JP2014227655A - ボルト緊解機 - Google Patents

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Abstract

【課題】締結あるいは緩めを行ったボルトの高さを判定し、当該ボルトの締結あるいは緩めの異常を判定するボルト緊解機の提供。【解決手段】本発明のボルト緊解機1は、車輪10の回転駆動によりレール80b上を走行する搬送車3と、前記レール80bを固定するためのボルト83aを締結あるいは緩め可能なドライバツール2と、前記ボルト83aを検出する締結箇所検出センサ50と、前記ドライバツール2および前記車輪10を駆動制御する制御装置30と、を備える。また、前記搬送車3は、車輪10に回転を付与する車軸回転モータ20と、前記ボルト83aの高さを測定する高さ測定センサ40と、を備える。これにより、前記ドライバツール2により締結あるいは緩めたボルト83aの高さ判定を確実に行える利点がある。【選択図】図3

Description

本発明は、鉄道線路のレールの固定に使用されているボルトの締結作業あるいは緩め作業を行うボルト緊解機に関する。
従来のボルト緊解機100は、特許文献1、図8および図9に示すものであり、以下に説明する。従来のボルト緊解機100は、締結部品の一例である仮止めされたボルト83a,83bを順次締結するものであり、ボルト82,83a,83bの頭部に係合可能なビット2aを備えるとともに、このビット2aを昇降および回転可能に構成されたドライバツール2と、このドライバツール2を支持し複数の車輪10を備えた搬送車300と、から構成される。前記搬送車300は、前記車輪10を回転駆動可能な回転駆動源200および前記ドライバツール2の前方に配された締結箇所検出センサ50を備えてなる。
次に、従来のボルト緊解機100の作用について説明する。前記回転駆動源200は、所定の回転角あるいは時間だけ回転駆動し、前記車輪10が回転するため、前記搬送車300は、締結を終えたボルト82の位置から図8の矢印方向へ走行する。これにより、前記締結箇所検出センサ50は、仮止めされたボルト83aを検出し、前記ボルト83aの検出が途絶えると前記回転駆動源200は、予め設定された回転角だけ回転する。この予め設定されている回転角は、図8に示すように前記締結箇所検出センサ50からビット2aまでの距離Cに相当しているため、前記搬送車300は、図8の位置から図9に示す位置へと移動し、前記ビット2aが前記ボルト83aの直上に位置する。この後、前記ドライバツール2は下降および回転を開始し、前記ボルト82の締結と同様にボルト83aを締結する。したがって、従来のボルト緊解機100は、次の締結箇所まで順次走行するとともに当該ボルトを所定の締付けトルクで締結できる特徴がある。
特開平5−140904号公報
ところで、前記ボルト83aを締結する際、例えばボルト83aを斜めに螺入することや、ボルト83a等に異物が付着したまま螺入することにより、前記ボルト83aの頭部座面が金具84に当接するまでに所定の締付けトルクに達してしまう。つまり、ボルト83aは浮いた状態となり、レール80bを確実に固定していない。このように、従来のボルト緊解機100は、所定の締付けトルクが出力されていれば前記ボルト83aの締結は正常に完了したと判断し、次の締結箇所にあるボルト83bを締結する。よって、従来のボルト緊解機100は、当該ボルトが浮くような異常な締結であっても正常な締結とみなし、次の締結箇所にあるボルト83bの締結を行う問題があった。
本発明は上記課題に鑑みて創成されたものであり、締結したボルトあるいは緩めたボルトの高さを検出して所定の高さでない場合であれば、異常を判断できるボルト緊解機の提供を目的とする。この目的を達成するために本発明は、鉄道車両等の搬送路であるレール上を車輪の回転駆動により走行可能な搬送車と、前記レールを固定する締結部品を締結あるいは緩め可能なドライバツールと、前記レールの延びる方向に沿って配された前記締結部品を検出可能な締結箇所検出センサと、前記ドライバツールおよび前記車輪を駆動制御する制御装置と、を備えてなるボルト緊解機において、前記搬送車は、前記車輪の回転に相当する回転角度を検出可能な角度検出部と、前記ドライバツールによって締結あるいは緩められた締結部品の高さを走行中に測定する高さ測定センサを備え、前記制御装置は、前記高さ測定センサにより測定した締結部品の高さと、予め設定されている設定値とを、比較して、締結後あるいは緩め後の前記締結部品の高さに対する良否判定を行うように構成されていることを特徴とする。なお、前記制御装置は、締結部品の締結あるいは緩め後に当該締結部品の高さ不良と判定した場合、締結異常あるいは緩め異常を警告するように構成してもよく、さらに、前記搬送車を所定の距離だけ逆走させる制御をしてなることが好ましい。また、前記制御装置は、搬送装置を逆走させた後、前記ドライバツールを駆動して、当該締結部品を一旦緩め再び締結するリトライ動作を制御してもよい。
本発明のボルト緊解機1は、上述したように走行中に前記高さ測定センサ40,40により締結あるいは緩め後の当該ボルト83aの高さを測定でき、しかも、この測定したボルト高さと予め設定された設定値とを比較するため、締結あるいは緩め作業の良否を判断できる利点がある。さらに、ボルト緊解機1は、当該ボルト83aの高さが異常であれば、締結異常あるいは緩め異常である旨の警告を発するため、作業者(図示せず)は、締結あるいは緩めたボルトの交換作業の必要性に気付く。これにより、交換の必要があるボルトは、作業者によって確実に交換されるため、本発明のボルト緊解機1は、漏れのない締結あるいは緩め作業が行える利点もある。また、ボルト緊解機1は、当該ボルト83aの高さが異常であれば、即座に搬送車3が逆走するため、前記ビット2aが直前に締結した当該ボルト83aの上空に位置する利点もある。さらに、ボルト緊解機1は、締結した締結部品の高さが不良と判断すればリトライ動作を行うため、作業者によって交換された正規のボルトを再締結し、次の締結に向けて連続的に動作する。よって、ボルトの高さ不良による一時的な設備の停止がなく、締結作業を効率よく行える利点もある。
本発明に係るボルト緊解機の一実施例を示すものであり、ボルトを締結する際の動作を説明する説明図である。 図1から締結動作が進行した状態を示す説明図である。 図2から締結動作が進行した状態を示す説明図である。 図1を正面から見た説明図である。 本発明に係るボルト緊解機の一実施例を示すものであり、ボルトを緩める際の動作を説明する説明図である。 図5から緩め動作が進行した状態を示す説明図である。 図6から緩め動作が進行した状態を示す説明図である。 従来のボルト緊解機の一実施例を示す説明図である。 図8から締結動作が進行した状態を示す説明図である。
本発明のボルト緊解機1は、図1ないし図7に基づき以下に説明する。なお、図1ないし図3は、何れも当該ボルトを図1の矢印方向に向かって順次締結する動作を説明するものであり、図5ないし図7は、何れも当該ボルトを図5の矢印方向に向かって順次緩める動作を説明するものである。
本発明のボルト緊解機1は、締結部品の一例であるボルト82,83a,83bの頭部に嵌合可能なビット2aをそれぞれ備えたドライバツール2,4と、このドライバツール2,4を積載し2本のレール80a,80b上を走行する搬送車3と、一連の締結動作あるいは緩め動作および前記搬送車3の駆動動作の制御を行う制御装置30と、から構成される。
前記ドライバツール2,4は、それぞれの構成が同様のため、ここでは、ドライバツール2について説明する。ドライバツール2は、前記ビット2aに回転を付与するビット回転モータ5と、前記ビット2aを昇降自在に支持する昇降ユニット6と、を備えてなる。また、前記ビット回転モータ5および前記昇降ユニット6は、それぞれ後述する制御装置30に接続されており、この制御装置30の指令によって前記ビット2aが所定の回転数および所定のトルクで回転するとともに所定の速度で昇降する。ところで、並んで配される2本のボルト82,82の間隔の許容差が比較的大きいため、前記ビット2aおよび前記ビット回転モータ5の間には自在継手が配されている。つまり、前記自在継手は、前記ビット2aを前述した間隔の許容差が大きいボルト82に嵌合させ易くするために配されており、ドライバツール2,4のビット2aは、それぞれレール80bの両側に配された前記ボルト82,82に確実に嵌合し、このボルト82,82を締結あるいは緩めることができる。また、前記ドライバツール2,4には、それぞれ前記ビット回転モータ5と前記ビット2aとの間にトルクセンサ(図示せず)が配されており、このトルクセンサは、ビット2aに加わったトルクを検出可能に構成される。したがって、ドライバツール2,4は、所定の締付けトルクで当該ボルトを締結することができ、締結されている当該ボルトを緩めることができる。
前記搬送車3は、前記レール80a,80b上を回転する4つの車輪と、これら2つの車輪を直結した車軸15と、この車軸15を回転駆動する車軸回転モータ20と、この車軸回転モータ20、前記ドライバツール2,4および前記昇降ユニット6,6に接続された前記制御装置30と、を備えてなる。また、車軸回転モータ20は、エンコーダ(図示せず)を備えているため、その出力軸(図示せず)の回転角度を検出可能に構成されている。これにより、前記車軸回転モータ20を正転させると搬送車3は、図1、図5の矢印方向に走行する一方、前記車軸回転モータ20を逆転させると搬送車3は、図1、図5の矢印方向とは逆方向に走行する。前記車輪は、本実施例において図4に示すようにレール80b上に積載される両鍔車輪10と、レール80a上に積載される片鍔車輪11と、から構成されている。前記両鍔車輪10および前記片鍔車輪11は、1本の車軸15に連結されており、この車軸15は、レールの延びる方向に所定の間隔を置いて例えば2本配されている。前記車軸15とこの車軸15の両端にそれぞれ連結された両鍔車輪10および片鍔車輪11とは、図示しないキーによって一体に回転するように構成されており、この内、1本の車軸15は、前記車軸回転モータ20の回転を受けて回転するように構成されている。また、前記搬送車3には、前記ボルト82,83a,83bの頭部を検出可能な締結箇所検出センサ50,50および前記ボルト82,83a,83bの頭部を検出してその高さを検出可能な高さ測定センサ40,40をそれぞれ備えてなる。
なお、締結箇所検出センサ50,50および前記高さ測定センサ40,40は、図1、図3、図5、図7の二点鎖線で示すレーザ光を下方へ照射してボルトの高さを測定可能に構成されており、本実施例においては何れも同一の仕様で構成されている。前記締結箇所検出センサ50,50は、図1および図5に示すように、次の締結あるいは緩めるボルト83aを前記搬送車3の走行中に検出し、この検出した信号を後述する制御装置30へ送信可能に構成される。一方、前記高さ測定センサ40,40は、図3および図7に示すように、前記ドライバツール2,4で締結あるいは緩めたボルト83aを搬送車3の走行中に検出し、この検出した信号を後述する制御装置30へ送信可能に構成される。
前記制御装置30は、前記搬送車3に積載されており、前記車軸回転モータ20、前記ビット回転モータ5,5、前記昇降ユニット6,6をそれぞれ駆動制御可能に構成される。また、前記制御装置30には、ボルト緊解機1の走行距離および走行速度、昇降ユニット6の昇降速度、ビット2aの回転数、締付けトルクあるいは緩めトルク等の動作条件がそれぞれ設定されており、一連の締結あるいは緩め動作を連続的に行えるように構成されている。
次に、本願のボルト緊解機1の作用について以下に説明する。また、図1ないし図3は、前記ボルトを締結する動作を説明するものであり、図5ないし図7は、前記ボルトを緩める動作を説明するものである。このため、まず、締結動作に関する作用の説明を行い、続いて、緩め動作に関する作用の説明を行う。
締結動作に係る作用は、図1ないし図4に基づき説明する。図1は、仮止めされた前記ボルト82,82が前記ドライバツール2,4によって正常に締結され、それぞれの前記ビット2a,2aが上昇して当該ボルト82,82の上空で停止した後、次のボルト83a,(83a)までビット2a,2aを移動させている走行状態を示すものであり、この状態から説明を始める。
前記締結箇所検出センサ50,50は、図1に示すように仮止めされたボルト83a,(83a)の頭部を検出し、制御装置30にボルト83a,(83a)を検出した旨の信号を出力する。これにより、制御手段30は、前記距離Cに相当する距離だけ搬送車3を走行させるため、前記車軸回転モータ20に所定の回転角だけ駆動する指令を与えてボルト緊解機1を図2に示す位置まで走行させて停止させる。なお、この時の状態を示すのが図2である。
次に、前記制御装置30は、前記昇降ユニット6,6および前記ドライバツール2,4にそれぞれ駆動指令を与えるため、前記ビット2a,2aが回転しつつ下降する。これにより、前記ビット2a,2aが前記ボルト83a,83aの頭部に嵌合して、当該ボルト83a,83aは下方へ螺入される。この時、前記トルクセンサがそれぞれ所定の締付けトルクを感知すると、前記制御装置30は、前記ビット回転モータ5,5をそれぞれ停止させるとともに、前記昇降ユニット6,6を駆動して前記ビット2a,2aをそれぞれ上昇させる。この後、制御装置30は、前記予め設定された回転角度だけ前記車軸回転モータ20を駆動制御するため、ボルト緊解機1は、図2に示す位置から図3に示す方向へ走行する。
ボルト緊解機1が図3に示す位置まで走行すると、前記高さ測定センサ40,40は、締結が完了しているボルト83a,(83a)の頭部をそれぞれ検出し、測定した前記高さ情報を随時前記制御装置30へ出力する。次に、制御装置30は、測定したボルト83a,(83a)の高さが何れも所定の範囲内であれば、前記車軸回転モータ20を駆動し続けて次の締結位置(ボルト83bの位置に相当)まで搬送車3を走行させる。
一方、制御装置30は、測定したボルト83a,(83a)の高さが一方でも所定の範囲外であれば、高さによる締結異常と判断する。なお、この締結異常の状態を示すのが図3に示すボルト83aであり、制御装置30は、異常な締結であると判断した場合、即座に車軸回転モータ20へ停止指令を送り、搬送車3をその場(図3に示す位置)で停止させる。
つまり、前記制御装置30は、前記高さ測定センサ40,40から出力される測定信号から締結したボルト83a,(83a)の浮き状態を確認する。よって、ボルト緊解機1は、所定の締付けトルクで締結されたボルトの高さが確認できる。
また、前記制御装置30は、前述の高さによる締結異常を判断した場合、前述の車軸回転モータ20に停止指令を送った後、搬送車3を停止させた状態で作業者に伝えるための警告を発する。この警告は、警告音や表示灯(図示せず)あるいはメッセージを表示することであり、本実施例においては、警告音により作業者に異常が発生したことを発するものである。
さらに、前述の警告を発する制御とともに、搬送車3を逆走させる制御が行われても良く、この場合であると、前記制御装置30は、前述の高さによる締結異常の判断に基づいて前記車軸回転モータ20に停止指令を送った後、図3の距離Aに相当する距離だけ搬送車3を戻す制御を行う。つまり、ボルト83aとビット2aが一致する位置である図3に示す位置まで前記車軸回転モータ20が逆転駆動する。よって、前記ビット2aは、正常に締結できなかった浮いた状態の前記ボルト83aの直上に位置し、制御装置30から警告音が発せられている。これにより、作業者は、異常のあったボルト83aを新たなボルトに取り替えて、ボルト緊解機1を操作して取り替えたボルトを締結し直す。
また、前記制御装置30は、前述の搬送車3の逆走を行った後、引き続き異常のあったボルト83aを一旦緩め、再び締めるリトライ動作を行ってもよい。具体的には、浮いて締結されたボルト83aに対応するドライバツール2は、前記制御装置30によって所定の角度だけ逆転駆動され、浮いた当該ボルト83aが前方にあるボルト83bと同等の高さになるまで緩められる。次に、前記制御装置30は、該当ドライバツール2の前記ビット2aを1回目の締結と同じ条件で回転および下降させ、緩められた当該ボルト83aを再度締結する制御を行う。このように再度ボルト83aが正規の高さで締結されると、制御装置30は、前記車軸回転モータ20を回転駆動し、ボルト緊解機1を次のボルト83bの位置まで走行させる途中で、先ほど締結したボルトの高さの測定を測定して再度締結異常であるか否かを判定する。
一方、緩め動作に係る作用は、図5ないし図7に基づき説明する。図5は、既に締結されていた前記ボルト82,(82)が前記ドライバツール2,(4)によって正常に緩められ、それぞれの前記ビット2a,(2a)が上昇して当該ボルト82,(82)の上空で停止した後、次のボルト83a,(83a)までビット2a,(2a)を移動させている走行状態を示すものであり、この状態から説明を始める。
前記締結箇所検出センサ50,(50)は、図5に示すように既に締結されているボルト83a,(83a)の頭部を検出し、制御装置30にボルト83a,(83a)を検出した旨の信号を出力する。これにより、制御手段30は、前記距離Cに相当する距離だけ搬送車3を走行させるため、前記車軸回転モータ20に所定の回転角だけ駆動する指令を与えてボルト緊解機1を図2に示す位置まで走行させて停止させる。なお、この時の状態を示すのが図6である。
次に、前記制御装置30は、前記昇降ユニット6,(6)および前記ドライバツール2,(4)にそれぞれ駆動指令を与えるため、前記ビット2a,(2a)が逆回転しつつ下降する。これにより、前記ビット2a,(2a)が前記ボルト83a,(83a)の頭部に嵌合し、前記昇降ユニット6,(6)が緩められるボルト83a,(83a)に合わせて上昇する。よって、当該ボルト83a,(83a)は、上方へと緩められる。この時、前記ビット回転モータ5,(5)は、前記制御装置30から指令を受けて所定の回転角度だけ逆転制御されているため、緩められたボルト83a,(83a)は、完全に緩んだ状態となる。また、前記ビット回転モータ5,(5)が前記回転角度だけ逆転すればそれぞれが回転停止するとともに、前記昇降ユニット6,6が上昇する。この後、制御装置30は、前記車軸回転モータ20を前記予め設定された回転角度だけ駆動制御するため、ボルト緊解機1は、図6に示す位置から図7に示す方向へ走行する。
ボルト緊解機1が図7に示す位置まで走行すると、前記高さ測定センサ40,40は、緩めが完了しているボルト83a,(83a)の頭部をそれぞれ検出し、測定した前記高さ情報を随時前記制御装置30へ出力する。次に、制御装置30は、測定したボルト83a,(83a)の高さが何れも所定の範囲内であれば、前記車軸回転モータ20を駆動し続けて次の緩め位置(ボルト83bの位置に相当)まで搬送車3を走行させる。
一方、制御装置30は、測定したボルト83a,(83a)の高さが一方でも所定の範囲外であれば、高さによる緩め異常と判断する。なお、この緩め異常の状態を示すのが図7に示すボルト83aであり、制御装置30は、緩め異常であると判断した場合、即座に車軸回転モータ20へ停止指令を送り、搬送車3をその場(図7に示す位置)で停止させる。
つまり、前記制御装置30は、前記高さ測定センサ40,40から出力される測定信号から緩めたボルト83a,(83a)の高さが確認できる。また、この測定した高さが前述の所定範囲外であり、かつ、図7に示すようにボルト82の高さに比べて検出距離が若干長い場合であれば、本来使用されるべき長さでないボルトが使用されていたことを検出できる。一方、測定した高さが所定範囲外であり、かつ、ボルトの頭部座面が金具84に当接している先ほどよりも検出距離が比較的長い場合であれば、ボルトが破断していると判断できる。
また、前記制御装置30は、前述の高さによる緩め異常を判断した場合、前述の車軸回転モータ20に停止指令を送った後、搬送車3を停止させた状態で作業者に伝えるための警告を発する。この警告は、警告音や表示灯(図示せず)あるいはメッセージを表示することであり、本実施例においては、警告音と表示灯とメッセージにより作業者に緩め異常が発生したことを発するものである。この緩め異常時に発するメッセージは、例えば正規の長さのボルトに交換することを意味するものであり、作業者は、破断あるいは正規よりも短いボルトを取り除き、正規のボルトに交換する。
この交換の後、作業者が前記制御装置30を操作することで、ボルト緊解機1は、次に緩めるボルト83bまで走行し、このボルト83bを緩める動作を行う。
ところで、前記締結箇所検出センサ50,50および高さ測定センサ40,40は、同じ仕様であるため、前記搬送車3の走行方向が図1および図5の走行方向とは逆向きである場合、制御装置30のソフトによってボルトを認識あるいはボルトの高さを測定することを置き換わるように変更できる。つまり、本発明のボルト緊解機1は、締結あるいは緩め作業を進める方向に併せて当該ボルトを検出する機能と測定する機能とを自在に変更できるようにしてもよい。
このように、本発明のボルト緊解機1は、走行中に前記高さ測定センサ40,40によって締結あるいは緩め後に当該ボルトの高さを測定し、前記制御装置30によって測定した結果に基づき締結あるいは緩めたボルトの高さを判断できる。したがって、締結した場合であれば、当該ボルトの浮きの有無を判断できる一方、緩めた場合であれば、当該ボルトの破断あるいは正規の長さかを判断できる利点もある。
1 ボルト緊解機
2 ドライバツール
2a ビット
3 搬送車
4 ドライバツール
5 ビット回転モータ
6 昇降ユニット
10 両鍔車輪
11 片鍔車輪
15 車軸
20 車軸回転モータ
30 制御装置
40 高さ測定センサ
50 締結箇所検出センサ
80a レール
80b レール
82 ボルト
83a ボルト
83b ボルト
84 金具

Claims (4)

  1. 鉄道車両等の搬送路であるレール上を車輪の回転駆動により走行可能な搬送車と、前記レールを固定する締結部品を締結あるいは緩め可能なドライバツールと、前記レールの延びる方向に沿って配された前記締結部品を検出可能な締結箇所検出センサと、前記ドライバツールおよび前記車輪を駆動制御する制御装置と、を備えてなるボルト緊解機において、
    前記搬送車は、前記車輪の回転に相当する回転角度を検出可能な角度検出部と、前記ドライバツールによって締結あるいは緩められた締結部品の高さを走行中に測定する高さ測定センサを備え、
    前記制御装置は、前記高さ測定センサにより測定した締結部品の高さと、予め設定されている設定値とを、比較して、締結後あるいは緩め後の前記締結部品の高さに対する良否判定を行うように構成されていることを特徴とするボルト緊解機。
  2. 前記制御装置は、締結部品の締結あるいは緩め後に当該締結部品の高さ不良と判定した場合、締結異常あるいは緩め異常を警告するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のボルト緊解機。
  3. 前記制御装置は、締結部品の締結後に当該締結部品の高さ不良と判定した場合、前記搬送車を所定の距離だけ逆走させる制御をしてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボルト緊解機。
  4. 前記制御装置は、搬送装置を逆走させた後、前記ドライバツールを駆動して、当該締結部品を一旦緩め再び締結するリトライ動作を制御してなることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載のボルト緊解機。
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