JP2014222601A - 非水二次電池負極用バインダー樹脂、非水二次電池負極用スラリー組成物、非水二次電池用負極、および非水二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
電極を作製するに際しては、電極活物質やバインダー樹脂等の混合物を電極スラリー組成物とするための溶剤として、N―メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶剤が用いられている。
しかし、NMP等の有機溶剤は、乾燥時の溶剤回収コスト、環境に対して負荷が高いなどの問題があった。
そのため、最近では、有機溶剤を水へ置き換える試みがなされており、例えば負極用のバインダー樹脂としてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)ラテックス等の水分散系バインダー樹脂や、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)が用いられている。
そこで、水分散系バインダー樹脂を粉末状で提供することが望まれているが、ラテックス系の樹脂は低ガラス転移温度の組成であることが多く、一旦粉末化すると高分子鎖が絡み、再度水に分散しにくくなるという問題があった。
そのため、PVDF粉をNMPに溶解して使用できるように、電極作製時に水に溶解または分散して使用することができる粉末状のバインダー樹脂が求められている。
そのため、安定品質で供給可能な非天然物である水溶性のバインダー樹脂が望まれている。
加えて、バインダー樹脂を含む電池には、高い電池性能を発揮することも要求されている。
例えば、特許文献1では、CMCと水分散性(ラテックス)バインダー樹脂との水分散体が用いられている。しかし、負極合剤層と集電体との密着性が十分であるとは言えない。
また、特許文献1で用いられている増粘剤と水分散性バインダー樹脂とを含む水分散体は、粘性を付与する成分と、結着性を付与する成分とを別々に組み合わせて用いる必要があるため、バインダー樹脂を粉末状にして簡便に用いることができないという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、電池性能の向上を図ることができる非水二次電池負極用バインダー樹脂、特に、CMC、ラテックス系バインダー樹脂、添加剤等を用いずとも、負極用スラリー組成物の分散安定性、負極の可とう性、及び負極合剤層と集電体との密着性の向上を図ることができ、かつ、粉末状にして簡便に用いることができる非水二次電池負極用バインダー樹脂、該バインダー樹脂を含む非水二次電池負極用スラリー組成物、該バインダー樹脂を備えた非水二次電池用負極、及び該非水二次電池用負極を備えた非水二次電池を提供することを目的とする。
〔1〕下記一般式(1)で表される単量体単位(a)を含み、質量平均分子量が100万〜5000万である(共)重合体(I)を含有する非水二次電池負極用バインダー樹脂。
[二次電池負極用バインダー樹脂]
本発明に係る非水二次電池負極用バインダー樹脂について説明する。
本発明の非水二次電池負極用バインダー樹脂は、下記一般式(1)で表される単量体単位(a)を含む(共)重合体を含有することを特徴とする。
本発明の非水二次電池負極用スラリー組成物は、活物質、溶剤及びバインダー樹脂を含み、一般式(1)で表される単量体単位(a)を必須成分とした(共)重合体(I)の割合がバインダー樹脂中の40〜100質量%である。前記(共)重合体(I)の割合は、50〜100質量%がより好ましく、60〜100質量%がさらに好ましく、70〜100質量%が最も好ましい。一般式(1)で表される単量体単位(a)を必須成分とした(共)重合体(I)がバインダー樹脂中の40質量%以上含まれれば、負極用スラリー組成物の分散性がよくなり、電極の可とう性改善効果と、負極合剤層と集電体との密着性改善効果が得られる。重合体(I)が100質量%でもよい効果が得られるが、負極用スラリー組成物安定性の改善、耐酸化性向上のためにその他の水溶性(共)重合体(II)をバインダー樹脂中の60質量%を上限として、加えても良い。
非水二次電池負極用スラリー組成物は、少なくとも本発明の非水二次電池負極用スラリー組成物を構成する活物質、溶剤及びバインダー樹脂の存在下で混練することで得られる。混練方法としては、活物質及びバインダー樹脂とを溶剤の存在下で十分に混練できる方法であれば特に限定されないが、例えば自公転攪拌機、プラネタリーミキサー、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミル等の各種分散機で混練する方法が挙げられる。具体的には、以下の調製工程を用いて、本発明の非水二次電池負極用スラリー組成物を製造することができる。
本発明の非水二次電池用負極は、非水二次電池負極用バインダー樹脂と、負極活物質と、必要に応じて導電助剤とを含有する負極合剤層、および集電体とを備えるものである。
本発明の非水二次電池は、本発明の非水二次電池用負極を備える。
以上のようにして作製された負極と、正極を、透液性のセパレータ(例えば、ポリエチレンあるいはポリプロピレン製の多孔性フィルム)を間に介して、配置し、これに非水系の電解液を含浸させることにより非水二次電池(積層型、ラミネート型)が形成される。また、両面に活性層が形成された負極/セパレータ/両面に活性層が形成された正極/セパレータからなる積層体をロール状(渦巻状)に巻回して得られる構造体を有底の金属ケーシングに収容し、負極を負極端子に、正極を正極端子に接続し、電解液を含浸させた後、ケーシングを封止することにより筒状の非水二次電池が得られる。
本発明の非水二次電池としては、例えば、リチウムイオン二次電池が好ましい。
前記リチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiBF4、LiI、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、LiCl、LiBr、LiB(C2H5)4、LiCH3SO3、LiC4F9SO3、Li(CF3SO2)2N、Li〔(CO2)2〕2Bが挙げられる。
<製造例1:N,N’−ジメチルアクリルアミド(DMA)重合体(I−1)>
脱イオン水40質量部に対し、単量体単位(a)を与える単量体として、N,N’−ジメチルアクリルアミド(興人株式会社製、以下同様)60質量部を混合した単量体水溶液を作製した。これに、0.018質量部の開始剤(ダロキュア4265、チバ・ジャパン株式会社製)を溶解し、30分窒素バブリングした。これを、ペットフィルムにシリコンゴムで作製した1mm厚さのセルに流しいれ、1mW/cm2のケミカルランプで1時間重合した。得られた重合体の周囲を切り除き、細かく裁断して室温で乾燥後、40℃真空乾燥機で一晩乾燥させてN,N’−ジメチルアクリルアミド重合体(I−1)を得た。
重合時間を30分間とした以外は製造例1と同様にしてN,N−ジメチルアクリルアミド重合体(I−2)(PDMA)を得た。
脱イオン水70質量部に対し、N−ビニルホルムアミド30質量部を混合した単量体水溶液を、リン酸によりpH=6.3となるよう調節し、単量体調節液を得た。この単量体調節液を5℃まで冷却した後、温度計を取り付けた断熱反応容器に入れ、15分間窒素曝気を行った。その後、4、4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)(和光純薬工業株式会社製、「V−501」)12質量%水溶液を0.4質量部添加し、次いで、t−ブチルハイドロパーオキサイド10質量%水溶液および亜硫酸水素ナトリウム10質量%水溶液をそれぞれ0.1質量部添加して重合を行った。内温がピークを超えた後さらに1時間熟成し、ゲルを取り出しミートチョッパーで粉砕した後、60℃で10時間乾燥し、得られた固体を粉砕し、N−ビニルホルムアミド重合体(II−1)を得た。
N,N−ジメチルアクリルアミド70質量%、N−ビニルホルムアミド30質量%を合わせて60質量部とし、脱イオン水40質量部に混合した単量体水溶液を作製した。これに、0.018質量部の開始剤(ダロキュア4265、チバ・ジャパン株式会社製)を溶解し、30分窒素バブリングした。これを、ペットフィルムにシリコンゴムで作製した1mm厚さのセルに流しいれ、1mW/cm2のケミカルランプで1時間重合した。これを、周囲を切り除き、細かく裁断して室温で乾燥後、40℃真空乾燥機で一晩乾燥させてDMA−NVF重合体(I−3)を得た。
N,N−ジメチルアクリルアミド50質量%、N−ビニルホルムアミド50質量%を合わせて60質量部とし、脱イオン水40質量部に混合した単量体水溶液を作製した。これに、0.018質量部の開始剤(ダロキュア4265、チバ・ジャパン株式会社製)を溶解し、30分窒素バブリングした。これを、ペットフィルムにシリコンゴムで作製した1mm厚さのセルに流しいれ、1mW/cm2のケミカルランプで1時間重合した。これを、周囲を切り除き、細かく裁断して室温で乾燥後、40℃真空乾燥機で一晩乾燥させてDMA−NVF重合体(I−4)を得た。
N,N−ジメチルアクリルアミド30質量%、N−ビニルホルムアミド70質量%を合わせて60質量部とし、脱イオン水40質量部に混合した単量体水溶液を作製した。これに、0.018質量部の開始剤(ダロキュア4265、チバ・ジャパン株式会社製)を溶解し、30分窒素バブリングした。これを、ペットフィルムにシリコンゴムで作製した1mm厚さのセルに流しいれ、1mW/cm2のケミカルランプで1時間重合した。これを、周囲を切り除き、細かく裁断して室温で乾燥後、40℃真空乾燥機で一晩乾燥させてDMA−NVF重合体(I−5)を得た。
N,N−ジメチルアクリルアミド10質量%、N−ビニルホルムアミド90質量%を合わせて60質量部とし、脱イオン水40質量部に混合した単量体水溶液を作製した。これに、0.018質量部の開始剤(ダロキュア4265、チバ・ジャパン株式会社製)を溶解し、30分窒素バブリングした。これを、ペットフィルムにシリコンゴムで作製した1mm厚さのセルに流しいれ、1mW/cm2のケミカルランプで1時間重合した。これを、周囲を切り除き、細かく裁断して室温で乾燥後、40℃真空乾燥機で一晩乾燥させてDMA−NVF重合体(I−6)を得た。
N,N−ジメチルアクリルアミド70質量%、アクリルアミド30質量%を合わせて60質量部とし、脱イオン水40質量部に混合した単量体水溶液を作製した。これに、0.018質量部の開始剤(ダロキュア4265、チバ・ジャパン株式会社製)を溶解し、30分窒素バブリングした。これを、ペットフィルムにシリコンゴムで作製した1mm厚さのセルに流しいれ、1mW/cm2のケミカルランプで1時間重合した。これを、周囲を切り除き、細かく裁断して室温で乾燥後、40℃真空乾燥機で一晩乾燥させてDMA−AAm重合体(I−7)を得た。
四つ口丸底フラスコに、N,N−ジメチルアクリルアミド58質量%、アクリル酸42質量%を合わせて10質量部とし、脱イオン水90質量部に混合した単量体水溶液を作製し、攪拌翼、冷却管を接続した。これに、0.4質量部のギ酸ナトリウムを溶解し、攪拌しながら30分窒素バブリングした。50℃に昇温し、0.8質量部の10%開始剤(V−50、和光製薬株式会社製)水溶液を添加して3時間重合し、再度、0.8質量部の10%開始剤(V−50)水溶液を添加して3時間重合した。得られた重合溶液は冷却し、大量のメチルエチルケトンに沈殿させた。これを、40℃真空乾燥機で一晩乾燥させてDMA−AAm重合体(I−8)を得た。
四つ口丸底フラスコに、N,N−ジメチルアクリルアミド26質量%、アクリル酸74質量%を合わせて10質量部とし、脱イオン水90質量部に混合した単量体水溶液を作製し、攪拌翼、冷却管を接続した。これに、0.4質量部のギ酸ナトリウムを溶解し、攪拌しながら30分窒素バブリングした。50℃に昇温し、0.8質量部の10%開始剤(V−50、和光製薬株式会社製)水溶液を添加して3時間重合し、再度、0.8質量部の10%開始剤(V−50)水溶液を添加して3時間重合した。得られた重合溶液は冷却し、大量のメチルエチルケトンに沈殿させた。これを、40℃真空乾燥機で一晩乾燥させてDMA−AAm重合体(I−10)を得た。
作製した(共)重合体の分子量は、以下の方法で測定した。
<重合体(I−1)、(I〜2)、(II−1)、共重合体(I−3)〜(I−7)>
Waters社製GPC、カラムに昭和電工社製Shodex OHpac SB−807HQを使用し、溶剤としてアセトニトリル/水=10/90(0.1N硝酸ナトリウム含有)、流速0.5ml/分、40℃で測定。IR検出器にて検出し、粘度換算分子量で基準化したポリN−ビニルホルムアミド換算の分子量を算出した。
<共重合体(I−8)、(I−9)>
Wyatt Technology社製GPC−MALS、分離カラムに昭和電工社製Shodex 807HQ(商品名)(内径8.0mm×長さ30cm)を使用し、溶剤としてアセトニトリル/水=10/90(0.1N硝酸ナトリウム含有)、流速1ml/分、40℃で測定した。島津製作所社製 NexeraHPLC検出器にて検出し、粘度換算分子量で基準化したポリN−ビニルホルムアミド換算の分子量を算出した。
<非水二次電池負極用スラリー組成物の調製>
バインダー樹脂として、N,N’−ジメチルアクリルアミド重合体(I−1)を3質量%水溶液とした。カーボン(三菱化学株式会社製「MPGC−16」)10gと、バインダー水溶液3gとを計量し、スパチュラを用いて攪拌し全体を馴染ませた。これを、自公転ミキサー(Thinky社製、「泡とり練太郎」、以下同様)を用い、自転1000rpm、公転2000rpmの条件(以下同様)にて60秒混練した。これを、再度スパチュラを用いて攪拌し、自公転ミキサーで60秒混練した。バインダー水溶液3.67gをさらに加え混練した後、塗工に適した粘度まで水を加えて混練することにより、非水二次電池負極用スラリー組成物を得た。
得られた負極用スラリー組成物を集電体(銅箔、厚さ18μm)にドクターブレード法によって均一に塗布し、室温で2時間乾燥した。さらに真空乾燥機にて0.6kPa、60℃で12時間減圧乾燥して、膜厚約80μmの合剤層が集電体上に形成された二次電池負極を得た。
得られた二次電池負極は以下の方法により負極合剤層と集電体との密着性、二次電池負極の可とう性の評価を行った。結果を表1に示した。
負極合剤層と集電体との密着性(電極密着性)は、以下の条件にて行う剥離試験により測定される剥離強度により評価した。
電極を20mm幅の試験片にし、ニップロールを通して粘着剤付きポリカーボネート板と貼り合せた。テンシロン引張強度試験にて、10Nロードセルを用い、引張速度1cm/分で180℃剥離試験を行った。
電極と集電体の剥離強度を5つの試験片で測定し、剥離し始める部分を除いた後半の剥離強度の平均を求め、これより180℃剥離強度(N/cm)を算出した。
二次電池負極の可とう性は、JIS K−5600−5−1(塗料一般試験方法耐屈曲性(円筒形マンドレル法))を参考にして、以下の条件にて行う耐屈曲性(プレス後の可とう性)により評価した。
二次電池負極を3cm×5cmに切り出し、プレスロールでプレスして電極密度を1.6g/cm3に合わせて試験片とした。試験片の銅箔面をマンドレル側になるように設置し、試験片の片側をテープで固定して折り曲げ、塗膜の状態を目視で観察した。マンドレルの直径を以下の通り小さくしながら評価した。
マンドレルの直径:32mm、25mm、16mm、10mm、8mm、6mm、5mm、3mm、2mm
○:折り曲げ面にて、二次電池負極の変化が見られない
△:折り曲げ面にて、二次電池負極に横筋がみられた
×:折り曲げ面にて、二次電池負極のワレ、欠け等が見られた
試験片3つについて試験し、○を2、△を1、×を0として、結果の合計値が4以上となるマンドレルの最小径を可とう性(mm)とした。
添加するバインダー水溶液の総量を5gとし、二度目のバインダー水溶液の添加量を2gとした以外は実施例1と同様にして、二次電池負極を得た。
得られた二次電池負極は実施例1と同様の方法により負極合剤層と集電体との密着性、二次電池負極の可とう性の評価を行った。結果を表1に示した。
添加するバインダー水溶液の総量を3.33gとし、二度目のバインダー水溶液の添加量を0.33gとした以外は実施例1と同様にして、二次電池負極を得た。
得られた電極は実施例1と同様の方法により負極合剤層と集電体との密着性、二次電池負極の可とう性の評価を行った。結果を表1に示した。
バインダー樹脂として、N,N’−ジメチルアクリルアミド重合体(I−1)、N−ビニルホルムアミド重合体(II−1)をそれぞれ2質量%水溶液とした。カーボン10gと、バインダー(II−1)水溶液1gとバインダー(I−1)水溶液5gとを計量し、スパチュラを用いて攪拌し全体を馴染ませた。これを、自公転ミキサーにて60秒で2回混練した。これに、バインダー(I−1)水溶液4gを追加し、再度スパチュラを用いて攪拌し、自公転ミキサーにて60秒で2回混練し、負極用スラリー組成物を得た。これを、実施例1と同様にして二次電池負極を得た。
得られた二次電池負極は実施例1と同様の方法により負極合剤層と集電体との密着性、二次電池負極の可とう性の評価を行った。結果を表1に示した。これを、実施例1と同様にして二次電池負極を得た。
得られた二次電池負極は実施例1と同様の方法により負極合剤層と集電体との密着性、二次電池負極の可とう性の評価を行った。結果を表1に示した。
最初の工程として、カーボン10gと、バインダー(II−1)水溶液2.5gとバインダー(I−1)水溶液3.5gとを計量し、スパチュラを用いて攪拌し全体を馴染ませたこと以外は、実施例4と同様にして二次電池負極を得た。
得られた二次電池負極は実施例1と同様の方法により負極合剤層と集電体との密着性、二次電池負極の可とう性の評価を行った。結果を表1に示した。
最初の工程として、カーボン10gと、バインダー(II−1)水溶液5gとバインダー(I−1)水溶液1gとを計量し、スパチュラを用いて攪拌し全体を馴染ませたこと意外は、実施例4と同様にして二次電池負極を得た。
得られた二次電池負極は実施例1と同様の方法により負極合剤層と集電体との密着性、二次電池負極の可とう性の評価を行った。結果を表1に示した。
バインダー樹脂として、N,N−ジメチルアクリルアミド重合体(I−2)を2質量%水溶液とした。カーボン10gと、バインダー水溶液6gとを計量し、スパチュラを用いて攪拌し全体を馴染ませた。これを、自公転ミキサーにて60秒で2回混練した。これに、バインダー水溶液4gを追加し、再度スパチュラを用いて攪拌し、自公転ミキサーにて60秒で2回混練し、二次電池負極用スラリー組成物を得た。
これを、乾燥条件を塗布後40℃で30分、真空乾燥機にて0.6kPa、60℃で12時間減圧乾燥した以外は実施例1と同様にして二次電池負極を得た。
得られた電極は実施例1と同様の方法により負極合剤層と集電体との密着性、二次電池負極の可とう性の評価を行った。結果を表1に示した。
バインダー樹脂として、DMA−NVF共重合体(I−3)を用いた以外は実施例7と同様にして、二次電池負極を得た。
得られた二次電池負極は実施例1と同様の方法により負極合剤層と集電体との密着性、二次電池負極の可とう性の評価を行った。結果を表1に示した。
バインダー樹脂として、DMA−NVF共重合体(I−4)を用いた以外は実施例7と同様にして、二次電池負極を得た。
得られた二次電池負極は実施例1と同様の方法により負極合剤層と集電体との密着性、二次電池負極の可とう性の評価を行った。結果を表1に示した。
バインダー樹脂として、DMA−NVF共重合体(I−5)を用いた以外は実施例7と同様にして、二次電池負極を得た。
得られた二次電池負極は実施例1と同様の方法により負極合剤層と集電体との密着性、二次電池負極の可とう性の評価を行った。結果を表1に示した。
バインダー樹脂として、DMA−NVF共重合体(I−6)を用いた以外は実施例7と同様にして、二次電池負極を得た。
得られた電極は実施例1と同様の方法により負極合剤層と集電体との密着性、二次電池負極の可とう性の評価を行った。結果を表1に示した。
バインダー樹脂として、DMA−NVF共重合体(I−7)を用いた以外は実施例7と同様にして、二次電池負極を得た。
得られた二次電池負極は実施例1と同様の方法により負極合剤層と集電体との密着性、二次電池負極の可とう性の評価を行った。結果を表1に示した。
バインダー樹脂として、DMA−AA共重合体(I−8)を用いた以外は実施例7と同様にして、二次電池負極を得た。
得られた二次電池負極は実施例1と同様の方法により負極合剤層と集電体との密着性、二次電池負極の可とう性の評価を行った。結果を表1に示した。
バインダー樹脂として、DMA−AA共重合体(I−9)を用いた以外は実施例7と同様にして、二次電池負極を得た。
得られた二次電池負極は実施例1と同様の方法により負極合剤層と集電体との密着性、二次電池負極の可とう性の評価を行った。結果を表1に示した。
C:カーボン
BP:バインダー樹脂
中でも、上記一般式(1)で表される単量体単位(a)100%からなる(共)重合体(I)からなり、重量平均分子量が100万以上であるバインダー樹脂(I−1)を、バインダー樹脂中の40質量%以上の割合で用いると、負極合剤層と集電体との密着性、特に可とう性に優れた二次電池負極が得られた(実施例1〜6)。
また、上記一般式(1)で表される単量体単位(a)を有する(共)重合体(I)を含有するバインダー樹脂(I−2〜7)を用いると、負極合剤層と集電体との密着性に優れ、可とう性に優れた二次電池負極が得られた(実施例7〜12)。中でも、上記一般式(1)で表される単量体単位(a)を50%以上有する重合体であるバインダー樹脂(I−3、4)を用いると、負極合剤層と集電体との密着性に特に優れ、可とう性にも優れた二次電池負極が得られた(実施例8,9)。
しかし、上記一般式(1)で表される単量体単位(a)を有する(共)重合体を含有するバインダー樹脂(I)をバインダー樹脂中の100質量%を用いた場合でも、バインダー樹脂の分子量が充分に大きくない場合(I−8、9)、負極用スラリー組成物作製後の分散安定性が悪く、塗工・乾燥後の負極合剤層と集電体との密着性は充分に得られなかった。実施例と同等のバインダー添加量であっても電極は剥がれやすく、粉落ちがあり取扱い性が悪く負極合剤層と集電体との密着性に劣っていた(比較例1、2)。また、可とう性も劣る場合があることが示された(比較例1、2)。
また、本発明のバインダー樹脂を使用することで、品質安定性に不安のあるCMCや、保存・運搬に不利で耐酸化性が低いラテックス系バインダー樹脂を使用することなく、密着性・可とう性に優れる二次電池負極を作製することができた。
Claims (4)
- 活物質、溶剤及び請求項1に記載のバインダー樹脂を含み、
前記(共)重合体(I)の割合がバインダー樹脂中の40〜100質量%である非水二次電池負極用スラリー組成物。 - 活物質及び請求項1に記載のバインダー樹脂を含有する負極合剤層ならびに集電体を有する非水二次電池用負極。
- 請求項3に記載の非水二次電池用負極を備える、非水二次電池。
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