JP2014232691A - 燃料電池用ガス拡散体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】排水性に優れた固体高分子形燃料電池用ガス拡散体及びかかるガス拡散体を簡便に与え得る製造方法の提供。
【解決手段】ガス拡散体22は、表面から厚さ方向中心位置に向けて撥水剤の単位体積当たり量を増加させた撥水剤分布を有する。また、かかるガス拡散体22は、撥水剤の分散した液体を含浸させた多孔質基体を減圧下で少なくとも室温よりも高い第1温度まで加熱・保持する撥水剤分布固定ステップと、多孔質基体を第1温度よりも高い第2温度に加熱・保持する焼成ステップとを含む製造ステップで得られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池用のガス拡散体及びその製造方法に関し、特に、排水性に優れた固体高分子形燃料電池用ガス拡散体及びその製造方法に関する。
一般的な燃料電池では、水素及び酸素を電解質によって隔てられた負極(水素極)及び正極(空気極)にそれぞれ導きつつ連続反応させて、継続的に外部に電力を取り出すことを可能にしている。ここで正極では、電解質を通過してくる負極からの水素イオンと酸素とが反応して水を生成するが(以下、「生成水」と称する。)、比較的低温で運転される、例えば、固体高分子形燃料電池の如きでは、生成水が蒸発せずに滞留しいわゆる水詰まりを起こして電極における連続反応を阻害してしまう。一方、固体高分子形燃料電池に用いられる電解質は、水の存在下においてのみプロトン導電性を示すため、常に一定の水分を保持する湿潤状態に維持する必要もある。
ところで、固体高分子形燃料電池では、固体高分子からなる電解質膜の両側を触媒を担持させた電極触媒層で挟み込み、これをさらに両側からガス拡散層(GDL)及びセパレータで挟んだ電極積層体を構成している。このGDLなどには、上記したような水詰まりを防止しつつ湿潤状態に維持できるような撥水処理が施されて、水の排水性を高めている。例えば、所定の基体に撥水剤としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含浸させ、乾燥、焼成させて、PTFE層による撥水性を基体に付与したGDLが知られている。
例えば、特許文献1では、GDLの撥水処理について、昇華潜熱を利用した真空乾燥を適用することで、連通する気孔を閉塞させず高度にポーラス化した多孔質体としてGDLを得られることを開示している。詳細には、所定の導電性基体に少なくとも撥水剤と溶媒とを含むGDL用ペーストを塗工し、乾燥室内の被乾燥材用トレイ上にこれを載置する。乾燥室内を真空引きするとともに、冷媒供給手段から冷媒を供給してトレイ上の中間体を−20℃〜50℃程度の温度に維持したまま真空乾燥させる。更に、同じ乾燥室内で真空を維持したまま300℃〜400℃程度で中間体を焼成させると、撥水性を付与したGDLが得られるとしている。
また、GDLに撥水性を与えるにあたって、GDLの断面方向の撥水性に勾配を与えて、水の排水性を調整することも提案されている。
例えば、特許文献2では、電極触媒層側からセパレータ側に向かって撥水性を連続的に低くした固体高分子形燃料電池のGDLを開示している。撥水性が水の排出方向に沿って低下していることで、水の移動が容易になり、多孔質基体内に余剰な水分が滞留することを抑制できるとしている。かかる撥水性を与えたGDLは、粒子又はその凝集体のサイズの異なる少なくとも2種類のフッ素系樹脂撥水剤を分散させた塗布液を調製し、多孔質基体の電極触媒層を形成しようとする面側からこれを塗布し、焼成すると得られることも開示している。
更に、特許文献3では、乾燥工程において、多孔質基体の一方の面と他方の面とで異なる乾燥条件を与え、GDL内の撥水剤の濃度分布を制御する撥水性を与えたGDLの製造方法を開示している。例えば、多孔質基体の両面の温度に差を与えて乾燥させることで、撥水剤が乾燥状態の遅い方から乾燥状態の早い方に向かってマイグレーションし、撥水剤の濃度分布を生じ得る。なお、ここでは撥水剤の濃度を高くすることで、撥水性が高くなるとしている。
特開2009−9829号公報 特開2005−116338号公報 特開2008−300195号公報
上記したように、GDLの断面方向の撥水性の制御、つまり、GDLの断面方向の撥水剤分布を制御することで、電極触媒層で生成した水の排水性を高め得る。しかしながら、例えば、特許文献2でも述べられているように、GDLの多孔質基体としてのカーボンペーパーやカーボンクロスに撥水剤を含む液を含浸させると、撥水剤は三次元構造を持つ多孔質基体の繊維配列に沿って分布しようとする。また、多孔質基体の空隙の大きさに依存して撥水剤が分布し易いことも知られている。つまり、GDLの断面方向の撥水剤分布の制御は非常に煩雑であり困難なのである。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、排水性に優れた固体高分子形燃料電池用ガス拡散体及びかかるガス拡散体を簡便に与え得る製造方法の提供にある。
本発明による固体高分子形燃料電池用のガス拡散体は、表面から厚さ方向中心位置に向けて撥水剤の単位体積当たり量を増加させた撥水剤分布を有することを特徴とする。
かかる発明によれば、電極触媒層で生じた生成水をガス拡散体を介して外部に速やかに排出できるとともに、電極触媒層に一定の水分を保持させて固体高分子からなる電解質膜のプロトン導電性を維持できる。すなわち、固体高分子形燃料電池用のガス拡散体に必要とされる撥水性を得ることができる。
上記した発明において、前記撥水剤分布は、前記厚さ方向中心位置を挟んで前記撥水剤の単位体積当たり量の一定領域を有することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、固体高分子形燃料電池用のガス拡散体としての撥水性をより確実に高めることができるのである。
更に、本発明による固体高分子形燃料電池用のガス拡散体の製造方法は、撥水剤の分散した液体を含浸させた多孔質基体を減圧下で少なくとも室温よりも高い第1温度まで加熱・保持する撥水剤分布固定ステップと、前記多孔質基体を前記第1温度よりも高い第2温度に加熱・保持する焼成ステップと、を含み、前記多孔質基体にその表面から厚さ方向中心位置に向けて前記撥水剤の単位体積当たり量を増加させた撥水剤分布を与えることを特徴とする。
かかる発明によれば、電極触媒層で生じた生成水をガス拡散体を介して外部に速やかに排出できるとともに、電極触媒層に一定の水分を保持させて固体高分子からなる電解質膜のプロトン導電性を維持でき、固体高分子形燃料電池用のガス拡散体として必要とされる撥水性を有するガス拡散体を簡便に得ることができる。
上記した発明において、前記撥水剤分布は、前記厚さ方向中心位置を挟んで前記撥水剤の単位体積当たり量の一定領域を有することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、撥水性をより確実に高めた固体高分子形燃料電池用のガス拡散体であって、これを簡便に得ることができるのである。
上記した発明において、前記撥水剤分布固定ステップは、前記多孔質基体を減圧下に放置する均一化ステップを含み、前記第1温度まで加熱することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、固体高分子形燃料電池用のガス拡散体として必要とされる撥水性をより高めたガス拡散体を簡便な方法で得ることができるのである。
本発明によるガス拡散層を含む燃料電池の断面図である。 ガス拡散層の断面における撥水剤分布を示す図である。 燃料電池の電流密度−電圧の関係を示すグラフである。 本発明によるガス拡散層の製造工程を示す図である。
上記したように、固体高分子形燃料電池(PEFC)や固体高分子形水電解・燃料電池一体型セル(可逆セル)では、これに含まれるガス拡散層(GDL)に対して、電極触媒層で生じた生成水の排水を促すよう、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの主にフッ素系高分子樹脂により撥水性を与えている。本発明者は、ガス拡散層への撥水性の付与の仕方を鋭意研究し、排水性(耐フラッディング性)に優れるとともに必要な湿潤性(耐ドライアウト性)を確保でき、しかもこれを簡便に確実に得られるガス拡散層の構成を見出した。
以下に、本発明によるガス拡散層を含む1つの実施例としての燃料電池の構造について説明する。
図1に示すように、燃料電池1は固体高分子からなる電解質膜10を触媒を担持させた電極触媒層20で挟み、これをさらに両側からガス拡散層(GDL)22及びセパレータ24で挟み込んだ電極積層体を含む。電極触媒層20は、燃料電池としての化学反応、すなわち、
(アノード極) 2H2 → 4H++4e-
(カソード極) O2+4H++4e- → 2H2
を与える。ここで、アノード極で生成したHは、電解質膜10を透過してカソード極に供給されるとともに、電子e-が外部回路を通ってカソード極に供給されることで電池を構成するのである。
電解質膜10は、特に限定されるものではないが、例えば、スルホン酸基で官能基化されたフッ素化高分子のようなフッ素系高分子膜や、芳香族系高分子をスルホン化した非フッ素系高分子膜などを用い得る。これらは湿潤下でプロトン導電性を有する。一方、非湿潤下でもプロトン導電性を有する公知の膜であってもよい。この場合、後述する所定の撥水化処理されたガス拡散層22は、電極触媒層20で生じた生成水を速やかに排出する耐フラッディング性を主たる特徴とする。
電極触媒層20も、特に限定されるものではないが、多孔質の導電性材料に所定の触媒を担持させてなり、例えば、導電性カーボンに白金系ナノ粒子を担持させた板状体の如きである。
ガス拡散層(GDL)22は、三次元構造を持つ多孔質基体であって導電性を有する基体、例えば、カーボンペーパーやカーボンクロスの内部の気孔に沿って撥水剤を与えた多孔質板状体である。撥水剤は、特に限定されるものではないが、例えば、フルオロカーボン系ポリマーであって、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)などである。
ところで、三次元構造を持つ多孔質基体に液体を含浸させ大気中に放置すると、毛細管現象により多孔質基体の中央から液体が表面又は裏面近傍に向けて移動する。つまり、従来のガス拡散層中の撥水剤分布、すなわち、単位体積中の撥水剤の量分布は、図2(a)の分布101に示すように、厚さ方向中心位置Mの近傍で低く、表面(又は裏面)近傍で高くなる傾向にあった。なお、最表面(開口端部)では、多孔質基体から撥水剤が外部に排出されるため、その量が低くなる。このため、表面よりもわずかに厚さ方向中心位置M側に撥水剤の量分布のピークPが現れる。また、毛細管現象による撥水剤の移動に伴い、多孔質基体の内部では繊維配列に沿って撥水剤が移動するため、撥水剤分布が波を打つようになっている。
一方、本実施例によるガス拡散層22は、図2(b)の分布111に示すように、厚さ方向中心位置Mの近傍で高く、表面(又は裏面)近傍で低くなる撥水剤分布であって、ゆらぎの小さい撥水剤分布を有する。すなわち、単位体積中の撥水剤の量分布は、表面から厚さ方向中心位置Mに向けて単位体積当たり量を増加させたゆらぎの小さい分布を有する。また、図2(c)の分布113に示すように、撥水剤の単位体積当たり量を一定とした領域について厚さ方向中心位置Mを挟んで有していることが好ましい。なお、図2(b)及び(c)に示す分布111又は113であっても、最表面(開口端部)では、多孔質基体から撥水剤が外部に排出されてその量が低くなっているが、顕著な撥水剤の量分布のピークは現れない。かかるガス拡散層22は、後述するような製造方法で容易に得ることが可能である。
セパレータ24も、特に限定されるものではないが、ガス拡散層22を介して電極触媒層20へと導かれる反応ガスの流路24aを切削加工により複数与えた導電性の薄板であって、カーボン、金属、コンポジットなどからなる。
上記したような、表面(又は裏面)から厚さ方向中心位置Mに向けて撥水剤の単位体積当たり量を増加させた撥水剤分布を有するガス拡散層22により、電極触媒層20で生じた生成水を速やかに外部に排出できるのである。特に、撥水剤の単位体積当たり量を一定とした領域を厚さ方向中心位置Mを挟んで有するガス拡散層22により、電極触媒層20で生じた生成水をより速やかに外部に排出できる。また、ガス拡散層22の最表面の撥水剤量の低い領域により、わずかな保水性が生じる。故に、湿潤下でプロトン導電性を有する電解質膜10では、一定の湿潤下にこれを保つことができるのである。
図2(a)に示すような撥水剤分布101のガス拡散層を含む従来の燃料電池と、図2(b)(若しくは、図2(c))に示すような撥水剤分布111(又は、113)のガス拡散層22を含む燃料電池とを比較すると、図3に示すように、従来の燃料電池の電流密度−電圧曲線115に比較して、本実施例による燃料電池1の電流密度−電圧曲線117では、高い電流密度まで高いセル電圧を維持できること、すなわち、より高い電池効率を得られることを示している。
次に、上記した1つの実施例としてのガス拡散層(ガス拡散体)22の製造方法について図4に沿って説明する。
まず、水、又は、アルコールなどの溶媒に撥水剤を分散させた撥水剤分散液を調整する(S11)。撥水剤として好ましいものは上記した如きであって、典型的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。
導電性を有するカーボンや金属繊維からなる多孔質基体、例えばカーボンペーパー、カーボンクロス、チタン繊維不織布を用意し、撥水剤分散液を含浸させる(S12)。この方法としては、撥水剤分散液の貯槽に多孔質基体を浸漬させる方法、刷毛や筆で撥水剤分散液を塗布する方法、バーコータと称されるような塗布機械で撥水剤分散液を塗布する方法など、適宜選択し得る。なお、後述するように、撥水剤分散液を含浸後、大気中に放置することなく、なるべく早く基体を真空炉内に設置し真空引きすることが好ましく、典型的には、撥水剤分散液の貯槽に多孔質基体を浸漬させる方法である。
撥水剤分散液を含浸させた基体を真空炉中の加熱ステージ上に配置し、真空引きして減圧し、室温よりも高い温度に加熱しながら真空仮乾燥させる(S13)。かかるステップでは、基体に撥水剤分散液をゆらぎなく均一に分布させ得るが、このためには、減圧下で室温からゆっくりと昇温し、典型的には、溶媒を徐々にしかも確実に揮発させるよう、少なくとも室温よりも高い温度(第1温度)、好ましくは室温よりも十分に高い100℃程度の温度まで、20分以上をかけて昇温する。
なお、真空仮乾燥ステップにおいて、室温よりも高い温度(第1温度)に加熱するに先立って、基体を減圧下にしばらく放置することで、撥水剤分布を厚さ方向に沿ってより均一化できる(均一化ステップ)。これによれば、図2(c)の分布113に示すような、撥水剤の単位体積当たり量を一定とした領域について厚さ方向中心位置Mを挟んで有する撥水剤分布をより得やすくなるのである。
引き続き、真空炉中の加熱ステージ上にある基体を所定温度(第1温度)で所定時間だけ保持して真空加熱乾燥させる(S14)。かかる真空加熱乾燥ステップでは、基体に均一分布させた撥水剤分散液を固着させるが、このためには、上記した第1温度、すなわち、少なくとも室温よりも高い温度、好ましくは室温よりも十分に高い100℃程度で、十分に長い時間、典型的には、1時間程度保持する。
十分に乾燥させた基体を真空炉中の加熱ステージ上から取り出し、基体の表面及び裏面を刷毛などで拭き取る(S15)。これにより、基体の表面及び裏面にはき出された余分な撥水剤を取り去ることができる。なお、かかる表面処理ステップを省略することで、真空仮乾燥(S13)、真空加熱乾燥(S14)から後述する焼成(S16)までを同じ真空炉中で一貫工程により達成できるので、製造効率上好ましい。
再度、基体を真空炉中の加熱ステージ上に配置し、第1温度よりも高い第2温度まで加熱し、このまま保持して焼成させる(S16)。第2温度は、基体の内部の気孔に沿って撥水剤を確実に定着させるよう、撥水剤の熱分解温度より若干低い温度、典型的には、350℃程度で十分な時間だけ焼成する。
真空炉から基体を取り出すと、表面(又は裏面)から厚さ方向中心位置Mに向けて撥水剤の単位体積当たり量を増加させた撥水剤分布を有するガス拡散層(ガス拡散体)22を得ることができる。
上記した製造方法によれば、減圧下で室温よりも高い温度に加熱しながら真空仮乾燥(S13)、そしてこの温度で保持して真空加熱乾燥(S14)させることで、多孔質基体から外部へ撥水剤分散液が移動しようとする毛細管現象の影響を抑えつつ、上記した1つの実施例としてのガス拡散層(ガス拡散体)22を得られるのである。すなわち、図2(b)又は(c)に示すように、表面又は裏面から厚さ方向中心位置Mに向けて撥水剤の単位体積当たり量を増加させた撥水剤分布111又は113を有するガス拡散層(ガス拡散体)22を得られる。
なお、ガス拡散層(ガス拡散体)22に付加的に与えられる層、例えば、マイクロポーラス層などを与える場合にあっても、ガス拡散層(ガス拡散体)22の断面方向における撥水剤分布は、図2(b)(若しくは、図2(c))に示すような撥水剤分布111(又は、113)であることが好ましい。かかる場合にあっても、上記した同様の製造方法によって撥水剤分布を得ることが可能である。
以上、本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
1 燃料電池
10 電解質膜
20 電極触媒層
22 ガス拡散層(GDL)
24 セパレータ

Claims (5)

  1. 固体高分子形燃料電池用のガス拡散体であって、表面から厚さ方向中心位置に向けて撥水剤の単位体積当たり量を増加させた撥水剤分布を有することを特徴とする燃料電池用ガス拡散体。
  2. 前記撥水剤分布は、前記厚さ方向中心位置を挟んで前記撥水剤の単位体積当たり量の一定領域を有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池用ガス拡散体。
  3. 固体高分子形燃料電池用のガス拡散体の製造方法であって、
    撥水剤の分散した液体を含浸させた多孔質基体を減圧下で少なくとも室温よりも高い第1温度まで加熱・保持する撥水剤分布固定ステップと、
    前記多孔質基体を前記第1温度よりも高い第2温度に加熱・保持する焼成ステップと、を含み、
    前記多孔質基体にその表面から厚さ方向中心位置に向けて前記撥水剤の単位体積当たり量を増加させた撥水剤分布を与えることを特徴とする燃料電池用ガス拡散体の製造方法。
  4. 前記撥水剤分布は、前記厚さ方向中心位置を挟んで前記撥水剤の単位体積当たり量の一定領域を有することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池用ガス拡散体の製造方法。
  5. 前記撥水剤分布固定ステップは、前記多孔質基体を減圧下に放置する均一化ステップを含み、前記第1温度まで加熱することを特徴とする請求項4記載の燃料電池用ガス拡散体の製造方法。
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