JP2014224334A - 紙糸を含む織編物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙スリットヤーンを使用した撚糸を織編物に適用しても風合いが柔軟な紙糸を含む織編物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の紙糸を含む織編物は、紙スリットヤーン単独(1)か又はスリットヤーン(1)と他の繊維糸(4,5)に撚りを掛けた撚糸を含み、起毛され紙スリットヤーン(1)の表面には毛羽(30)及び傷(31)を有する。本発明の紙糸を含む織編物の製造方法は、紙スリットヤーン単独か又は前記スリットヤーンと他の繊維糸に撚りを掛けた撚糸を用いて織編物とし、前記織編物を起毛する。この起毛により、紙スリットヤーンの表面のパルプ繊維を剥がして毛羽とし、表面タッチを柔軟にするとともに、紙スリットヤーンに傷をつけることにより紙スリットヤーンの腰又は強度を低下させて柔軟性を上げる。
【選択図】図3

Description

本発明は紙スリットテープ又は紙スリットヤーンを撚糸にし、この撚糸を含む織編物及びその製造方法に関する。
従来から紙スリットテープ又は紙スリットヤーンを撚糸にし、織編物にすることは知られている。このスリットヤーンは紙を原料としており、セルロースが主成分であることから、木綿と同様の吸湿性があり、肌触りや風合いも良く、衣類として利用されている。従来からの提案としては、例えば特許文献1〜3には紙をスリットし、撚りを掛けて糸にすることが提案されている。特許文献4には紙の表面に金や銀の金属の薄膜を形成しておき、スリットし、撚りを掛けて金銀糸にすることが提案されている。特許文献5には紙スリットヤーンの撚りを3倍以上異ならせることにより、絣(かすり)調不均一模様の織物とすることが開示されている。
特開2010−095835号公報 特開2010−037670号公報 特開2003−301397号公報 特開平11−100741号公報 特開2009−007689号公報
しかし、従来の紙スリットヤーン撚糸を織編物に適用すると、風合いが粗硬になるという問題があった。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、紙スリットヤーンを使用した撚糸を織編物に適用しても風合いが柔軟な紙糸を含む織編物及びその製造方法を提供する。
本発明の紙糸を含む織編物は、紙スリットヤーン単独か又は前記スリットヤーンと他の繊維糸に撚りを掛けた撚糸を含む織編物であって、前記織編物は起毛され前記紙スリットヤーンの表面には毛羽及び傷を有することを特徴とする。
本発明の紙糸を含む織編物の製造方法は、前記の紙糸を含む織編物の製造方法であって、紙スリットヤーン単独か又は前記スリットヤーンと他の繊維糸に撚りを掛けた撚糸を用いて織編物とし、前記織編物を起毛することを特徴とする。
本発明は、紙スリットヤーン単独か又は前記スリットヤーンと他の繊維糸に撚りを掛けた撚糸を含む織編物は起毛され前記紙スリットヤーンの表面には毛羽及び傷を有することにより、風合いが柔軟な紙糸を含む織編物とすることができる。これは起毛により、紙スリットヤーンの表面のパルプ繊維を剥がして毛羽とし、表面タッチを柔軟にするとともに、紙スリットヤーンに傷をつけることにより紙スリットヤーンの腰又は強度を低下させて柔軟性を上げるという相乗効果によるものである。
また紙スリットヤーン単独か又は前記スリットヤーンと他の繊維糸に撚りを掛けた撚糸を含む織編物の染色物はヨコ段やタテ段が発生しやすいが、起毛により表面がぼやけ、ヨコ段やタテ段が発生する不均一色の境界部分をぼかし、均一な無地調の織編物とすることができる。加えて、起毛された織編物は、表面が紙スリットヤーンの毛羽を有するので、表面積が増し、見掛け上の厚さも増すので吸湿性及び吸水性も高くなる。
図1は本発明の一実施例における織編物から引き出した紙スリットヤーン1本の撚糸の外観図である。 図2は本発明の別の実施例における織編物から引き出した紙スリットヤーン2本の撚糸の外観図である。 図3は本発明のさらに別の実施例における織編物から引き出した紙スリットヤーン1本と添え糸及びカバーリングヤーンの撚糸の外観図である。 図4Aは本発明の一実施例における針金起毛機の模式的説明図、図4Bは別の実施例の針金起毛機の模式的説明図、図4Cは針金起毛機に取り付ける針布の模式的説明図である。 図5は本発明の一実施例の起毛処理前後の織編物から引き出した紙スリットヤーンを含む撚糸の垂れ下がり挙動を示す説明図である。 図6は本発明の一実施例における紙スリットヤーン1本の撚糸の構成図である。 図7は本発明の別の実施例における紙スリットヤーン2本の撚糸の構成図である。 図8は本発明のさらに別の実施例における紙スリットヤーン1本と添え糸及びカバーリングヤーンの撚糸の構成図である。 図9は本発明の一実施例におけるダブルツィスタ撚糸機による紙スリットヤーン1本の撚糸の製造工程図である。 図10は本発明の別の実施例におけるトライツィスタ撚糸機による紙スリットヤーン1本の撚糸の製造工程図である。 図11は本発明のさらに別の実施例におけるトライツィスタ撚糸機による紙スリットヤーン芯糸と鞘糸からなる撚糸の製造工程図である。 図12は本発明のさらに別の実施例におけるトライツィスタ撚糸機による紙スリットヤーン芯糸とマルチフィラメント糸からなる添え糸及びカバーリングヤーンの撚糸の製造工程図である。 図13は本発明のさらに別の実施例におけるトライツィスタ撚糸機による紙スリットヤーン1本の撚糸の製造工程図である。 図14は本発明のさらに別の実施例におけるトライツィスタ撚糸機による紙スリットヤーン芯糸と鞘糸からなる撚糸の製造工程図である。 図15は本発明のさらに別の実施例におけるトライツィスタ撚糸機による紙スリットヤーン芯糸とマルチフィラメント糸からなる添え糸及びカバーリングヤーンの撚糸の製造工程図である。 図16Aは本発明のさらに別の実施例の起毛前の織物を構成する紙糸の拡大SEM写真(倍率100)である。 図16Bは本発明のさらに別の実施例の起毛後の織物を構成する紙糸の拡大SEM写真(倍率100)である。
本発明者らは、紙スリットヤーン撚糸を用いた織編物の粗硬感を改善するため、様々な検討を行った。例えば細い紙スリットヤーンを使用して柔軟性を出そうとしたが、これは紙スリットテープを製造する工程に問題があり、実現は難しかった。次に酵素を使用してバイオ的手段により柔軟性を出そうとしたが、酵素の選択、酵素分解による制御等の点において問題があり、実現は難しかった。そこで織編物にした後に起毛処理して、紙スリットヤーンの表面のパルプ繊維を剥がして毛羽とし、表面タッチを柔軟にするとともに、紙スリットヤーンに傷をつけることにより紙スリットヤーンの強度を低下させて柔軟性を上げることを着想し、本発明に至ったものである。
加えて、紙スリットヤーンはいわば扁平状のモノフィラメントであり、少しの製造欠点(抄紙工程、スリット工程、撚糸工程、編み工程、染色工程等の各工程における品質のばらつき)が織編物生地の傷となって現れやすく、とくに編物にした場合はヨコ段による編み傷の発生が目立ちやすいが、起毛により表面がぼやけ、ヨコ段やタテ段が発生する不均一色の境界部分をぼかし、均一な無地調の織編物とすることができることを着想し、本発明に至ったものである。
本発明は、紙スリットヤーン単独か又は前記スリットヤーンと他の繊維糸に撚りを掛けた撚糸を含む織編物にした後に起毛処理する。これにより紙スリットヤーンの表面には毛羽及び傷が発生する。毛羽の長さは平均で数ミリ以下であり、好ましくは平均0.1〜8mm、さらに好ましくは平均0.2〜6mmである。傷の深さ及び幅は平均で0.5mm以下であり、好ましくは0.1〜0.5mm、さらに好ましくは平均0.15〜0.4mmである。毛羽の平均長さ及び平均深さと幅は拡大鏡で観察して100本の毛羽の平均とする。起毛処理により紙スリットヤーンに毛羽が発生しかつ傷がつき、生地が柔らかくなる。本発明においては織編物にした後、好ましくは染色後に起毛処理する。これにより、織編物を製造するまでは糸の強度を高く保ち、効率よく織編物を製造できるという利点もある。
起毛処理は、針金起毛機、サンドペーパー起毛機及びあざみ起毛機から選ばれる少なくとも一つの起毛機を用いるのが好ましい。この中ではさらに針金起毛機又はサンドペーパー起毛機を用いるのが好ましい。起毛処理は2〜6回程度行っても良い。針金起毛機は針布を巻いたロールの表面に生地を通して起毛するもので、起毛の程度が強く、起毛効果の調節も容易である。サンドペーパー起毛機はロールの表面にサンドペーパーを巻き付けて起毛処理する。あざみ起毛機は植物のアザミの実で起毛するもので、針金起毛に比べて起毛作用がやさしい。
本発明においては、撚り数は一定でもよいし変化させてもよい。好ましくは撚り数を異ならせる。さらに好ましくは、撚糸10〜1000mmの範囲内の任意の長さ(以下所定長さともいう)当たりの撚り数を変えると、ヨコ段やタテ段といった染色むらをさらに改善する効果がある。さらに好ましくは所定長さごとに2種類以上の撚り数変化を与えるとより効果が高く、多ければ多いほど無地調に近づく。所定長さごとに撚り数を変える間隔(ピッチ)は、10〜1000mmの範囲内であれば、短いほど無地調に近づく。間隔(ピッチ)は一定間隔(ランダムピッチ)でも良いし1ピッチごとにアトランダムに変化させても良い。
撚り数の変化を多く、ピッチを不揃いに多くすると無地調に近づく。また、ランダムピッチにしない場合はピッチの変化を多くすることで無地調に近づく。無地調であれば、良好な織編物の外観となる。撚糸の所定長さの撚り数は1〜50%の範囲で異なるのが好ましく、さらに好ましくは2〜25%の範囲で異ならせる。この範囲であればさらに好ましいヨコ段やタテ段の発生を防止できる。
本発明の撚糸は繊維成分が紙スリットヤーン単独でもよい。この場合、紙スリットヤーン1本又は2本以上を撚り合わせることができる。他の繊維糸を使用する場合は、紙スリットヤーンと1本以上のマルチフィラメント糸及び紡績糸から選ばれる少なくとも一つの糸を撚ってもよい。例えば、マルチフィラメント糸又は紡績糸1本を紙スリットヤーンの周囲にシングル又はダブルでカバーリングさせて撚糸とすることもできる。シングルでカバーリングさせる場合、マルチフィラメント糸又は紡績糸は1本とし、左回り又は右回りとする。ダブルでカバーリングさせる場合は、例えばマルチフィラメント糸及び/又は紡績糸は2本とし、1本は右回りに巻回し他の1本は左回りに巻回する。紙スリットヤーンと他の繊維糸(例えばマルチフィラメント糸又は紡績糸)を併用する場合は、紙スリットヤーンを20〜99質量%の範囲で使用する。
紙スリットヤーンに対してさらにマルチフィラメント糸及び/又は紡績糸を添え糸として撚り込んでも良い。添え糸を撚り込むと、さらに強度を高め織編み工程通過性を良好にでき、着用時の強度も満足する。
本発明の撚糸は1〜10%の伸度を有することが好ましい。さらに好ましい伸度は2〜7%である。伸度が前記の範囲であると、織編み工程通過性を良好にでき、着用時の伸度も良好となる。
本発明における紙スリットヤーンは、紙の原料はいかなるものであっても良い。例えば針葉樹、広葉樹、竹、各種麻を含む天然繊維などをパルプの原料とするなどがある。紙は常法に従って製造する。パルプに対して糊(バインダー)を混合し、湿式抄紙し、乾燥して紙とする。糊(バインダー)は汗や選択の際の水に溶けないものを使用する。紙の厚さ及びスリット幅は任意のものとすることができる。例えば、スリット幅2mmで繊度292deci tex(綿番手20番)単糸、スリット幅1.5mmで繊度194deci tex(綿番手30番)単糸、スリット幅1mmで繊度146deci tex(綿番手40番)単糸などが使用できる。本発明の紙スリットヤーンの好ましい繊度は衣料用、産業用を含めると100〜800deci texであり、さらに好ましくは120〜600deci texである。衣料用に限ると好ましくは100〜500deci texであり、さらに好ましくは120〜400deci texである。
紙スリットヤーンと合撚するマルチフィラメント糸としては、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、ウレタン繊維、アクリル繊維、ポリビニルアルコールなどの合成繊維製マルチフィラメント糸、アセテート、レーヨンなどの再生繊維製マルチフィラメント糸を使用するのが好ましい。とくに織編物とした後に紙スリットヤーンと一浴で染色できるポリアミド(ナイロン)製マルチフィラメント糸を使用するのが、染色上の利点があり好ましい。
長さ方向の撚り数を変えるためには、撚糸機のスピンドル回転数は一定とし、紙スリットヤーンの送り出し速度又は巻き取り速度を変化させるのが好ましい。紙スリットヤーンの送り出し速度又は巻き取り速度を一定とし、撚糸機のスピンドル回転数を短時間で切り替えることは簡単ではない。装置が大がかりとなり、糸の制御も難しい。これに対して撚糸機のスピンドル回転数は一定とし、紙スリットヤーンの送り出し速度又は巻き取り速度を変化させることは、それほど大きな改造は不要であり、糸の制御も容易である。
紙スリットヤーンは1〜10%、より好ましくは2〜7%のオーバーフィード状態で撚糸機へ供給する。これにより撚糸に好ましい伸度を付与できる。
撚糸機としては、ダブルツィスタ、イタリア式撚糸機(トライツィスタともいう)、アットウッド式撚糸機、パーン給糸アップツィスタ、リング撚糸機、合撚機等が使用できる。このうち、紙スリットヤーン単独の撚糸を得る場合はダブルツィスタ又はイタリア式撚糸機(トライツィスタ)が好ましく、紙スリットヤーンとマルチフィラメント糸との合撚糸を得る場合はイタリア式撚糸機(トライツィスタ)が好ましい。紙スリットヤーンをスピンドル内に通過させてそのまま巻き取るイタリア式撚糸機(トライツィスタ)の場合、撚糸機の後に仮撚りスピンドルを設け、紙スリットヤーンの実撚り方向と同一の方向に仮撚りスピンドルを回転させるのが好ましい。撚糸機のスピンドル回転数を一定とし、紙スリットヤーンの送り出し速度又は巻き取り速度を変化させることにより、長さ方向の撚り数を異ならせた撚糸は、紙スリットヤーンの実撚り方向と同一の方向に回転させた仮撚りスピンドルにより、撚りが安定し、撚り数が均整化されずにメリハリのついたままで巻き取ることができる。
以下図面を用いて説明する。以下の図面において、同一符号は同一物を示す。図1は本発明の一実施例における毛羽を有する織編物から引き出した紙スリットヤーン1本の撚糸の外観図である。この紙スリットヤーン1の撚糸には起毛処理による毛羽30と傷31が発生している。図2は本発明の別の実施例における毛羽を有する織編物から引き出した紙スリットヤーン2本の撚糸の外観図である。この紙スリットヤーン1a,1bの撚糸にも起毛処理による毛羽30と傷31が発生している。図3は本発明のさらに別の実施例における毛羽を有する織編物から引き出した紙スリットヤーン1本と添え糸及びカバーリングヤーンの撚糸の外観図である。この紙スリットヤーン1の撚糸にも起毛処理による毛羽30と傷31が発生している。
図4Aは本発明の一実施例における針金起毛機の模式的説明図である。この針金起毛機32は単動式の起毛機であり、図4Cに示す針布38を巻いた針布ロール33a〜33dの表面に織編物生地34を矢印方向に通して起毛する。針布ロールは実際には6〜48本設置されている。図4Bは別の実施例の針金起毛機の模式的説明図である。この針金起毛機35は複動式の起毛機であり、図4Cに示す針布38を巻いた針布ロール36a,36bと、針の方向が異なる37a,37bの表面に織編物生地34を矢印方向に通して起毛する。こちらも針布ロールは実際には6〜48本設置されている。図4Cは針金起毛機に取り付ける針布38の模式的説明図であり、基布39に針40が埋め込まれている。基布39に対する針の角度は、下部が約75°、上部が約120°である。
図5は本発明の一実施例の起毛処理前後の織編物から引き出した紙スリットヤーンを含む撚糸の垂れ下がり挙動を示す説明図である。起毛処理前の織編物から引き出した紙スリットヤーンを含む撚糸41は大きな角度で垂れ下がる。これは腰があるためである。これに対して起毛処理後の織編物から引き出した紙スリットヤーンを含む撚糸42はほぼ真下に垂れ下がるかあるいは小さな角度で垂れ下がる。これにより、起毛処理後の紙スリットヤーンの腰が低下していることがわかる。起毛処理により紙スリットヤーンには傷が入るので強度も低下することがわかる。これにより、柔軟性が良好になる。加えて、起毛された織編物は、表面が紙スリットヤーンの毛羽を有するので、表面積が増し、見掛け上の厚さも増すので吸湿性、吸水性、保水力も高くなる。
図6〜8は本発明の織編物を製造するための撚糸の説明図である。図6は本発明一実施例における紙スリットヤーン単独1本の撚糸の構成図である。紙スリットヤーン1は撚り数が異なるように撚られている。2は撚糸部である。図7は本発明別の実施例における紙スリットヤーン2本の撚糸の構成図である。1本の紙スリットヤーン1aの周囲にもう1本の紙スリットヤーン1bを撚り数が異なるように巻きつけて撚られている。3は撚糸部である。図8は本発明さらに別の実施例における紙スリットヤーン1と合成繊維添え糸4及びカバーリングヤーン5の撚糸の構成図である。3は撚糸部であり、撚り数が異なるように撚られている。
図9は本発明の一実施例におけるダブルツィスタ撚糸機7による紙スリットヤーン単独1本の撚糸の製造工程図である。パーン11に巻かれた紙スリットヤーン12は引き出され、フライヤ18の目を通過し、中空スピンドル13の上から入り、下方のガイド14から出て、撚糸15は旋回して引き出され、上方のガイド16を通過して巻き取りワインダ17に巻き上げられる。中空スピンドルが1回転するごとに糸には2回の撚りが掛けられる。巻き取りワインダ17で速度を変化させて、所定長さ当たりの撚り数を変化させる。19はカバー、20は駆動系のベルトである。
図10は本発明の別の実施例におけるトライツィスタ撚糸機8による紙スリットヤーン単独1本の撚糸の製造工程図である。パーン11に巻かれた紙スリットヤーン12は引き出され、中空スピンドル13の上から入り、下方から出て、下方のガイド16を通過して巻き取りワインダ17に巻き上げられる。中空スピンドル1回転するごとに糸には1回の撚りが掛けられる。巻き取りワインダ17で速度を変化させて、所定長さ当たりの撚り数を変化させる。
図11は本発明のさらに別の実施例におけるトライツィスタ撚糸機9による紙スリットヤーン芯糸と鞘糸からなる撚糸の製造工程図である。芯糸として、パーン11に巻かれた紙スリットヤーン12を引き出し、中空スピンドル13の上から入れる。紙スリットヤーン21(1本又は多数本)からなる鞘糸は、送り出しローラー22(必須ではない)から供給して中空スピンドル13の上から入れ、紙スリットヤーン12に巻きつけ、中空スピンドル13の下方から出して下方のガイド16を通過して巻き取りワインダ17に巻き上げる。送り出しローラー22(必須ではない)及び又は巻き取りワインダ17で速度を変化させて、所定長さ当たりの撚り数を変化させる。
図12は本発明のさらに別の実施例におけるトライツィスタ撚糸機10による紙スリットヤーン芯糸とマルチフィラメント糸からなる添え糸及びカバーリングヤーンの撚糸の製造工程図である。芯糸として、紙スリット糸12とマルチフィラメント添え糸25を送り出しローラー22(必須ではない)から供給して中空スピンドル13の上から入れる。鞘糸として、パーン23に巻かれたマルチフィラメント糸24は引き出され、中空スピンドル13の上から入り、芯糸をカバーリングし、中空スピンドル13の下方から出て、下方のガイド16を通過して巻き取りワインダ17に巻き上げられる。送り出しローラー22(必須ではない)及び又は巻き取りワインダ17で速度を変化させて、所定長さ当たりの撚り数を変化させる。
図13は図10に示すトライツィスタ撚糸機8の後に、仮撚り中空スピンドル26を設けた例である。トライツィスタ撚糸機8は駆動ベルト20の右方向への駆動により、紙スリットヤーン12には右撚り(実撚り)が掛けられる。仮撚り中空スピンドル26は駆動ベルト27の左方向への駆動により、紙スリットヤーン12’には左撚り(仮撚り)が掛けられる。中空スピンドル26の同一方向への仮撚りにより、撚り数が異なる実撚りはそのままの状態で仮固定されてワインダ17に巻き取られる。すなわち、トライツィスタ撚糸機8によって長さ方向の撚り数を異ならせた撚糸は、撚りが安定し、撚り数が均整化されずにメリハリのついたままで巻き取ることができる。仮撚り中空スピンドル26の好ましい回転数は1000〜12000rpmである。
図14は図11に示すトライツィスタ撚糸機9の後に、仮撚り中空スピンドル26を設けた例であり、図15は図12に示すトライツィスタ撚糸機10の後に、仮撚り中空スピンドル26を設けた例である。作用・効果は図13の説明と同じである。図示を省略するが、鞘糸をダブルでカバーさせるには、図11〜図15の工程後、さらに鞘糸を逆方向に巻きつけることにより得られる。
本発明の編織物は、織物と編物の両方を意味する。編物としては、横編(ニット)、丸編、トリコット経編、ラッセル経編などいずれの編物であってもよい。織物としては、平織、綾織、朱子織の基本組織とそれらから応用された変化組織、片二重織、二重織等の重ね組織、コール天、ビロード等のパイル織組織等があげられる。
以下実施例を用いて、さらに本発明を具体的に説明する。本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
三木特種製紙社製のマニラ麻(アバカ種)を原料としたスリット糸用紙を1mm幅にスリットしたスリットテープを表1に示す撚り数とピッチで撚糸にした。撚糸機は図10に示すトライツィスタを用い、スピンドル回転数は一定とし、紙スリットヤーンの巻き取り速度を変化させて、糸の長さ方向の撚り数を変化させた。オーバーフィード率は5%とした。表1における区分は、第1区分−第2区分−第3区分−第2区分−第1区分で1サイクルとした。得られた撚糸は図6に示すとおりであり、綿番手40番単糸であった。
以上のようにして得られた撚糸(単糸)を使用して丸編み機に48本供給し、編み幅1000mm、1インチ当たりのゲージ数28で編み上げ、目付け:160g/m2のニットを得た。このニットは反応染料を使用して濃紺色に染めた。その後、このニットを図4Aに示す針金起毛機(24本針布ロール)を片面4回、両面で合計8回通過させて起毛処理した。この結果、本実施例品はヨコ段がほとんど観察されず無地調であった。このニットを構成する紙スリットヤーンは図6に示すように毛羽と傷を有していた。毛羽の平均長さは2mm、傷の平均深さと幅はそれぞれ0.2mmであった。起毛処理前後の織編物から引き出した紙スリットヤーンを含む撚糸の垂れ下がり挙動を比較したところ、図5に示すように、起毛処理前の紙スリットヤーンを含む撚糸41は大きな角度で垂れ下がるのに対して起毛処理後の紙スリットヤーンを含む撚糸42はほぼ真下に垂れ下がるかあるいは小さな角度で垂れ下がった。これにより、起毛処理後の紙スリットヤーンの腰が低下していることがわかる。さらに、ニットの風合いを官能検査により調べたところ、起毛処理前のニットは粗硬感があったが、起毛処理後のニットは柔軟であった。本実施例品のニットをシャツに縫製して着用したところ、吸湿性及び吸水性があり、夏物衣料として着心地良いことが確認できた。
(実施例2)
実施例1において、撚り数を一定(525回/m)とした以外は同様とした。得られたニットを構成する紙スリットヤーンには毛羽(毛羽平均長さ1.8mm)と傷(平均深さと幅はそれぞれ0.2mm)が認められ、官能検査による風合いは柔軟であった。本実施例品はヨコ段がほとんど観察されず無地調であった。また、本実施例品のニットをシャツに縫製して着用したところ、吸湿性及び吸水性があり、夏物衣料として着心地良いことが確認できた。
(実施例3)
白川製紙社製のマニラ麻(アバカ種)を原料としたスリット糸用紙を使用し、2mm幅にスリットしたスリットテープを芯糸とし、鞘糸としてナイロン6のマルチフィラメント(繊維本数7本、トータル繊度13.3dtex)、添え糸として鞘糸と同一のマルチフィラメントを使用し、表2に示す撚り数とピッチで撚糸にした。撚糸機は図9に示すトライツィスタを用い、スピンドル回転数は一定とし、紙スリットヤーンの巻き取り速度を変化させて、糸の長さ方向の撚り数を変化させた。オーバーフィード率は10%とした。表2における区分は、第1区分−第2区分−第3区分−第2区分−第1区分で1サイクルとした。得られた撚糸は図7に示すとおりであり、繊度286deci tex(綿番手20.4番)単糸であった。
以上のようにして得られた撚糸(単糸)を使用して丸編み機に48本供給し、編み幅1000mm、1インチ当たりのゲージ数20で編み上げ、目付け:280g/m2のニットを得た。このニットは反応染料を使用して濃紺色に染めた。その後、このニットを図4Aに示す針金起毛機(24本針布ロール)を片面4回、両面で合計8回通過させて起毛処理した。この結果、本実施例品はヨコ段がほとんど観察されず無地調であった。このニットを構成する紙スリットヤーンは図8に示すように毛羽と傷を有していた。毛羽の平均長さは1.5mm、傷の平均深さと幅はそれぞれ0.15mmであった。また 起毛処理前後の織編物から引き出した紙スリットヤーンを含む撚糸の垂れ下がり挙動を比較したところ、図5に示すように、起毛処理前の紙スリットヤーンを含む撚糸41は大きな角度で垂れ下がるのに対して起毛処理後の紙スリットヤーンを含む撚糸42はほぼ真下に垂れ下がるかあるいは小さな角度で垂れ下がった。これにより、起毛処理後の紙スリットヤーンの腰が低下していることがわかる。さらに、ニットの風合いを官能検査により調べたところ、起毛処理前のニットは粗硬感があったが、起毛処理後のニットは柔軟であった。本実施例品のニットをシャツに縫製して着用したところ、吸湿性及び吸水性があり、夏物衣料として着心地良いことが確認できた。
(実施例4)
実施例3において、撚り数一定(500回/m)とした以外は同様とした。得られたニットを構成する紙スリットヤーンには毛羽(毛羽平均長さ1.3mm)と傷(平均深さと幅はそれぞれ0.1mm)が認められ、官能検査による風合いは柔軟であった。本実施例品はヨコ段がほとんど観察されず無地調であった。また、本実施例品のニットをシャツに縫製して着用したところ、吸湿性及び吸水性があり、夏物衣料として着心地良いことが確認できた。
(実施例5)
実施例3において、図9に換えて図12に示す装置を用い、他の条件は同一として撚糸した。すなわち、トライツィスタ撚糸機8の後に仮撚り中空スピンドル26を設け、トライツィスタ撚糸機8では紙スリットヤーンに左撚り(実撚り)を掛け、仮撚り中空スピンドル26では左撚り(仮撚り)を掛けて、トライツィスタ撚糸機8で掛けた撚り数が異なる実撚りを仮固定してワインダ17に巻き取った。仮撚り中空スピンドル26の回転数は10,000rpmとした。得られた撚糸を実施例3と同様にニット編み物にし、起毛処理した。得られたニットを構成する紙スリットヤーンには毛羽(毛羽平均長さ2.5mm)と傷(平均深さと幅はそれぞれ0.25mm)が認められ、官能検査による風合いは柔軟であった。実施例3品に比べてさらに糸の撚り数変化はメリハリがついており、ヨコ段がほとんど観察されず好ましい無地調であり、柔軟であり高級感もあった。
(実施例6)
実施例3において、図9に換えて図12に示す装置を用い、他の条件は同一として撚糸した。すなわち、トライツィスタ撚糸機8の後に仮撚り中空スピンドル26を設け、トライツィスタ撚糸機8では紙スリットヤーンに左撚り(実撚り)を掛け、仮撚り中空スピンドル26では左撚り(仮撚り)を掛けて、トライツィスタ撚糸機8で掛けた撚り数が異なる実撚りを仮固定してワインダ17に巻き取った。仮撚り中空スピンドル26の回転数は11,000rpmとした。得られた撚糸を実施例3と同様にニット編み物に、起毛処理した。得られたニットを構成する紙スリットヤーンには毛羽(毛羽平均長さ2.7mm)と傷(平均深さと幅はそれぞれ0.3mm)が認められ、官能検査による風合いは柔軟であった。実施例3品に比べてさらに糸の撚り数変化はメリハリがついており、ヨコ段がほとんど観察されず好ましい無地調であり、柔軟であり高級感もあった。
(実施例7)
下記の表3に示す糸使いで織物を製織した。その後常法により染色し、乾燥後にこの織物を図4Aに示す針金起毛機(24本針布ロール)を片面4回、両面で合計8回通過させて起毛処理した。
得られた織物を構成する紙スリットヤーンには毛羽(毛羽平均長さ2.1mm)と傷(平均深さと幅はそれぞれ0.2mm)が認められ、官能検査による風合いは柔軟であった。ヨコ段がほとんど観察されず好ましい無地調であり、柔軟であり高級感もあった。この織物は緯糸に紙スリットヤーンを使用しており、起毛機の針布が前記緯糸に垂直方向に当たるため紙スリットヤーンが選択的に起毛され、毛羽のほとんどは紙を構成するパルプ繊維であった。このため、吸湿性及び吸水性があり保水力も高く、タオル等に好適であった。
(実施例8)
下記の表4に示す糸使いで織物を製織した。その後常法により染色し、乾燥後にこの織物を図4Aに示す針金起毛機(24本針布ロール)を片面4回、両面で合計8回通過させて起毛処理した。
得られた織物を構成する紙スリットヤーンには毛羽(毛羽平均長さ2.0mm)と傷(平均深さと幅はそれぞれ0.3mm)が認められ、官能検査による風合いは柔軟であった。ヨコ段がほとんど観察されず好ましい無地調であり、柔軟であり高級感もあった。この織物も緯糸に紙スリットヤーンを使用しており、起毛機の針布が前記緯糸に垂直方向に当たるため紙スリットヤーンが選択的に起毛され、毛羽のほとんどは紙を構成するパルプ繊維であった。このため、吸湿性及び吸水性があり保水力も高く、スカーフ、ガーゼケット(寝具類)等に好適であった。
(実施例9)
実施例3と同様に撚糸を作製した。紙糸として白川製紙社製のマニラ麻(アバカ種)を原料としたスリット糸用紙を1.5mm幅にスリットしたスリットテープを芯糸とし、鞘糸としてナイロン6のマルチフィラメント(繊維本数7本、トータル繊度13.3dtex)、添え糸としてポリエステル(PET)マルチフィラメント糸(83.3deci tex,フィラメント数36本)を使用して撚糸を作製した。この撚糸を緯糸とし、経糸としてコットン紡績糸双糸(綿番手40/2)を使用し、2重織毛布組織の織物を織製した。得られた織物目付は160g/m2であった。この織物を家庭洗濯し、乾燥することを5回繰り返したが寸法変化は見られず、耐洗濯性は良好であった。織物物性は表5にまとめて示す。
(実施例10)
実施例9と同様に撚糸を作製した。紙糸として白川製紙社製のマニラ麻(アバカ種)を原料としたスリット糸用紙を1.5mm幅にスリットしたスリットテープを芯糸とし、鞘糸としてナイロン6のマルチフィラメント(繊維本数7本、トータル繊度13.3dtex)、添え糸としてポリエステル(PET)マルチフィラメント糸(83.3deci tex,フィラメント数36本)を使用して撚糸を作製した。この撚糸を緯糸とし、経糸としてコットン紡績糸双糸(綿番手40/2)を使用し、一重5枚朱子織組織の織物を織製した。得られた織物目付は135g/m2であった。この織物を家庭洗濯し、乾燥することを5回繰り返したが寸法変化は見られず、耐洗濯性は良好であった。織物物性は表5にまとめて示す。
(実施例11)
実施例9と同様に撚糸を作製した。紙糸として白川製紙社製のマニラ麻(アバカ種)を原料としたスリット糸用紙を4mm幅にスリットしたスリットテープを芯糸とし、鞘糸としてナイロン6のマルチフィラメント(繊維本数7本、トータル繊度13.3dtex)、添え糸としてポリエステル(PET)マルチフィラメント糸(83.3deci tex,フィラメント数36本)を使用して撚糸を作製した。この撚糸を緯糸とし、経糸としてコットン紡績糸双糸(綿番手30/2)を使用し、一重5枚朱子織組織の織物を織製した。得られた織物目付は190g/m2であった。この織物を家庭洗濯し、乾燥することを5回繰り返したが寸法変化は見られず、耐洗濯性は良好であった。織物物性は表5にまとめて示す。
表5から本発明の実施例9−11の織物は、実用品として使える物性を有していることが確認できた。とくにピリングは織物表面に毛羽と傷があるにもかかわらずそれほど低くなく、実用品として使える物性を有していることが確認できた。粘着テープへの毛羽付着もそれほど多くなく、実用品としては十分である。また、実施例9の織物の起毛前の構成紙糸の拡大SEM写真(倍率100)を図16Aに示し、起毛後の織物を構成する紙糸の拡大SEM写真(倍率100)を図16Bに示す。これらの写真から起毛後の織物の紙糸の表面には毛羽及び傷を有することが確認できる。
本発明の紙糸を含む織編物は、吸湿性に優れていることから下記の用途に好適である。
(1)シャツ、パンツ、肌着、パジャマ、家庭着、浴着などの衣類
(2)タオル類、ハンカチ類、あかすり類
(3)モケット、タオルケット、ガーゼケット、シーツ、布団カバーなどの寝具類
(4)発汗を伴うスポーツウエア類
(5)スカーフ類
(6)カーテン、布団側地、椅子の側地等のインテリア生地類
(7)眼鏡ふき、布きん、ワイパー材
その他、ユニフォーム、中敷き、靴下、下着、中着、上着、衣服の表地、裏地、帽子、手袋、セーター、スラックス、スカートなどが挙げられる。
1,1a,1b 紙スリットヤーン
2,3,6 撚糸部
4 マルチフィラメント添え糸
5 マルチフィラメントカバーリングヤーン
7 ダブルツィスタ撚糸機
8,9,10 トライツィスタ撚糸機
11,23 パーン
12,21 紙スリットヤーン
13 中空スピンドル
14,16 ガイド
15 撚糸
17 ワインダ
18 フライヤ
19 カバー
20,27 駆動ベルト
22 送り出しローラー
24 マルチフィラメント鞘糸
25 マルチフィラメント添え糸
26 仮撚り中空スピンドル
30 毛羽
31 傷
32,35 針金起毛機
33a〜33d,36a,36b,37a,37b 針布ロール
34 織編物生地
38 針布
39 基布
40 針

Claims (12)

  1. 紙スリットヤーン単独か又は前記スリットヤーンと他の繊維糸に撚りを掛けた撚糸を含む織編物であって、
    前記織編物は起毛され前記紙スリットヤーンの表面には毛羽及び傷を有することを特徴とする紙糸を含む織編物。
  2. 前記毛羽は、平均0.1〜8mmの長さである請求項1に記載の紙糸を含む織編物。
  3. 前記撚糸は長さ方向の撚り数が異なり、前記撚糸10〜1000mmの範囲内の任意の長さ当たりの撚り数が、1〜50%の範囲で異なる請求項1又は2に記載の紙糸を含む織編物。
  4. 前記他の繊維糸は、マルチフィラメント糸及び紡績糸から選ばれる少なくとも一つの糸である請求項1〜3のいずれか1項に記載の紙糸を含む織編物。
  5. 前記撚糸は、マルチフィラメント糸が紙スリットヤーンをシングル又はダブルでカバーリングしている請求項1〜4のいずれか1項に記載の紙糸を含む織編物。
  6. 前記撚糸は、紙スリットヤーンに対してさらにマルチフィラメント糸及び紡績糸から選ばれる少なくとも一つの糸を添え糸として撚り込んだ請求項1〜5のいずれか1項に記載の紙糸を含む織編物。
  7. 前記撚糸は1〜10%の伸度を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の紙糸を含む織編物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の紙糸を含む織編物の製造方法であって、
    紙スリットヤーン単独か又は前記スリットヤーンと他の繊維糸に撚りを掛けた撚糸を用いて織編物とし、
    前記織編物を起毛することを特徴とする紙糸を含む織編物の製造方法。
  9. 前記織編物の起毛は、針金起毛機、サンドペーパー起毛機及びあざみ起毛機から選ばれる少なくとも一つの起毛機を用いて行う請求項8に記載の紙糸を含む織編物の製造方法。
  10. 前記撚糸を製造する際、撚糸機のスピンドル回転数は一定とし、紙スリットヤーンの送り出し速度及び/又は巻き取り速度を変化させて長さ方向の撚り数が異なる撚糸とする請求項8又は9に記載の紙糸を含む織編物の製造方法。
  11. 前記紙スリットヤーンを1〜10%のオーバーフィード状態で前記撚糸機へ供給する請求項9に記載の紙糸を含む織編物の製造方法。
  12. 前記紙スリットヤーンをスピンドル内に通過させてそのまま巻き取る撚糸機の場合、前記撚糸機の後に仮撚りスピンドルを設け、前記紙スリットヤーンの実撚り方向と同一の方向に仮撚りスピンドルを回転させる請求項10又は11に記載の紙糸を含む織編物の製造方法。
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