JP2014224755A - 放射性物質のモニタリング装置およびカートリッジフィルタ - Google Patents

放射性物質のモニタリング装置およびカートリッジフィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP2014224755A
JP2014224755A JP2013104060A JP2013104060A JP2014224755A JP 2014224755 A JP2014224755 A JP 2014224755A JP 2013104060 A JP2013104060 A JP 2013104060A JP 2013104060 A JP2013104060 A JP 2013104060A JP 2014224755 A JP2014224755 A JP 2014224755A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cartridge filter
filtration layer
peripheral surface
liquid sample
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013104060A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6150279B2 (ja
Inventor
将之 川嶋
Masayuki Kawashima
将之 川嶋
徹生 保高
Tetsuo Hodaka
徹生 保高
好彦 今藤
Yoshihiko Kondo
好彦 今藤
伊藤 康博
Yasuhiro Ito
康博 伊藤
田中 政尚
Masanao Tanaka
政尚 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Vilene Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Vilene Co Ltd, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical Japan Vilene Co Ltd
Priority to JP2013104060A priority Critical patent/JP6150279B2/ja
Publication of JP2014224755A publication Critical patent/JP2014224755A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6150279B2 publication Critical patent/JP6150279B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】液体試料中のSS分のモニタリング精度を向上するとともに、液体試料中のSS分のモニタリング時間を短縮する。
【解決手段】放射性物質のモニタリング装置10は、筒状の濾過層3を有するカートリッジフィルタ1と、液体試料Wsを濾過層3の内周面3dに供給する液体供給部41と、濾過層3の外周面3cから排出された液体試料Wsを排出する液体排出部42と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、放射性物質のモニタリング装置、および、放射性物質のモニタリングに使用するカートリッジフィルタに関する。
福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の多くは山林に沈着し、降雨等に伴い山林から徐々に環境水中に流出する。例えば、文部科学省が2011年7月に福島県内の河川水51箇所で実施した調査結果(非特許文献1参照)では、平均で134Csが0.54Bq/L、137Csが0.58Bq/Lと低濃度の放射性セシウムが検出されている。これらの森林等から継続的に流出する環境水を灌漑用水として利用することで、移動性が高い溶存態の放射性物質が新たに水田に流入し、稲に影響を与えることが懸念されている。別の調査によれば、水田付近の土壌において灌漑用水に起因すると考えられる放射性物質の濃度の高まりが確認された圃場もある。このように、液体試料中の低濃度の、例えば放射性セシウムなどの放射性物質を正確かつ短時間でモニタリングすることは、今後の対策方針を検討する上でも重要である。
そして、環境中では放射性物質は、粒子などに付着した固形物の態様(以下、SS分と称する)、または、水中に溶存した形態(以下、溶存態と称する)で存在していることから、SS分と溶存態とを個別にモニタリングできることが望まれている。
文部科学省(2011):文部科学省による放射性物質の分布状況等に関する調査研究(河川水・井戸水における放射性物質の移行調査)の結果について[http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/017/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2011/10/27/1312442_4.pdf]
発明者らは、水中の放射性物質をSS分と溶存態とで個別にモニタリングするため、筒状の濾過層を有するカートリッジフィルタと、液体試料を濾過層の外周面へ供給する液供給部と、濾過層の内周面から排出された液体試料を次の工程へ導く液排出部と、を備える放射性物質のモニタリング装置を検討した。そして、カートリッジフィルタを構成する筒状の濾過層の構成部材として、例えば不織布や織物、あるいは編物などの布帛を採用した。この放射性物質のモニタリング装置では、液供給部により濾過層の外周面へ供給された液体試料は、濾過層の外周面から内周面へ向かい通過するので、液体試料中のSS分を濾過層の外周面上および濾過層に濾別して濃縮できる。そして、濾過層の内周面から排出された液体試料を液排出部により、溶存態を吸着させる工程(例えば、プルシアンブルー系化合物などの放射性物質吸着成分を有する別のカートリッジフィルタへ供する工程など)へ導くことで、別のカートリッジフィルタが有する放射性物質吸着成分に溶存態を吸着させ、液体試料中の溶存態を別のカートリッジフィルタに濃縮できる。
上述の放射性物質のモニタリング装置を用いることで、液体試料中に存在するSS分および溶存態の量が少ない場合であってもSS分と溶存態とを個別にカートリッジフィルタで濃縮でき、ゲルマニウム半導体検出器などの放射性物質測定に供する時間を短縮化して、個別にモニタリングできるものであった。
しかしながら、上述の放射性物質のモニタリング装置からモニタリングに使用済みのカートリッジフィルタを取り外す作業、および、取り外したカートリッジフィルタを運搬する作業のうち少なくともいずれかの作業の前後で、カートリッジフィルタに濃縮されている(換言すれば、濾別され保持されている)SS分の量が変化して、正確なモニタリングが行えないことがある。このカートリッジフィルタに濃縮されているSS分の量の変化が生じる原因として、以下のことが考えられる。つまり、上述の作業を行う際に工具または作業者の手が濾過層の外周面に接触することがあり、接触および振動によって、濾過層の外周面上および濾過層に濾別され保持されているSS分が脱落することによるものと考えられる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、液体試料中のSS分のモニタリング精度の向上およびモニタリング時間の短縮が可能な、モニタリング装置およびカートリッジフィルタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る放射性物質のモニタリング装置は、筒状の濾過層を有するカートリッジフィルタと、液体試料を濾過層の内周面に供給する液体供給部と、濾過層の外周面から排出された液体試料を排出する液体排出部と、を備える。
この放射性物質のモニタリング装置によれば、カートリッジフィルタが有する筒状の濾過層の内周面に液体試料が供給され、液体試料は濾過層の内周面側から外周面側に向けて移動し、濾過層の外周面から排出される。このため、液体試料中のSS分を濾過層の内周面上および濾過層に濾別して濃縮できる。これにより、液体試料中に存在するSS分の量が少ない場合であってもSS分をカートリッジフィルタで濃縮でき、放射性物質測定に供する時間を短縮化することが可能となる。また、この放射性物質のモニタリング装置では、SS分は濾過層の内周面上および濾過層に濾別され保持されるので、放射性物質のモニタリング装置からカートリッジフィルタを取り外す作業、および、取り外したカートリッジフィルタを運搬する作業の少なくともいずれかを行った場合であっても、工具および作業者の手がSS分に接触することを抑制でき、接触および振動によって、濾過層に保持されているSS分が脱落するのを防止できる。その結果、液体試料中のSS分のモニタリング精度を向上することが可能となる。このように、液体試料中のSS分のモニタリング精度を向上するとともに、液体試料中のSS分のモニタリング時間を短縮することが可能となる。
本発明の一態様に係るカートリッジフィルタは、液体試料中に含まれる放射性物質を除去するためのカートリッジフィルタであって、筒状の濾過層を備え、液体試料を濾過層の内周面側から外周面側に向けて通過させる。
このカートリッジフィルタによれば、筒状の濾過層の内周面側から外周面側に向けて液体試料を通過させることにより、液体試料中に含まれる放射性物質が除去される。このため、液体試料中のSS分を濾過層の内周面上および濾過層に濾別して濃縮できる。これにより、液体試料中に存在するSS分の量が少ない場合であってもSS分をカートリッジフィルタで濃縮でき、放射性物質測定に供する時間を短縮化することが可能となる。また、このカートリッジフィルタでは、SS分は濾過層の内周面上および濾過層に濾別され保持されるので、カートリッジフィルタを取り外す作業、および、取り外したカートリッジフィルタを運搬する作業の少なくともいずれかを行った場合であっても、工具および作業者の手がSS分に接触することを抑制でき、接触および振動によって、濾過層に保持されているSS分が脱落するのを防止できる。その結果、液体試料中のSS分のモニタリング精度を向上することが可能となる。このように、液体試料中のSS分のモニタリング精度を向上するとともに、液体試料中のSS分のモニタリング時間を短縮することが可能となる。
本発明によれば、液体試料中のSS分のモニタリング精度を向上するとともに、液体試料中のSS分のモニタリング時間を短縮することができる。
本実施形態に係るカートリッジフィルタの構成を概略的に示す斜視図である。 図1の支持体およびエンドキャップの構成を概略的に示す斜視図である。 図1の濾過層の構成を概略的に示す斜視図である。 本実施形態に係るモニタリング装置の構成を概略的に示す図である。 図4のモニタリング装置の一構成例を概略的に示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係るカートリッジフィルタの構成を概略的に示す斜視図である。図2は、支持体21、第1エンドプレート22および第2エンドプレート23の構成を概略的に示す斜視図である。図3は、濾過層3の構成を概略的に示す斜視図である。図1〜図3に示されるように、カートリッジフィルタ1は、筒状の濾過層3(以降、濾過層と称することがある)を備えて構成された、SS分の濃縮を担う部材である。
この例では、カートリッジフィルタ1は、濾過層3と、濾過層3を支持する筒状の支持体21(以降、支持体と称することがある)と、支持体21の両端部に接続された第1エンドプレート22および第2エンドプレート23と、を備えている。なお、支持体21、第1エンドプレート22および第2エンドプレート23を合わせて、フレーム2と称することがある。カートリッジフィルタ1では、濾過層3の内周面3d側の空間に支持体21が挿入されており、支持体21の外周面21cを濾過層3が覆っている。フレーム2および濾過層3の一例について以下に説明する。
図2に示されるように、支持体21の両端部には第1エンドプレート22および第2エンドプレート23が接続されている。支持体21は、中空の筒状多孔部材であって、一端部21aと、他端部21bと、外周面21cと、内周面21dと、を有する。なお、一端部21aは軸X方向における支持体21の一方の端部であって、軸Xを中心とした円形状の開口部22aを有する。他端部21bは一端部21aと反対側の端部である。つまり、他端部21bは軸X方向における支持体21の他方の端部であって、軸Xを中心とした円形状の開口を有する。外周面21cは、一端部21aの外周縁と他端部21bの外周縁とによって規定される面である。また、一端部21aの開口から他端部21bの開口まで軸Xに沿って中空部分が延びており、内周面21dは、一端部21aの開口縁と他端部21bの開口縁とによって規定される面である。
支持体21の外周面21cには、外周面21cから内周面21dまで貫通している複数の孔21eが設けられている。孔21eの形状及び大きさ、並びに、孔21eの数及び配置は、いずれも適宜調整される。例えば、孔21eは、周方向に長尺の楕円形または長方形を呈しており、軸X方向に沿って一定の間隔で配列され、周方向に沿って一定の間隔で配列されている形状とすることができる。支持体21の外径は支持体21の内径よりも大きく、例えば5〜120mm程度、内径は例えば1〜100mm程度である。また、支持体21は、布帛を構成可能な有機ポリマー、金属、木材及びシリコーン樹脂などから構成できる。
第1エンドプレート22は、支持体21の軸Xを軸とした円板状を呈し、軸Xを中心とした円形状の開口部22aを有する。この第1エンドプレート22の外径は第1エンドプレート22の内径(開口部22aの開口径)よりも大きく、例えば10〜500mm程度、内径は例えば1〜100mm程度である。第1エンドプレート22は、支持体21の一端部21aに接続されており、離脱(取り外し)可能に設けられていても、離脱(取り外し)不可能に設けられていてもよい。この支持体21と第1エンドプレート22との接合は、例えばホットメルト樹脂を介して接着することにより行われる。また、支持体21の一端部21aにネジ山を設け、第1エンドプレート22の支持体21との接合部分にネジ受けを設けておき、ネジ嵌めすることによって、支持体21と第1エンドプレート22とを接合してもよい。支持体21の一端部21aにネジ受けを設け、第1エンドプレート22にネジ山を設けてもよい。また、支持体21の一端部21aに嵌合部を設け、第1エンドプレート22の支持体21との接合部分に嵌合部を設けておき、この嵌合部同士を嵌合させることによって、支持体21と第1エンドプレート22とを接合してもよい。この嵌合部は、例えば凹部または凸部である。また、第1エンドプレート22は、布帛を構成可能な有機ポリマー、金属、木材及びシリコーン樹脂などから構成できる。
第2エンドプレート23は、支持体21の軸Xを軸とした円板状を呈している。なお、第2エンドプレート23は、軸Xを中心とした円形状の開口部を有していない。この第2エンドプレート23の外径は例えば10〜500mm程度である。第2エンドプレート23は、支持体21の他端部21bに接続されており、離脱(取り外し)可能に設けられていても、離脱(取り外し)不可能に設けられていてもよい。支持体21と第2エンドプレート23との接合は、支持体21と第1エンドプレート22との接合と同様にして行われる。また、第2エンドプレート23は、布帛を構成可能な有機ポリマー、金属、木材及びシリコーン樹脂などから構成できる。
第1エンドプレート22、支持体21及び第2エンドプレート23は、その順に軸X方向に同軸に配列されている。また、第1エンドプレート22の開口部22aと、支持体21の中空部分とが同軸に連なっている。また、支持体21は、軸X方向に配置された上部筒状の支持体と下部筒状の支持体とから構成されてもよい。この場合、上部筒状の支持体の下端部に係合溝が設けられ、下部筒状の支持体の上端部に係合溝が設けられ、互いに係合及び離脱が可能に構成できる。
図3に示されるように、濾過層3は、筒状を呈しており、一端部3aと、他端部3bと、外周面3cと、内周面3dと、を有する。一端部3aは軸X方向の一方の端部であって、軸Xを中心とした円形状の開口を有する。他端部3bは一端部3aと反対側の端部である。つまり、他端部3bは軸X方向の他方の端部であって、軸Xを中心とした円形状の開口を有する。外周面3cは、一端部3aの外周縁と他端部3bの外周縁とによって規定される面である。また、一端部3aの開口から他端部3bの開口まで軸Xに沿って中空部分が延びており、内周面3dは、一端部3aの開口縁と他端部3bの開口縁とによって規定される面である。この濾過層3の外径は濾過層3の内径よりも大きく、例えば10〜500mm程度、内径は例えば5〜120mm程度である。濾過層3の軸X方向の長さは適宜調整されるが、液体試料が濾過層3の一端部3a及び他端部3bからリークするのを防ぐために、濾過層3の一端部3aは第1エンドプレート22に接触し、濾過層3の他端部3bは第2エンドプレート23に接触可能な長さにしてもよい。濾過層3は、内周面3dから外周面3cに向かう方向Yに沿って液体試料を通過させる。
濾過層3を構成する素材は適宜選択されるが、素材は布帛31(繊維層)から構成されてもよい。布帛31は、不織布、織物及び編物などの繊維素材からなり、これらの素材を単体で用いてなるものであっても、これらの素材を複数積層してなるものであってもよい。布帛31を構成する繊維の繊度は特に限定されないが、通液性に優れるように0.1〜50dtexであってもよく、通液性にさらに優れるように0.5〜30dtexであってもよい。また、布帛31を構成する繊維の繊維長は特に限定されないが、1mm以上であってもよく、3〜100mmであってもよい。繊維の製造方法によっては、連続繊維であってもよい。また、布帛31は、繊度及び繊維長の少なくともいずれかが異なる2種類以上の繊維を含んでもよい。さらに、布帛31を構成する繊維は、2種類以上の複合繊維であってもよい。複合繊維の表面が低融点の成分を含んでいる場合には、繊維形態を維持したまま、低融点の成分によって融着することができる。この複合繊維の断面形態としては、例えば、芯鞘型(偏芯型を含む)、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型、多層積層型を挙げることができる。
布帛31を構成する繊維の成分は特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなど)、スチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂(ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、アクリル系樹脂、ニトリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂などの公知の有機ポリマーを用いることができる。
これらの有機ポリマーは、直鎖状ポリマーまたは分岐状ポリマーのいずれからなるものでもよく、またブロック共重合体またはランダム共重合体でもよく、立体構造及び結晶性の有無がいかなるものであってもよい。また、これら例示以外の有機ポリマーも使用可能であり、例示以外の樹脂も含め、2種以上の有機ポリマーからなる繊維を用いて布帛31を調製してもよい。
布帛31を構成する繊維の製造方法は限定されない。例えば、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法、紡糸原液と気体流とを平行に吐出して紡糸する方法(例えば、特開2009−287138号公報に開示の方法)など)、複合繊維から一種類以上の樹脂成分を除去することで繊維径が細い繊維を抽出する方法、繊維を叩解して分割された繊維を得る方法など公知の方法により得ることができる。
布帛31が織物または編物である場合、上述のようにして調製した繊維を、織るまたは編むことによって、布帛31を調製することができる。また、布帛31が不織布である場合、不織布を製造可能な繊維ウェブの調製方法として、例えば、乾式法、湿式法または直接紡糸法などを用いることができる。なお、上述の方法で調製される繊維ウェブを1層のみ使用して不織布を製造するのに限らず、繊維配合が同じ又は異なる繊維ウェブを2層以上積層した積層繊維ウェブを用いて不織布を調製してもよい。さらに、繊維ウェブはパラレルウェブ、クロスウェブ、ランダムウェブまたはパラレルウェブとクロスウェブとを積層したクリスクロスウェブであってもよく、特に限定されない。
次に、繊維ウェブの繊維同士を結合して不織布を調製する。この繊維同士の結合方法としては、例えば、ニードルもしくは水流によって絡合する方法、低融点の成分を表面に有する複合繊維を繊維ウェブに含ませておき、この複合繊維の低融点の成分を融着する方法、バインダ成分によって接着する方法、または、これらの方法を併用する方法が挙げられる。
バインダ成分の種類は特に限定されるものではなく、布帛31を構成可能な有機ポリマーをバインダ成分として用いてもよい。他にも、例えば、塩化ビニル成分(例えば、塩化ビニルコポリマー樹脂など)、塩化ビニリデン成分、酢酸ビニル成分やエチレン成分(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂など)、スチレン成分やブタジエン成分(例えば、スチレン・ブタジエン系ラテックスなど)、アクリル酸エステル成分、ウレタン成分などを含むバインダ成分を用いてもよい。
また、バインダは架橋剤(例えば、メラミン系、オキサゾリン系、イソシアネート系等)を含有してもよい。また、バインダは、界面活性剤、撥油剤、浸透剤、難燃剤等の機能性薬剤を含有してもよい。そして、使用するバインダの状態は、例えば、エマルジョン、ラテックス、サスペンジョン、溶液などであって、特に限定されない。
複合繊維を融着させる方法として、例えば、カレンダーロールにより加熱加圧する方法、熱風乾燥機により加熱する方法などを用いることができる。
複数の素材を積層して布帛31を調製する場合、積層方法として、例えば、各素材をただ重ね合わせるだけの方法、例えば、各素材を構成する有機ポリマーを溶融させることによって積層一体化する方法、各素材同士をバインダ成分によって積層一体化する方法などを採用することができる。
布帛31の目付は特に限定されないが、10〜3000g/mであってもよく、20〜1000g/mであってもよい。なお、目付とは、最も広い面積を有する面(主面)の1mあたりの質量に換算した値を意味する。また、布帛31の厚さは、適宜調整され、限定されないが、例えば、0.01〜100mmとしてもよく、0.1〜50mmとしてもよい。なお、厚さは、圧縮弾性式厚み計により計測した値であり、具体的には主面に対して5cmの荷重領域に100gfの荷重をかけたときの値をいう。
濾過層3は、主としてSS分を濾別する役割を担う部材であり、例えばメルトブロー不織布などの布帛31を長尺状に切り抜いた後に、ロール状に巻回することによって調製される。また、濾過層3は、布帛31を長尺状に切り抜いた後に、布帛31の対向する端部同士を接合することによって調製されてもよい。濾過層3を調製する際に使用する布帛31の形状は、平らなシート状であってもよいが、濾過層3の通液抵抗を低下させて液体試料中のSS分を短時間でモニタリングできるように、プリーツ形状など表面が凹凸形状を備えた形状の布帛31を用いて濾過層3を調製してもよい。特に、筒状の濾過層3では、内周面3dの面積は外周面3cの面積よりも小さいので、濾過層3の通液抵抗を高くする原因となり易い。このため、濾過層3の通液抵抗を低下するために、濾過層3は、プリーツ形状など表面が凹凸形状を備えた形状の布帛31の層を内周面3dに備えてもよい。
濾過層3の内周面3dおよび外周面3cにおける平均開孔径の大きさは、カートリッジフィルタ1に求められている通液抵抗の大きさと、求められるSS分の濾別能力とにより、適宜調整されるものであり限定されるものではない。しかし、内周面3dおよび外周面3cにおける平均開孔径の大きさが小さすぎると濾過層3の通液抵抗が高くなり、液体試料中のSS分のモニタリング時間が長くなるおそれがある。一方、内周面3dおよび外周面3cにおける平均開孔径の大きさが大きすぎると濾過層3による粒子径の小さなSS分の濾別が困難となり、液体試料中のSS分のモニタリング精度が低下するおそれがある。そのため、内周面3dの平均開孔径の大きさは、例えば、1μm〜50μmであるのが好ましく、1μm〜30μmであるのがより好ましく、1μm〜20μmであるのが最も好ましい。また、外周面3cの平均開孔径の大きさは、例えば、1μm〜20μmであるのが好ましく、1μm〜10μmであるのがより好ましく、1μm〜3μmであるのが最も好ましい。
また、内周面3dの平均開孔径の大きさが外周面3cの平均開孔径の大きさよりも小さい場合には、SS分の濾別に伴い内周面3dの開孔が閉塞して通液抵抗が高くなり易く、液体試料中のSS分を短時間でモニタリングできなくなるおそれがある。そのため、SS分のモニタリング時間を短時間にするために、濾過層3における内周面3dの平均開孔径の大きさを、濾過層3における外周面3cの平均開孔径の大きさよりも大きくしてもよい。
また、濾過層3は、内周面3dおよび外周面3cの少なくともいずれかに、補強材層(例えばネットやスパンボンド不織布などの層)を備えていてもよい。この場合、補強材層は主として濾過層3の形状が変化するのを防止する役割を担う部材である。
次に、カートリッジフィルタ1の組立方法の一例について説明する。まず、濾過層3を調製する。次に、調製した濾過層3の中空部分に支持体21、または、一方の端部にエンドプレートを接合させた支持体21を挿入する。最後に、支持体21の端部にエンドキャップを接合することで、カートリッジフィルタ1は組み立てられる。
カートリッジフィルタ1の組立方法の別の例について説明する。まず、布帛31を長尺状に切り抜いて切片を調製する。次に、調製した切片を支持体21に巻回し、支持体21の両端部に第1エンドプレート22および第2エンドプレート23を接合する。または、両端部に第1エンドプレート22および第2エンドプレート23を接合させた支持体21に、調整した切片を巻回する。以上のようにして、カートリッジフィルタ1は組み立てられる。
カートリッジフィルタ1において露出している濾過層3が変形するのを防止するため、カートリッジフィルタ1は、その外囲に設けられたカバー部材(図示せず)をさらに備えてもよい。このカバー部材は、筒状の形状を呈しており、その形状における外周面から内周面まで貫通している複数の孔が設けられている。孔の形状及び大きさ、並びに、孔の数及び配置は、適宜調整される。例えば、孔は、周方向に長尺の楕円形または長方形を呈しており、軸X方向に沿って一定の間隔で配列され、周方向に沿って一定の間隔で配列されている形状とすることができる。
このように構成されたカートリッジフィルタ1では、カートリッジフィルタ1に導かれた液体試料が、濾過層3の内周面3dに供給される。そして、供給された液体試料は内周面3dから外周面3cに向けて濾過層3中を移動して通過し、外周面3cから濾過層3の外部に排出される。
次に、放射性物質のモニタリング装置について説明する。図4は、本実施形態に係るモニタリング装置の構成を概略的に示す図である。図4に示されるように、放射性物質のモニタリング装置10は、カートリッジフィルタ1と、液体供給部41と、液体排出部42と、を備えている。液体供給部41は、液体試料をカートリッジフィルタ1の濾過層3の内周面3dに供給可能に構成されている。液体排出部42は、カートリッジフィルタ1の濾過層3の外周面3cから排出された液体試料を排出可能に構成されている。液体排出部42は、液体試料を次の工程に導いてもよい。なお、液体供給部41および液体排出部42は、液体試料を通液できればよく、例えば、ホース、チューブなどである。
この例では、放射性物質のモニタリング装置10は、容器40をさらに備え、容器40の空間Sにカートリッジフィルタ1が収容されている。液体供給部41は、容器40の開口40aを介して挿通されている。液体供給部41の一端は容器40の外部に配置され、液体供給部41の他端はフレーム2の第1エンドプレート22の開口部22aに接合されている。このように、液体供給部41は、濾過層3の内周面3dの露出している空間に液体供給部41の他端が面するように設けられている。液体排出部42の一端は、容器40の開口40bに接続されている。
このように構成されたモニタリング装置10では、液体供給部41によって、容器40の外部から液体試料が濾過層3の内周面3dに供給される。そして、供給された液体試料は、濾過層3の内周面3dから外周面3cに向かって濾過層3を通過し、外周面3cから排出される。濾過層3の外周面3cから排出された液体試料は、容器40の空間S内に蓄えられ、液体排出部42によって容器40の外部に排出される。
図5は、本実施形態に係るモニタリング装置の一構成例を概略的に示す図である。図5に示されるように、モニタリング装置10Aは、カートリッジフィルタ1、液体供給部41および液体排出部42に加えて、ポンプ11と、圧力計12と、流量計13と、他のカートリッジフィルタ5と、通液部43と、通液部44と、通液部45と、通液部46と、をさらに備えている。水Wは、海水、河川、湖沼、水路または湧き水などに含まれる環境水、あるいは、放射性物質に汚染された土壌や焼却灰を分散させた水である。
ポンプ11は、液体試料Wsをモニタリング装置10Aに通水するための装置である。圧力計12は、モニタリング装置10Aに通水している液体試料Wsの圧力を測定する装置である。流量計13は、モニタリング装置10Aに通水している液体試料Wsの量を計測する装置である。カートリッジフィルタ5は、溶存態を吸着させるためのフィルタである。液体供給部41の一端は、圧力計12に接続され、液体排出部42の他端はカートリッジフィルタ5に接続されている。
通液部43、通液部44、通液部45および通液部46は、液体試料Wsを導くチューブまたはホースなどの管状部材であって、モニタリング装置10Aにおける液体試料Wsの流れにおいて互いに隣り合う各部材同士を接続しており、各部材間における液体試料Wsの通液を担う。具体的には、通液部43は、水Wから液体試料Wsを採取するための取水部材であって、一端が水Wに配置され、他端がポンプ11に接続されている。通液部44は、一端がポンプ11に接続され、他端が圧力計12に接続されている。通液部45は、一端がカートリッジフィルタ5に接続され、他端が流量計13に接続されている。通液部46は、液体試料Wsをモニタリング装置10Aの外部に排出する排出部材であって、一端が流量計13に接続され、他端が水Wに配置されている。
なお、このモニタリング装置10Aでは、通液部43の一端が海水、河川、湖沼、水路または湧き水などの環境中の水Wに設置されており、環境中の水Wから液体試料Wsをカートリッジフィルタ1へと導く態様であるが、採取した液体試料を蓄えたタンクなどの容器(図示せず)に通液部43の一端が配置されており、容器内に蓄えられた液体試料をカートリッジフィルタ1へと導くものであってもよい。また、液体供給部41がプレフィルタを備えてもよく、液体試料Ws中の不純物を除去する態様であってもよい。
モニタリング装置10Aの使用方法について説明する。まず、水W中に通液部43の一端を設置する。そして、ポンプ11を作動させて、通液部43を介して水Wから液体試料Wsを採取する。採取した液体試料Wsはポンプ11を通過し、ポンプ11を通過した液体試料Wsは通液部44を介して圧力計12を通過する。そして、圧力計12を通過した液体試料Wsは、液体供給部41を介してカートリッジフィルタ1における濾過層3の内周面3dに供給される。これにより、液体試料Wsを濾過層3の内周面3dから濾過層3の内部を通過させ、外周面3cへと通水させる。このとき、液体試料Ws中に存在するSS分は、濾過層3の内周面3d上および濾過層3で濾別され濃縮される。
次いで、濾過層3の外周面3cから排出された液体試料Wsは、液体排出部42を介して他のカートリッジフィルタ5に供給される。そして、他のカートリッジフィルタ5が備える放射性物質除去成分によって、液体試料Ws中の溶存態が吸着され、他のカートリッジフィルタ5中で濃縮される。そして、他のカートリッジフィルタ5を通過した液体試料Wsは、通液部45を介して流量計13を通過し、流量計13を通過した液体試料Wsは、通液部46を介してモニタリング装置10A外に排出される。
特定量の液体試料Wsをモニタリング装置10Aに供して、液体試料Ws中の放射性セシウムのモニタリングを行った後、使用済みのカートリッジフィルタ1および他のカートリッジフィルタ5をモニタリング装置10Aから取り外して回収する。そして、回収したカートリッジフィルタ1および他のカートリッジフィルタ5を検出器に供することにより、液体試料Ws中の放射性物質についてSS分と溶存態とを個別に、ゲルマニウム半導体検出器などの放射性物質測定へ供しモニタリングする。
以上説明したように、カートリッジフィルタ1は、筒状の濾過層3を備えている。また、放射性物質のモニタリング装置10,10Aは、カートリッジフィルタ1と、液体試料を濾過層3の内周面3dに供給する液体供給部41と、濾過層3の外周面3cから排出された液体試料を排出する液体排出部42と、を備えている。この放射性物質のモニタリング装置10,10Aでは、カートリッジフィルタ1が有する筒状の濾過層3の内周面3dに液体試料Wsが供給され、液体試料Wsは濾過層3の内周面3d側から外周面3c側に向けて移動し、濾過層3の外周面3cから排出される。このため、液体試料Ws中のSS分を濾過層3の内周面3d上および濾過層3に濾別して濃縮できる。これにより、液体試料Ws中に存在するSS分の量が少ない場合であってもSS分をカートリッジフィルタ1で濃縮でき、放射性物質の測定に要する時間を短縮化することが可能となる。また、モニタリング装置10,10Aでは、SS分は濾過層3の内周面3d上および濾過層3に濾別され保持されるので、モニタリング装置10,10Aからカートリッジフィルタ1を取り外す作業、および、取り外したカートリッジフィルタ1を運搬する作業の少なくともいずれかを行った場合であっても、工具および作業者の手がSS分に接触することを抑制でき、接触および振動によって、濾過層3に保持されているSS分が脱落するのを防止できる。その結果、液体試料Ws中のSS分のモニタリング精度を向上することが可能となる。このように、液体試料Ws中のSS分のモニタリング精度を向上するとともに、液体試料中のSS分のモニタリング時間を短縮することが可能となる。
なお、本発明に係るカートリッジフィルタおよび放射性物質のモニタリング装置は上記実施形態に限定されない。例えば、上述したモニタリング装置10Aは、1つのカートリッジフィルタ1および1つのカートリッジフィルタ5を備えているが、モニタリング装置10Aは、複数のカートリッジフィルタ1および複数のカートリッジフィルタ5を備えてもよい。
なお、上述した溶存態を吸着できる別のカートリッジフィルタ5の態様は適宜調整され、限定されない。例えば、カートリッジフィルタ5は、放射性物質除去成分を担持した布帛を用いて調製された筒状の濾過層、およびフレームを用いて調製されてもよい。このとき、フレームおよび筒状の濾過層の形状および調製方法は、カートリッジフィルタ1と同様のものとすることができる。放射性物質除去成分の種類は適宜選択され、限定されない。例えば、放射性物質除去成分としては、ゼオライト、活性炭、プルシアンブルー系化合物などが採用され得る。
ここでいうプルシアンブルー系化合物とは、AM[Fe(CN)・zHOで表現される組成からなる化合物であり、セシウムを選択的に吸着する性質を有している。ここで、Aは陽イオンであり、カリウム、リチウム、ナトリウム、ルビジウム、アンモニアなどが使用でき、さらにはそれらの混合でもよい。Mは金属原子であり、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、銅、銀などが使用できる。金属原子の結晶構造は、一般に立方晶であるが、三方晶、正方晶などであってもよく、放射性セシウムを液体試料中から除去する能力があればよい。また、Fe(CN)はヘキサシアノ鉄イオンであり、その一部が水及び水酸化物イオンなどに置換されているか、または、その一部の配位数(この場合6)が2〜8に変更されていてもよい。
プルシアンブルー系化合物は、ジャングルジムのような内部に空隙を持つ構造を有している。プルシアンブルー系化合物は、この空隙にセシウムを取り込むと考えられており、海水のようにナトリウムイオン及びカリウムイオンなど、類似のイオンが共存している環境下においても、セシウムイオンを選択的に吸着する能力を有する。布帛に担持させるプルシアンブルー系化合物としては、市販のプルシアンブルーを用いることができる。また、特に、プルシアンブルーのナノ粒子を用いた場合には、粒径が小さく、比表面積が大きいので、吸着効果が高い。その一次平均粒径は、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、10nm以下が特に好ましい。具体的には、特開2006−256954号公報及び国際公開第2008/081923号に記載の表面処理が施されていない水不溶性ナノ粒子又は同表面処理を施した水分散性ナノ粒子、または、特願2012−12458号出願明細書に記載のナノ粒子が使用できる。
布帛に担持されているプルシアンブルー系化合物の質量は、適宜調整されるものであって、限定されない。例えば、他のカートリッジフィルタ5が発揮する放射性セシウムの吸着性能が優れるように、布帛の1mあたり1g以上の担持質量であってもよい。プルシアンブルー系化合物の担持質量が多い方が吸着できるプルシアンブルー系化合物の量が多くなることから、布帛の1mあたり3g以上の担持質量であってもよく、布帛の1mあたり5g以上の担持質量であってもよい。他方、布帛に担持されているプルシアンブルー系化合物の質量に上限はないが、担持されているプルシアンブルー系化合物の質量が重過ぎると、布帛からプルシアンブルー系化合物が剥落するおそれがある。このため、布帛の1mあたり20g以下の質量となるように、プルシアンブルー系化合物を担持してもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
[実施例1]
(筒状の支持体、エンドプレート、カバー部材の調製方法)
溶融したポリプロピレンを射出成形することにより、図2のように外周面から内周面まで貫通している複数の通水孔を備える筒状の支持体(内径:21mm、外径:28mm、高さ:43mm)を調製した。また、溶融したポリプロピレンを射出成形することにより、円板状の第2エンドプレート(外径:62mm、高さ:4.5mm)、及び、中央部分に開口を有する円板状の第1エンドプレート(開口の直径:23mm、外径:62mm、高さ:4.5mm)を調製した。さらに、溶融したポリプロピレンを射出成形することにより、外周面から内周面まで貫通している複数の通水孔を備えるカバー部材(内径:58mm、外径:61mm、高さ:43mm)を調製した。
(筒状の濾過層の調製方法)
以下に説明する番号順に各部を積層して積層体を調製した。なお、ネットおよびスパンボンド不織布は補強材層として機能するものであり、メルトブロー不織布からなる濾過層の形状が変化するのを防止する役割を担う。
1.ポリプロピレン樹脂からなるネット(Delstar社製、delnet(登録商標))
2.ポリプロピレン繊維からなるメルトブロー不織布(目付:80g/m、厚さ:1.2mm、平均繊維径:2.5μm、平均開孔径:6.8μm)
3.ポリプロピレン繊維からなるメルトブロー不織布(目付:125g/m、厚さ:0.3mm、平均繊維径:2.5μm、平均開孔径:1.7μm)
4.ポリプロピレン繊維からなるメルトブロー不織布(目付:60g/m、厚さ:0.1mm、平均繊維径:2.5μm、平均開孔径:1μm)
5.ポリプロピレン繊維からなるスパンボンド不織布(目付:20g/m、厚さ:0.2mm)。
次いで、調製した積層体を長方形状に切り抜いて、切片(長辺:1064mm、短辺:43mm)を調製した後、切片をプリーツ形状(長辺方向のプリーツ山数:38山、互いに隣り合うプリーツ頂点同士の高さ:14mm)をなすように加工した。最後に、プリーツ形状に加工した切片を筒状の支持体に巻回して、プリーツ形状に加工した切片における短辺同士を接続し一体化することで、筒状の支持体の外周面上に筒状の濾過層を形成した。なお、このとき筒状の支持体の外周面全面に、積層体におけるネット側主面が面するようにして筒状の濾過層が形成されていた。
(カートリッジフィルタの調製方法)
外周面上に筒状の濾過層を備える筒状の支持体を、カバー部材の中空部分に挿入すると共に、筒状の支持体の一方の軸方向端部に第2エンドプレートの中央部分を溶着させて結合した。さらに、他方の軸方向端部にOリングを設けると共に、他方の軸方向端部を第1エンドプレートにおける開口周縁部分に設けられた凹んだ部分(嵌合部)に嵌合して、SS分捕集用のカートリッジフィルタを製造した。
(溶存態吸着用のカートリッジフィルタの調製方法)
ポリエステル繊維A(繊度:6.6デシテックス)10重量%、ポリエステル繊維B(繊度:14デシテックス)10重量%、及び、モダアクリル繊維(繊度:7.8デシテックス)80重量%を均一に混綿し、カーディングすることで得た繊維ウェブを、クロスレイヤーにより繊維の配向方向を交差させ積層して、クロス繊維ウェブ(目付:70g/m)を調製した。次に、塩化ビニル成分系バインダ成分を含んでなるエマルジョンに、プルシアンブルーを混ぜ合わせた接着剤を用意した。なお、接着剤において、(塩化ビニル成分系バインダ成分の固形分質量):(プルシアンブルーの固形分質量)=55:5であった。そして、スプレーによってクロス繊維ウェブの両主面に接着剤を付与して乾燥した後、さらに、泡立てた接着剤を付与して乾燥することによって、プルシアンブルーを担持した不織布(目付:130g/m、厚さ:10mm、プルシアンブルーの担持質量:5g/m)を調製した。
そして、プルシアンブルーを担持した不織布を長方形状に切り抜いて、切片(長辺:1520mm、短辺:39mm)を調製した後、切片を筒状の支持体に巻回して筒状の支持体の外周面上に筒状の濾過層を形成した。最後に、外周面上に筒状の濾過層を備える筒状の支持体を、カバー部材の中空部分に挿入すると共に、溶融したエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を介して、筒状の支持体の一方の軸方向端部に第2エンドプレートの中央部分を結合した。さらに、他方の軸方向端部にOリングを設けると共に、他方の軸方向端部を第1エンドプレートにおける開口周縁部分に設けられた凹んだ部分(嵌合部)に嵌合して、溶存態吸着用のカートリッジフィルタを製造した。
(モニタリング装置の調製方法)
以下に説明する各部を通水管を間に介して番号順に接続して、放射性物質のモニタリング装置を調製した。
1.液体試料を採取する取水部材
2.液体ポンプ
3.通水圧を測定する圧力計
4.SS分捕集用のカートリッジフィルタ
5.溶存態吸着用のカートリッジフィルタ
6.通水量を測定する流量計
7.液体試料をモニタリング装置外へと排出する排出部材
実施例1のモニタリング装置では、SS分捕集用のカートリッジフィルタにおける円板状の第1エンドプレートの中央部分の開口に、「3.通水圧を測定する圧力計」と接続されている通液管の端部を接続し、SS分捕集用のカートリッジフィルタにおける筒状の濾過層の外周面付近に「5.溶存態吸着用のカートリッジフィルタ」と接続されている通液管の端部を配置し接続した。そして、溶存態吸着用のカートリッジフィルタにおける筒状の濾過層の外周面付近に「4.SS分捕集用のカートリッジフィルタ」と接続されている通液管の端部を配置し接続し、溶存態吸着用のカートリッジフィルタにおける円板状の第1エンドプレートの中央部分の開口に「6.通水量を測定する流量計」と接続されている通液管の端部を接続した。なお、実施例1のモニタリング装置では、液体試料はSS分捕集用のカートリッジフィルタにおいて濾過層の内周面側から外周面側に向けて移動する態様である。
[比較例1]
実施例1における(モニタリング装置の調製方法)の項目において、SS分捕集用のカートリッジフィルタにおける筒状の濾過層の外周面付近に「3.通水圧を測定する圧力計」と接続されている通液管の端部を配置し接続し、SS分捕集用のカートリッジフィルタにおける円板状の第1エンドプレートの中央部分の開口に「5.溶存態吸着用のカートリッジフィルタ」と接続されている通液管の端部を接続したこと以外は、実施例1と同様にして、放射性物質のモニタリング装置を調製した。なお、比較例1のモニタリング装置では、液体試料はSS分捕集用のカートリッジフィルタにおいて濾過層の外周面側から内周面側に向けて移動する態様である。
実施例1および比較例1で調製した放射性物質のモニタリング装置を用いて、以下の条件で放射性物質のモニタリングを行った。
(放射性物質のモニタリング方法)
流量が2.5L/分となるようにしてポンプを調整して、放射性物質を含んだ環境水20Lを、放射性物質のモニタリング装置へ通水した。環境水を通水した後、放射性物質のモニタリング装置から、SS分捕集用のカートリッジフィルタ、および、溶存態吸着用のカートリッジフィルタを取り外し、各々回収した。回収したカートリッジフィルタをゲルマニウム半導体検出器(セイコー・イージーアンドジー株式会社製、SEG−EMS(ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトロメトリー、ゲルマニウム半導体検出器型式:GEM20−70))へ供することで、SS分捕集用のカートリッジフィルタに保持されているSS分の放射性セシウム濃度、および、溶存態吸着用のカートリッジフィルタに吸着されている溶存態の放射性セシウム濃度を測定した。そして、回収したカートリッジフィルタの放射性セシウム除去性能(捕集性能および吸着性能)を評価し、表1にまとめた。
なお、表1では、比較例1で使用したSS分捕集用のカートリッジフィルタが発揮したSS分の捕集性能(放射性セシウムの除去性能)について、実施例1で使用したSS分捕集用のカートリッジフィルタが発揮したSS分の捕集性能を100%としたときの、相対比較値を百分率で評価した。また、比較例1で使用した溶存態吸着用のカートリッジフィルタが発揮した溶存態の吸着性能(放射性セシウムの除去性能)について、実施例1で使用した溶存態吸着用のカートリッジフィルタが発揮した溶存態の吸着性能を100%としたときの、相対比較値を百分率で評価した。
Figure 2014224755
表1に示される結果から、実施例1に係る放射性物質のモニタリング装置、および、前記放射性物質のモニタリング装置で使用されるSS分捕集用のカートリッジフィルタは、比較例1のものよりも放射性セシウムの除去性能に優れていることが判明した。モニタリングへ供した液体試料と、モニタリング装置の構成部材が同一であったにも関わらず、実施例1および比較例1で測定された放射性物質の除去性能が異なった理由として、実施例1のカートリッジフィルタでは、SS分が、工具および手が接触し難い濾過層の内周面上および濾過層に濾別され保持されることにより、放射性物質のモニタリング装置からカートリッジフィルタを取り外す作業、および、取り外したカートリッジフィルタを運搬する作業の少なくともいずれかを行った場合であっても、接触および振動によって、濾過層の内周面上および濾過層に濾別され保持されているSS分が脱落するのを防止できたためであると考えられる。以上のように、本発明に係る構成の放射性物質のモニタリング装置、および、カートリッジフィルタによって、液体試料中のSS分のモニタリング精度を向上するとともに、液体試料中のSS分のモニタリング時間を短縮することができる。
本発明に係る放射性物質のモニタリング装置およびカートリッジフィルタによれば、液体試料中のSS分のモニタリング精度を向上するとともに、液体試料中のSS分のモニタリング時間を短縮することができる。実際の用途としては、例えば、農業用水のモニタリング、植物工場で使用する用水モニタリング等に加え、放射性物質の除染時に発生する排水、及び、工業用水などの、環境へ排出する際の水のモニタリングに使用することも可能である。
1…カートリッジフィルタ、3…濾過層、3c…外周面、3d…内周面、10,10A…モニタリング装置、41…液体供給部、42…液体排出部、Ws…液体試料。

Claims (2)

  1. 筒状の濾過層を有するカートリッジフィルタと、
    液体試料を前記濾過層の内周面に供給する液体供給部と、
    前記濾過層の外周面から排出された液体試料を排出する液体排出部と、
    を備えることを特徴とする放射性物質のモニタリング装置。
  2. 液体試料中に含まれる放射性物質を除去するためのカートリッジフィルタであって、
    筒状の濾過層を備え、
    液体試料を前記濾過層の内周面側から外周面側に向けて通過させることを特徴とするカートリッジフィルタ。
JP2013104060A 2013-05-16 2013-05-16 放射性物質のモニタリングに用いられる、液体試料中の放射性物質収集装置 Active JP6150279B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013104060A JP6150279B2 (ja) 2013-05-16 2013-05-16 放射性物質のモニタリングに用いられる、液体試料中の放射性物質収集装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013104060A JP6150279B2 (ja) 2013-05-16 2013-05-16 放射性物質のモニタリングに用いられる、液体試料中の放射性物質収集装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014224755A true JP2014224755A (ja) 2014-12-04
JP6150279B2 JP6150279B2 (ja) 2017-06-21

Family

ID=52123517

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013104060A Active JP6150279B2 (ja) 2013-05-16 2013-05-16 放射性物質のモニタリングに用いられる、液体試料中の放射性物質収集装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6150279B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014228422A (ja) * 2013-05-23 2014-12-08 独立行政法人産業技術総合研究所 被検物質回収装置およびこれを用いた被検物質の回収方法、測定試料調製装置およびこれを用いた測定試料の調製方法、ならびに被検物質回収器
JP2016133324A (ja) * 2015-01-16 2016-07-25 国立研究開発法人産業技術総合研究所 放射性物質吸着材、放射性物質吸着カートリッジ及び放射性物質のモニタリング装置
KR101873807B1 (ko) * 2016-11-25 2018-07-03 주식회사 오리온이엔씨 수막유도 수중 방사선 실시간 측정 방법
KR102301046B1 (ko) * 2021-04-05 2021-09-10 대경기술 주식회사 나이테 구조를 이용한 방사성 폐액 섬유필터장치

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS604975U (ja) * 1983-06-24 1985-01-14 進和貿易株式会社 活性炭吸着フイルタ−のサンプリング装置
JPH09288185A (ja) * 1996-04-22 1997-11-04 Toshiba Eng Co Ltd 放射線検出用サンプラ
JP2000338012A (ja) * 1999-05-28 2000-12-08 Miura Co Ltd 塩素化有機化合物の採取器および塩素化有機化合物の採取用フイルター
JP2001337167A (ja) * 2000-05-25 2001-12-07 Toshiba Corp 排ガスの放射線モニタ
JP2005283153A (ja) * 2004-03-26 2005-10-13 Mitsubishi Electric Corp トリチウムサンプラ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS604975U (ja) * 1983-06-24 1985-01-14 進和貿易株式会社 活性炭吸着フイルタ−のサンプリング装置
JPH09288185A (ja) * 1996-04-22 1997-11-04 Toshiba Eng Co Ltd 放射線検出用サンプラ
JP2000338012A (ja) * 1999-05-28 2000-12-08 Miura Co Ltd 塩素化有機化合物の採取器および塩素化有機化合物の採取用フイルター
JP2001337167A (ja) * 2000-05-25 2001-12-07 Toshiba Corp 排ガスの放射線モニタ
JP2005283153A (ja) * 2004-03-26 2005-10-13 Mitsubishi Electric Corp トリチウムサンプラ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014228422A (ja) * 2013-05-23 2014-12-08 独立行政法人産業技術総合研究所 被検物質回収装置およびこれを用いた被検物質の回収方法、測定試料調製装置およびこれを用いた測定試料の調製方法、ならびに被検物質回収器
JP2016133324A (ja) * 2015-01-16 2016-07-25 国立研究開発法人産業技術総合研究所 放射性物質吸着材、放射性物質吸着カートリッジ及び放射性物質のモニタリング装置
KR101873807B1 (ko) * 2016-11-25 2018-07-03 주식회사 오리온이엔씨 수막유도 수중 방사선 실시간 측정 방법
KR102301046B1 (ko) * 2021-04-05 2021-09-10 대경기술 주식회사 나이테 구조를 이용한 방사성 폐액 섬유필터장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP6150279B2 (ja) 2017-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8062411B2 (en) Adsorptive filtering material with integrated particle-and/or aerosol-filtering function and use thereof
US8366816B2 (en) Adsorption filter material with integrated particle- and/or aerosolfiltering function and its use
JP6150279B2 (ja) 放射性物質のモニタリングに用いられる、液体試料中の放射性物質収集装置
RU2490051C2 (ru) Компактный фильтр для различных газов
US8512569B2 (en) Fluid filtration articles and methods of making and using the same
US20130037481A1 (en) Nonwoven nanofiber webs containing chemically active particulates and methods of making and using same
US7938276B2 (en) Filtration architecture for optimized performance
US20130030340A1 (en) Nonwoven fibrous webs containing chemically active particulates and methods of making and using same
JP2010528844A (ja) 多層フィルタ媒体
JP5237510B1 (ja) 放射性物質吸着材、その製造方法及びそれを含む繊維製品
WO2018174176A1 (ja) 帯電濾材及び帯電濾材の製造方法
EP3331618A1 (de) Kartusche für eine atemschutzmaske und atemschutzmaske
US10682613B2 (en) Adsorptive liquid filter
JP2014173868A (ja) カートリッジフィルタ
JP2014059280A (ja) 吸着カートリッジ
JP2009112887A (ja) 濾過材およびその製造方法、並びにカートリッジフィルター
JP2014032066A (ja) 放射性物質吸着材
JP2013071058A (ja) フィルタおよびフィルタ装置
JP6504436B2 (ja) 放射性物質吸着材、放射性物質吸着カートリッジ及び放射性物質のモニタリング装置
KR20140019636A (ko) 정수기용 필터 및 이를 포함하는 정수기
JP2014180585A (ja) フィルタ
JP5854463B2 (ja) セシウム吸収材
JP6531889B2 (ja) 放射性セシウム吸着カートリッジ及び放射性セシウムのモニタリング装置
DE202006007518U1 (de) Adsorptionsfiltermaterial mit integrierter Partikel- und/oder Aerosolfilterfunktion
JP2015016654A (ja) フィルタの分解方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170517

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6150279

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250