JP2014231727A - 回転施工用の固定要素固着用樹脂カプセル - Google Patents

回転施工用の固定要素固着用樹脂カプセル Download PDF

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【課題】固定要素埋設用の穴を小さくして作業効率を改善しても、打撃を伴わない回転施工のみで高い固着力を有し、且つ環境に優しい回転施工用の固定要素固着用樹脂カプセルを提供する。【解決手段】回転により粉砕可能なガラス製の円筒型容器2内に、ラジカル硬化型樹脂の主剤組成物3と、骨材5とが収容され、且つラジカル硬化型樹脂の硬化剤4が、主剤組成物3と隔離された状態で収容されている。骨材5が珪砂であり、ラジカル硬化型樹脂はスチレンを含有しない。容器2の外径は、固定要素の直径に対して1.02倍以下であり、主剤組成物の体積量が、穴内に埋め込まれた部分の固定要素の体積に対して30〜50%であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリートなどの母材に、アンカーボルト等の固定要素を後付けする際に使用する、ラジカル硬化型樹脂主剤を封入した固定要素固着剤カプセルに関し、特に、打撃を伴わない回転施工によって施工可能な、回転施工用の固定要素固着用樹脂カプセルに関する。
一般的に、コンクリート壁などにアンカーボルト、アンカー筋、インサート金物等の固定要素を固着するには、次のような方法が行われている。先ず、ドリルによリコンクリート等の母材に所定の穴を穿設して、該穴内に樹脂(固着剤)入りのカプセルを挿入する。その後、固定要素を埋め込み機で打撃を加えつつ回転させながら埋め込むことで樹脂カプセルを破壊して、穴内に固着剤の流出と硬化を生じさせることにより、固定要素を穴に固着する。
このような固定要素固着用の樹脂カプセルは、ガラス製あるいは合成樹脂製の円筒型容器に、ラジカル硬化型樹脂の主剤組成物と硬化剤とが互いに隔離された状態で封入されている。そして、固定要素の埋め込みの際に容器が破壊されることにより、ラジカル硬化型樹脂の主剤組成物と硬化剤とが混合されることで、硬化が進行し固定要素を固着するようになっている。
しかしながら、このような樹脂カプセルにおいては、回転・打撃により固定要素の埋設を行うものが一般的であり、打撃時に騒音・振動が発生するという問題があった。特に、居住区域での施工では大きな問題となり、施工できる時間や期間が制限されるという問題があった。
そこで、本出願人は、施工時の騒音レベルを低下させることのできる回転施工用の固定要素固着用樹脂カプセルとして、下記特許文献1を提案している。特許文献1では、回転により粉砕可能なガラス製の円筒型容器内に、ラジカル硬化型樹脂の主剤組成物と、骨材とが収容され、且つラジカル硬化型樹脂の硬化剤が、主剤組成物と隔離された状態で収容されている。そのうえで、主剤組成物の粘度やチキソトロピー係数を調整することで、打撃を伴わず回転施工可能としている。ここでのラジカル硬化型樹脂としては、スチレンモノマーを含有する、エポキシアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、アクリルウレタン樹脂、又は不飽和ポリエステル樹脂を使用可能としている。また、骨材としては、ガラス、セラミック、珪石、石英等の無機骨材や硬質塩化ビニルのような硬質プラスチック製の有機骨材を使用可能としている。
特開2003−56074号公報
特許文献1では、打撃を伴わず施工可能とすることで、施工時の騒音レベルを低下させることができる。しかしながら、骨材としてガラスやセラミックなど硬質なものを使用しているので、回転施工のみでは材料の混合性に課題を有する。しかも、ラジカル硬化型樹脂としてスチレンを含有する樹脂を使用しているため、環境問題も有する。
ところで、この種の固着剤を実際に使用する際のコンクリート等に穿設する穴は、径が小さい程早く作業を行うことができ、さらに作業者への労力が低減できる。しかしながら、埋設用の穴径を小さくすると、固定要素と穴との隙間が小さくなり、固着剤による抵抗力が上昇することで、従来よりも固定要素の埋め込み力が必要となる。これに対し、特許文献1では固定要素の体積に対する固着剤の量については特に着目していないので、穴の直径を小さくした場合、そのままでは打撃を伴わない回転施工のみでは的確に埋め込めず、仮に回転施工のみで施工しても固着力が低下してしまう。
この問題を解決するには、単純には埋設用の穴径を小さくすることに伴い、樹脂カプセルの直径も小さくすればよい。しかしながら、樹脂カプセルの直径を小さくすると、コンクリート等の母材との付着面積が減少したり、固着剤量が少なくなるので、固定要素の固着力(アンカー強度)も低下してしまう。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、その目的は、固定要素埋設用の穴を小さくすることで作業スピードと作業者の労力を改善しても、打撃を伴わない回転施工のみで高い固着力を有する回転施工用の固定要素固着用樹脂カプセルを提供することにある。
そのための手段として、本発明は、回転により粉砕可能なガラス製の円筒型容器内に、ラジカル硬化型樹脂の主剤組成物と、骨材とが収容され、且つ前記ラジカル硬化型樹脂の硬化剤が、前記主剤組成物と隔離された状態で収容されている、回転施工用の固定要素固着用樹脂カプセルであって、前記骨材を珪砂としている。そして、前記容器の外径が、固定要素の直径に対して1.02倍以下であり、前記主剤組成物の体積量が、コンクリート等の母材に穿設された穴内に埋め込まれた部分の固定要素の体積に対して、30〜50%であることを特徴とする。
前記ラジカル硬化型樹脂としては、スチレンを含有しないラジカル硬化型樹脂が好ましい。具体的には、それぞれスチレンを含有しない、アクリル変性ビニルエステル樹脂、ウレタン変性ビニルエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、アクリル樹脂、又は不飽和ポリエステル樹脂を使用できる。
本発明では、骨材として珪砂を使用しているので樹脂との混練性が向上し、回転施工のみによっても固着力が向上する。なお、この種の固定要素固着用樹脂カプセルでは、骨材として珪砂を使用することは公知であるが、ガラスやセラミックなど種々ある骨材の中でも珪砂が混練性に優れることが記載された文献は存在しない。
また、本発明では、容器(樹脂カプセル)の直径を従来よりも細くしている。具体的には、固定要素の直径に対して1.02倍以下(従来の樹脂カプセルでは、一般的に固定要素の直径に対して1.03倍以上)と細くしている。これにより、コンクリート等の母材に穿設する固定要素埋設用の穴の直径も小さくすることができ、延いては作業スピード及び作業員の労力を改善することができる。
しかし、そのままでは回転施工時の樹脂抵抗が上昇すると共に、コンクリート等の母材との付着面積が減少したり固着剤量が減少することで、充分な固着力が得られないおそれがある。そこで、容器内に収容される主剤組成物の体積量を、穴内に埋め込まれた部分の固定要素の体積に対して30〜50%に調整していることで、回転施工のみによっても円滑に埋め込むことができ、優れた固着力(アンカー強度)を得ることができる。
また、ラジカル硬化型樹脂としてノンスチレン樹脂を使用していれば、環境問題の一因であるVOCの発生を抑制することができる。
なお、本発明の固定要素固着用樹脂カプセルは、回転施工のみによっても高い固着力(アンカー強度)を担保できる回転施工用として開発されたものであるが、騒音問題の生じない作業現場では回転打撃による施工を否定するものではない。
固定要素固着用樹脂カプセルの断面図である。
以下に、本発明について詳しく説明する。図1に示すように、本発明の固定要素固着用樹脂カプセル(以下、単に樹脂カプセルと称す)1は、容器2と、当該容器2内に封止収容されるラジカル硬化型樹脂の主剤組成物3と、硬化剤4と、骨材5とを備えており、主剤組成物3と硬化剤4とは、両者が接触して反応しないよう互いに隔離された状態で収容されている。
容器2は有底筒状の円筒型容器であり、保管のために一定の剛性(保形性)を有する一方、回転によって粉砕可能なガラス製となっている。容器2をガラス製としていれば、樹脂製容器よりも内部に封入したラジカル硬化型樹脂の透過性が低いため、長期保存にも適している。容器2の長さは、70〜200mm程度が一般的である。容器2の開口は、ポリエチレン製のキャップ6によって封止されている。
そのうえで、容器2の直径を、固定要素の直径に対して1.02倍以下、好ましくは1.00倍以下、より好ましくは0.98倍以下とする。これにより、コンクリート等の母材に穿設する固定要素埋設用の穴の直径を従来よりも小さくすることができる。これに対し容器2の直径が1.03倍以上であると、母材に穿設する固定要素埋設用の穴径を小さくした場合に固定要素と穴との隙間が小さくなり、固着剤による抵抗力が上昇することで従来よりも固定要素の埋め込み力が必要となるので、固定要素埋設用の穴径を小さくして作業効率を向上することができなくなる。容器2の直径の下限は特に限定されないが、後述の樹脂量との関係から、固定要素の直径に対して0.85倍以上、好ましくは0.90倍以上とすればよい。
ラジカル硬化型樹脂としては特に制限はなく、基本的にはこの種の樹脂カプセルにおいて従来から使用されている公知のものを全て使用できる。具体的には、エポキシアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、アクリルウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらのラジカル硬化型樹脂には、反応性モノマーを混合して使用することもできる。
中でも、環境負荷の低いノンスチレンタイプの樹脂を使用することが好ましい。具体的には、それぞれスチレンモノマーを含有しない、アクリル変性ビニルエステル樹脂、ウレタン変性ビニルエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、アクリル樹脂、又は不飽和ポリエステル樹脂を使用することが好ましい。特に、アクリル変性ビニルエステル樹脂が好ましい。当該アクリル変性ビニルエステル樹脂は、他の樹脂よりも固着力が高く、且つポリエチレン製キャップに対する透過率が低いため、長期保存も可能となる。なお、ラジカル硬化型樹脂の主剤組成物とは、硬化剤以外の未硬化の樹脂成分全般を意味する。
これらのラジカル硬化型樹脂は、重合性モノマーを含有するものであるが、本発明では、スチレン系以外のモノマーが好ましい。具体的には(メタ)アクリルモノマーを使用する。重合性モノマーである(メタ)アクリルモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混用しても良い。
(メタ)アクリルモノマーは、主剤組成物3の全量基準で10〜80重量%含有することが好ましく、より好ましくは20〜60重量%である。アクリルモノマーの含有量が10重量%未満では、ラジカル硬化型樹脂の重合度が不足し、固着力が低下する。一方、80重量%を超えても固着力に大差なく、コストの無駄となる。
また、主剤組成物3には、本発明の効果を阻害しない範囲(例えば、主剤組成物3の全量基準で0.01〜5重量%程度)で、必要に応じてチキソトロピー化剤、エステル化触媒、重合禁止剤、ラジカル発生剤、硬化促進剤、着色剤、顔料、紫外線吸収剤、界面活性剤等の添加剤を添加、混合することができる。
チキソトロピー化剤としては、微粉シリカ、無粉アルミナ、タルク、石綿、及びコロイド性含水ケイ酸アルミニウム有機複合体、ベントナイト、ヒマシ油誘導体等がある。
エステル化触媒としては、通常使用される触媒を用いることができ、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリブチルアミン等の三級アミン;トリメチルベンジルアンモニウム等の四級アンモニウム塩;塩化リチウム、塩化クロム等の無機塩;2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;テトラフェニルホスフォニウムブロマイド、テトラメチルホスフォニウムクロライド、ジエチルフェニルプロピルホスフォニウムクロライド、トリエチルフェニルホスフォニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスフォニウムクロライド、ジベンジルエチルメチルホスフォニウムクロライド、ベンジルメチルジフェニルホスフォニウムクロライド等のホスフォニウム塩;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン等のホスフィン類;テトラブチル尿素;トリフェニルスチビン等が挙げられる。これら触媒は、1種類のみを用いてもよく、また、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。
重合禁止剤としては、エポキシ化反応による生成物や不飽和一塩基酸の重合反応を抑制することができるものであればよく、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、ベンゾキノン、カテコール、ナフテン酸銅、銅粉等を用いることができる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混用しても良い。
ラジカル発生剤としては、有機過酸化物やアゾ化合物を使用できる。有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアリルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートが挙げられる。具体例としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,3−イソプロピルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスカルボンアミドなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混用しても良い。
硬化促進剤としては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−P−トルイジン、N,N−ジヒドロキシプロピル−P−トルイジン、N,N−ジヒドロキシプロピル−P−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチル−P−トルイジン等の芳香族アニリン類、ナフテン酸コバルト等の金属石鹸類、バナジルアセチルアセトネート等のキレート化合物等が挙げられる。これら硬化促進剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を混用することもできる。
骨材5は、回転施工する際の回転抵抗を調整するものである。当該骨材5としては、珪砂を用いる。これによれば、従来から一般的に使用されていたその他の骨材よりも樹脂材料との混練性が高くなり、結果として固着力が向上する。珪砂としては、花崗岩や珪岩の風化により得られた天然物でもよいし、珪石を粉砕した人工珪砂でもよい。骨材5の含有量は、主剤組成物3の重量に対して20〜80重量%程度とすればよく、好ましくは40〜60重量%とする。骨材5の含有量が20重量%未満では、固定要素に対する回転抵抗が小さすぎ、80重量%を超えると回転抵抗が大きくなりすぎるからである。
硬化剤4は、主剤組成物3との接触が回避される隔壁7を備えた状態で収容されている。具体的には、主剤組成物3との反応性の無い中空筒状の隔離容器に充填された状態で収容したり、ラジカル硬化型樹脂の硬化膜によって包まれた状態で収容することもできる。硬化剤4としては、例えば、キュメンパーオキサイド等のハイドロオキサイド類、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、過酸化ベンゾイル等のジアシルパーオキサイド類、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、ビスー(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシケタール類、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル類等の有機過酸化物、及びこれらの有機過酸化物をフタル酸ジシクロヘキシル等の有機物や、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等の無機物で希釈したものも使用できる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混用しても良い。
硬化剤の希釈剤としては、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム等の無機物、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、シリコーンオイル、流動パラフィン重合性モノマー、水等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混用しても良い。
硬化剤4は、主剤組成物3の重量に対して1〜70重量%収容することが好ましい。1重量%未満であると、硬化剤が少なすぎて充分なラジカル硬化型樹脂の硬化状態が得られ難いからであり、70重量%を超えると、硬化成形体の成形性や強度に問題が生じ易くなるからである。硬化剤4の収容量は、好ましくは主剤組成物3の重量に対して3〜30重量%であり、より好ましくは5〜10重量%である。
また、硬化剤4にも、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じてチキソトロピー化剤、希釈剤、可塑剤等の添加剤を添加混合することができる。
本発明の樹脂カプセル1によれば、打撃を伴わない回転施工により、低騒音、すなわち、低い騒音レベルと短い騒音発生時間とを容易に得ることができる。このため、従来と異なり、騒音のために施工時間帯、施工時期、施工場所を制限されることがなく、近隣の居住者や施工を実施する居住者に対する騒音の影響を回避しつつ、固定要素の固着作業や、耐震構造部材の施工を実施することができる。
例えば、出力が好ましくは600W以下の打撃を伴わない回転施工用の回転工具を用いて施工することにより、騒音を60dB以下に抑制できる。また、回転施工時間を従よりも短縮することができ、実際には10秒程度で行うことができる。このような騒音低減効果は、固定要素のうち、特にアンカー筋寸法が外径16mm〜22mm程度のものについて顕著に発揮される。これらのサイズは、耐震構造付加工事に使用されるのに適したアンカー筋のサイズである。なお、騒音は、JIS C1502に適合する騒音レベル計を、JIS Z8731に規定される条件に準じて測定することができる。なお、騒音問題の生じない作業現場であれば回転打撃によって施工することも可能である。
そのうえで、容器2(樹脂カプセル1)内に収容する主剤組成物3の体積量は、コンクリート等の母材に穿設された固定要素埋設用の穴内に埋め込まれた部分の固定要素の体積に対して、30〜50%となるように調整する。主剤組成物3の収容量(体積量)が固定要素の体積に対して30%未満では、絶対的な樹脂量が不足して高い固着力が得られない。一方、50%を超えると、固定要素埋め込み施工時の樹脂抵抗が上昇することで、打撃を伴わない回転施工のみでは的確に埋め込むことが出来ず、仮に回転施工のみにより行えば、固着力が低下する。
表1に示す外形寸法の、一方が封止された円筒型ガラス容器に、表1に示すスチレンを含まない未硬化の樹脂組成物を表1に示す量充填し、ガラス管に隔離収容された、過酸化ベンゾイル0.8gを含有する硬化剤管を挿填し、さらに適度な粒度の天然硅砂を11.5g充填して、ポリエチレン製のキャップにてシールし、固定要素固着用樹脂カプセルを得た。
これらを用いて、コンクリートに表1に示す大きさの穴をコンクリートドリルにて穿孔し、孔内を清掃後、各樹脂カプセルを穴内に挿填し、回転ドリルにて、表1に示す直径のアンカー筋を回転のみで穴底まで埋め込んだ。その際のアンカー筋を穴底まで埋め込むために要した時間を表1に示す。
アンカー埋め込み完了後、24時間の硬化養生を行なってからアンカーの引抜強度を測定した。その結果と共に、固着剤の付着強度及び破壊パターンも表1に示す。
Figure 2014231727
表1の結果から、容器(樹脂カプセル)の外径が、固定要素の直径に対して1.02倍以下であり、且つ主剤組成物の体積量が母材に穿設された穴内に埋め込まれた部分の固定要素の体積に対して30〜50%である実施例1〜実施例12では、施工時間が短く良好な固着力も有することが確認された。特に、直径24mmの太いアンカー筋を使用した実施例12と比較例3とを比較すると、実施例12は埋設用の穴の直径を小さくしていることで、施工時間を短縮できている。また、回転施工のみの実施例1〜12でも、従来と同様の回転打撃によって施工した参考例と同等の固着力(アンカー筋強度)を備えていた。
これに対し、比較例1では主剤組成物の体積量が穴内に埋め込まれた部分の固定要素の体積に対して50%を超えているため、また比較例2では容器(樹脂カプセル)の外径が固定要素の直径に対して1.02倍を超えているため、アンカー強度が低かった。
1 樹脂カプセル
2 容器
3 主剤組成物
4 硬化剤
5 骨材

Claims (3)

  1. 回転により粉砕可能なガラス製の円筒型容器内に、ラジカル硬化型樹脂の主剤組成物と、骨材とが収容され、且つ前記ラジカル硬化型樹脂の硬化剤が、前記主剤組成物と隔離された状態で収容されている、回転施工用の固定要素固着用樹脂カプセルであって、
    前記骨材が珪砂であり、
    前記容器の外径が、固定要素の直径に対して1.02倍以下であり、
    前記主剤組成物の体積量が、コンクリート等の母材に穿設された穴内に埋め込まれた部分の固定要素の体積に対して30〜50%であることを特徴とする、回転施工用の固定要素固着用樹脂カプセル。
  2. 前記ラジカル硬化型樹脂が、スチレンを含有しないラジカル硬化型樹脂である、請求項1に記載の回転施工用の固定要素固着用樹脂カプセル。
  3. 前記ラジカル硬化型樹脂が、アクリル変性ビニルエステル樹脂、ウレタン変性ビニルエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、アクリル樹脂、又は不飽和ポリエステル樹脂である、請求項2に記載の回転施工用の固定要素固着用樹脂カプセル。

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