JP2014229710A - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ及びその製造方法 Download PDF

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【課題】酸化物半導体層に入射する短波長の光を遮蔽するための構成を簡略化し、且つ該構成の製造に要する工程の簡略化をはかる。【解決手段】酸化物半導体をチャネルとして用いた薄膜トランジスタであって、透明基板10上の一部に形成された、ファブリペロー型干渉フィルタからなる遮光層11と、遮光層11上に形成された酸化物半導体層12と、酸化物半導体層12に形成されたトランジスタ構造と、を具備した。【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、酸化物半導体をチャネルとして用いた薄膜トランジスタ及びその製造方法に関する。
近年、液晶ディスプレイ等においては、多結晶やアモルファスのシリコンに代わりにインジウム−ガリウムー亜鉛合金の酸化物(IGZO)のような酸化物半導体をチャネル層として用いたTFTが実用化されている。この種のTFTは、逆スタガー型及びコプラナ型の何れの構成も可能であるが、コプラナ型のTFTは、トランジスタを小さく作ることが可能であること、ゲートとソースドレインとの容量成分が小さく高速動作可能であることから、特に高精細パネルに適している。
しかしながら、IGZOをチャネル層として用いたコプラナ型TFTは、バックライト光をチャネル全面に浴びる構造となるため、IGZO膜よりもガラス基板側に光を遮蔽するための層が必要である。この遮光層は、IGZO膜の形状とほぼ同様の形状であればよいが、形成するためにはフォトリソグラフィプロセスを必要とする。また、遮光層は通常金属膜を用いることが多いが、もともとIGZO膜よりも下の層はCVD法によるアンダーコート層を設けることが一般的であるため、遮光層形成のために別の装置及びプロセスが必要となる。
特開平7−181517号公報 特開平8−171101号公報
このように従来、IGZO等の酸化物半導体をチャネルに用いたTFTにおいては、ガラス基板側から酸化物半導体に入射する光を遮蔽する必要があり、このための構成が複雑化したり、プロセスが増加する等の問題があった。なお、IGZO膜の光応答に関しては、所定の波長の光がTFT特性に影響を及ぼすことが知られており、従って必ずしも可視光領域の全ての波長を遮蔽する必要はなく、例えばTFT特性に影響を及ぼす波長の光を遮蔽すればよい。
発明が解決しようとする課題は、酸化物半導体層に入射する所定の波長の光を遮蔽するための構成を簡略化できる薄膜トランジスタを提供することである。
また、発明が解決しようとする別の課題は、酸化物半導体層に入射する所定の波長の光を遮蔽する遮光層の加工を行うためのフォトリソグラフィ工程の増加を不要とし、工程の簡略化をはかり得る薄膜トランジスタの製造方法を提供することである。
実施形態の薄膜トランジスタは、透明基板上の一部に形成された、ファブリペロー型干渉フィルタからなる遮光層と、前記遮光層上に形成された酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層に形成されたトランジスタ構造と、を具備したことを特徴とする。
また、実施形態の薄膜トランジスタの製造方法は、透明基板上にファブリペロー型干渉フィルタからなる遮光層を形成する工程と、前記遮光層上に酸化物半導体層を形成する工程と、前記酸化物半導体層上に島状にマスクを形成し、該マスクを用いて前記酸化物半導体層及び前記遮光層をエッチングする工程と、前記酸化物半導体層にトランジスタ構造を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の一実施形態に係わる薄膜トランジスタの概略構成を示す平面図。 図1の矢視I−I’断面図。(チャネル長方向に沿った断面図) 図1の矢視II−II’断面図。(チャネル幅方向に沿った断面図) 図1の薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図。 ファブリペロー型干渉フィルタを構成する多層膜の各膜厚を示す図。 ファブリペロー型干渉フィルタの透過スペクトルの例を示す図。 本発明の一実施形態における光劣化の改善結果を示す図。
発明の実施形態を説明する前に、本発明の基本原理について説明する。
前述したように、IGZO膜の光応答に関しては、短波長の光がTFT特性に影響を及ぼすことが知られており、可視域全般の遮光は必ずしも必要ない。このため、干渉フィルタなどをIGZO直下に設けることによりメタル層と同様の効果が期待できる。また、干渉層に用いる膜をCVD法で形成できるSiO2 やSiN膜などで構成することにより、アンダーコート層と同時に形成することが可能となる。
本発明者らは、IGZO膜の直下に、SiO2 膜とSiN膜からなる干渉フィルタを設けることを検討した。両者は屈折率が異なるため、後述するような膜厚構成とすることにより、ある特定波長の光を減衰することが可能となる。この際、例えば短波長の光が大きく減衰する膜厚構成にすることができれば、従来用いられているような金属膜の遮光層が不要となる。
また、IGZO膜の無い部分は、主にバックライト光を透過させる必要があるため、この部分の干渉フィルタは除去する必要がある。その方法としては、IGZO膜をフォトリソグラフィ工程でパターニングし、エッチング後にこのパターンを新たなマスクとしてエッチングすれば、フォトリソグラフィ工程の増加なく、IGZO膜下のみに遮光層が残る構造とすることが可能となる。IGZO膜上にあるフォトレジストを残したままドライエッチングで不要な干渉フィルタを除去することが可能であるが、エッチング条件を調整することにより、IGZO膜の形状もテーパ形状とすることが可能となる。テーパ形状にすることにより、後に形成するゲート電極の段切れを防止することが可能となる。
以下、実施形態の薄膜トランジスタ及びその製造方法を、図面を参照して説明する。
(実施形態)
図1乃至図3は、本発明の一実施形態に係わるコプラナ型TFTの概略構成を説明するためのもので、図1は平面図、図2は図1の矢視I−I’断面図、図3は図1の矢視II−II’断面図である。このTFTは、例えば液晶表示装置の画素スイッチングに用いるものである。
図中の10は、例えば液晶パネルの一部を構成する透明なガラス基板(透明基板)であり、このガラス基板10上に、SiN膜とSiO2 膜とを積層したファブリペロー型干渉フィルタからなる遮光層11が形成されている。この遮光層11は、例えば短波長(450〜550nm)で透過率が低いフィルタ特性を有している。
遮光層11上に、IGZOからなる酸化物半導体層12が形成されている。この酸化物半導体層12は、トランジスタ形成領域に合わせて島状に形成されている。遮光層11の一部は、酸化物半導体層12と重なる部分以外はエッチング除去されている。ここで、酸化物半導体層12以外の部分では遮光層11は必ずしも完全に除去されている必要はなく、半分以上が除去されていればよい。遮光層11が半分以上エッチングされていれば、干渉フィルタとしての機能はなくなり、基板10の下側から入射する光に対して実質的に透明となる。
酸化物半導体層12及び遮光層11を覆うようにゲート絶縁膜14が形成され、このゲート絶縁膜14上の一部にゲート電極15が形成されている。ゲート絶縁膜14は、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等であるが、高誘電体膜を用いても良い。ゲート電極15としては、半導体、金属、或いは合金を用いることができる。
ゲート電極15及びゲート絶縁膜14を覆うように層間絶縁膜16が形成されている。層間絶縁膜16にコンタクトホールが形成され、このコンタクトホールを埋め込むようにコンタクトプラグ17が形成されている。そして、層間絶縁膜16上に配線層18が形成され、この配線層18はコンタクトプラグ17に接続されている。
次に、本実施形態の薄膜トランジスタの製造工程を、図4を参照して説明する。
まず、図4(a)に示すように、ガラス基板10上にSiO2 膜とSiN膜との積層構造からなるファブリペロー型干渉フィルタからなる遮光層11を形成する。この遮光層11は、CVD法において、SiO2 用の原料ガスとSiN用の原料ガスとを交互に切り替えることにより作製される。遮光層11は、酸化物半導体層を形成する際のアンダーコート層としても機能する。
遮光層11におけるSiO2 とSiNの各膜厚は、例えば図5に示すように、厚さ34nmのSiN膜を中心に表裏方向にそれぞれ、厚さ91nmのSiO2 膜、厚さ62nmのSiN膜を順次積層したものであり、最上面のSiN膜上に厚さ100nmのSiO2 膜が形成されている。
このような積層構造であれば、図6の上図に示すような短波長(450〜550nm)で透過率が低いフィルタ特性を得ることができる。一方、バックライト光は、図6の下図のように465nm付近で強いピークを持つため、この光が酸化物半導体層12に入射すると酸化物半導体層12の劣化を招く。本実施形態では、遮光層11の遮光特性から、上記の波長465nmの光は十分に減衰され、酸化物半導体層12の劣化が防止される。また、最上層のSiO2 膜は酸化物半導体層12の直下に位置するアンダーコート層として機能することになる。
ファブリペロー型干渉フィルタは、原理的には屈折率の異なる2層で形成することが可能であり、本実施例のSiO2 膜とSiN膜の積層以外にも、TiO2 ,Al23 膜などとの組み合わせで用いることも可能となる。但し、プロセスの簡便性を考慮すると、本実施形態のようにCVD法で遮光層を作製した場合は、CVD法を用いて積層できる膜種を選択するのが良い。実際は、この2種類、即ちSiO2 膜とSiN膜の組み合わせ以外はあまり現実的ではない。スパッタ法を用いて遮光層を作製することも可能ではあるが、CVD法が原料ガスの切り替えのみで積層が可能であることに対して、スパッタ法では大型基板においては、一つの反応室では一つの膜種しか作製できない。このため、層の数が増えると2種類以上の反応室を基板が往復することになり、これも現実的なプロセスとは云えない。
次いで、図4(b)に示すように、遮光層11上にIGZOからなる酸化物半導体層12を形成する。IGZO膜の形成には、例えばIn,Ga,Znを含む混合材料を焼成した後に徐冷する固相反応法を用いても良いし、CVD法やMOCVD法等を用いることも可能である。続いて、酸化物半導体層12上にレジスト13を塗布し、このレジスト13をフォトリソグラフィにより素子領域パターンに加工する。
次いで、図4(c)に示すように、レジスト13をマスクに酸化物半導体層12をエッチングする。ここで、酸化物半導体層12の不要部分がエッチングされた後もエッチングを続けることにより、遮光層11の一部をエッチングする。具体的には、遮光層11の半分以上がエッチングされるまでエッチングを続ける。これにより、専用のフォトリソグラフィを要することなく、遮光層11をパターニングすることが可能となる。
酸化物半導体層12以外の部分では遮光層11は半分以上エッチングされているため、干渉フィルタとしての機能はなくなる。さらに、SiO2 及びSiNは可視光に対して透明であるため、基板10の下側から入射する光に対して透明となる。
なお、酸化物半導体層12及び遮光層11のエッチングは、同じエッチングガスで連続しても良いし、エッチングガスを切り替えても良い。さらに、酸化物半導体層12はシュウ酸などを用いたウェットエッチング、遮光層11はエッチングガスを用いたドライエッチングで行うようにしても良い。このときのエッチング条件は、酸化物半導体層12が完全にエッチングされ、遮光層11の全部又は一部(好ましくは半分以上)がエッチングされる範囲であれば良い。酸化物半導体層12下以外で遮光層11の一部を残すと云うことは、オーバーエッチングを不要とし、ガラス基板10に対するエッチングダメージを無くすことになる。
また、エッチングガスとして、CF4 ,C2HF5 と酸素ガス等を選択することにより、遮光層11及び酸化物半導体層12の側面にテーパを形成することも可能である。さらに、遮光層11はドライエッチングで除去するが、このエッチングの際にレジスト13も徐々に除去される。エッチングを終了する時点でレジスト13がなくなるようにすれば、レジスト13の隔離工程が不要となる。
次いで、図4(d)に示すように、酸化物半導体層12及び遮光層11上にシリコン酸化膜,シリコン窒化膜、或いは高誘電体膜等からなるゲート絶縁膜14を形成し、その上にMoW等からなるゲート電極15を形成する。続いて、ゲート電極15をゲートパターンに加工する。
これ以降は、層間絶縁膜16の形成、コンタクトホールの形成、コンタクトビア17の形成、配線層18の形成等を行うことによって、前記図1乃至図3に示す構造が得られることになる。
上記のようにして形成された本実施形態の遮光層有りと遮光層無しの場合とでの、ストレステスト(例えば、負電圧印加の下で1000秒間駆動)によるしきい値の変化を、図7に示す。
バックライト無し(暗状態)では、遮光層の有無に拘わらず、一定時間のストレステストでもしきい値の劣化は殆ど認められなかった。バックライト(白色)を照射しながらのストレステストでは、遮光層無しではしきい値の劣化が認められた。さらに、バックライト(青色の単色)を照射しながらのストレステストでは、白色光と同様のしきい値の劣化が認められた。
これに対し、本実施形態のように遮光層を設けた場合、バックライト(白色)を照射しながらのストレステストでも、しきい値の劣化が極めて小さいものであった。さらに、バックライト(青色の単色)を照射しながらのストレステストでも、白色光と同様にしきい値の劣化は極めて小さいものであった。
このように本実施形態によれば、酸化物半導体層12下にSiN膜とSiO2 膜とを積層したファブリペロー型干渉フィルタからなる遮光層11を設けることにより、基板裏面側からの短波長の光が酸化物半導体層12へ入射するのが抑制される。即ち、酸化物半導体層12下に光学干渉を利用した遮光層11を設けることにより、必要な波長の光のみ減衰させることが可能となり、酸化物半導体層12の劣化を未然に防止することができる。
また、遮光層11は、アンダーコート層と同時、或いはアンダーコート層として形成可能であることから、金属膜等の遮光層を形成するのに比して工程の簡略化をはかることができる。さらに、遮光層11は、酸化物半導体層12のエッチング加工と同時に行うことができるため、遮光層11の加工を行うためのフォトリソグラフィ工程の増加を不要となり、これによっても工程の簡略化をはかることができる。
また、酸化物半導体層12のテーパ加工が可能となるため、ゲート絶縁膜やゲート金属膜など、酸化物半導体層12上に設置される層が酸化物半導体層12の端部で段切れを起こすことを防止できる利点もある。
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。
実施形態では酸化物半導体層としてIGZOを用いたが、これに限らずZnO,In23 ,InGaO等、他の金属の酸化物半導体を用いることができる。
また、遮光膜は、SiO2 とSiNの積層に限るものではなく、屈折率の異なる材料を積層してファブリペロー型干渉フィルタを構成でき、酸化物半導体層又はその上に設けるレジスト等のマスクを用いて選択エッチングできる材料であれば良い。
また、遮光層は465nm付近の短波長の光を吸収するものに限らず、バックライトの種類やTFTの特性に応じてその他の波長の光を吸収するようなファブリペロー型干渉フィルタを形成しても良い。
また、本発明は必ずしも液晶表示装置に限らず他の表示装置における画素スイッチングに用いることができる。さらに、透明基板はガラスに限るものではなく、表示に用いる光を透過するものであれば良い。
本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…ガラス基板(透明基板)
11…遮光層
12…酸化物半導体層
13…レジスト
14…ゲート絶縁膜
15…ゲート電極
16…層間絶縁膜
17…コンタクトビア
18…配線層

Claims (8)

  1. 透明基板上の一部に形成された、ファブリペロー型干渉フィルタからなる遮光層と、
    前記遮光層上に形成された酸化物半導体層と、
    前記酸化物半導体層に形成されたトランジスタ構造と、
    を具備したことを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 前記干渉フィルタは、酸化膜と窒化膜との積層構造で構成され、前記酸化物半導体層の下に酸化膜が形成され、該酸化膜の下に窒化膜が形成されていることを特徴とする、請求項1記載の薄膜トランジスタ。
  3. 前記干渉フィルタは、465nmを中心とする波長の光を減衰させる構成であることを特徴とする、請求項2記載の薄膜トランジスタ。
  4. 前記酸化物半導体層と前記遮光層の側面にテーパが形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の薄膜トランジスタ。
  5. 前記干渉フィルタは、前記酸化物半導体層下以外にも形成され、前記酸化物半導体層下以外では膜厚が半分以下となっていることを特徴とする、請求項1乃至4の何れかに記載の薄膜トランジスタ。
  6. 前記酸化物半導体層は、インジウム−ガリウムー亜鉛合金の酸化物(IGZO)であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の薄膜トランジスタ。
  7. 透明基板上にファブリペロー型干渉フィルタからなる遮光層を形成する工程と、
    前記遮光層上に酸化物半導体層を形成する工程と、
    前記酸化物半導体層上に島状にマスクを形成し、該マスクを用いて前記酸化物半導体層及び前記遮光層をエッチングする工程と、
    前記酸化物半導体層にトランジスタ構造を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  8. 前記酸化物半導体層及び前記遮光層をエッチングする際に、前記マスクも同時にエッチングすることを特徴とする、請求項7記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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