JP2014226097A - 細胞培養方法、粒子状培養担体、及び粒子包含細胞凝集体 - Google Patents

細胞培養方法、粒子状培養担体、及び粒子包含細胞凝集体 Download PDF

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Abstract

【課題】細胞の機能が生体に近い3次元凝集体を培養容器に接着させながら、培地からの栄養、酸素、薬物、ならびに試薬の浸透性を向上させ、細胞の機能を維持できる培養法を提供する。【解決手段】 単離細胞を培養容器に播種して、細胞が培養面へ沈降した以降に、細胞の上に、細胞接着性と物質浸透性を有するマイクロスキャフォールド粒子を投与することによって、細胞を培養容器に接着させながら、粒子を包含する細胞凝集体を形成することができる。例えば、細胞凝集体に包含させる培養担体のサイズが、細胞直径の1/5以上であるゼラチン粒子を、単位培養面積当たりの培養細胞の個数に対して細胞数:粒子数が80:1以上で、投与することによって、粒子を包含する細胞凝集体を形成する。【選択図】 図4

Description

本発明は、粒子状の培養担体に係り、特に、細胞を培養容器に接着させる培養において粒子包含細胞凝縮体を用いる細胞培養技術に関する。
本技術分野の背景技術として、特許文献1がある。特許文献1には、ハイドロゲル粒子と細胞から構成される粒子含有細胞凝集体およびその製造方法が記載されている。また、特許文献2には、ゼラチンおよびホウ素を必須の原料とするゲル化可能な細胞培養基材およびその使用方法が記載されており、適当な粒子サイズは5〜100μm直径であり、より好ましくは10〜70μm直径であることが記載されている。
別の背景技術である特許文献3には、マイクロサイズのピラーで区画された流路面に、所定の大きさ(10〜50μm等)のゼラチン球を配置して、細胞を3次元培養することが記載されている。
別の背景技術である特許文献4には、微粒子含有高分子ゲル粒子からなる培養基材と、微粒子含有高分子ゲル粒子の集合体の中で細胞を培養し、3次元組織体を回収する方法について記載されている。また、特許文献5には、ゼラチンハイドロゲルからなる粒子径0.1から500μmのマイクロキャリアの表面に細胞を支持し、培養する例が記載されている。
WO2011−059112号公報 特開2011−130720号公報 US2011/0256574号公報 特開2005−027532号公報 US2005/0054101号公報
創薬研究や、再生医療関連技術の産業化などにおいて、培養する細胞の機能を生体に近い状態で長期間維持する培養技術の開発が求められている。
体の基本単位は細胞である。そして生物機能の最小構成単位は、細胞−細胞間接着を基本構造として形成される細胞凝集体である。このため、体外における細胞の生物医学的研究ならびに細胞の産業利用においては、試験管内で細胞を集合させた細胞凝集体作製が、重要な要素技術となっている。たとえば細胞を用いた薬物スクリーニングにおいても、遊離した単独細胞に比べて、細胞凝集体の生物機能が高く、薬物に対する感度が高くなることが知られ、生体に近い細胞凝集体を用いた薬物作用の研究や毒物評価が可能になると考えられている。
このような中で、細胞凝集体を効率よく作製して、生物機能を高める研究がおこなわれてきた。しかしながら、この分野における問題として、細胞凝集体内部への栄養、酸素の供給と、内部細胞からの老廃物除去の効率が低下することが懸念される。供給や排泄効率が低下した結果として、細胞の機能が低下し、細胞凝集体の利用が困難となる。一方、薬物スクリーニングなどを目的として細胞の反応を解析する場合には、細胞凝集体内部への標的薬物ならびに分析試薬の浸透性低下が問題となる。
これらの問題を解決するためには、細胞凝集体内での細胞−細胞間接着を損なうことなく、凝集体内部と外部との間での物質浸透性を向上させるための技術が必要不可欠である。上述の特許文献1には、細胞が3次元的に集合した細胞凝集体内部への物質透過性を向上させる方法として、高分子ハイドロゲルを細胞の凝集体に包含させる方法が報告されている。ハイドロゲル粒子は、栄養、酸素の透過性を有することから、粒子が分散している3次元凝集体では、内部細胞における栄養と酸素の不足や、老廃物蓄積の問題が改善されると考えられる。特許文献1に、非接着性の培養容器に、増殖性の細胞とハイドロゲル粒子を混合してから播種することにより、粒子を取り込んだ直径1mm近い凝集体を作製する方法が報告されている。
一方、薬物スクリーニングなど、体外における細胞試験に細胞凝集体を用いる場合には、試験溶液の処理、洗浄などの間、細胞凝集体を容器内に保持しておくことが必要である。しかしながら、接着性の容器で形成された細胞凝集体の培養において、凝集体を培養容器内に接着させた状態で、凝集体内部に物質透過性の粒子を包含させる方法については、これまでに報告がない。
本発明の目的は、以上の観点に鑑み、細胞の機能が生体に近い3次元凝集体を培養容器に接着させながら、培地からの栄養、酸素、薬物、ならびに試薬等の浸透性を向上させる、細胞培養方法、粒子状培養担体、及び粒子包含細胞凝集体を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明においては、単離細胞を培養容器に播種し、細胞接着性と物質透過性を有する粒子を投与することにより、粒子を包含する細胞凝集体を形成する細胞培養方法を提供する。
また、上記の目的を達成するため、本発明においては、培養容器に播種した細胞上に投与されることによって生成される細胞凝集体に包含される、細胞接着性と物質透過性を有する粒子からなる粒子状培養担体を提供する。
更に、上記の目的を達成するため、本発明においては、細胞を培養容器に播種し、細胞上に細胞接着性と物質透過性を有する粒子を投与することにより形成した粒子包含細胞凝集体を提供する。
本発明によれば、細胞の培養において、生体に近い機能を持つ培養細胞を長期間維持し、試験管内での細胞試験に利用できる培養法を提供できる。
実施例1に係り、直径の異なる粒子を投与して5日間培養したラット肝細胞凝集体の代謝酵素チトクロームP450(分子種CYP3A)活性を測定した例を示す図である。 実施例1に係り、同様に7日間培養したラット肝細胞凝集体のCYP3A活性を測定した例を示す図である。 実施例1に係り、同様に11日間培養したラット肝細胞凝集体のCYP3A活性を測定した例を示す図である。 実施例1に係り、図1A〜図1Cにおける測定例の各培養条件を示す図である。 実施例1に係り、ラット肝細胞に直径の異なる粒子を包含させて11日間培養した時の細胞凝集体形成の経時変化の例を示す図である。 実施例1に係り、培地で膨潤させた直径の異なるゼラチン粒子懸濁液の顕微鏡観察像の例を示す図である。 実施例2に係り、粒子径の異なる粒子を包含したラット肝細胞凝集体の断面像の例を示す図である。 実施例3に係り、CYP3Aの基底活性を計測した例を示す図である。 実施例3に係り、CYP3Aの薬物誘導活性を計測した例を示す図である。 実施例3に係り、ラット肝細胞を低接着性培養容器に播種した時の顕微鏡観察による経時変化の例を示す図である。 実施例3に係り、ラット肝細胞を低接着性培養容器に播種した時の、顕微鏡画像から測定した細胞長径の経時変化の例を示す図である。 実施例4に係り、ラット肝細胞を培養し、ミトコンドリア脱水素酵素の活性をWST−1アッセイにより測定した例を示す図である。 実施例5に係り、細胞数に対して異なる割合で粒子を投与し、5日間培養した時の細胞凝集体形成の経時変化の例を示す図である。 実施例5に係り、細胞数に対して異なる割合で粒子を投与し、5日間培養した時の蛍光試薬の取り込みと毛細胆管への排泄の例を示す図である。 実施例6に係り、各実施例で使用する細胞培養用マルチウェルプレートの一例を示す図である。 実施例6に係り、各実施例で使用する細胞培養用マルチウェルプレートの部分拡大図である。 実施例6に係り、ホールの中心部に突起の集合領域が成型されている培養面の走査型電子顕微鏡写真の例を示す図である。 実施例6に係り、粒子を包含する細胞凝集体がホールの中心に成型された突起の集合領域に接着する例を示す図である。
本発明は、単離細胞を培養容器に播種し、細胞接着性と物質透過性を有する粒子を投与することにより、粒子を包含する細胞凝集体を形成する細胞培養方法、粒子状培養担体、及び粒子包含細胞凝集体の発明である。好適には、細胞接着性と物質透過性を有する粒子とは、細胞足場粒子であるマイクロスキャフォールド(micro scaffold)粒子であり、この粒子の投与は、播種した細胞が培養面に沈降した後に行う、より具体的には単離細胞を培養容器に播種後、細胞が培養面への接着を開始した時から、細胞が移動して近接した細胞同士が接着し、細胞凝集体の形成が開始されるまでの間に行うことにより、細胞の培養容器への接着、細胞と粒子の接着等を確実にすることができる。
本発明の好適な実施態様であるマイクロスキャフォールド粒子を用いた細胞培養法は、熱処理などによってゼラチン分子間に化学架橋を形成させて得られる微粒子を用いた培養法である。化学架橋の方法として、グルタルアルデヒドなどの化学的架橋剤を用いることも可能である。
ゼラチン粒子を調製する時のゼラチン水溶液の濃度は、10%重量濃度が望ましいが、これに限定されるものではない。ゼラチン粒子を作製する方法の一つとして、ゼラチン水溶液を、例えばオリーブオイルなどの油と一緒に撹拌することによりエマルジョンを調製し、このエマルジョンを冷却し、冷却アセトンなどで脱脂および脱水することにより、微粒子を得る手順が挙げられる。この段階でふるいにかけることにより、粒子径を分けることが可能である。乾燥させた粒子を熱処理することにより、分子を架橋する。
この他に粒子を作製する方法の例として、マイクロリアクター(例えばマイクロプロセスサーバー、日立プラントテクノロジー社製)を用いて、ゼラチン水溶液とオリーブオイルを均一に乳化させて、サイズを制御した粒子を得ることも可能である。
マイクロスキャフォールド粒子は、粒子表面の細胞接着性と、粒子内への水溶性物質透過性の2つの性質を持つものであれば、いずれの材料から作製された粒子でも用いることができる。細胞接着性を有するためには、細胞接着性物質で作製されるか、あるいは細胞が接着する物質で表面がおおわれているなどでもよい。細胞接着性物質としては、例えばコラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、グリコサミノグリカン、細胞膜表面のタンパク質や糖鎖に結合する抗体、細胞膜表面に結合する糖鎖、あるいはポリ−L−リジンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
水溶性物質透過性を有するためには、大量の水分を含むハイドロゲルか、あるいは多孔質セラミックスや多孔質金属などが例に挙げられるが、これらに限定されない。ハイドロゲルとしては、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギン酸、でんぷん、ポリ乳酸、アガロース、ペクチン、セルロース、グルコサミノグリカン、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、プロテオグリカンなど、多孔質セラミックスとしてはハイドロキシアパタイトが例に挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のマイクロスキャフォールド粒子などの粒子包含細胞凝集体は、培養面への接着性を示す細胞を、培養面に接着領域を有する培養容器に播種し、細胞が容器に沈降した後に上述の粒子を投与することによって形成される細胞凝集体である。原料であるゼラチンに細胞が接着することにより、細胞が培養面に接着した状態で、粒子を包含する細胞凝集体が形成される。粒子投与時期、粒子径、投与数を選ぶことにより、細胞凝集体が培養器材から剥離することなく、また凝集体内の細胞−細胞間接着を阻害することなく、細胞凝集体を得ることが可能である。粒子包含細胞凝集体の利用目的によって、特に維持するべき細胞機能が異なる場合があるため、目的に応じて、適切な粒子投与時期、粒子径、投与数を調節することが望ましい。
このように、培養容器に細胞凝集体が接着した状態で粒子を包含する本発明は、従来のマイクロキャリアの表面に細胞を接着させて浮遊培養により有用物質を得る培養方法や、非接着性の容器で培養担体を包含する細胞凝集体を形成する技術とは異なる。
培養容器に細胞凝集体が接着した状態で粒子を包含する本発明は、通常行われる単層培養細胞を用いた試験と同様の操作で、薬物処理や細胞の活性計測を行うことが可能である。このため、創薬研究における薬物スクリーニングや、再生医療研究における分化誘導条件の検討などの細胞試験に、活性を維持した粒子包含細胞凝集体を、容易に用いることができる。このとき、物質透過性マイクロスキャフォールド粒子を介して薬物や試薬が内部細胞へ浸透しやすくなることから、粒子を包含しない細胞凝集体で懸念される薬物や試薬の浸透性の問題を解決することができる。
以下、図面を用いて本発明の各種の実施態様を説明する。
実施例1は、肝細胞を培養する粒子状培養担体、粒子包含細胞凝集体、及び細胞培養方法に関する実施例である。
本実施例で用いる肝細胞は、増殖しない成熟した肝実質細胞であり、培養期間中に機能が低下しやすい。このため、一般に、薬物試験などに肝細胞を供与できる期間は、培養開始から1週間程度までである。本実施例では、ゼラチン粒子をラット肝細胞に投与して培養することにより、代謝酵素チトクロームP450(CYP3A)活性の計測が可能な期間を、10日以上に延長した例を説明する。
図1A、図1B、図1Cは、本実施例において、直径の異なる4種類のゼラチン粒子をラット肝細胞に投与し、酵素活性を経時的に測定し、粒子径によって酵素活性維持効果が異なることを示した例である。なお、これらの図に示された培養条件1〜7は、図1Dの1〜7に示す通りである。
図2は、ラット肝細胞に条件1〜5で直径の異なる粒子を投与して11日間培養した時の細胞凝集体形成の経時変化を示し、図1A、図1B、図1Cの酵素活性測定に用いる試料の顕微鏡観察像の例である。図3は、培地で膨潤させた直径の異なるゼラチン粒子懸濁液の顕微鏡観察像の例を示す。
本実施例のラット肝細胞は、Fisher344ラット、あるいはSDラットのオス、5−8週齢(ともに日本チャールスリバー)より、2段階コラゲナーゼ還流法により調製した。10%ウシ胎児血清をふくむウィリアムズE培地(8.6nMインシュリン(シグマアルドリッチ)、255nMデキサメタゾン(ナカライテスク)、50ng/ml EGF、5KIV/mlアプロチニンを添加)に、細胞濃度5×10細胞/mlで単離肝細胞を懸濁し、培養容器の培養面積当たり1×10細胞/cmの密度で、細胞を播種した。培養プレートを、37度、炭酸ガス濃度5%のインキュベーターに入れて、細胞を培養した。
本実施例で用いる培養容器には、後で図11を用いて説明するように、培養面に直径200μmの多数のホール構造を持ち、各ホール底面の中心部分に、直径2μm高さ1μmの微細な突起を加工した、96ウェルナノピラー培養プレートを用いた。例えば、本発明者等による特開2011−004612号公報、WO2010/079602号公報参照。前者には、細胞の接着性や遊走性を制御できるナノピラーが形成された培養シートについて記載されている。後者には、ナノピラーシート上で肝細胞が細胞凝集体を形成しやすい条件について記載され、3次元凝集体の機能が2次元培養法より生体に近いことが記載されている。
この培養プレートの材質はポリスチレンであり、ホールならびに微細な突起を有する培養面は、表面改質により親水化処理され、細胞接着性を有している。特に微細な突起であるナノピラー部分は、細胞を捕捉する効果を有している。一方、単層培養には、I型コラーゲンを塗布したバイオコート(BD)96ウェル培養プレートを培養容器に用いた。
細胞に投与する粒子として、下記の非特許文献1を一部改変した方法で作製されたゼラチン粒子を用いた。
<非特許文献1>
In vitro Proliferation and condrogenic differentiation of rat bone marrow stem cells cultured with gelatin hygrogel microspheres for TGF−β1 release.Ogawa T. et al.、Journal of Biomaterials Science、21、609−621 (2010)
乾燥ゼラチン粉末(等電点5)を秤量し、10%重量濃度になるように精製水を加え、撹拌しながら37度で膨潤、溶解させることにより、ゼラチン水溶液を作製した。オリーブオイルを40度のウォーターバスで加温しながら撹拌し、この中に上記のゼラチン溶液を加え、ホモジナイザー(ポリトロン社製)で撹拌することにより乳化させた。乳化液を撹拌しながら冷却して、ゼラチンをゲル化させた。冷却アセトンを加えてさらに撹拌した後、遠心分離により粒子を回収した。粒子を冷却アセトンで洗浄しながらふるいに通し、ふるいを通過した粒子を回収し、真空乾燥により乾燥ゼラチン粒子を得た。真空オーブンを用いて、減圧下140度で48時間加熱することにより、熱脱水架橋を行った。エチレンオキサイドガスで滅菌処理し、無菌の乾燥粒子の状態で保存した。
ゼラチン粒子の粒径は、熱架橋後の粒子を水で膨潤させた後、顕微鏡下で大きさを計測することにより、平均値と標準偏差を求めた。本実施例では、大きさの異なる4種類のゼラチン粒子として、図1Dに示した、直径4.5±1.7μm、10.2±4.3μm、16.8±6.7μm、23.7±10.3μmを用いた。
細胞に粒子を投与する際は、乾燥ゼラチン粒子10mgを50μlのエタノールで分散させ、血清を含まないウィリアムズE培地を加えて懸濁し、エタノールの最終濃度を1%以下とした。撹拌しながら1時間置くことにより、粒子を培地で膨潤させた。図3に培地で膨潤した4種類のゼラチン粒子の顕微鏡像を示した。
粒子懸濁液の粒子濃度を、乾燥粒子重量で3mg/mlに調製した。細胞播種から24時間後に、細胞を培養している培地を、10%ウシ胎児血清をふくむウィリアムズE培地から、粒子を懸濁した無血清ウィリアムズE培地に交換することにより、粒子を培養細胞に投与した。細胞播種から48時間後に、マトリゲル(BD)を総蛋白量で0.25mg/ml含む無血清ウィリアムズE培地に交換し、以降24時間ごとに無血清ウィリアムズE培地に交換して、培養を継続した。
比較実験として、従来法である単層培養を実施した。細胞濃度5×10細胞/mlで単離肝細胞を懸濁し、培養面積当たり1×10細胞/cmの密度で、前述の培養プレートに播種した。培養プレートを、37度、炭酸ガス濃度5%のインキュベーターに入れて、細胞を培養した。単層培養は、細胞播種から24時間後に、無血清ウィリアムズE培地に交換し、以降24時間ごとに無血清ウィリアムズE培地に交換して、培養を継続した。単層サンドイッチ培養は、細胞播種から24時間後に、マトリゲル(BD)を総蛋白量で0.25mg/ml含む無血清ウィリアムズE培地に交換し、以降24時間ごとに無血清ウィリアムズE培地に交換して、培養を継続した。
播種から5日目、7日目、11日目に、肝細胞の代謝酵素チトクロームP450(分子種CYP3A)の活性を、P450−GloTMAssay(Luciferin−IPA、プロメガ)を用いて測定した。測定の手順は以下のとおりである。
肝細胞を培養している培地を除き、培地で1/1000に希釈したLuciferin−IPA溶液60μl(最終濃度3μM)に交換し、37度、炭酸ガス濃度5%のインキュベーター内で1時間反応させた。各ウェルの培養上清50μlを、白色の96ウェルプレートに分取し、luciferin検出試薬(プロメガ)を50μl加え、遮光して室温で20分間反応させた。反応後の白色プレートを、プレートリーダー(SH−8000Lab、コロナ電気)に設置し、ゲート時間1秒で発光を測定した。
図1A、図1B、図1Cに、各培養条件について、8ウェルの平均値と標準偏差を求めて示した。培養5日目には、粒子を投与していない細胞の活性が高かったことから、培養初期には粒子の効果が見られなかった。培養7日目には、直径4.5±1.7μmの粒子を投与した凝集体の細胞と、粒子を投与していない凝集体の細胞の活性が高かった。
これに対して、培養11日目には、直径10.2±4.3μm、16.8±6.7μm、ならびに23.7±10.3μmの粒子を投与した凝集体の細胞の活性が他の条件に比較して高く、直径4.5±1.7μmの粒子、粒子なし、単層サンドイッチ培養では活性が低く、最も一般的な単層培養では、活性が検出限界以下であった。
図2に、培養している肝細胞を位相差倒立顕微鏡で観察し、培養プレートのウェル中央付近の任意の細胞凝集体を撮影した顕微鏡写真を示した。本実施例の粒子投与条件では、直径4.5±1.7μmの粒子を投与した細胞は、培養3日目と5日目は粒子を投与していない細胞よりも細胞間の接着が促進され、凝集傾向が見られた。その後、培養7日目、11目の凝集体の形状は粒子を投与していない細胞と類似しており、培養プレートのホール中央部分の微細な突起が集合した領域に、凝集体が接着した。
直径10.2±4.3μmの粒子を投与した細胞は、粒子に覆われた状態で、凝集体を形成し、培養プレートのホール中央部分の微細な突起が集合した領域に、凝集体が接着した。粒子なしの培養よりも、大きい凝集体を形成したことから、細胞凝集体内に粒子が取り込まれていると考えられた。
直径16.8±6.7μm、ならびに23.7±10.3μmの粒子を投与した細胞は、粒子と混在して、培養プレートのホールに充填された状態になり、培養11日目には、細胞が粒子とともに凝集する傾向が認められた。
肝細胞の径を約15〜30μm程度とみなすと、直径4.5±1.7μmの粒子は、粒径が細胞の約1/10〜1/5程度であり、細胞凝集体の機能と形状に、大きい影響を与えなかった。11日目の凝集体の大きさが、粒子なしと比較して著しく違わないことから、粒子の投与量はいずれの粒子でも乾燥粒子重量で3mg/mlであるが、直径4.5±1.7μmの粒子では、凝集体内部に取り込まれている粒子の総量が、少ないと考えられた。
これに比較して、粒径が細胞の1/5以上である直径10.2±4.3μmの粒子では、粒子を包含する凝集体を形成した。また、直径16.8±6.7μm、ならびに23.7±10.3μmでは、やや平面的な不定形の凝集体が形成された。肝細胞の径を約15〜30μm程度とみなすと、直径23.7±10.3μmの粒子は、粒径が細胞と同程度から細胞の2倍程度でと考えられた。
前述したように、本実施例においては、これら3種類の粒子を投与することにより、代謝酵素チトクロームP450(分子種CYP3A)の活性を10日以上計測可能に保つ効果が認められたことから、粒径が細胞の大きさの1/5より大きい粒子を包含する細胞凝集体を形成することにより、肝細胞の代謝酵素チトクロームP450活性を維持する効果があることがわかった。
実施例2では、直径の異なるゼラチン粒子をラット肝細胞に投与して培養した時、粒子径により、細胞凝集体に包含された粒子が凝集体内部にのみ分布する場合と、凝集体内部だけでなく培地に接する部分にも存在する場合の例を説明する。
図4は、実施例2におけるゼラチン粒子包含細胞凝集体の断面を示す顕微鏡写真の例である。写真の下側の模式図は、上部の写真で識別できる細胞の輪郭を線で示し、包含された粒子の位置を米印で示した。
培養容器には、上述した特開2011−004612号公報に記載の、培養面に直径200μmの多数のホール構造を持ち、各ホール底面の中心部分に直径2μm高さ1μmの微細な突起を加工したナノピラー培養シートを、2ウェルスライドチャンバーのウェル底面に接着して用いた。培養シートの材質はポリスチレンであり、ホールならびに微細な突起を有する培養面は、表面改質により親水化処理され、細胞接着性を有している。特に微細な突起であるナノピラー部分は、細胞を捕捉する効果を有している。
単離肝細胞を、細胞濃度5×10細胞/mlで10%ウシ胎児血清をふくむウィリアムズE培地懸濁し、培養容器の培養面積当たり1×10細胞/cmの密度で、播種した。スライドチャンバーを、37度、炭酸ガス濃度5%のインキュベーターに入れて、細胞を培養した。
細胞に粒子を投与する際は、乾燥ゼラチン粒子10mgを、1mlの10%ウシ胎児血清を含むウィリアムズE培地に懸濁し、粒子を培地で膨潤させた。直径16.8±6.7μmの粒子の懸濁液の粒子濃度を、セルカウンター(TC10 system、BioRad)で計数し、投与する粒子数が、細胞数の1/16になるように調節した。実施例1で直径16.8±6.7μmの粒子を投与した時の乾燥粒子重量3mg/mlの懸濁液に比較して、1/16の希釈では、約0.2mg/mlとなった。同様に、直径4.5±1.7μmの粒子を、10%ウシ胎児血清を含むウィリアムズE培地に懸濁した。粒子が細かくセルカウンターで計数できないため、乾燥粒子重量で、直径16.8±6.7μmの粒子と同じ濃度の懸濁液を調製した。
細胞播種から3時間後に、粒子を懸濁した10%ウシ胎児血清をふくむウィリアムズE培地に交換することにより、粒子を細胞に投与した。細胞播種から24時間後に無血清ウィリアムズE培地に交換し、48時間後にマトリゲル(BD)を総蛋白量で0.25mg/ml含む無血清ウィリアムズE培地に交換し、以降24時間ごとに無血清ウィリアムズE培地に交換して、5日間培養を継続した。
ナノピラー培養シート上で5日間培養した細胞を、 2.5%グルタルアルデヒドを含む0.1Mリン酸バッファー(pH7.4)で前固定、1 % 四酸化オスミウムを含むリン酸バッファーで後固定した。細胞が接着したナノピラーシートを1.5 %濃度の低融点寒天(Sea plaquer agarose、 Lonza)で包埋し、エタノール希釈系列で脱水処理した後、プロピレンオキサイドでポリスチレンを溶解させた。Epon−Alardite混合樹脂を、細胞を包埋した寒天に浸透させ、加温重合した。ウルトラミクロトームを用いて、樹脂包埋した試料から、厚さ400 nmの準超薄切片を作製した。切片をスライドガラスに接着して1%トルイジンブルーで染色し、正立型光学顕微鏡で観察した。
凝集体の断面を前述の準超薄切片で観察すると、直径16.8±6.7μmの粒子を投与した細胞凝集体では、多数の粒子が凝集体内部に包含されており、その一部が凝集体外に露出していることから、粒子を介して、培地成分が凝集体内部に供給されていると考えられた。一方、直径4.5±1.7μmの粒子の場合は、細胞凝集体内部に粒子が包含され、培地に接する面が認められなかった。この結果から、粒子の大きさによって、凝集体内部細胞へ培地成分が浸透する効率が異なることが示唆された。
なお、実施例1で既に説明したラット肝細胞の単離と培養、ならびにゼラチン粒子の作製方法については、ここでは説明を省略する。
実施例3では、粒子の直径だけでなく、粒子を投与する量によっても、ラット肝細胞の代謝酵素チトクロームP450(CYP3A)活性維持の効果が異なることを示す例を説明する。
図5A、図5Bは、本実施例において、CYP3Aの基底活性ならびに薬物誘導活性を計測した例を示す図であり、図5Aは細胞数に対して粒子を投与する割合と、粒子を投与する時間を変えてラット肝細胞を10日間培養し、代謝酵素チトクロームP450(分子種CYP3A)の基底活性を測定した例を、図5Bは細胞数に対して粒子を投与する割合と、粒子を投与する時間を変えてラット肝細胞を10日間培養し、誘導薬物デキサメタゾンを処理して、代謝酵素チトクロームP450(分子種CYP3A)の誘導活性を測定した例を示す図である。
本実施例においては、実施例1と同様に、96ウェルナノピラー培養器材を用い、ラット肝細胞を播種した。直径16.8±6.7μmの粒子を、10%ウシ胎児血清をふくむウィリアムズE培地で膨潤させ、細胞播種から2.5時間後、あるいは22時間後に、細胞数:粒子数が1:1、4:1、10:1、20:1、50:1になるように、粒子懸濁液を細胞の上に投与した。細胞播種から24時間後に無血清ウィリアムズE培地に交換し、48時間後に、マトリゲル(BD)を総蛋白量で0.25mg/ml含む無血清ウィリアムズE培地に交換し、以降24時間ごとに無血清ウィリアムズE培地に交換して、10日間培養した。
培養8日目と9日目の培地交換の際に、薬物による酵素誘導試験区の細胞には、CYP3Aの発現を誘導するデキサメタゾン(50 μM)を含む無血清ウィリアムズE培地を用いることにより、肝細胞をデキサメタゾンに48時間暴露した。CYP3Aの基底活性試験区の細胞には、無血清ウィリアムズE培地を用いた。
デキサメタゾン処理を開始してから48時間後に、肝細胞の代謝酵素チトクロームP450(分子種CYP3A)の活性を、P450−GloTMAssay(Luciferin−IPA、プロメガ)を用いて測定した。
各試験区について、4ウェルの平均値と標準偏差を求め、図5A,図5Bに示した。図に明らかなように、単位培養面積おける細胞数に対して、細胞数:粒子数が20:1より多く粒子を投与した細胞では、基底活性試験区と誘導活性試験区の両方において、明らかに粒子なしの凝集体よりも高いCYP3A活性を検出した。さらに粒子の割合を多くすることによって、より高い活性を検出した。特に基底活性については、細胞数:粒子数が4:1以上のときに、高い活性を検出した。誘導活性については、細胞数:粒子数が50:1でも粒子の効果が認められた。この結果より、細胞数:粒子数が50:1より多ければ粒子の効果が認められるが、細胞数:粒子数が4:1以上であることが望ましい。
以上の結果は、細胞間の粒子によって、培地からの栄養、酸素の供給が向上して細胞の活性を保ったことに加えて、培地に投与した薬物デキサメタゾンへの細胞の暴露が増えて酵素誘導が強くなるとともに、検出試薬であるLuciferin−IPAの細胞内への浸透性が高まったことによって酵素活性の検出効率が向上したことが理由であると考えられる。
図6Aは、本実施例において、ラット肝細胞を低接着性培養容器に播種した後の経過時間による細胞の形態変化(経時変化)を、位相差顕微鏡観察ならびにF−アクチンの分布によって示した例であり、図6Aは、細胞播種後、細胞形態を経時的に倒立顕微鏡で観察した顕微鏡写真であり、上段は位相差顕微鏡像、下段はF−アクチンをローダミン標識ファロイジンで染色した蛍光顕微鏡像である。位相差像は全体像を示し、F−アクチン蛍光染色像により個々の細胞の輪郭を示す。一方、図6Bは、細胞播種後の顕微鏡写真において、任意に選んだ60細胞の長径を計測し、長径の平均値と標準偏差を求め、経時変化を示した例である。
図6Aのローダミン標識ファロイジン染色の手順は以下のとおりである。4%パラフォルムアルデヒドで固定した細胞を、0.1Mリン酸バッファー(pH 7.4)で洗浄した。非特異的な染色を防止するため、プロテインブロック(DAKO)で30分間処理した後、PBSで1/40に希釈したローダミン標識ファロイジン(インビトロジェン)で30分間処理し、0.075 % Brij35 (シグマアルドリッチ) を含むPBSで洗浄した。
播種0.5時間後の細胞は、細胞が単離しており、形は丸く、平均直径が20μm以下であった。1.0時間後は、写真に示される細胞の2次元像がやや大きくなり、平均直径が20μmを若干超えた。
播種2.0時間後には、細胞が培養面に接着し、写真に示される細胞の長径平均が30μmに近づき、細胞ごとの長径のばらつきが大きくなった。F−アクチンの像より、細胞が器材に接着して、3次元的には薄くなっていることが示された。3.0時間、4.0時間にも同様の形状が認められ、さらに細胞ごとの長径のばらつきが大きくなった。4.0時間には、細胞間相互作用による細胞間接着も認められるようになった。
播種6.0時間には、多くの細胞の間で細胞間接着形成され、細胞が器材に接着して3次元的に薄くなっている像が減少した。これにより、細胞長径の平均は25μm程度となり、ばらつきも減少した。8.0時間、16.0時間も同様の傾向にあった。
本実施例では、図5A、図5Bで示したように、播種2.5時間後に粒子を投与した細胞と、22時間後に投与した細胞で、CYP3A活性に、顕著な差は見られなかった。したがって、本発明において、播種した細胞が培養器材の培養面に沈降した後であれば、細胞の上に粒子を投与することによって、粒子による細胞活性維持の効果が得られることがわかった。
なお、ここでは、実施例1で既に説明したラット肝細胞の単離と培養、ゼラチン粒子の作製方法、ならびにCYP3A活性測定手順については、説明を省略する。
本実施例では、粒子を投与する量によって、ラット肝細胞の活性維持の効果が異なることを示す別の例を説明する。
5日間培養した肝細胞のミトコンドリア脱水素酵素の活性を、WST−1アッセイにより測定したとき、粒子を細胞に投与する量の増加によって、測定値が上昇する例を説明する。WST−1試験は,生細胞のミトコンドリア呼吸鎖酵素(コハク酸塩テトラゾリウム還元酵素)の活性を測定する方法であり,この測定値が高ければ,スフェロイドの呼吸活性が高いことを示す。
実施例1と同様に、96ウェルナノピラー培養器材を用い、ラット肝細胞を播種した。直径16.8±6.7μmの粒子を、10%ウシ胎児血清をふくむウィリアムズE培地で膨潤させ、細胞播種から2.5時間後、あるいは22時間後に、細胞数:粒子数が1:4、1:2、1:1、2:1、4:1、8:1、10:1、20:1、40:1、50:1、80:1になるように、粒子懸濁液を細胞の上に投与した。細胞播種から24時間後に無血清ウィリアムズE培地に交換し、48時間後に、マトリゲル(BD)を総蛋白量で0.25mg/ml含む無血清ウィリアムズE培地に交換し、以降24時間ごとに無血清ウィリアムズE培地に交換して、5日間培養した。
活性測定には,Premix WST−1 (タカラバイオ)を用いた。肝細胞を5日間培養した後に,細胞の入った96ウェルプレートの各ウェルから培地を全量除去し,ハンクス液で2回洗浄した。洗浄液を除いてから、10%(v/v)濃度のWST−1を添加したハンクス液を65μl 入れ,37度,5%炭酸ガス濃度に保ったインキュベーターで1時間反応させた。反応後の96ウェルをプレートリーダーにセットし、2波長(440 nm, 650 nm)の吸光度を、半値幅5 nmで測定した。440 nmの値から対照波長である650 nmの値を引いた値を求めた。
図7に、細胞数に対して粒子を投与する割合と、粒子を投与する時間を変えてラット肝細胞を5日間培養し、ミトコンドリア脱水素酵素の活性をWST−1アッセイにより測定し、各試験区について、3ウェルの平均値と標準偏差を求めた結果を示した。同図から明らかなように、測定の結果,細胞数:粒子数が1:80、すなわち、細胞の個数に対して、粒子の数が1/80より多い場合でも粒子の効果が認められるが、4:1よりも多くの粒子を投与することによってWST−1の測定値が著しく上がり,さらに1:1よりも投与量を増やすことによって,値がさらに上昇した。以上の結果は、細胞間の粒子によって、培地からの栄養、酸素の供給が向上して細胞の活性を保ったことに加えて、検出試薬であるWST−1の細胞内への浸透性が高まったことによって、呼吸活性の検出効率が向上したことが理由であると考えられる。
なお、ここでは実施例1で既に説明したラット肝細胞の単離と培養、ゼラチン粒子の作製方法、ならびに培地で粒子を膨潤させる手順については、説明を省略する。
本実施例では、粒子を異なる量で投与した時の、細胞凝集体形成の過程と、形成された細胞凝集体形状の例を示す。さらに、粒子の投与量によって、肝組織特異的な構造である毛細胆管を形成する効率が異なることを示す例を説明する。
創薬研究における薬物動態試験では、肝細胞に取り込まれた薬物のうち胆管に排泄される割合を計測する細胞試験系の開発が望まれている。これに応じるために、毛細胆管が効率よく形成され、排泄能を検証しやすい培養系を提供する。
図8は、細胞数に対して異なる割合で粒子を投与し、5日間培養した時の細胞凝集体形成の経時変化の例を示す図である。位相差像は粒子と細胞の全体像を示し、F−アクチン蛍光染色像は細胞の分布を示す図である。すなわち、ラット肝細胞に、直径16.8±6.7μmの粒子を、細胞数:粒子数が1:1、4:1、10:1、20:1、50:1になるように投与して、5日間培養した時の細胞凝集体形成の過程を示す。各カラムの上段は位相差顕微鏡像、下段はF−アクチンをローダミン標識ファロイジンで染色した蛍光顕微鏡像である。
粒子を投与した場合には、培養3日目に細胞凝集体が形成されていることが分かった。粒子を投与しない場合は、培養3日目までは細胞が培養容器に接着していることから、粒子を投与することにより、1日程度早く細胞凝集体を形成することが示された。
生体の肝臓では,F−アクチンは膜の裏打ち構造を形成し,細胞は多角形の立体構造をとる。F−アクチンの分布を観察することによって,生体の細胞に近い組織であるかどうかを検証することが可能である。これまでに、ナノピラー培養容器で形成した細胞凝集体では、F−アクチンが、生体に近い膜の裏打ち構造を形成した(WO2010/079602号公報参照)。
本実施例では、細胞数:粒子数が50:1、あるいは粒子なしで形成された凝集体は、F−アクチンが、生体に近い膜の裏打ち構造を形成していると考えられた。これに比較して,細胞数:粒子数が20:1、10:1、4:1あるいは1:1で粒子を投与した場合には,ゼラチン粒子に接着する細胞表面に、線状あるいは点状の強い蛍光を示す像が見られ、接着点あるいはストレスファイバーの可能性が考えられた。これらは、細胞が細胞外マトリクスに接着した時に形成される構造である。したがって,細胞は、ゼラチン粒子表面に、細胞外マトリクスとの接着と同様に、接着構造を形成していると考えられた。
この結果より、生体に近い膜の裏打ち構造を形成するには、細胞数:粒子数が50:1以下であることが望ましいと考えられた。
図9は、細胞数に対して異なる割合で粒子を投与し、5日間培養した時の蛍光試薬の取り込みと毛細胆管への排泄の例を示す図である。具体的には、肝細胞の細胞間接着面に形成される毛細胆管の排泄能を、培養5日目に、蛍光標識試薬carboxydichlorofluorescein diacetate(CDFDA、Molecular Probe)を用いて示した例である。培地中に投与したCDFDAは,細胞内に取り込まれて代謝され,carboxydichlorofluorescein(CDF)となり、毛細胆管に面する細胞膜のトランスポーターmultidrug resistance−associated protein 2(MRP2)を介して、毛細胆管に排泄される。培養している細胞の胆管排泄機能が高いほど,多くの薬物が毛細胆管内に排泄されて、細胞間に溜まるため,蛍光顕微鏡下では、点状あるいは線状の強い蛍光が観測される。
本実施例のCDFDA処理の手順は次のとおりである。24ウェルナノピラー培養プレートで培養している肝細胞の培地を除去し、Krebs−Henseleitバッファー(K−Hバッファー) で2回洗浄した。5μMのCDFDAを含むK−Hバッファーを、1ウェル当たり400μl入れて、37度のインキュベーターに20分間置いたのち、K−Hバッファーで2回洗浄し、倒立型蛍光顕微鏡で観察した。
観察の結果、細胞数:粒子数が50:1、20:1、10:1の時に、毛細胆管に排泄されたCDFと考えられる点状あるいは線状の強い蛍光が認められた。一方、4:1では、細胞凝集体が不定型で扁平であり、線状の蛍光像が認められたことから、毛細胆管が平面的に広がったと考えられた。
これに対して、細胞数:粒子数が1:1の場合は、粒子の自家蛍光を除くと、蛍光は細胞内に顆粒状に観察されたことから、CDFは毛細胆管に排泄されたのではなく、細胞内に取り込まれて、蓄積したと見られた。
毛細胆管は細胞間接着面に形成されるため、細胞間相互作用が必要である。また,細胞内から毛細胆管に薬物を排泄するトランスポーターMRP2の発現には,細胞間接着面の細胞膜内側に存在する蛋白質が,重要な役割を果たすことが知られている。このため、粒子が多い時に毛細胆管が再生されにくいのは,細胞間に過剰に存在する粒子が,細胞間の接着を阻害していることが原因なのではないかと考えられた。
図8で示したように、細胞間接着によりF−アクチンの細胞膜裏打ち構造を形成するには、細胞数:粒子数が50:1以下であることが望ましかったが、毛細胆管への排泄を検出するには、細胞数:粒子数が50:1から4:1であることが望ましく、さらに50:1から10:1であることが望ましい。これは、薬剤の取り込みと排泄の両方が向上するには、細胞間接着のみが促進されるのではなく、粒子を介して培地に接する面が形成される必要があることが理由であると考えられた。
実施例4において,多数の粒子を包含することにより、細胞凝集体内部への培地成分の供給が向上する可能性を示したが,一方で,本実施例により、過多な粒子の存在により,肝臓組織特有の排泄機能が低下することが明らかとなった。粒子投与においては相反する条件であるが,細胞凝集体の利用目的に応じて,適切な粒子量を求めることが望ましい。
なお、実施例1で既に説明したラット肝細胞の単離と培養、ゼラチン粒子の作製方法、ならびに培地で粒子を膨潤させる手順、実施例3で示したローダミン標識ファロイジン染色の手順については、説明を省略する。
本実施例では、上述した各実施例で使用される、細胞低接着性の培養表面の局所に、複数の突起を成型することにより、細胞凝集体を捕捉する細胞接着領域を設けた培養容器の一例を説明する。
図10Aは、その上段と下段に、細胞培養用マルチウェルプレート100の斜視と、上面を示す。A−A、B−Bで示したウェル101の底面102の培養面には、微細な立体加工が施されている。図10Bは、その上段、中段、下段に、図10AのA−A、B−B部分の拡大、C−C、D−D部分の拡大、E−E線端面を示す。培養面に施した微細な立体加工とは、C−C、D−D部分の拡大、ならびにE−E線端面に示したホール103であり、ホール103の中心部に突起104の集合領域105が成型されている例を示す図である。
図11は、上述のホール103の中心部に突起104の集合領域105が成型されている培養面の、走査型電子顕微鏡写真の例である。
図12は、図10B、図11に示した培養面のホール103に、細胞106を播種し、細胞106が底面に接着した時にゼラチン粒子107を投与することにより、粒子を包含する細胞凝集体がホール103の中心に成型された突起104の集合領域105に接着することを示す模式図の例を示す。
なお、培養面に細胞を捕捉する局所的な細胞接着領域の形成については、本実施例の突起に限定されるものではなく、コラーゲンやラミニンなどの細胞外マトリクス成分、細胞膜表面に結合する抗体、細胞膜表面に結合する糖鎖、あるいはポリ−L−リジンなどを例とする細胞接着性の物質を、任意にパターンニングすることによっても形成することができる。
以上説明した本実施例の培養容器は、低接着性の培養表面に、細胞凝集体を捕捉することができる細胞接着領域を形成することにより、粒子包含細胞凝集体を培養容器内に保持する。さらに、好適には培養表面に仕切りを設けることにより、凝集体を形成する細胞数と粒子数を所望の数に制御し、所望の大きさの粒子包含細胞凝集体を形成する。このような本実施例の培養容器に接着した粒子包含細胞凝集体は、細胞試験の材料として用いることができる。
本実施例では、粒子を包含するヒト細胞試験方法の実施例を説明する。
実施例1ならびに実施例3において、粒子を包含する細胞凝集体では、代謝酵素チトクロームP450(分子種CYP3A)の活性を、粒子を含まない凝集体や従来の単層培養法よりも、長期に維持する効果を示した。
チトクロームP450は、血中から肝細胞に取り込まれた薬物を代謝する酵素であるため、創薬研究において、薬物動態における代謝、CYP酵素誘導による薬物相互作用、CYP代謝産物による肝毒性などが研究対象となっている。特に、酵素の基質特性や代謝活性に種差があることから、動物実験だけではなくヒトの試験が必要とされており、単離ヒト肝細胞を用いた試験方法が開発されている。そこで、上述したマイクロスキャフォールド粒子を包含する細胞凝集体を細胞試験に用いることにより、活性を失いやすい単離ヒト肝細胞を用いた試験を、これまでよりも長期に安定して実施することが可能になる。
まず、CYP代謝産物解析の例を説明する。凍結保存されたヒト肝細胞を解凍し、10%ウシ胎児血清をふくむウィリアムズE培地に、細胞濃度5×10細胞/mlで懸濁し、培養容器の培養面積当たり1×10細胞/cmの密度で播種した。培養プレートを、37度、炭酸ガス濃度5%のインキュベーターに入れて、細胞を培養した。直径16.8±6.7μmの粒子を、培地で膨潤させ、粒子数が細胞数よりも多くなるように、粒子懸濁液を細胞の上に投与することにより、粒子を包含する細胞凝集体を形成した。CYPによって代謝される薬剤を培地に投与し、2日後と7日後に細胞ならびに培地を回収した。細胞溶解液ならびに培地の脱タンパク質処理をして、回収した試料溶液を質量分析法で解析することにより、細胞内あるいは培地中の薬物代謝産物を同定した。
次に、薬物相互作用の原因となる、薬物によるCYP酵素誘導試験の例を説明する。代謝産物解析の例と同様に、凍結保存されたヒト肝細胞を培養し、粒子を投与することにより、粒子を包含する細胞凝集体を形成した。試験対象の薬物を含む培地で48時間から72時間培養し、その後に、CYPの各分子種特異的に反応する検出試薬を用いて、CYP酵素の活性を測定した。対象薬物で処理していない細胞のCYP酵素活性を基底活性とし、対象薬物で処理した細胞のCYP酵素活性を誘導活性として、誘導活性値を基底活性値で割ることにより、誘導率を算出した。
CYP酵素活性の検出試薬としては、例えば実施例1、ならびに実施例3にも示したP450−GloTMAssayのシリーズ(プロメガ)などを用いて、発光の定量により、試験対象薬物によるCYP誘導活性を測定することができる。あるいは、CYPの各分子種特異的に代謝される既知の物質を用いて、代謝産物を質量分析法によって定量することにより、CYP誘導活性を測定することができる。
薬物相互作用の予測には、CYPを強く誘導することがわかっている薬物、例えばリファンピシンによる誘導率を試験対象薬物と並行して計測、算出し、試験対象薬物による誘導率と比較することにより、試験対象薬物による薬物相互作用の程度を推測する方法を例に挙げることができる。
さらに、CYP代謝産物による肝毒性解析の例を説明する。代謝産物解析の例と同様に、凍結保存されたヒト肝細胞を培養し、粒子を投与することにより、粒子を包含する細胞凝集体を形成した。試験対象薬剤の濃度を変えて培地に投与し、細胞数の変動を経時的に測定することにより、薬物の毒性を評価した。細胞数の計測には、実施例4にも示したWST−1法、あるいはATP定量法などを例に挙げることができる。以上、実施例7の説明として複数の試験例を挙げたが、これに限るものではない。
以上詳述した、本発明に係る細胞培養方法は、細胞が培養容器の培養面に接着していることを特徴とする培養法であり、これまでに従来の単層培養法で行われている細胞試験を、同じ手順で適用することが可能である。
更に、本発明による粒子状培養単体、粒子包含細胞凝集体は、単層培養よりも生体に近い構造を持つ3次元細胞凝集体であり、また粒子を介して培地中の栄養や酸素を供給することによって細胞の機能を維持し、細胞試験では粒子を介して培地中に投与した薬物を浸透性させるため、細胞の薬物反応を長期に安定して検出する、再現性の高い試験系を提供することができる。
100 細胞培養用マルチウェルプレート
101 ウェル
102 培養面
103 培養面に成型されたホール
104 ホール底面中央部に成型された突起
105 ホール底面中央部に成型された突起の集合領域
106 肝細胞
107 ゼラチン粒子

Claims (15)

  1. 細胞を培養容器に播種し、細胞接着性と物質透過性を有する粒子を投与することにより、当該粒子を包含する細胞凝集体を形成する、
    ことを特徴とする細胞培養方法。
  2. 請求項1に記載の細胞培養方法であって、
    前記細胞凝集体に包含させる粒子の粒径が、前記細胞の1/10から10倍の範囲である、
    ことを特徴とする細胞培養方法。
  3. 請求項1に記載の細胞培養方法であって、
    前記細胞凝集体に包含させる粒子の粒径が、前記細胞の1/5以上である、
    ことを特徴とする細胞培養方法。
  4. 請求項1に記載の細胞培養方法であって、
    前記粒子を細胞に投与するとき、単位培養面積当たりの前記細胞の個数に対して、粒子数が1/80より多い、
    ことを特徴とする細胞培養方法。
  5. 請求項1に記載の細胞培養方法であって、
    前記粒子を前記細胞に投与するとき、単位培養面積当たりの前記細胞の個数に対して、粒子数を1/50より多く投与する、
    ことを特徴とする細胞培養方法。
  6. 請求項1に記載の細胞培養方法であって、
    低接着性の培養容器の中に、前記細胞凝集体を捕捉することができる、少なくとも一つ以上の細胞接着領域を形成することにより、前記細胞凝集体を当該培養容器内に保持する、
    ことを特徴とする細胞培養方法。
  7. 請求項1に記載の細胞培養方法であって、
    前記細胞が接着する培養表面に仕切りを設けることにより、当該仕切り内で前記細胞凝集体を構成するする細胞の数と、前記仕切り内に沈降した細胞上に投与する粒子の数を制御し、所望の数の粒子を包含する、所望の大きさの粒子包含細胞凝集体を形成する、
    ことを特徴とする細胞培養方法。
  8. 請求項1に記載の細胞培養方法であって、
    前記細胞が単離肝細胞、あるいは幹細胞から分化誘導した肝細胞ならびに肝前駆細胞、あるいは肝がん由来細胞である、ことを特徴とする細胞培養方法。
  9. 培養容器に播種した細胞上に投与されることによって生成される細胞凝集体に包含される、細胞接着性と物質透過性を有する粒子からなる、
    ことを特徴とする粒子状培養担体。
  10. 請求項9に記載の粒子状培養担体であって、
    前記細胞凝集体に包含させる前記粒子の粒径が、細胞の1/10から10倍の範囲である、
    ことを特徴とする粒子状培養担体。
  11. 請求項9に記載の粒子状培養担体であって、
    前記細胞凝集体に包含させる粒子の粒径が、細胞の1/5以上である、
    ことを特徴とする粒子状培養担体。
  12. 請求項9に記載の粒子状培養担体であって、
    前記細胞が単離肝細胞あるいは幹細胞から分化誘導した肝細胞ならびに肝前駆細胞、あるいは肝がん由来細胞である、
    ことを特徴とする粒子状培養担体。
  13. 細胞を培養容器に播種し、当該細胞上に細胞接着性と物質透過性を有する粒子を投与することにより形成される、
    ことを特徴とする粒子包含細胞凝集体。
  14. 請求項13に記載の粒子包含細胞凝縮体であって、
    前記粒子を前記細胞に投与するとき、単位培養面積当たりの前記細胞の個数に対して、1/50より多く投与した、
    ことを特徴とする粒子包含細胞凝集体。
  15. 請求項13に記載の粒子包含細胞凝縮体であって、
    前記細胞が単離肝細胞あるいは幹細胞から分化誘導した肝細胞ならびに肝前駆細胞、あるいは肝がん由来細胞である、
    ことを特徴とする粒子包含細胞凝集体。
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