JP2014229656A - 光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】VocおよびJscがともに大きな光電変換素子の提供。【解決手段】光電変換素子は、基板と、基板の第1面上に順に設けられた第1導電型窒化物半導体層、光電変換層および第2導電型窒化物半導体層とを備え、光が第2導電型窒化物半導体層側から入射することにより作動する。光電変換層は、InxGa1-xN(0.15≰x≰1)からなる窒化物半導体膜とIn、GaおよびZnを含む非晶質酸化物膜とを有する多重量子井戸構造を備える。窒化物半導体膜と非晶質酸化物膜とは、多重量子井戸構造において、交互に配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子、具体的には窒化物半導体材料を光電変換材料として含む光電変換素子に関する。
一般式InxGa(1-x)N(0≦x≦1)で表わされる窒化物半導体からなる層は、たとえば、有機金属気相成長法(MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition))、ハイドライド気相成長法(HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy))、分子線気相成長法(MBE(Molecular Beam Epitaxy))、パルスレーザーデポジション法(PLD(Pulsed Laser Deposition))、DC(Direct Current)スパッタ法、RF(Radio Frequency)スパッタ法、IB(Ion Beam)スパッタ法またはイオンプレーティング法(IP(Ion Plating)などの気相成長法によって、基板上に形成される。
InxGa(1-x)Nは、GaNとInNとの混晶であり、そのバンドギャップエネルギーは、InNのモル分率xの増加に伴って室温中で3.4eVから0.6eVまで変化する。このバンドギャップエネルギーは、およそ360nmから1970nmの波長に相当する。よって、InxGa(1-x)Nは、可視領域から赤外領域までの波長領域の広い光を吸収でき、したがって、次世代の光電変換素子の光電変換層の基幹材料として注目されている。
地上での太陽光スペクトルは、450nmから500nmにかけてピークを持つため、光電変換素子は、この領域の光を効率良く吸収することが好ましい。そのためには、バンドギャップエネルギーが2.75eV以下のInxGa(1-x)Nが求められ、このバンドギャップエネルギーを持つための最適なIn組成比xは0.15以上である。しかしながら、InxGa(1-x)N層には臨界膜厚(転位が形成されない最大の膜厚)が存在する。非特許文献1では、InxGa(1-x)Nのxの増加に伴うその臨界膜厚の減少について詳細に議論されている。たとえば、非特許文献1にはIn0.15Ga0.85N(x=0.15)の臨界膜厚がおよそ8.5nmであることが開示されており、非特許文献2にはIn1.0Ga0N=InN(x=1.0)の臨界膜厚が0.576nm未満であることが開示されている。そのため、高品質なInxGa(1-x)N層の厚膜化は困難である。そこで、光電変換素子では、InGaN層/GaN層などのように一般式InxGa(1-x)N(0≦x≦1)からなる二種以上の窒化物半導体層を交互に積層させてなる多重量子井戸(MQW(MQWは、multi quantum wellの略語である))構造を光電変換層として用いることが多い。
PHYSICAL REVIEW B 78 (2008) 233303 Applied Physics Letters 86 (2005) 153115 Japanese Journal of Applied Physics 50 (2011) 091102 Electrochemical and Solid-State Letters 14 (8) (2011) H346-H349 応用物理 第74巻 第7号 (2005) p.910-916
光電変換素子では、光電変換層の光吸収により生成したフォトキャリアは、トンネル電流として、互いに隣接するp型窒化物半導体層またはn型窒化物半導体層を介して外部に取り出される。このように、フォトキャリアは、トンネル効果によって移動する。しかし、トンネル効果は、MQW構造を構成する障壁層の厚さ、このMQW構造のエネルギー障壁(井戸層と障壁層とのバンドギャップエネルギーの差)、または、障壁層の結晶性などに大きく影響される。一般式InxGa(1-x)N(0≦x≦1)からなる二種以上の窒化物半導体層が交互に積層させてなるMQW構造を光電変換層として用いた場合には、以下に示す理由からフォトキャリアの移動が阻害されることがある。そのため、開放電圧(Voc)が低下する傾向または短絡電流密度(Jsc)が減少する傾向にある。
具体的には、InxGa(1-x)Nは、イオン半径が非常に小さいNと、イオン半径が非常に大きいGaまたはInとを含む。そのため、In組成比xの増加に伴い、GaNとInNとが結晶中に均一に分布し難くなるので、GaNとInNとの間に格子不整合が生じ易くなる。GaNとInNとの格子定数差は11%であるので、In組成比の高いInxGa(1-x)NとGaNとの界面では、In組成比xの増加に伴って、0〜11%の格子不整合率による転位が形成されることになる。この転位は電気的に活性であり、InxGa(1-x)N中のキャリアの運動の障害となる。よって、InxGa(1-x)N/GaNという積層構造を備えた光電変換素子を作動させると、InxGa(1-x)NとGaNとの界面でフォトキャリアがトラップされることがあり、別の言い方をするとInxGa(1-x)NとGaNとの界面にリーク電流の経路が形成されることがある。これにより、Vocが低下する傾向にある。
また、GaNとInNとの格子不整合は、InxGa(1-x)Nに大きな圧縮歪を印加する。(0001)面を表面に持つGaN層上にInxGa(1-x)Nをコヒーレントに成長させると、InxGa(1-x)Nは圧縮歪を受け、これにより、[0001](+c方向)の圧電分極による圧電電界が[000−1](−c方向)に形成される。ここで、InxGa(1-x)Nには、結合の非対称性から、(GaNとInNとの格子不整合が存在しない場合であっても)、自発分極による自発電界が+c方向に形成される。この自発電界と前述の圧電電界との合成から、InxGa(1-x)Nには、−c方向の圧電電界が支配的な内部電界が形成される。このように、n型窒化物半導体層とInxGa(1-x)Nからなる光電変換層とp型窒化物半導体層とを備える光電変換素子では、GaNとInNとの格子不整合により生じた圧電電界が、InxGa(1-x)Nに発生する内部電界とは反対方向のベクトルを持つ。また、その値は、1〜2MV/cmと大きい。これらのことから、このような光電変換素子を作動させると、フォトキャリアの取り出しが阻害され、Jscが減少する傾向にある。
GaNとInNとの格子不整合によりInxGa(1-x)Nに印加された圧縮歪は、InxGa(1-x)N層の厚さの増加に伴って蓄積され、終には転位の形成により緩和される。緩和されたInxGa(1-x)Nには、電気的に活性な転位が形成されているので、Vocが低下する傾向にある。
以上説明したように、従来の光電変換素子の光電変換層は、格子定数が互いに異なる複数層で構成されている。そのため、光電変換層がフォトキャリアを閉じ込めるMQW構造になっているのでVocが低下するという問題、または、圧縮応力または引張応力などの発生を引き起こす圧電電界により内部電界の減少を招くのでJscが小さくなるという問題などがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、VocおよびJscがともに大きな光電変換素子の提供にある。
本発明に係る光電変換素子は、基板と、基板の第1面上に順に設けられた第1導電型窒化物半導体層、光電変換層および第2導電型窒化物半導体層とを備え、光が第2導電型窒化物半導体層側から入射することにより作動する。光電変換層は、InxGa1-xN(0.15≦x≦1)からなる窒化物半導体膜とIn、GaおよびZnを含む非晶質酸化物膜とを有する多重量子井戸構造を備える。窒化物半導体膜と非晶質酸化物膜とは、多重量子井戸構造において、交互に配置されている。
非晶質酸化物膜の組成比はIn/Ga=Zn/Ga=1であることが好ましく、非晶質酸化物膜の厚さは1nm以上10nm未満であることが好ましい。
窒化物半導体膜は緩和していないことが好ましく、窒化物半導体膜の厚さは0.2nm以上9nm未満であることが好ましい。光電変換層の厚さは150nm以上500nm以下であることが好ましい。
多重量子井戸構造は、窒化物半導体膜と非晶質酸化物膜とが交互に積層されて構成されていても良いし、窒化物半導体膜と非晶質酸化物膜とで挟まれた非晶質窒化物半導体膜を有しても良い。非晶質窒化物半導体膜は、非晶質酸化物膜と当該非晶質酸化物膜よりも基板側に位置する窒化物半導体膜とで挟まれていることが好ましい。
本発明に係る光電変換素子は、第1面とは反対側に位置する基板の第2面上に設けられ、AlまたはAgの少なくとも一方からなる反射層をさらに備えることが好ましい。
本発明に係る光電変換素子では、VocおよびJscがともに大きい。
本発明の一実施形態に係る光電変換素子の側面図である。 本発明の一実施形態における光電変換層の側面図である。 本発明の一実施形態に係る光電変換素子に生じる内部電界および圧電電界の向きを示す模式図である。 (a)〜(b)は、本発明の一実施形態における非晶質酸化物膜の上面の平坦性と当該非晶質酸化物膜上に形成された窒化物半導体膜の結晶性との関係を説明する模式図である。 本発明の別の一実施形態における光電変換層の側面図である。 本発明の別の一実施形態に係る光電変換素子の側面図である。 反射層の反射率の波長依存性を示すグラフである。
以下、本発明にかかる光電変換素子について図面を用いて説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
<第1の実施形態>
<光電変換素子の構成>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光電変換素子100の側面図である。本実施形態に係る光電変換素子100は、基板200と、基板200の第1面200A上に順に設けられた第1導電型窒化物半導体層300、光電変換層400および第2導電型窒化物半導体層500とを備え、光10が第2導電型窒化物半導体層500側から入射されて作動する。光電変換層400などから露出する第1導電型窒化物半導体層300の面(以下では「第1導電型窒化物半導体層300の露出面」と記す)上と第2導電型窒化物半導体層500上とには、それぞれ、パッド電極(不図示)が設けられていることが好ましい。以下、光電変換素子100の各構成について示す。
<基板>
基板200の材料は特に限定されない。しかし、基板200と第1導電型窒化物半導体層300との格子不整合率をできるだけ低くするためには、基板200は、一般式Alp1Inq1Ga(1-p1-q1)N(0≦p1≦1、0≦q1≦1、0<p1+q1≦1)からなることが好ましく、GaP、GaAs、SiC、SiGe、Al23、ZnO、Ga23、NdGaO3、LiGaO2またはMgAl24などからなっても良いし、Siウェハーであっても良い。基板200の第1面200Aには周期的な凹凸が形成されていても良い。これにより、基板200の第1面200A上に形成される第1導電型窒化物半導体層300などの結晶性を高めることができる。基板200の厚さは特に限定されない。
基板200がAl23基板である場合には、基板200の第1面200A上にはバッファ層を挟んで第1導電型窒化物半導体層300が設けられていることが好ましい。バッファ層は、非晶質なGaNからなってもよいし、AlNとAlp2Ga(1-p2)N(0<p2<1)とからなる多重量子井戸構造を有してもよい。AlNとAlp2Ga(1-p2)Nとからなる多重量子井戸構造は、たとえば、MOCVD法などにより形成されることが好ましい。
<第1導電型窒化物半導体層>
第1導電型窒化物半導体層300は光電変換層400よりも大きなバンドギャップエネルギーを有していることが好ましく、その材料は特に限定されない。たとえば、第1導電型窒化物半導体層300は、Si、P、As、またはSbなどのn型不純物がAlsIntGa(1-s-t)N(0≦s≦1、0≦t≦1、0<s+t≦1)層にドーピングされた層であることが好ましく、SiがGaN層にドーピングされた層であることがより好ましい。第1導電型窒化物半導体層300がn型窒化物半導体層である場合、第1導電型窒化物半導体層300におけるn型不純物濃度は1×1018cm-3以上1×1020cm-3以下であることが好ましい。第1導電型窒化物半導体層300の厚さは、たとえば、0.1μm以上4.0μm以下であることが好ましい。
なお、第1導電型窒化物半導体層300はp型窒化物半導体層であっても良い。この場合には、第2導電型窒化物半導体層500はn型窒化物半導体層であることが好ましい。
<光電変換層>
図2は、本実施形態における光電変換層400の側面図である。本実施形態における光電変換層400は、一般式InxGa(1-x)N(0.15≦x≦1)からなる窒化物半導体膜(以下では「窒化物半導体膜」と記す)401とIn、GaおよびZnを含む非晶質酸化物膜(以下では単に「非晶質酸化物膜」と記す)402とが交互に積層されて構成された多重量子井戸構造を備える。「多重量子井戸構造」とは、量子井戸構造が複数重ねられてなる構造を意味する。「量子井戸構造」とは、電子が一次元方向に閉じ込められた構造を意味し、具体的にはバンドギャップエネルギーの小さな層(井戸層)をバンドギャップエネルギーの大きな層(障壁層)で挟んだ構造を意味する。本明細書では、窒化物半導体膜401が井戸層に相当し、非晶質酸化物膜402が障壁層に相当する。なお、本明細書では、非晶質層または非晶質膜には「非晶質」と明記しており、「非晶質」と明記していない層または膜は結晶質である。
窒化物半導体膜401のIn組成比が0.15以上であれば、窒化物半導体膜401のバンドギャップエネルギーは2.75eV以下となる。よって、窒化物半導体膜401は、450nmから500nmにかけてピークを持つ光(たとえば、地上での太陽光)を効率良く吸収することができる。また、窒化物半導体膜401のIn組成比が1.0であれば、窒化物半導体膜401は波長が1970nmである赤外光を効率良く吸収することができる。よって、窒化物半導体膜401のIn組成比が0.15以上1.0以下であれば、窒化物半導体膜401は可視領域から赤外領域までの波長領域の広い光を吸収することができる。
非晶質酸化物膜402は、In−Ga−Zn−O系の酸化物からなることが好ましく、その組成比は、In/Ga=Zn/Ga=1すなわちIn:Ga:Zn=1:1:1であることが好ましく、その厚さは、1nm以上10nm未満であることが好ましい。このような非晶質酸化物膜402は、たとえば、パルスレーザーデポジション法(PLD)、DCスパッタ法、RFスパッタ法、IBスパッタ法またはイオンプレーティング法などにより形成可能である。
一般的に、非晶質では、原子の結合は共有結合性を有することが多く、電子はボルツマンの輸送方程式に従ってホッピングで移動する。しかし、In−Ga−Zn系の非晶質酸化物では、原子の結合はイオン結合性を有しているので、非晶質であるにも関わらず電子がエネルギーバンドを伝導する。In−Ga−Zn系の非晶質酸化物の価電子帯の最上部のエネルギーは、O2p軌道で構成される。In−Ga−Zn系の非晶質酸化物の伝導帯の最下部のエネルギーは、In、GaおよびZnの空のns軌道(n:主量子数)で構成される。このとき、In、GaおよびZnが有していた電子は、O2p軌道に移動している。O2p軌道が介在しても空のns軌道は実空間で広く分布しているため、隣り合う空のns軌道同士の重なりは大きくなり、よって、バンド分散が大きくなる。このメカニズムは、非特許文献3に記載されている。バンド分散は、エネルギーEが波数ベクトルkに依存する変化量であり、∂2E/∂k2で定義される。バンド分散(∂2E/∂k2)は、電子の有効質量m*と式(1)に示す関係にある。バンド分散が大きいIn−Ga−Zn系の非晶質酸化物では、総じて、電子のドープ(In−Ga−Zn系の非晶質酸化物を構成する元素の一部を他の元素で置換することにより、その非晶質酸化物の伝導帯に電子を供給すること)が容易であり、電子の有効質量m*が小さい(式(1)参照)。よって、バンド分散が大きいIn−Ga−Zn系の非晶質酸化物は、電子移動度が大きいn型半導体となりやすい。また、Γ点のバンドギャップエネルギーが3.05eVであることは非特許文献4に記載されている。
Figure 2014229656
従来の光電変換素子は、多くの場合、InGaN層(井戸層)/GaN層(障壁層)を1周期として多周期に積層されたMQW構造からなる光電変換層を備えている。そのため、光電変換層で生成されたフォトキャリアは、トンネル効果によりGaN層(障壁層)を介して移動する。しかし、InGaNとGaNとの間には、格子不整合が発生することがある。この格子不整合の発生により、InGaN層とGaN層との界面には転位が形成されることがある。これにより、InGaN層で発生したフォトキャリアがInGaN層とGaN層との界面でトラップされるおそれがある。また、InGaNとGaNとの格子不整合の発生により、InGaN層が圧縮歪を受けることとなる。これにより、圧電分極による圧電電界が発生することとなり、よって、光電変換素子の作動時にフォトキャリアを取り出すための内部電界が弱まることとなる。
一方、本実施形態における光電変換層400は、窒化物半導体膜401と非晶質酸化物膜402とが交互に積層されてなる多重量子井戸構造を有する。そのため、窒化物半導体膜401で生成されたフォトキャリアは、非晶質酸化物膜402のエネルギーバンドを伝導する。ここで、本実施形態では、窒化物半導体膜401と非晶質酸化物膜402とが交互に積層されているので、窒化物半導体膜401と非晶質酸化物膜402との間に格子不整合が発生することを回避でき、且つ、その格子不整合に起因する圧縮歪の発生を回避することができるので、窒化物半導体膜401と非晶質酸化物膜402との界面に転位が形成されることを回避することができる。よって、窒化物半導体膜401で生成されたフォトキャリアは、窒化物半導体膜401と非晶質酸化物膜402との界面などにおいて漏れ出すことなく移動する。したがって、Vocが大きくなる。
仮に上記圧縮歪が発生したとしても、圧縮歪の大きさは従来よりも小さいので、その圧縮歪が窒化物半導体膜401に強く印加されることを防止することができる。そのため、圧電分極による圧電電界の大きさを小さく抑えることができる。別の言い方をすると、図3に示す圧電電界の矢印の長さを短くすることができる。よって、自発電界が支配的な内部電界が形成され易くなるので、光電変換素子の作動時にフォトキャリアを取り出すための内部電界が弱くなることを防止することができる。別の言い方をすると、図3に示す内部電界の矢印の大きさが短くなることを防止することができる。したがって、フォトキャリアの取り出し効率が高くなるので、Jscが大きくなる。なお、図3は、本実施形態に係る光電変換素子に生じる内部電界および圧電電界の向きを示す模式図である。
加えて、本実施形態における光電変換層400では、トンネル効果を活用することもできる。フォトキャリアのトンネル確率Pは下記式(2)で表される。上述のように、非晶質酸化物膜402内では、電子の有効質量m*が小さい。電子の有効質量m*が小さいと、フォトキャリアのトンネル確率Pが高くなるので、フォトキャリアの取り出し効率が高くなる。よって、Jscが大きくなる。このように、本実施形態における光電変換層400では、トンネル効果が利用されるので、Jscが大きくなる。ここで、下記式(2)において、Egは非晶質酸化物膜402のバンドギャップエネルギーを表わし、Vはフォトキャリアのポテンシャルエネルギーを表わし、tは非晶質酸化物膜402の厚さを表わす。
Figure 2014229656
また、上記式(2)より、フォトキャリアのトンネル確率Pが非晶質酸化物膜402のバンドギャップエネルギーEgとその厚さtとに依存することが分かる。非晶質酸化物膜402の厚さtが10nm以上になると、フォトキャリアのトンネル確率Pは指数関数的に小さくなる。そのため、フォトキャリアの取り出し効率の低下を招くことがある。よって、非晶質酸化物膜402の厚さtは10nm未満であることが好ましい。これにより、フォトキャリアの取り出し効率の低下を防止することができるので、Jscがさらに大きくなる。一方、非晶質酸化物膜402の厚さtが1nm未満であれば、非晶質酸化物膜402を形成し難いことがあり、また、その膜厚が不均一になることがある。よって、非晶質酸化物膜402の厚さtは1nm以上であることが好ましい。より好ましくは、非晶質酸化物膜402の厚さtが1nm以上9nm以下であることである。
非晶質酸化物膜402の組成比は、In/Ga=Zn/Ga=1すなわちIn:Ga:Zn=1:1:1であることが好ましい。これにより、In−Ga−Zn−O系の酸化物が構造的に最も安定する。また、非晶質酸化物膜402の表面を原子レベルで平坦とすることができる。非晶質酸化物膜402の表面の荒れはrms値(平均二乗誤差)で定義され、この値が大きいほど非晶質酸化物膜402の表面の凹凸が大きいことを意味する。非特許文献5には、In:Ga:Zn=1:1:1の組成比を有するIn−Ga−Zn−O系の酸化物からなる非晶質酸化物膜402の表面が原子レベルで平坦であることが記載されており、具体的には1辺が1μmの領域におけるその表面の荒れはrms値で0.3nmであることが記載されている。図4(a)〜(b)を用いて具体的に示す。
図4(a)〜(b)は、非晶質酸化物膜の上面の平坦性と当該非晶質酸化物膜上に形成された窒化物半導体膜の結晶性との関係を説明する模式図である。図4(a)では、大きな凹凸が非晶質酸化物膜452の上面に形成されており、1辺が1μmの領域における非晶質酸化物膜452の表面粗さ(rms)はたとえば0.4nm以上である。結晶は、表面に対して垂直な方向(図4(a)における破線で示された方向)に成長する。そのため、非晶質酸化物膜452上に窒化物半導体膜451を結晶成長させると、結晶が成長中にぶつかることとなり、よって、窒化物半導体膜451には欠陥つまりリーク電流の経路451aが形成される。
一方、図4(b)では、非晶質酸化物膜402の上面は平坦であり、1辺が1μmの領域における非晶質酸化物膜402の表面粗さ(rms)は0.1nm<rms<0.4nmを満たしている。そのため、非晶質酸化物膜402上に窒化物半導体膜401を結晶成長させると、結晶がぶつかることなく窒化物半導体膜401が形成される。よって、リーク電流の経路が形成されることなく窒化物半導体膜401を形成することができる。これにより、Vocがさらに大きくなる。また、窒化物半導体膜401の結晶性を高めることができるので、窒化物半導体膜401と非晶質酸化物膜402との格子不整合に起因する圧縮歪を小さく抑えることができ、よって、圧電分極による圧電電界の形成を回避することができる。これにより、フォトキャリアの取り出し効率をさらに高めることができるので、Jscがさらに大きくなる。ここで、1辺が1μmの領域における非晶質酸化物膜402の表面粗さの測定方法としては、たとえば原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscopy)を用いた測定方法などを挙げることができる。
窒化物半導体膜401は、緩和していないことが好ましい。「窒化物半導体膜401が緩和していない」とは、窒化物半導体膜401に転位が形成されていないことを意味し、窒化物半導体膜401の厚さが臨界膜厚以下であることを意味する。たとえば、窒化物半導体膜401の厚さは、0.2nm以上9nm未満であることがより好ましく、0.2nm以上8.7nm以下であることがさらに好ましい。窒化物半導体膜401の厚さが増加すると、圧縮歪が窒化物半導体膜401に蓄積される。窒化物半導体膜401の厚さが臨界膜厚を超えると、窒化物半導体膜401には転位が形成され、その結果、圧縮歪が緩和される。ここで、転位は、電気的に活性である。そのため、圧縮歪が緩和された窒化物半導体膜は、電気的に活性な転位によってVocが低下することがある。窒化物半導体膜401の厚さが臨界膜厚以下であれば、窒化物半導体膜401において圧縮歪が緩和されることを防止することができる。非特許文献1には、InxGa(1-x)N(x=0.15)の臨界膜厚がおよそ8.7nmであることが記載されているので、窒化物半導体膜401の厚さは9nm未満であることが好ましい。また、非特許文献2には、InxGa(1-x)N(x=1.0)の臨界膜厚が0.576nm未満であることが記載されているので、窒化物半導体膜401の厚さは1分子層の厚さ以上であることが好ましく、すなわち0.2nm以上であることが好ましい。なお、窒化物半導体膜401の厚さの上限値を8.7nm未満ではなく9nm未満としている理由は、窒化物半導体膜401を実際に結晶成長させるときには0.3nm未満の厚さの制御が困難である場合が多いからである。窒化物半導体膜401の厚さの下限値を0.576nm以上ではなく0.2nm以上としている理由も同様である。
光電変換層400の厚さは、150nm以上500nm以下であることが好ましい。光電変換素子として動作し、且つ、フォトキャリアが十分に生成されるためには、光電変換層400は、入射光の強度に対して80%以上の光を吸収することが好ましい。ここで、窒化物半導体膜401の光吸収係数は、〜105cm-1である。そのため、光電変換層400が入射光の強度に対して80%以上の光を吸収するためには、光電変換層400の厚さは150nm以上であることが好ましい。また、光電変換層400の厚さが500nm以下であれば、窒化物半導体膜401と非晶質酸化物膜402との積層構造が崩れることを防止することができるので、窒化物半導体膜401の結晶性の低下を防止することができる。これにより、Jscがさらに大きくなり、Vocがさらに大きくなる。光電変換層400の厚さは、150nm以上400nm以下であることがより好ましい。光電変換層400の厚さが150nm以上500nm以下となるように、光電変換層400における窒化物半導体膜401および非晶質酸化物膜402のそれぞれの層数を決定することが好ましい。たとえば、光電変換層400における窒化物半導体膜401および非晶質酸化物膜402のそれぞれの層数は15以上50以下であることが好ましい。
光電変換層の構造は、図2に示す構造に限定されない。光電変換層は、窒化物半導体膜と非晶質酸化物膜とを有する多重量子井戸構造を備えていれば良く、窒化物半導体膜と非晶質酸化物膜とは、多重量子井戸構造において交互に配置されていれば良い。そのため、本発明における多重量子井戸構造は、窒化物半導体膜401と、非晶質酸化物膜402と、窒化物半導体膜401および非晶質酸化物膜402とは異なる1以上の層とが交互に積層されて構成された多重量子井戸構造であっても良く、たとえば後述の第2の実施形態における多重量子井戸構造であっても良い。また、窒化物半導体膜401が非晶質酸化物膜402を挟んで第1導電型窒化物半導体層300上に設けられていても良いし、光電変換層400のうち最も第2導電型窒化物半導体層500側に位置する層が窒化物半導体膜401であっても良い。
<第2導電型窒化物半導体層>
第2導電型窒化物半導体層500は光電変換層400よりも大きなバンドギャップエネルギーを有していることが好ましく、その材料は特に限定されない。たとえば、第2導電型窒化物半導体層500は、BeまたはMgなどのp型不純物がAlvInwGa(1-v-w)N(0≦v≦1、0≦w≦1、0<v+w≦1)層にドーピングされた層であることが好ましく、MgがGaN層にドーピングされた層であることがより好ましい。第2導電型窒化物半導体層500がp型窒化物半導体層である場合、第2導電型窒化物半導体層500におけるp型不純物濃度は1×1017cm-3以上1×1019cm-3以下であることが好ましい。第2導電型窒化物半導体層500の厚さは、たとえば、50nm以上200nm以下であることが好ましい。
<光電変換素子の製造>
本実施形態に係る光電変換素子は次に示す方法にしたがって製造される。なお、基板200、第1導電型窒化物半導体層300、光電変換層400および第2導電型窒化物半導体層500の各構成要素の材料などについては上述の通りである。まず、基板200を準備する。基板200としてGaN基板を用いる場合には、フッ化水素酸などを用いてGaN基板の表面を洗浄することが好ましい。基板としてAl23基板を用いる場合には、水素雰囲気中でAl23基板を1100℃〜1200℃で加熱することが好ましい。この加熱によりAl23基板の表面から付着物または酸化膜などを除去することができる。より好ましくは、Al23基板の加熱時間は、Al23基板の温度が1100℃〜1200℃に達してから10分間〜20分間であることが好ましい。
次に、たとえばMOCVD法により、基板200の第1面200A上に第1導電型窒化物半導体層300を形成する。このとき、基板200の温度は、1100℃以上であることが好ましく、1120℃以上であることがより好ましい。
次に、第1導電型窒化物半導体層300上に光電変換層400を形成する。非晶質酸化物膜402の形成と窒化物半導体膜401の形成とを繰り返し行うことが好ましい。なお、窒化物半導体膜401を形成してから非晶質酸化物膜402を形成してもよいし、非晶質酸化物膜402を形成してから窒化物半導体膜401を形成してもよい。
窒化物半導体膜401は、たとえばMOCVD法により形成されることが好ましく、基板200の温度を500℃〜550℃にして形成されることが好ましい。
非晶質酸化物膜402は、たとえばスパッタ法により形成されることが好ましい。非晶質酸化物膜402を形成するとき、スパッタ装置内にはArガスおよびO2ガスの少なくとも一方を供給することが好ましく、InとGaとNとを含むターゲットを用いることが好ましい。第1導電型窒化物半導体層300などが形成された基板200とターゲットとに電力を供給すると、Ar原子核がArガスから分離されてターゲットに衝突する。この衝突により、ターゲットの一部がターゲットから分離して窒化物半導体膜401などの表面に付着する。このようにして、非晶質酸化物膜402が形成される。非晶質酸化物膜402の組成がターゲットの組成により決定されるということを考慮して、ターゲットの組成を決定することが好ましい。スパッタ装置内には、O2ガスのモル比率(O2/Ar)が3%以上10%以下となるようにArガスおよびO2ガスを供給することが好ましい。これにより、導電率および透過率に優れた非晶質酸化物膜402を形成することができる。また、窒化物半導体膜401などが形成された基板200の温度を室温〜200℃にまで下げて非晶質酸化物膜402を形成することが好ましい。
次に、たとえばMBE法により光電変換層400上に第2導電型窒化物半導体層500を形成する。このとき、基板の温度をたとえば500℃〜550℃とすることが好ましい。必要に応じて熱処理を行った後、第1導電型窒化物半導体層300の一部が露出するように第2導電型窒化物半導体層500と光電変換層400と第1導電型窒化物半導体層300とをエッチングする。このエッチングは、ウエットエッチングであっても良いし、ドライエッチングであっても良い。その後、第2導電型窒化物半導体層500上と第1導電型窒化物半導体層300の露出面上とにパッド電極を形成する。その後、必要に応じて、熱処理を行ない、基板200を研削、研磨してから分割する。このようにして本実施形態に係る光電変換素子が製造される。
<第2の実施形態>
図5は、本発明の第2の実施形態における光電変換層410の側面図である。本実施形態に係る光電変換素子は、光電変換層400ではなく光電変換層410を備えている。以下では、上記第1の実施形態とは異なる点を主に示す。
本実施形態における光電変換層410は、窒化物半導体膜401と非晶質酸化物膜402と非晶質窒化物半導体膜403とを有する多重量子井戸構造を備える。非晶質窒化物半導体膜403は、窒化物半導体膜401と非晶質酸化物膜402とで挟まれている。別の言い方をすると、光電変換層410は、窒化物半導体膜401と非晶質窒化物半導体膜403と非晶質酸化物膜402と非晶質窒化物半導体膜403とが基板200側からこの順で繰り返し積層されて構成されている。なお、非晶質窒化物半導体膜403は、図5に示す光電変換層410では非晶質酸化物膜402と第2導電型窒化物半導体層500との間には設けられていないが、非晶質酸化物膜402と第2導電型窒化物半導体層500との間にも設けられていても良い。
非晶質窒化物半導体膜403は、非晶質酸化物膜402の形成時に窒化物半導体膜401をダメージから保護するために設けられる。非晶質酸化物膜402は、たとえば、ArガスまたはO2ガスなどを用いて、DCスパッタ法、RFスパッタ法またはIBスパッタ法などにより形成される。そのため、非晶質酸化物膜402の形成時には非晶質酸化物膜402の材料(原子、イオンまたは原子およびイオンなど)またはArイオンなどが窒化物半導体膜401の表面に衝突し、よって、窒化物半導体膜401の表面には欠陥が形成されることがある。欠陥の形成により、窒化物半導体膜401と非晶質酸化物膜402との界面ではフォトキャリアがトラップされることがある。別の言い方をすると、欠陥の形成により、窒化物半導体膜401と非晶質酸化物膜402との界面にリーク電流の経路が形成されることがある。その結果、Vocの低下を招くことがある。しかし、非晶質窒化物半導体膜403が窒化物半導体膜401と非晶質酸化物膜402との間に設けられていれば、非晶質酸化物膜402の形成時に非晶質酸化物膜402の材料(原子、イオンまたは原子およびイオンなど)またはArイオンなどが窒化物半導体膜401の表面に衝突することを防止することができる。
光電変換素子における非晶質窒化物半導体膜403の厚さは1nm程度であることが好ましい。これにより、非晶質窒化物半導体膜403を設けたことによる光電変換素子の特性の低下などを最小限に抑えることができる。一方、非晶質酸化物膜402の形成時に窒化物半導体膜401をダメージから保護するために非晶質窒化物半導体膜403を設けるという観点では、窒化物半導体膜401上の非晶質窒化物半導体膜403の厚みは大きい方が好ましい。これらを勘案すると、窒化物半導体膜401上に厚さの大きな非晶質窒化物半導体膜403および非晶質酸化物膜402を順に形成することが好ましく、非晶質酸化物膜402の形成時には厚さの大きな非晶質窒化物半導体膜403が非晶質酸化物膜402の材料(原子、イオンまたは原子およびイオンなど)またはArイオンなどによりエッチングされてその厚さが1nm程度になることが好ましい。
非晶質窒化物半導体膜403は、窒化物半導体膜401の形成条件と同一の条件で形成されることが好ましく、窒化物半導体膜401の形成温度よりも低い温度で形成される。非晶質窒化物半導体膜403は、たとえば非晶質GaN層などであることが好ましい。
なお、非晶質窒化物半導体膜403は、非晶質酸化物膜402と当該非晶質酸化物膜402よりも基板200側に位置する窒化物半導体膜401とで挟まれていることが好ましい。別の言い方をすると、光電変換層410は、窒化物半導体膜401と非晶質窒化物半導体膜403と非晶質酸化物膜402とが基板200側からこの順に繰り返し積層されて構成されていることが好ましい。これにより、非晶質窒化物半導体膜403の膜数を最小限に抑えつつ非晶質窒化物半導体膜403を設けたことによる効果を得ることができる。
<第3の実施形態>
図6は、本発明の第3の実施形態に係る光電変換素子110の側面図である。本実施形態に係る光電変換素子は、反射層600を備えている。以下では、上記第1の実施形態とは異なる点を主に示す。
反射層600は、基板200の第1面200A上または基板200の第2面200B(第2面200Bは第1面200Aとは反対側に位置する)上に設けられていることが好ましい。入射光10のうち、一部の光は光電変換層400で吸収されるが、残りの光は光電変換層400で吸収されずに透過する。光電変換層400を透過した光20は反射層600で反射されて、その反射光30は光電変換層400で再び吸収される。これにより、光電変換層400で発生するフォトキャリアは増加するので、Jscは上記第1の実施形態よりも大きくなる。
反射層600は、基板200の第2面200B上に設けられていることがより好ましい。これにより、反射層600が光電変換素子の抵抗成分になることを防止できるので、曲線因子の低下を防止することもできる。
反射層600は、光を反射可能な金属からなれば良く、AgおよびAlの少なくとも一方からなることが好ましく、Agからなることがより好ましい。図7は、反射層600の反射率の波長依存性を示すグラフである。L71はAg膜の反射率の波長依存性を示し、L72はAl膜の反射率の波長依存性を示す。反射層600がAgおよびAlの少なくとも一方からなれば、反射層600での光(波長が400nm〜1100nmの光)の反射率を70%よりも高くすることができる。反射層600がAgからなれば、反射層600での光(波長が400nm〜1100nmの光)の反射率を90%よりも高くすることができ、また、反射層600の反射率の波長依存性を低く抑えることができる。
反射層600の厚さは、たとえば、100nm以上1μm以下であることが好ましい。反射層600の厚さが100nm以上1μm以下であれば、反射層600が剥がれることを防止できる。反射層600の厚さが100nm以上であれば、光が反射層600で反射せずに当該反射層600を透過することを防止できる。
反射層600は、たとえば、DCスパッタ法、RFスパッタ法またはIBスパッタ法などによって形成されることが好ましい。
以上説明したように、図1などに示す光電変換素子は、基板200と、基板200の第1面200A上に順に設けられた第1導電型窒化物半導体層300、光電変換層400および第2導電型窒化物半導体層500とを備え、光が第2導電型窒化物半導体層500側から入射することにより作動する。光電変換層400は、InxGa1-xN(0.15≦x≦1)からなる窒化物半導体膜401とIn、GaおよびZnを含む非晶質酸化物膜402とを有する多重量子井戸構造を備える。窒化物半導体膜401と非晶質酸化物膜402とは、多重量子井戸構造において、交互に配置されている。これにより、VocおよびJscがともに大きくなる。
非晶質酸化物膜402の組成比は、In/Ga=Zn/Ga=1であることが好ましい。これにより、Vocはさらに大きくなり、Jscはさらに大きくなる。非晶質酸化物膜402の厚さは、1nm以上10nm未満であることが好ましい。これにより、非晶質酸化物膜402を形成し易いとともに、Jscがさらに大きな光電変換素子を提供することができる。
窒化物半導体膜401は緩和していないことが好ましく、窒化物半導体膜401の厚さは0.2nm以上9nm未満であることが好ましい。これにより、Vocはさらに大きくなる。光電変換層400の厚さは150nm以上500nm以下であることが好ましい。これにより、窒化物半導体膜401が吸収する光の強度を高く維持することができ、Vocはさらに大きくなり、Jscはさらに大きくなる。
多重量子井戸構造は、窒化物半導体膜401と非晶質酸化物膜402とが交互に積層されて構成されていても良いし、窒化物半導体膜401と非晶質酸化物膜402とで挟まれた非晶質窒化物半導体膜403を有しても良い。非晶質窒化物半導体膜403は、非晶質酸化物膜402と当該非晶質酸化物膜402よりも基板200側に位置する窒化物半導体膜401とで挟まれていることが好ましい。これにより、非晶質窒化物半導体膜403を、非晶質酸化物膜402の形成時に窒化物半導体膜401をダメージから保護するための層として有効に機能させることができる。
本発明に係る光電変換素子は、第1面200Aとは反対側に位置する基板200の第2面200B上に設けられ、AlまたはAgの少なくとも一方からなる反射層600をさらに備えることが好ましい。これにより、Jscはさらに大きくなる。それだけでなく、曲線因子の低下を防止することもできる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
まず、GaN基板の表面を47%のフッ化水素酸溶液で洗浄した。洗浄後のGaN基板を1100℃まで加熱した。そのGaN基板をMOCVD装置内に入れて1100℃まで加熱した。MOCVD装置内に、トリメチルガリウム(TMGa)を125μmol供給し、アンモニア(NH3)を270mmol供給し、モノシラン(SiH4)を2mmol供給して、GaN基板の第1面上にSiがドープされたGaN層(n−GaN層)を形成した。形成されたn−GaN層の厚さは1.5μmであり、n−GaN層におけるSi濃度は2×1018個/cm3であった。
次に、n−GaN層上に光電変換層を形成した。具体的には、GaN基板の温度を530℃にまで下げた。MOCVD装置内に、TMGaを190μmol供給し、トリメチルインジウム(TMIn)を90μmol供給し、NH3を420mmol供給して、n−GaN層上にIn0.15Ga0.85N膜(厚さが5nm)を形成した。その後、In0.15Ga0.85N膜などが形成されたGaN基板をMOCVD装置から取り出してDCマグネトロンスパッタ装置内に入れてから、その基板の温度を200℃程度にまで低下させた。DCマグネトロンスパッタ装置には、O2ガスのモル分率(O2/Ar)が4%となるようにArガスとO2ガスとを供給した。スパッタ用ターゲットとしては、組成比In:Ga:Zn=1:1:1であるターゲット(多結晶体)を用いた。これにより、In0.15Ga0.85N膜上に非晶質InGaZnO膜(厚さが5nm)が形成された。その後、In0.15Ga0.85N膜と非晶質InGaZnO膜とを交互に形成して光電変換層を得た。得られた光電変換層は、1層のIn0.15Ga0.85N膜と1層の非晶質InGaZnO膜とからなる単位構造を40ユニット有していた。
次に、GaN基板の温度を530℃にまで上げ、分子線気相成長法(MBE)により光電変換層400上にMgがドープされたGaN層(p−GaN層)を形成した。このとき、Gaフラックス量が5×10-7Torrであり、Mgフラックス量が1×10-8Torrであった。形成されたp−GaN層の厚さは100nmであり、p−GaN層におけるMg濃度は1×1019個/cm3であった。
p−GaN層を形成した後、アニール炉を用いて窒化雰囲気下で熱処理を行った。熱処理温度は500℃であり、熱処理時間は4時間であった。その後、p−GaN層上に所定の形状のマスクを形成して、p−GaN層、光電変換層およびn−GaN層のそれぞれの一部を除去した。これにより、n−GaN層の一部が露出した。そののち、リフトオフ法によりパッド電極を形成した。具体的には、p−GaN層上とn−GaN層の露出面上とに所定のパターンを有するマスク(レジストマスク)を形成し、そのマスク上にNi/Pt/Auからなる金属膜を蒸着法により形成した。その後、ランプアニール装置を用いて400〜530℃で熱処理を行った。その後、GaN基板を所定の箇所で分割した。これにより、本実施例の光電変換素子が得られた。
金線を用いてパッド電極とリードフレームとを接続し、リードフレームの正極および負極のそれぞれにプローブを接触させて電流および電圧測定用の回路を形成した。雰囲気温度と本実施例の光電変換素子の温度とをそれぞれ25℃として、スペクトル分布がAM1.5でありエネルギー密度が100mW/cm2である1sun擬似太陽光を本実施例の光電変換素子に照射して出力特性を測定した。Vocは1.53Vであり、Jscは1.15mA/cm2であり、曲線因子(FF)は0.45であり、変換効率は0.79%であった。
非晶質InGaZnO膜の代わりにGaN膜を形成したことを除いては本実施例の製造方法にしたがって光電変換素子を製造した場合(以下ではこの光電変換素子を「比較例の光電変換素子」と記す)、得られた光電変換素子のJscは1.00mA/cm2である。よって、本実施例の光電変換素子のJscは、比較例の光電変換素子のJscよりも大きかった。
<実施例2>
基板の材料および構造などが異なることを除いては上記実施例1の方法にしたがって光電変換素子を製造した。具体的には、Al23基板を水素雰囲気中で1100℃〜1200℃で10〜20分間加熱した。これにより、付着物または酸化膜などがAl23基板の表面から除去された。Al23基板の温度を500℃〜550℃にまで下げた。これにより、Al23基板の第1面上に非晶質なGaNからなるバッファ層が形成された。以下では、非晶質なGaNからなるバッファ層が第1面上に形成されたAl23基板を「上記実施例2のAl23基板」と記す。その後、上記実施例1に記載の方法にしたがって本実施例の光電変換素子を製造した。得られた光電変換素子では、Vocは1.33Vであり、Jscは1.08mA/cm2であり、FFは0.36であり、変換効率は0.51%であった。よって、本実施例の光電変換素子のJscは、比較例の光電変換素子のJscよりも大きかった。
<実施例3>
光電変換層の構成が異なることを除いては上記実施例1の方法にしたがって光電変換素子を製造した。具体的には、上記実施例1の方法にしたがって、GaN基板の第1面上にn−GaN層およびIn0.15Ga0.85N膜を順に形成した。次に、TMInを供給しないことを除いては形成条件を変更せずに、In0.15Ga0.85N膜上に非晶質GaN膜を形成した。その後、上記実施例1の方法にしたがって非晶質InGaZnO膜を形成した。このとき、非晶質GaN膜は非晶質InGaZnO膜の材料(原子、イオンまたは原子およびイオンなど)またはArイオンなどによりエッチングされたため、非晶質InGaZnO膜の形成後における非晶質GaN膜の厚さは1nm程度となった。その後、上述の方法にしたがって非晶質GaN膜を形成した。その後は、In0.15Ga0.85N膜、非晶質GaN膜、非晶質InGaZnO膜および非晶質GaN膜をこの順に繰り返し形成して、光電変換層を得た。得られた光電変換層は、In0.15Ga0.85N膜、非晶質GaN膜、非晶質InGaZnO膜および非晶質GaN膜からなる単位構造を40ユニット有していた。得られた光電変換素子では、Vocは1.77Vであり、Jscは1.03mA/cm2であり、FFは0.38であり、変換効率は0.69%であった。よって、本実施例の光電変換素子のJscは、比較例の光電変換素子のJscよりも大きかった。
<実施例4>
上記実施例2のAl23基板を用いたことを除いては上記実施例3の方法にしたがって光電変換素子を製造した。得られた光電変換素子では、Vocは1.07Vであり、Jscは1.01mA/cm2であり、FFは0.34であり、変換効率は0.37%であった。よって、本実施例の光電変換素子のJscは、比較例の光電変換素子のJscよりも大きかった。
<実施例5>
GaN基板の第2面上に反射層を形成したことを除いては上記実施例1の方法にしたがって光電変換素子を製造した。具体的には、パッド電極などが形成されたGaN基板をDCマグネトロンスパッタ装置内に入れた。このとき、スパッタ用ターゲットとしては、Ag純度が99.9%であるターゲットを用いた。これにより、GaN基板の第2面上にはAgからなる反射層(厚さが150nm)が形成された。得られた光電変換素子では、Vocは1.52Vであり、Jscは1.21mA/cm2であり、FFは0.45であり、変換効率は0.83%であった。よって、本実施例の光電変換素子のJscは、比較例の光電変換素子のJscよりも大きかった。
<実施例6>
上記実施例2のAl23基板を用いたことを除いては上記実施例5の方法にしたがって光電変換素子を製造した。得られた光電変換素子では、Vocは1.31Vであり、Jscは1.13mA/cm2であり、FFは0.36であり、変換効率は0.53%であった。よって、本実施例の光電変換素子のJscは、比較例の光電変換素子のJscよりも大きかった。
<実施例7>
GaN基板の第2面上に上記実施例5の反射層を形成したことを除いては上記実施例3の方法にしたがって光電変換素子を製造した。得られた光電変換素子では、Vocは1.77Vであり、Jscは1.09mA/cm2であり、FFは0.39であり、変換効率は0.75%であった。よって、本実施例の光電変換素子のJscは、比較例の光電変換素子のJscよりも大きかった。
<実施例8>
上記実施例2のAl23基板を用いたことを除いては上記実施例7の方法にしたがって光電変換素子を製造した。得られた光電変換素子では、Vocは1.08Vであり、Jscは1.04mA/cm2であり、FFは0.34であり、変換効率は0.38%であった。よって、本実施例の光電変換素子のJscは、比較例の光電変換素子のJscよりも大きかった。
<実施例9>
光電変換層の構成が異なることを除いては上記実施例1の方法にしたがって光電変換素子を製造した。具体的には、上記実施例1の方法にしたがってn−GaN層を形成した後、n−GaN層が形成されたGaN基板の温度を500℃まで下げた。MOCVD装置にTMInを5μmol供給しNH3を35mmol供給して、InN膜(厚さが5nm)を形成した。その後、上記実施例1の方法にしたがって非晶質InGaZnO膜を形成した。その後は、InN膜と非晶質InGaZnO膜とを交互に形成して光電変換層を形成した。得られた光電変換層は、1層のInN膜と1層の非晶質InGaZnO膜とからなる単位構造を50ユニット有していた。その後、上記実施例1の方法にしたがってp−GaN層およびパッド電極を形成した。
金線を用いてパッド電極とリードフレームとを接続し、リードフレームの正極および負極のそれぞれにプローブを接触させて電流および電圧測定用の回路を形成した。雰囲気温度と本実施例の光電変換素子の温度とをそれぞれ25℃として、ハロゲンランプからの光を本実施例の光電変換素子に照射した。ハロゲンランプからの光はピーク波長を1μm程度とするピークを持ち、そのエネルギー密度は5mW/cm2(0.05sun)であった。得られた光電変換素子では、Vocは0.06Vであり、Jscは0.000015mA/cm2(=15nA/cm2)であり、FFは0.20であり、変換効率は1.8×10-7%であった。
一般に、InNからなる光電変換層ではキャリアの再結合が早く起こると考えられており、よって、InNからなる光電変換層を備えた光電変換素子からはフォトキャリアをほとんど取り出すことが出来ないと考えられていた。しかし、本実施例では、nA(ナノアンペアー)オーダーのJscを得ることができた。また、0.06Vではあるが光起電力を得ることもできた。よって、InNからなる光電変換層を備えた光電変換素子においても多重量子井戸構造の障壁層に相当する膜を非晶質InGaZnO膜とすることは有効であるということが分かった。
10 光(入射光)、20 光、30 反射光、100,110 光電変換素子、200 基板、200A 第1面、200B 第2面、300 第1導電型窒化物半導体層、400,410 光電変換層、401,451 窒化物半導体膜、402,452 非晶質酸化物膜、403 非晶質窒化物半導体膜、451a リーク電流の経路、500 第2導電型窒化物半導体層、600 反射層。

Claims (5)

  1. 基板と、前記基板の第1面上に順に設けられた第1導電型窒化物半導体層、光電変換層および第2導電型窒化物半導体層とを備えた光電変換素子であって、
    光が前記第2導電型窒化物半導体層側から入射することにより作動し、
    前記光電変換層は、InxGa1-xN(0.15≦x≦1)からなる窒化物半導体膜とIn、GaおよびZnを含む非晶質酸化物膜とを有する多重量子井戸構造を備え、
    前記窒化物半導体膜と前記非晶質酸化物膜とは、前記多重量子井戸構造において、交互に配置されている光電変換素子。
  2. 前記非晶質酸化物膜の組成比は、In/Ga=Zn/Ga=1であり、
    前記非晶質酸化物膜の厚さは、1nm以上10nm未満である請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記窒化物半導体膜は、緩和しておらず、
    前記窒化物半導体膜の厚さは、0.2nm以上9nm未満であり、
    前記光電変換層の厚さは、150nm以上500nm以下である請求項1または2に記載の光電変換素子。
  4. 前記多重量子井戸構造は、前記窒化物半導体膜と前記非晶質酸化物膜とが交互に積層されて構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換素子。
  5. 前記多重量子井戸構造は、前記窒化物半導体膜と前記非晶質酸化物膜とで挟まれた非晶質窒化物半導体膜を有する請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換素子。
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