JP2014225496A - 還元性ガス製造方法及びそれを用いた還元方法並びに半田付け装置 - Google Patents

還元性ガス製造方法及びそれを用いた還元方法並びに半田付け装置 Download PDF

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Abstract

【課題】取扱いが容易で、しかも使用できる部材の範囲が広い還元性ガスの製造方法、及びそれを用いた還元方法、並びに半田付け装置を提供する。【解決手段】ポリアセタール樹脂を酸素又は酸素供給物質の存在下で加熱し、ギ酸を含むガスを生成する熱分解工程1と、熱分解工程1で生成したガスから酸素を除去し、ギ酸を捕集する分離工程2と、を有することを特徴とする還元性ガス製造方法、及び該還元性ガスを用いて還元工程4を行う還元方法である。半田付け装置は、ポリアセタール樹脂を酸素又は酸素供給物質の存在下で加熱する加熱炉と、還元性ガスを用いて部材表面の酸化物を還元する反応炉とを備えるものであって、前記加熱炉と反応炉との間に、加熱炉で生成したガスから酸素を除去し、ギ酸を捕集する分離手段を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体の半田付け工程等で好適に用いることができる還元性ガス製造方法及びそれを用いた還元方法並びに半田付け装置に関する。
半導体チップ上に半田バンプを形成する際には、パッド上に半田を付着させ、次いで、マッシュルーム形状から半球体形状へ半田バンプの形状を変化させ、次いで、リフローさせて半田接合する。従来の半田付け方法では、均一な半田バンプを形成するために、フラックスを用いて半田の表面酸化膜を除去し、半田バンプ表面を清浄化していた。
しかしながら、フラックスを用いた半田付けでは、フラックスの分解によって、小さな空隙(ボイド)が半田バンプ中に形成されることがある。これらの空隙は、形成された半田接合の電気的及び機械的性質を低下させるだけでなく、半田バンプ付き半導体の平坦性を破壊し、かつ以降の半導体接合工程に影響を及ぼすこともある。分解したフラックスの揮発性物質がリフロー処理装置内を汚染する場合もあり、それによってメンテナンスコストが増大することもある。加えて、フラックス残留物がしばしば半導体基板上に残り、金属の腐食を引き起こし、アセンブリの性能を低下させることがある。さらに、リフロー後にフラックス残留物を洗浄除去する方法では、後洗浄という新たな処理工程が加わることで、半田付けに要する時間が増加する。
このため、フラックスを用いない半田付け方法として、半田及び被半田部材である基板や電極等を、水素あるいはギ酸を用いて還元する方法が知られている(特許文献1〜3等参照)。かかる還元方法では、半田部材が搭載された基板が所定温度に達したとき、半田部材をギ酸を含む還元性ガスに晒して表面の酸化膜を除去した後、溶融処理する。
しかしながら、半田及び被半田部材の還元が十分でない場合には、半田の濡れ広がりが悪くなったり、或いは、酸化膜の除去が不十分なために半田表面からボイドが放出されないことで、半田付け部分にボイドができたりする。この時に発生したボイドは、半導体装置の実装後にも半田バンプ内に残されたままであり、被半田部材との接続の信頼性を損ねる原因となり、リフロー処理が真空工程を含む場合そこで半田が飛散する原因となる。
また、ギ酸は、還元開始温度が約150℃であるため、比較的低融点の半田に適用可能で幅広く用いることができるが、刺激性の強い液体であるため、倦厭される場合が多い。
一方、水素を還元剤として用いた場合は、水素の還元開始温度が約270℃であるため、270℃以下の融点をもつ鉛フリー半田に対しては、半田溶融前に還元処理を行うことができない。そのため、使える半田及び被半田部材が制限される。水素は可燃性であるため使い方の制限もある。
特開2001−244618号公報 特開2007−125578号公報 特開2011−065856号公報
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、取扱いが容易で、しかも使用できる部材の範囲が広い還元性ガスの製造方法、及びそれを用いた還元方法、並びに半田付け装置を提供することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するため、次の手段をとるものである。
(1)ポリアセタール樹脂を酸素又は酸素供給物質の存在下で加熱し、ギ酸を含むガスを生成する熱分解工程と、熱分解工程で生成したガスから酸素を除去し、ギ酸を捕集する分離工程と、を有することを特徴とする還元性ガス製造方法。
(2)熱分解工程において、加熱が触媒金属の存在下で行われることを特徴とする、上記(1)に記載の還元性ガス製造方法。
(3)分離工程において、熱分解工程で生成したガスを、酸素の沸点以上かつギ酸の沸点未満の温度に冷却することを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の還元性ガス製造方法。
(4)分離工程において、熱分解工程で生成したガスを、ホルムアルデヒドの沸点以上かつギ酸の沸点未満の温度に冷却することを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の還元性ガス製造方法。
(5)分離工程において、酸素分離膜を用いることを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の還元性ガス製造方法。
(6)分離工程後のガス中のギ酸と酸素の量が、ギ酸/酸素(モル比)>1を満たすことを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の還元性ガスの製造方法。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか記載の方法で製造した還元性ガスを用いて、部材表面に形成された金属酸化物を還元することを特徴とする還元方法。
(8)半導体装置の製造方法において、上記(1)〜(6)のいずれか記載の方法で製造した還元性ガスを用いて、部材の表面に形成された金属酸化物を還元することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(9)ポリアセタール樹脂を酸素又は酸素供給物質の存在下で加熱し、ギ酸を含むガスを生成する加熱炉と、ギ酸を含む還元性ガスを用いて部材表面の酸化物を還元する反応炉とを備える半田付け装置であって、
前記加熱炉と反応炉との間に、加熱炉で生成したガスから酸素を除去し、ギ酸を捕集する分離手段を備えることを特徴とする半田付け装置。
(10)分離手段の後流に、捕集したギ酸を気化する気化手段を備えることを特徴とする、上記(9)に記載の半田付け装置。
本発明によれば、取扱いが容易なポリアセタール樹脂を用いて還元性の高いギ酸を主成分とした還元性ガスを製造することができるので、使用できる半田及び被半田部材の範囲が広く、半田表面に形成された金属酸化物をより安全に還元することができる。
還元性ガスの製造工程ならびに還元工程を示す工程図である。 ギ酸とホルムアルデヒドの基板に対する還元速度を示すグラフである。 半田付け装置の一例の概略的構成図である。 半田付け装置の他の一例の概略的構成図である。 還元性ガスの製造装置及び工程の説明図である。 実施例1におけるガスクロマトグラフによる分析結果を示すグラフである。
以下、本発明について図面を参照しながら詳細に説明する。図1に本発明の還元性ガスの製造工程ならびに還元性ガスによる還元工程を示す。1は熱分解工程、2は分離工程、3は気化工程、4は還元工程である。
[熱分解工程]
熱分解工程1では、ポリアセタール樹脂(POM)を、酸素又は酸素供給物質の存在下で加熱する。原料となるポリアセタール樹脂としては、ホモポリマー、コポリマー、ホモポリマーとコポリマーのブレンドポリマーを用いることができ、ポリマーの重合度は特に限定されるものではない。一般的なポリアセタール樹脂の重合度は1,000〜2,000である。ポリアセタール樹脂は、塊状、粉状、粒状、フレーク状等を用いることができる。
加熱温度としては、使用するポリアセタール樹脂の分解温度、混合比率等を考慮して、当業者が適宜設定できるが、熱分解速度のコントロール及び熱分解ガスの成分コントロールが容易である点より、180〜450℃の範囲が好ましい。加熱温度が180℃未満では分解速度が遅いため非効率的であり、450℃を超えるとガス成分のコントロールがし難くなる。より好ましくは180〜400℃である。さらに好ましい加熱温度は、ホモポリマーの場合は200〜300℃、コポリマーの場合は250〜350℃の範囲である。
ポリアセタール樹脂を所定の温度で加熱すると、ホルムアルデヒド、ギ酸、ギ酸メチル、二酸化炭素、水蒸気等を含むガスが生成する。このうち、ホルムアルデヒドとギ酸は還元効果を有することが知られている。図2は、ギ酸とホルムアルデヒドのそれぞれ単体ガスを、十分酸化膜を成長させた錫基板及び銅基板に適用したときの酸化膜の変化を減少速度(還元速度)として求め、基板温度と還元速度との関係をグラフで示したものである。この結果からわかるように、ホルムアルデヒドに比べてギ酸は優れた還元速度を有する。
ギ酸はホルムアルデヒドよりも還元速度が速いため、ポリアセタール樹脂の熱分解で生成するガス中のギ酸の比率を高くするほど、該ガスの還元力が高まり、ポリアセタール樹脂を有効利用することができる。本発明は、ポリアセタール樹脂の加熱雰囲気中に酸素又は酸素供給物質を存在させておくことにより、該酸素によって、ホルムアルデヒドを酸化しギ酸に変化させることで、生成するガス中のギ酸の比率を高くすることができ、結果的に、後流の分離工程を経た還元性ガスの還元力を高めることを可能とするものである。
HCHO + 1/2O → HCOOH → CO+ H
ポリアセタール樹脂の熱分解で生成するガス中のギ酸の比率は、ガスの還元力を考慮すると、ギ酸とホルムアルデヒドの合計量に対する体積割合として0.5%以上あることが好ましく、より好ましくは3%以上である。
上記の酸素存在下とは、100%酸素ガス存在下でも良いし、空気等の酸素含有ガス存在下でも良いし、酸素供給物質から放出された酸素ガス存在下でも良い。加熱雰囲気中における酸素の割合は特に限定されないが、酸素濃度が20vol%以上であることが好ましく、酸素濃度は高いほど好ましい。酸素濃度が20vol%未満では、生成するガス中のギ酸の比率が低下するため、ガスの還元力が低下してしまう。
また、酸素供給物質としては、前記の加熱条件下に酸素を放出できる全ての物質を包含することができ、例えば、式NxOyで示される中性の窒素酸化物等を挙げることができる。
ポリアセタール樹脂の加熱を酸素濃度が100%に満たない条件下で実施する場合は、濃度調整ガスとして窒素等の不活性ガスを用いることが好ましい。酸素及び酸素供給物質は、ポリアセタール樹脂を加熱する雰囲気中に存在していれば良いので、不活性ガスと混合した酸素含有ガスとして加熱炉の内部に導入することもできる。
ポリアセタール樹脂を加熱する際には、触媒金属を併用することがより好ましく、該触媒金属としては、例えば、銅、スズ、アルミニウム等の金属を挙げることができる。触媒金属は、ポリアセタール樹脂の熱分解で生成するホルムアルデヒドを酸化してギ酸に変化させ、ガス中のギ酸の比率を高める効果がある。
触媒は、ポリアセタール樹脂を加熱できる雰囲気内に存在していれば、その形態や設置場所は特に限定されるものではない。触媒の形態としては、粉状、塊状、板状、メッシュ状等を用いることができる。
[分離工程]
分離工程2では、熱分解工程で生成したガスから酸素を除去し、ギ酸を捕集する。分離工程における分離手段としては、熱分解工程で生成したガスからの酸素の除去とギ酸の捕集とが可能な手段であれば、特に限定はされない。熱分解工程で生成したギ酸を含む生成ガスからの酸素の除去とギ酸の捕集は、単一又は複数の手段を用いて実施することができる。従って、ギ酸を捕集した後、酸素を系外に除去しても良いし、ギ酸の捕集と酸素の除去を同時に行っても良い。また、熱分解工程で生成したギ酸を含むガスから酸素を除去したガスを得ることで、ギ酸の捕集と酸素の除去を行っても良い。
本発明は、特に、分離工程を設けることにより、生成したガス中のギ酸の比率を高めて余分な酸素を除去することができ、その結果、ガスの還元力を高めることを可能とするものである。
分離工程では、酸素はできるだけ除去することが望ましいが全て除去する必要はなく、一部が残存していても良い。分離工程後のガス中のギ酸と酸素の量は、モル比として、ギ酸/酸素>1であることが好ましく、ギ酸/酸素>2であることがより好ましい。
後述する還元工程では、金属酸化膜のギ酸による還元反応が進行する(下記式参照)。
SnO + HCOOH → Sn + CO + H
還元性ガス中に酸素が含まれている場合、下記(1)式で示す金属の酸化反応と、下記(2)式で示すギ酸の酸化反応が起こることが想定される。しかし還元温度領域において、熱力学的には(2)式で示される酸化反応に係る反応ギブスエネルギーは、(1)式で示される酸化反応に係る反応ギブスエネルギーより小さく、このため(1)式の酸化反応よりも(2)式の酸化反応が進行し、金属酸化物の生成を抑えることができる。
(1)Sn+1/2O→SnO
(2)HCOOH+1/2O→CO+H
具体的な分離手段としては、ギ酸と酸素の沸点差を利用して、熱分解工程で生成したガスを冷却することにより、ガス中のギ酸を液化又は固化させる方法(以下、「冷却法」という。)や、酸素分離膜を用いてガス中の酸素を選択的に外部に排出することにより、ガス中のギ酸の比率を高める方法等を挙げることができる。分離工程における処理時間は当業者が適宜設定することが可能であり、特に限定はされないが、短時間であるほど効率が良い。
前記の冷却法を採用する場合、熱分解工程で生成したガスの冷却温度としては、酸素の沸点(-183℃)以上かつギ酸の沸点(100.75℃)未満の温度範囲に設定することが好ましい。これにより、生成ガス中のギ酸を分離手段(分離装置)の内部に捕集しながら酸素を系外に排出することが容易となる。この際、ギ酸と酸素の中間の沸点を有する物質(ホルムアルデヒド等)も系外に排出されることとなる。
また、前記冷却温度としては、ホルムアルデヒドの沸点(-19.3℃)以上かつギ酸の沸点(100.75℃)未満の温度範囲に設定することがより好ましい。これにより、生成ガス中の酸素とホルムアルデヒドを、より確実に系外に排出することができるため、ガス中のギ酸濃度を高めることが可能となる。分離工程において、ギ酸の系外への排出の抑制と、ホルムアルデヒドの系外への排出量の増加、冷却効率等の経済性等を考慮すれば、生成ガスを−10℃〜50℃に冷却すると良い。
[気化工程]
気化工程3は、分離工程2で酸素やホルムアルデヒド等を系外に排出させた後に、分離工程2で捕集したギ酸を気化させる任意の工程であるが、冷却法による分離手段を採用した場合は必須工程となる。即ち、熱分解工程1で生成したガスを、所定の温度に冷却した分離手段に流通させてギ酸を液化又は固化することにより、該液化又は固化したギ酸を分離装置内に捕集し、捕集したギ酸を加熱して気化する。加熱温度は、ギ酸の沸点等を考慮して適宜設定できるが、後流の還元工程4における還元温度や気化速度等を考慮すると、150〜300℃が好ましい。
また、気化工程3では、気化したガスを、窒素等の不活性ガスを用いて分離装置の系外に排出すると共に、排出したガスは該不活性ガスをキャリアガスとして、還元工程4に導入することができる。気化したガス成分は、ギ酸を主成分とする還元性ガスであるので、この還元性ガスを還元工程4に供給し、部材に接触させることで、部材の表面に形成された金属酸化物を還元することができる。
[還元工程]
還元工程4では、分離工程2又は分離工程2と気化工程3を経た還元性ガスを用いて、還元処理を実施する。該還元工程に導入する還元性ガスは、窒素ガス等の不活性ガス等も含めた全ガス中のギ酸濃度が1.5vol%以上であることが好ましく、上限濃度は特に限定されない。ギ酸濃度1.5vol%以上とすることにより、金属酸化物の種類とは無関係に還元速度を確保できるので、半田の濡れ広がり性の悪化による半田付け部分のボイドの発生を防止することができる。
本発明の還元方法は、半田の表面、又は、基板や半導体、電極材等の被半田部材の表面等、部材の表面に形成された表面酸化物の還元に好ましく適用される。特に、半導体素子の外部接続用電極端子である低融点金属体からなる突起電極、具体的には半田バンプに対する溶融(リフロー)処理の際に、好ましく適用される。還元温度、即ち還元性ガスを接触させる部材の温度は、150℃以上、半田の融点以下とすることが好ましい。還元温度が150℃未満になると還元速度が低下する傾向がある。一方、還元温度が半田の融点を超えると半田がリフローするため好ましくない。
半田バンプを構成する半田部材としては、鉛(Pb)−錫(Sn)系半田や錫(Sn)−銀(Ag)系半田等の無鉛(鉛フリー)半田、鉛半田等が挙げられる。
次に、図3及び図4を用いて、本発明の半田付け装置を例を挙げて説明する。なお、図3及び図4において、10は加熱炉、20は分離手段、30は気化手段、40は反応炉であり、11は加熱手段、12は酸素導入部、13はアウトガス排出部である。
加熱炉10としては、ポリアセタール樹脂(POM)を所定の温度に加熱できる加熱手段を備えた装置が用いられる。前記加熱手段としては、電気ヒーター、所定の温度の熱媒等の公知の加熱手段が用いられる。
加熱炉10は、アウトガス排出部13を備えることで、該排出口から分離手段20にガスを供給でき、また、酸素導入部12を備えることで、導入した酸素によりギ酸の比率が高いガスを生成することができる。
なお、加熱炉10は、加熱手段11に対して原料ポリアセタール樹脂(POM)を供給する図示しない供給機構を有していても良い。これにより、ポリアセタール樹脂の分解状況を見ながら、ポリアセタール樹脂を継続的に加熱炉10に供給することが可能になる。該ポリアセタール樹脂の供給機構は、加熱炉10内へポリアセタール樹脂を供給する際の炉内ガス組成や炉内温度を保持できるよう、ポリアセタール樹脂の加熱炉への導入用バルブや、供給するポリアセタール樹脂の供給機構への導入用バルブ等を備えることもできる。
分離手段(分離装置)20としては、図3に示す装置例では、加熱炉10から供給されるガスを所定の温度に冷却できる冷却手段を備え、かつ酸素やホルムアルデヒドガスを排出する排出口を備えている装置が用いられる。冷却手段によって液化又は固化されたギ酸は、気化手段(気化装置)30によってガス化されると同時に、窒素等の不活性ガスをキャリアガスとして後流の反応炉40に供給される。
なお、図3では、分離手段20と気化手段30を別々の装置として表しているが、これら両手段を1つの装置で構成し、冷却と加熱を交互に実施し、ガス化したガスを貯留した後、反応炉40に供給しても良い。あるいは、分離手段20で捕集したギ酸を、気化手段30に搬送し、搬送したギ酸を気化手段30でガス化した後、反応炉40に供給しても良い。
また、図4に示す装置例では、分離手段(分離装置)21として酸素分離膜を用い、加熱炉10から排出されたガスをポンプ等を用いて酸素分離膜21を通過させ、酸素を系外に排出した後、残りの還元性ガスを反応炉40に供給する。酸素分離膜を用いれば、酸素を選択的に系外に排出することができ、しかも連続分離処理が容易となる。
反応炉40では、供給されたガス(還元性ガス)によって、部材の表面に形成された金属酸化物の還元処理が行われる。反応炉40は、一般的な半田付け装置が備えるものであれば良く、特に限定されない。例えば、被半田部材(基板、電極材、半導体素子等)を保持する加熱ステージ(図示せず)を備え、保持した部材を所定温度(好ましくは150℃以上、より好ましくは180℃〜300℃)に加熱することができる装置であり、壁面ヒーター等を備えているものであっても良い。
また、反応炉40には、該装置内のガスを吸引排気する排気用ポンプ(図示せず)が設けられていても良い。反応炉40内では、該装置内に収容された半田バンプ及び被半田部材に対し、還元性ガスの供給と接触を可能としているので、反応炉40に導入される還元性ガスによって、装置内の半田表面及び被半田部材表面の酸化物が還元される。
なお、加熱炉10と反応炉40は、分離手段20、21や気化手段30を介して接続されているため、ガスの流量調整用のマスフローコントローラ及びバルブ(いずれも図示せず)を備えていることができる。これにより、ガスの温度及び圧力環境の変化に拘わらずガス流量を一定に保つことができる。
本発明においては、半導体素子等が形成された半導体基板を、反応炉40内に配置し、本発明の方法により製造される還元性ガスを、部材の表面に形成された金属酸化物に接触させた後、公知の半田リフロー処理を行うことにより、半導体装置を製造することができる。例えば、反応炉40において、半導体基板をヒーター上に、半導体素子の電極パッド配設面、即ち半田の配設面を上面として収容・配置する。そして、半導体基板を、本発明の還元性ガス雰囲気に晒し、半田の表面に存在する酸化膜(自然酸化膜)を除去する。
本発明の還元方法では、半導体基板に対する加熱処理温度並びに処理雰囲気を切り換えることにより、半導体基板に形成された半導体素子の電極部を構成する半田部材の球状化処理、並びに、球状化される半田部材の内部に生ずるボイドの放出・除去を、速やかに且つ半田部材の飛散を生ずることなく実施することができる。
また、本発明による還元処理は、半導体基板の移送機構を具備した連続リフロー炉を用いて実施することもできる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形及び変更が可能である。
即ち、上記した実施の形態では、被半田部材の例として半導体基板を挙げ、該半導体基板上の電極パッドに半田バンプを形成するリフロー処理法について説明したが、本発明はかかる形態に限られるものではなく、任意の被半田部材の端子又はパッド上に半田バンプを形成する処理に対しても適用することができる。
例えば、ガラスエポキシ等の絶縁性樹脂又はセラミック等を主体とし、少なくともその表面に配線・電極が配設された回路基板等において、その電極端子部に半田バンプを形成するためのリフロー処理に対しても、適用することができる。更に、半田バンプ等を用いて、半導体素子或いは電子部品を、回路基板上の電極に固着する際にも、適用することができる。
以下実施例により本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。なお、「%」は「vol%」を意味する。
(実施例1)
図5に示す装置を用いて実験した。なお、実施の形態で説明した装置と同じ部位には同じ符号を付した。
酸素導入部12とアウトガス排出部13を配設したアルミケース10の中に、ポリアセタール樹脂(POM)を約3g入れ、該ポリアセタール樹脂の上に、触媒としてアルミメッシュを載せた。アルミケース10をホットプレート30の上に載せ、ケースごと300℃で加熱しながら、酸素導入部12から酸素を導入し、アウトガス排出部13から生成ガスを排出した。
アウトガス排出部13から排出した生成ガス(以下「ガス1」という。)を、内部にガスの通過経路を設けたアルミトラップ20にガス導入部22から導入した。アルミトラップ20は常時0℃の氷水に浸漬して導入したガス1を冷却するとともに、捕集されなかったガスはガス排出部23から排出した。アルミケース10内のポリアセタール樹脂が全て分解されるまでこの操作を続けた。
アウトガス排出部13とガス導入部22の間に設けたサンプリング口からガス捕集袋に適宜ガス1を採取し、ガスクロマトグラフによりガス組成を分析した。また、アルミトラップ20で捕集されずにガス排出部23から排出されたガスからの排出ガス(以下、「ガス2」という。)についても同様にガスクロマトグラフにより分析した。
ポリアセタール樹脂の分解が終了した後、アルミトラップ20を氷水から取り出し、ホットプレート上に搭載して200℃に加熱し、アルミトラップ20から回収したアウトガス(以下、「ガス3」という。)を同様にガスクロマトグラフにより分析した。この際のキャリアガスとしては窒素ガスを用いた。
ガス1、ガス2、ガス3のガスクロマトグラフによる分析結果を図6に示す。ガスクロマトグラフによる分析結果より、ガス1から、酸素とギ酸と多量のホルムアルデヒドが確認できた。ガス2から、酸素とホルムアルデヒドは確認できたが、ギ酸は殆んど存在しなかったことより、ギ酸がアルミトラップ20に捕集されていることが確認できた。また、ガス3から、少量の酸素が存在していたが、窒素とギ酸と少量のホルムアルデヒドが確認できた。
上記の実験結果から、ポリアセタール樹脂の熱分解による生成ガス(前記ガス1)から、酸素とホルムアルデヒドを分離除去することにより、生成ガスよりも高濃度のギ酸を含む還元性ガス(前記ガス3)を製造することができた。
(比較例1)
酸素導入部12から窒素ガスを導入する以外は、実施例1と同様に操作してポリアセタール樹脂の熱分解を行い、アウトガス排出部13から排出した生成ガス(ガス1)についてガスクロマトグラフで分析した。
(実施例2)
酸素導入部12から酸素と窒素の混合ガス(酸素:50%)を導入する以外は実施例1と同様に操作してポリアセタール樹脂の熱分解を行い、アウトガス排出部13から排出した生成ガス(ガス1)についてガスクロマトグラフで分析した。
(実施例3)
酸素導入部12から酸素と窒素の混合ガス(酸素:20%)を導入する以外は実施例1と同様に操作しポリアセタール樹脂の熱分解を行い、アウトガス排出部13から排出した生成ガス(ガス1)についてガスクロマトグラフで分析した。
表1に、実施例及び比較例で得たガス1あるいはガス3の組成を示す。
Figure 2014225496
表1の結果より、酸素または酸素供給物質の存在下でポリアセタール樹脂を加熱、分解することにより、ギ酸を含む生成ガスを製造でき、酸素の比率が高いと生成ガス中のギ酸の比率が高くなることがわかる。また、生成ガスを分離工程にて処理することにより、ガス中のギ酸の比率を向上させると共に酸素を除去することができるため、還元力の高い還元性ガスを製造できることがわかる。
1 熱分解工程
2 分離工程
3 気化工程
4 還元工程
10 加熱炉
11 加熱手段
12 酸素導入部
13 アウトガス排出部
20 分離手段
21 分離手段
22 ガス導入部
23 ガス排出部
30 気化手段
40 反応炉

Claims (10)

  1. ポリアセタール樹脂を酸素又は酸素供給物質の存在下で加熱し、ギ酸を含むガスを生成する熱分解工程と、熱分解工程で生成したガスから酸素を除去し、ギ酸を捕集する分離工程と、を有することを特徴とする還元性ガス製造方法。
  2. 熱分解工程において、加熱が触媒金属の存在下で行われることを特徴とする、請求項1に記載の還元性ガス製造方法。
  3. 分離工程において、熱分解工程で生成したガスを、酸素の沸点以上かつギ酸の沸点未満の温度に冷却することを特徴とする、請求項1又は2に記載の還元性ガス製造方法。
  4. 分離工程において、熱分解工程で生成したガスを、ホルムアルデヒドの沸点以上かつギ酸の沸点未満の温度に冷却することを特徴とする、請求項1又は2に記載の還元性ガス製造方法。
  5. 分離工程において、酸素分離膜を用いることを特徴とする、請求項1又は2に記載の還元性ガス製造方法。
  6. 分離工程後のガス中のギ酸と酸素の量が、ギ酸/酸素(モル比)>1を満たすことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の還元性ガスの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載の方法で製造した還元性ガスを用いて、部材表面に形成された金属酸化物を還元することを特徴とする還元方法。
  8. 半導体装置の製造方法において、請求項1〜6のいずれか記載の方法で製造した還元性ガスを用いて、部材の表面に形成された金属酸化物を還元することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. ポリアセタール樹脂を酸素又は酸素供給物質の存在下で加熱し、ギ酸を含むガスを生成する加熱炉と、ギ酸を含む還元性ガスを用いて部材表面の酸化物を還元する反応炉とを備える半田付け装置であって、
    前記加熱炉と反応炉との間に、加熱炉で生成したガスから酸素を除去し、ギ酸を捕集する分離手段を備えることを特徴とする半田付け装置。
  10. 分離手段の後流に、捕集したギ酸を気化する気化手段を備えることを特徴とする、請求項9に記載の半田付け装置。
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