JP2014227421A - パーフルオロゴム水性分散液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】LogPOWが3.4以下の含フッ素界面活性剤及び重合開始剤の存在下、フルオロモノマーの重合を水性媒体中で行うことにより、パーフルオロゴムの粒子を含む水性分散液を製造することを特徴とするパーフルオロゴム水性分散液の製造方法。
【選択図】なし
Description
F(CF2)n1COOM (I)
(式中、n1は、3〜6の整数であり、Mは、H、NH4又はアルカリ金属元素である。)で表されるものである。
H(CF2)n2COOM (II)
(式中、n2は、4〜8の整数であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
Rf1−O−(CF(CF3)CF2O)n3CF(CF3)COOM (III)
(式中、Rf1は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基であり、n3は、0〜3の整数であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
C4F9OCF(CF3)COOM、C3F7OCF(CF3)COOM、
C2F5OCF(CF3)COOM、CF3OCF(CF3)COOM、
CF3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOM
(各式中、Mは上記定義したものである)等が好ましく、重合時の安定性と除去効率とが共によい点で、
CF3OCF(CF3)COOM、CF3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOM
(各式中、Mは上記定義したものである)等がより好ましい。
Rf2(CH2)n4Rf3COOM (IV)
(式中、Rf2は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基であり、Rf3は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜3のパーフルオロアルキレン基、n4は、1〜3の整数であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
C4F9CH2CF2COOM、C3F7CH2CF2COOM、
C2F5CH2CF2COOM、C4F9CH2CF(CF3)COOM、
C3F7CH2CF(CF3)COOM、C2F5CH2CF(CF3)COOM、
C4F9CH2CH2CF2COOM、C3F7CH2CH2CF2COOM、
C2F5CH2CH2CF2COOM
(各式中、Mは上記定義したものである)等が好ましい。
Rf4−O−CY1Y2CF2−COOM (V)
(式中、Rf4は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基であり、Y1及びY2は、同一若しくは異なって、H又はFであり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
C3F7OCH2CF2COOM、C3F7OCHFCF2COOM、
C3F7OCF2CF2COOM
(各式中、Mは上記定義したものである)等が好ましい。
F(CF2)n5SO3M (VI)
(式中、n5は、3〜6の整数であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
上記一般式(VI)において、上記n5は、重合安定性の点で、4又は5の整数であることが好ましく、上記Mは、得られるパーフルオロゴム水性分散液からパーフルオロゴムを分離する際に、パーフルオロゴムに残存しにくいという点で、NH4であることが好ましい。
上記パーフルオロアルキルスルホン酸(VI)としては、例えば、
F(CF2)5SO3M、F(CF2)5SO3M
(各式中、Mは上記定義したものである)等が好ましい。
Rf5(CH2)n6SO3M (VII)
(式中、Rf5は、1〜5のパーフルオロアルキル基であり、n6は、1〜3の整数であり、Mは、上記定義したものである。)で表されるものである。
C3F7CH2SO3M
(式中、Mは上記定義したものである)等が好ましい。
X−(CF2)m1−Y (1)
(式中、XはH又はFを表し、m1は3〜5の整数を表し、Yは−SO3M、−SO4M、−SO3R、−SO4R、−COOM、−PO3M2、−PO4M2(MはH、NH4又はアルカリ金属を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)を表す。)で表される含フッ素化合物、一般式(II)で表されるω−Hパーフルオロカルボン酸(II)、一般式(III)で表されるパーフルオロポリエーテルカルボン酸(III)、一般式(IV)で表されるパーフルオロアルキルアルキレンカルボン酸(IV)、一般式(V)で表されるパーフルオロアルコキシフルオロカルボン酸(V)、及び、一般式(VII)で表されるパーフルオロアルキルアルキレンスルホン酸(VII)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
X−(CF2)m1−Y (1)
(式中、XはH又はFを表し、m1は3〜5の整数を表し、Yは−SO3M、−SO4M、−SO3R、−SO4R、−COOM、−PO3M2、−PO4M2(MはH、NH4又はアルカリ金属を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)を表す。)で表される含フッ素化合物、下記一般式(3)
CF3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOX1 (3)
(式中、X1は水素原子、NH4又はアルカリ金属原子を表す。)で表される含フッ素化合物、及び、下記一般式(4)
CF3CF2OCF2CF2OCF2COOX1 (4)
(式中、X1は水素原子、NH4又はアルカリ金属原子を表す。)で表される含フッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
CF3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOX1 (3)
(式中、X1は水素原子、NH4又はアルカリ金属原子を表す。)で表される含フッ素化合物が更に好ましい。
また、下記一般式(1)
X−(CF2)m1−Y (1)
(式中、XはH又はFを表し、m1は3〜5の整数を表し、Yは−SO3M、−SO4M、−SO3R、−SO4R、−COOM、−PO3M2、−PO4M2(MはH、NH4又はアルカリ金属を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)を表す。)で表される含フッ素化合物も更に好ましい。
テトラフルオロエチレン〔TFE〕、
へキサフルオロプロピレン〔HFP〕、
一般式(8):CF2=CF−ORf81
(式中、Rf81は、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるフルオロモノマー、
一般式(10):CF2=CFOCF2ORf101
(式中、Rf101は炭素数1〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロアルキル基、炭素数5〜6の環式パーフルオロアルキル基、1〜3個の酸素原子を含む炭素数2〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロオキシアルキル基である)で表されるフルオロモノマー、及び、
一般式(11):CF2=CFO(CF2CF(Y)O)m(CF2)nF
(式中、Yはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表す。mは1〜4の整数である。nは1〜4の整数である。)で表されるフルオロモノマー
からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
一般式(12):CX3 2=CX3−Rf 121CHR121X4
(式中、X3は、水素原子、フッ素原子又はCH3、Rf 121は、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロ(ポリ)オキシアルキレン基又はパーフルオロ(ポリ)オキシアルキレン基、R121は、水素原子又はCH3、X4は、ヨウ素原子又は臭素原子である)で表されるフルオロモノマー、
一般式(13):CX3 2=CX3−Rf 131X4
(式中、X3は、水素原子、フッ素原子又はCH3、Rf 131は、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基又はパーフルオロポリオキシアルキレン基、X4は、ヨウ素原子又は臭素原子である)で表されるフルオロモノマー、
一般式(14):CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)m(CF2)n−X5
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜3の整数、X5は、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子、又は、−CH2Iである)で表されるフルオロモノマー、及び、
一般式(15):CH2=CFCF2O(CF(CF3)CF2O)m(CF(CF3))n−X6
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜3の整数、X6は、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子、又は−CH2OHである)で表されるフルオロモノマー、及び、
一般式(16):CR162R163=CR164−Z−CR165=CR166R167
(式中、R162、R163、R164、R165、R166及びR167、は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。Zは、直鎖又は分岐状で酸素原子を有していてもよい、炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数3〜18のシクロアルキレン基、少なくとも部分的にフッ素化している炭素数1〜10のアルキレン基若しくはオキシアルキレン基、又は、
−(Q)p−CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2−(Q)p−
(式中、Qはアルキレン基またはオキシアルキレン基である。pは0または1である。m/nが0.2〜5である。)で表され、分子量が500〜10000である(パー)フルオロポリオキシアルキレン基である。)で表されるモノマー
からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
その組成は、TFE/PMVE共重合体の場合、好ましくは、45〜90/10〜55(モル%)であり、より好ましくは、55〜80/20〜45であり、更に好ましくは、55〜70/30〜45である。
TFE/PMVE/架橋部位を与えるモノマー共重合体の場合、好ましくは、45〜89.9/10〜54.9/0.01〜4(モル%)であり、より好ましくは、55〜79.9/20〜44.9/0.1〜3.5であり、更に好ましくは、55〜69.8/30〜44.8/0.2〜3である。
TFE/炭素数が4〜12の一般式(8)、(10)又は(11)で表されるフルオロモノマー共重合体の場合、好ましくは、50〜90/10〜50(モル%)であり、より好ましくは、60〜88/12〜40であり、更に好ましくは、65〜85/15〜35である。
TFE/炭素数が4〜12の一般式(8)、(10)又は(11)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるモノマー共重合体の場合、好ましくは、50〜89.9/10〜49.9/0.01〜4(モル%)であり、より好ましくは、60〜87.9/12〜39.9/0.1〜3.5であり、更に好ましくは、65〜84.8/15〜34.8/0.2〜3である。
これらの組成の範囲を外れると、ゴム弾性体としての性質が失われ、樹脂に近い性質となる傾向がある。
R2IxBry
(式中、x及びyはそれぞれ0〜2の整数であり、かつ1≦x+y≦2を満たすものであり、R2は炭素数1〜16の飽和若しくは不飽和のフルオロ炭化水素基又はクロロフルオロ炭化水素基、又は炭素数1〜3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい)で表される化合物が挙げられる。臭素化合物又はヨウ素化合物を使用することによって、ヨウ素又は臭素が重合体に導入され、架橋点として機能する。
X−(CF2)m2−Y (2)
(式中、XはH又はFを表し、m2は6以上の整数を表し、Yは−SO3M、−SO4M、−SO3R、−SO4R、−COOM、−PO3M2、−PO4M2(MはH、NH4又はアルカリ金属を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)を表す。)で表される含フッ素化合物の非存在下に行うことが好ましい。本発明の製造方法によれば、このような従来の長鎖含フッ素界面活性剤を使用しなくても、パーフルオロゴムの粒子を含む水性分散液を1段階の重合で製造することができる。
本発明における重合は、乳化重合であることが好ましい。本発明における重合は、ラジカル重合であることが好ましい。
19F−NMRによって測定した。
元素分析により測定した。
ALPHA TECHNOLOGIES製 ムーニー粘度計MV2000E型を用いて、100℃において、JIS K6300に従い測定した。
(パーフルオロゴムの重合工程)
着火源をもたない内容積0.5リットルのステンレススチール製オートクレーブ(アンカータイプの攪拌翼と邪魔板1枚が付属)に、純水200g、CF3O(CF(CF3)CF2O)CF(CF3)COONH420.0g、NaCl 0.653g、Na2SO3 0.352gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、オートクレーブ内を15℃に温調し、テトラフルオロエチレン(TFE)で、内圧が0.2MPa・Gになるように仕込んだ。攪拌を回転数1000rpmで行い、続いて、CF3CF2CF2(OCF(CF3)CF2)2OCF=CF2 60gを窒素で圧入した後、過硫酸アンモニウム(APS)1.5mgを水2.0gに溶解し、窒素で圧入して反応を開始した。
重合の進行に伴い、槽内圧力が低下するので、圧力が0.152MPa・Gになれば、TFE0.6gをオートクレーブに導入して昇圧し、続いて、I(CF2CF2)2I 0.256gを水2gとともに窒素で圧入した。反応の進行にともない槽内圧力が低下するので、圧力が0.150MPa・Gになれば、TFE2.0gをオートクレーブに導入し、昇圧した。この降圧、昇圧を繰り返し、重合終了までにTFEを21.5g圧入した。重合中にCF2=CFOCF2CF2CH2I 0.372gを2回、TFEの総仕込み量が7.0gおよび14.3gを越えた時点で、それぞれ水2.0gとともに窒素で圧入した。重合開始後、2.93hr.および3.62hr.および8.87hr.経過した時に、それぞれ、過硫酸アンモニウム(APS)1.5mgを水2.0gに溶解した水溶液を窒素で圧入した。CuSO4・5H2O 0.0000483gを水2.0gに溶解した水溶液を重合開始後、2.85hr.で窒素で圧入した。槽内圧力が0.150MPa・Gで、重合終了し、未反応モノマーを放出して、パーフルオロゴムの水性分散液333.7gを得た。重合時間は9.27時間であった。
得られたパーフルオロゴムの水性分散液は2層分離しており、下層を分離して計量すると12.1gであった。
この水性分散液の上層のうち100gとアセトン3.57gを250mlポリビンに入れ、混合した。このポリビンを−20℃の冷凍庫に60時間入れ、凍結させた。凍結した水性分散液を約40℃の水に浸し、解凍した。パーフルオロゴムが凝析しているので、パーフルオロゴムと水溶液をろ別し、パーフルオロゴムは流水で洗浄後、ジューサーミキサーに、洗浄用の純水とパーフルオロゴムを入れて粉砕洗浄し、パーフルオロゴムをろ別する。洗浄水に泡立ちがなくなるまで、ジューサーミキサーによる粉砕洗浄を繰り返す。パーフルオロゴムを洗浄水からろ別し、125℃で13時間真空乾燥させ、16.8gのパーフルオロゴムを得た。上記の後処理を繰り返し、得られた水性分散液の上層からパーフルオロゴムを得た。
得られたパーフルオロゴムを19F−NMR(270℃加熱溶融での分析)で分析を行った。19F−NMRの分析では、CF3CF2CF2(OC(CF3)CF2)2OCF=CF2モノマー単位と、CF2=CFOCF2CF2CH2Iモノマー単位は、区別できないので、CF2=CFOCF2CF2CH2Iは、CF3CF2CF2(OC(CF3)CF2)2OCF=CF2として計算し、得られたパーフルオロゴムは、TFE/CF3CF2CF2(OC(CF3)CF2)2OCF=CF2のモノマー単位組成として、計算を行なった。結果、この重合体のモノマー単位組成は、TFE/CF3CF2CF2(OC(CF3)CF2)2OCF=CF2が82.9/17.1モル%であった。元素分析によるヨウ素含量は、0.17wt%であった。100℃でのムーニー粘度ML1+10は、78であった。
Claims (7)
- LogPOWが3.4以下の含フッ素界面活性剤及び重合開始剤の存在下、フルオロモノマーの重合を水性媒体中で行うことにより、パーフルオロゴムの粒子を含む水性分散液を製造することを特徴とするパーフルオロゴム水性分散液の製造方法。
- パーフルオロゴムは、TFE/下記一般式(8)、(10)又は(11)で表されるフルオロモノマー共重合体及びTFE/下記一般式(8)、(10)又は(11)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるモノマー共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載のパーフルオロゴム水性分散液の製造方法。
一般式(8):CF2=CF−ORf81
(式中、Rf81は、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)
一般式(10):CF2=CFOCF2ORf101
(式中、Rf101は炭素数1〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロアルキル基、炭素数5〜6の環式パーフルオロアルキル基、1〜3個の酸素原子を含む炭素数2〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロオキシアルキル基である)
一般式(11):CF2=CFO(CF2CF(Y)O)m(CF2)nF
(式中、Yはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表す。mは1〜4の整数である。nは1〜4の整数である。) - パーフルオロゴムは、100℃におけるムーニー粘度ML(1+10)が10以上である請求項1又は2記載のパーフルオロゴム水性分散液の製造方法。
- 含フッ素界面活性剤は、下記一般式(3)
CF3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOX1 (3)
(式中、X1は水素原子、NH4又はアルカリ金属原子を表す。)で表される含フッ素化合物である請求項1、2又は3記載のパーフルオロゴム水性分散液の製造方法。 - 含フッ素界面活性剤は、下記一般式(1)
X−(CF2)m1−Y (1)
(式中、XはH又はFを表し、m1は3〜5の整数を表し、Yは−SO3M、−SO4M、−SO3R、−SO4R、−COOM、−PO3M2、−PO4M2(MはH、NH4又はアルカリ金属を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)を表す。)で表される含フッ素化合物である請求項1、2又は3記載のパーフルオロゴム水性分散液の製造方法。 - 含フッ素界面活性剤を1種のみ用いる請求項1、2、3、4又は5記載のパーフルオロゴム水性分散液の製造方法。
- 含フッ素界面活性剤は、水性媒体の2000〜500000ppmに相当する量である請求項1、2、3、4、5又は6記載のパーフルオロゴム水性分散液の製造方法。
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