JP2014223168A - 歯科用レジン分離材キット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 水100重量部に対し、水溶性アルギン酸塩を1.4〜2.0重量部、pH緩衝剤を1.2〜1.6重量部含有する第1溶液、および、水100重量部に対し流動性改質剤を1.0〜1.5重量部含有する第2溶液とからなることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
通法に従って、人工歯が排列され歯肉形成された蝋義歯をフラスコ内に作業模型ごと石膏で埋没(フラスコ埋没)し、次いで、流蝋して義歯床成形用の石膏面によって形作られる空隙を有する石膏型を得、得られた石膏型の空隙に餅状となった義歯床用レジン(以下、「餅状レジン」という。)を填入し、フラスコを加圧し、加圧状態において餅状レジンを加熱重合させ、重合後、加圧状態のまま徐冷し、フラスコから義歯を石膏型ごと取り出し、石膏型から作業模型とともに義歯を割り出し、作業模型から義歯を取り外し、義歯のバリ取り、研磨等の仕上げを施す。
石膏型の空隙に餅状レジンを填入するに際しては、石膏型に形成された義歯床成形用の石膏面に水溶性アルギン酸塩の溶液に例示されるレジン分離材が塗布される。
レジン分離材中の水溶性アルギン酸塩は石膏のカルシウムと反応して、不溶性のアルギン酸カルシウムの分離膜が石膏表面に形成される。分離膜は、石膏型に形成された義歯床成形用の空隙に填入された餅状レジンが重合することで得られた義歯の義歯床を石膏から分離するのに寄与する他、餅状レジンのモノマーが石膏型へ浸透したり、石膏型からの水分がレジン中へ浸透したりするのを防止する。
従来使用されているレジン分離材は、石膏が多孔質であるのにもかかわらず表面から浸透しにくく、浸透するよりも早く分離膜が義歯床成形用の石膏面に形成されてしまう。この分離膜は厚いことから、分離膜が形成された義歯床成形用の空隙は、分離膜の影響を受ける。このような分離膜が石膏面に形成された石膏型を用いて作製した義歯は、寸法精度や細部の再現性に劣ることになる。
そうすると、得られた義歯は、作業模型の粘膜面、ひいては、患者の粘膜面との適合性が劣ることになる。
また、分離膜は石膏面から剥離し易いことから、剥離しないように餅状レジンの填入を慎重に行う必要があり、手間がかかる。
非特許文献1には、義歯を作製する際、水溶性アルギン酸塩の溶液をレジン分離材として使用することが記載されている。
(2)前記(1)において、前記水溶性アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウムのうちから選択される少なくとも1種であり、
前記pH緩衝剤は、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウムから選択される少なくとも2種であることが好ましい。
(3)前記(1)または(2)において、前記流動性改質剤は、水溶性アルギン酸塩、ペクチン、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、プロピレングルコース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴムのうちから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
(4)前記(1)、(2)または(3)において、前記pH緩衝剤が少なくともリン酸二水素ナトリウムとメタホウ酸ナトリウムからなることが好ましい。
(5)前記(1)、(2)、(3)または(4)において、前記第1溶液が収容された第1容器と前記第2溶液が収容された第2容器とで1セットとされていることが好ましい。
すなわち、この発明の歯科用レジン分離材キットを使用することで、蝋義歯をフラスコ内に石膏で埋没し、流蝋して得られた石膏型に形成された義歯床成形用の石膏面によって形作られる空隙に餅状レジンを容易に填入でき、通法に従って餅状レジンを重合させて得られた義歯の義歯床と義歯床成形用の石膏面との分離が容易で、得られた義歯は、寸法精度や細部の再現性が良好で、高品質であり、義歯床の粘膜面は作業模型の粘膜面との適合性、ひいては、患者の粘膜面との適合性が良好である。
より具体的に説明する。
蝋義歯をフラスコ内に作業模型ごと石膏で埋没し、流蝋して得られた石膏型に形成された義歯床成形用の石膏面によって形作られる空隙へ餅状レジンを填入するに先立ち、第1溶液を義歯床成形用の石膏面に、例えば、歯科技工用の筆を用いて塗布すると、石膏面から速やかに石膏内に浸透するとともに、石膏面には不溶性のアルギン酸カルシウムのレジン分離用の被膜が形成される。この被膜は、極めて薄く、しかも、石膏面から剥離されにくい。
このような被膜が形成されるのは、第1溶液が水100重量部に対し水溶性アルギン酸塩を1.4〜2.0重量部含有するだけでなく、pH緩衝剤を1.2〜1.6重量部含有していること、石膏が多孔質であり、水溶性アルギン酸塩と反応するカルシウムを含むこと等によって、第1溶液は、石膏面から略同程度で適当な深さにまで速やかに石膏内に浸透し、第1溶液に含まれる水溶性アルギン酸塩が石膏のカルシウムと反応して不溶性のアルギン酸カルシウムとなってそれ以上第1溶液が石膏内へ浸透するのを不能とするとともに、石膏面にはアルギン酸カルシウムの極めて薄い被膜が形成されることで、石膏面と石膏内のアルギン酸カルシウムとが一体となった構造を構成することによると考えられるがはっきりしていない。
この被膜は極めて薄いことから、被膜が形成された義歯床成形用の石膏面は、被膜のない本来の形状と大差がないものといえる。
そして、石膏型に形成された義歯床成形用の空隙に餅状レジンを填入する直前に、第2溶液を前記したアルギン酸カルシウムの被膜が形成された石膏面に、例えば、歯科技工用の筆を用いて塗布すると、前記被膜は第2溶液を石膏内に浸透させることがなく、被膜上に第2溶液による湿潤層が形成される。
その状態において、餅状レジンを石膏型の義歯床成形用の空隙に填入する操作を行うと、餅状レジンは、空隙内での偏りや不均一さを解消し、空隙の形状に合致するように徐々に変形、流動したりして行くが、その際、第2溶液は、被膜と餅状レジンの間に湿潤層として介在していることから、湿潤層が介在しないで餅状レジンが被膜と直接接触している場合に比べ、第2溶液は一種の潤滑機能を果たすことで、被膜が損傷したり剥離したりすることもなく、餅状レジンの変形、流動が円滑かつ確実に行われる。第2溶液自体は、餅状レジンの変形、流動に伴い被膜と餅状レジンの間から順次排除されて行き、石膏型に形成された義歯床成形用の空隙への餅状レジンの填入が完了した段階では、第2溶液は被膜と餅状レジンの間から殆ど排除されてしまう。
そのため、餅状レジンを石膏型の義歯床成形用の空隙に容易に填入でき、餅状レジンが不足した箇所が生じたりせず、空隙の細部にまで餅状レジンを十分に行き渡らせることができる。
餅状レジンが石膏型の義歯床成形用の空隙に填入された状態においては、第2溶液は被膜と餅状レジンの間から殆ど排除されていることから、餅状レジンは被膜と略接触した状態にあるといえる。被膜は、餅状レジンのモノマーが石膏型に浸透するのを防止し、餅状レジンが重合して得られた義歯の義歯床と石膏との分離を容易とする。
このように餅状レジンが石膏型の義歯床成形用の空隙に填入された状態において、フラスコを加圧し、加圧状態において餅状レジンを加熱重合させ、重合後、加圧状態のまま徐冷し、フラスコから義歯を石膏型ごと取り出す。そして、石膏型から作業模型とともに義歯を割り出し、作業模型から義歯を取り外す作業を行うことで、義歯の義歯床は被膜を介して石膏と容易に分離される。
その後、義歯のバリ取り、研磨等の仕上げを施せばよい。
得られた義歯は、寸法精度や細部の再現性が良好で高品質であって、その義歯床の粘膜面が作業模型の粘膜面、ひいては、患者の粘膜面との適合性に優れている。
そして、この発明の歯科用レジン分離材キットは、安価であり、その使用においても熟練を要しない。
第1溶液が収容された第1容器と第2溶液が収容された第2容器とを1セットとすると、取り扱いが容易である。
第1溶液に含まれる水溶性アルギン酸塩としては、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウムが例示でき、これらのうちから少なくとも1種を選択して使用すればよい。
水溶性アルギン酸塩が、水100重量部に対し1.4重量部未満では、石膏のカルシウムと反応して形成される不溶性のアルギン酸カルシウムの被膜が不十分で石膏型との分離性が劣り、2.0重量部を超えると石膏面でのアルギン酸カルシウムの被膜が厚くなり、義歯の寸法精度や細部の再現性に劣り、ひいては、義歯の適合性が劣ることになり好ましくない。
pH緩衝剤が、水100重量部に対し1.2重量部未満では、石膏内への第1溶液の浸透が不十分なまま石膏面にアルギン酸カルシウムの被膜が形成されてしまい、被膜が石膏面から剥離しやすく好ましくない。1.6重量部を超えると、石膏面にアルギン酸カルシウムの被膜が形成されることなく、石膏内へ第1溶液が過度な深さにまで浸透し、石膏内でアルギン酸カルシウムが生成されてしまうことから好ましくない。
キレート剤としては、ポリ燐酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、クエン酸塩、ニトリロ三酢酸塩等を挙げることができる。キレート剤を使用する場合は、前記のうちから1種または2種以上を選択すればよい。キレート剤は、水100重量部に対し0.1〜0.3重量部であることが好ましい。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルリン酸塩、アルカンスルホン酸塩、オレイン酸塩、ステアリン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩等を挙げることができる。界面活性剤を使用する場合は、前記のうちから1種または2種以上を選択すればよい。
粘度調整剤としては、ペクチン、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、プロピレングルコース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム等を挙げることができる。粘度調整剤を使用する場合は、前記のうちから1種または2種以上を選択すればよい。
防腐剤としては、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ホルマリン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、ベンジルパラベン等を挙げることができる。防腐剤を使用する場合は、前記のうちから1種または2種以上を選択すればよい。
識別用着色料としては、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等を挙げることができる。識別用着色料を使用する場合は、前記のうちから1種または2種以上を選択すればよい。
流動性改質剤が、水100重量部に対し、1.0重量部未満では、餅状レジンが過度に流出し気泡等の発生の原因となり、1.5重量部を超えると、餅状レジンと石膏面との間に第2溶液が残留し、固形分が残ることで適合性が悪くなり好ましくない。
pH緩衝剤としては、前記したと同様、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム等を挙げることができる。
キレート剤としては、前記したと同様、ポリ燐酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、クエン酸塩、ニトリロ三酢酸塩等を挙げることができる。キレート剤を使用する場合は、前記のうちから1種または2種以上を選択すればよい。
界面活性剤としては、前記したと同様、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルリン酸塩、アルカンスルホン酸塩、オレイン酸塩、ステアリン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩等を挙げることができる。界面活性剤を使用する場合は、前記のうちから1種または2種以上を選択すればよい。
防腐剤としては、前記したと同様、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ホルマリン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、ベンジルパラベン等を挙げることができる。防腐剤を使用する場合は、前記のうちから1種または2種以上を選択すればよい。
識別用着色料としては、前記したと同様、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等を挙げることができる。識別用着色料を使用する場合は、前記のうちから1種または2種以上を選択すればよい。
図1に示される容器1は、容器本体11と、該容器本体11を密封するねじ止めキャップ12とから構成されており、容器本体11とキャップ12とはいずれも熱可塑性合成樹脂からなる。キャップ12は、キャップ本体部13中央からノズル14が突出しており、該ノズル14を封止するキャップ栓15がキャップ本体部13と帯状ヒンジ16で連結されている。容器本体11の上部外周に形成された雄ねじ11aに、キャップ本体部13の内周に形成された雌ねじ13aを螺合させて内容物である溶液が密封され、必要な量の溶液は、ノズル14から流出させることができるようになっている。
通法に従って、人工歯が排列され歯肉形成された蝋義歯をフラスコ内に作業模型ごと石膏でフラスコ埋没し、次いで、フラスコを上下に分割し、流蝋して、義歯床成形用の石膏面を有する石膏型を得る。義歯床成形用の石膏面は、分割したフラスコ上部と下部を合わせることで、義歯床成形用の空隙を形成する。得られた石膏型の義歯床形成用の石膏面に小量のワックスが残っていることがあるので、熱湯を石膏面にかけてワックスを洗い流す。必要に応じ、熱湯をかける前に石膏面を中性洗剤等で洗浄してもよい。
石膏面が乾燥した後、第1溶液を石膏面に歯科技工用の筆を用いて塗布する。第1溶液が石膏面から石膏内に浸透し、石膏面に不溶性のアルギン酸カルシウムのレジン分離用であって、極めて薄く、しかも、石膏面から剥離されにくい被膜が形成される。
餅状レジンを調製する。
第2溶液を義歯床形成用の石膏面に歯科技工用の筆を用いて塗布し、被膜上に第2溶液による湿潤層を形成させる。
第2溶液を塗布した後、直ちに、餅状レジンを義歯床成形用の空隙に填入する。
餅状レジンの填入が完了し、第2溶液が石膏面と餅状レジンの間から殆ど排除された後、フラスコを加圧し、加圧状態において餅状レジンを加熱重合させ、重合後、加圧状態のまま徐冷し、フラスコから義歯を石膏型ごと取り出し、石膏型から作業模型とともに義歯を割り出し、作業模型から義歯を取り外し、義歯のバリ取り、研磨等の仕上げを施す。
この発明の歯科用レジン分離材キットを用いることで、寸法精度や細部の再現性が良好で高品質であって、その義歯床の粘膜面が作業模型の粘膜面、ひいては、患者の粘膜面との適合性に優れた義歯を得ることができる。
なお、餅状レジンの加熱重合は、上記した湿熱重合が一般的であるが、これに限られず乾熱重合、マイクロ波重合であってもよい。
(実施例1〜3)
表1の実施例1〜3に示す第1溶液、第2溶液を用い、前記した義歯の作製方法に従って義歯を作製し、得られた義歯の石膏面からの分離性、作業模型の粘膜面との適合性を下記の方法によって試験した。
餅状レジンは、MMAと粉末のPMMAを用いた加熱重合型餅状レジン(商品名;アクロンNo.8、株式会社ジーシー製)を用いた。
上顎用の作業模型を、普通石膏(商品名;歯科用焼石膏、吉野石膏株式会社製)、硬石膏(商品名;ニュープラストーン、株式会社ジーシー製)、超硬石膏(商品名;ニューフジロック、株式会社ジーシー製)を用いてそれぞれ二つの同一の作業模型を作製し、各種類一つの作業模型を下記の工程による義歯の作製に供した。
また、残りの作業模型は、マスター模型として下記の適合性試験に供した。
(1)通法に従って、人工歯が排列され歯肉形成された蝋義歯をフラスコ内に作業模型ごと石膏でフラスコ埋没し、次いで、フラスコを上下に分割し、流蝋して、義歯床成形用の石膏面を有する石膏型を得る。義歯床成形用の石膏面は、分割したフラスコ上部と下部を合わせることで、義歯床成形用の空隙を形成する。石膏面を中性洗剤等で洗浄した後、熱湯を義歯床形成用の石膏面にかけてワックスを洗い流す。
(2)石膏面が乾燥した後、第1溶液を石膏面に歯科技工用の筆を用いて塗布する。
(3)餅状レジンを調製する。
(4)第2溶液をアルギン酸カルシウムの被膜が形成された義歯床形成用の石膏面に歯科技工用の筆を用いて塗布し、被膜上に第2溶液による湿潤層を形成させる。
(5)第2溶液を塗布した後、直ちに、餅状レジンを義歯床成形用の空隙に填入する。
(6)餅状レジンの填入が完了し、第2溶液が石膏面と餅状レジンの間から殆ど排除された後、フラスコを加圧し、加圧状態において餅状レジンを加熱重合させる。加熱重合は、フラスコを冷水の中に入れ、約30分で沸騰するように加熱し、沸騰後40分間係留する。
重合後、加圧状態のまま30分以上室温に放置して冷却した後、冷水に入れて完全に冷却する。
(7)フラスコから義歯を石膏型ごと取り出し、石膏型から作業模型とともに義歯を割り出し、作業模型から義歯を取り外し、義歯のバリ取り、研磨等の仕上げを施す。
前記の義歯の作製方法の(7)において、作業模型から義歯を取り外す際、作業模型の粘膜面から義歯床粘膜面の分離が容易に行え、義歯の唇側及び頬側部に石膏の付着がない場合を○、そうでない場合(作業模型の粘膜面の一部を破壊することで分離できた場合等、少なくとも義歯床粘膜面等に石膏が付着した状態を含む)を×として官能評価した。
なお、作業模型から義歯を取り外した際、義歯床粘膜面等に石膏が付着していた場合は、バーを用いて石膏を除去して、適合性試験に供した。
上記の義歯の作製方法によって得られた義歯を、マスター模型に装着し、義歯床後縁部のマスター模型からの浮き上がりの有無を目視にて観察し、浮き上がりが認められない場合を適合性○、浮き上がりが認められた場合を適合性×として評価した。
表1の比較例1、2に示す第1溶液、第2溶液を用い前記した方法によって義歯を作製し、得られた義歯の石膏面からの分離性、作業模型の粘膜面との適合性を前記した方法によって評価した。
餅状レジンは、実施例と同じものを用いた。
結果は表1に示す通りである。
比較例3は、第1溶液のみを用いて義歯を作製したものである。
餅状レジンは、実施例と同じものを用いた。
比較例3の義歯は、第2溶液を使用しない以外は、前記した義歯作製方法に準じて作製すればよいことから説明は省略する。
得られた義歯の石膏面からの分離性、作業模型の粘膜面との適合性を前記した方法によって評価した。
結果は表1に示す通りである。
11 容器本体
12 キャップ
Claims (5)
- 水100重量部に対し、水溶性アルギン酸塩を1.4〜2.0重量部、pH緩衝剤を1.2〜1.6重量部含有する第1溶液、および、水100重量部に対し流動性改質剤を1.0〜1.5重量部含有する第2溶液とからなることを特徴とする歯科用レジン分離材キット。
- 前記水溶性アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウムのうちから選択される少なくとも1種であり、
前記pH緩衝剤は、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウムから選択される少なくとも2種であることを特徴とする請求項1記載の歯科用レジン分離材キット。 - 前記流動性改質剤は、水溶性アルギン酸塩、ペクチン、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、プロピレングルコース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴムのうちから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2記載の歯科用レジン分離材キット。
- 前記pH緩衝剤が少なくともリン酸二水素ナトリウムとメタホウ酸ナトリウムからなることを特徴とする請求項1、2または3記載の歯科用レジン分離材キット。
- 前記第1溶液が収容された第1容器と前記第2溶液が収容された第2容器とで1セットとされていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の歯科用レジン分離材キット。
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