JP2014231596A - 縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤を用いた分子量の制御されたポリマーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】臭気や腐食性、吸湿性の問題がなく、環境にやさしい新しいタイプの重合制御剤を用いて分子量の制御されたポリマーの製造法の提供。
【解決手段】下式(1)で表される縮合多環芳香族骨格を有するキノン系化合物である重合制御剤の存在下、ラジカル重合開始剤を用いて、(メタ)アクリル酸系,(メタ)アクリル酸エステル系及びスチレン系のラジカル重合性化合物を溶媒に溶解させてラジカル重合する分子量の制御されたポリマーの製造法。

【選択図】なし

Description

本発明は、分子量の制御されたポリマーを得るためにラジカル重合性化合物に適用可能な縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤を用いたポリマーの製造方法に関するものである。
ラジカル重合性化合物は、合成樹脂の原料として工業的に広範に利用されている有機化合物であり、このようなラジカル重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、及びそれらのエステル、スチレン系化合物等の多種の化合物が知られている。
これらラジカル重合性化合物の重合過程において、目的とする用途に応じて生成ポリマーの分子量を調節することは有益である。特に、コーティング剤、接着剤、粘着剤、紙力増強剤、バインダー、レジストなどの用途に用いるとき、分子量調整は重要な技術となっている。
ラジカル重合性化合物の重合反応において分子量を調整する技術としては種々あるが、重合系へ重合制御剤を添加する方法が良く用いられる。この重合制御剤としては、従来はおもに四塩化炭素に代表されるハロゲン化炭化水素、t−あるいはn−ドデシルメルカプタンに代表されるアルキルメルカプタン化合物あるいはスルフィド化合物などが使用されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
例えば、塗料、接着剤やシーリング材などの用途に、低分子量のアクリルポリマーなどが多く用いられてきているが、このような低分子量のアクリルポリマーを製造する場合には、重合制御剤としてのメルカプタン化合物が用いられる(例えば、特許文献4〜6参照。)。
また、スチレンの重合においては、平均分子量や分子量分布、メルトフローインデックスなどを調整するためメルカプタン系の重合制御剤が添加されている(例えば、特許文献7、8参照。)。
また、複写機やプリンターに用いられる重合トナーの製造において、スチレン系モノマーとアクリル系モノマーの重合の際、低分子量化とシャープな分子量分布を得るために、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノールなどのメルカプタン系あるいは四塩化炭素、トリクロロブロモメタン等のハロゲン系の重合制御剤が用いられている(例えば、特許文献9、10、11参照。)。
更に又、平板印刷用レジストやプリント基板のレジストにおいては、露光により硬化した部分の耐水性や皮膜強度が必要となるため、重合制御剤による重合状態の調整が必要となる(特許文献12参照。)。
一方、重合制御剤は上記のように分子量を調整するだけでなく、一般にその反応機構から、ポリマー末端に自らの残基を付与することも知られている(例えば、非特許文献1〜3参照。)。そのことを利用して、官能基を有した重合制御剤を用いることにより、ポリマー末端に官能基を付与する手法も提案されている(例えば、特許文献13、14、非特許文献4、5参照。)。
又、一方、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する化合物はキノン骨格を有している。このようなキノン骨格を有する化合物が、重合禁止剤として用いられた例はいくつか認められる。例えば、ベンゾキノンが重合禁止剤として用いられるという例が知られている(特許文献15参照。)。しかし、このベンゾキノンは、重合禁止剤として用いられているものであり、ポリマーの分子量等を制御するという意味での重合制御剤として用いられているものではない。また、重合制御剤としての効果についての示唆もない。
特開2009−522411号公報 特開2008−519137号公報 特開平9−118841号公報 特公昭58−455号公報 特開昭55−5950号公報 特公昭46−40693号公報 特開2002−241413号公報 特開2009−197105号公報 特開平7−330912号公報 特開2004−224840号公報 特開2010-197954号公報 特開2006‐91479号公報 特公昭57−10850号公報 特開2010−222285号公報 特表2001−514280号公報
ジー・オーディアン(G.Odian)著、プリンシプルズ・オブ・ポリメリゼーション(Principles of Polymerization)、第4版、2004年、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)、ニューヨーク(New York)、238頁 大津隆行著「高分子合成の化学」(化学同人、1979)93頁 蒲池幹治編「ラジカル重合ハンドブック」(NTS、2010)47頁 田中斎文、西田 治男、遠藤 剛、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、2009年、第42巻、293−298頁 小川哲夫、塗料の研究(関西ペイント)、No.137、Oct、2001年、11頁
従来より用いられている重合制御剤、例えばハロゲン化炭化水素、中でも四塩化炭素は、地球のオゾン層を破壊するなど環境上の問題があり、アルキルメルカプタンやスルフィドは臭気が強く取扱い上問題があるうえ、樹脂に臭気が残るという問題があった。また、これらチオール系重合制御剤では、エン・チオール反応が貯蔵中に発生するため、硬化性組成物の粘度上昇やゲル化が起こるという貯蔵安定性が劣るという問題もある。更に又、これらチオール系重合制御剤では、硫黄含有ガスを発生し、重合体から脱離し金属を腐食させるという問題もある。
また、これらの重合制御剤を用いた場合、当然に重合末端に硫黄などが取り込まれることとなり、容器等を腐食させ、樹脂が吸湿性となり、さらに樹脂を廃棄処理するときに環境問題となる。一方、アルファメチルスチレンダイマーは、環境上の問題は少なく、広く使用されているが、依然として臭気を有するという問題がある。
また、重合制御剤が成長ポリマー末端に付加し連鎖移動することが知られており、そのことを利用して末端に官能基を有するポリマーを製造することも提案されている(例えば、特許文献11、12、非特許文献4、5参照。)。しかしながら、それらの重合制御剤はいずれも上記のハロゲン化炭化水素、アルキルメルカプタン、アルファメチルスチレンダイマーの誘導体であり、上述の欠点をそのまま有していると言わざるをえない。
よって、本発明は、臭気や腐食性、吸湿性の問題がなく、環境にやさしい新しいタイプの重合制御剤を用いて分子量の制御されたポリマーの製造法を提供することにある。
そこで、本発明者らは、前記課題を解決するため、ラジカル重合性化合物の重合制御剤につき鋭意検討した結果、縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤の存在下、ラジカル重合開始剤を用いて、ラジカル重合性化合物を溶媒に溶解させてラジカル重合することによって分子量の制御されたポリマーを製造できることを見出し、本発明を完成した。
第一の発明は、下記一般式(1)で表される縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤の存在下、ラジカル重合開始剤を用いて、ラジカル重合性化合物を溶媒に溶解させてラジカル重合することを特徴とする、分子量の制御されたポリマーの製造法に存する。
((1)式中、nは1から4の整数を表し、Rはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子を表し、X及びYはそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、又はハロゲン原子を表すが、X及びYは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の6員環を形成してもよい。このXとYによって形成される6員環はさらにアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子が置換していてもよい。)
第二の発明は、上記一般式(1)において、nが4であり、Rが水素原子であり、X及びYが水素原子であることを特徴とする、第一の発明に記載の分子量の制御されたポリマーの製造法に存する。
第三の発明は、ラジカル重合性化合物とラジカル重合開始剤を含有する溶媒に、ラジカル重合開始剤と重合制御剤を連続又は逐次添加して重合することを特徴とする、第一の発明に記載の分子量の制御されたポリマーの製造法に存する。
第四の発明は、反応液中の重合制御剤の濃度を100質量ppm以上、1000質量ppm以下となるように重合制御剤とラジカル重合開始剤を連続又は逐次添加して重合することを特徴とする、第三の発明に記載の分子量の制御されたポリマーの製造法に存する。
第五の発明は、ラジカル重合開始剤が、熱ラジカル重合開始剤である第一乃至第四の発明のいずれか一つに記載の分子量の制御されたポリマーの製造法に存する。
第六の発明は、ラジカル重合性化合物が、少なくとも(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル又はスチレンを含むものである第一乃至第五の発明のいずれか一つに記載の分子量の制御されたポリマーの製造法に存する。
本発明において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを表す。
本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤を用いたポリマーの製造法によれば、分子量の制御されたポリマーを合成することができる。
[重合制御剤]
本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤は、一般式(1)で表される。
((1)式中、nは1から4の整数を表し、Rはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子を表し、X及びYはそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子を表すが、X及びYは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の6員環を形成してもよい。このXとYによって形成される6員環はさらにアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子が置換していてもよい。)
一般式(1)において、X及びYが、互いに結合して不飽和の6員環を形成している場合の化合物として、下記一般式(2)の化合物が挙げられる。
((2)式中、nは1から4の整数を表し、Rはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子を表し、Qは水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表す。)
一般式(1)において、X及びYが、互いに結合して飽和の6員環を形成している場合の化合物として、下記一般式(3)の化合物が挙げられる。
((3)式中、nは1から4の整数を表し、Rはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子を表し、Qは水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表す。)
一般式(1)乃至(3)において、Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、p−トリル基、o−トリル基、ナフチル基等が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、トリロキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、よう素が挙げられる。
一般式(2)及び(3)において、Qで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基等が挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、よう素が挙げられる。
一般式(1)における、X及びYで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、2−エチルヘキシル基、4−メチルペンチル基、4−メチル−3−ペンテニル基等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基等が挙げられ、ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、よう素が挙げられる。
一般式(1)において、XとYが互いに結合している例としては、X及びYがCHCH基であり、X及びYが一重結合で結合しているもの、この化合物は、一般式(3)で表される。X及びYがCHCH基であり、X及びYが二重結合で結合しているもの、この化合物は、一般式(2)で表される。X及びYがCH=CH基であり、X及びYが一重結合で結合しており芳香環を形成しているものなどが挙げられる。XとYによって形成される6員環はさらにアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子が置換していてもよい。さらに置換されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、p−トリル基、o−トリル基、ナフチル基等が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基としては、フェノキシ基、トリロキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、よう素が挙げられる。
次に、一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げる。まず、一般式(1)において、X及びYが水素原子である化合物としては、次の化合物が挙げられる。例えば、1,4−ナフトキノン、5−メチル−1,4−ナフトキノン、6−メチル−1,4−ナフトキノン、6,7−ジメチル−1,4−ナフトキノン、5−ブチル−1,4−ナフトキノン、6−ブチル−1,4−ナフトキノン、6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、5−クロロ−1,4−ナフトキノン、6−クロロ−1,4−ナフトキノン、6,7−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、6−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、5,6,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン等が挙げられる。
これらの化合物の中で、1,4−ナフトキノンは、試薬として容易に入手可能である。また、5位乃至8位に置換基を有する化合物は、第5版実験化学講座15有機化合物の合成IIIアルデヒド・ケトン・キノン(日本化学会編)379頁に記載されているように対応するナフタレン化合物を酸化処理したり、同じく第5版実験化学講座15有機化合物の合成IIIアルデヒド・ケトン・キノン(日本化学会編)393頁に記載されているようにベンゾキノンと、対応するブタジエン化合物のディールス・アルダー反応により環状付加体を合成し、その後異性化し、そして酸化処理することにより合成可能である。
これらの化合物の中で、一般式(1)において、nが4であり、Rが水素原子であり、X及びYが水素原子である1,4−ナフトキノンが、製造が容易でかつ高活性であるので、特に好ましい。
次に、一般式(1)において、Xがヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、又はハロゲン原子であり、Yが水素原子である化合物としては、次の化合物が挙げられる。例えば、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−1,4−ナフトキノン、2,5−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2,6−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2,6,7−トリメチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−5−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−6−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−6,7−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−6−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−5,6,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−5−メチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−5−メチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−6−メチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−6,7−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−5−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−エチル−6−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−エチル−6,7−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2−エチル−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−エチル−6−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−エチル−5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−エチル−5,6,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−エチル−5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−エチル−6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−エチル−5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−6−メチル−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−6,7−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−5−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−6−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−6,7−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,6−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,5,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,5,6,8−テトラヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−5−メチル−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−6−メチル−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−6,7−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−5−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−6−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−6,7−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−6−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−5,6,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,5−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2,6−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2,5,8−トリメトキシ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−5−メチル−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−6−メチル−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−6,7−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2,5−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2,6−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2,6,7−トリクロロ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−6−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−5,6,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ−5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−5−メチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−6−メチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−6,7−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−5−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−6−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−6,7−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−6−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−5,6,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン等が挙げられる。
これらの2位に置換基を有するナフトキノン化合物は、試薬として入手可能なものも多いが、1,4−ナフトキノン化合物と、対応する求核試薬との反応により、2位に置換したハイドロキノン化合物としたのち、酸化処理することによって得ることができる。例えば、第5版実験化学講座15有機化合物の合成IIIアルデヒド・ケトン・キノン(日本化学会編)369頁や384頁に記載の方法等で合成できる。
一般にナフトキノン骨格の2位に置換基を持つ化合物は製造が容易であり、好ましいが、これらの化合物の中で、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンが、製造が容易でかつ高活性であるので好ましい。
更に、一般式(1)において、X及びYがヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、又はハロゲン原子である化合物としては、次の化合物が挙げられる。例えば、2,3−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジエチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−1,4−ナフトキノン、2,3,6−トリメチル−1,4−ナフトキノン、2,3,6,7−テトラメチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−5−クロロ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−6−クロロ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−6,7−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−6−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−5,6,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,6,7−トリメチル−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−5−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−6−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−6,7−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3,5−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3,6−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3,5,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3,5,6,8−テトラヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−6−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−6,7−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2,3,5−トリクロロ−1,4−ナフトキノン、2,3,6−トリクロロ−1,4−ナフトキノン、2,3,6,7−テトラクロロ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−5,6,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−6−メチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−6,7−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−5−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−6−ブチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−6,7−ジブチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−5−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−6−ペンチル−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−5−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3,6−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3,6,7−トリクロロ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−6−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−5,6,8−トリヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−5−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−6−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−5,8−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン等が挙げられる。
これらの2位に置換基を有するナフトキノン化合物は、試薬として入手可能なものも多いが、1,4−ナフトキノン化合物と対応する求核試薬との反応ののち、酸化処理する反応を繰り返すことにより得ることができる。例えば、第5版実験化学講座15有機化合物の合成IIIアルデヒド・ケトン・キノン(日本化学会編)386頁に記載の方法等で合成できる。
これらの化合物の中で、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2−アミノ−3−クロロ−1,4−ナフトキノンが、製造が容易でかつ高活性であるので好ましい。
一般式(1)において、XとYが互いに結合している例としては、次の化合物が挙げられる。まず、X及びYがCHCH基であり、X及びYが二重結合で結合しているもの、この化合物は、一般式(2)で表される化合物となるが、その具体例としては、1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、2−メチル−1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、2−クロロ−1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、6−メチル−1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、2−クロロ−6−メチル−1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン等が挙げられる。またX及びYがCHCH基であり、X及びYが一重結合で結合しているもの、この化合物は、一般式(3)で表される化合物となるが、その具体例としては、1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン、2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン、2−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン、6−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン、2,6−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン、2−クロロ−6−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン等が挙げられる。更に又、一般式(2)又は(3)で表される化合物以外の化合物で、一般式(1)において、XとYが互いに結合している例としては、9,10−アントラキノン、2−メチル−9,10−アントラキノン、2−クロロ−9,10−アントラキノン、6−メチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジメチル−9,10−アントラキノン、2−クロロ−6−メチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン等が挙げられる。
これらの化合物は、1,4−ナフトキノン化合物と、対応するブタジエン化合物のディールス・アルダー反応により環状付加体を合成し、その後異性化したのち酸化すること、更には、この酸化体を接触水素還元すること、により合成可能である。
これらの化合物の中で、1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン、2−メチル−1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン、2−クロロ−1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン、2−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−アントラキノンが、製造が容易でかつ高活性であるので好ましい。
[ラジカル重合]
本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤を用いたポリマーの製造法によれば、分子量の制御されたポリマーを合成することができる。
重合方法としては、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、沈殿重合など種々の重合方法をとることができる。
溶液重合法では、ラジカル重合性化合物とラジカル重合開始剤などを溶媒中で混合溶解し重合させるが、その際に、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤を添加することにより、ラジカル重合性化合物の重合度等を調整することができる。
また、乳化重合法では、通常は、水を媒体とし、酢酸ビニル、スチレン、メタクリル酸メチルなどの水に難溶な疎水性のモノマーと、ラジカル重合開始剤などを、界面活性剤存在下に混合攪拌し、乳化状態(o/w型エマルション)で重合する。その際に、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤を添加することにより、ラジカル重合性化合物の重合度等を調整することができる。
乳化重合法において、有機溶剤を媒体とし、有機溶剤に難溶な親水性のモノマーを、ラジカル重合開始剤存在下に重合する方法(w/o型エマルション)も用いられるが、その場合も、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤を添加することにより、ラジカル重合性化合物の重合度等を調整することができる。
懸濁重合法では、たとえば、酢酸ビニル、スチレン、メタクリル酸メチルなどの水に難溶な疎水性のモノマーと、ラジカル重合開始剤を水中で、分散安定剤を用いて、混合攪拌し、懸濁状態で重合する。その際に、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤を添加することにより、ラジカル重合性化合物の重合度等を調整することができる。
また、アクリル酸およびそのアルカリ金属塩、メタクリル酸およびそのアルカリ金属塩、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN,N−ジメチルアクリルアミドなどの水溶性エチレン性不飽和単量体などの水溶液を、界面活性剤、ラジカル重合開始剤、架橋剤と有機溶剤とを混合し、攪拌下で加熱し、油中水系において重合させる逆相懸濁重合法もある。その場合も、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤を添加することにより、ラジカル重合性化合物の重合度等を調整することができる。
沈殿重合は、アクリロニトリルや塩化ビニル等で用いられ、均一の溶液状態から重合を開始させ、重合によって生じたポリマーが析出するものである。これは、モノマーに対して良溶媒でかつポリマーに対して貧溶媒である溶媒を用いて行われる。本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤を添加することにより、ラジカル重合性化合物の重合度等を調整することができる。
本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤を用いたポリマーの製造法においては、ラジカル重合性化合物に、縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤が添加されるが、さらにラジカル反応を開始するラジカル重合開始剤が添加される。そして、重合を開始するに必要な熱や光などの開始エネルギーを与え、重合を開始することにより、分子量が調整されたポリマーを製造することができる。
本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤の配合量は、十分な連鎖移動効果と経済性との観点から、通常、ラジカル重合性化合物に対して0.01〜5重量%が好ましく、0.05から3重量%が更に好ましい。
重合体の数平均分子量は、一般に主として用いるラジカル重合性化合物の濃度、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤の濃度及びラジカル重合開始剤の濃度によって調整することができる。数平均分子量は、該ラジカル重合性化合物の濃度が高い程数重量平均分子量は大きくなり、逆に縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤濃度が高い程小さくなる。そのことを考慮して、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤の濃度の範囲内で適宜変更して数平均分子量の調整をすることができる。
[重合制御剤添加方法]
本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤をラジカル重合性化合物に添加する方法としては、本発明の重合制御剤の特徴を活かす特段の注意が必要である。発明者らが鋭意検討した結果、本発明の重合制御剤は、ラジカル重合に際して、生長末端ラジカルと極めて迅速、定量的に反応することを見出した。よって、生長末端ラジカルのモル生成速度より、重合制御剤のモル供給速度が小であれば、重合制御剤は枯渇し、枯渇後の生成ポリマーの分子量は増大する。一方、逆に生長末端ラジカルのモル生成速度より、重合制御剤のモル供給速度が大であれば、重合制御剤は余剰となり、余剰後の生成ポリマーの分子量は低下する。このことより、分子量の制御されたポリマーを得るには、生長末端ラジカルのモル生成速度と重合制御剤のモル供給速度拮抗することが求められ。よって、添加方法は連続添加ないしは逐次添加が好ましい。
重合制御剤を連続又は逐次添加して重合するポリマーの製造法において、その添加方法としては、(1)ラジカル重合性化合物にラジカル重合開始剤を添加し、重合反応時にその組成物の中に重合制御剤を連続又は逐次添加する方法、(2)ラジカル重合性化合物に、重合反応時にラジカル重合開始剤と重合制御剤を連続又は逐次添加する方法、(3)ラジカル重合開始剤を溶媒にとかした溶液に、重合反応時にラジカル重合性化合物と重合制御剤を連続又は逐次添加する方法、(4)ラジカル重合性化合物にラジカル重合開始剤を添加し、重合反応時にその組成物の中にラジカル重合開始剤と重合制御剤を連続又は逐次添加する方法、(5)ラジカル重合性化合物にラジカル重合開始剤、重合制御剤を添加し、重合反応時にその組成物の中にラジカル重合開始剤と重合制御剤を連続又は逐次添加する方法等が挙げられる。
上記(1)ラジカル重合性化合物にラジカル重合開始剤を添加し、重合反応時にその組成物の中に重合制御剤を連続又は逐次添加する方法、(4)ラジカル重合性化合物にラジカル重合開始剤を添加し、重合反応時にその組成物の中にラジカル重合開始剤と重合制御剤を連続又は逐次添加する方法、(5)ラジカル重合性化合物にラジカル重合開始剤、重合制御剤を添加し、重合反応時にその組成物の中にラジカル重合開始剤と重合制御剤を連続又は逐次添加する方法においては、ラジカル重合性化合物とラジカル重合開始剤を溶媒にとかした組成物としたのち、又はラジカル重合性化合物、ラジカル重合開始剤及び重合制御剤を溶媒にとかした組成物としたのち、重合制御剤を連続又は逐次添加する方法が生成するポリマーの分子量を制御しやすいという点で好ましい。
また、発明者らが鋭意検討した結果、重合制御剤を連続又は逐次添加する際、実用的には系内の重合制御剤の濃度が50質量ppm以上、2000質量ppm以下が好ましく、100質量ppm以上、1000質量ppm以下がより好ましいことが判明した。重合制御剤を重合反応中この濃度に保つことにより、生成するポリマーの分子量を制御できるとともに、重合速度も向上できる。すなわち、転化率を落とすことなく、低分子量のポリマーを製造することができる。
[ラジカル重合性化合物]
本発明におけるラジカル重合性化合物は、分子内に重合性二重結合を有する化合物であれば特に限定されない。このようなラジカル重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸等のα、β−不飽和カルボン酸化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル等のα、β−不飽和カルボン酸エステル化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル化合物;アクリロニトリル、アクリルアミドのようなアクリル化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物等;塩化ビニル、塩化ビニリデンのような置換エチレン化合物;エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン、ピネン等のエチレン性不飽和化合物、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどの不飽和有機シラン化合物などが挙げられる。
前記ラジカル重合性化合物の中でも、α、β−不飽和カルボン酸化合物、α、β−不飽和カルボン酸エステル化合物、芳香族ビニル化合物、ビニルエステル化合物が好ましい。
これらの化合物の中でも、α、β−不飽和カルボン酸化合物である(メタ)アクリル酸、α、β−不飽和カルボン酸エステルである(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物であるスチレンが好ましい。特に、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤の効果が顕著であるという点から、芳香族ビニル化合物であるスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンが好ましい。
前記ラジカル重合性組成物に含有されるラジカル重合性化合物は、その形態や含有量は特に限定されない。例えばラジカル重合性化合物そのものやラジカル重合性化合物の溶液等が挙げられる。
[ラジカル重合開始剤]
ラジカル重合開始剤としては、エネルギーを与えられることによりラジカル重合性化合物に対して活性なラジカルを発生するものであれば特に限定されない。一般には市販されているいわゆるラジカル重合開始剤を用いることができる。通常便宜的に、熱エネルギーを与えて用いるものを、熱ラジカル重合開始剤と呼び、光エネルギーを与えるものを、光ラジカル重合開始剤と呼ぶ。本発明は熱ラジカル重合開始剤及び光ラジカル重合開始剤のどちらも使用することが可能である。
熱ラジカル重合開始剤としては特に限定されず、公知の化合物を使用することができる。例えば、ペルオキシド、ヒドロペルオキシド、及びアゾ系化合物が挙げられる。具体的には、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−アミルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、及びジ−クミルペルオキシド等のペルオキシド、tert−アミルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、及び過酸化水素等のヒドロペルオキシド、(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル))、(2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル))、(2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル))、(2,2’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル))等のアゾ系化合物が挙げられる。
また、熱ラジカル重合開始剤を比較的低温で使用するためにペルオキシド、ヒドロペルオキシド等の酸化剤系開始剤に対して遷移金属やアミン、アスコルビン酸等の還元剤(ラジカル重合促進剤)を組み合わせるいわゆるレドックス開始剤系を用いることもできる。この場合、たとえば、酸化剤系開始剤と還元剤を混合したものを熱重合開始剤として使用してもよいし、酸化剤系開始剤を熱重合開始剤として添加した後、還元剤を重合制御剤とともに、又は別に添加してもよいし、還元剤を熱重合開始剤として添加した後、酸化剤系開始剤を重合制御剤とともに、又は別に添加してもよい。ただし、重合に用いる温度範囲内であっても、酸化剤系開始剤と還元剤を添加すると、場合によっては重合反応が暴走するおそれがあるため、酸化剤系開始剤を熱重合開始剤として添加した後、還元剤を重合制御剤とともに、又は別に添加することが好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、特に限定されず、公知の化合物を使用することができる。例えば、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサトン類、α−アシロキシムエステル類、フェニルグリオキシレート類、ベンジル類、アゾ系化合物、ジフェニルスルフィド系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、有機色素系化合物、鉄−フタロシアニン系、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、アントラキノン類が含まれる。具体的に、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド類等が挙げられる。有機合成化学協会誌66,458(2008)等公知文献に紹介されている光ラジカル重合開始剤も用いることができる。
また、市場より入手可能な光ラジカル重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製イルガキュア184、イルガキュアはチバ・スペシャリティケミカルズ社の登録商標)、(2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−(4−モルフォリニル)−1−プロパノン)(イルガキュア907)、またビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニル−ホスフィンオキサイド(イルガキュア819)等のアシルホスフィンオキサイド化合物;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(イルガキュア784)等のチタノセン化合物;6,12−ビス(トリメチルシリルオキシ)−1,11−ナフタセンキノン等のナフタセンキノン化合物等が挙げられる。
これらのラジカル重合開始剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。ラジカル重合開始剤の添加量は、用いるラジカル重合性化合物及び重合制御剤にもよるが、ラジカル重合性化合物の合計量100重量部に対して0.0001重量部以上10重量部以下の範囲内であるのが好ましい。
[溶媒]
溶液重合等において用いられる溶媒としては、用いるラジカル重合性化合物やラジカル重合開始剤、重合制御剤との溶解性が良好なものが好ましい。たとえば、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、アセトニトリル、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール、シアノベンゼン、ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン等が挙げられる。
[開始エネルギー]
開始エネルギーは添加したラジカル重合開始剤からラジカルを発生しうるエネルギーであればよい。一般には熱エネルギー、電離波エネルギーが適宜選ばれる。具体的なエネルギー源としては熱、光、電子線(EB)、マイクロ波、放射線等の電磁線が挙げられ、用いるエネルギー源に応じて、熱重合、電磁線重合(光重合、電子線重合、マイクロ波重合、放射線重合)等と呼ばれる。
熱重合の場合、用いる重合性化合物及びその様態にもよるが、重合に用いる温度範囲は通常−20〜200℃で、好ましくは0〜150℃、より好ましくは10〜120℃である。
さらに熱重合の一種として酸化還元(レドックス)開始剤を用いるレドックス重合が挙げられる。この際、用いられる温度範囲は通常の熱重合より低く、−40〜100℃で、好ましくは−20〜80℃、より好ましくは0〜60℃である。
光重合において、照射する光としては紫外線、可視光線、赤外線等を用いることができる。光ラジカル重合開始剤あるいは増感剤を用いることもできる。紫外線、可視光線の場合具体的には、たとえば300〜800nmの波長範囲の光線である。光源としては、300〜800nmの範囲の波長の光線を照射できるLED(発光ダイオード)やランプを使用する。LEDとしては、UV−LED、青色LED、白色LED等が挙げられる。ランプとしては、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
電子線重合は電子線照射により行われる。電子線照射には、前記の電子線重合化合物に作用し重合性物質の重合を起こすことができる方法であれば、特に制限なく使用することができる。照射する電子線量は、吸収線量として1から300kGy程度の範囲で調節するのが望ましい。1kGy未満では十分な照射効果が得られず、300kGyを超えるような照射は基材を劣化させる恐れがあるため好ましくない。電子線の照射方法としては、例えばスキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式などが用いられ、電子線を照射する際の加速電圧は、照射する側の基材の厚さによりコントロールする必要があるが、20から100kV程度が適当である。
マイクロ波重合はStraussら(Aust. J. Chem.,48,1665〜1692(1995))の公知の手法を用いることが出来る。マイクロ波は、マイクロ波技術において既知の種々の方法のいずれかによって発生させることができる。一般に、これらの方法は、マイクロ波発生源として作用するクライストロンまたはマグネトロンに依存している。一般に、発生の周波数は約300MHz〜30GHzの範囲であり、対応する波長は約1m〜1mmである。理論的には、この範囲のいずれの周波数も、効果的に使用することができるが、約850〜950MHzまたは約2300〜2600MHzを包含する商業的に利用可能な範囲の周波数を使用するのが好ましい。
放射線重合はγ線、X線、α線、β線を照射して重合を行う。通常、コバルト60のγ線照射が用いられることが多い。
更に、重合開始のエネルギー源を併用することもできる。たとえば電子線と赤外線の併用等である。
また、熱重合以外は通常、常温近傍で重合することが多いが、加熱しながら実施することも可能である。この場合、重合の促進が期待できる。
[他の成分]
本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤とラジカル重合性化合物とを含有するラジカル重合性組成物をラジカル重合させるにあたり、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤、ラジカル重合性化合物、ラジカル重合開始剤のほかに必要があれば、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含有していてもよく、たとえば、界面活性剤、乳化剤、水溶性保護コロイド、分散安定剤、着色剤、可塑剤、粘着付与剤、酸化防止剤、各種安定剤、充填剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤なども添加することが可能である。
また、本発明の効果を損なわない範囲において、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤以外の他の重合制御剤等の成分を含有していてもよい。このような他の重合制御剤としては、特に限定されないが、重合制御剤として公知の化合物等が挙げられる。
例えば、n−ブチルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタンなどのメルカプタン類、テトラメチルチウラジウムジスルフィド、テトラエチルチウラジウムジスルフィドなどのジスルフィド類、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化合物、2−メチル−1−ブテン、α−メチルスチレンダイマー等のオレフィン類が挙げられる。
これらの前記他の成分は、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤に対して単独で、あるいは同時に二種類以上で用いることができる。これらの他の成分は、適用対象のラジカル重合性化合物の種類や用途等に応じて適宜選択することができる。
また、本発明のポリマーの製造法において、重合時の雰囲気は分子状酸素を除去することが好ましく、一般的には減圧下あるいは不活性気体存在下用いられる。不活性気体としては、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等があげられる。
[製造態様]
本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤とラジカル重合性化合物とを含有するラジカル重合性組成物をラジカル重合することにより、生成するポリマーの末端あるいは主鎖の一部に、縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤に由来する残基を有するポリマーを製造することができる。
ポリマーの末端あるいは主鎖の一部に、縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤に由来する残基を有するポリマーの製造態様として、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、またはスラリー重合などの方法を用いることができる。更にポリマーを溶融状態で重合制御剤を施す、いわゆる溶融混練手法を製造態様として用いることができる。また、回分式に重合する場合でも、連続的に重合する場合でも用いることができる。生長末端ラジカル濃度に追随して重合制御剤を添加できる、塊状重合、溶液重合、乳化重合、溶融混練手法が好ましく、特に溶液重合が好ましい。
[装置]
塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、スラリー重合においては、通常の回分式重合反応器、連続式重合反応器を用いることができる。一方、溶融混練手法では、単軸押出機、二軸押出機、加圧ニーダー、バンバリー等を用いることができる。
[溶融混練手法]
溶融混練手法によって、ポリマーを加熱溶融させ、混練させることにより、ポリマー主鎖等の切断、水素引き抜き等によって、重合生長末端と類似の構造が生成し、本発明の重合制御剤を施すことにより、縮合多環芳香族骨格を有するポリマーを合成することができる。溶融混練には通常熱可塑性ポリマーが用いられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂等のスチレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。またポリエステル、ポリアミド等の縮合系樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール等のエンジニアリングプラスチック等、熱可塑性エラストマー等も用いることができる。
溶融混練は用いる樹脂にもよるが、100〜400℃の温度が用いられる。雰囲気は大気下、不活性気体下、減圧下、加圧下を用いることができる。
樹脂に重合性二重結合を有するモノマーとラジカル重合開始剤を含有させ、溶融混錬させることも可能である。また、溶融混練時に、溶媒やシリコーンオイル、溶融温度で液状の添加剤などを用いてもよい。
溶融混練手法によって得られた縮合多環芳香族骨格を有するポリマーに基づいて、ブロックポリマー、グラフトポリマー、スターポリマー等を合成することもできる。
<末端に縮合多環芳香族骨格を有するポリマー>
本発明の重合制御剤を用いて、上記重合方法で製造したポリマーは前述したように末端に本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤に由来する残基である縮合多環芳香族骨格を付与することが可能である。すなわち、本発明の重合制御剤は、ポリマー成長末端に付加し、連鎖移動するため、該重合制御剤由来の末端構造を有することになる。よって末端に本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤に由来する残基を有するポリマーを合成することができ、さらに本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤がもつ官能基をポリマーに付与することができる。縮合多環芳香族骨格および官能基に由来する、親和性、反応性、耐熱性、光学特性、化学的安定性等、縮合多環芳香族骨格および官能基の有する化学的、物理的性質を生成ポリマーに付与し、機能性ポリマーとして供することができる。
すなわち、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤は、反応性基を有する末端官能化ポリマーを提供することができる。
たとえば、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤を用いることにより、縮合多環芳香族骨格がポリマーに導入されるが、その縮合多環芳香族骨格に由来する紫外線吸収能、蛍光特性、高屈折率等の物性をポリマーに与えることができる。また、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤を用いることにより、重合体の末端に疎水基を導入したり、親水基と疎水基の両方を持った基を導入したりすることができる。
また一般にポリマーに熱、光、機械等のエネルギーを与えることにより、分解反応を通してラジカルを生じることは広く知られている(大津隆行著「高分子合成の化学」(化学同人、1979)245頁、250頁、260頁)。その際、本発明の重合制御剤を施すことによりポリマーのゲル化を防止したり、官能基をグラフトさせることも可能である。例えば特開昭54−100449号公報、特開平6−256430号公報等に記載されている手法が援用できる。具体的には、熱可塑性ポリマーを融混練することにより、熱エネルギー、機械エネルギーを与え、ポリマー鎖を切断しつつ、添加薬剤として本発明の重合制御剤を施し、ポリマーのゲル化を防止したり、官能基をグラフトさせる事が出来る。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、実施例中の「部」は全て重量部を示す。
(実施例1)溶液重合(重合制御剤及びのラジカル重合開始剤の連続滴下)
ラジカル重合性化合物として市販のスチレン(和光特級)100部(60g)と溶媒として市販のトルエン(和光特級)100部(60g)、重合制御剤として1,4−ナフトキノン0.5部(0.3g)、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル4部(2.4g)をコンデンサー、攪拌翼(錨翼)、温度計、温調器、窒素供給ラインを備えた300mLのセパラブルフラスコに加え、200RPMの速度で攪拌しながら窒素を20分間、20mL/分の速度で通気しフラスコ内部を窒素置換した。一方、定量ポンプを備えた50mLの貯槽に重合制御剤として1,4−ナフトキノンを8.0重量%、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを3.33重量%をトルエン(和光特級)に加えたトルエン混合溶液を23g仕込んだ。なお、常温でのトルエン混合溶液の比重は約0.983であった。その後、内温を75℃に昇温した後、定量ポンプにて重合制御剤とラジカル重合開始剤のトルエン混合溶液を表1に示した滴下速度で滴下を行いながら、内温を75℃に6時間保持した。得られた重合溶液を所定濃度でテトラヒドロフラン(和光特級)に溶解させ、検出器として、屈折率計(RI)(日本分光製RI−2031)、多波長紫外線分光計(日本分光製MD−2010)、およびGPCカラム(昭和電工製Shodex GPC KF−806L)を備えたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(日本分光製)を用い生成ポリマーのキャラクタリゼーションを行った。このうち検出器として屈折率計を用い、生成ポリマーの平均分子量、その分布およびそのピーク面積から重合率を測定した。また、重合時間ごとの重合液中の重合制御剤のラジカル重合性化合物に対する濃度を測定した。測定結果を表2に示した。
(実施例2)
昇温後に定量ポンプで滴下するトルエン混合溶液にラジカル重合開始剤を加えなかったほかは、実施例1と同様の操作を行い、測定結果を表2に示した。
(実施例3)
昇温後に定量ポンプで滴下するトルエン混合溶液にラジカル重合開始剤を加えず、トルエン混合溶液の滴下速度を表1に記載のように0.01ml/分一定としたほかは、実施例1と同様の操作を行い、測定結果を表2に示した。
(比較例1)
実施例1で昇温前に重合反応器に仕込んでいる重合制御剤としての1,4−ナフトキノン0.5部(0.3g)を加えず、昇温後に定量ポンプでトルエン混合溶液を滴下しなかったほかは、実施例1と同様の操作を行い、測定結果を表2に示した。すなわちこの比較例1では、重合制御剤としての1,4−ナフトキノンは添加されず、ラジカル重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリルは、昇温前に重合反応器に仕込むのみで、昇温後は添加されていない。
(比較例2)
実施例1で昇温前に重合反応器に仕込んでいる重合制御剤としての1,4−ナフトキノン0.5部(0.3g)を加えず、昇温後に定量ポンプで滴下するトルエン混合溶液に重合制御剤とラジカル重合開始剤を加えなかったほかは、実施例1と同様の操作を行い、測定結果を表2に示した。すなわちこの比較例2では、重合制御剤としての1,4−ナフトキノンは添加されず、ラジカル重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリルは、昇温前に重合反応器に仕込むのみで、昇温後は添加されていない。
実施例1〜3と比較例1及び2より明らかなように、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤の存在下にラジカル重合させることにより、分子量を低下させることができることが分かる。さらに、実施例1及び2からわかるように、重合反応中の本発明の縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤を所定の濃度に保つことにより、分子量分布も狭小に維持しながら、転化率及び分子量を制御できることが分かる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される縮合多環芳香族骨格を有する重合制御剤の存在下、ラジカル重合開始剤を用いて、ラジカル重合性化合物を溶媒に溶解させてラジカル重合することを特徴とする、分子量の制御されたポリマーの製造法。

    ((1)式中、nは1から4の整数を表し、Rはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子を表し、X及びYはそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、又はハロゲン原子を表すが、X及びYは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の6員環を形成してもよい。このXとYによって形成される6員環はさらにアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子が置換していてもよい。)
  2. 一般式(1)において、nが4であり、Rが水素原子であり、X及びYが水素原子であることを特徴とする、請求項1に記載の分子量の制御されたポリマーの製造法。
  3. ラジカル重合性化合物とラジカル重合開始剤を含有する溶媒に、ラジカル重合開始剤と重合制御剤を連続又は逐次添加して重合することを特徴とする、請求項1に記載の分子量の制御されたポリマーの製造法。
  4. 反応液中の重合制御剤の濃度を100質量ppm以上、1000質量ppm以下となるように重合制御剤とラジカル重合開始剤を連続又は逐次添加して重合することを特徴とする、請求項3に記載の分子量の制御されたポリマーの製造法。
  5. ラジカル重合開始剤が、熱ラジカル重合開始剤である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の分子量の制御されたポリマーの製造法。
  6. ラジカル重合性化合物が、少なくとも(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル又はスチレンを含むものである請求項1乃至5のいずれか一項に記載の分子量の制御されたポリマーの製造法。
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