものや4回以上であるものに変更することも可能である。
また、本発明の遊技機は、上記実施形態の如く、「揺動滑り演出」における「装飾図柄」の振動方向が上下方向であるものに限定されず、「揺動滑り演出」における「装飾図柄」の振動方向が左右方向であるもの等、「揺動滑り演出」において「装飾図柄」を上下以外の方向に振動させるものに変更することも可能である。加えて、本発明の遊技機は、上記実施形態の如く、「揺動滑り演出」における「装飾図柄」の振動周期が5Hzであるものに限定されず、「揺動滑り演出」において「装飾図柄」を振動させる周期を1〜10Hzの範囲内で必要に応じて適宜変更することができる。
加えて、本発明の遊技機は、上記実施形態の如く、「揺動滑り演出」を所定の回数だけ繰り返して実行した場合に「大当たり状態」を生起させるものに限定されず、「揺動滑り演出」を所定の回数だけ繰り返して実行した場合に「高確率状態」を生起させるものや、「揺動滑り演出」を所定の回数だけ繰り返して実行した場合に「装飾図柄」や「特別図柄」の変動時間を短縮させる「時短状態」を生起させるもの等に変更することも可能である。
一方、本発明の遊技機は、上記実施形態の如く、「揺動滑り演出」が繰り返される毎に「背景画像」(すなわち、図柄表示装置に表示される「装飾図柄」や「特別図柄」以外の画像)の全部を変化させるものに限定されず、「揺動滑り演出」が繰り返される毎に「背景画像」の一部を変化させるもの(たとえば、「揺動滑り演出」が繰り返される毎に所定のシンボルやキャラクター等を出現させるとともに、それらのシンボルやキャラクター等の色や形状を変化させるもの等)等に変更することも可能である。加えて、本発明の遊技機は、「揺動滑り演出」が繰り返される毎に電飾ランプの発光態様等を変化させるもの、「揺動滑り演出」が繰り返される毎にスピーカによる効果音の発生態様を変化させるもの等に変更することも可能である。
また、本発明の遊技機は、上記実施形態の如く、大当たり判定用の乱数取得手段と大当たり種別決定用の乱数取得手段とが別々に設けられているものに限定されず、単一の乱数取得手段によって「大当たり」の生起と当該「大当たり」の種別とを決定するもの等に変更することも可能である。
加えて、本発明の遊技機は、上記実施形態の如きパチンコ機ばかりでなく、スロットマシーン等の他の遊技機として応用することも可能である。
なお、上記実施形態においては、本発明の遊技機の一例を示したにすぎず、特許請求の範囲、明細書、図面に記載されたすべての構成要素(たとえば、制御装置、図柄表示装置、大入賞装置、始動入賞口等)は、明確な記載がない限り、特に個数が限定されるものではない。また、それらの構成要素を別体として構成するか、一体として構成するかは、当業者であれば容易に考え得る事項であるから、その違いのみによって、本発明の遊技機の技術的範囲から外れるものではない。すなわち、請求項、明細書および図面に記載される全ての要素(たとえば、制御装置、図柄表示装置、大入賞装置、始動入賞口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、それらの要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。したがって、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。たとえば、「〜装置」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。さらには、上記した全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくは一つの要素を複数の要素に分けて構成するかは、いずれも当業者であれば容易に考えられる事項である。したがって、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施例に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。