JP2014228006A - 固定式等速自在継手 - Google Patents

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真史 大杉
Masashi Osugi
真史 大杉
智茂 小林
Tomoshige Kobayashi
智茂 小林
竜宏 後藤
Tatsuhiro Goto
竜宏 後藤
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Abstract

【課題】ボール数を3個とした場合にボール及びケージ保持力を確保できる固定式等速自在継手を提供する。【解決手段】外側継手部材のトラック溝及び内側継手部材のトラック溝をそれぞれ3本として、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在するボール数を3個とする。外側継手部材のトラック溝の曲率中心を継手中心に対して継手開口側に、前記内側継手部材のトラック溝の曲率中心を継手中心に対して継手奥側に、それぞれ、軸方向に互い反対側に等距離だけオフセットする。継手作動角が0?の状態における、内外継手部材の各トラック溝の曲率中心と前記トルク伝達ボールの中心を結ぶ直線と、トルク伝達ボールの中心と継手中心とを結ぶ直線とが成すトラック溝のオフセット角度を、9?〜12?とする。【選択図】図1

Description

本発明は、固定式等速自在継手に関し、特に、自動車のドライブシャフトやプロペラシャフト用に用いられる固定式等速自在継手に関する。
図15に固定式等速自在継手を示し、この固定式等速自在継手は、内径面1に複数のトラック溝2が形成された外側継手部材3と、外径面4に外側継手部材3のトラック溝2と対をなす複数のトラック溝5が形成された内側継手部材6と、外側継手部材3のトラック溝2と内側継手部材6のトラック溝5との間に介在してトルクを伝達する複数のボール7と、外側継手部材3の内径面1と内側継手部材6の外径面4との間に介在してボール7を保持するケージ8とを備えている。
内側継手部材6はシャフト嵌入用孔部10が設けられ、このシャフト嵌入用孔部10の内径面に雌スプライン10aが形成されている。内側継手部材6のシャフト嵌入用孔部10にシャフト12の端部雄スプライン12aが嵌入され、この端部雄スプライン12aが内側継手部材6の雌スプライン10aに嵌合する。なお、端部雄スプライン12aの端部には周方向溝13が設けられ、この周方向溝に止め輪14が装着されている。
このような固定式等速自在継手では、ボール数を6個または8個とすることで、個々のボールに作用するトルク負荷が過大にならないようにしている。この場合、ボール数を減少させれば、ボール部品点数およびトラック溝の加工工数の減少を図ることができて、低コスト化を達成できる。
従来には、特許文献1や特許文献2等に示すようにボールを3個とした等速自在継手が提案されている。これは、ボールとの接触率によるトラック溝に対する接触楕円の面積を有る程度増大させても差し支えない場合である。ここで、接触楕円とは、トラック溝に対する接触角をなすボール接触中心にて楕円形状の接触面である。
実公昭63−12260号公報 実開平5−87335号公報
ところで、外側継手部材のトラック溝の曲率中心を継手中心に対して継手開口側に、内側継手部材のトラック溝の曲率中心を継手中心に対して継手奥側に、それぞれ、軸方向に互い反対側に等距離だけオフセットさせたタイプにおいては、このオフセットにより、外側継手部材のトラック溝と、これに対向する内側継手部材のトラック溝とでくさび角が形成される。このくさび角によって、ボールおよびケージを、作動角の2等分面に保持する力が作用する。
しかしながら、ボール数を3個とした固定式等速自在継手においては、ボール及びケージを2等分面に保持する力が低下する。2等分面に保持できなければ、等速性が失われ、トルクを受けながら角度を揺動させるようなモードで耐久性が損なわれる。
本発明は、上記課題に鑑みて、ボール数を3個とした場合にボール及びケージ保持力を確保できる固定式等速自在継手を提供する。
本発明の固定式等速自在継手は、内球面に複数本のトラック溝を形成した外側継手部材と、外球面に複数本のトラック溝を形成した内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との対で形成されるボールトラックに1個ずつ配置した複数個のトルク伝達ボールと、前記外側継手部材の内球面と前記内側継手部材の外球面との間に介在すると共に前記トルク伝達ボールを保持するポケットを有するケージを備えた固定式等速自在継手において、前記外側継手部材のトラック溝及び内側継手部材のトラック溝をそれぞれ3本として、前記外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在するボール数を3個とし、前記外側継手部材のトラック溝の曲率中心を継手中心に対して継手開口側に、前記内側継手部材のトラック溝の曲率中心を継手中心に対して継手奥側に、それぞれ、軸方向に互い反対側に等距離だけオフセットさせると共に、継手作動角が0°の状態における、前記内外継手部材の各トラック溝の曲率中心と前記トルク伝達ボールの中心を結ぶ直線と、前記トルク伝達ボールの中心と継手中心とを結ぶ直線とが成すトラック溝のオフセット角を、9°〜12°としたものである。
トラックオフセットタイプの固定式等速自在継手では、オフセット角度を大きくすれば、高角度で球面力を低下させて作動性の向上を図ることができ、また、高角度でのポケット荷重を低下させることができる。さらには、高角度でのポケット荷重が継手入口方向(継手開口方向)に、常に荷重がかかるようになり、ケージのふら付きを防止できる。オフセット角度
が9°以上からポケット荷重が開口側にのみ作用するため、ケージが安定しやすい。
ところが、オフセット角度が大きくなりすぎると、高角度時のトラック深さが浅くなってボールがトラックエッジへ乗り上げしやすくなる。
すなわち、オフセット角度を大きくすることで、接触角変化を小さくできるため、オフセット角度を大きくとりたいが、オフセット角度を大きくすると、構造的にトラック深さが浅くなり、ボールのトラックエッジ部に対する乗り上げに不利になる。このため、本発明では、オフセット角度を9°〜12°に設定することによって、オフセット角度を大きくしたことによるメリットを確保し、かつ、デメリットを排除できるようにした。
外側継手部材のトラック溝間及び内側継手部材のトラック溝間にそれぞれ組み込み用の凹部を設けたり、さらには、ケージのポケット間に組み込み用の抜け孔を設けることも可能である。
固定式等速自在継手として、外側継手部材のトラック溝底面及び内側継手部材のトラック溝底面が一つの円弧部からなるバーフィールドタイプであっても、外側継手部材のトラック溝底面及び内側継手部材のトラック溝底面が円弧部とストレート部とを有するアンダーカットフリータイプであってもよい。
また、固定式等速自在継手としては、自動車のフロントドライブシャフトに用いられたり、自動車のリアドライブシャフトに用いられたり、自動車の固定式プロペラシャフトに用いられたりする。
本発明の固定式等速自在継手によれば、3個ボールとしたことによって、ボール部品点数、およびトラック溝の加工工数の減少させることができ、低コスト化に寄与する。しかも、オフセット角度を9°〜12°としたことにより、3個ボールであっても、ボール及びケージを、2等分面に保持させることができ、安定した等速性を発揮でき、トルクを受けながら角度を揺動させるようなモードで耐久性も安定する。また、高角度時のトラック深さが浅くならず、ボールのトラックエッジへ乗り上げを有効に回避できる。
組み込み用の凹部や組み込み用の抜け孔を設けることによって、この等速自在継手の各部材の組み込み性の向上を図ることができる。しかも、軽量化にも寄与する利点がある。
また、等速自在継手としては、バーフィールドタイプであっても、アンダーカットフリータイプであってもよく、設計の自由度が大である。また、自動車のフロントドライブシャフト、リアドライブシャフト、固定式プロペラシャフト等に用いることができ、汎用性に優れる。
本発明の固定式等速自在継手の実施形態を示す縦断面図である。 図1に示す固定式等速自在継手の要部縦断面図である。 図1に示す固定式等速自在継手の正面図である。 図1に示す固定式等速自在継手の横断面図である。 組み込み用の抜け孔を有さないケージの斜視図である。 組み込み用の抜け孔を有するケージの斜視図である。 外側継手部材へのケージの組み込み方法を示し、(a)は正面図であり、(b)は斜視図である。 ケージへの内側継手部材の組み込み方法を示し、(a)(b)(c)は見る方向の角度を相違させた斜視図である。 本発明の他の固定式等速自在継手の実施形態を示す縦断面図である。 自動車の簡略構成図である。 位相角と球面力との関係を示すグラフ図である。 位相角とポケット荷重との関係を示すグラフ図である。 位相角と非負荷側トラック荷重との関係を示すグラフ図である。 位相角と接触角との関係を示すグラフ図である。 従来の固定式等速自在継手の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1は本発明の固定式等速自在継手であるアンダーカットフリータイプの固定式等速自在継手を示している。この固定式等速自在継手は、内径面21に複数のトラック溝22が形成された外側継手部材23と、外径面24に外側継手部材23のトラック溝22と対をなす複数のトラック溝25が形成された内側継手部材26と、外側継手部材23のトラック溝22と内側継手部材26のトラック溝25との間に介在してトルクを伝達する複数のボール27と、外側継手部材23の内径面21と内側継手部材26の外径面24との間に介在してボール27を保持するケージ28とを備えている。ケージ28には、ボール27が収容されるポケット28aが周方向に沿って複数配設されている。
外側継手部材23のトラック溝22は、奥側が円弧部22aとされ、開口側が直線部22bとされる。内側継手部材26のトラック溝25は、奥側が直線部25aとされ、開口側が円弧部25bとされる。なお、外側継手部材23は、内径面21にトラック溝22が形成されたマウス部23aと、このマウス部23aの底壁から突設される軸部23bとからなる。
内側継手部材26の孔部内径面には、雌スプライン部30が形成されている。すなわち、図示省略のシャフトの端部が、この内側継手部材26の孔部に嵌入され、このシャフトの端部に形成された雄スプライン部がこの内側継手部材26の雌スプライン部30に噛合する。
図2に示すように、内側継手部材26のトラック溝25の曲率中心Bおよび外側継手部材23のトラック溝22の曲率中心Aは、継手中心Oに対して等距離F、Fだけ軸方向に逆向きにオフセットされている。この場合、外側継手部材23のトラック溝22の曲率中心Aを継手中心Oに対して継手開口側に、内側継手部材26のトラック溝25の曲率中心Bを継手中心Oに対して継手奥側に、それぞれ、軸方向に互い反対側に等距離だけオフセットされている。
また、外側継手部材23のトラック溝22及び内側継手部材26のトラック溝25がそれぞれ、図3と図4に示すように、周方向に沿って所定ピッチ(この場合、120°ピッチ)で3つずつ形成されている。このため、トルク伝達部材としてのボール27は、周方向に沿って等ピッチ(120°ピッチ)で3個だけ配設されている。
外側継手部材23の周方向に隣り合うトラック溝間に組み込み用の凹部31を設けている。このため、この凹部31も周方向に沿って等ピッチ(120°ピッチ)で3個だけ配設されている。この場合、図1に示すように、凹部31は、外側継手部材23の軸方向に沿って直線状に延びて継手開口端面に開口する本体部31aと、継手奥側の円弧部31bとからなる。また、本体部31aの長さ寸法としては、その奥側端(円弧部31bの開口側端)が、トラック溝22の円弧部22aの軸方向中間部位に対応する程度である。本体部31aの深さとしてはトラック溝22の直線部22bと同程度とされる。継手奥側の円弧部31bの奥側端は、外側継手部材23の円弧部22aの奥側端に対応する程度としている。
外側継手部材23の組み込み用の凹部31に対応して、内側継手部材26にも、周方向に隣り合うトラック溝間に組み込み用の凹部32を設けている。このため、図3と図4に示すように、この凹部32も周方向に沿って等ピッチ(120°ピッチ)で3個だけ配設されている。この凹部32は、外側継手部材23の軸方向に沿って直線状に延びて両端面に開口する直線部のみからなる。凹部32の深さとしては、凹部32における内側継手部材26の肉厚が、内側継手部材26のトラック溝25の直線部25aにおける内側継手部材26の肉厚程度になるように設定する。
前記実施形態の固定式等速自在継手のケージ28は、図5に示すように、ホール27が保持されるポケット(窓部)28aが周方向に沿って等ピッチ(120°ピッチ)で3個だけ配設されている。これに対して、図6に示すケージ28では、周方向に隣り合うポケット間に、組み込み用の孔部33を設けている。
ケージ28のポケット28aは、図5に示すものであっても、図6に示すものであっても、そのポケット軸方向長さがボール径程度であって、図7(a)で示すように、トラック溝22の一方のエッジ部22eと、それに隣り合う凹部31のエッジ部31eとの間よりも僅かに大きい程度とする。また、ケージ28のポケット28aの周方向長さがボール径よりも長い寸法、つまり内側継手部材26の周方向に沿って隣り合うトラック溝25と凹部32間の山部35の軸方向長さよりも僅かに長い程度に設定されている。
すなわち、図7(a)に示すように、ポケット28aのポケット軸方向長さをL1とし、トラック溝22の一方のエッジ部22eと、それに隣り合う凹部31のエッジ部31eとの間の寸法をL2としたときに、L1>L2となる。また、ケージ28のポケット28aの周方向長さをL3(図4参照)とし、内側継手部材26の外径部(山部)35の軸方向長さをL4(図1参照)としたときに、L3>L4となる。
このように、外側継手部材23に組み込み用の凹部31、内側継手部材26に組み込み用の凹部32、及びケージ28に組み込み用の孔部33を設けたことによって、組み込み性の向上を図ることができる。
すなわち、外側継手部材23に組み込み用の凹部31を設けたことによって、図7(a)(b)に示すように、トラック溝22と組み込み用の凹部31との間の内径部36が、ケージ28のポケット28aに嵌入するようにすれば、トラック溝22が3個であるにもかかわらず、6個のトラック溝を有する場合と同様、外側継手部材23にケージを組み込むことができる。
内側継手部材26に組み込み用の凹部32を設けたことによって、図8(a)(b)(c)に示すように、内側継手部材26の外径部(山部)35を、ケージ28のポケット28aに嵌入するようにすれば、トラック溝25が3個であるにもかかわらず、6個のトラック溝を有する場合と同様、ケージ28に内側継手部材26を組み込むことができる。
ケージ28に組み込み用の孔部33を設けたことによって、ポケット(窓部)28aが3個であるにもかかわらず、6個のポケット28aを有する場合と同様の組み込みが可能となる。
この固定式等速自在継手は、前記したように、外側継手部材23のトラック溝22の曲率中心Aを継手中心Oに対して継手開口側に、内側継手部材26のトラック溝25の曲率中心Bを継手中心Oに対して継手奥側に、それぞれ、軸方向に互い反対側に等距離だけオフセットされたトラックオフセットタイプである。
このため、図2に示すように、継手作動角が0°の状態における、内外継手部材26(23)の各トラック溝25(22)の曲率中心B(A)とトルク伝達ボール27の中心Obを結ぶ直線m(n)と、トルク伝達ボール27の中心Obと継手中心Oとを結ぶ直線Sとが成す角度をオフセット角度αと呼ぶことができる。そして、この固定式等速自在継手では、このオフセット角度αを9°〜12°に設定している。
図9は、外側継手部材23のトラック溝底面及び内側継手部材26のトラック溝底面が一つの円弧部からなるバーフィールドタイプを示している。このバーフィールドタイプであっても、外側継手部材23に組み込み用の凹部31を設けるとともに、内側継手部材26に組み込み用の凹部32を設けている。また、ケージ28においても、組み込み用の孔部33を設けても、設けなくてもよい。
この図9に示す固定式等速自在継手であっても、外側継手部材23のトラック溝22の曲率中心Aを継手中心Oに対して継手開口側に、内側継手部材26のトラック溝25の曲率中心Bを継手中心Oに対して継手奥側に、それぞれ、軸方向に互い反対側に等距離だけオフセットされたトラックオフセットタイプである。しかも、オフセット角度αを9°〜12°に設定している。
ところで、図10は自動車(車両)の簡略構成図を示し、この自動車は、エンジン40と、このエンジンの動力を伝達する変速機41と、プロペラシャフト42を介して変速機に連結される差動装置43とを備える、そして、左前輪44aが左フロントドライブシャフト45aを介して変速機41に連結され、右前輪44bが右フロントドライブシャフト45bを介して変速機41に連結され、左後輪46aが左リアドライブシャフト47aを介して差動装置43に連結され、右後輪46bが右リアドライブシャフト47bを介して差動装置43に連結される。
そこで、前記図1に示す等速自在継手や図9に示す等速自在継手は、前記プロペラシャフト42、左右のフロントドライブシャフト45a、45b、左右のリアドライブシャフト47a、47bに用いることができる。
前記オフセット角度は、トラックオフセット量を大きくすることで、大きくすることが可能である。この場合、図1に示すように、ボール数を3個とするとともに、アンダーカットフリータイプで、オフセット角度が、7°と10°と12°のもについて、球面力を調べ、その結果を図11に示す。このように、オフセット角度を大きくすることで、高角度での球面力を低下させて作動性の向上を図ることができ、このことだけを考慮すれば、可能な限りオフセット角度を大きくとるのが好ましいと言える。
また、前記オフセット角度が、7°と10°と12°の等速自在継手について、ポケット荷重について調べ、その結果を図12に示す。このように、オフセット角度を大きくすることで、高角度でのポケット荷重を低下させることができ、このことだけを考慮すれば、可能な限りオフセット角度を大きくとるのが好ましいと言える。
オフセット角が大きければ、高角度でのポケット荷重が入口方向(開口方向)に、常に荷重がかかるようになるため、ケージのふらつきに対して有利となる。オフセット角度が9°以上からポケット荷重が開口側にのみ作用する(ポケット荷重P5−P6がどの位相でも+)のため、ケージが安定しやすい。ここで、P5とは、継手開口側に作用するポケット荷重を示し、P6とは、継手奥側に作用するポケット荷重を示している。
また、ボール数を3個とするとともに、アンダーカットフリータイプで、オフセット角度が、4°と6°と8°と10°と12°との等速自在継手について、非負荷側トラック荷重について調べ、その結果を図13に示す。このように、オフセット角度を大きくすることで、高角度での非負荷側トラックに発生する荷重を低下させることができる。
トラック荷重が負荷側と非負荷側に発生する際は、ボール27がトラック溝22,25に対して、4点接触となり、ボール27とトラック溝22,25間で、転がり接触からすべり接触となる。このように、すべり接触となることで、発熱、伝達効率の低下、作動性の低下が懸念さあれるが、これらの減少を緩和させることに期待できる。このため、このことだけを考慮すれば、可能な限りオフセット角を大きくとるのが好ましいと言える。
前記オフセット角度が、7°と10°と12°の等速自在継手について、接触角について調べ、その結果を図14に示す。オフセット角度が大きくなると、高角度時の外側継手部材23及び内側継手部材26のトラック深さが浅くなるため、ボール27がトラックエッジへ乗り上げし易くなる。
オフセット角度を大きくすることで、接触角変化を小さくできる。このため、オフセット角度を大きくするのが好ましいが、オフセット角度を大きくすると構造的にトラック深さが浅くなって、ボール27がトラックエッジへ乗り上げし易くなる。そこで、成立の見込みがあるオフセット角度を9°〜12°までとした。
ボール数を3個とするとともに、アンダーカットフリータイプで、オフセット角度が、8°〜13°とした等速自在継手についての作動性、耐久性(低角での耐久性)、耐久性(高角での耐久性)、強度、及び組立性について調べ、その結果を次の表1に示す。また、外側継手部材23及び内側継手部材26には、ぞれぞれ、組み込み用の凹部31,32を設けた。
Figure 2014228006
この表1において、○は良を示し、△は可を示し、×は不可を示している。このため、×のものを排除すれば、オフセット角度が9°〜12°に設定することによって、作動性、耐久性(低角での耐久性)、耐久性(高角での耐久性)、強度、及び組立性に関して製品として合格できるものとなる。
本発明では、3個ボールとしたことによって、ボール部品点数、およびトラック溝22,25の加工工数の減少させることができ、低コスト化に寄与する。しかも、オフセット角度を9°〜12°としたことにより、3個ボールであっても、ボール27及びケージ28を、2等分面に保持させることができ、安定した等速性を発揮でき、トルクを受けながら角度を揺動させるようなモードで耐久性も安定する。また、高角度時のトラック深さが浅くならず、ボール27のトラックエッジへ乗り上げを有効に回避できる。
組み込み用の凹部31,32や組み込み用の抜け孔33を設けることによって、この等速自在継手の各部材の組み込み性の向上を図ることができる。しかも、軽量化にも寄与する利点がある。
また、等速自在継手としては、バーフィールドタイプであっても、アンダーカットフリータイプであってもよく、設計の自由度が大である。また、自動車のフロントドライブシャフト、リアドライブシャフト、固定式プロペラシャフト等に用いることができ、汎用性に優れる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、前記実施形態では、外側継手部材23に設けられる凹部31としては、トラック溝22とは相違する形状のものを用いたが、トラック溝22と同一形状、同一大きさのものを用いることができ、また、内側継手部材26に設けられる凹部32としては、トラック溝25とは相違する形状のものを用いたが、トラック溝25と同一形状、同一大きさのものを用いることができる。このように、凹部31、32において、それぞれ、トラック溝22、25と同一のものを用いれば、加工性に優れるとともに、既存の外側継手部材23や内側継手部材26を用いることができる。
21 内径面
22、25 トラック溝
23 外側継手部材
24 外径面
26 内側継手部材
27 ボール
28 ケージ
28a ポケット
31 凹部
32 凹部
33 孔部

Claims (6)

  1. 内球面に複数本のトラック溝を形成した外側継手部材と、外球面に複数本のトラック溝を形成した内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との対で形成されるボールトラックに1個ずつ配置した複数個のトルク伝達ボールと、前記外側継手部材の内球面と前記内側継手部材の外球面との間に介在すると共に前記トルク伝達ボールを保持するポケットを有するケージを備えた固定式等速自在継手において、
    前記外側継手部材のトラック溝及び内側継手部材のトラック溝をそれぞれ3本として、前記外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在するボール数を3個とし、
    前記外側継手部材のトラック溝の曲率中心を継手中心に対して継手開口側に、前記内側継手部材のトラック溝の曲率中心を継手中心に対して継手奥側に、それぞれ、軸方向に互い反対側に等距離だけオフセットさせると共に、
    継手作動角が0°の状態における、前記内外継手部材の各トラック溝の曲率中心と前記トルク伝達ボールの中心を結ぶ直線と、前記トルク伝達ボールの中心と継手中心とを結ぶ直線とが成すトラック溝のオフセット角を、9°〜12°としたことを特徴とする固定式等速自在継手。
  2. 外側継手部材のトラック溝間及び内側継手部材のトラック溝間にそれぞれ組み込み用の凹部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の固定式等速自在継手。
  3. 外側継手部材のトラック溝間及び内側継手部材のトラック溝間にそれぞれ組み込み用の凹部を設けるとともに、ケージのポケット間に組み込み用の抜け孔を設けたことを特徴とする請求項1に記載の固定式等速自在継手。
  4. 外側継手部材のトラック溝底面及び内側継手部材のトラック溝底面が一つの円弧部からなるバーフィールドタイプであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の固定式等速自在継手。
  5. 外側継手部材のトラック溝底面及び内側継手部材のトラック溝底面が円弧部とストレート部とを有するアンダーカットフリータイプであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の固定式等速自在継手。
  6. 自動車のリアドライブシャフトに用いられることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の固定式等速自在継手。
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