以下、本発明の実施の形態例を、図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2の内側に収容された遊技盤3と、前面枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、前面枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、前面枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7等を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。
また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部11と、副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fと、発射制御処理部13と、賞球払出装置14等を備えている。
また、図2に示すように、遊技盤3は、その盤面に遊技領域31を有しており、前面枠2に装着した後、ガラス板10から遊技領域31を観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、特別図柄表示装置17と、演出表示装置34と、スルーチャッカ21と、普通図柄表示装置22と、電動チューリップ49と、ステージ36と、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示せず)と、風車(図示せず)と、アタッカー装置41等が設けられている。なお、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとは上下方向に間隔を空けて設けられている。
演出表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置34には、所定の演出態様の一部として、特別図柄表示装置17に変動表示される特別図柄と同期をとってダミー図柄(演出図柄)が変動表示されるようになっている。なお、この演出表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115a、115bに記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が区画形成されており、この表示領域の部分が保留球表示装置34aとなっている。
また、特別図柄表示装置17は、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果を表示するためのものであって、より具体的には、抽選結果を、特別図柄(数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示するものである。この特別図柄表示装置17は、本実施形態では7セグメント表示器が用いられており、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技よりも、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技を優先して実行するようになっているので、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bの両方の抽選結果を同時に表示することはない。よって、2つの始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特別図柄表示装置17で表示している。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置22が、特別図柄表示装置17の隣に設けられている。この普通図柄表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。
電動チューリップ49は、第2始動入賞口37bの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第2始動入賞口37bの入口を拡大するようになっている。そして、電動チューリップ49が開放されない限り、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することはない。
また、ステージ36は、演出表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
アタッカー装置41は、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、大当たり(特図当たり)となって大当たり遊技(特図当たり遊技)に移行した場合に所定回数(例えば、2ラウンドまたは15ラウンド)開放される装置である。また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。
そして、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、およびアタッカー装置41に入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43a、43b、44、45(図4参照)が設けられている。
前面ボード6には、遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が前面枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作するタッチボタン(操作部)60が設けられている。
主制御処理部11は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御装置11は、CPU(Central Processing Unit)と、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等とにより構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、主制御処理部11は、図4に示すように、始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う特別図柄抽選処理部110と、この特別図柄抽選処理部110が判定した抽選結果に応じて特別図柄の種類を決定する特別図柄決定部120a、120bと、特別図柄の変動時間に関するコマンドである変動パターンコマンドを決定するための変動パターンコマンド決定部130と、特別図柄抽選処理部110による抽選結果の判定が特図当たりとなった場合にアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて当たり遊技に移行する当たり遊技制御部(当たり遊技制御手段)160と、遊技モードの移行を制御する遊技モード移行制御部(遊技モード移行制御手段)140と、移行先となる遊技モードに対応するフラグを設定する遊技モードフラグ設定部(遊技モードフラグ設定手段)150と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選を行う普通図柄抽選処理部170と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180と、普通図柄の変動時間を決定する普通図柄変動時間決定部(普通図柄変動時間決定手段)190と、時短モードを超時短モードとするか抽選選択する時短モード抽選選択部(時短モード抽選選択手段)200を備えて構成されている。
このうち、特別図柄抽選処理部110は、図5に示すように、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特別図柄用乱数発生部(特別図柄用乱数発生手段)111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る抽選を行うための第1特別図柄抽選部(第1電子抽選手段)119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る抽選を行うための第2特別図柄抽選部(第2電子抽選手段)119bと、を備えて構成されている。
即ち、本実施形態において、特別図柄の抽選は、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行うものと、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行うものとの2つがある。
第1特別図柄抽選部119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄用乱数取得部(第1特別図柄用乱数取得手段)112aと、この第1特別図柄用乱数取得部112aが取得した乱数が特図当たりであるか否かを第1特別図柄高確率判定テーブル(第1高確率判定テーブル)116aまたは第1特別図柄低確率判定テーブル(第1低確率判定テーブル)117aを参照して決定する第1特別図柄当否判定部(第1特別図柄当否判定手段)113aと、第1特別図柄用乱数取得部112aが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1保留球乱数記憶部115aと、を備えている。ここで、第1特別図柄高確率判定テーブル116aは、第1特別図柄低確率判定テーブル117aよりも特図当たりとなる確率が高くなっている。ここで、第1特別図柄高確率判定テーブル116a及び第1特別図柄低確率判定テーブル117aを第1特図判定テーブルという。
第2特別図柄抽選部119bも、第1特別図柄抽選部119aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄用乱数取得部(第2特別図柄用乱数取得手段)112bと、この第2特別図柄用乱数取得部112bが取得した乱数が特図当たりであるか否かを第2特別図柄高確率判定テーブル(第2高確率判定テーブル)116bまたは第2特別図柄低確率判定テーブル(第2低確率判定テーブル)117bを参照して決定する第2特別図柄当否判定部(第2特別図柄当否判定手段)113bと、第2特別図柄用乱数取得部112bが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2保留球乱数記憶部115bと、を備えている。ここで、第2特別図柄高確率判定テーブル116bは、第2特別図柄低確率判定テーブル117bよりも特図当たりとなる確率が高くなっている。ここで、第2特別図柄高確率判定テーブル116b及び第2特別図柄低確率判定テーブル117bを第2特図判定テーブルという。
本実施形態では、第1保留玉乱数記憶部115aと第2保留玉乱数記憶部115bの両方に保留玉乱数が記憶されている場合は、第2保留玉乱数記憶部115bに記憶されている保留玉乱数の方を優先して読み出して特図当たりであるか否かの判定を行い、遊技を進めるように制御されている。
また、本実施形態では、通常当たり、確変当たりの2つの大当たり(特図当たり)を備えている。この特図当たりに当選した場合には、アカッター装置41が1回につき30秒間またはパチンコ球が10個入賞するまで開放する動作を1ラウンド(1R)とし、この動作を2ラウンド(2R)または15ラウンド(15R)行う大当たり遊技が大当たり遊技制御部160(当たり遊技制御手段)により提供される。
ここで、確変当たりに当選すると、その確変当たりに基づく特図当たり遊技が終了した後には、次の特図当たり当選するまでの間の遊技では、参照する判定テーブルとして第1特別図柄高確率判定テーブル116aおよび第2特別図柄高確率判定テーブル116bが参照されるようになっている(遊技状態が、いわゆる高確率変動状態となっている)。一方、通常当たりに当選すると、その通常当たりに基づく大当たり遊技が終了した後には、第1特別図柄低確率判定テーブル117aおよび第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照しながら遊技が行われるようになっている(遊技状態が、いわゆる通常状態となっている)。
そのため、確変当たりに当選した方が、当該確変当たり遊技後の遊技において第1特別図柄高確率判定テーブル116aおよび第2特別図柄高確率判定テーブル116bが参照される高確率状態となるため、通常当たりに当選するよりも遊技者にとって有利である。
第1特別図柄決定部120aは、第1特別図柄抽選部119aによる抽選結果が特図当たりであった場合に、その特図当たりに対応する特別図柄の種類を決定する。特別図柄の種類は、上記した通常当たり、確変当たりと予め対応付けられており、第1特別図柄決定部120aにより特別図柄の種類が決定されると、その特別図柄の種類から第1特別図柄抽選部119aによる抽選で当選した特図当たりの種類が決定することになる。具体的には、第1特別図柄決定部120aは、図6の「特図1」の欄に示すように、2R通常当たり、15R通常当たり、2R確変当たり、15R確変当たり、の何れかを決定する。
一方、第2特別図柄決定部120bは、第2特別図柄抽選部119bによる抽選結果が特図当たりであった場合に、その特図当たりに対応する特別図柄の種類を決定する。具体的には、第2特別図柄決定部120bは、図6の「特図2」の欄に示すように、15R通常当たり、15R確変当たり、の何れかを決定する。
ここで、図6に示す特図当たりの種類である「2R確変」、「15R確変」、「2R通常」、「15R通常」の意味について説明する。
「15R確変」および「15R通常」とは、アカッター装置41が1回につき30秒間またはパチンコ球が10個入賞するまで開放する動作を1Rとし、この動作を15R行う当たり遊技が当たり遊技制御部160により提供される特図当たりのことである。これらの特図当たりの場合には、15Rの当たり遊技が提供されるため、遊技者は多くの賞球を獲得できる。
一方、「2R確変」、「2R通常」とは、アタッカー装置41が1回につき30秒開放する動作を1ラウンドとし、この動作を2ラウンド行う当たり遊技が当たり遊技制御部160により提供される特図当たりのことである。これらの特図当たりの場合には、2ラウンドしか当たり遊技が提供されないため、遊技者にとっては「15R確変」および「15R通常」よりも獲得できる利益が少ない。
そして、「15R確変」及び「2R確変」は、当該特図当たり遊技後の遊技において第1特別図柄高確率判定テーブル116aおよび第2特別図柄高確率判定テーブル116bが参照される高確率状態となり、「15R通常」及び「2R通常」は、当該特図当たり遊技後の遊技において第1特別図柄低確率判定テーブル117aおよび第2特別図柄低確率判定テーブル117bが参照される通常状態となる。
次に、図6に示す「特図1」と「特図2」との特図当たりの振分けの違いについて説明する。「特図1」と「特図2」とでは、確変当たりに振り分けられる確率、通常当たりに振り分けられる確率はそれぞれ同じであるが、特図1では確変当たりであっても2R確変当たりと15R確変当たりとに振り分けられるのに対して、特図2では確変当たりの場合には、必ず15R確変当たりに振り分けられるようになっている点で相違する。通常当たりについても同様に、特図1では2R通常当たりと15R通常当たりに振り分けられるのに対して、特図2では必ず15R通常当たりに振り分けられるようになっている点で相違する。
このように、本実施形態では、特図1と特図2とで特図当たりの内訳が異なる構成となっているため、第1特別図柄抽選部119aにて電子抽選を行うより、第2特別図柄抽選部119bにて電子抽選を行った方が、多くの賞球を獲得できる点において遊技者に有利であると言える。つまり、第2始動入賞口(所謂電チュー入賞口)に入賞することによって行われる遊技の方が、第1始動入賞口(所謂へそ入賞口)に入賞することによって行われる遊技よりも、遊技者に利益をもたらす確率が高くされている。
次に、変動パターンコマンド決定部130は、図7に示すように、変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン用乱数を発生させる変動パターン用乱数発生部(変動パターン用乱数発生手段)131と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて変動パターンコマンドを決定するための第1変動パターンコマンド決定部(第1特別図柄変動時間決定手段)130aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づいて変動パターンコマンドを決定するための第2変動パターンコマンド決定部(第2特別図柄変動時間決定手段)130bと、を備えて構成されている。
変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(0〜9まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
第1変動パターンコマンド決定部130a(第1特別図柄変動時間決定手段)は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、変動パターン用乱数発生部131により発生した変動パターン用乱数の中から1つの乱数を取得する第1変動パターン用乱数取得部(変動パターン用乱数取得手段)132aと、この第1変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数を、第1始動入賞口37aに入賞した順に上限4個まで記憶する第1変動パターン用乱数記憶部133aと、変動パターン用乱数と変動パターンNo.とを対応づけたテーブルが複数記憶された第1変動パターンコマンドテーブル(変動パターンコマンドテーブル)134aと、を備えている。なお、変動パターンコマンド決定部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が1個入賞すると、第1特別図柄抽選部119aと同様に、その入賞につき1つの変動パターン用乱数を取得する。
第2変動パターンコマンド決定部130b(第2特別図柄変動時間決定手段)も第1変動パターンコマンド決定部130aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、変動パターン用乱数発生部131により発生した変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第2変動パターン用乱数取得部(変動パターン用乱数取得手段)132bと、この第2変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数を、第2始動入賞口37bに入賞した順に上限4個まで記憶する第2変動パターン用乱数記憶部133bと、変動パターン用乱数と変動パターンNo.とを対応づけたテーブルが複数記憶された第2変動パターンコマンドテーブル(変動パターンコマンドテーブル)134bと、を備えている。なお、変動パターンコマンド決定部130bは、第2始動入賞口37bに遊技球が1個入賞すると、第2特別図柄抽選部119bと同様に、その入賞につき、1つの変動パターン用乱数を取得する。
第1変動パターンコマンドテーブル134aには、図8に示すように、第1特別図柄抽選部119aによる抽選で特図当たりに当選した場合に参照される特図変動テーブルA(134a−1)と、第1特別図柄抽選部119bによる抽選でハズレとなった場合に参照される特図変動テーブルB(134a−2)、特図変動テーブルC(134a−3)、および特図変動テーブルD(134a−4)の4つのテーブルが記憶されており、それぞれのテーブルは、変動パターン用乱数と変動パターンNo.が予め対応づけられた構成となっている。つまり、変動パターン用乱数が決まると、その変動パターン用乱数から変動パターンNo.(変動パターンコマンド)が自ずと決まり、その変動パターンNo.に対応する変動時間が決まるようになっている。
なお、第2変動パターンコマンドテーブル134bの構成は、第1変動パターンコマンドテーブル134aと同じであるため、図示およびここでの説明は省略する。
ここで、本実施形態例では、変動パターン用乱数を0〜9までの10個、変動パターンNo.を当たり用としてNo.1〜No.10、ハズレ用としてNo.11〜No.40までとしているが、変動パターン用乱数の数や変動パターンNo.の数は適宜設定すれば良い。
次に、各特図変動テーブルA〜Eに記憶されている変動時間について説明する。
図8に示すように、特図変動テーブルA(134a−1)には、30秒から120秒までの変動時間が記憶されている。特図変動テーブルB(134a−2)には、20秒〜120秒までの変動時間が記憶されているが、特図変動テーブルA(134a−1)と比べると短い変動時間が多く含まれている。
特図変動テーブルC(134a−3)には、10秒〜20秒までの変動時間が記憶されている。特図変動テーブルB(134a−2)と特図変動テーブルC(134a−3)とを比較すると、特図変動テーブルB(134a−2)では変動時間20秒は最も短い変動時間であるのに対して、特図変動テーブルC(134a−3)に記憶されている変動時間20秒は最も長い変動時間である。このように、特図変動テーブルC(134a−3)は、特図変動テーブルB(134a−2)よりも相対的に変動時間が短いテーブルである。
特図変動テーブルD(134a−4)には、1.2秒の変動時間が記憶されている。特図変動テーブルC(134a−3)と特図変動テーブルD(134a−4)とを比較すると、特図変動テーブルD(134a−4)の変動時間は、特図変動テーブルC(134a−3)に記憶されている全ての変動時間よりも短いものとなっている。
さらに特図変動テーブルE(134a―5)には、0.6秒の変動時間が記憶されており、この変動時間は、特図変動テーブルD(134a−4)に記憶されている全ての変動時間よりも更に短いものとなっている。
そして、図21に関し後に説明するように、特図変動テーブルB(134a−2)が本発明の第1通常変動時間テーブルに相当し、特図変動テーブルC(134a−3)が本発明の第1短縮変動時間テーブルに相当し、特図変動テーブルD(134a−4)が本発明の第1特別短縮変動時間テーブルに相当する。
また、特図変動テーブルB(134b−2)が本発明の第2通常変動時間テーブルに相当し、特図変動テーブルC(134b−3)が本発明の第2短縮変動時間テーブルに相当し、特図変動テーブルD(134b−4)が本発明の第2特別短縮変動時間テーブルに相当し、特図変動テーブルE(134b−5)が本発明の第2超短縮変動時間テーブルに相当する。
なお、先にも述べたが、特図変動テーブルB(134a−2)と特図変動テーブルB(134b−2)は同一の構成であり、特図変動テーブルC(134a−3)と特図変動テーブルC(134b−3)は同一の構成であり、特図変動テーブルD(134a−4)と特図変動テーブルD(134b−4)は同一の構成である。
普通図柄抽選部170は、図9に示すように、乱数を発生させる普通図柄用乱数発生部(普通図柄用乱数発生手段)171と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する普通図柄用乱数取得部(普通図柄用乱数取得手段)172と、この普通図柄用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを判定テーブルを参照して決定する普通図柄当否判定部173と、普通図柄用乱数取得部172が乱数を取得したときに普通図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を普通図柄用保留球乱数として記憶する普通図柄用保留球記憶部174と、判定テーブルとして、普図当たりに当選する確率が低い普通図柄低確率判定テーブル176と、この普通図柄低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普通図柄高確率判定テーブル175とを備えている。普通図柄用乱数発生部171は、特別図柄用乱数発生部111より発生する乱数は少ないが、乱数を発生させるための構成は同じである。
普通図柄高確率判定テーブル175は、確変当たりに基づく特図当たり遊技が終了してから次の特図当たりになるまでの間の遊技(即ち、高確率変動状態中の遊技)、および通常当たりに基づく特図当たり遊技が終了してから最大100回だけ行われる時短モードの遊技のときに参照される判定テーブルである。
普通図柄変動時間決定部190は、図10に示すように、普図変動パターンコマンドの決定に用いられる普図変動パターン用乱数を発生させる変動パターン用乱数発生部191と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に、普図変動パターン用乱数発生部191(普通図柄用乱数発生手段)により発生した普図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する普図変動パターン用乱数取得部192(普通図柄用乱数取得手段)と、この普図変動パターン用乱数取得部192が取得した乱数を上限4個まで記憶する普図変動パターン用乱数記憶部193と、普図変動パターン用乱数と変動パターンNo.とが対応づけられたテーブルが複数記憶された普図変動パターンコマンドテーブル194と、を備えている。なお、普通図柄変動時間決定部190は、スルーチャッカ21を遊技球が1個通過すると、その通過につき1つの普図変動パターン用乱数を取得する。
普図変動パターン用乱数発生部191は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(0〜4まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
普図変動パターンコマンドテーブル194には、図11に示すように、2つの普図変動テーブルが記憶されており、それぞれのテーブルは、普図変動パターン用乱数と変動パターンNo.が予め対応づけられた構成となっている。つまり、普図変動パターン用乱数が決まると、その普図変動パターン用乱数から変動パターンNo.(変動パターンコマンド)が自ずと決まり、その変動パターンNo.に対応する変動時間が決まるようになっている。ここで、本実施形態例では、普図変動パターン用乱数を0〜4までの5個、変動パターンNo.をNo.101〜No.110まで設定しているが、普図変動パターン用乱数の数や変動パターンNo.の数は適宜設定すれば良い。
次に、各普図変動テーブルa〜cに記憶されている変動時間について説明する。
まず、普図変動テーブルa(194−1)には、20秒の変動時間が記憶されている。普図変動テーブルb(194−2)には、5秒の変動時間が記憶されている。このように、普図変動テーブルa(194−1)と普図変動テーブルb(194−2)とを比べると、普図変動テーブルb(194−2)の方が短い変動時間とされている。
よって、普図変動テーブルa(194−1)が参照される場合には、普通図柄変動時間決定部190は、普図変動パターン用乱数が何れの値であっても、変動時間20秒を普通図柄の変動時間として決定し、普図変動テーブルb(194−2)が参照される場合には、普通図柄変動時間決定部190は、普図変動パターン用乱数が何れの値であっても、変動時間5秒を普通図柄の変動時間として決定する。
なお、普図変動テーブルa(194−1)が本発明の普通図柄通常変動時間テーブルに相当し、普図変動テーブルb(194−2)が本発明の普通図柄短縮変動時間テーブルに相当する。
ここで、上記した特図変動テーブルB〜Dに記憶されている変動時間と、普図変動テーブルa、bに記憶されている変動時間との関係をまめると、次のことが言える。
特図変動テーブルB(134a−2、134b−2)に記憶されている変動時間は、普図変動テーブルa(194−1)、普図変動テーブルb(194−2)に記憶されている変動時間以上のもので構成されている。また、特図変動テーブルC(134a−3)に記憶されている変動時間は、普図変動テーブルa(194−1)に記憶されている変動時間よりも短いが、普図変動テーブルb(194−2)に記憶されている変動時間より長いもので構成されている。
また、特図変動テーブルD(134a−4、134b−4)及び特図変動テーブルE(134a―5、134b−5)に記憶されている変動時間は、普図変動テーブルb(194−2)に記憶されている変動時間よりも短いもので構成されている。このように、特図変動テーブルD(134a−4、134b−4)及び特図変動テーブルE(134a―5、134b−5)を参照して決定された特別図柄の変動時間は、普図変動テーブルa、bの何れを参照して決定された普通図柄の変動時間を超えることがないように構成されている。特に特図変動テーブルD及びEにおける変動時間(特図変動テーブルDにおいては1.2秒、特図変動テーブルEにおいては0.6秒)は、普図変動テーブルb(普図変動テーブルbにおいては5秒)におけるものに比べ、数分の1以下の変動時間に設定することが好ましい。そのように設定することで、普通図柄が変動中に特別図柄の変動が数回行われることとなる。
次に、当たり遊技制御部160は、所定のラウンド数だけアタッカー装置41の開閉を行うように制御している。また、電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄抽選部177による電子抽選で普図当たりに当選した旨のコマンドに基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するよう制御している。ここで、普通図柄高確率判定テーブル175が参照されている遊技(後述する時短モード及び超時短モードでの遊技)では、普通図柄抽選部177による電子抽選に当選する確率が高いため、電動チューリップ49が頻繁に開くこととなる。よって、遊技者は、遊技球を通常遊技状態よりも減らすことなく遊技を行うことができる。
なお、電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄高確率判定テーブル175が参照される遊技状態では、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間2.9秒で2回開放するよう制御し、普通図柄低確率判定テーブル176が参照される遊技状態では、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間0.2秒で1回開放するよう制御している。
続いて、本実施形態に係るパチンコ機のゲーム内容について説明する。
本実施形態に係るパチンコ機は、遊技モードとして、図14及び図15に示すように、通常モード、確変モード、時短モード、超時短モードの4つのモードを備えており、更に超時短モードにおいて、第1危険モードあるいは第2危険モードが選択されるように構成されている。これら遊技モードにおける特別図柄、普通図柄の変動時間を、図27に一覧で示す。
そして、これらの遊技モードは、所定条件を達成することにより、モード移行するようになっている。
遊技モード名:通常モード
通常モードは、特別図柄の抽選状態が低確率、かつ普通図柄の抽選状態が低確率の遊技状態である。具体的には、第1特別図柄抽選部119aが第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照し、第2特別図柄抽選部119bが第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照し、普通図柄抽選部177が普通図柄低確率判定テーブル176を参照して電子抽選を行いながら遊技が進行する遊技モードである。
この通常モードは、所謂「通常遊技状態」におけるモードであり、パチンコ機の初期電源投入時やリセット時は、通常モードになるように設定されている。このモードでは、上記したように、普通図柄に係る電子抽選が低確率であるため、当該抽選に当選して電動チューリップ49が開くことは稀であり、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することは殆どない。よって、通常モードでは、ほぼ第1特別図柄抽選部119aによる電子抽選を行うことにより、遊技が進められていくこととなる。
遊技モード名:確変モード
このモードは、特図当たりが確変当たり(2R確変当たり、あるいは15R確変当たり)である場合に、当該特図当たり遊技が終了した後、次の特図当たり遊技が開始されるまでの遊技において設定される遊技モードである。
このモードは、特別図柄の抽選状態が高確率、かつ普通図柄の抽選状態が高確率の遊技状態、所謂「確変」状態とされる。具体的には、第1特別図柄抽選部119aが第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照し、第2特別図柄抽選部119bが第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照し、普通図柄抽選部177が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して電子抽選を行いながら遊技が進行する遊技モードである。
このモードでは、上記したように、普通図柄に係る電子抽選が高確率であるため、頻繁に当該抽選に当選して電動チューリップ49が開くこととなり、第2始動入賞口37bに遊技球を頻繁に入賞させることが容易である。したがって、ほぼ第2特別図柄抽選部119bにより電子抽選を行うことができるので、通常モードに比べて遊技者に有利な遊技モードである。また、特別図柄の抽選状態が高確率であるため、後述する時短モードよりも遊技者に有利なモードである。
遊技モード名:時短モード
このモードは、特図当たりが通常当たり(2R通常当たり、あるいは15R通常当たり)である場合に、当該特図当たり遊技が終了した後、所定回数(本実施形態においては100回)の遊技において設定される遊技モードである。
このモードは、特別図柄の抽選状態が低確率、かつ普通図柄の抽選状態が高確率の遊技状態、所謂「時短」状態とされる。具体的には、第1特別図柄抽選部119aが第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照し、第2特別図柄抽選部119bが第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照し、普通図柄抽選部177が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して電子抽選を行いながら遊技が進行する遊技モードである。
このモードでは、上記したように、普通図柄に係る電子抽選が高確率であるため、頻繁に当該抽選に当選して電動チューリップ49が開くこととなり、第2始動入賞口37bに遊技球を頻繁に入賞させることができので、遊技者は、遊技球を通常遊技状態よりも減らすことなく遊技を行うことができる。また、ほぼ第2特別図柄抽選部119bにより第2電子抽選を行うことができ、該第2電子抽選での特図当たりは、必ず15R当たりとなるため、通常モードに比べて遊技者に有利な遊技モードである。
遊技モード名:超時短モード
このモードは、上記した時短モードにおいて所要の条件が成立することにより、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の図柄変動時間が短縮される遊技モードあり、第1危険モードあるいは第2危険モードから構成されている。
時短モードから超時短モードへのモード移行は、時短モードでの遊技毎に、超時短モードに移行するか否かを抽選選択する時短モード抽選選択部200の抽選に当選することによって行われる。
このうち第1危険モード及び第2危険モードへの振分は、この時短モード抽選選択手段での当選が、時短モード遊技での所定回数内の何回目の遊技で当選したかによって行われる。本実施形態では、時短モード遊技の所定回数を100回とし、その過半をすぎるまでに、つまり50回目以内の遊技で当選した場合は時短モードから第1危険モードへの移行とし、過半を過ぎた遊技、つまり51回目を過ぎた遊技で当選した場合は時短モードから第2危険モードへの移行とする。
このため、本実施形態では、時短モードでの遊技数をカウントする減算カウンタ(100、99、98、・・・・のように一回の遊技が終了する毎に1つずつ減算するカウンタ)と、該減算カウンタの値を演出表示部34に表示するカウンタ表示部と、時短モード抽選選択部200で当選した場合にその当選した遊技が過半を過ぎた遊技か否かを判定する判定手段を備えている。
超時短モードのうち第1危険モードは、図27に示すように、普通図柄及び第1特別図柄の変動時間が、時短モードと同様に普通図柄短縮変動時間テーブ及び第1短縮変動時間テーブルから選択されるのに対し、第2特別図柄の変動時間は、時短モードにおける第2短縮変動時間テーブルよりも変動時間が短い第2特別短縮変動時間テーブルから選択されるように構成されている。
また、超時短モードのうち第2危険モードは、普通図柄変動時間が時短モード及び第1危険モードと同様に普通図柄短縮変動時間テーブルから選択されるのに対し、第2特別図柄の変動時間は、第1危険モードにおける第2特別短縮変動時間テーブルより変動時間が短い第2超短縮変動時間テーブルから選択される。さらに、該第2危険モードにおいては、第1特別図柄の変動時間が、第1危険モードと同様に第1短縮変動時間テーブルまたは該第1短縮変動時間テーブルよりさらに変動時間が短い第1特別変動時間テーブルから選択されるように構成されている。
ここで、上記した遊技モードには、それぞれフラグが割り当てられており、フラグによって各モードを識別できるようになっている。図13に示すように、通常モードには変動パターン選択フラグ0が割り当てられ、時短モードには変動パターン選択フラグ1が割り当てられ、確変モードには変動パターン選択フラグ2が割り当てられ、超時短モード(第1危険モード)には変動パターン選択フラグ3が割り当てられ、超時短モード(第2危険モード)には変動パターン選択フラグ4が割り当てられている。
そして、遊技モード移行制御部140は、設定された変動パターン選択フラグに基づいて遊技モードの移行を行っている。つまり、上記したように遊技モードの移行条件が成立した場合には、遊技モード移行制御部140は、次に述べる遊技モードフラグ設定部150が設定した変動パターン選択フラグに基づいて遊技モードを移行させるよう制御し、上記したように別の遊技モードに移行しない条件が成立した場合には、遊技モード移行制御部140は、遊技モードフラグ設定部150が設定した変動パターン選択フラグに基づいて遊技モードを維持するように制御している。
遊技モードフラグ設定部150は、第1特別図柄抽選部119aまたは第2特別図柄抽選部119bにより特図当たりに当選したときに、その当選により提供された当たり遊技が終了した後に移行するモードに対応する変動パターン選択フラグを設定している。図13を参照して、遊技モードフラグ設定部150がどのようにして変動パターン選択フラグを設定するのかについて具体的に説明する。例えば、現在の遊技モードが通常モードである場合には、変動パターン選択フラグ0が成立している。このとき、変動パターン選択フラグ0が成立している状態で2R確変に当選したとすると、遊技モードフラグ設定部150は、図13に示すように、次回変動パターンフラグとして、変動パターン選択フラグ2を設定する。すると、遊技モード移行制御部140は、変動パターン選択フラグ2が設定されたので、2R確変に係る当たり遊技終了後のゾーンを変動パターン選択フラグ2に対応する確変モードに移行するよう制御するのである。
また、現在の遊技モードが確変モードである場合には、変動パターン選択フラグ2が成立している。このとき、変動パターン選択フラグ2が成立している状態で15R通常に当選したとすると、遊技モードフラグ設定部150は、図13に示すように、次回変動パターンフラグとして、変動パターン選択フラグ1を設定する。すると、遊技モード移行制御部140は、変動パターン選択フラグ1が設定されたので、15R通常に係る当たり遊技終了後の遊技モードを変動パターン選択フラグ1に対応する時短モードに移行するよう制御するのである。
なお、図13において、次回電サポ回数の欄に記載された「次回まで」とは、次に特図当たりに当選するまで、普通図柄に係る抽選状態が高確率であること意味しており、また、次回電サポ回数の欄に記載された「100」とは、100回遊技を行うまでは普通図柄に係る抽選状態が高確率であることを意味し、時短モードでの遊技回数が最大100回までであることと同義である。
次に、各遊技モードと特別図柄の変動時間と普通図柄の変動時間との関係について図14および図15を参照しながら説明する。
まず、各遊技モードと特別図柄の変動時間との関係については、図14に示すように、何れの遊技モードにおいても、第1特別図柄抽選部119aによる抽選で特図当たりとなった場合には、第1変動パターンコマンド決定部130aは特図変動テーブルA(134a−1)を参照し、第2特別図柄抽選部119bによる抽選で特図当たりとなった場合には、第2変動パターンコマンド決定部130bは特図変動テーブルA(134b−1)を参照する。
通常モードにおいて第1特別図柄抽選部119aによる抽選でハズレとなった場合には、第1変動パターンコマンド決定部130aは、特図変動テーブルB(134a−2)を参照して特別図柄に係る変動時間を決定する。一方、通常モードにおいて第2特別図柄抽選部119bによる抽選でハズレとなった場合には、第2変動パターンコマンド決定部130bは、特図変動テーブルB(134b−2)を参照して特別図柄に係る変動時間を決定する。
時短モードにおいて第1特別図柄抽選部119aによる抽選でハズレとなった場合には、第1変動パターンコマンド決定部130aは、特図変動テーブルC(134a−3)を参照して特別図柄に係る変動時間を決定する。一方、該時短モードにおいて第2特別図柄抽選部119bによる抽選でハズレなった場合には、第2変動パターンコマンド決定部130bは、特図変動テーブルC(134b−3)を参照して特別図柄に係る変動時間を決定する。
確変モードにおいて第1特別図柄抽選部119aによる抽選でハズレとなった場合には、第1変動パターンコマンド決定部130aは、特図変動テーブルC(134a−3)を参照して特別図柄に係る変動時間を決定する。一方、該確変モードにおいて第2特別図柄抽選部119bによる抽選でハズレなった場合には、第2変動パターンコマンド決定部130bは、特図変動テーブルC(134b−3)を参照して特別図柄に係る変動時間を決定する。
超時短モードでの第1危険モードにおいて第1特別図柄抽選部119aによる抽選でハズレとなった場合には、第1変動パターンコマンド決定部130aは、特図変動テーブルC(134a−C)を参照して特別図柄に係る変動時間を決定する。また、第2特別図柄抽選部119aによる抽選でハズレとなった場合は、第2変動パターンコマンド決定部130bは、特図変動テーブルD(134b−4)を参照して特別図柄に係る変動時間を決定する。
超時短モードでの第2危険モードにおいて第1特別図柄抽選部119aによる抽選でハズレとなった場合には、第1変動パターンコマンド決定部130aは、特図変動テーブルC(134a−C)(または、特図変動テーブルD(134b−4))を参照して特別図柄に係る変動時間を決定する。また、第2特別図柄抽選部119aによる抽選でハズレとなった場合は、第2変動パターンコマンド決定部130bは、特図変動テーブルE(134b−5)を参照して特別図柄に係る変動時間を決定する。
次に、各遊技モードと普通図柄の変動時間との関係について、図15を用いて説明する。通常モードにて遊技が行われる場合には、普通図柄変動時間決定部190は、普図変動テーブルa(194−1)を参照して普通図柄に係る変動時間を決定する。よって、通常モードでは普通図柄の変動時間は常に20秒となる。
時短モード、確変モード、超時短モードにて遊技が行われる場合には、普通図柄変動時間決定部190は、いずれも普図変動テーブルb(194−2)を参照して普通図柄に係る変動時間を決定する。よって、これらモードでは普通図柄の変動時間は常に5秒となる。
ここで、各遊技モードにおいて、特別図柄の変動時間と普通図柄の変動時間の長短について見てみることにする。通常モードでは、普通図柄の変動時間は20秒であるが、特別図柄の変動時間は20秒以上のものが選ばれる可能性が高い。時短モード、確変モードでは、普通図柄の変動時間は5秒であるが、特別図柄の変動時間は5秒より常に長いものが選ばれる。
これに対して、超時短モードでは、特別図柄の変動時間は1.2秒(第1危険モードの場合)ないし0.6秒(第2危険モードの場合)であるのに対して、普通図柄の変動時間は、5秒である。つまり、この超時短モードでは、普通図柄の変動時間が特別図柄の変動時間より常に長くなるのである。したがって、超時短モードで遊技を行うことは、時短モードで遊技するよりも遊技者に不利となる。
この超時短モードが遊技者に不利であることを、図16〜図19を用いて説明する。
図16には、第1保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が3個記憶され、第2保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が4個記憶された状態から、まず第2保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数(保留4)に基づく遊技が開始された様子が時系列で示されている。なお、この状態で以降の遊技で保留玉乱数がいずれの保留玉乱数記憶部にも記憶されなければ、第2保留球乱数記憶部115bの記憶がゼロになると、第1保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数に基づく遊技が開始されることとなる(つまり、いわば第2保留玉乱数が第1保留玉乱数に優先して消化されることとなる。)。
なお、図中、保留球表示装置34に表示された黒丸印は、保留球乱数が記憶されていることを示しており、特図1に3つの黒丸印があるのは、第1保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が3個記憶されていることを意味し、特図2に4つの黒丸印があるのは、第2保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が4個記憶されていることを意味している。
本実施形態では、上記したように第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技よりも、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技を優先して実行するようになっているので、まず、第2保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留4(図中、特図2の保留4)に基づく遊技が行われる。
図16に示す時短モードでは、普通図柄の変動時間が通常モードにおける20秒よりも短縮された5秒とされているのに対し、特別図柄の変動時間は10〜20秒であるから、保留4に基づく遊技が終了するのは、普図の変動時間が終了した後となる。普図の変動が終了すると、該時短モードでは普図当たり確率が高確率とされているので、電チューの開放される確率が高く、第2始動入賞口へ遊技球が入賞する可能性が高くなる。したがって、図16の破線で示すように、保留3に基づく遊技が開始される前に第2保留玉乱数記憶部115bに保留玉乱数が記憶される状況が生じやすく、そのような状況は、第2保留玉
乱数記憶部115bに常時、保留玉乱数が記憶されている状況であるから、第1保留玉乱数記憶部115aの保留玉乱数に係る遊技が開始される恐れがない(つまり、特図1の保留1ないし3が消化される可能性は極めて小さい)。
これに対し、超時短モードにおける第1危険モードでは、普図変動時間が5秒であるのに対し特図2の変動時間は1.2秒であるから、図17に示すように、普図変動が終了する5秒間に、特図2の保留4〜1に係る遊技が次々終了し、特図1の保留3に係る遊技が開始されてしまう。つまり、電チュー開放に伴う特図2の保留玉が発生するよりも前に、特図1に係る保留玉が消化されてしまう。
また、超時短モードにおける第2危険モードでは、普図変動時間が5秒であるのに対し特図2の変動時間は0.6秒であり、特図1の変動時間は特図変動テーブルDにおける変動時間とすると1.2秒であるから、図18に示すように、普図変動が終了する5秒間に、特図2の保留4〜1に係る遊技が次々終了し、特図1の保留1〜3に係る遊技も終了あるいは開始されてしまう。つまり、該第2危険モードでは、電チュー開放に伴う特図2の保留玉が発生するよりも前に、特図1に係る保留玉が前記第1危険モードよりもたくさん消化されてしまうこととなる。
あるいは、図19に示すように、特図1の変動時間が特図変動テーブルEにおける変動時間とすると0.6秒であるから、普図変動が停止して、普図当たりに伴う電チュー開放が始まる前に、特図2における保留玉はもちろん、特図1における保留玉に係る遊技が全て開始されることとなる(たとえ特図1に保留4があったとしても、該保留4も遊技が開始される)。つまり、該第2危険モードでは、電チュー開放に伴う特図2の保留玉が発生するよりも前に、特図1に係る保留玉が前記第1危険モードよりもたくさん消化されてしまうこととなる。
このように超時短モードでの普通図柄の変動時間と特別図柄の変動時間との関係は、特別図柄の変動時間が普通図柄の変動時間よりも常に短くなるように設定しているが、上記したように、超時短モードでは普通図柄の1回の変動時間内に特別図柄に係る複数の保留玉を消化するように構成する必要があるから、普図変動テーブルbの変動時間に対し特図変動テーブルDの変動時間を1/2以下に設定することが望ましく(第1危険モードの場合)、変動テーブルEの変動時間は、更に、普図変動テーブルbの変動時間に対し1/4以下に設定することが望ましい。このように各変動時間テーブルの変動時間を設定することで、特図2の保留玉を確実に消化させるとともに、特図1の保留玉に対しても消化する構成とすることができる。
ここで、上述したように、第1特別図柄抽選部119aにて電子抽選を行うより、第2特別図柄抽選部119bにて電子抽選を行った方が遊技者に有利であるところ、上記したように超時短モードでの遊技は、第1特別図柄抽選部119aにて電子抽選を行う機会が増えるので遊技者にとって不利となるのである。とりわけ、該超時短モードのうち第2危険モードの方が、第1危険モードより第1特別図柄抽選部119aにて電子抽選を行う機会が増えるので、遊技者にとって不利となるのである。
このように構成された主制御処理部11は、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行われる遊技の開始に際して、第1変動パターンコマンド決定部130aで決定された変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信すると共に、第1特別図柄抽選部119aによる抽選に当選した場合には第1特別図柄決定部120aで決定された特別図柄の種類に関するコマンドも演出制御処理部12aに送信している。同様に、主制御処理部11は、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行われる遊技の開始に際して、第2変動パターンコマンド決定部130bで決定された変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信すると共に、第2特別図柄抽選部119bによる抽選に当選した場合には第2特別図柄決定部120bで決定された特別図柄の種類に関するコマンドも演出制御処理部12aに送信している。
ここで、説明の便宜上、主制御処理部11から演出制御処理部12aに送信する特別図柄の種類に関するコマンドと変動パターンコマンドとを、以下の説明において、単に遊技コマンドと一括りにして言うことがある。
次に、この遊技コマンドの中身について説明する。遊技コマンドは、「No.?」または「No.?+図柄」の何れかで構成されている。遊技コマンドのうち「No.?」は、第1変動パターンコマンド決定部130aまたは第2変動パターンコマンド決定部130bが決定した変動パターンコマンドを示し、遊技コマンドのうち「図柄」は、第1特別図柄決定部120aまたは第2特別図柄決定部120bが決定した特別図柄の種類に関するコマンドを示している。
変動パターンNo.1〜No.10は、図8に示すように特図当たりのときに参照される特図変動テーブルA(134a−1)を用いて決定されることから、「No.1」〜「No.10」の各コマンドは当たりコマンドであり、変動パターンNo.11〜No.50は、図8に示すようにハズレのときに参照される特図変動テーブルB(134a−2)、特図変動テーブルC(134a−3)、特図変動テーブルD(134a−4)及び特図変動テーブルE(134a−5)の何れかを用いて決定されることから、「No.11」〜「No.50」の各コマンドはハズレコマンドである。
また、「図柄」のコマンドは、具体的には、「2R通常図柄」、「2R確変図柄」、「15R通常図柄」、「15R確変図柄」に分かれており、「2R通常図柄」のコマンドは2R通常当たりに当選したことを示し、「2R確変図柄」のコマンドは2R確変当たりに当選したことを示し、「15R通常図柄」のコマンドは15R通常当たりに当選したことを示し、「15R確変図柄」のコマンドは15R確変当たりに当選したことを示している。
よって、遊技コマンドに「No.1」〜「No.10」の何れかが含まれていれば、その遊技コマンドは特図当たりコマンドであり、「図柄」のコマンドを確認すれば、その遊技コマンドが何れの特図当たりに当選したかが分かる。また、遊技コマンドが、「No.11」〜「No.50」の何れかが含まれていれば、その遊技コマンドはハズレコマンドであることが分かる。
続いて、主制御処理部11からの指令(コマンド)を受けて各種装置を制御する副制御処理部について説明する。副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fは、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられており、主制御処理部11が生成した処理情報に従って、演出表示装置34やスピーカ20、その他の演出装置(LED装置など)などの制御を行う装置である。
演出制御処理部12aは、図20に示すように、処理部として、演出態様を決定するための演出態様決定部210と、この演出態様決定部210が決定した演出態様を演出表示装置34に表示するよう制御する演出表示制御部220とを備え、記憶部として、複数種類の演出パターンを記憶した演出態様記憶部260を備えている。
演出態様記憶部260に記憶されている演出態様テーブル261は、図21に示すように、遊技コマンドに演出パターンが対応付けられた構成となっている。例えば、遊技コマンドNo.1+「図柄」には、変動時間30秒の「ノーマルリーチA1」と「ノーマルリーチA2」が対応する演出パターンとして記憶されており、遊技コマンドNo.13には、変動時間20秒の「リーチなしB」が対応する演出パターンとして記憶されている。
演出態様決定部210は、遊技の開始時に、当該遊技に係る遊技コマンドに基づいて演出態様記憶部260に記憶されている演出態様テーブル261を参照しながら、今回用いる演出パターンを決定する。例えば、遊技コマンドとして「No.15」が演出制御処理部12aに送られてきた場合には、演出態様決定部210は、演出態様テーブル261を参照して、遊技コマンド「No.15」に対応する演出パターン「ノーマルリーチA1」または「ノーマルリーチA2」の中から一方の演出パターンを抽選により決定する。
演出表示制御部220は、演出態様決定部210が決定した演出パターンを演出表示装置34に表示するための制御を行っており、例えば、演出パターンとして「スーパーリーチA1」が決定された場合には、複数の演出図柄が変動を開始し、1つの演出図柄を残して他の全ての演出図柄を同一図柄で停止してリーチ演出を行い、さらにスーパーリーチ演出に発展した後に、全ての演出図柄を停止して遊技の結果を表示するといった内容の演出の表示制御を行っている。
図4に説明を戻すと、特別図柄表示制御部12bは、主制御処理部11の特別図柄決定部120a、120bが決定した特別図柄の種類に関するコマンドと、変動パターンコマンド決定部130が決定した変動パターンコマンド、即ち、遊技コマンドに基づき、特別図柄表示装置17に特別図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で表示する。
一方、普通図柄表示制御部12fは、普通図柄抽選部177による普通図柄に係る抽選結果のコマンドと普通図柄変動時間決定部190が決定した普通図柄の変動時間のコマンドとを受け、それらのコマンドに基づいて普通図柄表示装置22に普通図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で表示するよう制御している。
なお、普通図柄表示制御部12fは、上記した特別図柄表示制御部12bによる表示制御と比べて表示する図柄の対象が相違するものの、表示制御の基本構成はほぼ同じである。また、ランプ制御処理部12cは、主制御処理部11からコマンドを受けて各種ランプや電飾の点灯制御を行うものである。
払出制御処理部12eは、CRユニットからの信号を受けて遊技球を遊技者に貸し出すように賞球払出装置14を制御する他、主制御処理部11からの払出指令を受けて、所定個数の賞球を遊技者に対して払い出すように賞球払出装置14を制御する。この賞球払出装置14は、遊技球を1個ずつ保持する切欠きが形成されたスプロケット(図示せず)と、このスプロケットを回転させるモータ(図示せず)とを備えて構成されている。
そして、モータの回転を制御することにより、必要な数だけ賞球を払い出すことができるようになっている。具体的には、始動入賞口検知センサ43a、43b、一般入賞口検知センサ44、大入賞口検知センサ45等が遊技球の通過を検知したら、賞球払出装置14は主制御処理部11を経由して受けたコマンドに基づき遊技球を払い出す。
発射制御処理部13は、ハンドル7の回動量に応じて、発射装置9に対する作動の制御を行う装置である。より具体的に言うと、発射装置9に対して通電させたり、通電を停止したり、あるいは、通電電流を変化させるといった制御処理を行う。なお、この発射制御処理部13は、払出制御処理部12eと接続されており、CRユニットが接続されていない場合に発射停止信号が受信されるようになっている。
次に、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pの遊技処理の手順について図22および図23を参照して説明するが、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bのどちらの始動入賞口に遊技球が入賞しても遊技処理の手順は同じであるため、以下では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合、つまり、特図1に関する遊技について説明することとする。
まず、特別図柄に係る電子抽選に基づいて行われる遊技処理の手順について説明する。図22に示すように、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したか否かを主制御処理部11は判断する(ステップS1)。入賞した場合(ステップS1でYes)には、第1特別図柄用乱数取得部112aは特別図柄用乱数を取得し、第1変動パターン用乱数取得部132aは変動パターン用乱数を取得する(ステップS2)。特別図柄が変動中の場合(ステップS3でYes)には、ステップS2で取得した特別図柄用乱数を第1保留球乱数記憶部115aに記憶し、変動パターン用乱数を第1変動パターン用乱数記憶部133aに記憶して(ステップS4)、ステップS3の手前まで戻って、今回の入賞に係る遊技の順番が来るまで待機する。
特別図柄が変動中でなく、今回の入賞に係る遊技の処理を進めることができる場合(ステップS3でNo)には、ステップS5に進んで当たり判定処理を行う。つまり、取得した特別図柄用乱数が特図当たりであるか否かを第1特別図柄当否判定部113aが判断する。次いで、ステップS6で変動パターンコマンド決定処理を行う。この変動パターンコマンド決定処理では、取得した変動パターン用乱数に基づいて、上述したように変動パターンコマンドテーブル134aを参照して変動パターンNo.を決定する。
具体的には、変動パターンコマンド決定部130は、ステップS5で特図当たりと判定された場合には、特図変動テーブルA(134a−1)を参照して変動パターンNo.を決定する。一方、ステップS5でハズレと判定された場合には、変動パターンコマンド決定部130は、現在の遊技モードに対応する特図変動テーブルを参照して変動パターンNo.を決定する。
次いで、ステップS7に進んで、特別図柄決定処理を行う。具体的には、ステップS5での当たり判定処理の結果、特図当たりと判定された場合には、第1特別図柄決定部120aがその特図当たりに対する特別図柄の種類を決定する。即ち、今回の遊技での特図当たりが2R通常当たり、2R確変当たり、15R通常当たり、15R確変当たりの何れであるかをこのステップS7で決定する。
次いで、ステップS8にて、演出態様決定処理を行う。具体的には、演出態様決定部210が、演出態様テーブル261を参照して、今回の遊技に用いる演出パターンを決定する。例えば、今回の遊技で、遊技コマンド「No.7+図柄(15R確変図柄)」が演出態様決定部210に送られてきた場合には、演出態様決定部210は、演出態様テーブル261を参照して、今回の演出パターンとして例えば「スーパーリーチB2」を抽選で決定する。
次いで、ステップS9で、特別図柄の変動が開始され、演出表示制御部220が演出表示装置34にステップS8で決定された演出パターンを表示する。所定時間が経過すると、ステップS10に進み、特別図柄の変動が停止されると共に、それと同期して、演出パターンの表示が停止される。
次いで、特図当たりである場合(ステップS11でYes)には、ステップS12に進んで、遊技モードフラグ設定部150は、特図当たりの種類と現在の遊技モードとから次に移行する遊技モードに対応する変動パターン選択フラグを設定する。例えば、ステップS5で特図当たりと判定され、ステップS7で特図当たりの種別が2R確変と判定され、現在の遊技モードが通常モードである(変動パターン選択フラグ0が成立している)場合には、次に移行する遊技モードは確変モードであるため(図12、図13参照)、遊技モードフラグ設定部150は、変動パターン選択フラグ2を設定する。
次いで、ステップS13で、当たり遊技制御部160が、特図当たりの種類に応じて所定のラウンド数だけアタッカー装置41を開放して当たり遊技を提供する。該当たり遊技が終了すると、ステップS14で、遊技モード移行制御部140が、ステップS12で設定された変動パターン選択フラグに基づいて遊技モードを移行する。例えば、ステップS12で変動パターン選択フラグ3が設定されている場合には、遊技モード移行制御部140は、時短モードに移行するよう制御する。そして、1回の遊技が終了する。
なお、ステップS1でNoの場合は遊技が行われることなく終了となり、ステップS11でNoの場合は、当たり遊技が提供されることなく1回の遊技の処理が終了する。
次に、普通図柄に係る電子抽選に基づいて行われる遊技処理の手順について説明する。図23に示すように、遊技球がスルーチャッカ21を通過したか否かを主制御処理部11は判断する(ステップS51)。通過した場合(ステップS51でYes)には、普通図柄用乱数取得部172は普通図柄用乱数を取得し、普図変動パターン用乱数取得部192は普図変動パターン用乱数を取得する(ステップS52)。普通図柄が変動中の場合(ステップS53でYes)には、ステップS52で取得した普通図柄用乱数を普通図柄用保留球乱数記憶部174に記憶し、普図変動パターン用乱数を普図変動パターン用乱数記憶部193に記憶して(ステップS54)、ステップS53の手前まで戻り、順番が来るまで待機する。
普通図柄が変動中でなく、今回のスルーチャッカ21通過に基づく普通図柄の処理を進めることができる場合(ステップS53でNo)には、ステップS55に進んで普図当たり判定処理を行う。つまり、取得した普通図柄用乱数が普図当たりであるか否かを普通図柄当否判定部173が判断する。次いで、ステップS56で普通図柄変動時間決定処理を行う。この普通図柄変動時間決定処理では、取得した普図変動パターン用乱数に基づいて、上述したように普図変動パターンコマンドテーブル194を参照して変動パターンNo.を決定する。
より詳細に説明すると、普通図柄変動時間決定部190は、現在の遊技モードに対応する普図変動テーブルを参照して変動パターンNo.を決定する。例えば、図11、図15に示すように、現在成立している変動パターン選択フラグが「0」の場合には、普通図柄変動時間決定部190は普図変動テーブルa(194−1)を参照して変動パターンNo.を決定し、変動パターン選択フラグが「4」の場合には、普通図柄変動時間決定部190は普図変動テーブルb(194−2)を参照して変動パターンNo.を決定する。
次いで、ステップS57で、普通図柄の変動が開始され、所定時間が経過すると、ステップS58に進み、普通図柄の変動が停止される。次いで、普図当たりである場合(ステップS59でYes)には、ステップS60に進んで、電動チューリップ作動制御部180は、電動チューリップ49を開閉させる。具体的には、現在の遊技モードが通常モード(変動パターン選択フラグ0が成立している)である場合には、電動チューリップ作動制御部180は、電動チューリップ49が開放時間0.2秒で1回開放するよう制御する。一方、現在のゾーンが時短モード(変動パターン選択フラグ1が成立している)である場合、確変モード(変動パターン選択フラグ2が成立している)である場合、時短モード(変動パターン選択フラグ4が成立している)である場合、および超時短モード(変動パターン選択フラグ5が成立している)である場合には、電動チューリップ作動制御部180は、電動チューリップ49が開放時間2.9秒で2回開放するよう制御する。そして、普通図柄に関する1回の処理が終了する。なお、ステップS51でNoの場合、およびステップS59でNoの場合も処理が終了する。
以上、説明したように、本実施形態に係るパチンコ機によれば、時短モード・確変モードと超時短モードとでは、普通図柄での遊技状態(普図当選確率及び変動時間)を同一とするにも拘わらず、超時短モードでは特別図柄の変動時間が普通図柄の変動時間よりも短いため、図17〜図19に示すように電動チューリップ49が開く前に第2保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数に基づく遊技が次々に行われ、さらに第1保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数に基づく遊技までもが行われることになる。つまり、第2特別図柄抽選部119bより不利な第1特別図柄抽選部119aによる遊技が行われるため、2R通常や2R確変に当選する可能性がある。
これに対して、確変モード及び時短モードでは特別図柄の変動時間が普通図柄の変動時間より長いため、特別図柄が1回変動表示している間に電動チューリップ49が開いて第2始動入賞口37bに入賞して、第2保留球乱数記憶部115bの保留球乱数の記憶がなくなるケースは少ない。よって、確変モード及び時短モードでは、主に第2特別図柄抽選部119bによる抽選を行う遊技が進行するため、2R通常や2R確変に当選する可能性は殆どない。
次に、時短モードから超時短モード(第1危険モードまたは第2危険モード)への遊技モードの移行について、図24〜図26を用いて説明する。
まず、図24に示すように、変動パターンコマンド決定部130は、特別図柄抽選処理部110による当該遊技の特図当たり判定(ステップS70)の結果に基づいて特図当たりか否かを判定し(ステップS70)、特図はずれの場合(ステップS71でNo)は特図はずれ時の変動時間選択処理(ステップS72)に移行し、特図当たりの場合(ステップS71でYes)は特図当たり時の変動時間選択処理(ステップS73)に移行する。
該特図はずれ時変動時間選択処理(ステップS72)では、図25に示すように、第1特別図柄、第2特別図柄とも、通常遊技モードでのはずれ変動時間テーブルである特図変動テーブルBが選択される(ステップS80)。
次いで、遊技モード移行制御部140により当該遊技が時短中に行われるものであるのか否かを判定し(ステップS81)、時短状態であると判定した場合(ステップS81でYes)、ステップS82で、変動パターン選択フラグ「1」を設定して、特別図柄に対して特図変動テーブルCが選択される。普通図柄に対しては、時短モードでの普図変動テーブルである普図変動テーブルbが選択される。
次いで、ステップS83で、時短モード選択抽選部200により、超時短モードへ移行するか否かを抽選する。該時短モード選択抽選部200における抽選は、時短モード選択抽選用の発生乱数が当選乱数であるか否かによって行われる。この場合の当選確率は、特図当たり確率等の当該遊技機の利益率をどのように設定するかにより設定される。
次いで、時短モード選択抽選部200における抽選で当選した場合(ステップS84でYes)、遊技モード移行制御部140は、当該当選した遊技が所定の時短遊技回数(100回)のどこで抽選したかを判断し(ステップS85)、時短遊技回数の過半を残して当選した場合(ステップS85でYes)には、超時短モードでの第1危険モードにモード移行すべく、第2特別図柄の変動時間テーブルを特図変動テーブルDに差し替える(ステップS86)。
時短遊技回数の過半において当選した場合(ステップS85でNo)には、超時短モードでの第2危険モードにモード移行すべく、第2特別図柄の変動時間テーブルを特図変動テーブルEに差し替える(ステップS87)。
次いで、このように選択された変動時間テーブルDまたはEを参照して、変動パターン用乱数取得手段によって取得された変動パターン用乱数に基づき変動時間が選択され(ステップS88)、該選択された変動時間により変動時間が設定される(ステップS89)。
一方、特図当たり時の変動時間選択処理(ステップS73)では、図26に示すように、第1特別図柄及び第2特別図柄とも、特図当たり時に参照される特図変動テーブルAを選択する値である「0」を設定して特図変動テーブルAを選択する(ステップS90)。
次いで、該選択された特図変動テーブルAを参照して、変動パターン用乱数取得手段により取得された変動パターン用乱数に基づき変動時間が選択され、該選択された変動時間により特別図柄の変動時間が設定される(ステップS92)。
このように本実施形態では、時短モードでの遊技に一層の変化を与えることができるので、一層興趣あるパチンコ機とすることができる。
また、超時短モードの抽選に当選した場合に、その当選した遊技が所定回数の時短モード遊技での過半であるか否かにより、特図当たりにおける利益が小さくなるリスクが高められるので、一層の興趣あるパチンコ機とすることができる。
また、超時短モードでは、時短モードと同じ普図高確率及び短縮変動時間とした上で、特別図柄の変動時間を変化させているので(つまり、普通図柄の変動時間や普図当たり確率を変更しないので)、普図遊技のスピーディー性を担保したまま遊技させることができるとともに、演出表示装置34における演出と関連する特別図柄変動時間が変動することにより、遊技者に対しより興趣ある演出を提供することもできる。
また、普通図柄の変動に係る制御は従来のままでよいので、制御に係る構成も比較的簡単になる。
なお、上記した実施の形態例では、第1特別図柄高確率判定テーブル116aと第2特別図柄高確率判定テーブル116bとを別個に設ける構成としたが、この構成に代えて共通のテーブルを設けるようにしても良い。また、同様に、第1特別図柄低確率判定テーブル117aと第2特別図柄低確率判定テーブル117bとを共通のテーブルにしても良く、第1変動パターンコマンドテーブル134aと第2変動パターンコマンドテーブル134bと共通のテーブルにしても構わない。
また、上記した実施の形態例では、1つの特別図柄用乱数発生部111で第1特別図柄抽選部119aと第2特別図柄抽選部119bの両方に用いる乱数を生成する構成としたが、この構成に代えて、第1特別図柄抽選部119aと第2特別図柄抽選部119bのそれぞれに特別図柄用乱数発生部を別個に設けるようにする構成を採用することもできる。
また上記の実施の形態例では、第2危険モードにおいて、第1特別図柄の特図変動テーブルを、第1短縮変動時間テーブル(特図変動テーブルC)としているが、これを更に変動時間が短い第1特別短縮変動時間テーブル(特図変動テーブルD)としても良い。
このように第2危険モードにおいて第1特別図柄の変動時間を更に短縮すると、普通図柄の変動期間中に第1特別図柄遊技が開始されるリスクが一層強まるので、一層メリハリが利いた遊技機とすることが可能である。
また、上記した実施の形態例では、時短モードにおいて超時短モードを選択抽選しているが、これを確変モードにおいて選択抽選しても同様の作用効果を奏する構成とすることができる。
例えば、確変モードのそれぞれの遊技において、時短モード抽選選択手段により抽選を行い、当選することによりそれ以降の遊技の遊技モードを、特図当たり高確率状態を維持させたまま超時短モードとすることで、該確変モードにおける特図当たりでの利益が小さくなるリスクが高められるので、一層の興趣あるパチンコ機とすることができる。
また、上記した実施の形態例では、超時短モードを確変モードや時短モードにおいて採用しているが、特別図柄および普通図柄に係る遊技がともに高確率であってしかもその遊技回数が所定回数に限定されている遊技モード(いわば、所謂確変モードでの遊技が所定回数のみ可能となっている遊技モード)に採用しても同様の作用効果を奏する構成とすることができる。
例えば、上記した実施の形態例において、2R確変遊技に当選した場合に、当該2R確変遊技が終了した後に、特図当たり高確状態かつ普図当たり高確状態の遊技モードを所定回数(例えば30回)可能とする遊技モードを設定し、該遊技モードでの遊技において時短モード抽選選択手段により抽選を行わせ、当選することによりそれ以降の遊技の遊技モードを、特図当たり高確率状態を維持させたまま超時短モード(第1危険モードまたは第2危険モード)とすることで、当該遊技中において特図当たりでの利益が小さくなるリスクが高められるので、一層の興趣あるパチンコ機とすることができる。
また、上記した実施の形態例では、第1始動入賞口37aを所謂へそ入賞口(遊技盤の所謂「へそ」の位置に配置した入賞口)とし、第2始動入賞口37bを該へそ入賞口と一体に形成したが、必ずしもそのように形成、配置する必要はなく、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとを別々に形成しても良いし、それらを適宜の位置に配置することもできる。
さらに、上記した実施の形態例では、時短モード遊技の所定回数を100回とし、その過半をすぎるまでに、つまり50回目以内の遊技で当選した場合には、時短モードから第1危険モードへの移行とし、過半を過ぎた遊技、つまり51回目を過ぎた遊技で当選した場合には、時短モードから第2危険モードへの移行としたが、遊技の興趣を高める観点から、所定回数の内の任意の時点で第2危険モード移行とすることもできる。
また、第1危険モードに移行した後、該第1危険モードでの遊技中で第2危険モード移行抽選を行い、その当選により更に第2危険モードに移行させるように構成することもできる。