JP3572099B2 - 水性エマルジョンにおけるフッ素化オレフィンモノマーのラジカル(共)重合法 - Google Patents

水性エマルジョンにおけるフッ素化オレフィンモノマーのラジカル(共)重合法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、フッ素化オレフィンモノマー類の水性エマルジョンにおける(共)重合の方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水性エマルジョンにおけるフッ素化オレフィンモノマー類の(共)重合の方法は、当該技術分野において公知であり、本方法は、モノマー類の反応媒体への溶解度を増し、その結果反応速度を速めるために、1組の溶媒、一方は親水性で、他方は疎水性を、反応媒体に添加する。親水性溶媒として、通常アルコール類を使用する一方で、疎水性溶媒はクロロフルオロカーボン(CFC) を使用する。
例えば米国特許第4,426,501 号において、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合は、親水性溶媒としてt−ブチルアルコール、疎水性溶媒として1,1,2−トリクロロ−1,2,2− トリフルオロエタン(CFC 113) が存在する水性エマルジョンの中で行われる。
疎水性溶媒としてCFC 類を用いることは、これらが該モノマーのフッ素化された部分に対し高い親和性を持つ化合物であるという顕著な利点を示し、適切に選択されるならば、通常の重合条件では連鎖移動剤として作用することはない。しかし公知のように、CFC 類は大気のオゾン層を破壊するので、数年のうちにそれらは、ODP (オゾン破壊能) が低い化合物と完全に置き替わらなければならないであろう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は、意外にも、水性エマルジョン中でのフッ素化オレフィンモノマー類の共重合法において、疎水性溶媒として、水素化された末端基及び/又は水素化された反復単位を有するフルオロポリオキシアルキレン類を使用することによって、それらはODP が非常に低い化合物であるので環境汚染の問題を引き起こすことなしに、CFC 類で得られるものに近い、高い生産性を得ることが可能であることを発見した。
本出願人が実施した実験において、CFC 類の代わりにペルフルオロポリオキシアルキレン類を使用すると、前述の溶媒組の添加以外は同じ条件において得られるものよりもわずかに高い程度の、低い生産性という、満足できない結果をもたらすことから、前述の結果は、とりわけ驚くべきことである。
更に、下記に定義するような、水素化された末端基及び/又は水素化された反復単位を有するペルフルオロポリオキシアルキレン類は、高い重合温度(50 〜100 ℃) でも、それより低い温度、例えば通常10〜20℃で重合されるハラー(HALAR (登録商標))( エチレン− クロロトリフルオロエチレン コポリマー) の場合のような、低温で操作する場合でも、所望でない連鎖移動作用を引き起こさない。
従って本発明の目的は、1種以上のフッ素化オレフィンモノマーを、任意に1種以上の非フッ素化オレフィンと共に、ラジカル(共)重合を行う方法であって、親水性溶媒並びに水素化された末端基及び/又は水素化された反復単位を有するフルオロポリオキシアルキレンが存在する水性エマルジョン中で、該モノマー類を(共)重合する方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このようなフルオロポリオキシアルキレンは、下記の群から選択された、分子鎖に沿ってランダムに分布された反復単位:
−CFZO−、−CFCFZO−、−CFC(CF)FO−、−C(CF)FO−、−CZCFCFO−、−CFC(OR)FO−、−C(0R)FO−(式中、ZはH又はFであり、Rは−CF、−C、又は−Cである。);
及び下記の群から選択された水素化された末端基:
−CFH、−CFCFH、−CFHCF、−CFH−OR(式中、Rは前に定義したものである。);
又は−CF、−C、−Cから選択された、過フッ素化された末端基によって構成され、これら末端基の少なくとも1個は水素化されている。
それらの平均分子量は、一般に、300〜4000、好ましくは400〜1500の範囲である。
【0005】
特に、このようなフルオロポリオキシアルキレン類を、下記一般式(a) 〜(i) で表わされるものから選択することができる:
(a) T−O(CF−C(CF)FO) (CFXO) −T
(式中、T及びTは、同じ又は互いに異なる、水素化された基である、−CFH 、 −CFHCF、又は過フッ素化された基である、−CF、−C、−C であり、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されていて;X は、−F又は−CFであり;a 、b は、その分子量が前述の範囲に含まれるような数であり、a/b は5から15の範囲である。);
(b) T−O(CFCFO) (CFO) −T
(式中、T及びTは、同じ又は互いに異なる、水素化された基である、−CFH 、−CFCFH、又は過フッ素化された基である、−CF、−Cであり、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されていて;c 、d は、その分子量が前述の範囲に含まれるような数であり、c/d は0.3 から5の範囲である。);
【0006】
(c) T−O(CF−C(CF)FO)(CFCFO) (CFXO)−T
(式中、T及びTは、同じ又は互いに異なる、水素化された基である、−CFH 、−CFCFH、−CFH−CF、又は過フッ素化された基である、−CF、−C、−C であり、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されていて;X は、−F又は−CFであり;e 、f 、g は、その分子量が前述の範囲に含まれるような数であり、e/(f+g) は1から10、f/g は1から10の範囲である。);
(d) T−O(CF−C(CF)FO)−T
(式中、T及びTは、水素化された基である、−CFH−CF、又は過フッ素化された基である、−C、−C であり、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されていて;h は、その分子量が前述の範囲に含まれるような数である。);
【0007】
(e) T−O(CZCFCFO)−T10
(式中、Z はF 又はH ;T及びT10 は、同じ又は互いに異なる、水素化された基である、−CFH 、−CFCFH、又は過フッ素化された基である、−CF、−C、−C であり、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されていて;i は、その分子量が前述の範囲に含まれるような数である。);
(f) T11−O(CFO) (CFC(OR)FO)(C(OR )FO)−T12
(式中、R は、−CF、−C、−C であり;T11 及びT12 は、同じ又は互いに異なる、水素化された基である、−CFH 、−CFCFH、−CFH−OR 、又は過フッ素化された基である、−CF、−C、−C であり、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されていて;j 、k 、l は、その分子量が前述の範囲に含まれるような数であり、k+l 及びj+k+l は少なくとも2で、K/(j+l) は10−2から10、l/j は10−2から10の範囲である。);
(g) T13−O(CFC(CF)FO)(CFXO)(CFHO)(CFCFHO) −T14
(式中、T13 及びT14 は、同じ又は互いに異なる、水素化された基である、−CFH 、−CFH−CF、又は過フッ素化された基である、−CF、−C、−C であり、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されていて;X は、−F又は−CFであり;m 、n 、o 、p は、その分子量が前述の範囲に含まれるような数であり、m/n は5から40、m/(o+p) は2から50の範囲で、o+p は少なくとも3で、o はp よりも小さい。);
【0008】
(h) T15−O(CFCFO)(CFO)(CFHO)(CFCFHO) −T16
(式中、T15 及びT16 は、同じ又は互いに異なる、水素化された基であり、−CFH 、−CFCFH、又は過フッ素化された基である、−CF、−Cであり、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されていて;q 、r 、s 、t は、その分子量が前述の範囲に含まれるような数であり、q/r は0.5 から2、(q+r)/(s+t) は3から40の範囲で、s+t は少なくとも3で、s はt よりも小さい。);
(i) T17−O(CFC(CF)FO)(CFCFO) (CFXO)(CFHO)(CFCFHO) −T18
(式中、T17 及びT18 は、同じ又は互いに異なる、水素化された基である、−CFH 、−CFCFH、−CFH−CF、又は過フッ素化された基である、−CF、−C、−C であり、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されていて;X は、−F又は−CFであり;u 、v 、w 、x 、y は、その分子量が前述の範囲に含まれるような数であり、(u+v)/w は5から40、(u+v)/(x+y) は2から50の範囲で、x+y は少なくとも3で、x はy よりも小さい。)。
【0009】
これらは、例えば欧州特許第154,297 号、米国特許第4,451,646 号及び米国特許第5,091,589 号に開示されたように、対応するペルフルオロポリオキシアルキレン類に存在する−COF基の、加水分解、それに続く脱炭酸によって得ることができる生成物である。
末端に−COF基を有する出発のペルフルオロポリエーテル類は、例えば英国特許第1,104,482 号((a)類) 、米国特許第3,715,378 号((b)類) 、米国特許第3,242,218 号((c)類) 、米国特許第3,242,218 号((d)類) 、欧州特許第148,482 号((e)類) 、欧州特許第445,738 号((f)類) 、欧州特許第244,839 号及び欧州特許第337,346 号((g),(h),(i)類) に開示されている。
【0010】
“親水性溶媒”とは、好ましくは溶媒を少なくとも5重量%含む水溶液を形成する程度まで、重合温度において水に可溶性の溶媒を意味する。このような溶媒は、炭素原子を1〜8個有する脂肪族アルコール類、例えばメタノール、イソプロパノール、t−ブタノール、ピナコールなどから選択することができる。
本発明の目的方法において使用されるフルオロポリオキシアルキレン及び親水性溶媒の全量は、一般に、反応媒体中に存在する水全量に対し、15重量%よりも多くはなく、好ましくは2〜10重量%である。
当該技術分野において周知であるように、(共)重合反応は、無機過酸化物(例えば、アンモニウム又はアルカリ金属の過硫酸塩)、もしくは有機過酸化物(例えば、過酸化ジスクシニル、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−t− ブチルペルオキシド)、更にアゾ化合物(米国特許第2,515,628 号及び米国特許第2,520,338 号参照) などの、適当な開始剤の存在下で起こる。同じく過硫酸アンモニウム/亜硫酸ナトリウム、過酸化水素/アミノイミノメタンスルフィン酸のような、有機又は無機のレドックス系も使用することが可能である。ラジカル開始剤の量は、フッ素化オレフィンモノマー類の(共)重合に通常使用される量であり、一般に、(共)重合されたモノマー全量に対し0.003 〜2重量%の範囲である。
【0011】
公知のように、エマルジョン技術は、界面活性剤の存在も必要とする。本発明の目的方法において使用できる種々の界面活性剤の中で、特に下記式を有する化合物を挙げる:
−X
(式中、R は、C−C16(ペル) フルオロアルキル鎖、又は(ペル)フルオロポリオキシアルキレン鎖で、X は−COO又は−SO 、M はH 、NH 、アルカリ金属イオンから選択されたものである)。最も一般的に使用されるものの中で、アンモニウムペルフルオロオクタノエート、1個以上のカルボキシル基を末端基とする(ペル)フルオロポリオキシアルキレン類などが挙げられる。
この反応混合物に、同じく連鎖移動剤、例えば水素;炭化水素又はフルオロ炭化水素(例えばメタン又はエタン);酢酸エチル;マロン酸ジエチル;ヨウ素化された及び/又は臭素化された連鎖移動剤、例えば下記式の化合物:
(I) (Br)
( 式中、R は、C−C(ペル) フルオロアルキル又は(ペル)フルオロクロロアルキルで、X 及びY は、1 ≦ X+Y ≦2であるような、0〜2の整数である。)も添加することができる。本出願人の出願したイタリア特許出願第MI93A/000551号に記載したように、連鎖移動剤として、水素又は脂肪族炭化水素又はフルオロ炭化水素を、分枝鎖を有する脂肪族アルコールと共に使用することも可能である。
反応温度は、広範囲に変化することができ、一般に10〜100 ℃、好ましくは50〜80℃の範囲である一方、圧力は一般に1〜10MPa(10〜100 バール) 、好ましくは1.5 〜4MPa (15 〜40バール) の範囲である。
【0012】
本発明の目的方法は、水性エマルジョン中でラジカル開始剤との反応によって(コ)ポリマーを生成することができるならば、任意に水素及び/又は塩素及び/又は臭素及び/又はヨウ素及び/又は酸素を含む、あらゆる種類のフッ素化オレフィンモノマーを使用することができる。これらの中で、C−Cペルフルオロオレフィン類、例えばテトラフルオロエチレン(TFE) 、ヘキサフルオロプロペン(HFP) 、ヘキサフルオロイソブテンなど; C−Cの水素化されたフルオロオレフィン類、例えばフッ化ビニル(VF)、フッ化ビニリデン(VDF) 、トリフルオロエチレン、ペルフルオロアルキルエチレン類 CH=CH−R ( 式中、R は、C−Cペルフルオロアルキル)など;C−C塩化− 及び/又は臭化− 及び/又はヨウ化− フルオロオレフィン類、例えばクロロトリフルオロエチレン(CTFE)及びブロモトリフルオロエチレンなど;(ペル)フルオロビニルエーテル類 CF=CFOX (式中、X は、C−C(ペル)フルオロアルキル、例えばトリフルオロメチル、ペンタフルオロプロピル、ブロモジフルオロメチル、又は1個以上のエーテル基を有する C−Cペルフルオロオキシアルキル)、例えばペルフルオロ−2− プロポキシプロピルなど;ペルフルオロジオキソール類を挙げることができる。
これらのフルオロオレフィン類は、C−C非フッ素化オレフィン類、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレンなどで、共重合することもできる。
【0013】
本発明の目的とする方法は、部分的にフッ素化されたオレフィンモノマー類のラジカル(共)重合のために、又はフッ素化されないオレフィンと過フッ化オレフィンモノマーの共重合のために使用されることが好ましい。
本発明の目的とする方法が適用できるポリマー類の中には、特に下記のものが含まれる:
(a) 1種以上のコモノマー類、例えばペルフルオロプロペン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル類、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロイソブテン、クロロトリフルオロエチレン、ペルフルオロアルキルエチレン類などを、少量、一般に0.1 〜3モル%、好ましくは0.5 モル%未満含む、“ 改質された” ポリテトラフルオロエチレン;
(b) C−Cアルキルを有するペルフルオロアルキルビニルエーテルを少なくとも0.5 〜8モル%含む、TFE 熱可塑性ポリマー類、例えばTFE /ペルフルオロプロピルビニルエーテル、TFE /ペルフルオロメチルビニルエーテル、TFE /ペルフルオロアルキルエチレンのコポリマーなど;
【0014】
(c) C−Cペルフルオロオレフィンを2〜20モル%含む、TFE 熱可塑性ポリマー類、例えばFEP(TFE /HFP コポリマー) などで、これにビニルエーテル構造を有する他のコモノマー(例えば米国特許第4,675,380 号参照) を少量(5モル%未満)加えることができる;
(d) エチレン、プロピレン又はイソブチレンとのTFE 又はCTFEコポリマー類で、任意に第三のフッ素化コモノマーを0.1 〜10モル%の量含む( 例えば米国特許第3,624,250 号及び米国特許第4,513,129 号参照);
(e) ペルフルオロアルキルビニルエーテル又はペルフルオロオキシアルキルビニルエーテルとのTFE 弾性コポリマー類で、任意にプロピレン又はエチレン、さらに“ 硬化サイト(cure−site) ”モノマー少量を含む(例えば米国特許第3,467,635 号及び米国特許第4,694,045 号参照) ;
(f) VDF を60〜79モル%、トリフルオロエチレンを18〜22モル%、及びCTFEを3〜22モル%含む、誘電特性を備えたポリマー類(米国特許第5,087,679 号参照);
【0015】
(g) VDF 弾性ポリマー類、例えばVDF/HFP コポリマー類、及びVDF/HFP/TFE ターポリマー類(例えば英国特許第888,765 号、及びKirk−Othmer の論文( Encyclopedia of Chemical Technology 、:500−515(1979)) 参照);これらのポリマー類は、更に水素化されたオレフィン類、例えばエチレン及びプロピレンなど(例えば欧州特許第518,073 号に開示);ペルフルオロアルキルビニルエーテル類;臭素化された“ 硬化サイト”コモノマー及び/又はヨウ素原子を末端に持つもの( 例えば米国特許第4,243,770 号、米国特許第4,973,633 号及び欧州特許第407,937 号に開示) も含むことができる;
(h) 1種以上のフッ素化コモノマーを、少量、一般に0.1 〜10モル%含む、フッ化ポリビニリデン又は改質されたフッ化ポリビニリデン、例えばヘキサフルオロプロペン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレンなどである。
【0016】
例えば米国特許第3,865,845 号、米国特許第3,978,030 号、欧州特許第73,087号、欧州特許第76,581号、欧州特許第80,187号に開示されているように、前述の分類のポリマー類、及び特にTFE をベースとするポリマー類は、過フッ素化ジオキソールで改質することができる。
いくつかの実施例を下記に記すが、それらの目的は、単に詳細に説明するためであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0017】
【実施例】
実施例1
スターラーを570rpmで回転させた、5リットルの AISI 316 クロムめっきしたスチール製オートクレーブを、真空にし、かつ順に脱塩水 3.2リットル、下記式のガルデン(Galden (登録商標)) 界面活性剤13.4g:
CFO(CFCF(CF)O) (CFO)CFCOONH
( 式中、n/m =10、及び平均分子量は約600 である。) 、t−ブタノール 120g、並びに下記式の水素化された末端基を有するフルオロポリオキシアルキレン 225g:
CFH−O(CFCFO) (CFO)CF
(式中、m/n =0.95、及び平均分子量は365 である。) を混合した。
その後このオートクレーブを、反応温度の60℃に上げ、作業圧22絶対バール(abusolute bar) で、気相におけるエチレン/TFEのモル比、約20/80 が得られるような量の、エチレン及びTFE を充填した。作業圧に達した後、水溶液状の過硫酸アンモニウム(APS) を、3 ×10−3g/l・min の流量で連続して2時間流した。
252 分後にオートクレーブを室温まで冷し、この反応を停止した。その後、このようにして得られたラテックスを取り出し、機械的に攪拌して凝固し、HO で洗浄し、かつ乾燥した。エチレン/TFE コポリマー 908gが得られた。生産性(R) の測定値を、表1に示した。
【0018】
比較例1
脱塩水3.5 リットルを用いるが、t−ブタノールも、水素化された末端基を有するフルオロポリオキシアルキレンも添加しない他は同じ条件で、実施例1を繰り返した。
149 分後にこの反応を停止し、エチレン/TFE コポリマー320 gを得た。生産性(R) の測定値を、表1に示した。
【0019】
比較例2
水素化された末端基を有するフルオロポリオキシアルキレンの代わりに、CClF−CClF(CFC−113) 225 gを用いることの他は同じ条件で、実施例1を繰り返した。
164 分後にこの反応を停止し、エチレン/TFE コポリマー930 gを得た。生産性(R) の測定値を、表1に示した。
【0020】
比較例3
水素化された末端基を有するフルオロポリオキシアルキレンの代わりに、下記式のガルデン(登録商標)DO2 225 g:
CFO(CFCF(CF)O) (CFO)CF
( 式中、n/m =20、及び平均分子量は450 である。) を用いることの他は同じ条件で、実施例1を繰り返した。
340 分後にこの反応を停止し、エチレン/TFE コポリマー842 gを得た。生産性(R) の測定値を、表1に示した。
【0021】
【表1】
Figure 0003572099

Claims (8)

  1. 1種以上のフッ素化オレフィンを含むモノマーの水性エマルジョン中におけるラジカル(共)重合法であって、前記モノマーを、
    ・親水性溶媒、並びに
    ・水素化された末端基及び/又は水素化された反復単位を有する疎水性フルオロポリオキシアルキレン溶媒
    が存在する水性エマルジョン中で(共)重合する方法。
  2. 前記モノマーが、さらに1種以上の非フッ素化オレフィンを含む、請求項1記載の方法。
  3. 該フルオロポリオキシアルキレンは、下記の群から選択され、分子鎖に沿ってランダムに分布された反復単位:
    -CFZO-、-CF2CFZO-、-CF2C(CF3)FO-、-C(CF3)FO-、-CZ2CF2CF2O-、-CF2C(ORf)FO-、-C(0Rf)FO-(式中、ZはH又はFであり、Rfは-CF3、-C2F5、又は-C3F7である。);
    及び下記の群から選択された水素化された末端基:
    -CF2H 、-CF2CF2H、-CFH-CF3 及び-CFH-ORf (式中、Rfは前に定義したものである。);
    又は-CF3、-C2F5及び-C3F7から選択された、過フッ素化された末端基によって構成され、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されている、請求項1又は2記載の方法。
  4. 該フルオロポリオキシアルキレンの平均分子量が、300 〜4000の範囲である、請求項3記載の方法。
  5. 該フルオロポリオキシアルキレンの平均分子量が、400 〜1500の範囲である、請求項4記載の方法。
  6. 該フルオロポリオキシアルキレンが、下記一般式(a) 〜(i) で表わされるものから選択された、請求項4又は5記載の方法:
    (a) T1-O(CF2-C(CF3)FO)a(CFXO)b-T2
    (式中、T1及びT2は、同じ又は互いに異なる、水素化された基である、-CF2H、-CFH-CF3、又は過フッ素化された基である、-CF3、-C2F5、-C3F7であり、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されていて;Xは、-F又は-CF3であり;a、b は、その分子量が前述の範囲に含まれるような数であり、a/b は5から15の範囲である。);
    (b) T3-O(CF2CF2O)c(CF2O)d-T4
    (式中、T3及びT4は、同じ又は互いに異なる、水素化された基である、-CF2H又は-CF2-CF2H、又は過フッ素化された基である、-CF3、-C2F5であり、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されていて;c、dは、その分子量が前述の範囲に含まれるような数であり、c/d は0.3 から5の範囲である。);
    (c) T5-O(CF2-C(CF3)FO)e(CF2CF2O)f(CFXO)g-T6
    (式中、T5及びT6は、同じ又は互いに異なる、水素化された基である、-CF2H、-CF2CF2H又は-CFH-CF3、又は過フッ素化された基である、-CF3、-C2F5、-C3F7であり、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されていて;Xは、-F又は-CF3であり;e、f、gは、その分子量が前述の範囲に含まれるような数であり、e/(f+g)は1から10、f/gは1から10の範囲である。);
    (d) T7-O(CF2-C(CF3)FO)h-T8
    (式中、T7及びT8は、水素化された基である、-CFH-CF3、又は過フッ素化された基である、-C2F5、-C3F7であり、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されていて;hは、その分子量が前述の範囲に含まれるような数である。);
    (e) T9-O(CZ2CF2CF2O)i-T10
    (式中、ZはF又はHであり;T9及びT10は、同じ又は互いに異なる、水素化された基である、-CF2H 、-CF2-CF2H、又は過フッ素化された基である、-CF3、-C2F5、-C3F7であり、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されていて;i は、その分子量が前述の範囲に含まれるような数である。);
    (f) T11-O(CF2O)j(CF2C(ORf)FO)k(C(ORf)FO)l-T12
    (式中、Rfは、-CF3、-C2F5又は-C3F7であり;T11及びT12は、同じ又は互いに異なる、水素化された基である、-CF2H、-CF2CF2H、-CFH-ORf、又は過フッ素化された基である、-CF3、-C2F5、-C3F7であり、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されていて;j、k、lは、その分子量が前述の範囲に含まれるような数であり、k+l及びj+k+lは少なくとも2で、K/(j+l)は10-2から103、l/jは10-2から102の範囲である。);
    (g) T13-O(CF2C(CF3)FO)m(CFXO)n(CFHO)o(CF2CFHO)p-T14
    (式中、T13及びT14は、同じ又は互いに異なる、水素化された基である、-CF2H、-CFH-CF3、又は過フッ素化された基である、-CF3、-C2F5、-C3F7であり、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されていて;Xは、-F又は-CF3であり;m、n、o、pは、その分子量が前述の範囲に含まれるような数であり、m/nは5から40、m/(o+p)は2から50の範囲で、o+pは少なくとも3で、oはpよりも小さい。);
    (h) T15-O(CF2CF2O)q(CF2O)r(CFHO)s(CF2CFHO)t-T16
    (式中、T15及びT16は、同じ又は互いに異なる、水素化された基である、-CF2H 、-CF2-CF2H、又は過フッ素化された基である、-CF3、-C2F5であり、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されていて;q、r、s、tは、その分子量が前述の範囲に含まれるような数であり、q/rは、0.5から2、(q+r)/(s+t)は3から40の範囲で、s+tは少なくとも3で、sはtよりも小さい。);
    (i) T17-O(CF2C(CF3)FO)u(CF2CF2O)v(CFXO)w(CFHO)x(CF2CFHO)y-T18
    (式中、T17及びT18は、同じ又は互いに異なる、水素化された基である、-CF2H、-CF2CF2H、-CFH-CF3、又は過フッ素化された基である、-CF3、-C2F5、-C3F7 であり、これらの末端基の少なくとも1個は水素化されていて;X は、-F又-CF3であり;u、v、w、x、yは、その分子量が前述の範囲に含まれるような数であり、(u+v)/wは5から40、(u+v)/(x+y)は2から50の範囲で、x+yは少なくとも3で、xはyよりも小さい。)。
  7. 該親水性溶媒が、炭素原子を1〜8個有する脂肪族アルコールである、請求項1から6のいずれか1項記載の方法。
  8. 部分的にフッ素化されたオレフィンモノマー類、又は過フッ素化されたオレフィンモノマー類を、非フッ素化オレフィン類と(共)重合する、請求項1から7のいずれか1項記載の方法。
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