JP2014223781A - 金属/樹脂複合構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
充填材を含有する樹脂組成物と、金属部材が強力に接合された金属/樹脂複合構造体を提供すること。
【解決手段】
金属表面に間隔周期が20nm以上500μm以下である凸部が林立した微細凹凸面を有している金属部材と、
射出成形により、前記金属部材に直接的に接合される樹脂組成物からなる樹脂部材からなり、
該樹脂組成物が、
(A)熱可塑性樹脂20〜90重量部、
(B)充填材10〜80重量部、
((A)+(B)の合計は100重量部)を含んでなり、
該(B)充填材中、最大長さが10nm以上500μm以下の範囲にある充填材が数分率で5〜100%存在する、金属/樹脂複合構造体。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属表面に微細凹凸を施した金属部材と、特定の形状を有する充填剤を含む樹脂組成物とが接合した金属/樹脂複合構造体に関する。
各種部品の軽量化の観点から、金属の代替品として樹脂が使用されているが、全ての金属部品を樹脂で代替することは難しい場合も多い。そのような場合には、金属成形体と樹脂成形体を接合一体化することで新たな複合部品を製造することが考えられる。また、金属と接合される樹脂は、強度や線膨張率の観点から、充填材を含んでおり、繊維強化樹脂(FRP)が主に使用されている。しかしながら、金属成形体とFRP等の充填材含有樹脂を接合した時に、充填材含有樹脂が本来持つ高強度な物性を金属−樹脂界面に反映できず、十分な強度を保持できない。
従来、金属と樹脂の接合強度を高める手段として樹脂と金属の相互作用を高める方法がある。その為には、金属表面を改質する方法があり、金属表面の改質処理方法として、放電用ガス中でプラズマを発生させて、プラズマにより生成したラジカルで有機物を活性化させ、その活性化有機物で金属表面に極性官能基を付与する方法がある(特許文献1)。しかしこの方法では、金属と樹脂が化学的な相互作用でのみ接着しており十分な接合力が得られない。また、特許文献2では水溶性アミン化合物を用いて金属表面に超微細な凹凸を作成し、樹脂を超微細な凹部に流動させ、そのアンカー効果で樹脂と金属を接合させる技術を開示している。しかしこの方法は、水溶性アミン化合物によって金属表面に窒素化合物を吸着させる事で樹脂との相互作用によって、樹脂のみを超微細な凹部に流動させるため、充填材を含んでいても、樹脂のみの強度までしか達成できず、接合強度に限界があった。
特開2011−140167号公報 特開2003−200453号公報
本発明が解決しようとする課題は、充填材を含有する樹脂組成物と、金属部材が強力に接合された金属/樹脂複合構造体を提供することである。
本願発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討をした結果、特定の微細凹凸構造が施された金属部材と、特定の形状を有する充填材を含む樹脂組成物とが接合してなる金属/樹脂複合構造体によって、上記課題を解決することができることを見出して本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[4]に関する。
[1]金属表面に間隔周期が20nm以上800μm以下である凸部が林立した微細凹凸面を有している金属部材と、
射出成形により、前記金属部材に直接的に接合される樹脂組成物からなる樹脂部材からなり、
該樹脂組成物が、
(A)熱可塑性樹脂20〜90重量部、
(B)充填材10〜80重量部、
((A)+(B)の合計は100重量部)を含んでなり、
該(B)充填材中、最大長さが10nm以上500μm以下の範囲にある充填材が数分率で5〜100%存在する、金属/樹脂複合構造体。
[2]前記充填材(B)が、ガラス繊維、炭素繊維、炭素粒子、粘土、タルク、シリカ、ミネラル、セルロース繊維から選ばれる、[1]に記載の金属/樹脂複合構造体。
[3]前記金属部材が、鉄、鉄合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、チタンおよびチタン合金からなる、[1]または[2]に記載の金属/樹脂複合構造体。
[4]射出成形金型のキャビティ部に前記金属部材を配置し、該キャビティ部に前記樹脂組成物を射出することにより該金属部材と該樹脂組成物を接合する金属/樹脂複合構造体の製造方法であって、
前記樹脂組成物を射出する前に、前記射出成形金型を100℃以上250℃以下の温度に加熱し、前記樹脂組成物の射出が完了した後、前記射出成形金型を冷却する[1]〜[3]のいずれかに記載の金属/樹脂複合構造体の製造方法。
本発明によれば、従来技術で得られてきた金属/樹脂接合材料に比べ、非常に強固な金属−樹脂界面を形成することが可能であり、充填材の補強効果を界面にまで最大限に発現でき、力学的強度に優れる金属/樹脂複合構造体を得ることができる。
金属部材の微細凹凸面と樹脂組成物中の充填材の相互作用を記した概念図である。 充填材の最大長さの定義を模式的に示した概念図である。 樹脂部材と金属部材との複合体を製造する過程を模式的に示した構成図である。 樹脂部材と金属部材との複合体を模式的に示した外観図である。
以下、本発明にかかる金属/樹脂複合構造体を構成する各構成要素およびその調整方法、さらに、金属/樹脂複合構造体の特徴について説明する。
<金属部材>
本発明にかかる金属/樹脂複合構造体を構成する金属部材は、金属表面に間隔周期が20nm以上800μm未満である凸部が林立した微細凹凸面を有する。
前記金属表面の該凸部間隔周期は、電子顕微鏡、またはレーザー顕微鏡で撮影した写真から、凸部から隣接する凸部までの距離の平均値として求めることが出来る。
本発明において、金属/樹脂複合構造体は、前記微細凹凸面の凹部に樹脂組成物が進入して金属と樹脂が接合し、金属−樹脂界面が形成される。
該凸部の間隔周期は、好ましくは50nm〜700μm、より好ましくは80nm〜500μmである。該凸部の間隔周期が上記範囲内にあると、後述する樹脂組成物に含まれる特定の形状を有する充填剤が微細凹凸面の凹部に入り込む、もしくは近接することが可能となる。
このような条件で得られた金属/樹脂複合構造体は、金属と樹脂の界面において引き離そうとする力が発生した場合でも、図1に示すように、該充填材aの周りにある、充填材aと相互作用や吸着する事で補強された樹脂b2が、金属cの該凹部に入り込む事で、従来言われていた樹脂b1と金属cの間に生じるアンカー効果のみならず、充填材aと金属cの相互作用による補強効果を加え、より強固な接合強度を持つことが可能となると推測される。
一方、該凸部の間隔周期が20nm以下であると、凹部に樹脂が十分に進入できず、金属−樹脂界面の形成がうまくいかないことがある。また、該凸部の間隔周期が800μm以上であると、得られる金属/樹脂複合構造体の金属−樹脂界面に隙間が生じてしまい、そこから水分等の不純物が浸入し、該構造体を高温、高湿下で用いた際、強度が低下する恐れがある。
前記金属部材を構成する金属の種類としては、鉄、ステンレスや鋼材等の鉄合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、チタンおよびチタン合金、からなる群から選ばれる少なくとも一種である。これらのうち、好ましくは鉄、鉄合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、銅合金、チタン合金であり、より好ましくは鉄合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金である。
<金属部材の調製方法>
具体的な例としては得られる微細凹凸面の形状から大別して以下の3種類の処理方法がある。
一つ目は侵食性水溶液または侵食性懸濁液に金属を浸漬して得たもので、電子顕微鏡観察により測定して表面は無数の凹部で覆われた形となっており、その凹部の数平均内径は3μm以下である。
二つ目は陽極酸化法によって得たもので、表面は主として金属酸化物層となっており、しかもその表面層は無数の数平均内径10〜200nmの開口部で覆われているものである。
三つ目は、機械的切削、例えばダイヤモンド砥粒研削またはブラスト加工によって作成した凹凸有する金型パンチをプレスすることにより金属表面に凹凸を形成する方法や、サンドブラスト、レーザー加工により金属表面に凹凸形状を作成する物で、その凹部の幅は10〜800μmである。
前記金属部材は、金属を切断、プレス等による塑性加工、打ち抜き加工、切削、研削、放電加工等の除肉加工によって上述した所定の形状に加工された後に、上記処理がなされたものが好ましい。要するに、種々の加工法により、後述する射出成形のインサート用として必要な形状に加工されたものを用いることが好ましい。必要な形状に加工された金属部材は、樹脂組成物と接合する面が厚く酸化や水酸化されていないことが好ましく、長期間の自然放置で表面に酸化皮膜である錆の存在が明らかなものは研磨、化学処理等でこれを取り除くことが好ましい。
なお、金属の表面処理がなされた金属部材の表面にはプライマー層を形成させてもよい。
プライマー層は、後述する樹脂組成物を構成する(A)熱可塑性樹脂において金属部材との相互作用の低い非極性のものを用いる場合や、金属部材と樹脂組成物との接合強度をより高めたい場合などに形成させることができる。
プライマー層を構成する材料は特に限定されないが、通常は樹脂成分を含むプライマー樹脂材料からなる。プライマー樹脂材料は特に限定されず、公知のものを用いることができる。具体的には、公知のポリオレフィン系プライマー、エポキシ系プライマー、ウレタン系プライマーなどを挙げることができる。プライマー層の形成方法は特に限定されないが、例えば、上記のプライマー樹脂材料の溶液や、上記のプライマー樹脂材料のエマルションを、上記表面処理を行った金属部材に塗工して形成することができる。溶液とする際に用いる溶媒としては、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、ジメチルフォスフォルアミド(DMF)などが挙げられる。エマルション用の媒体としては、脂肪族炭化水素媒体や、水などが挙げられる。
<樹脂部材>
本発明にかかる金属/樹脂複合構造体を構成する樹脂部材は、(A)熱可塑性樹脂と、特定の形状を有する(B)充填材を含む樹脂組成物からなる。該樹脂組成物はさらに、必要に応じてその他充填剤や配合剤を含む。
〔(A)熱可塑性樹脂〕
本発明にかかる金属/樹脂複合構造体を構成する樹脂部材の原料としての(A)熱可塑性樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド66、芳香族ポリアミド等のポリアミド樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリブチレンテレフタラート樹脂等のポリエステル樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等の非晶性樹脂、;その他、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂やこれら、2種以上を組み合わせたもの等をあげることが出来る。好ましくは、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、非晶性樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂である。より好ましくは、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂である。
該熱可塑性樹脂のメルトフローレート(MFR)や密度については、金属/樹脂複合構造体として求められる性能によって適宜選択して使用することができる。
〔(B)充填材〕
本発明にかかる金属/樹脂複合構造体を構成する樹脂部材の原料としての(B)充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維、炭素粒子、粘土、タルク、シリカ、ミネラル、セルロース繊維からなる群から1種以上選ばれる。これらのうち、好ましくはガラス繊維、炭素繊維、粘土、タルク、ミネラルである。
充填材の形状は繊維状、粒子状、板状等どのような形状であっても良い。
該充填材は、最大長さが10nm以上500μm以下の範囲にある充填剤を数分率で5〜100%有する。当該最大長さは、好ましくは、30nm以上400μm以下、より好ましくは50nm以上300μm以下である。また、該範囲にある充填剤の数分率は、好ましくは、10〜100%であり、より好ましくは20〜100%である。
充填剤の最大長さが前記範囲にあると、樹脂組成物の成形時に溶融した(A)熱可塑性樹脂中を容易に動くことができるので、後述する金属/樹脂複合構造体の製造時において、金属部材表面付近にも一定程度の割合で存在することが可能となり、上述したように該充填剤と相互作用をする樹脂が金属部材表面の凹部に入り込む事で、強固な接合強度を持つことが可能となる。
一方、充填材の最大長さが10nm未満であると、充填材が小さすぎて、上述したような充填材と相互作用する樹脂の補強効果が不十分である為に、接合強度の向上が図れないことが考えられる。また、充填材の最大長さが500μmより大きいと、樹脂組成物の成形時に樹脂組成物の流れ方向に配向がかかって固定化されてしまうため、充填材が金属部材表面付近に近寄れないので、上述したような金属部材表面の凹部との作用が期待できず、接合強度の向上が図れないことが想定される。
また、充填剤の数分率が前記範囲にあると、上述したような金属部材表面の凹部と作用するのに十分な数の充填材が樹脂組成物中に存在することになる。
なお、充填剤の長さは、得られる金属/樹脂複合構造体から樹脂組成物からなる部材を外したのち、該樹脂組成物をオーブン中で加熱することにより、完全に炭化させ、その後、炭化させた樹脂を取り除き、残った充填材を走査型電子顕微鏡で測定することにより求められる。ここで、充填剤の最大長さとは、図2の模式図中でL〜Lで示すように、長方形であれば、3辺の内で最大の長さL、円筒形であれば、円の長軸側の直径長さと円筒の高さとで長い方の長さL、球または回転楕円体であれば、あらゆる断面の長軸側の直径長さをとった時のもっとも長い直径の長さLの事である。
充填剤の数分率は、上記充填剤の長さ測定を行う際に用いた電子顕微鏡写真に写るすべての充填剤の数を数え、そのうち、上記範囲に含まれる充填剤の数を算出することにより求められる。
前記充填材は1種類であっても2種類以上でもよく、2種類以上用いる場合は、全ての種類の充填材をまとめて前述したような方法で最大長さを求めた。
なお、該充填剤は、前記(A)熱可塑性樹脂と混練する前の段階では最大長さが500μm以上の充填材であってもよく、混練中および成形中に切断、粉砕されることで、最大長さが上記範囲に入ったものであってもよい。
〔その他のサイズの充填材〕
上述のとおり、本発明においては、(B)充填材において、最大長さが10nm以上500μm以下の範囲にある充填材の数分率が5〜100%であるが、該最大長さ以外の充填材の数分率が0〜95%で含んでいてもよい。なお、該最大長さ以外の充填材は任意成分であるため、数分率が0%の場合もある。
例えば、該最大長さ以外の充填材として、最大長さ500μmより長い充填材を含む場合は、金属/樹脂複合構造体の樹脂部材の全体の強度を向上させることができる。
このような充填剤を含むことにより、樹脂組成物の成形時に上記充填剤が樹脂組成物の流れ方向に配向することにより、樹脂部材の全体の強度が向上する。すなわち、ここで示す範囲の充填剤と、上述した最大長さが10nm以上500μm以下の範囲にある充填材とは期待する効能が相違する。
その他の充填剤の種類としては、前記(B)充填材で説明したものと同じものを用いることができる。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、炭素粒子、粘土、タルク、シリカ、ミネラル、セルロース繊維が挙げられ、これらは1種類若しくは2種以上用いても良く、(B)充填材と同種であっても異種であっても良い。
ここで、本発明においては、その他充填材において、最大長さが500μmより大きいものの数分率は好ましくは0〜90%であり、より好ましくは0〜80%である。
〔(A)、(B)の配合割合〕
前記(A)熱可塑性樹脂と(B)充填材の配合割合としては、(A)熱可塑性樹脂と(B)充填材の合計100重量部とした場合、(A)熱可塑性樹脂が20〜90重量部、(B)充填材が10〜80重量部含まれる。好ましくは(A)熱可塑性樹脂が30〜80重量部、(B)充填材が20〜70重量部であり、より好ましくは(A)熱可塑性樹脂が40〜80重量部、(B)充填材が20〜60重量部である。
(A)熱可塑性樹脂が20重量部より少ないと、樹脂組成物の流動性が極度に低下し、成形性が著しく悪化する。一方で、(A)熱可塑性樹脂が90重量部よりも多いと、(B)充填材による補強効果が期待できないことになる。
〔その他配合剤〕
本発明において、樹脂組成物には、種々の機能を付与する目的で配合剤を含んでもよい。
該配合剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、耐候剤、難燃剤、可塑剤、分散剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤などが挙げられる。
〔樹脂組成物の調製〕
前記樹脂組成物は、上記した(A)熱可塑性樹脂と、充填剤と、必要に応じて配合剤とを、バンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機、高速2軸押出機などの混合装置により混合または溶融混練することにより得ることができる。
<金属/樹脂複合構造体>
本発明にかかる金属/樹脂複合構造体は、前記金属部材と、前記樹脂組成物からなる樹脂部材から構成される。
特に、該金属/樹脂複合構造体は、金属部材の金属表面に間隔周期が20nm以上800μm以下である凸部が林立した微細凹凸面を有していること、および、樹脂部材を構成する樹脂組成物中に最大長さが10nm以上500μm以下の範囲にある充填材が含まれていることが特徴である。
通常、射出成形など樹脂流動を生じる成形方法において、金型表面付近に成形される樹脂はせん断により配向層やスキン層を生じる。この際、該樹脂中に充填材が含有されている場合、これらの配向層やスキン層ではアスペクト比(長さ/直径)の大きな充填材は、流動方向に大きく配向することになる。さらに、スキン層ではさらに大きなせん断により、アスペクト比の大きな繊維は排除され、結果として樹脂比率が多くなる。
本発明にかかる金属/樹脂複合構造体の場合、金属部材と樹脂部材の界面にも、上記金型の場合と同様に、成形の過程でスキン層が形成される。この層にはアスペクト比(長さ/直径)の大きな充填材は入り込むことができないが、上記(B)充填材に含まれる最大長さが10nm以上500μm以下の範囲にある充填材であれば、配向による運動の制限が少ないため、比較的自由に樹脂中を運動することができ、結果として、スキン層中若しくはその付近にも存在することが可能となる。
さらに、金属部材の金属表面には間隔周期が20nm以上800μm以下である凸部が林立した微細凹凸面があるので、該金属表面に形成されたスキン層中若しくはその付近にも存在する(B)充填材に含まれる最大長さが10nm以上500μm以下の範囲にある充填材が金属表面の微細凹凸面に侵入が可能もしくは微細凹凸面に限りなく近づくことができるため、充填材が持つ補強効果を、金属−樹脂界面において発現させることが可能となると考えられる。
<金属/樹脂複合構造体の製造方法>
本発明の金属/樹脂複合構造体の製造方法は特に限定されず、射出成形、押出成形、加熱プレス成形、圧縮成形、トランスファーモールド成形、注型成形、レーザー溶着成形、反応射出成形(RIM成形)、リム成形(LIM成形)、溶射成形等の樹脂成形方法が採用できる。これらの中でも、射出成形法が好ましく、具体的には、前記金属部材を射出成形金型のキャビティ部にインサートし、樹脂組成物を金型に射出する射出成形法により製造するのが好ましい。具体的には、以下の(i)〜(iii)の工程を含んでいる。
(i)樹脂組成物を調製する工程
(ii)金属部材を、射出成形用の金型内に設置する工程
(iii)樹脂組成物を、上記金属部材の少なくとも一部と接するように、上記金型内に射出成形する工程
以下、各工程について説明する。
(i)樹脂組成物を調製する工程については、上述のとおり、
上記した(A)熱可塑性樹脂と、充填剤と、必要に応じて配合剤とを、バンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機、高速2軸押出機などの混合装置により混合または溶融混練することにより得ることができる。
次いで、(ii),(iii)の工程による射出成形方法について説明する。
まず、射出成形用の金型を用意し、その金型を開いてその一部に金属部材を設置する。その後、金型を閉じ、樹脂材料の少なくとも一部が上記金属部材と接するように、上記金型内に(i)工程で得られた樹脂組成物を射出して固化する。その後、金型を開き離型することにより、金属/樹脂複合構造体を得ることができる。
なお、該製造方法において、(B)充填剤は一般的に、上記工程(i)の混合または溶融混練工程や、(iii)の射出工程によって破壊、破砕されて細かくなることが知られている。したがって、(i)工程で添加される(B)充填剤のサイズは、最大長さが10nm以上500μm以下の範囲にある充填材が一定程度の割合で存在することができる程度のものを選択するのが好ましい。充填材の最大長さに調整する手段としては、当初添加する充填剤のサイズを調整したり、混合または溶融混練する条件を調整したり、射出する際の条件を調整したりすることにより行われるが、これらの条件は使用する熱可塑性樹脂の種類等により変化する。
また、前記インサート射出成形にあわせて、射出発泡成形や、金型を急速に加熱冷却する高速ヒートサイクル成形(RHCM,ヒート&クール成形)を併用しても良い。射出発泡成形の方法として、化学発泡剤を樹脂に添加する方法や、射出成形機のシリンダー部に直接、窒素ガスや炭酸ガスを注入する方法、あるいは、窒素ガスや炭酸ガスを超臨界状態で射出成形機のシリンダー部に注入するMuCell射出発泡成形法があるが、いずれの方法でも樹脂部材が発泡体である金属/樹脂複合構造体を得る事ができる。また、いずれの方法でも、金型の制御方法として、カウンタープレッシャーを使用したり、成形品の形状によってはコアバックを利用したりすることも可能である。高速ヒートサイクル成形は、急速加熱冷却装置を金型に接続することにより、実施することが出来る。急速加熱冷却装置は、一般的に使用されている方式で構わない。加熱方法として、蒸気式、加圧熱水式、熱水式、熱油式、電気ヒータ式、電磁誘導過熱式のいずれか1方式またはそれらを複数組み合わせた方式で良い。冷却方法としては、冷水式、冷油式のいずれか1方式またはそれらを組み合わせた方式で良い。
高速ヒートサイクル成形法を用いると、金属部材と樹脂部材の界面に形成されるスキン層の厚みや形成までの時間を調整することができる。スキン層の厚みを薄くすることにより、上記(B)で示される最大長さが10nm以上500μm以下の範囲にある充填材が、通常の射出成形法に比べてより金属部材表面に近接して存在することができるようになるので、該(B)充填剤が金属部材表面の凹部とより密接に作用することで、強固な接合強度を持つことが可能となる。また、スキン層形成までの時間を調整することが可能となるので、該(B)充填剤が金属部材表面のスキン層中に移動し、量的に最も増大する条件を設定することが可能となる。これにより(B)充填剤が金属部材表面の凹部と作用する頻度を高めることができるので、結果として強固な接合強度を持つことが可能となる。
高速ヒートサイクル成形法の条件としては、射出成形金型を100℃以上250℃以下の温度に加熱し、前記樹脂組成物の射出が完了した後、前記射出成形金型を冷却することが望ましい。金型を加熱する温度は、樹脂によって好ましい範囲が異なり、結晶性樹脂で融点が200℃未満の樹脂であれば、100℃以上150℃以下が好ましく、結晶性樹脂で融点が200℃以上の樹脂であれば、140℃以上250℃以下が望ましい。非晶性樹脂については、100℃以上180℃以下が望ましい。
<金属/樹脂複合構造体の用途>
本発明の金属/樹脂複合構造体は、生産性が高く、形状制御の自由度も高いので、様々な用途に展開することが可能である。
例えば、車両用構造部品、車両搭載用品、電子機器の筐体、家電機器の筐体、構造用部品、機械部品、種々の自動車用部品、電子機器用部品、家具、台所用品などの家財向け用途、医療機器、建築資材の部品、その他の構造用部品や外装用部品などが挙げられる。
より具体的には、樹脂だけでは強度が足りない部分を金属がサポートする様にデザインされた次のような部品である。車両関係では、インスツルメントパネル、コンソールボックス、ドアノブ、ドアトリム、シフトレバー、ペダル類、グローブボックス、バンパー、ボンネット、フェンダー、トランク、ドア、ルーフ、座席シート、ラジエータ、オイルパン、ステアリングホイール、ECUボックス、電装部品などが挙げられる。また、建材や家具類として、ガラス窓枠、手すり、カーテンレール、たんす、引き出し、クローゼット、書棚、机、椅子などが挙げられる。また、精密電子部品類として、コネクタ、リレー、ギヤなどが挙げられる。また、輸送容器として、輸送コンテナ、スーツケース、トランクなどが挙げられる。
また、各種家電にも用いることができる。例えば、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電子レンジ、エアコン、照明機器、電気湯沸かし器、テレビ、時計、換気扇、プロジェクター、スピーカーなどの家電製品類、パソコン、携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラ、タブレット型PC、携帯音楽プレーヤー、携帯ゲーム機、充電器、電池など電子情報機器などが挙げられる。
その他の用途として、玩具、スポーツ用具、靴、サンダル、鞄、フォークやナイフ、スプーン、皿などの食器類、ボールペンやシャープペン、ファイル、バインダーなどの文具類、フライパンや鍋、やかん、フライ返し、おたま、穴杓子、泡だて器、トングなどの調理器具、リチウムイオン2次電池用部品やロボットなどが挙げられる。
以上、本発明の金属/樹脂複合構造体の用途について述べたが、これらは本発明の用途の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下に、本発明の実施形態を実施例により説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
なお、図3,4は各実施例の共通の図として使用する。図3は、樹脂部材105と金属部材103との金属/樹脂複合構造体106を製造する過程を模式的に示した構成図である。具体的には所定形状に加工され、表面に微細凹凸面を有する表面処理領域104が形成された金属部材103を射出成形用の金型102内に設置し、射出成形機101により、樹脂組成物をゲート/ランナー107を通して射出し、微細凹凸面が形成された金属部材103と一体化された金属/樹脂複合構造体106を製造する過程を模式的に示している。
図4は、樹脂部材105と金属部材103との金属/樹脂複合構造体106を模式的に示した外観図である。
(金属の表面処理)
市販の1.6mm厚のA5052アルミニウム合金板を、18mm×45mmの長方形片に切断し、片側の端にレーザーマーカー(オムロン製MX−Z2000)を用いて15mm×7mmの長方形の範囲で、格子状に一定間隔の溝を切削(レーザー出力20W、スキャン速度500mm/秒、周波数100kHz)し、金属部材を得た。レーザー顕微鏡(KEYENCE製VK−X100)にて、切削面を観察すると、凸部の間隔周期が150μm、溝幅50μm、深さが100μmである格子状の溝が形成されていた。
(金属/樹脂複合構造体中の充填材の最大長さ測定、数分率算出)
作成した金属/樹脂複合構造体の樹脂部分を400℃に熱したオーブンの中で24時間放置し、樹脂を完全に炭化させた。その後、炭化した樹脂を取り除き、残った充填材を走査型電子顕微鏡(日本電子製)にて充填材が100個以上撮影できる倍率で撮影し、1つ1つの充填材の最大の辺の長さを測定した。
かかる方法で撮影された画像から、下記式を用いて、最大長さ10nm以上500μm以下にある充填材の数分率Xを求めた。
X=(Y/Z)×100
X:樹脂組成物中に含まれる最大長さ10nm以上500μm以下の充填材の数分率(%)
Y:最大長さ10nm以上500μm以下の充填材の数
Z:全充填材の数
(金属/樹脂複合構造体の接合強度の測定)
引っ張り試験機「モデル1323(アイコーエンジニヤリング社製)」を使用し、引張試験機に専用の治具を取り付け、室温(23℃)にて、チャック間距離60mm、引張速度10mm/minの条件にて測定をおこなった。破断荷重(N)を金属/樹脂接合部分の面積で除する事により接合強度(MPa)を得た。
(接合強度の合否判定)
上記接合強度において、23MPa以上27MPa未満得られた成形品に対しては○、27MPa以上得られた成形品に対しては◎、23MPa未満であった成形品については×と判定した。
[実施例1]
(繊維強化ポリアミドの作成)
ポリアミドとして、宇部興産製PA6(1015B)70重量部、オーウェンスコーニング製のガラス繊維(CS03JAFT2A、初期最大長さ3mm)30重量部を、テクノベル社製二軸押出機KZW15TW(スクリュー径15mm、L/D=45)にて260℃にて500rpmで混練し、ガラス繊維強化ポリアミドを得た。
(金属/樹脂複合構造体の作成)
日本製鋼所社製のJSW J85ADに小型ダンベル金属インサート金型102を装着し、金型102内にレーザー切削領域104を形成した上記アルミニウム片を設置した。次いで、その金型102内に上記で作成したガラス繊維強化ポリアミドを、シリンダー温度260℃、金型温度120℃、射出速度25mm/sec、保圧80MPa、保圧時間10秒の条件にて射出成形を行い、金属/樹脂複合構造体を得た。
上記方法により、金属/樹脂複合構造体を6個製造したのち、1つを前述した方法で樹脂組成物中に含まれる充填剤のうち、最大長さ10nm以上500μm以下の充填材の数分率(%)を求めるのに用い、残り5つは、上記方法で引っ張り試験を実施し、5回測定した接合強度の平均値を接合強度として求めた。その結果を表1に示す。
[実施例2]
(繊維強化ポリアミドの作成)
ポリアミドとして、宇部興産製PA6(1015B)70重量部、東レ製の炭素繊維(トレカカットファイバー、初期最大長さ3mm)30重量部を、テクノベル社製二軸押出機KZW15TW(スクリュー径15mm、L/D=45)にて260℃にて500rpmで混練し、炭素繊維強化ポリアミドを得た。
(金属/樹脂複合構造体の作成)
実施例1において、ガラス繊維強化ポリアミドに変えて、上記方法で調整した炭素繊維強化ポリアミドを用いた以外は同様の方法で金属/樹脂複合構造体を得た。
最大長さ10nm以上500μm以下の充填材の数分率(%)および接合強度を実施例1と同様にして求めた。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
(繊維強化ポリプロピレン)
ガラス繊維強化ポリプロピレンとして、短繊維強化ポリプロピレン(プライムポリマー製V7100、ポリプロピレン80重量部、ガラス繊維20重量部、ガラス繊維長300μm)を用いた。
(金属/樹脂複合構造体の作成)
日本製鋼所社製のJSW J85ADに小型ダンベル金属インサート金型102を装着し、金型102内にレーザー切削領域104を形成した上記アルミニウム片を設置した。次いで、その金型102内に上記繊維強化ポリプロピレンを、シリンダー温度250℃、金型温度120℃、射出速度25mm/sec、保圧80MPa、保圧時間10秒の条件にて射出成形を行い、金属/樹脂複合構造体を得た。
最大長さ10nm以上500μm以下の充填材の数分率(%)および接合強度を実施例1と同様にして求めた。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
(繊維強化ポリアミドの作成)
ポリアミドとして、宇部興産製PA6(1015B)70重量部、オーウェンスコーニング製のガラス繊維(CS03JAFT2A、初期最大長さ3mm)30重量部を、テクノベル社製二軸押出機KZW15TW(スクリュー径15mm、L/D=45)にてを260℃にて100rpmで混練し、ガラス繊維強化ポリアミドを得た。この時、スクリューのアレンジを実施例1と変更し、混練中にせん断応力がかからないようにした。
(金属/樹脂複合構造体の作成)
実施例1において、ガラス繊維強化ポリアミドに変えて、上記ガラス繊維強化ポリアミドを用いた以外は同様の方法で金属/樹脂複合構造体を得た。
最大長さ10nm以上500μm以下の充填材の数分率(%)および接合強度を実施例1と同様にして求めた。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
(炭素繊維強化ポリアミドの作成)
ポリアミドとして、宇部興産製PA6(1015B)70重量部、東レ製の炭素繊維(トレカカットファイバー、初期最大長さ3mm)30重量部を、テクノベル社製二軸押出機KZW15TW(スクリュー径15mm、L/D=45)にて260℃にて100rpmで混練し、炭素繊維強化ポリアミドを得た。この時、スクリューのアレンジを実施例2とは変更し、混練中にせん断応力がかからないようにした。
(金属/樹脂複合構造体の作成)
実施例1において、ガラス繊維強化ポリアミドに変えて、上記炭素繊維強化ポリアミドを用いた以外は同様の方法で金属/樹脂複合構造体を得た。
最大長さ10nm以上500μm以下の充填材の数分率(%)および接合強度を実施例1と同様にして求めた。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
(繊維強化ポリアミドの作成)
実施例1と同様の方法で、ガラス繊維強化ポリアミドを得た。
(金属/樹脂複合構造体の作成)
日本製鋼所社製のJSW J85ADに小型ダンベル金属インサート金型102を装着し、金型102内にレーザー切削領域104を形成した上記アルミニウム片を設置した。次いで、高速ヒートサイクル成形用金型温調装置(松井製作所製RHCM100G)を接続した金型102を150℃まで加熱した。その後、金型102内に上記で作成したガラス繊維強化ポリアミドを、シリンダー温度260℃、射出速度25mm/sec、保圧80MPa、保圧時間10秒の条件にて射出成形を行い、次いで、室温の水にて金型温度を80℃まで急冷し、金属/樹脂複合構造体を得た。
最大長さ10nm以上500μm以下の充填材の数分率(%)および接合強度を実施例1と同様にして求めた。評価結果を表2に示す。
[実施例5]
(繊維強化ポリアミドの作成)
実施例2と同様の方法で、炭素繊維強化ポリアミドを得た。
(金属/樹脂複合構造体の作成)
実施例4において、ガラス繊維強化ポリアミドに変えて、上記方法で調整した炭素繊維強化ポリアミドを用いた以外は同様の方法で金属/樹脂複合構造体を得た。
最大長さ10nm以上500μm以下の充填材の数分率(%)および接合強度を実施例1と同様にして求めた。評価結果を表2に示す。
[実施例6]
(繊維強化ポリプロピレン)
実施例3と同様の方法で、ガラス繊維強化ポリプロピレンを得た。
(金属/樹脂複合構造体の作成)
日本製鋼所社製のJSW J85ADに小型ダンベル金属インサート金型102を装着し、金型102内にレーザー切削領域104を形成した上記アルミニウム片を設置した。次いで、高速ヒートサイクル成形用金型温調装置(松井製作所製RHCM100G)を接続した金型102を140℃まで加熱した。その後、金型102内に上記繊維強化ポリプロピレンを、シリンダー温度250℃、射出速度25mm/sec、保圧80MPa、保圧時間10秒の条件にて射出成形を行い、次いで、室温の水にて金型温度を60℃まで急冷し、金属/樹脂複合構造体を得た。
最大長さ10nm以上500μm以下の充填材の数分率(%)および接合強度を実施例1と同様にして求めた。評価結果を表2に示す。
[実施例7]
(繊維強化ポリエーテルエーテルケトン)
ガラス繊維強化ポリエーテルエーテルケトンとして、VICTREX社製ポリエーテルエーテルケトンである450GL30(ガラス繊維30重量部、ポリエーテルエーテルケトン70重量部含有)を用いた。
(金属/樹脂複合構造体の作成)
日本製鋼所社製のJSW J85ADに小型ダンベル金属インサート金型102を装着し、金型102内にレーザー切削領域104を形成した上記アルミニウム片を設置した。次いで、その金型102内に上記繊維強化ポリエーテルエーテルケトンを、シリンダー温度390℃、金型温度130℃、射出速度25mm/sec、保圧80MPa、保圧時間10秒の条件にて射出成形を行い、金属/樹脂複合構造体を得た。
最大長さ10nm以上500μm以下の充填材の数分率(%)および接合強度を実施例1と同様にして求めた。評価結果を表3に示す。
[実施例8]
(繊維強化ポリエーテルイミド)
ガラス繊維強化ポリエーテルイミドとして、SABIC社製ポリエーテルイミドであるULTEM2200(ガラス繊維20重量部、ポリエーテルイミド80重量部含有)を用いた。
(金属/樹脂複合構造体の作成)
日本製鋼所社製のJSW J85ADに小型ダンベル金属インサート金型102を装着し、金型102内にレーザー切削領域104を形成した上記アルミニウム片を設置した。次いで、その金型102内に上記繊維強化ポリエーテルエーテルケトンを、シリンダー温度400℃、金型温度170℃、射出速度25mm/sec、保圧80MPa、保圧時間10秒の条件にて射出成形を行い、金属/樹脂複合構造体を得た。
最大長さ10nm以上500μm以下の充填材の数分率(%)および接合強度を実施例1と同様にして求めた。評価結果を表3に示す。

Claims (4)

  1. 金属表面に間隔周期が20nm以上500μm以下である凸部が林立した微細凹凸面を有している金属部材と、
    射出成形により、前記金属部材に直接的に接合される樹脂組成物からなる樹脂部材からなり、
    該樹脂組成物が、
    (A)熱可塑性樹脂20〜90重量部、
    (B)充填材10〜80重量部、
    ((A)+(B)の合計は100重量部)を含んでなり、
    該(B)充填材中、最大長さが10nm以上500μm以下の範囲にある充填材が数分率で5〜100%存在する、金属/樹脂複合構造体。
  2. 前記充填材(B)が、ガラス繊維、炭素繊維、炭素粒子、粘土、タルク、シリカ、ミネラル、セルロース繊維から選ばれる、請求項1に記載の金属/樹脂複合構造体。
  3. 前記金属部材が、鉄、鉄合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、チタンおよびチタン合金からなる、請求項1または2に記載の金属/樹脂複合構造体。
  4. 射出成形金型のキャビティ部に前記金属部材を配置し、該キャビティ部に前記樹脂組成物を射出することにより該金属部材と該樹脂組成物を接合する金属/樹脂複合構造体の製造方法であって、
    前記樹脂組成物を射出する前に、前記射出成形金型を100℃以上250℃以下の温度に加熱し、前記樹脂組成物の射出が完了した後、前記射出成形金型を冷却する請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属/樹脂複合構造体の製造方法。
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