JP2014227421A - パーフルオロゴム水性分散液の製造方法 - Google Patents

パーフルオロゴム水性分散液の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パーフルオロオクタン酸アンモニウムのような長鎖含フッ素界面活性剤を使用しなくとも、パーフルオロゴムの粒子を含む水性分散液を1段階の重合で製造することができる新規な製造方法を提供する。
【解決手段】LogPOWが3.4以下の含フッ素界面活性剤及び重合開始剤の存在下、フルオロモノマーの重合を水性媒体中で行うことにより、パーフルオロゴムの粒子を含む水性分散液を製造することを特徴とするパーフルオロゴム水性分散液の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、パーフルオロゴム水性分散液の製造方法に関する。
特許文献1には、(a)水性媒体中でラジカル重合開始剤および乳化剤の存在下に含フッ素モノマーまたは含フッ素モノマーと非フッ素モノマーとのモノマー混合物を乳化重合する第一段重合工程、(b)得られたポリマー粒子の水性乳濁液を水で希釈して乳濁液中の単位水性媒体量あたりの乳化したポリマー粒子数および乳化剤濃度を減少させる希釈工程、および(c)得られた希釈乳濁液中で含フッ素モノマーおよび/または非フッ素モノマーを乳化重合する第二段重合工程からなる含フッ素ポリマーの製造法が記載されている。
特許文献1では、乳化剤としてパーフルオロオクタン酸アンモニウムを使用している。
国際公開第00/01741号パンフレット
本発明の目的は、パーフルオロオクタン酸アンモニウムのような長鎖含フッ素界面活性剤を使用しなくとも、パーフルオロゴムの粒子を含む水性分散液を1段階の重合で製造することができる新規な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、従来用いられてきた長鎖含フッ素界面活性剤を使用しなくとも、パーフルオロゴム粒子を安定的に製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、LogPOWが3.4以下の含フッ素界面活性剤及び重合開始剤の存在下、フルオロモノマーの重合を水性媒体中で行うことにより、パーフルオロゴムの粒子を含む水性分散液を製造することを特徴とするパーフルオロゴム水性分散液の製造方法である。
本発明のパーフルオロゴム水性分散液の製造方法によれば、長鎖含フッ素界面活性剤を使用しなくとも、パーフルオロゴムの粒子を含む水性分散液を1段階の重合で製造することができるため、生産性に劣るパーフルオロゴムの粒子を含む水性分散液を高い生産性で製造することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明のパーフルオロゴム水性分散液の製造方法では、LogPOWが3.4以下の含フッ素界面活性剤及び重合開始剤の存在下、フルオロモノマーの重合を水性媒体中で行うことにより、パーフルオロゴムの粒子を含む水性分散液を製造する。
上記製造方法で用いる含フッ素界面活性剤は、LogPOWが3.4以下である。上記LogPOWは、1−オクタノールと水との分配係数であり、LogP[式中、Pは、含フッ素界面活性剤を含有するオクタノール/水(1:1)混合液が相分離した際のオクタノール中の含フッ素界面活性剤濃度/水中の含フッ素界面活性剤濃度比を表す]で表されるものである。上記LogPOWは、1.5以上であることが好ましく、パーフルオロゴムから除去しやすい点で、3.0以下であることが好ましく、2.8以下であることがより好ましい。
LogPOWが3.4以下の含フッ素界面活性剤としては、含フッ素アニオン性界面活性剤が好ましく、米国特許出願公開第2007/0015864号明細書、米国特許出願公開第2007/0015865号明細書、米国特許出願公開第2007/0015866号明細書、米国特許出願公開第2007/0276103号明細書、米国特許出願公開第2007/0117914号明細書、米国特許出願公開第2007/142541号明細書、米国特許出願公開第2008/0015319号明細書、米国特許第3250808号明細書、米国特許第3271341号明細書、特開2003−119204号公報、国際公開第2005/042593号パンフレット、国際公開第2008/060461号パンフレット、国際公開第2007/046377号パンフレット、国際公開第2007/119526号パンフレット、国際公開第2007/046482号パンフレット、国際公開第2007/046345号パンフレットに記載されたもの等を使用できる。
LogPOWが3.4以下の含フッ素界面活性剤としては、アニオン界面活性剤であることが好ましい。
上記アニオン界面活性剤としては、例えば、カルボン酸系界面活性剤、スルホン酸系界面活性剤等が好ましく、これらの界面活性剤としては、下記一般式(I)で表されるパーフルオロカルボン酸(I)、下記一般式(II)で表されるω−Hパーフルオロカルボン酸(II)、下記一般式(III)で表されるパーフルオロポリエーテルカルボン酸(III)、下記一般式(IV)で表されるパーフルオロアルキルアルキレンカルボン酸(IV)、下記一般式(V)で表されるパーフルオロアルコキシフルオロカルボン酸(V)、下記一般式(VI)で表されるパーフルオロアルキルスルホン酸(VI)、及び/又は、下記一般式(VII)で表されるパーフルオロアルキルアルキレンスルホン酸(VII)からなるものが挙げられる。
上記パーフルオロカルボン酸(I)は、下記一般式(I)
F(CFn1COOM (I)
(式中、n1は、3〜6の整数であり、Mは、H、NH又はアルカリ金属元素である。)で表されるものである。
上記一般式(I)において、重合反応の安定性の点で、上記n1の好ましい下限は4である。また、上記Mは、得られるパーフルオロゴム水性分散液の加工時に残存しにくいという点で、NHであることが好ましい。
上記パーフルオロカルボン酸(I)としては、例えば、F(CFCOOM、F(CFCOOM、F(CFCOOM(各式中、Mは、上記定義したものである。)等が好ましい。
上記ω−Hパーフルオロカルボン酸(II)は、下記一般式(II)
H(CFn2COOM (II)
(式中、n2は、4〜8の整数であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
上記一般式(II)において、重合反応の安定性の点で、上記n2の好ましい上限は6である。また、上記Mは、得られるパーフルオロゴム水性分散液からパーフルオロゴムを分離する際に、パーフルオロゴムに残存しにくいという点で、NHであることが好ましい。
上記ω−Hパーフルオロカルボン酸(II)としては、例えば、H(CFCOOM、H(CFCOOM、H(CFCOOM、H(CFCOOM、H(CFCOOM(各式中、Mは、上記定義したものである。)等が好ましい。
上記パーフルオロポリエーテルカルボン酸(III)は、下記一般式(III)
Rf−O−(CF(CF)CFO)n3CF(CF)COOM (III)
(式中、Rfは、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基であり、n3は、0〜3の整数であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
上記一般式(III)において、上記Rfは、重合時の安定性の点で、炭素数4以下のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、n3は、0又は1であることが好ましく、上記Mは、得られるパーフルオロゴム水性分散液からパーフルオロゴムを分離する際に、パーフルオロゴムに残存しにくいという点で、NHであることが好ましい。
上記パーフルオロポリエーテルカルボン酸(III)としては、例えば、
OCF(CF)COOM、COCF(CF)COOM、
OCF(CF)COOM、CFOCF(CF)COOM、
CFOCF(CF)CFOCF(CF)COOM
(各式中、Mは上記定義したものである)等が好ましく、重合時の安定性と除去効率とが共によい点で、
CFOCF(CF)COOM、CFOCF(CF)CFOCF(CF)COOM
(各式中、Mは上記定義したものである)等がより好ましい。
上記パーフルオロアルキルアルキレンカルボン酸(IV)は、下記一般式(IV)
Rf(CHn4RfCOOM (IV)
(式中、Rfは、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基であり、Rfは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜3のパーフルオロアルキレン基、n4は、1〜3の整数であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
上記一般式(IV)において、上記Rfは、炭素数2以上のパーフルオロアルキル基、又は、炭素数4以下のパーフルオロアルキル基であることが好ましい。上記Rfは、炭素数1又は2のパーフルオロアルキレン基であることが好ましく、−(CF)−又は−CF(CF)−であることがより好ましい。上記n4は、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。上記Mは、得られるパーフルオロゴム水性分散液からパーフルオロゴムを分離する際に、パーフルオロゴムに残存しにくいという点で、NHであることが好ましい。
上記パーフルオロアルキルアルキレンカルボン酸(IV)としては、例えば、
CHCFCOOM、CCHCFCOOM、
CHCFCOOM、CCHCF(CF)COOM、
CHCF(CF)COOM、CCHCF(CF)COOM、
CHCHCFCOOM、CCHCHCFCOOM、
CHCHCFCOOM
(各式中、Mは上記定義したものである)等が好ましい。
上記パーフルオロアルコキシフルオロカルボン酸(V)は、下記一般式(V)
Rf−O−CYCF−COOM (V)
(式中、Rfは、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基であり、Y及びYは、同一若しくは異なって、H又はFであり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
上記一般式(V)において、上記Rfは、重合安定性の点で、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、炭素数3のパーフルオロアルキル基がより好ましい。上記Mは、得られるパーフルオロゴム水性分散液からパーフルオロゴムを分離する際に、パーフルオロゴムに残存しにくいという点で、NHであることが好ましい。
上記パーフルオロアルコキシフルオロカルボン酸(V)としては、
OCHCFCOOM、COCHFCFCOOM、
OCFCFCOOM
(各式中、Mは上記定義したものである)等が好ましい。
上記パーフルオロアルキルスルホン酸(VI)は、下記一般式(VI)
F(CFn5SOM (VI)
(式中、n5は、3〜6の整数であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
上記一般式(VI)において、上記n5は、重合安定性の点で、4又は5の整数であることが好ましく、上記Mは、得られるパーフルオロゴム水性分散液からパーフルオロゴムを分離する際に、パーフルオロゴムに残存しにくいという点で、NHであることが好ましい。
上記パーフルオロアルキルスルホン酸(VI)としては、例えば、
F(CFSOM、F(CFSO
(各式中、Mは上記定義したものである)等が好ましい。
上記パーフルオロアルキルアルキレンスルホン酸(VII)は、下記一般式(VII)
Rf(CHn6SOM (VII)
(式中、Rfは、1〜5のパーフルオロアルキル基であり、n6は、1〜3の整数であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
上記一般式(VII)において、Rfは、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、炭素数3のパーフルオロアルキル基であることがより好ましい。上記n6は、1又は2であることが好ましく、1であることが好ましい。上記Mは、得られるパーフルオロゴム水性分散液からパーフルオロゴムを分離する際に、パーフルオロゴムに残存しにくい点で、NHであることが好ましい。
上記パーフルオロアルキルアルキレンスルホン酸(VII)としては、例えば、
CHSO
(式中、Mは上記定義したものである)等が好ましい。
LogPOWが3.4以下の含フッ素界面活性剤としては、下記一般式(1)
X−(CFm1−Y (1)
(式中、XはH又はFを表し、m1は3〜5の整数を表し、Yは−SOM、−SOM、−SOR、−SOR、−COOM、−PO、−PO(MはH、NH又はアルカリ金属を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)を表す。)で表される含フッ素化合物、一般式(II)で表されるω−Hパーフルオロカルボン酸(II)、一般式(III)で表されるパーフルオロポリエーテルカルボン酸(III)、一般式(IV)で表されるパーフルオロアルキルアルキレンカルボン酸(IV)、一般式(V)で表されるパーフルオロアルコキシフルオロカルボン酸(V)、及び、一般式(VII)で表されるパーフルオロアルキルアルキレンスルホン酸(VII)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、LogPOWが3.4以下の含フッ素界面活性剤としては、下記一般式(1)
X−(CFm1−Y (1)
(式中、XはH又はFを表し、m1は3〜5の整数を表し、Yは−SOM、−SOM、−SOR、−SOR、−COOM、−PO、−PO(MはH、NH又はアルカリ金属を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)を表す。)で表される含フッ素化合物、下記一般式(3)
CFOCF(CF)CFOCF(CF)COOX (3)
(式中、Xは水素原子、NH又はアルカリ金属原子を表す。)で表される含フッ素化合物、及び、下記一般式(4)
CFCFOCFCFOCFCOOX (4)
(式中、Xは水素原子、NH又はアルカリ金属原子を表す。)で表される含フッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
また、LogPOWが3.4以下の含フッ素界面活性剤としては、下記一般式(3)
CFOCF(CF)CFOCF(CF)COOX (3)
(式中、Xは水素原子、NH又はアルカリ金属原子を表す。)で表される含フッ素化合物が更に好ましい。
また、下記一般式(1)
X−(CFm1−Y (1)
(式中、XはH又はFを表し、m1は3〜5の整数を表し、Yは−SOM、−SOM、−SOR、−SOR、−COOM、−PO、−PO(MはH、NH又はアルカリ金属を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)を表す。)で表される含フッ素化合物も更に好ましい。
本発明の製造方法においては、上記含フッ素界面活性剤を、1種のみ用いることが好ましい。本発明の製造方法によれば、含フッ素界面活性剤を1種しか使用しなくても、パーフルオロゴムの粒子を含む水性分散液を製造することができる。
本発明の製造方法における含フッ素界面活性剤の使用量は、水性媒体の2000〜500000ppmに相当する量であることが好ましい。含フッ素界面活性剤の使用量が少なすぎると、パーフルオロゴム粒子を含む分散安定性に優れた水性分散液を得ることができず、使用量が多すぎると、使用量に見合った効果が得られず経済的に不利である。含フッ素界面活性剤の使用量は、4600ppm以上であることがより好ましく、5000ppm以上であることが更に好ましく、10,000ppm以上であることがより更に好ましく、20,000ppm以上であることが特に好ましく、40,000ppm以上であることが最も好ましく、400,000ppm以下であることがより好ましく、300,000ppm以下であることが更に好ましい。
本発明の製造方法では、フルオロモノマーの重合を行うことにより、パーフルオロゴムの粒子を含む水性分散液を製造する。
パーフルオロゴムとは、全重合単位に対し、パーフルオロモノマーに基づく重合単位を96〜100モル%、架橋部位を与えるモノマーに基づく重合単位を0〜4モル%含有するフルオロポリマーをいう。
上記パーフルオロゴムは、非晶質であることが好ましい。「非晶質」とは、DSC測定(昇温温度10℃/分)において現われた融解ピーク(ΔH)の大きさが2.0J/g以下であることをいう。
上記重合において使用するフルオロモノマーは、二重結合を少なくとも1つ有するものが好ましい。上記フルオロモノマーは、パーフルオロモノマーであることが好ましい。
パーフルオロモノマーとしては、
テトラフルオロエチレン〔TFE〕、
へキサフルオロプロピレン〔HFP〕、
一般式(8):CF=CF−ORf81
(式中、Rf81は、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるフルオロモノマー、
一般式(10):CF=CFOCFORf101
(式中、Rf101は炭素数1〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロアルキル基、炭素数5〜6の環式パーフルオロアルキル基、1〜3個の酸素原子を含む炭素数2〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロオキシアルキル基である)で表されるフルオロモノマー、及び、
一般式(11):CF=CFO(CFCF(Y)O)(CF
(式中、Yはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表す。mは1〜4の整数である。nは1〜4の整数である。)で表されるフルオロモノマー
からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
一般式(8)で表されるフルオロモノマーとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、及び、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)がより好ましい。
一般式(10)で表されるフルオロモノマーとしては、CF=CFOCFOCF、CF=CFOCFOCFCF、及び、CF=CFOCFOCFCFOCFからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
一般式(11)で表されるフルオロモノマーとしては、CF=CFOCFCF(CF)O(CFF、CF=CFO(CFCF(CF)O)(CFF、及び、CF=CFO(CFCF(CF)O)(CFFからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記パーフルオロゴムは、パーフルオロモノマーと架橋部位を与えるモノマーとを重合することによっても、製造することができる。
架橋部位を与えるモノマーとしては、
一般式(12):CX =CX−R 121CHR121
(式中、Xは、水素原子、フッ素原子又はCH、R 121は、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロ(ポリ)オキシアルキレン基又はパーフルオロ(ポリ)オキシアルキレン基、R121は、水素原子又はCH、Xは、ヨウ素原子又は臭素原子である)で表されるフルオロモノマー、
一般式(13):CX =CX−R 131
(式中、Xは、水素原子、フッ素原子又はCH、R 131は、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基又はパーフルオロポリオキシアルキレン基、Xは、ヨウ素原子又は臭素原子である)で表されるフルオロモノマー、
一般式(14):CF=CFO(CFCF(CF)O)(CF−X
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜3の整数、Xは、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子、又は、−CHIである)で表されるフルオロモノマー、及び、
一般式(15):CH=CFCFO(CF(CF)CFO)(CF(CF))−X
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜3の整数、Xは、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子、又は−CHOHである)で表されるフルオロモノマー、及び、
一般式(16):CR162163=CR164−Z−CR165=CR166167
(式中、R162、R163、R164、R165、R166及びR167、は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。Zは、直鎖又は分岐状で酸素原子を有していてもよい、炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数3〜18のシクロアルキレン基、少なくとも部分的にフッ素化している炭素数1〜10のアルキレン基若しくはオキシアルキレン基、又は、
−(Q)−CFO−(CFCFO)(CFO)−CF−(Q)
(式中、Qはアルキレン基またはオキシアルキレン基である。pは0または1である。m/nが0.2〜5である。)で表され、分子量が500〜10000である(パー)フルオロポリオキシアルキレン基である。)で表されるモノマー
からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
は、フッ素原子であることが好ましい。Rf121及びRf131は炭素数が1〜5のパーフルオロアルキレン基であることが好ましい。R121は、水素原子であることが好ましい。
架橋部位を与えるモノマーとしては、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCN、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCOOH、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCHI、CF=CFOCFCFCHI、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CN、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)COOH、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CHOH、CH=CHCFCFI、CH=CH(CFCH=CH、及び、CH=CH(CFCH=CH、CF=CFO(CFCNからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCN及びCF=CFOCFCFCHIからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
本発明の製造方法においては、パーフルオロモノマーのみ、又は、パーフルオロモノマー及び架橋部位を与えるモノマーのみの重合を行うことが好ましい。パーフルオロモノマーのみ、又は、パーフルオロモノマー及び架橋部位を与えるモノマーのみの重合を行うことにより、パーフルオロゴムの粒子を製造することができる。
上記パーフルオロゴムとしては、TFEを含むパーフルオロゴム、例えばTFE/一般式(8)、(10)又は(11)で表されるフルオロモノマー共重合体及びTFE/一般式(8)、(10)又は(11)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるモノマー共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
その組成は、TFE/PMVE共重合体の場合、好ましくは、45〜90/10〜55(モル%)であり、より好ましくは、55〜80/20〜45であり、更に好ましくは、55〜70/30〜45である。
TFE/PMVE/架橋部位を与えるモノマー共重合体の場合、好ましくは、45〜89.9/10〜54.9/0.01〜4(モル%)であり、より好ましくは、55〜79.9/20〜44.9/0.1〜3.5であり、更に好ましくは、55〜69.8/30〜44.8/0.2〜3である。
TFE/炭素数が4〜12の一般式(8)、(10)又は(11)で表されるフルオロモノマー共重合体の場合、好ましくは、50〜90/10〜50(モル%)であり、より好ましくは、60〜88/12〜40であり、更に好ましくは、65〜85/15〜35である。
TFE/炭素数が4〜12の一般式(8)、(10)又は(11)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるモノマー共重合体の場合、好ましくは、50〜89.9/10〜49.9/0.01〜4(モル%)であり、より好ましくは、60〜87.9/12〜39.9/0.1〜3.5であり、更に好ましくは、65〜84.8/15〜34.8/0.2〜3である。
これらの組成の範囲を外れると、ゴム弾性体としての性質が失われ、樹脂に近い性質となる傾向がある。
上記架橋部位を与えるモノマーについては、上述したとおりである。
上記パーフルオロゴムとしては、TFE/一般式(11)で表されるフルオロモノマー共重合体、TFE/一般式(11)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるモノマー共重合体、TFE/一般式(8)で表されるフルオロモノマー共重合体、及び、TFE/一般式(8)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるモノマー共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
上記パーフルオロゴムとしては、国際公開第97/24381号パンフレット、特公昭61−57324号公報、特公平4−81608号公報、特公平5−13961号公報等に記載されているパーフルオロゴムも挙げることができる。
パーフルオロゴムのモノマー単位組成は、NMR、FT−IR、元素分析、蛍光X線分析をモノマーの種類によって適宜組み合わせて測定することができる。
上記重合開始剤としては、油溶性ラジカル重合開始剤、又は水溶性ラジカル開始剤を使用できる。
油溶性ラジカル重合開始剤としては、公知の油溶性の過酸化物であってよく、例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジsec−ブチルパーオキシジカーボネート等のジアルキルパーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル類、ジt−ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類等が、また、ジ(ω−ハイドロ−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(ω−ハイドロ−テトラデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(ω−ハイドロ−ヘキサデカフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロバレリル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(ω−クロロ−ヘキサフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(ω−クロロ−デカフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(ω−クロロ−テトラデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ω−ハイドロ−ドデカフルオロヘプタノイル−ω−ハイドロヘキサデカフルオロノナノイル−パーオキサイド、ω−クロロ−ヘキサフルオロブチリル−ω−クロ−デカフルオロヘキサノイル−パーオキサイド、ω−ハイドロドデカフルオロヘプタノイル−パーフルオロブチリル−パーオキサイド、ジ(ジクロロペンタフルオロブタノイル)パーオキサイド、ジ(トリクロロオクタフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(テトラクロロウンデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(ペンタクロロテトラデカフルオロデカノイル)パーオキサイド、ジ(ウンデカクロロドトリアコンタフルオロドコサノイル)パーオキサイドのジ[パーフロロ(又はフルオロクロロ)アシル]パーオキサイド類等が代表的なものとして挙げられる。
水溶性ラジカル重合開始剤としては、公知の水溶性過酸化物であってよく、例えば、過硫酸、過ホウ酸、過塩素酸、過リン酸、過炭酸等のアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、t−ブチルパーマレエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。サルファイト類、亜硫酸塩類のような還元剤も併せて含んでもよく、その使用量は過酸化物に対して0.1〜20倍であってよい。
重合開始剤の添加量は、特に限定はないが、重合速度が著しく低下しない程度の量(例えば、数ppm対水濃度)以上を重合の初期に一括して、又は逐次的に、又は連続して添加すればよい。上限は、装置面から重合反応熱を除熱できる範囲である。
上記水性媒体は、重合を行わせる反応媒体であって、水を含む液体を意味する。上記水性媒体は、水を含むものであれば特に限定されず、水と、例えば、アルコール、エーテル、ケトン等のフッ素非含有有機溶媒、及び/又は、沸点が40℃以下であるフッ素含有有機溶媒とを含むものであってもよい。
上記重合を連鎖移動剤の存在下に行ってもよい。上記連鎖移動剤としては、例えばマロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、コハク酸ジメチル等のエステル類のほか、イソペンタン、メタン、エタン、プロパン、イソプロパノール、アセトン、各種メルカプタン、四塩化炭素、シクロヘキサン等が挙げられる。
連鎖移動剤として臭素化合物又はヨウ素化合物を使用してもよい。臭素化合物又はヨウ素化合物を使用して行う重合方法としては、例えば、実質的に無酸素状態で、臭素化合物又はヨウ素化合物の存在下に、水性媒体中でフルオロモノマーの重合を行う方法が挙げられる(ヨウ素移動重合法)。使用する臭素化合物又はヨウ素化合物の代表例としては、例えば、一般式:
Br
(式中、x及びyはそれぞれ0〜2の整数であり、かつ1≦x+y≦2を満たすものであり、Rは炭素数1〜16の飽和若しくは不飽和のフルオロ炭化水素基又はクロロフルオロ炭化水素基、又は炭素数1〜3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい)で表される化合物が挙げられる。臭素化合物又はヨウ素化合物を使用することによって、ヨウ素又は臭素が重合体に導入され、架橋点として機能する。
ヨウ素化合物としては、例えば1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、2−ヨードパーフルオロプロパン、1,3−ジヨード−2−クロロパーフルオロプロパン、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,5−ジヨード−2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン、1,8−ジヨードパーフルオロオクタン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカン、1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカン、ジヨードメタン、1,2−ジヨードエタン、1,3−ジヨード−n−プロパン、CFBr、BrCFCFBr、CFCFBrCFBr、CFClBr、BrCFCFClBr、CFBrClCFClBr、BrCFCFCFBr、BrCFCFBrOCF、1−ブロモ−2−ヨードパーフルオロエタン、1−ブロモ−3−ヨードパーフルオロプロパン、1−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブタン、2−ブロモ−3−ヨードパーフルオロブタン、3−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、2−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、ベンゼンのモノヨードモノブロモ置換体、ジヨードモノブロモ置換体、並びに(2−ヨードエチル)及び(2−ブロモエチル)置換体等が挙げられ、これらの化合物は、単独で使用してもよく、相互に組み合わせて使用することもできる。
これらのなかでも、重合反応性、架橋反応性、入手容易性等の点から、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン、2−ヨードパーフルオロプロパンを用いるのが好ましい。
重合温度、重合圧力及び重合時間は、溶媒や重合開始剤の種類によって異なるが、−15〜150℃、大気圧〜6.5MPa、1〜48時間であってよい。フッ素原子を含有する油溶性ラジカル重合開始剤を使用する場合、重合温度が30〜95℃であることが好ましい。重合開始剤として水溶性ラジカル重合開始剤を使用する場合、重合温度が0〜100℃であることが好ましく、10〜95℃であることがより好ましい。
本発明の製造方法における重合は、重合反応器に、フルオロモノマーを仕込み、反応器の内容物を撹拌し、そして反応器を所定の重合温度に保持し、次に重合開始剤を加え、重合反応を開始することにより行う。あるいは、重合反応器に内容物を仕込み、攪拌し、所定の重合温度に保持した後、フルオロモノマーを仕込み、次に重合開始剤を加え、重合反応を開始することにより行なっても良い。重合反応開始前に、必要に応じて、水性媒体、添加剤等を反応器に仕込んでもよい。重合反応開始後に、目的に応じて、フルオロモノマー、重合開始剤、連鎖移動剤等を追加添加してもよい。
上記重合を行うことにより、パーフルオロゴムの粒子を含む水性分散液を製造することができる。得られる水性分散液の固形分濃度は、おおむね5〜40質量%である。上記固形分濃度は、水性分散液1gを、送風乾燥機中で150℃、12時間の条件で乾燥し、水性分散液の質量(1g)に対する、加熱残分の質量の割合を百分率で表したものである。
本発明の製造方法における重合は、下記一般式(2)
X−(CFm2−Y (2)
(式中、XはH又はFを表し、m2は6以上の整数を表し、Yは−SOM、−SOM、−SOR、−SOR、−COOM、−PO、−PO(MはH、NH又はアルカリ金属を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)を表す。)で表される含フッ素化合物の非存在下に行うことが好ましい。本発明の製造方法によれば、このような従来の長鎖含フッ素界面活性剤を使用しなくても、パーフルオロゴムの粒子を含む水性分散液を1段階の重合で製造することができる。
本発明における重合は、乳化重合であることが好ましい。本発明における重合は、ラジカル重合であることが好ましい。
本発明の製造方法によって得られるパーフルオロゴム水性分散液を、多段重合に供してもよい。すなわち、本発明の製造方法によって得られるパーフルオロゴムの粒子及び重合開始剤の存在下、更に、フルオロモノマーの重合を水性媒体中で行ってもよい。
本発明の製造方法によって得られるパーフルオロゴムの粒子は、体積平均粒子径が0.1〜700nmであることが好ましい。体積平均粒子径が上記範囲にあるパーフルオロゴムの粒子は、水性分散体中に安定して存在することができる。パーフルオロゴムの粒子の体積平均粒子径は、1nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることが更に好ましく、400nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが更に好ましい。
上記体積平均粒子径は、動的光散乱法により測定する。重合により得られた水性分散液を、純水で10倍希釈し、粒子径測定用の水性分散液を作成し、ELSZ−1000S(大塚電子株式会社製)を使用して25℃、積算70回にて測定した。溶媒:水の屈折率1.3328、溶媒の粘度は0.8878とした。体積分布の平均値を体積平均粒子径とした。
上記パーフルオロゴムは、高温における圧縮永久歪みに優れる点から、ガラス転移温度が−70℃以上であることが好ましく、−50℃以上であることがより好ましく、−30℃以上であることが更に好ましい。また、耐寒性が良好であるという点から、5℃以下であることが好ましく、0℃以下であることがより好ましく、−3℃以下であることが更に好ましい。
上記ガラス転移温度は、示差走査熱量計(メトラー・トレド社製、DSC822e)を用い、試料10mgを10℃/minで昇温することによりDSC曲線を得て、DSC曲線の二次転移前後のベースラインの延長線と、DSC曲線の変曲点における接線との2つの交点の中点を示す温度として求めることができる。
上記パーフルオロゴムは、耐熱性が良好な点で、100℃におけるムーニー粘度ML(1+10)が10以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましく、30以上であることが更に好ましい。また、加工性が良好な点で、120以下であることが好ましく、100以下であることがより好ましく、80以下であることが更に好ましい。
上記パーフルオロゴムは、耐熱性が良好な点で、170℃におけるムーニー粘度ML(1+20)が30以上であることが好ましく、40以上であることがより好ましく、50以上であることが更に好ましい。また、加工性が良好な点で、150以下であることが好ましく、120以下であることがより好ましく、110以下であることが更に好ましい。
上記ムーニー粘度は、ALPHA TECHNOLOGIES製 ムーニー粘度計MV2000E型を用いて、100℃又は170℃において、JIS K6300に従い測定することができる。
上記フルオロモノマーとしてヨウ素原子を有するフルオロモノマーを使用する場合、及び/又は、連鎖移動剤としてヨウ素化合物を使用する場合、パーフルオロゴムをパーオキサイド架橋させることができ、機械特性に優れたパーフルオロゴムの架橋された弾性体が得られる点で、得られるパーフルオロゴムにおけるヨウ素含量が0.02〜5.0質量%であることが好ましい。ヨウ素含量は0.05〜3.0質量%であることがより好ましく、0.1〜2.0質量%であることが更に好ましい。
本発明の製造方法により得られるパーフルオロゴム水性分散液に含まれるパーフルオロゴム粒子を凝析させて、含まれる水分を乾燥により取り除いて、パーフルオロゴムの粉末またはクラムを製造することができる。上記凝析は、硫酸アルミニウム等の無機塩又は無機酸を添加するか、機械的な剪断力を与えるか、分散液を凍結させることによって行うことができる。乾燥は、パーフルオロゴム自体を劣化させることなく水分を除去するために、通常50℃〜150℃で5〜100時間かけて行なわれる。真空下で行なうか、常圧下で熱風で行なうかも適宜選択される。
本発明の製造方法により得られるパーフルオロゴム水性分散液及び上記パーフルオロゴムの粉末またはクラムは、従来公知のパーフルオロゴムと比べても何ら劣ることのない優れた物性を有し、従来公知のパーフルオロゴムと同じ方法で使用でき、同じ用途に使用することができる。
次に本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
(パーフルオロゴムのモノマー単位組成)
19F−NMRによって測定した。
(ヨウ素含量)
元素分析により測定した。
(ムーニー粘度)
ALPHA TECHNOLOGIES製 ムーニー粘度計MV2000E型を用いて、100℃において、JIS K6300に従い測定した。
(実施例1)
(パーフルオロゴムの重合工程)
着火源をもたない内容積0.5リットルのステンレススチール製オートクレーブ(アンカータイプの攪拌翼と邪魔板1枚が付属)に、純水200g、CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COONH20.0g、NaCl 0.653g、NaSO 0.352gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、オートクレーブ内を15℃に温調し、テトラフルオロエチレン(TFE)で、内圧が0.2MPa・Gになるように仕込んだ。攪拌を回転数1000rpmで行い、続いて、CFCFCF(OCF(CF)CFOCF=CF 60gを窒素で圧入した後、過硫酸アンモニウム(APS)1.5mgを水2.0gに溶解し、窒素で圧入して反応を開始した。
重合の進行に伴い、槽内圧力が低下するので、圧力が0.152MPa・Gになれば、TFE0.6gをオートクレーブに導入して昇圧し、続いて、I(CFCFI 0.256gを水2gとともに窒素で圧入した。反応の進行にともない槽内圧力が低下するので、圧力が0.150MPa・Gになれば、TFE2.0gをオートクレーブに導入し、昇圧した。この降圧、昇圧を繰り返し、重合終了までにTFEを21.5g圧入した。重合中にCF=CFOCFCFCHI 0.372gを2回、TFEの総仕込み量が7.0gおよび14.3gを越えた時点で、それぞれ水2.0gとともに窒素で圧入した。重合開始後、2.93hr.および3.62hr.および8.87hr.経過した時に、それぞれ、過硫酸アンモニウム(APS)1.5mgを水2.0gに溶解した水溶液を窒素で圧入した。CuSO・5HO 0.0000483gを水2.0gに溶解した水溶液を重合開始後、2.85hr.で窒素で圧入した。槽内圧力が0.150MPa・Gで、重合終了し、未反応モノマーを放出して、パーフルオロゴムの水性分散液333.7gを得た。重合時間は9.27時間であった。
得られたパーフルオロゴムの水性分散液は2層分離しており、下層を分離して計量すると12.1gであった。
(パーフルオロゴム水性分散液の後処理工程)
この水性分散液の上層のうち100gとアセトン3.57gを250mlポリビンに入れ、混合した。このポリビンを−20℃の冷凍庫に60時間入れ、凍結させた。凍結した水性分散液を約40℃の水に浸し、解凍した。パーフルオロゴムが凝析しているので、パーフルオロゴムと水溶液をろ別し、パーフルオロゴムは流水で洗浄後、ジューサーミキサーに、洗浄用の純水とパーフルオロゴムを入れて粉砕洗浄し、パーフルオロゴムをろ別する。洗浄水に泡立ちがなくなるまで、ジューサーミキサーによる粉砕洗浄を繰り返す。パーフルオロゴムを洗浄水からろ別し、125℃で13時間真空乾燥させ、16.8gのパーフルオロゴムを得た。上記の後処理を繰り返し、得られた水性分散液の上層からパーフルオロゴムを得た。
(パーフルオロゴムの分析)
得られたパーフルオロゴムを19F−NMR(270℃加熱溶融での分析)で分析を行った。19F−NMRの分析では、CFCFCF(OC(CF)CFOCF=CFモノマー単位と、CF=CFOCFCFCHIモノマー単位は、区別できないので、CF=CFOCFCFCHIは、CFCFCF(OC(CF)CFOCF=CFとして計算し、得られたパーフルオロゴムは、TFE/CFCFCF(OC(CF)CFOCF=CFのモノマー単位組成として、計算を行なった。結果、この重合体のモノマー単位組成は、TFE/CFCFCF(OC(CF)CFOCF=CFが82.9/17.1モル%であった。元素分析によるヨウ素含量は、0.17wt%であった。100℃でのムーニー粘度ML1+10は、78であった。

Claims (7)

  1. LogPOWが3.4以下の含フッ素界面活性剤及び重合開始剤の存在下、フルオロモノマーの重合を水性媒体中で行うことにより、パーフルオロゴムの粒子を含む水性分散液を製造することを特徴とするパーフルオロゴム水性分散液の製造方法。
  2. パーフルオロゴムは、TFE/下記一般式(8)、(10)又は(11)で表されるフルオロモノマー共重合体及びTFE/下記一般式(8)、(10)又は(11)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるモノマー共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載のパーフルオロゴム水性分散液の製造方法。
    一般式(8):CF=CF−ORf81
    (式中、Rf81は、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)
    一般式(10):CF=CFOCFORf101
    (式中、Rf101は炭素数1〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロアルキル基、炭素数5〜6の環式パーフルオロアルキル基、1〜3個の酸素原子を含む炭素数2〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロオキシアルキル基である)
    一般式(11):CF=CFO(CFCF(Y)O)(CF
    (式中、Yはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表す。mは1〜4の整数である。nは1〜4の整数である。)
  3. パーフルオロゴムは、100℃におけるムーニー粘度ML(1+10)が10以上である請求項1又は2記載のパーフルオロゴム水性分散液の製造方法。
  4. 含フッ素界面活性剤は、下記一般式(3)
    CFOCF(CF)CFOCF(CF)COOX (3)
    (式中、Xは水素原子、NH又はアルカリ金属原子を表す。)で表される含フッ素化合物である請求項1、2又は3記載のパーフルオロゴム水性分散液の製造方法。
  5. 含フッ素界面活性剤は、下記一般式(1)
    X−(CFm1−Y (1)
    (式中、XはH又はFを表し、m1は3〜5の整数を表し、Yは−SOM、−SOM、−SOR、−SOR、−COOM、−PO、−PO(MはH、NH又はアルカリ金属を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)を表す。)で表される含フッ素化合物である請求項1、2又は3記載のパーフルオロゴム水性分散液の製造方法。
  6. 含フッ素界面活性剤を1種のみ用いる請求項1、2、3、4又は5記載のパーフルオロゴム水性分散液の製造方法。
  7. 含フッ素界面活性剤は、水性媒体の2000〜500000ppmに相当する量である請求項1、2、3、4、5又は6記載のパーフルオロゴム水性分散液の製造方法。
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