JP2014224404A - 橋梁および橋梁用制震ダンパー - Google Patents

橋梁および橋梁用制震ダンパー Download PDF

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【課題】新規な橋梁用制震ダンパーの提供【解決手段】橋梁用制震ダンパー108は、中間プレート141と、中間プレート141の両面にそれぞれ対向するように配置されたサイドプレート144、145と、中間プレート141の両側において、中間プレート141とサイドプレート144、145との間にそれぞれ取り付けられたダンパーユニット142、143とを備えている。ここで、ダンパーユニット142、143は、中間プレート141に取り付けられた第1連結板201と、サイドプレート144、145に取り付けられ、第1連結板201に対向配置された第2連結板202と、第1連結板201と第2連結板202との間に配置され、第1連結板201と第2連結板202とに接着された粘弾性体203とを備えている。【選択図】図4

Description

本発明は、橋梁および橋梁用制震ダンパーに関する。
橋梁は、橋桁と、橋桁を支持する支持構造体(橋台又は橋脚)と、橋桁と支持構造体との間に配置された支承とを備えている。橋桁は、温度変化に対する影響で伸縮する。橋桁の歪はそれ程大きくない。しかし、橋桁は橋軸に沿って長い部材である。このため、伸縮量は、数センチから数十センチに達する場合がある。かかる橋桁の熱による伸縮を吸収するため、橋桁と、支持構造体(橋台又は橋脚)とは剛結せず、橋桁と支持構造体との間に支承が配置されている。支承は、沓(シュー)とも称され、支持構造体に対する橋桁の変位を吸収しうる構造を備えている。支承には、色々な種類がある。例えば、固定支承は、回転変位のみを許容し、鉛直荷重と水平荷重を支持する。可動支承は、鉛直荷重を支持し、支持構造体に対する橋桁の水平方向の変位は許容する。橋桁の両端を橋台によって支持する場合、橋桁の一端を固定支承とし、他端を可動支承とする。これにより、橋軸に沿った当該橋桁の伸縮を許容することができる。しかしながら、橋桁の一端を固定支承とし、他端を可動支承とする場合、地震動に伴う荷重が固定支承に集中し易く、固定支承が設けられた支持構造体へ負荷が集中する。
このように地震時に固定支承に負荷が集中するのを緩和するため、水平力を分散させることができる水平力分散支承が提案されている。かかる水平力分散支承には、振動を減衰させる装置としてオイルダンパーや、鉛プラグ入り積層ゴム支承などの減衰機能を備えた装置を組み合わせた構造が知られている(例えば、実開平5−3315号公報、特開平2007−32046号公報)。また、水平力分散支承として、高減衰ゴムと鋼板とを交互に複数枚積層した積層ゴムを用いた構造も提案されている(例えば、特開2011−33194号公報)。また、特開平2009−256982号公報には、間隔をあけて配置された複数の橋脚で複数の橋桁を連続的に支持して構成された橋梁群について、橋桁に作用する主桁方向の衝撃を緩衝する緩衝装置を設けることが提案されている。当該緩衝装置として、同公報には、ピストンシリンダ機構を有するダンパを用いることが提案されている。
実開平5−3315号公報 特開平2007−32046号公報 特開2011−33194号公報 特開平2009−256982号公報
橋梁の支承構造では、地震動に対する橋桁の揺れを小さくし、かつ、地震動を早期に減衰させることができるように、地震動を減衰させる構造を設けることが望ましい。かかる地震動を減衰させる構造は、構造的にコンパクトかつ軽量とし、橋脚への負荷を小さく抑えることが望まれる。
ここで、地震動を減衰させる構造として、シリンダ型のオイルダンパーなどは、シリンダ軸線に沿った一方向には減衰機能を発揮するが、シリンダ軸線に直交する方向には機能しない。このため、シリンダの軸方向を変位させるクレビス構造を組み合わせることや、複数のオイルダンパーを非平行に取り付けることなどが提案されている。この場合、構造は複雑になるが、それでもシリンダ型のオイルダンパーでは、橋桁の可動方向に沿った全方向に均一に減衰機能を発揮させるには至らない。また、シリンダ型のオイルダンパーは、経年的にはオイルが漏れるなどの問題が生じ得る。このため、メンテナンスの頻度を高くする必要がある。また、オイルダンパーは、速度依存性がある。例えば、橋桁のゆっくりとした変位や、長周期の振動に対しては抵抗が小さくなるが、直下型の地震動のように、短周期の振動に対しては抵抗が高くなる。
また、水平な面に対して全方向に機能させることができる減衰装置として、積層ゴムがある。積層ゴムは、所要の鉛直荷重を支持する必要があるため、減衰ゴムと、鋼板とを交互に複数枚積層する構造である。かかる積層ゴムは、製造上割高であり、コストが嵩み易く、かつ、設置するスペースに所要の高さや面積を要する。
ここで提案される橋梁は、上部構造体と、上部構造体を支持する可動支承を備えた支持構造体と、上部構造体と前記支持構造体との間に配置された制震ダンパーとを備えている。ここで、制震ダンパーは、上部構造体と前記支持構造体とのうち一方の部材に取り付けられ、支持構造体に対して上部構造体が動く可動方向に沿って配置された中間プレートと、上部構造体と支持構造体とのうち他方の部材に取り付けられ、中間プレートの上下両面にそれぞれ対向するように配置されたサイドプレートと、中間プレートの上下両側において、中間プレートとサイドプレートとの間にそれぞれ取り付けられたダンパーユニットとを備えている。ダンパーユニットは、中間プレートに取り付けられた第1連結板と、サイドプレートに取り付けられ、第1連結板に対向配置された第2連結板と、第1連結板と第2連結板との間に配置され、第1連結板と第2連結板とに接着された粘弾性体とを備えている。粘弾性体は、第1連結板と第2連結板とのうち、少なくとも第1連結板と第2連結板とが対向する面と当該面に隣接する側面とに接着されている。
この場合、粘弾性体は、単純に、第1連結板と第2連結板とのうち、少なくとも第1連結板と第2連結板とが対向する面と当該面に隣接する側面とに接着されている。このため、積層ゴムを用いる場合に比べて安価に製造されうる。また、上部構造体と支持構造体とが相対的に変位した場合に、粘弾性体に作用する応力が集中するのを緩和できる。
また、ダンパーユニットは、例えば、中間プレートの上下両側において同じ位置に配置されていてもよい。また、第1連結板と中間プレートとは着脱可能に取り付けられていてもよい。
また、中間プレートの上下両側において、第1連結板と中間プレートとの間にはそれぞれ配置された中間接続プレートを備えていてもよい。この場合、第1連結板は、中間接続プレートを介して中間プレートに取り付けられていてもよい。また、第1連結板は、中間接続プレートに取り付けられる面を除いて粘弾性体に覆われていてもよい。
また、中間接続プレートと第1連結板とが当接する面には、窪みまたは穴が形成されており、中間接続プレートと第1連結板とからせん断力を受ける第1キーが装着されていてもよい。この場合、第1キーは円板であり、第1キーが嵌る窪みまたは穴は円形であるとよい。
また、第1連結板は、粘弾性体が接着された領域からはみ出るように延びていてもよい。この場合、粘弾性体が接着された領域から当該第1連結板がはみ出た部位において、第1連結板が中間プレートに取り付けられているとよい。
また、第1連結板は、粘弾性体が接着された側の側面において、粘弾性体が接着された領域に平坦な段差が設けられていてもよい。この場合、粘弾性体は、当該第1連結板のうち、平坦な段差において第2連結板に対向する面と当該段差の側面とに接着されているとよい。第2連結板とサイドプレートとは、着脱可能に取り付けられていてもよい。
また、サイドプレートと第2連結板とが当接する面には、窪みまたは穴が形成されていてもよい。この場合、サイドプレートと第2連結板とからせん断力を受ける第2キーが装着されているとよい。この場合、第2キーは円板であり、第2キーが嵌る窪みまたは穴は円形であってもよい。
また、第1連結板と前記第2連結板は矩形または円形であってもよい。また、第1連結板と前記第2連結板は、矩形であり、かつ、周縁角部にR加工が施されていてもよい。
また、粘弾性体は、高減衰ゴム成形体であってもよい。高減衰ゴム成形体は、例えば、主鎖にC−C結合を有するポリマーからなる基材ゴムに、該基材ゴム100重量部に対して100〜150重量部のシリカを添加し、該シリカに対してシラン化合物を10重量%〜30重量%の割合で配合したゴムであるとよい。
また、橋梁は、中間プレートまたはサイドプレートのうち何れか一方を上部構造体に取り付ける第1取付部材を備えていてもよい。また、橋梁は、中間プレートまたはサイドプレートのうち何れか一方を、支持構造体に取り付ける第2取付部材を備えていてもよい。
また、ここで提案される橋梁用制震ダンパーは、中間プレートと、中間プレートの両面にそれぞれ対向するように配置されたサイドプレートと、中間プレートの両側において、前記中間プレートとサイドプレートとの間にそれぞれ取り付けられたダンパーユニットとを備えている。ここで、ダンパーユニットは、中間プレートに取り付けられた第1連結板と、サイドプレートに取り付けられ、第1連結板に対向配置された第2連結板と、第1連結板と第2連結板との間に配置され、第1連結板と第2連結板とに接着された粘弾性体とを備えている。ここで粘弾性体は、第1連結板と第2連結板とのうち、少なくとも第1連結板と第2連結板とが対向する面と当該面に隣接する側面とに接着されている。
図1は、橋梁の一実施形態を示す図である。 図2は、橋梁に取り付けられた制震ダンパーの側面図である。 図3は、制震ダンパーが取り付けられた部位について、橋軸Lに対して直交する断面図である。 図4は、制震ダンパーの側面図である。 図5は、制震ダンパーの平面図である。 図6は、制震ダンパーのダンパーユニットの上面を露出させた状態を示す平面図である。 図7は中間プレートの側面図である。 図8は中間プレートの平面図である。 図9はサイドプレートの側面図である。 図10はサイドプレートの平面図である。 図11は、図4中のXI−XIに沿った制震ダンパーの部分断面図である。 図12は、ダンパーユニットの断面図である。 図13は、粘弾性体の実測ヒステリシス曲線の模式図である。 図14は、橋梁に取り付けられた制震ダンパーの側面図である。 図15は、橋梁に取り付けられた制震ダンパーの側面図である。 図16は、制震ダンパーの平面図である。 図17は、制震ダンパーの粘弾性体にせん断変位が生じた状態を模式的に示している。 図18は、比較例としての制震ダンパー108Aを示す側面図である。 図19は、制震ダンパーの取り付け構造について変形例を示す側面図である。 図20は、制震ダンパーの取り付け構造について変形例を示す側面図である。 図21は、制震ダンパーの変形例を示す側面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る橋梁および橋梁用制震ダンパーを図面に基づいて説明する。なお、ここで説明および図示される橋梁および橋梁用制震ダンパーは、本発明の一実施形態に過ぎない。また、同じ作用を奏する部材または部位には、適宜に同じ符号を付している。また、各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。また、各図面は一例を示すのみであり、特に言及されない限りにおいて本発明を限定しない。
≪橋梁100≫
図1は、橋梁100を示す図である。橋梁100は、図1に示すように、上部構造体102と、支持構造体104と、制震ダンパー108とを備えている。ここで、上部構造体102には、橋桁や床版などが含まれる。また、支持構造体104は、上部構造体102(橋桁や床版など)を支持する部材である。支持構造体104には、橋脚121、122や橋台123、124が含まれる。橋脚121、122は、橋梁の中間に設置されて上部構造体102を支える橋の下部構造であり、橋台123、124は、橋梁の端部に設置されて上部構造体102を支える橋の下部構造である。
≪橋脚121、122、橋台123、124≫
この実施形態では、橋脚121、122は、基礎部121a、122aを有している。基礎部121a、122aは地面10に埋設されている。橋脚121、122は、地面10に埋設された基礎部121a、122aから立った状態で設置されている。橋脚121、122の上端には、上部構造体102を直接支持する支承を設置する支承設置部121b、122bが設けられている。橋台123、124は、概ね地面10に埋設されている。地面10から露出した橋台123、124の上部には、上部構造体102を直接支持する支承を設置する支承設置部123a、124aが設けられている。
≪上部構造体102≫
ここで、上部構造体102のうち、例えば、橋桁は、一般的な鋼橋やコンクリート橋などでは、長さが数メートルから数十メートルに達する鋼板製の長軸の部材であり、温度環境の変化に伴う熱膨張と熱収縮によって伸縮する。伸縮量としては、数センチ、場合によっては、数十センチに達する。かかる上部構造体102の熱による伸縮を吸収するため、上部構造体102と、支持構造体104(橋台123、124または橋脚121、122)とは、剛結せず、支持構造体104に対する上部構造体102の変位を許容しうる構造としている。
この実施形態では、支持構造体104は、上部構造体102を支持する可動支承106を備えている。上部構造体102は、可動支承106によって、支持構造体104に対して変位が許容されている。上部構造体102と支持構造体104との間には、制震ダンパー108が設けられている。図2は、橋梁100に取り付けられた制震ダンパー108の側面図である。また、図3は、制震ダンパー108が取り付けられた部位について、橋軸Lに対して直交する断面図である。ここでは、可動支承106は、特に模式的に描かれている。
≪可動支承106≫
ここで、可動支承106は、上部構造体102と支持構造体104との間に介在し、上部構造体102の鉛直荷重を支持する部材である。この実施形態では、可動支承106は、支持構造体104(ここでは、橋脚121、122と橋台123、124)に対して上部構造体102が変位するのを許容する部材である。可動支承106によって、上部構造体102は、橋脚121、122と橋台123、124に対して、橋軸Lの方向のみならず、橋軸Lに対して幅方向に移動することが許容されている。また、可動支承106によって、上部構造体102は、橋軸Lの方向および幅方向に対して、斜めに移動することも許容されている。なお、上部構造体102の支承構造によって、上部構造体102が支持構造体104に対して橋軸Lの方向に移動することが許容されているが、幅方向には移動が規制されている場合もある。かかる可動支承106は、滑り支承や転がり支承などで構成するとよい。支持構造体104に対する上部構造体102の可動領域を拘束するため、支持構造体104と上部構造体102との間には、適宜に固定支承(図示省略)やストッパ(図示省略)が設けられている。
ここでは、図1に示すように、支持構造体104の上部に可動支承106を設置する支承設置部123a、124aが設けられている。可動支承106は、図3に示すように、上部構造体102の幅方向W(橋軸直交方向とも称される。)に離れた少なくとも2箇所(図3に示す例では2箇所)に、可動支承106が設けられている。上部構造体102は、かかる可動支承106に支持されている。可動支承106は、支持構造体104の上部において、長さ方向に沿った橋軸Lの周りに回転しないように上部構造体102を支持する。また、図3に示す例では、支承設置部123a、124aには、可動支承106の間に制震ダンパー108が設けられている。ここで、制震ダンパー108は、上部構造体102と支持構造体104との間に介在し、上部構造体102に作用する水平力を減衰させる部材である。
≪制震ダンパー108≫
図4は、制震ダンパー108の側面図である。この実施形態では、制震ダンパー108は、図4に示すように、中間プレート141と、ダンパーユニット142、143と、サイドプレート144、145とを備えている。図5は、制震ダンパー108の平面図である。図6は、制震ダンパー108からサイドプレート144を取り外し、ダンパーユニット142の上面を露出させた状態を示す平面図である。なお、図4は、ダンパーユニット142、143について、図5のIV−IV断面図である。
≪中間プレート141≫
中間プレート141は、上部構造体102と支持構造体104とのうち一方の部材(図2に示す例では、上部構造体102)に取り付けられている。そして、中間プレート141は、支持構造体104に対して上部構造体102が動く方向に沿って配置されている。図7は中間プレート141の側面図であり、図8は中間プレート141の平面図である。この実施形態では、中間プレート141は、図2に示すように、ダンパーユニット142、143が取り付けられる平板状の部材である。図8において、後述する中間接続プレート206、207が取り付けられる部位は2点鎖線Aで示されている。中間プレート141には、図8に示すように、中間接続プレート206、207を取り付けるボルト挿通穴220が形成されている。
図7および図8に示すように、中間プレート141の一端には取付片151が設けられている。取付片151は、板状の部材であり、中間プレート141に対して直交するように取り付けられている。中間プレート141の一端と取付片151との交差部分には、リブ152が取り付けられている。中間プレート141と、取付片151と、リブ152は、それぞれ溶接されている。この実施形態では、リブ152は、取付片151と中間プレート141との角部において、中間プレート141の両面にそれぞれ幅方向に離れた4箇所に取り付けられている。この制震ダンパー108では、図2に示すように、中間プレート141の両面にそれぞれダンパーユニット142、143が取り付けられている。
≪サイドプレート144、145≫
サイドプレート144、145は、上部構造体102と支持構造体104とのうち他方の部材に取り付けられ、中間プレート141の上下両面にそれぞれ対向するように配置されている。サイドプレート144、145は、図2に示すように、中間プレート141の両側面に取り付けられたダンパーユニット142、143に対して、中間プレート141とは反対側の面にそれぞれ取り付けられている。サイドプレート144、145は、中間プレート141に対してせん断方向に変位可能な部材である。図9はサイドプレート144、145の側面図である。図10はサイドプレート144、145の平面図である。この実施形態では、サイドプレート144、145は、ダンパーユニット142、143が取り付けられる平板状の部材である。図10において、ダンパーユニット142、143が取り付けられる部位は2点鎖線Bで示されている。
サイドプレート144、145には、図9および図10に示すように、それぞれダンパーユニット142、143が取り付けられる部位にせん断力を受けるキー180を取り付ける窪み182が形成されている。また、サイドプレート144、145には、ダンパーユニット142、143を取り付けるためのボルト孔183が形成されている。
図9および図10に示すように、サイドプレート144、145の一端には取付片161が設けられている。取付片161は、板状の部材であり、サイドプレート144、145に対して直交するように取り付けられている。サイドプレート144、145の一端と取付片161との交差部分には、リブ162が取り付けられている。サイドプレート144、145と、取付片161と、リブ162は、それぞれ溶接されている。この実施形態では、リブ162は、サイドプレート144、145のダンパーユニット142、143が取り付けられる側とは反対側の面と、取付片161との角部において、幅方向に離れた4箇所に取り付けられている。なお、図4中、サイドプレート144、145は、サイドプレート144、145とダンパーユニット142、143を締結するボルト184の頭部が露出するように、リブ162の一部が切り欠かれた状態で描かれている。
≪ダンパーユニット142、143≫
ここで、図4は、制震ダンパー108の部分断面図であり、ダンパーユニット142、143については縦断面図(図5中のIV−IV断面)が描かれている。図5は制震ダンパー108の平面図である。図6は制震ダンパー108のサイドプレート144を取り外し、ダンパーユニット142、143を露出させた状態を示す制震ダンパー108の平面図である。図11は、ダンパーユニット142を横断する、図4中のXI−XIに沿った制震ダンパー108の部分断面図である。図12は、ダンパーユニット142、143の断面図(図5中のIV−IV断面に準じる断面図)である。
ダンパーユニット142、143は、図4に示されているように、中間プレート141の上下両側において、中間プレート141とサイドプレート144、145との間にそれぞれ取り付けられている。ここで、ダンパーユニット142、143は、図12に示すように、第1連結板201と、第2連結板202と、粘弾性体203とを備えている。
《第1連結板201、中間接続プレート206、207》
ここで、第1連結板201は、中間プレート141に取り付けられる部材である。この実施形態では、第1連結板201と中間プレート141とは着脱可能に取り付けられている。この実施形態では、第1連結板201と中間プレート141との間には、中間接続プレート206、207が配置されており、それぞれボルト216およびボルトナット(222、224)によって取り付けられている。
つまり、この実施形態では、図4に示すように、中間プレート141の両側において、第1連結板201と中間プレート141との間にはそれぞれ中間接続プレート206、207が配置されている。ダンパーユニット142、143の第1連結板201は、中間接続プレート206、207を介して中間プレート141に取り付けられている。
具体的には、この実施形態では、第1連結板201は、所要の剛性を備えた略正方形の鋼板で構成されている。中間接続プレート206、207は、第1連結板201よりも一回り大きな略正方形の鋼板で構成されている。第1連結板201には、図4に示すように、中間接続プレート206、207が取り付けられる側の面に、ボルト216が螺合するねじ穴217が形成されている。また、中間接続プレート206、207が取り付けられる側の面には、キー204(第1キー)が装着される窪み210が形成されている。窪み210は、図11に示すように、第1連結板201の中央部において、略円形に形成されている。ねじ穴217は、図11に示すように、キー204が装着される窪み210の周囲に配置されている。この実施形態では、ねじ穴217は、第1連結板201の矩形の周縁に沿って複数均等に配置されている。
中間接続プレート206、207には、第1連結板201の窪み210に合わせて、キー204が装着される穴212が中間接続プレート206、207の中央部に略円形に形成されている。このように、中間接続プレート206、207と第1連結板201とが当接する面には、キー204が装着される窪み210または穴212が形成されている。そして、中間接続プレート206、207と第1連結板201には、中間接続プレート206、207と第1連結板201とからせん断力を受けるキー204が装着されている。
このように中間接続プレート206、207と第1連結板201との間にキー204を装着することによって、中間プレート141と第1連結板201とは所要のせん断力を受けることができる。また、ボルト216の損傷を防止できる。ここで、キー204は円板であり、窪み210または穴212は円形である。この場合、第1連結板201と中間接続プレート206、207とから受けるせん断力の方向に対して、せん断力の方向に関わらず、所要の抗力を発揮することができる。ただし、キー204の形状は、円形に限定されない。
また、第1連結板201と中間接続プレート206、207とは、ボルト216で締結されている。ここで、中間接続プレート206、207には、第1連結板201に形成されたねじ穴217に合わせて、ボルト216の頭が嵌り込むザグリ穴218が形成されている。そして、当該ザグリ穴218に取り付けられたボルト216を第1連結板201に形成されたねじ穴217に螺合させることによって、第1連結板201と中間接続プレート206、207とが締結されている。ここで、ザグリ穴218は、ボルト216の頭部が完全に中間接続プレート206、207に収まるように、所要の深さで形成されている。これにより、中間接続プレート206、207と中間プレート141とを当接させることができる。なお、この実施形態では、ボルト216の頭部が完全に収まるザグリ穴218が、中間接続プレート206、207に形成されている。これに限らず、中間プレート141に、ボルト216の頭部が収まる穴を形成してもよい。
また、中間接続プレート206、207は、第1連結板201からはみ出ている。図4および図6に示すように、中間接続プレート206、207が第1連結板201からはみ出た部位には、ボルト挿通穴220が形成されている。中間プレート141にも、中間接続プレート206、207に合わせてボルト挿通穴220が形成されている。そして、当該ボルト挿通穴220に挿通されたボルト222と当該ボルト222に取り付けられたナット224とによって、中間接続プレート206、207と中間プレート141とが締結されている。
かかる構造によって、中間プレート141の両側のダンパーユニット142、143をボルト216およびボルトナット(222、224)で取り付けることができる。これにより、中間プレート141に対して、ダンパーユニット142、143が着脱可能に取り付けられている。
《第2連結板202》
次に、第2連結板202は、サイドプレート144またはサイドプレート145に取り付けられる部材であり、第1連結板201に対向配置されている。この実施形態では、第2連結板202とサイドプレート144、145とは、着脱可能に取り付けられている。この実施形態では、第2連結板202とサイドプレート144、145とは、ボルト184によって取り付けられている。また、第2連結板202とサイドプレート144、145との間には、キー180が装着されている。
この実施形態では、第2連結板202は、第1連結板201と同様に、所要の剛性を備えた略正方形の鋼板で構成されている。第2連結板202には、図4および図6に示すように、サイドプレート144、145が取り付けられる側の面に、ボルト184が螺合するねじ穴226が形成されている。また、当該面には、キー180(第2キー)が装着される窪み228が形成されている。当該窪み228は、図6に示すように、第1連結板201の中央部において、略円形に形成されている。ねじ穴226は、図6に示すように、キー204が装着される窪み228の周囲に配置されている。この実施形態では、ねじ穴226は、第2連結板202の矩形の周縁に沿って複数均等に配置されている。
また、第2連結板202には、サイドプレート144、145に当接する面に、窪みまたは穴(この実施形態では、窪み228)が形成されている。当該窪み228は、サイドプレート144、145に形成された窪み182に位置を合わせて形成されている。そして、当該第2連結板202の窪み228とサイドプレート144、145の窪み182には、サイドプレート144、145と第2連結板202とからせん断力を受けるキー180(第2キー)が装着されている。この実施形態では、キー180は、円板であり、キー180が嵌る窪みまたは穴(この実施形態では、窪み182、228)は円形である。
このようにサイドプレート144、145と第2連結板202との間にキー180を装着することによって、サイドプレート144、145と第2連結板202とは所要のせん断力を受けることができる。また、サイドプレート144、145と第2連結板202とを締結するボルト184の損傷を防止できる。また、キー180は円板であり、窪み182、228はそれぞれ円形である。この場合、第2連結板202とサイドプレート144、145とから受けるせん断力の方向に関わらず、所要の抗力を発揮することができる。ただし、キー180の形状は、円形に限定されない。
かかる構造によって、サイドプレート144、145とダンパーユニット142、143は、ボルト184によって取り付けられている。かかるボルト184を取り外すことによって、サイドプレート144、145からダンパーユニット142、143を取り外すことができる。上述したように、この実施形態では、ダンパーユニット142、143は、中間プレート141とサイドプレート144、145との間に配置され、中間プレート141との間に中間接続プレート206、207を介在させ、それぞれボルト184、216およびボルトナット222、224によって取り付けられている。このため、ボルト184、216およびボルトナット222、224を取り外すことによって、ダンパーユニット142、143と、中間プレート141と、サイドプレート144、145と、中間接続プレート206、207とは、それぞれ取り外すことができる。このため、各部品のメンテナンスや交換が容易に行える。
《粘弾性体203》
次に、粘弾性体203は、第1連結板201と第2連結板202との間に配置され、第1連結板201と第2連結板202とに接着されている。また、粘弾性体203は、第1連結板201と第2連結板202とのうち、少なくとも第1連結板201と第2連結板202とが対向する面と当該面に隣接する側面とに接着されている。この実施形態では、粘弾性体203は、第1連結板201と第2連結板202との間において、第1連結板201と第2連結板202を覆うように配置された矩形のゴム成形体である。
粘弾性体203には、例えば、高減衰性を有する粘弾性ゴム(高減衰ゴム)を用いることができる。かかる高減衰ゴムには、例えば、天然ゴム,スチレンブタジエンゴム(SBR),ニトリルブタジエンゴム(NBR),ブタジエンゴム素材(BR),イソプレンゴム(IR),ブチルゴム(IIR),ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR),クロロプレンゴム(CR)のゴム素材に、高減衰性を発揮する添加剤を加えて生成された高減衰性ゴム組成物を用いることができる。高減衰性を発揮させうる添加剤としては、例えば、カーボンブラックやシラン化合物など、種々の添加剤が知られている。また、ここでは、粘弾性体203は、ある程度以上のせん断歪(せん断変位/厚さ(高さ))が許容されるとよく、例えば、150%以上、より好ましくは200%以上のせん断歪が許容される材料を選択するとよい。
図13は、粘弾性体に生じたせん断変位と、せん断荷重との関係を示すヒステリシスループA(実測ヒステリシス曲線)が模式的に示されている。図13中、横軸はせん断方向の変位を示し、縦軸はその際のせん断荷重を示している。かかるヒステリシスループAによれば、粘弾性体に生じたせん断変位が増加するにつれてせん断荷重が高くなり、抵抗力が大きくなることが分かる。この粘弾性体は、せん断変形を伴う振動を受けると、一周期毎に、当該ヒステリシスループAで囲まれたエネルギに相当するエネルギを吸収し得る。
この実施形態では、粘弾性体203は、第1連結板201と第2連結板202を覆うように配置され、第1連結板201と第2連結板202とに接着されている。ここでは、粘弾性体203は、基材としてゴムを用い、加硫成形する際に、第1連結板201と第2連結板202とに加硫接着させることができる。図示は省略するが、例えば、ゴム素材を成形する金型のキャビティー空間の対向する側面に、第1連結板201と第2連結板202(図12参照)とを対向配置する。金型のキャビティー空間は、第1連結板201と第2連結板202の対向する面201a、202aおよび周側面201b、202bが覆われるように構築されている。そして、当該第1連結板201と第2連結板202との間の所定のキャビティー空間に、ゴム素材を入れて加硫成形するとよい。これにより、粘弾性体203は、図12に示すように、第1連結板201と第2連結板202の互いに対向する面201a、202a、および、周側面201b、202bに接着した状態で成形される。
なお、この実施形態では、第1連結板201と第2連結板202とが対向する領域に、金型のキャビティー空間が形成されている(図12参照)。さらに、金型は、第1連結板201と第2連結板202の周側面201b、202bから少し離れて、金型側面L1、L2(ここでは、L1、L2は、仮想的に金型側面の位置を示している。)が配置されている。このため、第1連結板201と第2連結板202の周側面201b、202bと、金型側面L1、L2との間に隙間が形成されている。さらに、第1連結板201と第2連結板202は、それぞれ対向する面201a、202aとは反対側の面の周縁部201c、202cに段差が形成されている。そして、当該対向する面201a、202aとは反対側の面に当接する金型面L3、L4(ここでは、L3、L4は、仮想的に金型面の位置を示している。)と周縁部201c、202cとの間には、隙間が形成されている。
このため、粘弾性体203は、第1連結板201と第2連結板202とが対向する領域に成形されている。さらに、粘弾性体203は、第1連結板201と第2連結板202の周側面201b、202bを覆い、さらに、第1連結板201と第2連結板202が対向する面201a、202aとは反対側の面の周縁部201c、202cにも成形されている。また、ここでは、粘弾性体203は、第1連結板201と第2連結板202とが対向する面201a、202aと、第1連結板201と第2連結板202との周側面201b、202b(対向する面201a、202aに隣接する面)とに加硫接着されている。さらに、粘弾性体203は、第1連結板201と第2連結板202が対向する面201a、202aとは反対側の面の周縁部201c、202cにも加硫接着されている。
この実施形態では、第1連結板201と第2連結板202との距離は、凡そ60mm程度であり、粘弾性体203は、単純な高減衰性を有する粘弾性ゴム(高減衰ゴム)の成形体である。つまり、粘弾性体203は、積層ゴムのように鋼板が含まれておらず、純粋に粘弾性ゴム(高減衰ゴム)の成形体である。この制震ダンパー108は、図2に示すように、中間プレート141とサイドプレート144、145との間で、上部構造体102から受けうる荷重を実質的に支持することができない。つまり、この制震ダンパー108は、粘弾性体203を圧縮させるような荷重を継続して受けることができない。
仮に、上部構造体102から制震ダンパー108に鉛直荷重が作用すると、中間プレート141とサイドプレート144、145との間に配置された粘弾性体203を圧縮させるように荷重が作用する。粘弾性体203は、過度の圧縮荷重が継続して作用するとクリープ(応力緩和)が生じ、成形された形状が維持できなくなる。この実施形態では、図1から図3に示すように、上部構造体102は、上部構造体102と支持構造体104との間に設けられた支承(可動支承106)によって支持されている。このため、上部構造体102から制震ダンパー108に鉛直荷重は作用しない。つまり、この制震ダンパー108は、薄いゴム板と鋼板とが交互に積層され、圧縮荷重を支持することができる積層ゴム(例えば、鉛プラグ入り積層ゴム支承)などと明確に区別される。また、この制震ダンパー108は、積層ゴムに比べて安価に製造できる。制震ダンパー108は、同程度のせん断変位を許容する場合には積層ゴムに比べて薄くできる。反対に、上部構造体102と支持構造体104との間隔が同じであれば、この制震ダンパー108は、積層ゴムよりも大きいせん断変位を許容しうる。
≪粘弾性体203の厚さ(第1連結板201と第2連結板202の距離)≫
ここで、粘弾性体203の厚さ(第1連結板201と第2連結板202の距離)は、例えば、10mm以上、好ましくは25mm以上、より好ましくは30mm以上、さらに好ましくは40mm以上、さらには60mm以上であるとよい。粘弾性体203は、同じ材料であれば厚さが厚い程、せん断変位を許容できる。つまり、例えば、粘弾性体203が200%程度のせん断歪(せん断変位/厚さ(高さ))を許容する場合には、粘弾性体203の厚さが25mm以上であれば、上部構造体102と支持構造体104の水平変位を50mm程度許容できる。また、粘弾性体203の厚さが30mm以上であれば60mmの水平変位を許容できる。さらに粘弾性体203の厚さが40mm以上であれば、80mmの水平変位が許容できる。このように、粘弾性体203の厚さは、厚いほど上部構造体102と支持構造体104の水平変位を許容できる。
≪耐候性ゴム≫
なお、図示は省略するが、粘弾性体203を覆うように耐候性ゴムを備えていてもよい。ここでは、耐候性ゴムは、シート状のゴムであり、粘弾性体203の外周を覆うように、例えば、粘弾性体203の周囲に巻かれているとよい。耐候性ゴムは、粘弾性体203の挙動を阻害しない程度に、適度に軟らかいシート状のゴムを採用するとよい。ここで、耐候性ゴムに用いられ得るゴムとしては、例えば、クロロプレンアクリロゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)などが挙げられる。
《ダンパーユニット142、143の取り付け(制震ダンパー108の構築)》
このダンパーユニット142、143は、上述したように中間プレート141の両側にそれぞれ配置されている。そして、中間プレート141の両側において、第1連結板201が中間接続プレート206、207を介して中間プレート141に取り付けられている。さらに、中間プレート141に対向配置されたサイドプレート144、145に、ダンパーユニット142、143の第2連結板202がそれぞれ取り付けられている。粘弾性体203は、第1連結板201と第2連結板202には接着されているが、中間接続プレート206、207や中間プレート141、およびサイドプレート144、145には接着されていない。これにより、中間プレート141、中間接続プレート206、207、ダンパーユニット142、143、サイドプレート144、145からなる制震ダンパー108(図2参照)が組み上げられる。
≪制震ダンパー108の取り付け≫
この制震ダンパー108は、図2に示すように、取付部材171、172を介して、上部構造体102と、支持構造体104(この実施形態では、具体的には、橋台123の支承設置部123a)との間に取り付けられている。
≪取付部材171(第1取付部材)≫
取付部材171(第1取付部材)は、中間プレート141またはサイドプレート144、145のうち何れか一方を上部構造体102に取り付ける部材である。図2に示す実施形態では、取付部材171は、橋梁100の上部構造体102に中間プレート141を取り付ける部材である。取付部材171は、上部構造体102の下面に取り付けられる第1プレート171aと、中間プレート141の取付片151が取り付けられる第2プレート171bと、リブ171cとを備えている。ここでは、取付部材171は、第1プレート171aと第2プレート171bとの端部を直交させ、かつ、その角部にリブ171cを取り付けることによって補強されている。第1プレート171aと第2プレート171bとリブ171cとは溶接されているとよい。この実施形態では、第1プレート171aは、橋梁100の上部構造体102の下面に取り付けられている。第2プレート171bは、上部構造体102の下方に延出し、制震ダンパー108が取り付けられる面が橋台123の支承設置部123aの方に向けられている。
≪取付部材172(第2取付部材)≫
取付部材172(第2取付部材)は、中間プレート141またはサイドプレート144、145のうち何れか一方を、支持構造体104に取り付ける部材である。図2に示す実施形態では、取付部材172は、支持構造体104(具体的には、橋台123の支承設置部123a)とサイドプレート144、145とを取り付ける部材である。取付部材172は、支承設置部123aに取り付けられる第1プレート172aと、サイドプレート144、145の取付片161が取り付けられる第2プレート172bと、リブ172cとを備えている。ここでは、取付部材172は、第1プレート172aと第2プレート172bとの端部を直交させ、かつ、その角部にリブ172cを取り付けることによって補強されている。第1プレート172aと第2プレート172bとリブ172cとは溶接されているとよい。この実施形態では、第1プレート172aは、支承設置部123aの上面に取り付けられている。第2プレート172bは支承設置部123aの上方に延出し、上部構造体102の下部に取り付けられた取付部材171の第2プレート171bに対向している。
図2に示すように、上部構造体102に取り付けられた取付部材171の第2プレート171bと、支承設置部123aに取り付けられた取付部材172の第2プレート172bとは、それぞれ上部構造体102の橋軸方向に向けられて、互いに対向している。この制震ダンパー108の中間プレート141の取付片151は、上部構造体102に取り付けられた取付部材171の第2プレート171bに取り付けられている。また、サイドプレート144、145の取付片161は、支承設置部123aに取り付けられた取付部材172の第2プレート172bに取り付けられている。制震ダンパー108の中間プレート141とサイドプレート144、145、および、取付部材171、172の取り付けは、特に限定されないが、ボルトナットのように、取り外し可能な締結構造を用いるとよい。これにより、制震ダンパー108の交換が容易になる。
なお、制震ダンパー108と、上部構造体102または支持構造体104との間に、初期状態で、粘弾性体203にせん断変形が生じないように調整する調整部材を設けてもよい。かかる調整部材として、この実施形態では、図2に示すように、中間プレート141の取付片151と、取付部材171との間にスペーサ173を介在させている。かかるスペーサ173は、支持構造体104に上部構造体102を設置した初期状態で、粘弾性体203にせん断変形が生じないように、取付部材171に対する中間プレート141の取付位置を調整する部材である。なお、初期状態で、粘弾性体203にせん断変形が生じないように調整する調整部材は、かかるスペーサ173に限定されない。
≪制震ダンパー108の作用≫
図14と図15は、それぞれ橋梁100に取り付けられた制震ダンパー108の側面図である。図14と図15には、それぞれ支持構造体104としての橋台123、124に対して上部構造体102が橋軸Lに沿って変位した状態が示されている。また、図16は、制震ダンパーの平面図である。図16には、支持構造体104としての橋台123、124に対して上部構造体102が橋軸Lに直交する方向に変位した状態が示されている。
制震ダンパー108の中間プレート141は、かかる支持構造体104に対する上部構造体102の可動方向に実質的に平行に配置されている。そして、中間プレート141は上部構造体102と支持構造体104のうち一方の部材(この実施形態では、上部構造体102)に取り付けられている。また、制震ダンパー108のサイドプレート144、145は、上部構造体102と支持構造体104のうち他方の部材(この実施形態では、支持構造体104としての橋台123)に取り付けられている。このため、図14〜図16に示すように、支持構造体104としての橋台123に対して上部構造体102が変位した場合、それに応じて制震ダンパー108の中間プレート141とサイドプレート144、145とが相対的に変位する。かかる中間プレート141とサイドプレート144、145の相対変位に応じて、ダンパーユニット142、143の粘弾性体203はせん断変形する。
ダンパーユニット142、143の粘弾性体203には、支持構造体104としての橋台123、124に対する上部構造体102の移動方向に関わらず、せん断変形が入力される。図13は、粘弾性体203のヒステリシスループを模式的に示している。図13中の横軸は粘弾性体203に作用するせん断変位であり、縦軸は中間プレート141とサイドプレート144、145に作用させるせん断荷重を示している。この制震ダンパー108は、一周期毎に、粘弾性体203に生じるせん断変形に応じて、当該粘弾性体203のヒステリシスループAで囲まれた部分に相当するエネルギを吸収することができる。
なお、この制震ダンパー108では、図2に示すように、中間プレート141の両側において同じ位置にダンパーユニット142、143が取り付けられている。さらに、サイドプレート144、145は、ダンパーユニット142、143の外側に取り付けられている。このため、中間プレート141とサイドプレート144、145とにせん断方向の変位が生じたときに、両側の粘弾性体203から、それぞれ中間プレート141に作用するモーメント(中間プレート141を回転させようとする力)が互いに相殺される。このため、中間プレート141とサイドプレート144、145とは、安定した状態でせん断変位が生じる。
図17は、制震ダンパー108の粘弾性体203にせん断変位が生じた状態を模式的に示している。図17中の矢印a、bは、粘弾性体203に作用するせん断力を示している。また、矢印c、dは、粘弾性体203に作用するモーメントを示している。この場合、制震ダンパー108のせん断力a、bが釣合い、さらにモーメントc、dが釣合う。これにより、制震ダンパー108に安定した状態でせん断変形が生じ、支持構造体104と上部構造体102とが安定した状態で相対変位する。また、サイドプレート144、145は、それぞれモーメントc、dによって、回転する方向に力を受ける。この実施形態では、例えば、取付部材172に取り付けられる取付片161およびリブ162によって、サイドプレート144、145が回転しないように支持されている。
この制震ダンパー108によれば、中間プレート141とサイドプレート144、145とにせん断変位が生じた場合に、ダンパーユニット142、143の粘弾性体203に生じるせん断変形によって所要の抗力が生じる。これにより、橋梁100に生じる振動を早期に減衰させることができる。なお、上記のように、この制震ダンパー108は、上部構造体102の変位に応じて、ダンパーユニット142、143にせん断変形が生じる。このため、制震ダンパー108を構成する中間プレート141、ダンパーユニット142、143、サイドプレート144、145の各部材は、かかるせん断荷重に対して所要の耐力を備えるように設計されているとよい。
また、この制震ダンパー108は、ダンパーユニット142、143の粘弾性体203に作用するせん断変形に応じて抗力が生じるので、地震動のように、短周期の振動に対しても、所要の減衰機能を発揮することができる。また、制震ダンパー108は、基本的には、中間プレート141と、ダンパーユニット142、143と、サイドプレート144、145との5層構造である。この場合、平面視において2つのダンパーユニット142、143が重ねて取り付けられており、設置スペースの割に大きな抵抗力が得られる。
また、図18は、比較例としての制震ダンパー108Aを備えた橋梁100Aを示す。図18では、中間プレート141の両側において、中間プレート141とサイドプレート144、145との間に粘弾性体203Aが配置されている。粘弾性体203Aは、中間プレート141とサイドプレート144、145との対向する面141a、141b、144a、145aに直接接着されている。ここでは、上部構造体102が支持構造体104に対して水平方向に変位し、粘弾性体203Aがせん断変形した状態が描かれている。ここで、比較例としての制震ダンパー108Aは、第1連結板201と第2連結板202(図15参照)がない。粘弾性体203Aは単純な矩形の成形体であり、粘弾性体203Aの上下の端面が直接中間プレート141とサイドプレート144、145に接着された単純な構造である。
この場合、図18に示すように、上部構造体102が支持構造体104に対して水平方向に変位すると、粘弾性体203Aがせん断変形する。この際、中間プレート141とサイドプレート144、145に接着された粘弾性体203Aの上下の端部の周縁は引張荷重が集中しやすい。このため、上部構造体102が支持構造体104に対して大きく水平方向に変位すると、粘弾性体203Aが損傷したり、粘弾性体203Aの接着箇所が損傷したりするなどの原因となりやすい。
これに対して、図2に示す制震ダンパー108では、中間プレート141とサイドプレート144、145との間にダンパーユニット142、143が取り付けられている。ダンパーユニット142、143の粘弾性体203は、中間プレート141とサイドプレート144、145に取り付けられた第1連結板201と第2連結板202を覆っている。ここでは、粘弾性体203は、第1連結板201と第2連結板202とが対向する面201a、202aおよび第1連結板201と第2連結板202との周側面201b、202b(対向する面201a、202aに隣接する面)に加硫接着されている。さらに、この実施形態では、粘弾性体203は、第1連結板201と第2連結板202との周側面201b、202bを廻り込んでおり、第1連結板201と第2連結板202の対向する面201a、202aとは反対側の面の周縁部201c、202cにも加硫接着されている。
この場合、上部構造体102が支持構造体104に対して水平方向に変位すると、図15に示すように、ダンパーユニット142、143がせん断変形する。この際、第1連結板201と第2連結板202に接着された粘弾性体203の上下の端部の周縁は、中間プレート141とサイドプレート144、145には、接着されておらず、当該部位はフリーな状態であり、応力が集中しない。このため、上部構造体102が支持構造体104に対して大きく水平方向に変位しても、粘弾性体203の当該部位が損傷することがない。さらに、この実施形態では、粘弾性体203は、第1連結板201と第2連結板202との周側面201b、202bを廻り込んでおり、第1連結板201と第2連結板202の対向する面201a、202aとは反対側の面の周縁部201c、202cにも加硫接着されている。このため、粘弾性体203は損傷しにくく、かつ、第1連結板201と第2連結板202との接着部分も損傷しにくい。
なお、ここで粘弾性体203は、第1連結板201と第2連結板202とのうち、少なくとも第1連結板201と第2連結板202とが対向する面201a、202aと当該面201a、202aに隣接する側面201b、202bとに接着されているとよい。このとき、粘弾性体203は、第1連結板201と第2連結板202との周側面201b、202bを廻り込んでおり、第1連結板201と第2連結板202の対向する面201a、202aとは反対側の面の周縁部201c、202cに加硫接着されていなくてもよい。また、第1連結板201と第2連結板202の対向する面201a、202aとは反対側の面の周縁部201c、202cには、段差(図12参照)は無くても良い。
図2に示す制震ダンパー108では、上部構造体102が支持構造体104に対して大きく水平方向に変位しても、ダンパーユニット142、143の粘弾性体203に生じる応力集中が緩和される。このため、大きな地震のように上部構造体102に大きな揺れが生じる場合でも、粘弾性体203を適切に機能させることができる。これにより、上部構造体102に生じる揺れを早期に減衰させることができる。
また、この実施形態では、図6および図11に示すように、第1連結板201と第2連結板202は矩形であるとよい。また、第1連結板201と第2連結板202の周縁角部にはR加工が施されている。また、粘弾性体203は、横断面が矩形の柱状に成形されている。そして、当該粘弾性体203の矩形の角部203aには所要の大きさのRが設けられている。これにより、せん断変形する際に当該角部203aへの応力集中が小さく抑えられている。また、所要の大きさのRが設けられていることによって、サイドプレート144、145に対して中間プレート141が変位する方向に対する影響が小さくなる。なお、制震ダンパー108の粘弾性体203は、断面を矩形とすることに限らない。例えば、制震ダンパー108の粘弾性体203は、断面を円形にしてもよい。粘弾性体203は、断面を円形にすることにより、サイドプレート144、145に対して中間プレート141が変位する方向に対する影響が概ね均一になる。
但し、橋梁用の制震ダンパー108としては、上部構造体102と支持構造体104が垂直方向において重なった部分は、橋軸L(図1参照)に沿って長方形である場合が多い。また、粘弾性体203が振動を吸収する機能は、粘弾性体203のせん断変形に対する抵抗に起因する。この際、粘弾性体203のせん断変形に対する抵抗は、せん断方向に対する粘弾性体203の断面積に比例して大きくなる。このため、橋梁用の制震ダンパー108としては、水平方向の横断面において、粘弾性体203の有効面積を広く確保したい。この場合、上部構造体102と支持構造体104が、橋軸Lに沿って垂直方向において重なった部分が橋軸Lに沿った長方形であるので、粘弾性体203は水平方向の断面において矩形であることが有効である。
≪制震ダンパー108の他の取り付け構造≫
また、図1および図2に示すように、上述した実施形態では、制震ダンパー108は、取付部材171、172を介して、上部構造体102と支持構造体104に取り付けられている。制震ダンパー108を取り付ける構造は、かかる形態に限定されない。
例えば、図19および図20は、それぞれ制震ダンパー108の変形例である。図19および図20に示す例では、上部構造体102と支持構造体104とに適当な取付部材171、172が取り付けられている。そして、制震ダンパー108は、当該取付部材171、172を介して、上部構造体102と支持構造体104との間に取り付けられている。
ここで、図19および図20に示す例では、上部構造体102と支持構造体104との間隙が、設置しようとする制震ダンパー108に対して狭い。ここでは、図19および図20に示すように、支持構造体104の側壁104aに、制震ダンパー108を取り付けるための取付部材172が取り付けられている。ここで、取付部材172は、所定の厚さの平板である。また、取付部材171は、上部構造体102の下面に取り付けられており、取付部材172に対向したプレート171bを備えている。
図19は、支持構造体104の側壁104aに取り付けられた取付部材172に、制震ダンパー108のサイドプレート144、145が取り付けられている。また、上部構造体102に取り付けられた取付部材171のプレート171bに制震ダンパー108の中間プレート141が取り付けられている。図20は、支持構造体104の側壁104aに取り付けられた取付部材172に、制震ダンパー108の中間プレート141が取り付けられている。また、上部構造体102に取り付けられた取付部材171のプレート171bに制震ダンパー108のサイドプレート144、145が取り付けられている。このように、制震ダンパー108の中間プレート141は、上部構造体102と支持構造体104とのうち一方の部材に取り付けられているとよく、制震ダンパー108のサイドプレート144、145は、上部構造体102と支持構造体104とのうち他方の部材に取り付けられているとよい。
このように、制震ダンパー108は、当該取付部材171、172を介して、上部構造体102と支持構造体104との間に取り付けられていてもよい。また、図1に示す例では、制震ダンパー108は、支持構造体104として橋台123、124に取り付けられているが、支持構造体104としての橋脚121、122に取り付けられていてもよい。
また、上述した実施形態では、ダンパーユニット142、143の第1連結板201は、中間接続プレート206、207を介して中間プレート141に取り付けられている。ダンパーユニット142、143は、かかる形態に限定されない。例えば、ダンパーユニット142、143の第1連結板201は、中間接続プレート206、207を一体化した形状を有していてもよい。
図21は、制震ダンパー108の変形例を示す側面図である。かかる制震ダンパー108の変形例は、例えば、図21に示すように、粘弾性体203が接着された領域からはみ出るように、第1連結板201Aが延びている。この変形例では、粘弾性体203が接着された領域からはみ出た部位201A1において、第1連結板201Aは中間プレート141に取り付けられている。この場合、図21に示された形態では、第1連結板201Aは、盛り上がった平坦な段差201A2が設けられている。段差201A2は、粘弾性体203が接着された側の側面に設けられている。段差201A2は、粘弾性体203が接着された領域において盛り上がっている。ここでは、第1連結板201Aのうち、平坦な段差201A2において第2連結板202に対向する面201Aaと、当該段差201A2の側面201Ab(対向する面201Aaに隣接する側面)とに、粘弾性体203が接着されている。
この場合、キー204(図4参照)は不要になる。また、第1連結板201と中間接続プレート206、207を取り付けていたボルト216も不要になる。このように、第1連結板201と中間接続プレート206、207を一体化した構造にすることによって、部品点数を少なくできる。また、図21に示す形態では、第1連結板201Aは、絞り加工によって、段差201A2が設けられており、段差201A2の裏面には、窪み201A3が形成されている。かかる絞り加工によって、第1連結板201Aの段差201A2に所要の強度を持たせることができ、かつ、第1連結板201を軽量化できる。なお、第1連結板201Aは、絞り加工によらず、段差201A2を有する形状に成形してもよい。
≪粘弾性体203の好適例≫
ここで、粘弾性体203には、せん断変形に対して、所要の抗力を発揮し、振動を早期に減衰させる機能を奏する高減衰ゴムの成形体が用いられていると良い。かかる高減衰ゴム成形体としては、主鎖にC−C結合を有するポリマーからなる基材ゴム100重量部に対してシリカを100〜150重量部添加し、そのシリカに対してシラン化合物を10重量%〜30重量%配合したものを挙げることができる。
以上、本発明の一実施形態に係る橋梁100および橋梁用制震ダンパー108について、種々を説明したが、本発明は、特段言及されない限りにおいて、上述した何れの実施形態にも限定されない。
例えば、上述した実施形態では、例えば、図2に示すように、中間プレート141の両側において、中間プレート141とサイドプレート144、145との間には、ダンパーユニット142、143がそれぞれ1つずつ配置されている。本発明は、かかる形態に限定されない。例えば、中間プレート141の両側において、中間プレート141とサイドプレート144、145との間には、ダンパーユニット142、143がそれぞれ複数配置されていてもよい。この場合、配置されたダンパーユニット142、143の数に応じて、中間プレート141とサイドプレート144、145との間のせん断変位に対して、より高い抵抗力が発揮される。
また、この制震ダンパー108は、既設の橋梁のように、上部構造体102と支持構造体104との間に設置スペースに制約がある場合でも、取り付けることが可能であり、上部構造体102と支持構造体104との間のせん断変位に対して、所要の減衰力が得られる。また、構造が簡単であり、製造コストや設置に要するコストが安価に抑えられる。このため、橋梁の地震対策に要するコストを大幅に低く抑えることができる。
10 地面
100、100A 橋梁
102 上部構造体
104 支持構造体
104a 支持構造体の側壁
106 可動支承
108、108A 制震ダンパー(橋梁用制震ダンパー)
121、122 橋脚
121a、122a 基礎部
121b、122b 支承設置部
123、124 橋台
123a、124a 支承設置部
141 中間プレート
142、143 ダンパーユニット
144、145 サイドプレート
151 取付片
152 リブ
161 取付片
162 リブ
171 取付部材
171a 第1プレート
171b 第2プレート
171c リブ
172 取付部材
172a 第1プレート
172b 第2プレート
172c リブ
173 スペーサ
180 キー(第2キー)
182 窪み
183 ボルト孔
184 ボルト
201 第1連結板
201a 第1連結板201の第2連結板202に対向する面
201b 周側面
201c 周縁部
201A 第1連結板
201A1 粘弾性体203が接着された領域からはみ出た部位
201A2 段差
201Aa 第1連結板201の第2連結板202に対向する面
201Ab 段差の側面
202 第2連結板
202a 第2連結板202の第1連結板201に対向する面
202b 周側面
202c 周縁部
203、203A 粘弾性体
203a 粘弾性体203の角部
204 キー(第1キー)
206、207 中間接続プレート
210 窪み
212 穴
216 ボルト
217 ねじ穴
218 ザグリ穴
220 ボルト挿通穴
222 ボルト
224 ナット
226 ねじ穴
228 窪み
L 橋軸
L1、L2 金型側面
L3、L4 金型面
W 上部構造体102の幅方向

Claims (34)

  1. 上部構造体と、
    前記上部構造体を支持する可動支承を備えた支持構造体と、
    前記上部構造体と前記支持構造体との間に配置された制震ダンパーと
    を備え、
    前記制震ダンパーは、
    前記上部構造体と前記支持構造体とのうち一方の部材に取り付けられ、前記支持構造体に対して前記上部構造体が動く可動方向に沿って配置された中間プレートと、
    前記上部構造体と前記支持構造体とのうち他方の部材に取り付けられ、前記中間プレートの上下両面にそれぞれ対向するように配置されたサイドプレートと、
    前記中間プレートの上下両側において、前記中間プレートとサイドプレートとの間にそれぞれ取り付けられたダンパーユニットと、
    を備え、
    前記ダンパーユニットは、
    前記中間プレートに取り付けられた第1連結板と、
    前記サイドプレートに取り付けられ、前記第1連結板に対向配置された第2連結板と、
    前記第1連結板と前記第2連結板との間に配置され、前記第1連結板と前記第2連結板とに接着された粘弾性体と
    を備え、
    当該粘弾性体は、前記第1連結板と前記第2連結板とのうち、少なくとも前記第1連結板と前記第2連結板とが対向する面と当該面に隣接する側面とに接着されている、
    橋梁。
  2. 前記ダンパーユニットは、前記中間プレートの上下両側において同じ位置に配置されている、請求項1に記載された橋梁。
  3. 前記第1連結板と前記中間プレートとは着脱可能に取り付けられている、請求項1または2に記載された橋梁。
  4. 前記中間プレートの上下両側において、前記第1連結板と前記中間プレートとの間にそれぞれ配置された中間接続プレートを備え、
    前記第1連結板は、前記中間接続プレートを介して前記中間プレートに取り付けられている、請求項1から3までの何れか一項に記載された橋梁。
  5. 前記第1連結板は、前記中間接続プレートに取り付けられる面を除いて前記粘弾性体に覆われている、請求項4に記載された橋梁。
  6. 前記中間接続プレートと前記第1連結板とが当接する面には、窪みまたは穴が形成されており、前記中間接続プレートと前記第1連結板とからせん断力を受ける第1キーが装着されている、
    請求項1から5までの何れか一項に記載された橋梁。
  7. 前記第1キーは円板であり、前記第1キーが嵌る窪みまたは穴は円形である、請求項6に記載された橋梁。
  8. 前記第1連結板は、前記粘弾性体が接着された領域からはみ出るように延びており、前記粘弾性体が接着された領域から当該第1連結板がはみ出た部位において、前記中間プレートに取り付けられている、請求項1から3までの何れか一項に記載された橋梁。
  9. 前記第1連結板は、前記粘弾性体が接着された側の側面において、前記粘弾性体が接着された領域に平坦な段差が設けられており、
    前記粘弾性体は、当該第1連結板のうち、平坦な段差において前記第2連結板に対向する面と当該段差の側面とに接着されている、
    請求項8に記載された橋梁。
  10. 前記第2連結板と前記サイドプレートとは、着脱可能に取り付けられている、請求項1から9までの何れか一項に記載された橋梁。
  11. 前記サイドプレートと前記第2連結板とが当接する面には、窪みまたは穴が形成されており、前記サイドプレートと前記第2連結板とからせん断力を受ける第2キーが装着されている、請求項1から10までの何れか一項に記載された橋梁。
  12. 前記第2キーは円板であり、前記第2キーが嵌る窪みまたは穴は円形である、請求項11に記載された橋梁。
  13. 前記第1連結板と前記第2連結板は矩形または円形である、請求項1から12までの何れか一項に記載された橋梁。
  14. 前記第1連結板と前記第2連結板は、矩形であり、かつ、周縁角部にR加工が施されている、請求項13に記載された橋梁。
  15. 前記粘弾性体は、高減衰ゴム成形体である、請求項1から14までの何れか一項に記載された橋梁。
  16. 前記高減衰ゴム成形体は、主鎖にC−C結合を有するポリマーからなる基材ゴムに、該基材ゴム100重量部に対して100〜150重量部のシリカを添加し、該シリカに対してシラン化合物を10重量%〜30重量%の割合で配合したゴムである、請求項15に記載された橋梁。
  17. 前記中間プレートまたは前記サイドプレートのうち何れか一方を前記上部構造体に取り付ける第1取付部材を備えた、請求項1から16までの何れか一項に記載された橋梁。
  18. 前記中間プレートまたは前記サイドプレートのうち何れか一方を、前記支持構造体に取り付ける第2取付部材を備えた、請求項1から17までの何れか一項に記載された橋梁。
  19. 中間プレートと、
    前記中間プレートの両面にそれぞれ対向するように配置されたサイドプレートと、
    前記中間プレートの両側において、前記中間プレートとサイドプレートとの間にそれぞれ取り付けられたダンパーユニットと
    を備え、
    前記ダンパーユニットは、
    前記中間プレートに取り付けられた第1連結板と、
    前記サイドプレートに取り付けられ、前記第1連結板に対向配置された第2連結板と、
    前記第1連結板と前記第2連結板との間に配置され、前記第1連結板と前記第2連結板とに接着された粘弾性体と
    を備え、
    当該粘弾性体は、前記第1連結板と前記第2連結板とのうち、少なくとも前記第1連結板と前記第2連結板とが対向する面と当該面に隣接する側面とに接着されている、
    橋梁用制震ダンパー。
  20. 前記ダンパーユニットは、前記中間プレートの両側において同じ位置に配置されている、請求項19に記載された橋梁用制震ダンパー。
  21. 前記第1連結板と前記中間プレートとは着脱可能に取り付けられている、請求項19または20に記載された橋梁用制震ダンパー。
  22. 前記中間プレートの両側において、前記第1連結板と前記中間プレートとの間にそれぞれ配置された中間接続プレートを備え、
    前記第1連結板は、前記中間接続プレートを介して前記中間プレートに取り付けられている、請求項19から21までの何れか一項に記載された橋梁用制震ダンパー。
  23. 前記第1連結板は、前記中間接続プレートに取り付けられる面を除いて前記粘弾性体に覆われている、請求項22に記載された橋梁用制震ダンパー。
  24. 前記中間接続プレートと前記第1連結板とが当接する面には、窪みまたは穴が形成されており、前記中間接続プレートと前記第1連結板とからせん断力を受ける第1キーが装着されている、
    請求項19から23までの何れか一項に記載された橋梁用制震ダンパー。
  25. 前記第1キーは円板であり、前記第1キーが嵌る窪みまたは穴は円形である、請求項24に記載された橋梁用制震ダンパー。
  26. 前記第1連結板は、前記粘弾性体が接着された領域からはみ出るように延びており、前記粘弾性体が接着された領域から当該第1連結板がはみ出た部位において、前記中間プレートに取り付けられている、請求項19から21までの何れか一項に記載された橋梁用制震ダンパー。
  27. 前記第1連結板は、前記粘弾性体が接着された側の側面において、前記粘弾性体が接着された領域に平坦な段差が設けられており、
    前記粘弾性体は、当該第1連結板のうち、平坦な段差において前記第2連結板に対向する面と当該段差の側面とに接着されている、
    請求項26に記載された橋梁用制震ダンパー。
  28. 前記第2連結板と前記サイドプレートとは、着脱可能に取り付けられている、請求項19から27までの何れか一項に記載された橋梁用制震ダンパー。
  29. 前記サイドプレートと前記第2連結板とが当接する面には、窪みまたは穴が形成されており、前記サイドプレートと前記第2連結板とからせん断力を受ける第2キーが装着されている、請求項19から28までの何れか一項に記載された橋梁用制震ダンパー。
  30. 前記第2キーは円板であり、前記第2キーが嵌る窪みまたは穴は円形である、請求項29に記載された橋梁用制震ダンパー。
  31. 前記第1連結板と前記第2連結板は矩形または円形である、請求項19から30までの何れか一項に記載された橋梁用制震ダンパー。
  32. 前記第1連結板と前記第2連結板は、矩形であり、かつ、周縁角部にR加工が施されている、請求項31に記載された橋梁用制震ダンパー。
  33. 前記粘弾性体は、高減衰ゴム成形体である、請求項19から32までの何れか一項に記載された橋梁用制震ダンパー。
  34. 前記高減衰ゴム成形体は、主鎖にC−C結合を有するポリマーからなる基材ゴムに、該基材ゴム100重量部に対して100〜150重量部のシリカを添加し、該シリカに対してシラン化合物を10重量%〜30重量%の割合で配合したゴムである、請求項33に記載された橋梁用制震ダンパー。
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CN107022951A (zh) * 2017-05-18 2017-08-08 石家庄铁道大学 一种连续梁桥分级控制、双向抗震的连接减震装置

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