以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、外縁をほぼ円形状とする遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右下の縁上)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
遊技盤2における遊技領域の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図示しないソレノイドによって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイドがオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイドがオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図示しない第1始動口スイッチや第2始動口スイッチによって検出される。第1始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用の図示しないソレノイドによって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイドがオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイドがオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図示しないカウントスイッチによって検出される。カウントスイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
さらに、遊技盤2における遊技領域の中央には、可変表示装置5を囲むように内側フレーム40が取り付けられている。内側フレーム40は、円形枠状に構成されており、遊技盤2の盤面の一部を構成している。内側フレーム40は、この実施の形態では、遊技領域における遊技球が打ち込まれる遊技面から前面側(遊技者側)に突出して形成されており、図示しない打球発射装置から発射された遊技球は、内側フレーム40より外側を流下する。また、内側フレーム40には右上部にワープ入口41が形成されており、遊技領域に打ち込まれた遊技球の一部は、このワープ入口41から内側フレーム40の内部に進入して、内側フレーム40の下部に形成されているワープ出口47から遊技領域の下側に流下する。
内側フレーム40の内側には、遊技の際に動作する複数の演出可動機構が設けられている。この実施の形態では、内側フレーム40における上部に第1演出可動機構100が設けられており、内側フレーム40における左部に第2演出可動機構200が設けられている。また、第1演出可動機構100の裏側には、第3演出可動機構300(図1では図示せず)が設けられており、内側フレーム40における右部に第4演出可動機構400が設けられている。なお、パチンコ遊技機1は、第1〜第4演出可動機構100〜400の全てが設けられるものに限定されず、第1〜第4演出可動機構100〜400の幾つかだけが設けられてもよい。また、第1〜第4演出可動機構100〜400は、図1に示す位置関係で設けられるものに限定されず、それぞれが任意の場所に設けられればよい。以下の説明においては、パチンコ遊技機1の正面に対峙した状態を基準として上下左右前後方向を説明する。
まず、第1演出可動機構100について図2などを用いて説明する。図2は、この実施の形態における装飾体150が後退した状態の第1演出可動機構100を示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図である。第1演出可動機構100は、図1に示す画像表示装置5の上端側において第3演出可動機構300の前方に位置し、遊技の際に装飾体を進退させたり発光させたりすることによって演出動作を行うものである。
図3は、第1演出可動機構100を構成要素ごとに分解して前方視した分解斜視図である。第1演出可動機構100は、図3に示すように、遊技盤2本体に支持されるベース体110と、駆動源としてのモータ121を含む駆動ユニット120と、駆動ユニットにより駆動されてベース体110に対して上下方向に移動する装飾体150とを備える。なお、この実施の形態では、装飾体150が本発明に係る「装飾部材」に相当する。
ベース体110は、例えば樹脂などを金型に射出して形成されたり、金属板にプレス加工や押し曲げ加工を施して形成される。ベース体110は、遊技盤2本体に固定される左ベース部111及び右ベース部112と、モータ121を支持するモータベース部113と、左ベース部111及び右ベース部112の前方に固定される前ベース部114とを有する。左ベース部111と右ベース部112とモータベース部113とは、それぞれに遊技盤2本体にビス止めなどで固定され、前ベース部114は、左ベース部111と右ベース部112とに前方からビス止めなどで固定される。前ベース部114には、上下方向に沿って長いガイドスリット114a、114bが左右に1つずつ形成されており、このガイドスリット114a、114bに、装飾体150のガイド軸150aが挿通される。なお、ベース体110は、複数の部材から構成されるものに限定されず、例えば左ベース部111、右ベース112、モータベース部113などが一体に形成されてもよい。
駆動ユニット120は、図3に示すように、駆動信号に基づいて動力を出力するモータ121と、モータ121の回転軸121aに取り付けられるモータギア122と、モータギア122と噛合する駆動ギア123と、装飾体150の背面に取り付けられて駆動ギア123の回転に伴って移動する背面部材124と、背面部材124の位置を検出する位置検出センサ125と、背面部材124と前ベース部114とに取り付けられる付勢ばね(例えば、引張コイルばね)126とを有する。
モータ121は、例えばステッピングモータであり、モータベース部113に後方からネジ止め装着される。なお、モータ121として、サーボモータ、ブラシレスモータなどの各種のモータを用いてもよい。
モータギア122と駆動ギア123とは、平歯車で構成されている。モータギア122はモータ121の回転軸121aに取り付けられ、駆動ギア123は前ベース部114の背面に対して回転可能に軸支される。駆動ギア123の背面には、駆動ギア123の回転中心から離心した位置に、後方に突出する駆動突起123aが形成されており、この駆動突起123aが背面部材124の動力伝達孔124aに挿通する。
背面部材124は、前ベース部114のガイドスリット114a、114bを通じて装飾体150の後方に装着される。装飾体150と背面部材124とは、ガイドスリット114a、114bのそれぞれに対して上下に離間した2つのガイド軸124b〜124e(ガイド突起150a)が挿通し、ガイド軸124b〜124eとガイド突起150aが接続されることで計4点で固定される。これにより、背面部材124と装飾体150とは、ガイドスリット114a、114bにガイドされて前ベース部114に対して上下に移動可能に支持される。また、2つのガイドスリット114a、114bのそれぞれに対して、2つずつガイド軸124b〜124e(ガイド軸150a)が挿通しているので、ねじり方向への剛性が向上して、スムースな移動が可能になる。背面部材124には、左右方向に沿って長い動力伝達孔124aが形成されており、この動力伝達孔124aに駆動ギア123の駆動突起123aが挿通される。背面部材124の動力伝達孔124aは、左右方向に沿って長い孔に形成されているので、背面部材124は、駆動ギア123の回転(駆動突起123aの回動)に伴って装飾部材150と一体に上下に移動する。また、背面部材124には、モータベース113との間に付勢ばね126が取り付けられている。付勢ばね126は、この実施の形態では、背面部材124の中央から左側に離れた位置(図8参照)に取り付けられ、背面部材124を上向きに付勢する。
位置検出センサ125は、例えばフォトセンサを用いることができる。位置検出センサは、前ベース部114に配設され、背面部材124の所定箇所(図3に示す例では、左端)の検出部124fを検出する。位置検出センサ125は、背面部材124が後退位置に位置するときに検出部124fを検出し(図8(a)参照)、装飾体150が後退位置に位置するか否かを検出することができる。なお、位置検出センサ125として、例えばフォトセンサ以外の種々の非接触式センサ、接触式センサを用いてもよく、装飾体150に検出部を設けるなど背面部材124以外の位置を検出してもよい。また、この位置検出センサ125に代えて又は加えてモータ121の回動軸121aの回動位置を検出するセンサ(例えばやレゾルバ、エンコーダなど)を配設してもよい。
装飾体150は、駆動ユニット120の背面部材124の前方に取り付けられて、ベース体110に対して上下に移動する。図4は、装飾体150を分解して前方から示す分解斜視図である。装飾体150は、図4に示すように、基板支持体151と、枠体152と、複数の発光体153aを備える発光用基板153と、第1光拡散板154と、第2光拡散板155と、装飾板160とを有する。
基板支持体151は、例えば樹脂などを金型に射出して形成され、装飾体150の背面フレームとして機能する。基板支持体151の背面には、前ベース部114のガイドスリット124a、124bに挿通する4つのガイド突起150aが後方に突出して形成されており、4つのガイド突起150aは、ガイドスリット114a、114bを挿通した先端で背面部材124のガイド軸124b〜124eに接続される。基板支持体151には、発光用基板153への図示しない配線のための配線孔151aが形成されている。
枠体152は、例えば樹脂などを金型に射出して形成され、前方から見て中央に孔が空いた枠状に形成され、装飾体150の側面を構成する。枠体152は、前後方向における中途部に、内側に向けて突出する縁部152aが形成されており(図4中、破線で囲んだ拡大部参照)、基板支持体151と装飾板160とが枠体152の前後方向からビス止めなどで固定されれることにより、縁部152aにおいて基板支持体151と装飾板160とに挟み込まれて支持される。枠体152には、装飾体150の縁部の見た目が向上するように前面及び側面に装飾が施されている。この実施の形態では、枠体152が基板支持体151と装飾板160とに挟み込まれて装飾板160の背面に位置しているので、装飾板160との前後方向の位置関係を強調され、装飾板160の立体感が向上する。なお、枠体152は、基板支持体151と装飾板160とに挟まれることにより固定されるものに限定されず、基板支持体151や装飾板160に対してビス止めなどで固定されてもよく、装飾板160を挟んで基板支持体151と枠体152とがビス止めなどで固定されることにより基板支持体151と枠体152と装飾板160とが取り付けられるものなどとしてもよい。
発光用基板153には、複数の発光体153a(例えばLED)が設けられている。発光用基板153は、基板支持体151に支持され、図示しない配線を通じて送信される信号に応じて複数の発光体153aを発光させる。複数の発光体153aは、装飾板160に形成されたシンボルに合わせて配置がなされている。なお、複数の発光体153aは、一定の間隔毎に配設されてもよい。
第1光拡散板154と第2光拡散板155とは、透光性を有する部材(例えば樹脂)で形成され、発光用基板153の前面に配置されて発光体153aからの光を拡散させる。第1光拡散板154としては、例えば、ローレット加工などで表面に凹凸形状が形成された拡散プリズムシートを用いることができる。
第2光拡散板155は、例えば透光性を有する部材(例えば樹脂)を金型に射出し、光拡散板156の凹部158を除いて、表面全体に光を拡散させる塗料(例えば透光性を有する白色樹脂塗料)を塗布して形成される。図5は、第2光拡散板155を示す図であり、(a)は背面図、(b)は(a)中のb−b断面図、(c)は背面斜視図である。図5に示すように、第2光拡散板155の背面には、発光用基板153の複数の発光体153aの配置に対応して複数の光拡散板156が形成されている。複数の光拡散板156は、発光体153aの周囲を覆うように後方に突出した凸部157と、凸部157の中心(発光体153aの前方に対応した位置)で前方に凹んだ凹部158とを有する。凸部157及び凹部158は、発光体153aを中心とした円状に形成されており、凸部157は、発光体153aから離れるほど高さが低くなるように(後方への突出量が小さくなるように)、断面視で段差状に形成されている(図5(b)、(c)参照)。また、凹部158は、側面部158aの底面側(前方側)の端部158bが中心に向かって曲面状に形成されるとともに、底面158cが後方に向かって湾曲して形成されている。そして、第2光拡散板155では、光拡散板156の凹部158を除いて(発光体153aの周辺を除いて)塗料が塗布されるので、光拡散板156により発光体153aからの光が効率よく前方に向けられる。そして、発光体153aから照射された光は、第2光拡散板154により拡散された後に、更に第1光拡散板154により拡散されるので、均等に装飾板160を光らせることができ、装飾板160の装飾効果を向上させることができる。
また、第2光拡散板155には、後方に突出する複数の位置決め突起155aが設けられており、この複数の位置決め突起155aが発光用基板153に形成された複数の位置決め凹部153bに嵌ることで、発光用基板153と第2光拡散基板155との位置決めがなされる。このように複数の箇所で位置決めがなされることにより、複数の発光体153aと光拡散板156との位置合わせを正確にすることができ、装飾板160を均等に光らせることができる。また、装飾体155が若干変形しても、複数の発光体153aと光拡散板156との位置がずれるのを抑制することができる。
なお、第1演出可動機構100は、第1光拡散板154と第2光拡散板155とを有するものに限定されず、第1光拡散板154と第2光拡散板155との一方だけを有するものとしたり、両方とも有しないものでもよい。また、第1光拡散板154と第2光拡散板155に代えて、又は加えて、他の光を拡散させる部品を用いてもよい。さらに、第2光拡散板155の前方に第1光拡散板154が配設されるものに限定されず、第1光拡散板154の前方に第2光拡散板155が配設されてもよい。
装飾板160は、第2光拡散板155の前方に配設され、装飾体150の前面を構成する。装飾板160は、例えば透光性を有する樹脂などを金型に射出して形成され、前面が透光面として形成される。装飾板160は、アルミニウムなどによって前表面に金属薄膜層が形成されており、外側からの光を反射させるとともに内側からの光を透過させる半透明状に構成されている。これにより、装飾板160は、発光体153aからの光によって発光させることができるとともに、発光体153aが発光しないときの見栄えも向上させることができる。図6は、装飾体150を示す図であり、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)、(d)は(b)の左側、右側をそれぞれ拡大した図であり、(e)は装飾板160に形成されたシンボル部(透光部)161を拡大して前方下側から示す斜視図である。装飾板160は、図6に示すように、複数(例えば4つ)のシンボル部(透光部)161〜164と、シンボル部161〜164の上方に設けられた平面シンボル部165とを有する。
シンボル部(透光部)161〜164は、所定方向(例えば左右方向)に連設され、それぞれの前面である透光面の形状によって識別情報を表す。例えば、図6に示す例では、4つのシンボル部161〜164が、「チ」、「ャ」、「ン」、「ス」の文字をそれぞれ表している。そして、シンボル部161〜164の透光面(前面)は、装飾板160のベース面160aより前方に突出して形成されるとともに、右側に向かうほど前方に突出するように傾斜して形成されている。つまり、例えば図6(e)に示すように、シンボル部161は、左端の突出量L1よりも右端の突出量L2の方が大きくなるように形成されている。また、複数のシンボル部161〜164は、それぞれが表す文字(識別情報)の大きさが右に向かうほど大きく形成されている。そして、各透光面の傾斜角度は、同一に形成されており、右側のシンボル部ほどベース面160aからの突出量が大きくなるように構成されている。
このようにシンボル部161〜164は、左端から右端に向けて前後方向に傾斜して形成され、遊技盤2の盤面や装飾板160のベース面160aから傾斜して突出するので、装飾体150の立体感を向上させることができる。また、この実施の形態では、複数の発光体153aは、遊技盤2の盤面や装飾板160のベース面160aに沿って配置されており、複数の発光体153aが配置される平面に対して、シンボル部161〜164の透光面が左右方向に向けて前後方向に傾斜して形成されているので、各発光体153aと透光面との距離に変化が生じ、シンボル部161〜164の立体感を向上させることができる。
また、シンボル部161〜164は、左右方向に連設されるとともに、各シンボル部161〜164が左右方向の一端から他端に向けて前後方向に傾斜して形成されて、各シンボル部161〜164の最低突出量の部位と最大突出量の部位とが隣合って配置されて段差が形成されているので、装飾体150の立体感をより向上させることができる。
ここで、シンボル部(透光部)161〜164は、この実施の形態では、1つの文字を表す部位ごとに1つずつのシンボル部としており、シンボル部163については、「ン」を表す物理的に離間した2つの部位を1つのシンボル部として、透光面(前面)が傾斜して形成されている。シンボル部としては、このように、文字や図形などの記号あるいはキャラクタ画像などの情報を表す部位ごとにシンボル部が構成されるものとして透光面が形成されてもよいし、物理的に離間するものを全て異なるシンボル部として透光面が形成されてもよい。また、例えば、「大当りチャンス」の文字情報を示すシンボル部(透光部)を形成する場合などには、「大当り」を表す部位と、「チャンス」を表す部位とをそれぞれにシンボル部として、つまり単語などを表す複数の部位ごとを1つのシンボル部として、透光面を形成するものとしてもよい。
平面シンボル部165は、シンボル部161〜164の上方に設けられている(図2〜図7中、ハッチングを付した部位)。平面シンボル部165は、シンボル部161〜164と同様に、前面が透光性を有する透光面として形成されている。平面シンボル部165は、透光面(前面)が装飾板160のベース面160a(遊技盤2の遊技面)と同一平面に(傾斜せずに)形成されている点でシンボル部161〜164と異なる。このようにシンボル部161〜164の近傍に、パチンコ遊技機1前方から見て傾斜しない平面シンボル部165が形成されることにより、平面シンボル部165との対比によってシンボル部161〜164の立体感をより向上させることができる。
図7、図8は、第1演出可動機構100の動作を説明するための正面図、背面図である。第1演出可動機構100では、装飾体150が退避位置に位置する状態で(図7(a)、図8(a)参照)、モータ121から動力が出力されて後方から見て時計回りにモータギア122が回転すると、駆動ギア123が反時計回りに回転し、駆動突起123aの移動に伴って背面部材124と装飾体150とが前ベース部114のガイドレール114a、114bにガイドされて下方に進出移動する(図7(b)、図8(b)参照)。このときには、装飾体150が図1に示す画像表示装置5の前方に位置する。また、装飾体150が進出位置に位置する状態で(図7(b)、図8(b)参照)、モータ121から動力が出力されて後方から見て反時計回りにモータギア122が回転すると、駆動ギア123が時計回りに回転し、駆動突起123aの移動に伴って背面部材124と装飾体150とが前ベース部114のガイドレール114a、114bにガイドされて上方に退避移動する(図7(a)、図8(a)参照)。このときには、装飾体150が画像表示装置5の前方に重ならずに上方に位置する。このように、この実施の形態の第1演出可動機構100では、装飾体150の進退に応じて、画像表示装置5の視認性が変化するので、遊技者に画像表示装置5と第1演出可動機構100とに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図8に示すように、この実施の形態では、背面部材124(装飾体150)を上向きに付勢する付勢ばね126が設けられているので、重力に逆らって装飾体150を上向きに移動させるときにも、モータ121の負荷を小さくすることができる。また、背面部材124と装飾体150とは、4つのガイド軸124b〜124eで前ベース部114のガイドスリット114a、114bに支持され、ねじり方向への剛性が高いので、付勢ばね126を中央から左右方向に離れた位置に取り付けても、装飾体150をスムースに移動させることができ、駆動ユニット120の設計自由度が向上する。
なお、第1演出可動機構100は、装飾体150が上方に後退した状態においてセルフロックが可能なように構成されている。具体的には、駆動ギア123は、図8(a)において、駆動突起123aを最上部よりもやや時計回りの固定位置(例えば最上部よりも5°や10°など)まで回動させることができるとともに、固定位置よりは時計回りに回動不能に構成されている。これにより、駆動突起123aを固定位置に位置させると、重力によって背面部材124や装飾部150が下方に移動しようとしても駆動突起123aが後方から見て時計回りに回動しないのでセルフロックがかかる。こうしたセルフロックにより、パチンコ遊技機1を運搬する際や遊技の際に第1演出可動機構100が意図しない動作をすることを抑制することができる。なお、第1演出可動機構100は、こうしたセルフロック機構を備えなくてもよい。
以上説明したこの実施の形態の第1演出可動機構100では、透光面の形状によって識別情報を表す複数のシンボル部161〜164が装飾体150に形成され、複数のシンボル部161〜164の透光面は、左端から右端に向けて前方に突出する突出量が大きくなるように前後方向に傾斜して形成されているので、装飾体150により立体的な視覚効果を生じさせて遊技の興趣を向上させることができる。
また、第1演出可動機構100では、複数のシンボル部161〜164が左右方向に連設されているので、立体感がある複数の識別情報を表すことができる。また、シンボル部161〜164は、左から右に向かうほど透光面が表す識別情報の大きさが大きくなるように形成されており、透光面が表す識別情報の大きさが大きいほどベース面160aからの最大突出量が大きくなるように形成されているので、装飾体150が表す識別情報の立体感をより向上することができる。
また、第1演出可動機構100では、複数のシンボル部161〜164の上方にパチンコ遊技機1の前方から見て傾斜しない平面シンボル部165が配設されているので、シンボル部161〜164と平面シンボル部165との対比によって、シンボル部161〜165が表す識別情報の立体感をより向上することができる。
なお、上記した第1演出可動機構100では、4つのシンボル部(透光部)161〜164が左右方向に連設されるものとしたが、2つ〜3つ又は5つ以上のシンボル部(透光部)が左右方向に連設されてもよいし、1つのシンボル部(透光部)だけが設けられてもよい。また、複数のシンボル部(透光部)161〜164は、上下方向や斜め方向に沿って連設されてもよいし、複数列に連設されてもよい。
また、上記した第1演出可動機構100では、左から右に向かうほどシンボル部161〜164が表す文字(識別情報)の大きさが大きくなるように構成されるものとしたが、こうした例に限定されず、例えば、右から左に向かうほどシンボル部161〜164が表す文字(識別情報)の大きさが大きくなるように構成されてもよいし、大きい文字と小さい文字とが交互に表されるように構成されてもよい。
また、上記した第1演出可動機構100では、シンボル部(透光部)161〜164の透光面(前面)の傾斜角度が同一に形成されて、シンボル部161〜164が表す識別情報が大きいほどベース面160aからの最大突出量が大きくなるように構成されるものとしたが、こうした例に限定されず、例えば図9(a)の変形例の装飾体150に示すようにシンボル部161〜163が表す識別情報が大きいほど透光面の傾斜角度を大きくしたり、反対に図9(b)の変形例の装飾体150に示すようにシンボル部161〜163が表す識別情報が小さいほどど透光面の傾斜角度を大きくするなど、シンボル部が表す識別情報の大きさ毎に透光面の傾斜角度が異なるように形成されてもよい。このような場合にも、装飾体150が表す識別情報の立体感を向上させることができる。また、図9(c)の変形例の装飾体150に示すように、シンボル部161〜163が表す識別情報が大きいほどベース面160aから突出する最小突出量を大きくしたり、反対に図9(d)の変形例の装飾体150に示すように、シンボル部161〜163が表す識別情報が小さいほどベース面160aから突出する最小突出量を大きくするなど、シンボル部が表す識別情報の大きさ毎に、突出量を変化させてもよい。このような場合にも、装飾体150が表す識別情報の立体感を向上させることができる。
また、上記した第1演出可動機構100では、右に向かうほど前方に突出するように複数のシンボル部161〜164が前後方向に傾斜して形成されるものとしたが、複数のシンボル部161〜164は、左に向かうほど前方に突出するように前後方向に傾斜して形成されてもよい。また、上下方向の一端から他端に向けて前後方向に傾斜して形成されてもよく、上下左右方向の斜め方向の一端から他端に向けて前後方向に傾斜して形成されてもよい。さらに、複数のシンボル部161〜164で、それぞれに異なる方向に傾斜して形成されてもよい。
また、上記した第1演出可動機構100では、シンボル部161〜164の上方に、パチンコ遊技機1の前方から見て前後方向に傾斜しない平面シンボル部165が設けられるものとしたが、平面シンボル部165は、シンボル部161〜164の上方以外の近傍に設けられてもよく、シンボル部161〜164の間に設けられてもよい。また、こうした平面シンボル部165が設けられなくてもよい。
また、上記した第1演出可動機構100では、装飾体150が駆動ユニット120により上下方向に移動するものとしたが、装飾体150が左右方向や斜め方向に移動するものとしたり、回動するものとしてもよい。また、駆動ユニット120は、上記した構成に限定されず、モータギア122と噛合するラックギアを設けたり、ソレノイドコイルによって上下方向に移動させるなどの構成を採用してもよい。さらに、駆動ユニット120を設けることなく、装飾体150が可動しないものでもよい。
次に、第2演出可動機構200について図10などを用いて説明する。図10(a)は装飾部材250が後退した状態の第2演出可動機構200の正面図、図10(b)は装飾部材250が進出した状態の第2演出可動機構200の正面図である。第2演出可動機構200は、図1に示す画像表示装置5の左端側に位置し、遊技の際に装飾部材250を進退させたり発光させたりすることによって演出動作を行うものである。
具体的には、第2演出可動機構200は、装飾部材250を後退させてこの装飾部材250の少なくとも一部が本体ケース210内に隠れる状態(図10(a)に示す状態)と、装飾部材250を画像表示装置5の前方位置に進出させて視認できる状態(図10(b)に示す状態)とに変位させたり、装飾部材250を発光させたりするなどの演出動作を行うことができる。
ここで図11、図12を用いて第2演出可動機構200の構成について説明する。図11、図12は、第2演出可動機構200を構成要素ごとに分解して前方視した分解斜視図、後方視した分解斜視図である。第2演出可動機構200は、図11や図12に示すように、遊技盤2に支持される本体ケース210と、この本体ケース210内に支持される駆動源としてのパンタグラフ用モータ221を含む第1駆動ユニット220と、このパンタグラフ用モータ221からの動力を受けて伸縮動作するパンタグラフ機構230と、このパンタグラフ機構230に装着され、パンタグラフ機構230の伸縮動作に連動して進出状態と退避状態とに変化可能な装飾部材250と、パンタグラフ機構230を伸展させる方向にこのパンタグラフ機構230に付勢力を作用させる付勢部材としての付勢ばね270(例えば、引張コイルばね)を備える。
本体ケース210は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成される。本体ケース210は、遊技盤2に支持される後ケース部211と、この後ケース部211の前側に装着される前カバー部212とを有する。後ケース部211を例えば左側壁214及び奥壁215を形成する略L字形状とし、前カバー部212を板形状とすることで、前カバー部212と後ケース部211との間に形成される収納空間に、パンタグラフ用モータ221、パンタグラフ機構230、装飾部材250などを収納している。図11に示すように、後ケース部211の前面上部には、パンタグラフ用モータ221が取り付けられ、前面中央にはパンタグラフ機構230が装飾部材250を介して取り付けられ、前面下部には中継基板280が取り付けられ、これらが取り付けられた状態で前カバー部212が取り付けられる。第2演出可動機構200の後ケース部211が遊技盤2に取付けられることにより、第2演出可動機構200は遊技盤2に装着される。
第1駆動ユニット220は、図11、図12などに示すように、駆動信号に基づいて動力を出力するパンタグラフ用モータ221と、このパンタグラフ用モータ221を支持するモータ支持部材222と、パンタグラフ用モータ221からの動力をパンタグラフ機構230に伝達する揺動アーム223とを備える。
パンタグラフ用モータ221は、例えばステッピングモータであり、モータ支持部材222にネジ止め装着される。なお、パンタグラフ用モータ221として、サーボモータ、ブラシレスモータなどの各種のモータを用いてもよい。
パンタグラフ用モータ221の回動軸221aには、図12に示すように、この回動軸221aを中心に回動する回動部材224が取り付けられている。この回動部材224は、後述の図13に示すように、回動軸221aを中心に回動する切欠円盤部225と、この切欠円盤部225の表面側(パンタグラフ用モータ221とは反対側)に配設された偏心アーム部226とを備える。切欠円盤部225は、例えば中心角が270°程度の扇形の円盤形状となっており、残り90°程度の範囲を切欠部225aとするものである。偏心アーム部226は、回動軸221aから、切欠部225aのうち一方の径方向切欠辺に沿って延出形成されたものであり、この偏心アーム部226の先端側に偏心ピン226aが形成されている。
パンタグラフ用モータ221は、図11に示すように、モータ支持部材222を介して後ケース部211の前面上部に装着されている。具体的には、モータ支持部材222の上部と左部の2箇所には、貫通孔を有する取付部222aが形成され、各取付部222aの貫通孔に後ケース部211の前面上部の各ボス211aを挿入した状態で、取付部222aの貫通孔にネジを挿入してボス211aに螺入することで、モータ支持部材222が後ケース部211にネジ止めされている。
揺動アーム223は、例えば樹脂などを金型に射出することによって略棒状形状に形成され、図11、図12に示すように、その基端側には、後ケース部211の前面上部左隅箇所に突出形成された軸支部211bが挿入される軸孔部223aが形成され、その先端側には、パンタグラフ機構230の交差部241に係合する円弧状孔223bが形成され、その長手方向の中央箇所には、パンタグラフ用モータ221の偏心ピン226aが係合する長円形孔223cが形成されている。
揺動アーム223の基端側は、図11に示すように、後ケース部211の軸支部211bを回動軸心として回動可能に支持される。つまり、揺動アーム223の軸孔部223aに後ケース部211の軸支部211bが挿入された状態で、この軸孔部223aに挿入されたネジが後ケース部211の軸支部211bの先端面のネジ穴部211cに螺入されて、揺動アーム223がその基端側を回動軸心として回動可能に支持される。
次に、パンタグラフ機構230について図13を用いて説明する。図13(a)は、第2演出可動機構200のうちで第1駆動ユニット220、パンタグラフ機構230及び付勢ばね270のみを示す背面図、図13(b)は、その図13(a)に示すパンタグラフ機構230のみを分解して後方視した分解斜視図である。パンタグラフ機構230は、図13に示すように、例えば樹脂などを金型に射出することによって略棒状形状に形成された複数(本実施の形態では10個)のリンク部材231〜240を有し、この10個のリンク部材231〜240のうち対応するものを一対ずつX字状に交差させて各交差部241が枢着される。
そして、図13(b)に示すように、対となるリンク部材231、232を、対となるリンク部材233、234を、対となるリンク部材235、236を、対となるリンク部材237、238を、それぞれX字状に交差させて交差部241をネジ止めすることで枢着する。例えば、リンク部材231、233、235、237の交差部241に貫通孔242が形成され、リンク部材232、234、236、238の交差部241にボス部243が形成され、この貫通孔242にボス部243を挿入した状態で貫通孔242に挿入したネジをボス部243の先端面のネジ穴に螺入することで、各リンク部材231〜240が交差部241に対して回動可能となっている。なお、リンク部材233、234の交差部241については、揺動アーム223の円弧状孔223bに挿入したネジをリンク部材233の交差部241の貫通孔242に挿入してリンク部材234の交差部241のボス部243に螺入することでリンク部材233、234が交差部241に対して回動可能となっている。
続いて、一対のリンク部材231、232の先端側と他の対のリンク部材233、234の基端側とをネジ止めすることで枢着し、一対のリンク部材233、234の先端側と他の対のリンク部材235、236の基端側とをネジ止めすることで枢着し、一対のリンク部材235、236の先端側と他の対のリンク部材237、238の基端側とをネジ止めすることで枢着し、一対のリンク部材237、238の先端側と他の対のリンク部材239、240の基端側とをネジ止めすることで枢着する。また、対となるリンク部材239、240の先端箇所の貫通孔242に、図12に示す装飾部材250の最先端の装飾体251の背面のボス部251aを挿入した状態とし、リンク部材239の貫通孔242に挿入したネジを装飾体251のボス部251aの先端面のネジ穴に螺入することで、リンク部材239、240が先端側に対して回動可能となっている。
なおこの実施の形態では、各リンク部材231〜240の交差部241及び端部側箇所が回動可能にネジ止めしているが、各リンク部材231〜240の交差部241及び端部側箇所が回動可能となるように、係止ピンを係止孔に係止させる構成、嵌合ピンを嵌合孔に遊嵌させる構成などを採用してもよい。
これらのリンク部材231〜240は、例えば有色(黒色など)樹脂成形品としているが、透明樹脂成形品としてもよい。この実施の形態では、パンタグラフ機構230が縮んだ状態(図15(a)参照)や伸展した状態(図15(c)参照)では、リンク部材231〜240は装飾部材250に隠れて正面側からは見えないようになっているが、パンタグラフ機構230の伸縮途中状態(図15(b)参照)においてリンク部材231〜240の一部が正面側から見えるため、リンク部材231〜240が透明である場合には、目立たなくすることができる。
装飾部材250は、図10(b)、図11に示すように、複数(例えば4個)の装飾体251〜254を有する。これらの装飾体251〜254は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成され、進出方向の先端側から基端側に向かうに連れてその外形が順番に大きくなっており、先頭から順に例えばハート型、略三角形型、略台形型、略台形型形状となっている。
各装飾体251〜254は、図14に示すように、前面側に装飾が施された光透過樹脂製の前面装飾部255と、複数のLED256a(発光ダイオード)が実装されるLED実装面を前面装飾部255の背面に向けて装着されるLED実装基板256と、このLED実装基板256が装着された状態で前面装飾部255の背面に取り付けられ、長孔257aが形成された背面板257とをそれぞれ備える。
これらの装飾体251〜254は、進出方向に並ぶように摺動可能に連結されている。具体的には、図11、図12、図14に示すように、先頭の装飾体251の摺動部258が2番目の装飾体252の長孔257aに挿入されて摺動可能に装着され、2番目の装飾体252の摺動部258が3番目の装飾体253の長孔257aに挿入されて摺動可能に装着され、3番目の装飾体253の摺動部258が4番目の装飾体254の長孔257aに挿入されて摺動可能に装着される。
各摺動部258は、図14に示すように、背面板257の前側に位置する摺動前側体258aと、この摺動前側体258aの背面側に突出形成されたピン部258bに回転可能に支持され、背面板257の前側から長孔257aに挿入される車輪部258cと、背面板257の後側に位置し、長孔257aに挿入された車輪部258cを回動可能に支持する車輪支持部258dとを備え、この車輪支持部258dに形成された貫通孔258eに挿入されたネジ258fを摺動前側体258aのピン部258bの先端面のネジ穴に螺入することで、長孔257aの長手方向に摺動可能となっている。
また、図11、図12に示すように、4番目の装飾体254は、後ケース部211に装着される上部取付台261及び下部取付台262に対して摺動可能となっている。具体的には、上部取付台261と下部取付台262には上部支持部263と下部支持部264がそれぞれ摺動可能に装着され、この上部支持部263及び下部支持部264には4番目の装飾体254が摺動可能に装着される。具体的には、上部支持部263の長孔263a及び下部支持部264の長孔164aには、4番目の装飾体254の裏面の上部及び下部にそれぞれ形成された上部摺動部265及び下部摺動部266がそれぞれ挿入されて摺動可能に装着される。そして、上部支持部263の摺動部268が上部取付台261の長孔261aに挿入されて摺動可能に装着され、下部支持部264の摺動部269が下部取付台262の長孔262aに挿入されて摺動可能に装着される。
図11、図12に示すように、上部取付台261の裏面側には3個の筒状脚部261bが突出形成されており、モータ支持部材222の前面には3個の筒状脚部261bに対応する3個のボス部222bがそれぞれ形成され、上部取付台261の筒状脚部261bの筒内にモータ支持部材222のボス部222bを挿入した状態で上部取付台261の前側から筒状脚部261bの筒内に挿入したネジをボス部222bの先端面のネジ穴に螺入することで、上部取付台261をモータ支持部材222に装着している。また、下部取付台262の裏面側には2個の筒状脚部262bが突出形成されており、後ケース部211の前面中央の下側箇所には2個の筒状脚部262bに対応する2個のボス部211dがそれぞれ形成され、下部取付台262の筒状脚部262bの筒内に後ケース部211のボス部211dを挿入した状態で下部取付台262の前側から筒状脚部262bの筒内に挿入したネジをボス部211dの先端面のネジ穴に螺入することで、下部取付台262を後ケース部211に装着している。
また、図11、図12に示すように、縦長板状の支持金属板216の上部箇所が上部取付台261の左端箇所にネジ止めされ、この支持金属板216の下部箇所が下部取付台262の左端箇所にネジ止めされている。そして、前カバー部212が後ケース部211に取り付けられる。
また、最先端の装飾体251がパンタグラフ機構230に装着される。具体的には、最先端の装飾体251の背面のボス部251aを、対となるリンク部材239、240の先端箇所の貫通孔242に挿入した状態とし、リンク部材239の貫通孔242に挿入したネジをこの装飾体251のボス部251aの先端面のネジ穴に螺入することで、最先端の装飾体251がパンタグラフ機構230に装着され、リンク部材239、240が先端側に対して回動可能となっている。後続の3個の装飾体252〜254は最先端の装飾体251の動作に連動して退避状態と進出状態とに変化するものであり、図16(a)に示すようにパンタグラフ機構230が縮んだ状態では、図15(a)に示すようにパンタグラフ機構230に装着される最先端の装飾体251が退避状態となり、図18に示すように後続の3個の装飾体252〜254が最先端の装飾体251と前後方向に重なるようになっている。
また、装飾部材250は、図10(b)に示す進出状態において、その表面側に所定の装飾表示(例えば、文字、形状、模様、色彩又はこれらを組合せた表示)を形成するように各装飾体251〜254が形成され、意匠効果が高くなるように構成されている。
図16(a)に示すようにパンタグラフ機構230が縮んだ状態において、パンタグラフ用モータ221の回動軸221a(切欠円盤部225)が図16において時計回りに約210度程度回転すると、図16(c)に示すように、パンタグラフ機構230が伸展状態となる。
付勢ばね270は、図13(a)に示すように、一対のリンク部材231、232の基端部231a、232a同士に架け渡されている。すなわち、付勢ばね270は、図16に示すように、一対のリンク部材231、232の端部同士を引き合う方向に付勢し、装飾部材250が図15(a)に示す退避状態から図15(c)に示す進出状態に変化する過程でパンタグラフ機構230を伸展させる方向に作用する力が大きくなるように取り付けられている。
図16(a)に示すように、一対のリンク部材231、232の基端部231a、232a同士の間隔が第1距離d1である場合に、パンタグラフ機構230が縮んだ状態であり、図16(b)に示すように、一対のリンク部材231、232の基端部231a、232a同士の間隔が小さくなって、図16(c)に示すように、第1距離d1より短い第2距離d2に変化することでパンタグラフ機構230が伸展する。この実施の形態では、パンタグラフ機構230が伸展した状態では、付勢ばね270自然長になるものした(第2距離d2=自然長)。なお、パンタグラフ機構230が伸展した状態において付勢ばね270が自然長に至っていないとしてもよい。
図16(a)や図17(a)に示すように、装飾部材250の収納状態、つまり、パンタグラフ機構230が縮んだ状態では、付勢ばね270が架け渡された一対のリンク部材231、232の端部同士の間隔が第1距離d1となって当該一対のリンク部材231、232が略直線状態になり、当該付勢ばね270の弾性力方向が当該略直線状態の一対のリンク部材231、232の長手方向と略平行となっている。つまり、図17(a)に示すようにパンタグラフ機構230が縮んだ状態では、付勢ばね270の距離が長く、付勢ばね270による付勢力F1自体は大きいものの、付勢力F1がパンタグラフ機構230を進展させる力(各リンク部材231〜240を交差部241に対して回動させる力)Rとしてはほとんど作用しない。一方、図17(b)に示すように、パンタグラフ機構230が進展する過程で、付勢ばね270は縮んで付勢ばね270の付勢力F2自体は徐々に小さくなるものの、付勢ばね270の弾性力方向と、リンク部材231、232の長手方向との向きがずれ、付勢ばね270による付勢力F2がパンタグラフ機構230を進展させる力Rに大きく作用するようになる。このように、リンク部材231、232の端部に付勢ばね270を架け渡すことで、パンタグラフ機構230が進展するほど、リンク部材231、232の長手方向と付勢ばね270の弾性力方向とがずれ、付勢ばね270の付勢力におけるパンタグラフ機構230を進展させる向きに作用する割合が大きくなる。ここで、この実施の形態では、パンタグラフ機構230が完全に進展した状態では、付勢ばね270が自然長となるものとしたので(F3=0)、装飾部材250が図17(a)に示す退避状態から図17(c)に示す進出状態に変化する過程で、付勢ばね270からパンタグラフ機構230を進展させる方向に作用する力は、リンク部材231、232の長手方向と付勢ばね270の弾性力方向とがずれていくことにより徐々に大きくなっていき、ある地点からは、付勢ばね270が縮むことで付勢力が小さくなることにより徐々に小さくなっていく。なお、上記したように、パンタグラフ機構230が完全に進展した状態においても、付勢ばね270が自然長に至らないように構成して、パンタグラフ機構230が完全に進展するまで、パンタグラフ機構230が進展するほど付勢ばね270からパンタグラフ機構230を進展させる方向に作用する力が大きくなるようにしてもよい。ここで、付勢ばね270は、弾性力が大きいものを採用するほど、パンタグラフ機構230を迅速に進展させることができるが、パンタグラフ機構230を縮めるときのパンタグラフ用モータ221の負荷が大きくなる。このため、付勢ばね270は、第2演出可動機構200による演出表示に都合がいいように、パンタグラフ用モータ221の定格や装飾部材250の重量などに応じた弾性力のものを採用すればよい。
付勢ばね270は、図15(a)に示すように、リンク部材232の基端と、リンク部材231の基端よりわずかに先端側にずれた位置とで架け渡されている。パンタグラフ機構130が伸展した状態では、図15(a)に示すように、リンク部材132はその基端側が下向きとなった傾斜姿勢であるのに対して、リンク部材131はその基端側がやや上向きの水平姿勢であることから、リンク部材131の基端側が重力で下がり易くなっているのに対して、リンク部材132の基端側を重力に反して持ち上げなければならない状態となっている。そこで、付勢ばね170の一端をリンク部材132の基端に架け、この付勢ばね170の他端をリンク部材131の基端よりも先端側に僅かにずれた位置に架けることで、リンク部材132に大きなモーメントがかかるようにし、リンク部材131はそれよりも小さいモーメントがかかるようにして、パンタグラフ機構130の伸縮過程におけるリンク部材131,132がスムースに動作するようにしている。なお、付勢ばね270は、リンク部材231、232の基端同士に架け渡されてもよいし、リンク部材231、232の基端よりわずかに先端側にずれた位置同士に架け渡されてもよい。
また、図11に示すように、後ケース部211と揺動アーム223とにねじりばね273が架け渡されている。具体的には、ねじりばね273のコイル部273a内に後ケース部211の軸支部211bが挿入され、ねじりばね273の一端が、揺動アーム223の上方を向く側部の長円形孔223cに近い箇所に形成された係止孔223dに係止され、ねじりばね273の他端が、後ケース部211の前面上部側で軸支部211bから斜め下箇所に形成された係止ボス211eに係止されている。
すなわち、図16(a)に示すようにパンタグラフ機構230が縮んだ状態になると、ねじりばね273が縮んだ状態となり、ねじりばね273のコイル部273aを中心にして両端が離れる回動方向に付勢する。
また、第2演出可動機構200は、図16(a)に示すように、パンタグラフ機構230が縮んだ状態であるか否かを検出する位置検出センサ285(例えばフォトセンサ)を備える。具体的には、この位置検出センサ285は、図12、図13(a)に示すように、パンタグラフ用モータ221の切欠円盤部225を検出するようにモータ支持部材222に配設され、図16(a)に示すパンタグラフ機構230が縮んだ状態では切欠円盤部225の切欠部225aが位置検出センサ285に位置し、図16(b)に示すパンタグラフ機構230の伸展途中や図16(c)に示すパンタグラフ機構230の伸展状態では切欠円盤部225が位置検出センサ285に位置する。つまり、位置検出センサ285により、パンタグラフ機構230が縮んだ状態か否かを検出することができる。
図16(a)に示すように、パンタグラフ機構230が縮んだ状態では、切欠円盤部225の切欠部225aが位置検出センサ285に位置しており、この位置検出センサ285の透光部からの光が受光部で受光され、この位置検出センサ285からの検出信号(ハイレベル)に基づいて、パンタグラフ機構230が縮んだ状態であることが検出される。また、パンタグラフ用モータ221の回動軸221a(切欠円盤部225)が回動(図16において時計回りに回動)すると、切欠円盤部225が位置検出センサ285に位置し、透光部からの光が遮られて受光部で受光されない。また、図16(c)に示すように、切欠円盤部225が210度程度回転して、パンタグラフ機構230が伸展状態になっても、切欠円盤部225が位置検出センサ285に位置したままであり、受光部で受光される。すなわち、この位置検出センサ285からの検出信号(ローレベル)に基づいて、パンタグラフ機構230が非縮小状態(伸縮途中状態又は伸展状態)であることが検出される。
なお、位置検出センサ285として、例えばフォトセンサ以外の種々の非接触式センサ、接触式センサを用いてもよい。また、この位置検出センサ285に代えて又は加えてパンタグラフ用モータ221の回動軸221aの回動位置を検出するセンサ(例えばやレゾルバ、エンコーダなど)を配設してもよい。
なお、この実施の形態の第2演出可動機構200は、装飾部材250を発光させるLED実装基板256のLED256a(図14参照)とは別に、本体ケース210の前面部を発光させるための図示しない装飾用LEDなども備える。
また、第2演出可動機構200は、パンタグラフ機構230が縮んだ状態においてセルフロックが可能なように構成されている。具体的には、図16(a)において、偏心ピン226aが最左部よりもやや時計回りの固定位置(例えば最左部よりも5°や10°など)まで回動させることができるとともに、固定位置よりは時計回りに回動不能に構成されている。これにより、偏心ピン226aを固定位置に位置させると、引き伸ばされた付勢ばね270の弾性力と縮んだねじりばね273の付勢力だけでパンタグラフ機構230が伸展しようとしても、偏心ピン226aには後方から見て時計回りの力がかかり、偏信ピン226aが回動不能なためセルフロックがかかる。こうしたセルフロックにより、パチンコ遊技機1を運搬する際や遊技の際に第2演出可動機構200が意図しない動作をすることを抑制することができる。なお、第2演出可動機構100は、こうしたセルフロック機構を備えなくてもよい。
上記した第2演出可動機構200では、装飾部材250が退避状態から進出状態に変化する過程で、付勢ばね270からパンタグラフ機構230を進展させる方向に作用させる力が大きくなるので、装飾部材250の進出過程、つまり、パンタグラフ用モータ221の動力によりパンタグラフ機構230を伸展させる過程において、付勢ばね270による付勢力を伸展補助力とすることができ、進出過程におけるパンタグラフ用モータ221の負荷を軽減でき、装飾部材250を迅速に移動させることができ、遊技者に与えるインパクトを大きくして遊技の興趣を向上させることができる。また、パンタグラフ機構230が縮んだ状態にあるときには付勢ばね270からの付勢力が比較的小さくなるので、容易にパンタグラフ機構230を縮んだ状態で維持することができる。さらに、出力の大きな駆動源(モータなど)を用いる必要がなく、装置が大型化する問題も生じない。よって、簡易な構成で装飾部材250による遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することができる。
また、付勢ばね270による付勢力を伸展補助力とすることができるので、装飾部材250の動きが速い。つまり、短い時間で動作するので、様々な演出に組み込み易い。
また、リンク部材231、232の基端部231a、232a同士の間隔が第1距離d1から、この第1距離d1より短い第2距離d2に変化することでパンタグラフ機構230が伸展し、付勢ばね270は、リンク部材231、232の基端部231a、232a同士に架け渡されるので、パンタグラフ機構230をその伸展動作に対して適切に付勢を行うことができる。
また、装飾部材250は複数(例えば4個)の装飾体251〜254からなり、先頭の装飾体251がパンタグラフ機構230に装着され、他の残りの装飾体252〜254は先頭の装飾体251の動作に連動して退避状態と進出状態とに変化するものであり、パンタグラフ機構230に装着される先頭の装飾体251が退避状態にあるとき、残りの後続する装飾体252〜254が先頭の装飾体251と前後方向に重なるので、パンタグラフ機構230の伸展動作に伴って、複数の装飾体251〜254の視認性を変化させることができ、演出効果を向上できる。また、退避状態では、最も大きい装飾体254の裏側にそれよりも小さい装飾体251〜253が隠れるので、装飾体251〜253の全体を隠すことができる。
また、パンタグラフ用モータ221からの動力をパンタグラフ機構230へ伝達する揺動アーム223を備え、この揺動アーム223は、パンタグラフ機構230の一対のリンク部材233、234が交差する交差部241に係合し、パンタグラフ用モータ221の駆動に伴って交差部241に動力を伝達するので、パンタグラフ用モータ221の動力がパンタグラフ機構230の一対のリンク部材233、234に均等に伝わり伸縮動作が安定する。
また、装飾部材250の収納状態、つまり、パンタグラフ機構230が縮んだ状態では、付勢ばね270が架け渡された一対のリンク部材231、232の基端部231a、232a同士の間隔が第1距離d1となって当該一対のリンク部材231、232が略直線状態になり、付勢ばね270の弾性力方向が当該略直線状態の一対のリンク部材231、232の長手方向と略平行となっているので、付勢ばね270の弾性力方向が略直線状の一対のリンク部材231、232の長手方向と略平行となっているので、装飾部材250の収納状態ではパンタグラフ機構230の進出方向に大きな力がかからないようにすることができ、装飾部材250の収納状態を維持することができる。また、装飾部材250の収納状態においてパンタグラフ用モータ221に不要な負荷をかけることを低減できる。
また、パンタグラフ機構230の各対のリンク部材は、進出側に向けて徐々に短くなっており、4個の装飾体251〜254も、先端に向かうに連れてその大きさが小さくなっているので、先端が軽くなり、その進出動作が速くなる。
なお、上記した第2演出可動機構200では、パンタグラフ機構230の一対のリンク部材231、232同士に付勢ばね270が架け渡されるものとしたが、これに代えて又は加えて、他の対となるリンク部材233〜238の前端部または後端部同士に付勢ばねが架け渡されてもよい。また、リンク部材231、232の少なくとも一方の後端部と、ケース部211とに付勢ばねが架け渡されてもよい。さらに、付勢ばねに代えて又は加えて、装飾部材250が退避状態から進出状態に変化する過程で、パンタグラフ機構230を進展させる方向に作用させる力が大きくなるように、ゴムなどの弾性力を作用させる付勢部材や、永久磁石または電磁石などの電磁力を作用させる付勢部材が設けられてもよい。特に、電磁石などを用いてパンタグラフ機構230を進展させる方向に力を作用させる場合には、装飾部材250が退避状態から進出状態に変化する過程で、パンタグラフ機構230を進展させる方向に作用させる力が大きくなるように、電磁石に印可する電圧などを制御してもよい。また、装飾部材250を進出状態から退避状態に変化させるときには、電磁石による付勢力を低減したり付勢力が作用しないように制御してもよく、パンタグラフ機構230を縮める方向に力が作用するように制御してもよい。
また、上記した第2演出可動機構200では、パンタグラフ機構230に4つの装飾部材250が装着されるものとしたが、装飾部材250は、パンタグラフ機構230の伸縮動作に連動して進出状態と退避状態とに変化可能なものであればよく、例えばパンタグラフ機構230に1つ〜3つの装飾部材250が装着されてもよいし、5つ以上の装飾部材250が装着されても良い。また、各装飾部材250の形状は、任意の形状を採用することができる。
また、上記した第2演出可動機構200では、パンタグラフ機構230が縮んだ状態において、後続の3個の装飾体252〜254が最先端の装飾体251の後方に重なるものとしたが、後続の3個の装飾体252〜254が最先端の装飾体251の前方に重なるものとしてもよい。さらに、パンタグラフ機構230が縮んだ状態において、後続の3個の装飾体252〜254と最先端の装飾体251とが前後方向に重ならなくてもよい。
また、上記した第2演出可動機構200では、パンタグラフ用モータ221からの動力が揺動アーム223を介して、一対のリンク部材233、234が交差する交差部241伝達されるものとしたが、例えばパンタグラフ用モータ221からの動力がラックギアを介してパンタグラフ機構230に伝達されるなど、他の構成を採用してもよい。また、パンタグラフ用モータ221からの動力がリンク部材233、234が交差する交差部241に伝達されるものに限定されず、他のリンク部材231、232、235〜238の交差部241に伝達されてもよいし、リンク部材239、240の先端に伝達されてもよいし、装飾部材250に伝達されてもよい。
次に、第3演出可動機構300について図19などを用いて説明する。図19(a)は装飾体358が後退した状態の第3演出可動機構300の正面図、図19(b)は装飾体358が途中まで進出した状態の第3演出可動機構300の正面図、図19(c)は装飾体358が完全に進出した状態の第3演出可動機構300を示す正面図である。第3演出可動機構300は、図1に示す画像表示装置5の上側に後退した状態において第1演出可動機構100の裏側に位置し、遊技の際に装飾体358を進出させたり発光させたりすることによって演出動作を行うものである。
図20は、第3演出可動機構300を構成要素毎に分解して前方から示す分解斜視図である。第3演出可動機構300は、図20に示すように、内側フレーム40の上部に取り付けられる後ベース部310及び前ベース部311と、後ベース部310に対して動作可能に支持される可動部320と、可動部320を駆動する駆動ユニット360と、可動部320の装飾体358を支持するとともに装飾体358を揺動させる揺動用駆動ユニット370とを有する。
後ベース部310と前ベース部311は、例えば樹脂を金型に射出して成形される。後ベース部310は、前方に前ベース部311が取り付けられる。また、後ベース部310は、可動部320を動作可能に支持するとともに、駆動ユニット360、揺動用駆動ユニット370のそれぞれを支持し、後ベース部310が内側フレーム40にビス止めなどで取り付けられることにより、第3演出可動機構300はパチンコ遊技機1に搭載される。
可動部320は、後ベース部310に支持されて、駆動用ユニット360及び揺動用駆動ユニット370のそれぞれにより動作する。図21は、可動部320と駆動用ユニット360と揺動用駆動ユニット370とを構成要素毎に分解して前方から示す分解斜視図である。可動部320は、図21に示すように、一端にガイド軸331が形成された第1アーム330と、一端にガイドスリット(案内部)341が形成された第2アーム340と、ガイド軸331に取り付けられる被ガイド部(被案内部)350と、被ガイド部350とスプライン結合する動作ギア351と、動作ギア351と噛合するラックギア352a、352bがそれぞれ形成された左可動部材353及び右可動部材355と、左右可動部材353、355の移動を案内する可動部材ガイド体357と、可動部材ガイド体357の前面に取り付けられて上端近傍が揺動駆動ユニット360に支持される装飾体358とを有する。なお、図21には、被ガイド部350の背面図を破線で合わせて示している。
第1アーム330と第2アーム340とは、それぞれ一端(基端)が後ベース部310に軸支され、第1アーム330のガイド軸331に被ガイド部350が取り付けられて、被ガイド部350が第2アーム340のガイドスリット341に挿通する。これにより、被ガイド部350(ガイド軸331)がガイドスリット341内を移動する範囲で、第1アーム330と第2アーム340とは後ベース部310に対して回動することができる。第2アーム340のガイドスリット341は、第2アーム340の長手方向に沿って長い長孔に形成されており、基端の反対側となる先端にはラックギア341aが形成されている。ラックギア341aは、この実施の形態では、ガイドスリット341の全体の長さの約3分の1の長さにわたって、ガイドスリット341の上縁側に形成されている。被ガイド部350は、第1アーム330のガイド軸331に対して回転可能に軸支され、第2アーム340のガイドスリット341に挿通される。被ガイド部350は、図21中破線で囲んだ背面図に示すように、後方から見て全体として真円状に形成されており、上方側は複数のギア歯350aが形成され、下方側はギア歯が形成されることなく円弧状に形成されている(例えば上縁約240°にわたってギア歯350aが形成され、下縁120°にわたって円弧状に形成されるなど)。被ガイド部350は、第1アーム330及び第2アーム340が後ベース部310に対して回動するときに、ガイドスリット341にガイドされて移動する。そして、被ガイド部350がガイドスリット341の先端側にまで移動すると、被ガイド部350のギア歯350aとガイドスリット341のラックギア341aとが噛み合って被ガイド部350が回転する。被ガイド部350は、動作ギア351とスプライン結合し、被ガイド部350が回転することで動作ギア351も一体に回転する。なお、左右可動部材353、355に取り付けられた後述する付勢ばね359によって、被ガイド部350は、ガイドスリット341の基端側を移動するときには、回転せずに移動するように付勢される。
また、第1アーム330には、長手方向の中途部において前後方向に突出するアーム駆動軸330aが設けられている。さらに、第1アーム330と第2アーム340とのそれぞれには、後ベース部310との間に付勢ばね(例えば、引張コイルばね)339、349が架け渡されており、この付勢ばね339、349は、第1アーム330及び第2アーム340を上方に持ち上げる向きに付勢する。
図22は、第2アーム340を構成要素毎に分解して前方から示す分解斜視図である。第2アーム340は、電気部品としてのLEDなどの発光体が設けられた発光用基板342を有するとともに、発光用基板342や駆動用モータ361から延出される電気配線等を収容するために背面が開放された収容部を構成する収容部材343と、収容部材343に取り付け可能であって収容部材343の背面を被覆するための被覆部としての金属製の被覆部材344と、発光用基板342と被覆部材344との絶縁を確保するための絶縁部材345とを有する。
収容部材343は、例えば樹脂を金型に射出することによって、所定長さを有する細長帯状に形成される。収容部材343は、細長帯状に形成された板状のベース部343aと、該ベース部343aにおける背面の周縁に沿って立設されたベース部側壁部343bと、により、背面側が開口する箱状に形成され、第2アーム340の長手方向に沿った断面視において略コ字形に形成されている。なお、ベース部側壁部343bは、ベース部343aの周縁に沿って立設されていることにより断面視で略コ字形に形成されるものに限定されず、ベース部343aの周縁よりも内側に立設されていてもよい。また、これらベース部343aとベース部側壁部343bとは一体成型により形成されるものとしてもよいし、それぞれ別個の部材にて構成されていてもよい。さらに、収容部材343は、この実施の形態では、発光用基板342に設けられた例えばLEDなどの発光体からの光により装飾されるように、透光性を有する材料で形成されている。ただし、収容部材343は、一部または全部が透光性を有しないように形成されていてもよい。
被覆部材344は、例えば金属板にプレス処理を施すことなどによって、所定長さを有する細長帯状に形成される。被覆部材344は、収容部材343のベース部343aの背面に対し所定の隙間を隔てて配置されて、ベース部343aを被覆する蓋部344aと、蓋部344aにおける前面の周縁に沿って立設され収容部材343に取り付けられたときにベース部側壁部343bの内側対向位置に配置される被覆部側壁部344bと、により、前面側が開口する箱状に形成され、第2アーム340の長手方向に沿った断面視で略コ字形に形成されている。なお、ベース部側壁部343bは、蓋部344aの周縁に沿って立設されていることにより断面視で略コ字形に形成されるものに限定されず、蓋部344aの周縁よりも内側に立設されていてもよい。また、これら蓋部344aとベース部側壁部343bとは一体成型により形成されるものとしてもよいし、それぞれ別個の部材にて構成されていてもよい。
第2アーム340では、収容部材343に対して被覆部材344が取り付けられたときに、被覆部側壁部344bがベース部側壁部343bの内側に対向して配置されることで、内部に配設される発光用基板342や電気配線がベース部343aと蓋部344aとの間から露出されることが抑制される。具体的には、被覆部側壁部344bが蓋部344aの周縁に立設されていることで、ベース部側壁部343bの内面に対向する被覆部側壁部344bの外面の前後幅寸法が、被覆部側壁部344bが周縁に立設されていない蓋部344aのみによりベース部343aの背面を被覆する場合に比べて長くなることで、例えば、電気配線が外部に抜け出るまでにベース部側壁部343bと被覆部側壁部344bとに接触する距離が長くなるばかりか、被覆部側壁部344bの端面により電気配線が蓋部344aよりも前側で押えられるため、電気配線が第2アーム340の側方(短手方向)から外部に抜け出しにくくなる。
また、被覆部材344は金属材にて構成されていることで、合成樹脂材により細長帯状に形成された収容部材343の撓みや変形を防止することができるばかりか、被覆部材344は、板状の蓋部344aの周縁から前側に屈曲された被覆部側壁部344bにより断面視略コ字形に形成されていることで、被覆部材344自体の撓みや変形が防止されているため、収容部材343の撓みや変形が生じにくくなる。これにより、第2アーム340の剛性を高くすることができ、第3演出可動機構300の動作をスムースかつ安定したものとすることができる。
また、図示しないが、第1アーム330についても、第2アーム340と同様に、複数の発光部を有し第1アーム330を装飾するための発光用基板と、電気部品として発光用基板や電気配線を収容するために開放された収容部としての収容部材と、該収容部材に取り付け可能であって該収容部材を被覆するための金属製の被覆部としての被覆部材と、を有する。そして、収容部材は、ベース部と、該ベース部に立設されたベース部側壁部とからなり、被覆部材は、ベース部を被覆する蓋部と、該蓋部に立設され収容部材に取り付けられたときにベース部側壁部の内側対向位置に配置される被覆部側壁部と、を有する。
なお、第2アーム340や第1アーム330は、こうした収容部材343と被覆部材344とを有するものに限定されず、例えば被覆部材344が樹脂で形成されてもよい。また、電気部品を収容するための収容空間が形成された筒状に形成するなど、如何なる構成を採用してもよい。
動作ギア351は、第1アーム330のガイド軸331に取り付けられた被ガイド部350とスプライン結合し、被ガイド部350と一体に回転する。動作ギア351は、外歯歯車で構成され、左右可動部材353、355のラックギア354a、356aと噛合する。
左右可動部材353、355は、例えば樹脂を金型に射出して形成される。左右可動部材353、355のそれぞれは、長手方向に沿ったラック部354、356を有し、ラック部354、356の一端に装飾部353a、355aが連続して形成されている。ラック部354、356は、長尺の板状であり、長手方向に沿って、一端にラックギア354a、356aが形成され、中央にラックギア354a、356aに沿ったガイドスリット354b、356bが形成されている。また、ラック部354、356は、ラックギア354a、356aが形成された端部と反対側の端部は、ラックギア354a、356aに沿った直線状に形成されている。左右可動部材353、355は、ラックギア353a、355aが互いに180°離れた位置で(つまり、動作ギア351の回転中心に対して点対称な位置で動作ギア351と噛合する。左右可動部材353、355は、可動部材ガイド体357に支持され、動作ギア351に伴う移動が可動部材ガイド体357により案内される。可動部材ガイド体357は、例えば樹脂を金型に射出して形成され、左右可動部材353、355を後方から支持する。可動部材ガイド体357は、ラック部354、356と当接するガイド部357aを有する。ガイド部356aは、動作ギア351と同心の円の接線方向に延在して形成される。また、可動部材ガイド体357には、ラック部354、356がガイド部357aと当接するときに、ラック部354、356のガイドスリット354b、356bに挿通するガイド突起357bが設けられている。可動部材ガイド体357のガイド部357a及びガイド突起357bは、動作ギア351の回転中心に対して点対称な位置に形成されている。これにより、動作ギア351が回転すると、左右可動部材353、355は、互いに反対方向に移動する(図23(b)、(c)参照)。具体的には、この実施の形態では、左右可動部材353、355は、初期状態では、付勢ばね359の付勢力によって装飾部353a、355aが装飾体358の裏側に隠れる。一方、被ガイド部350のギア歯350aとラックギア330aとが噛み合って被ガイド部350と一体に動作ギア351が回転すると、装飾部353a、355aが左右外側に移動して(開いて)前方から視認可能になる。また、左右可動部材353、355には、付勢ばね(例えばねじりばね)359が取り付けられており、この付勢ばね359によって装飾部353a、355aが初期状態(閉じた状態)となるように付勢される。これにより、被ガイド部351が第2アーム340の基端側を移動し、被ガイド部351とラックギア330aとが噛み合っていないときには、左右可動部材353、355は初期状態(閉じた状態)となる。
装飾体358は、例えば樹脂を金型に射出して形成される。装飾体358は、略中心において第1アーム330のガイド軸331に回転可能に軸支され、上端近傍が揺動用駆動ユニット370に支持される。装飾体358は、可動部材ガイド体357と互いにビス止めなどで取り付けられ、一体に第1アーム330のガイド軸331に対して回動する。なお、図19に示す例などでは、第1アーム330のガイド軸331が装飾体358を貫通しているが、装飾体358が前面に位置するように構成されてもよい。また、装飾体358には、装飾体358を発光させるためのLEDなどの発光体を備える発光用の基板や、左右可動部材353、355とは別に装飾体358に対して動作可能な可動体を備えても良い。この場合、可動体を駆動するための駆動ユニットが装飾体358に取り付けられてもよい。
駆動ユニット360は、第1アーム330に接続されて、第1アーム330及び第2アーム340を回動させる。駆動ユニット360は、ベース体360aと、駆動源としての駆動用モータ361と、駆動用モータ361の回転軸に取り付けられたモータギア362と、モータギア362と噛合する駆動ギア363と、一端が駆動ギア363に接続されて他端が第1アーム330に接続されるリンク部材364と、駆動ギア363の位置を検出する位置検出センサ365とを有する。ベース体360aは、駆動ユニット360全体を支持し、ベース体360aが後ベース部310にビス止めなどで取り付けられることにより、駆動ユニット360は後ベース部310に支持される。モータギア362は、外歯の平歯車で構成される。また、駆動ギア363は、外歯の平歯車で構成され、回転中心から離心した位置で前後方向に突出するギア駆動軸363aと、位置検出センサ365の検出部363bとを有する。リンク部材365は、長尺の板状に構成され、一端が駆動ギア363のギア駆動軸363aに軸支され、他端が第1アーム330の長手方向の中途部に設けられたアーム駆動軸330aに軸支される。こうした構成により、駆動用モータ361から動力が出力されると、モータギア362を介して駆動ギア363が回転し、駆動ギア363の回転に伴ってギア駆動軸363aが回動することでリンク部材364が移動して、第1アーム330に動力が作用する。
位置検出センサ365は、例えばフォトセンサを用いることができる。位置検出センサは、ベース部360aに配設され、駆動ギア363の検出部363bを検出する。位置検出センサ365は、第1アーム330が後退位置に位置するときに検出部363bを検出し(図23(a)参照)、第1アーム330(装飾体368)が後退位置に位置するか否かを検出することができる。なお、位置検出センサ365として、例えばフォトセンサ以外の種々の非接触式センサ、接触式センサを用いてもよく、装飾体368に検出部を設けるなど駆動ギア363以外の位置を検出してもよい。また、この位置検出センサ365に代えて又は加えて駆動用モータ361の回動軸の回動位置を検出するセンサ(例えばやレゾルバ、エンコーダなど)を配設してもよい。
揺動用駆動ユニット370は、装飾体358に接続されて、装飾体358の姿勢を制御する。揺動用駆動ユニット370は、ベース体370aと、駆動源としての揺動用モータ371と、揺動用モータ371の回転軸に取り付けられたモータギア372と、モータギアと噛合する揺動ギア373と、一端が揺動ギア373に接続されたリンク部材374と、装飾体358に接続されるとともにリンク部材374に接続される姿勢保持部材(第3支持部材)375と、揺動ギア373の回転位置を検出する位置検出センサ376と、姿勢保持部材375を所定の初期位置に向けて付勢する付勢ばね377とを有する。ベース体370aは、揺動用駆動ユニット370全体を支持し、ベース体370aが後ベース部310にビス止めなどで取り付けられることにより、駆動ユニット360は後ベース部310に支持される。モータギア372は、外歯の平歯車で構成される。また、駆動ギア373は、外歯の平歯車で構成され、回転中心から離心した位置で前後方向に突出するギア駆動軸373aと、位置検出センサ376の検出部373bとを有する。リンク部材374は、長尺の板状であり、一端が駆動ギア373のギア駆動軸373aに軸支され、他端には前後方向に突出するリンク駆動軸374aが設けられている。姿勢保持部材375は、長尺状の板状であり、一端が後ベース部310に回転可能に軸支され、他端が装飾体358に対して回転可能に軸支される。また、姿勢保持部材375には、やや湾曲した長孔375aが形成されており、この長孔375aにリンク部材375のリンク駆動軸374aが挿通される。こうした構成により、揺動用モータ371から動力が出力されると、モータギア372を介して駆動ギア373が回転し、駆動ギア373の回転に伴ってギア駆動軸373aが回動することでリンク部材374が移動して、姿勢保持部材375に動力が作用する。そして、姿勢保持部材375が回動すると、装飾体358が揺動する。
図23は、第3演出可動機構300の動作を後方から示す図である。なお、図23では、後ベース部310、前ベース部311を省略するとともに、第2アーム340を透明な部材として破線で示している。第3演出可動機構300では、第2アーム340、第1アーム330が退避位置に位置する状態(図23(a)参照)では、初期状態として装飾体358が臥した姿勢となる。この状態で駆動用モータ361から動力が出力されて後方から見て反時計回りにモータギア362が回転すると、駆動ギア363が時計回りに回転し、ギア駆動軸363aの移動に伴ってリンク部材365が下方に移動する。これにより、第1アーム330のガイド軸331に取り付けられた被ガイド部350が第2アーム340のガイドスリット341に案内されながら第1アーム330と第2アーム340とが下方に回動する(図23(b)参照)。このとき、装飾体358は、姿勢を起立させながら、第1アーム330の回動に伴って下方に移動し、装飾体358は画像表示装置5の前方に移動する。なお、このときには、付勢ばね359の付勢力によって被ガイド部350は回転しない。そして、駆動用モータ361が更に回転して、被ガイド部350がガイドスリット341の先端側に移動すると、被ガイド部350のギア歯350aがガイドスリット341のラックギア341aと噛み合って被ガイド部350が回転し、動作ギア351が回転することにより、左右可動部材353、355が装飾体358の裏側から左右両側に移動して前方から視認可能となる(図23(c)参照)。また、装飾体358が進出位置に位置する状態で(図23(c)参照)、駆動用モータ361から動力が出力されてモータギヤ362が時計回りに回転すると、駆動ギア363が反時計回りに回転し、ギア駆動軸363aの移動に伴ってリンク部材365が上方に移動する。これにより、被ガイド部350が回転し、左右可動部材353、355が装飾体358の裏側から隠れる(図23(b)参照)。そして、駆動用モータ361が更に回転すると、装飾体358は、姿勢を臥しながら上方に移動し、退避位置(初期状態)に戻る(図23(a)参照)。このように、この実施の形態の第3演出可動機構300では、装飾体358の進退に応じて、画像表示装置5の視認性が変化するので、遊技者に画像表示装置5と第3演出可動機構300とに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、装飾体358に駆動源などを設けることなく左右可動部材353、355を動作させることができ、装飾体358の重量を増やすことなく演出効果を向上することができる。
図24は、第3演出可動機構300の揺動動作を前方から示す図である。なお、図24では、装飾体358を透明として破線で示している。装飾体358は、略中央の位置において第1アーム330のガイド軸331に対して回転可能に軸支されるとともに、上端近傍において姿勢保持部材(第3支持部材)375を介して後ベース部310に接続される。このため、上記したように、第1アーム330の下方への移動に伴って装飾体358は、臥した状態(図23(a)参照)から起立した状態(図23(b)、図24(a)参照)へと姿勢を変更する。また、起立した状態において、揺動用駆動ユニット370の揺動用モータ371から動力を出力すると、モータギヤ372、駆動ギヤ373、リンク部材374を介して、姿勢保持部材375が左右に揺動し、これにより、姿勢保持部材375に接続された装飾体358がガイド軸331を回転中心として揺動する(図24(b)、(c)参照)。
以上説明したこの実施の形態の第3演出可動機構300では、装飾体358が退避位置から進出位置へ移動するときに、第1アーム330に取り付けられた被ガイド部350が第2アーム340のガイドスリット341に案内されて移動するとともに、ガイドスリット341の先端側にはラックギア341aが形成され、ラックギア341aと被ガイド部350のギア歯350aとが噛み合って回転することにより、左右可動部材353、355が左右方向に移動するので、装飾体358に駆動源などを設けることなく左右可動部材353、355を動作させることができ、可動部320の重量を増やすことなく演出効果を向上することができる。
また、第3演出可動機構300では、ラックギア341aと被ガイド部350のギア歯350aとが噛み合って回転することにより、左右可動部材353、355が装飾体358の裏側から左右方向に移動して出現し、前方から視認可能になるので、装飾体358が退避位置に位置するときよりも進出位置に位置するときの方が装飾体358と左右可動部材353、355とを合わせた外形が大きくなり、演出効果を大きくすることができるとともに、退避位置に位置するときには外形が小さくなるので退避位置のスペースの確保が容易となる。
また、第3演出可動機構300では、姿勢保持部材375により、装飾体358が退避位置に位置するときには装飾体358が臥した状態で支持され、装飾体358が進出位置に位置するときには装飾体が起立した状態で支持されるので、装飾部体358による演出効果を向上できるとともに、装飾体358の退避位置のスペース確保が容易となる。
また、第3演出可動機構300では、被ガイド部350には、外周の一部にギア歯350aが形成されて、残りが円弧状に形成されるので、ガイドスリット341における被ガイド部350の移動を滑らかにすることができる。また、被ガイド部350の組み付けを容易にすることができる。
また、第3演出可動機構300では、ガイドスリット341のラックギア341aが上方に形成されているので、被ガイド部350の重量がかからない部位に形成されており、ガイドスリット341における被ガイド部350の移動を滑らかにすることができる。
また、第3演出可動機構300では、第2アーム340は、ベース部343aとベース部側壁部343bとを有する収容部材343と、蓋部344aと被覆部側壁部344bとを有する被覆部344とを備えるので、収容部材343に電気部品を収容した状態で被覆部344により収容部を被覆したときに、被覆部344の一部である被覆部側壁部344bがベース部側壁部343bの内側に配置されるので、収容された電気部品がベース部343と蓋部344との間から露出するのを抑制できる。
なお、上記した第3演出可動機構300では、装飾体358は、ガイド軸331に軸支されて第1アーム330に支持されるとともに間接的に第2アーム340に支持されるものとしたが、第1アーム330と第2アーム340との回動により退避位置と進出位置との間で移動すればよく、例えば第2アーム340に支持されることによって間接的に第1アーム330に支持されてもよいし、第1アーム330と第2アーム340とのそれぞれから直接に支持されてもよい。
また、上記した第3演出可動機構300では、第1アーム330と第2アーム340とは、上方の基端近傍が後ベース部310に軸支されるものとしたが、後ベース部310に軸支されていればその位置は任意に決定すればよい。
また、上記した第3演出可動機構300では、被ガイド部350が回転することにより、左右可動部材353、355が左右方向に移動して装飾体358の後方から出現するものとしたが、被ガイド部350が回転することにより動作する可動部が備えられていればよく、1つ又は3つ以上の可動部が設けられてもよい。また、左右可動部材353、355に代えてまたは加えて、例えば装飾体358に対して、前後方向または上下方向に移動したり、回転、回動、揺動などする可動部が装飾体358に設けられてもよい。また、被ガイド部350が回転することにより装飾体358自体が左右方向、上下方向、前後方向に移動したり、回転、回動、揺動などしてもよい。
また、上記した第3演出可動機構300では、被ガイド部350の外周の一部にだけギア歯350aが形成されて残りは円弧状に形成されるものとしたが、被ガイド部350はラックギア341aと係合して左右可動部材353、355などを動作させるものであればよく、如何なる形状としても構わない。
また、上記した第3演出可動機構300では、ガイドレール341の上縁側にラックギア341aが形成されるものとしたが、ガイドレール341の下縁側にラックギア341aが形成されてもよい。この場合には、ラックギア341aと被ガイド部350との係合に被ガイド部350からの重量が作用するので、被ガイド部350をスムースに回転させることができる。
上記した第3演出可動機構300では、第1アーム330と第2アーム340とが駆動ユニット360によって下方に移動するものとしたが、上方、左右方向、前後方向に移動するものとしてもよいし、斜め方向に移動するものとしてもよい。また、駆動ユニット360は、上記した構成に限定されず、ソレノイドコイルによって上下方向に移動させるなどの構成を採用してもよい。
また、上記した第3演出可動機構300では、揺動用駆動ユニット370により装飾体358が揺動するものとしたが、揺動用駆動ユニット370を有しない構成としてもよい。この場合、単に姿勢保持部材375によって装飾体358が退避位置に位置するときと進出位置に位置するときとで姿勢が変更されるように装飾体358が支持されてもよい。ここで、姿勢保持部材375は、駆動用ユニット370の有無にかかわらず、透明な部材を用いることで目立たなくすることができ、第3演出可動機構300の見栄えを向上させることができる。なお、退避位置に位置するときと進出位置に位置するときとで装飾体358の姿勢が変更されるように、姿勢保持部材375に代えて又は加えて、ばねなどの弾性体により装飾体358と後ベース部310とが接続されてもよい。また、こうした姿勢保持部材375などを備えなくてもよい。
次に、第4演出可動機構400について図25などを用いて説明する。図25(a)は第4演出可動機構400の正面図、図25(b)は第4演出可動機構400の背面図である。第4演出可動機構400は、遊技の際に移動回転体430を左右方向に移動させたり回転させたり発光させたりすることによって演出動作を行うものである。
第4演出可動機構400は、図25に示すように、内側フレーム40の上部に装着される上部支持部材410と、内側フレーム40の下部に装着される下部支持部材420と、上部支持部材410と下部支持部材420との間に支持される移動回転体430とを備える。移動回転体430は、図1に示す画像表示装置5の前方位置で左右方向に移動可能であり、且つ、回転可能なものである。
移動回転体430は、図25に示すように、中央に縦楕円形状の開口部441が形成された横回転可能な縦楕円形状の環状装飾体440と、この環状装飾体440の開口部441内に位置する縦回転可能な縦楕円形状の内部装飾体460とを備える。また、移動回転体430は、環状装飾体440の上部に配設された上部機構部470と、環状装飾体440の下部の配設された下部機構部480とで回転可能に支持される。
第4演出可動機構400は、移動回転体430を、上部支持部材410の右端の下方位置にある状態(図25(a)に示す状態)と、その位置から左側に移動した左側位置にある状態とに変位可能な構成である。図26を用いて、上部支持部材410と下部支持部材420の構成について説明する。図26は上部支持部材410と下部支持部材420を構成要素ごとに分解して後方視した第4演出可動機構400の分解斜視図である。
上部支持部材410は、図26に示すように、内側フレーム40の上部に装着される横長板状の上部本体枠411と、この上部本体枠411の背面に装着される横長板状の補強用板金412と、上部本体枠411の背面に装着され、移動回転体430を左右方向に移動させる第2駆動ユニット413とを備える。
上部本体枠411は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成される。上部本体枠411は、正面視で略矩形状の横長板状であり、その背面の左上箇所と右下箇所に、内側フレーム40の上部にネジ止めするための締結部が形成されている。補強用板金412は、例えば金属製であり、剛性が高いものである。
第2駆動ユニット413は、図26に示すように、駆動信号に基づいて動作する駆動モータ414と、この駆動モータ414が回動することで回動するピニオン群415と、このピニオン群415の第3歯車415cと噛合するラック部416とを備える。ラック部416の上面には、その長手方向に沿って複数の歯が並設されている。
駆動モータ414は、図26に示すように、上部本体枠411の背面側に突出形成されたボス部411bにネジ止めされる。駆動モータ414は、例えばステッピングモータである。なお、駆動モータ414は、として、サーボモータ、ブラシレスモータなどの各種のモータを用いてもよい。
ピニオン群415は、駆動モータ414の回動軸にスプライン結合される第1歯車415aと、この第1歯車415aと噛合する小歯車部415dとこの小歯車部415dよりも径の大きい大歯車部415eとが同軸で重なって一体形成された第2歯車415bと、この第2歯車415bの大歯車部415eと噛合する第3歯車415cとを備える。第2歯車415bと第3歯車415cは、図26に示すように、上部本体枠411の背面側に突出形成された軸支部411cに回動可能に軸支される。第1歯車415a、第2歯車415b及び第3歯車415cは、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成される。
図26に示すように、上部本体枠411の下部側箇所にはこの上部本体枠411の左右長さ(横幅)に近い長さとする横長状の摺動用孔411aが形成される。ラック部416は、図26に示すように、上部本体枠411の前側から摺動用孔411aに挿入される横長状の摺動部材416aにネジ止めすることで、上部本体枠411に装着される。具体的には、この摺動部材416aの背面側には例えば3個の摺動ピン部416bが形成され、各摺動ピン部416bにはリング体416cが挿入され、摺動ピン部416bの先端面にはネジ穴が形成され、ラック部416の貫通孔に挿入されたネジが摺動ピン部416bのネジ穴に螺入されることで、ラック部416が左右方向に移動可能に上部本体枠411に装着される。ラック部416は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成される。
また、図26に示すように、上部本体枠411の右端部の背面箇所には、ラック部416の位置を検出する第2位置検出センサ417(例えばフォトセンサ)を備え、ラック部416の右端上部箇所には検出片416dが装着される。図25に示すように移動回転体430が右端に位置する、つまり、図26に示すラック部416が最右端箇所に移動すると、このラック部416の検出片416dが位置検出センサ417に位置する。また、移動回転体430が最右端箇所から離れた位置にあるとき、つまり、ラック部416が最右端から離れた位置に移動すると、ラック部416の検出片416dが位置検出センサ417から外れた位置に位置し、位置検出センサ417により移動回転体430が最右端箇所に位置するか否かを検出することができる。
また、移動回転体430は、図26に示すように上部支持部材410に垂下支持される。具体的には、移動回転体430の上部機構部470には、上方に突出する縦軸部471が配設され、ラック部416の下部右端寄り箇所には縦軸部471を軸支する軸受け部418が形成されており、ラック部416の軸受け部418によって、移動回転体430が回動可能に上部支持部材410に垂下支持される。
また、第4演出可動機構400は、図27(a)、図27(c)に示すように、移動回転体430が最右端位置P1に位置すると上部機構部470を左向きに変更し、移動回転体430が最右端位置P1以外の位置にするときには上部機構部470を前向きとする向き変更機構472を備えている。
この向き変更機構472は、図26、図27(b)、図27(d)に示すように、上部機構部470の縦軸部471の先端側に固定されて前側に突出した平面視靴状の板カム部473と、移動回転体430が最右端に到達する際に板カム部473の靴先状部473aが当接する、上部本体枠411に形成された当接部411dと、その向きが変更された板カム部473の靴先状部473aが挿入される、上部本体枠411に形成された窪み部411eとを備える。板カム部473は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成される。
図28に示すように、板カム部473の前端部は平面視で直線状の端面である。図27(d)に示すように、移動回転体430が左側位置から最右端の手前の位置までの範囲では、板カム部473の前端部が上部本体枠411の背面に当接し、板カム部473は正面を向いたまま維持されるため、上部機構部470も前向きのままである。一方、図27(c)に示すように、移動回転体430が最右端位置P1に位置に到達すると、板カム部473の靴先状部473aが上部本体枠411の当接部411dに当接してその向きが左向きに変わり、その左向き変更による回動角(例えば45°程度)分だけ縦軸部471が左回動する。板カム部473の靴先状部473aは上部本体枠411の窪み部411eに挿入された状態となり、縦軸部471の45°程度の左回動に伴って上部機構部470が左向きとなる。
すなわち、図27(a)、図27(c)に示すように、例えば移動回転体430が右方向に移動して最右端位置P1に位置すると、上部機構部470が正面よりも左側に例えば45°程度向いた左向きとなる。そして、例えば環状装飾体440が前向きで回転停止した状態の場合には、上部機構部470が左向きになることに伴って環状装飾体440も左向きとなる。また、図27(b)、図27(d)に示すように、例えば回転停止した移動回転体430が最右端位置P1の手前位置P2から左端位置P3までにあるときには、上部機構部470が正面を向いた前向き姿勢となる。そして、例えば環状装飾体440が前向きで回転停止した状態の場合には、上部機構部470が前向きになることに伴って環状装飾体440も前向きとなる。
下部支持部材420は、図26に示すように、内側フレーム40の下部に装着される横長棒状の金属製のスライダー部材421と、このスライダー部材421による左右方向へのスライドに従動する下部本体枠422とを備える。
スライダー部材421は、長手方向に沿って形成された縦断面視コノ字状の受け溝部423aを有する横長棒状のレール体423と、このレール体423の受け溝部423aに装着されレール体423に対して長手方向(左右方向)に摺動可能なスライド体424とを備える。レール体423とスライド体424は例えば金属製であり、剛性が高いものである。
下部本体枠422は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成され、縦辺部422aと下辺部422bとを備えた背面視で略L字板状としており、その下辺部422bの背面にスライド体424がネジ止めされ、その縦辺部422aの先端側に下部機構部480が装着される。
上部機構部470は、図28に示すように、環状装飾体440を横回転するとともにこの環状装飾体440の開口部441内の内部装飾体460を縦回転させる第3駆動ユニット490と、この第3駆動ユニット490を内部に収納し、前面及び側面に装飾処理が施された上部収納ケース474と備える。この上部収納ケース474の上部側には縦軸部471が突出した状態で固定され、この縦軸部471の先端側に板カム部473が固定されている。上部収納ケース474は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成される。
第3駆動ユニット490は、図28に示すように、駆動信号に基づいて回転するモータ491と、このモータ491が固定されて上部収納ケース474の背面側から装着される固定板492と、モータ491の回動軸にスプライン結合される二重歯車493とを備える。
モータ491は、例えばステッピングモータである。なお、モータ491は、として、サーボモータ、ブラシレスモータなどの各種のモータを用いてもよい。この二重歯車493は、下側に位置する小歯車部493aと、上側に位置する、小歯車部493aよりも径の大きい大歯車部493bとが同軸で重なって一体形成された歯車である。固定板492と二重歯車493は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成される。
さらに、第3駆動ユニット490は、二重歯車493の大歯車部493bと噛合する歯車部494aが固定された平歯車付軸494と、二重歯車493の小歯車部493aと噛合する歯車部495aが上側に一体形成された円盤体495と、この円盤体495を回転可能に支持する円盤支持板496とを備える。平歯車付軸494と円盤支持板496は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成される。
円盤体495の中央箇所には、その回転中心に円形形成された円形開口部495bが形成され、この円形開口部495bに平歯車付軸494が回転可能に挿入される。また、環状装飾体440の上部箇所には、上方に突出する円筒部442が形成され、この円筒部442の例えば前面先端箇所にキー溝部442aが形成されている。円盤体495の下側には、円形開口部495bを中心に三重の円筒突起部が形成され、そのうちの最小の第1円筒突起部495cが環状装飾体440の円筒部442に挿入され、次に大きい第2円筒突起部495dの内周に環状装飾体440の円筒部442の外周が当接して挿入され、最大の第3円筒突起部495eの外周が円盤支持板496の半円状切欠部496aに当接する。第1円筒突起部の外周所定箇所とこの箇所と対向する第2円筒突起部495dの該当箇所とを連結するようにキー突起部495fが形成され、このキー突起部495fがキー溝部442aに挿入される。
平歯車付軸494は、円盤体495の中央箇所の円形開口部495bに挿入されると、その先端側が円盤体495の下方に突出し、環状装飾体440の外周上部箇所の円筒部442から開口部441に向けて垂下方向に挿入配置される。
また、上部収納ケース474には、図28に示すように、円盤体495の回転位置を検出する第3位置検出センサ497(例えばフォトセンサ)を備える。円盤体495の外周縁部495gには切欠部495hが形成されている。具体的には、この第3位置検出センサ497は、図28に示すように、円盤体495の外周縁部495gを検出するように上部収納ケース474に配設され、環状装飾体440が真正面を向いたときに円盤体495の外周縁部495gの切欠部495hが第3位置検出センサ497に位置し、環状装飾体440が真正面を向いていないときには円盤体495の外周縁部495gの切欠部495h以外の箇所が第3位置検出センサ497に位置する。
円盤支持板496は、円盤体495を回転可能に支持する状態で上部収納ケース474の背面側からその下部箇所に装着される。
ここで、図29を用いて、環状装飾体440と内部装飾体460について説明する。図29は、環状装飾体440と内部装飾体460を構成要素ごとに分解して前方視した分解斜視図である。
環状装飾体440は、図29に示すように、その中央に開口部441が形成された縦長ドーナツ状体の中空形状であり、その前側半分の外形を形成する前側環状体443と、その後側半分の外形を形成する後側環状体444とを備える。前側環状体443と後側環状体444とを合わせることで形成される内部空間に後述する導光体445、LED実装基板446、環状支持体447及びリングギア448が収納される。前側環状体443と後側環状体444は、その上部左側箇所にネジを挿入して両者が締結され、さらにその下部の突出筒部449に環状の止め具450が装着されることで一体化される。
つまり、環状装飾体440は、図29に示すように、その前側に位置し中央に開口部441を有する前側環状体443と、この前側環状体443の内部に装着される楕円環状で薄板状の導光体445と、この導光体445の背面側に位置するとともにその環状方向に沿って配設される円弧状の3個のLED実装基板446と、これらのLED実装基板446が前面側に装着される環状支持体447と、この環状支持体447が装着され且つ後側に位置し中央に開口部441を有する後側環状体444と、この後側環状体444の内部に装着され且つ開口部441よりも大きい円形環状のリングギア448とを備える。
リングギア448は、その前面に複数の歯がリング状に並設される。リングギア448の直径は、環状装飾体440の開口部441の開口の長径よりも長く、環状装飾体440の外周の短径よりも短い。後側環状体444の内部には、開口部441よりも大きい円形状のガイド溝444aが形成され、このガイド溝444aにリングギア448が装着される。リングギア448をガイド溝444aに装着することでリングギア448の脱落が防止される。
また、第4演出可動機構400全体の重量により圧迫されることでリングギア448がガイド溝444a内を回動し辛くならないように、このガイド溝444aはリングギア448が配設された状態でリングギア448との間に隙間を持たせた大きさとしている。つまり、ガイド溝444aには隙間(ガタ)を大きめにとっている。
3個のLED実装基板446の前面側には、複数のLED446aが実装されており、これらのLED446aからの光が導光体445に入射され、この導光体445の前面が面状に発光し、この導光体445からの光が前側環状体443の背面に照射されることで、前側環状体443が発光する。
内部装飾体460は、図29に示すように、その外形が縦長楕円柱体の中空形状であって環状装飾体440の開口部441よりも小さい形状であり、その前側半分の外形を形成する前側楕円体461と、その後側半分の外形を形成する後側楕円体462とを備え、前側楕円体461と後側楕円体462とを合わせた状態で左右箇所からネジ止めることで両者が一体化される。
後側楕円体462の上下方向中央でその右側部箇所に右横軸部463が形成され、この右横軸部463に横ピンギア464がネジ止めにより固定され、環状装飾体440の開口部441の右箇所の軸受け部441aに横ピンギア464の軸部が軸支される。また、内部装飾体460の上下方向中央で左側部箇所に左横軸部465が形成され、この左横軸部465にリング体466が挿入されて、環状装飾体440の開口部441の左箇所の軸受け部441bに左横軸部465が軸支される。
図29に示すように平歯車付軸494は上ピンギア453にスプライン結合される。なお、平歯車付軸494は図28に示すように円盤体495の円形開口部495bに回転可能に挿入されるものであるが、図29では平歯車付軸494と上ピンギア453とのスプライン結合を示すために、円盤体495の図示を省略している。図29に示すように、上ピンギア453は、環状支持体447の前側上部箇所に位置し、そのギア部分が切欠部447aから環状支持体447の後側に突出しており、上ピンギア453とリングギア448とが噛合する。
また、内部装飾体460の横ピンギア464は、図29に示すように、環状支持体447の前側左部箇所に位置し、そのギア部分が切欠部447bから環状支持体447の後側に突出しており、横ピンギア464とリングギア448とが噛合する。横ピンギア464は、リングギア448と噛合し且つ縦向きの平歯車付軸494とは異なる向き(例えば横向き)の回動軸を軸心として回動する従動歯車である。
環状装飾体440における開口部441の第1位置である下部箇所には磁石451が配設される。また、内部装飾体460における第1位置と対向する第2位置には、磁石451が配置される。
下部機構部480は、図28に示すように、環状装飾体440のLED実装基板446に電力供給するスリップリング481を有する電力供給部482と、この電力供給部482を内部に収納する下部収納ケース483とを備える。下部収納ケース483は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成され、その前面、側面及び上面に装飾処理が施されている。
図29に示すように、環状装飾体440の下部には軸体452が下方に突出状態で配設される。例えば、軸体452の上端が環状装飾体440の突出筒部449の内側にネジ止めされ、図28に示すように、この軸体452の下端がスリップリング481の挿入孔481aにスプライン結合される。電力供給部482には、回転するスリップリング481の外周面に接触する固定側のブラシ(図示省略)を備え、このブラシに供給された電力が、回転するスリップリング481に通電され、スリップリング481に接続された配線(図示省略)により環状装飾体440内のLED実装基板446に供給される。なお、スリップリング481を介して、制御信号(例えば複数のLED446aのうち発光させる領域や色、点滅パターンなどを示す制御信号)などの各種信号を環状装飾体440に出力するようにしてもよい。
ここで、移動回転体430における環状装飾体440の横回転と内部装飾体460の縦回転とが同時行われる動作について、図30、図31を用いて説明する。図30(a)〜(h)は、前側環状体443を外した状態の移動回転体430であって後側環状体444を固定的に見た図である。図31(a)〜(j)は、環状装飾体440が右回りに半周するときに内部装飾体460が縦回りに一周半することを示す図である。
第3駆動ユニット490のモータ491の回転軸が回転することで二重歯車493が回転する。この二重歯車493の回転により、平歯車付軸494と円盤体495とがそれぞれ同方向に回転する。二重歯車493の上側の大歯車部493bの回転により平歯車付軸494が回転し、この平歯車付軸494の下端側の上ピンギア453が回転する。この上ピンギア453の回転によりリングギア448がリング方向に回転する。リングギア448の回転により横ピンギア464が回転し、内部装飾体460が縦回転する。また、二重歯車493の下側の小歯車部493aの回転により円盤体495が回転し、この円盤体495の回転により環状装飾体440が横回転する。
図30(a)には内部装飾体460の前側楕円体461が正面を向いた状態を0度とし、内部装飾体460が45度回転した状態を図30(b)〜(h)に図示している。なお、内部装飾体460が45度回転すると、環状装飾体440が15度回転するため、内部装飾体460は環状装飾体440の3倍速く回転する。内部装飾体460は、図30(a)〜(h)の回転状態を経て、再び図30(a)の状態となることで360度回転する。
図31(a)〜(j)では、環状装飾体440が右横回転して半周(180度回転)したことを示しており、環状装飾体440が20度回転すると内部装飾体460が60度回転するため、内部装飾体460は環状装飾体440の3倍速く回転する。
上記した第4演出可動機構400では、リングギア448を内部に有し、このリングギア448の内側に開口部441が設けられた環状装飾体440と、この環状装飾体440の開口部441に設けられて、リングギア448の回動に従動する横ピンギア464を有し、この横ピンギア464の従動に連動して動作する内部装飾体460と、リングギア448を円周方向に回動させることにより、横ピンギア464を従動させて内部装飾体460を動作させる第3駆動ユニット490を備えるので、環状装飾体440の内部において円周方向に回動するリングギア448に横ピンギア464が従動し、この横ピンギア464の従動動作に連動して内部装飾体460が動作するので、環状装飾体440の開口部441内の内部装飾体460の動作に意外性を持たせることができ、装飾体による演出の興趣を向上できる遊技機を提供することができる。
また、環状装飾体440及び開口部441は楕円形状であり、リングギア448の直径は、開口部441の開口の長径よりも長く、環状装飾体440の外周の短径よりも短いので、リングギア448を環状装飾体440の内部に適切に収納でき、楕円形状の開口部441内を内部装飾体460が回転するとの意外性のある動作を、簡易な構造で実現することができる。つまり、環状装飾体440を真円形状ではなく楕円形状とすることにより、その内側に真円状のリングギア448が配置されているのを想起し難くすることができ、リングギア448に連動した内部装飾体460の動作に意外性をもたせることができる。
また、環状装飾体440における開口部441の第1位置である下部箇所には磁石451が配設され、内部装飾体460における第1位置と対向する第2位置には、磁石451が配置されるので、静止状態において内部装飾体460が所定の静止位置に誘導されることで、静止状態での装飾性を向上させることができる。また、リングギア448等のガタ(歯車間の遊び、隙間)を大きくとってある場合には特に有効である。
また、第3駆動ユニット490は、環状装飾体440にも駆動力を付与することにより、環状装飾体440を所定動作させるとともに、内部装飾体460を環状装飾体440に対して相対動作させるので、単一の第3駆動ユニット490により環状装飾体440、内部装飾体460をそれぞれ動作させることができ、製造コストを抑えることができる。
また、環状装飾体440は、第3駆動ユニット490からの駆動力で回動する平歯車付軸494が、外周所定箇所から開口部441に向けて挿入配置され、リングギア448は、その表面に複数の歯がリング状に並設され、平歯車付軸494に形成された上ピンギア453と噛合するものであり、横ピンギア464は、リングギア448と噛合し且つ平歯車付軸494とは異なる向きの回動軸を軸心として回動する従動歯車であるので、環状装飾体440の開口部441内においてこの環状装飾体440の平歯車付軸494周りの回動とは異なる回動で内部装飾体460を回動させることができ、環状装飾体440の開口部441内の内部装飾体460の動作に意外性を持たせることができ、装飾体による演出の興趣を向上できる遊技機を提供することができる。
また、環状装飾体440内のLED実装基板446には、スリップリング481によって電力供給されるので、パチンコ遊技機1の電源投入時の立ち上げ動作において環状装飾体440が安全に回転する。
なお上記した第4演出可動機構400では、環状装飾体440の内部のLED実装基板446により、環状装飾体440が発光する構成としているが、これに限定されるものではない。環状装飾体440の開口部441から出射された光により内部装飾体460が発光するようにしてもよい。例えば、環状装飾体440の開口部441を透光性部材で形成する。具体的には、前側環状体443と後側環状体444は透明性樹脂などを金型に射出することによって形成し、開口部441を透光性部材とする。そして、環状装飾体440の内部のLED実装基板446のLED446aを開口部441に向けて発光するよう配置するなどして、LED実装基板446からの光が開口部441に照射されるようにする。こうすることで、環状装飾体440の内部のLED実装基板446からの光が開口部441を透過して内部装飾体460が照射され、内部装飾体460が発光する。このような構成によれば、環状装飾体440の内部のLED実装基板446からの光は、透光性部材である開口部441を透過して、この開口部441内で動作する内部装飾体460に照射されるので、LED実装基板446を設けることが難しい内部装飾体460を発光させることができ、演出効果をさらに高めることができる。また、内部装飾体460の表面にメッキ処理を施している場合には、環状装飾体440からの光を反射させることができる。
また、第4演出可動機構400では、環状装飾体440における開口部441の第1位置である下部箇所に磁石451を配設し、内部装飾体460における第1位置と対向する第2位置に強磁性体を配置してもよい。環状装飾体440における開口部441の第1位置である下部箇所に強磁性体を配設し、内部装飾体460における第1位置と対向する第2位置に磁石451を配置してもよい。
また、第4演出可動機構400では、リングギア448はその背面に複数の歯が並設されたものとしてもよく、このリングギア448の背面の歯に上ピンギア453及び横ピンギア464に噛合するようにすればよい。
また、上記した第4演出可動機構400では、環状装飾体440とその開口部441並びに内部装飾体460を楕円形状としているが、環状装飾体440は、内部にリングギア448を有してリングギア448の内側に開口部が設けられればよく、円形形状や多角形形状など任意の形状としてもよい。また、内側装飾体460は、環状装飾体440の開口部に設けられて、リングギア448の回動に従動する従動部材を有し、従動部材の従動に伴って動作すればよく、円形形状や多角形形状など任意の形状としてもよく、環状装飾体440の開口部と異なる形状であってもよい。なお、環状装飾体440の外形や開口部441の開口が円形ではない場合には、リングギア448は、開口の中心から最大となる部位の開口直径よりも大きい直径で、開口の中心から最小となる部位の外形径よりも小さい直径のものが用いられればよい。
また、円形環状の環状装飾体440の開口部441内を、円形状の内部装飾体460がリングギア448の回動方向に回動するようにしてもよい。例えば、内部装飾体460の右横軸部463に固定された横ピンギア464に替えて、内部装飾体460の右横軸部463をリングギア448の内周面箇所に固定し、前側環状体443の開口部441と後側環状体444の開口部441との対向間隔を右横軸部463の直径よりも大きくした構成とすればよい。この場合には環状装飾体440が横回転するとともに環状装飾体440の開口部441内の内部装飾体460が開口部441の内周方向に回転させることができる。
また、上記した第4演出可動機構400では、リングギア448の回動に伴って横ピンギア464が回転し、内部装飾体460が縦回転するものとしたが、内部装飾体460は縦回転に代えて又は加えて、環状装飾体440に対する移動や、内部装飾体460に対して可動部材が可動するなど、他の動作を行うものとしてもよい。
また、上記した第4演出可動機構400では、図29などに示す状態において、リングギア448の前方にLED実装基板446が設けられるものとしたが、これに代えて又は加えて、リングギア448の後方にLED実装基板が設けられてもよい。LED実装基板をリングギア448の前方と後方とに双方に設ける場合には、環状支持体447などによって、2つのLED基板の間にリングギア448が回転可能に支持されるよう構成されればよい。
また、上記した第4演出可動機構400では、第3駆動ユニット490が環状装飾体440にも駆動力を付与して、環状装飾体440を所定動作させるとともに、内部装飾体460を環状装飾体440に対して相対動作させるものとしたが、第3駆動ユニット490から環状装飾体440には駆動力が付与されないものとしてもよい。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、内側フレーム40等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。なお、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bは、遊技者による操作が検出された場合、演出用の制御基板によって画像表示装置5における表示演出が変更されたり、第1〜第4演出可動機構100〜400における動作やスピーカ8L、8Rからの音声出力や遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などが行われる演出(例えば予告演出やリーチ演出)などにおいて使用されればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート26を通過した遊技球が図示しないゲートスイッチによって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図示しない第1始動口スイッチによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図示しない第2始動口スイッチによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図ゲームが行われるごとに設定される特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となったり、このリーチ状態となったことに対応して、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)により、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される。
この実施の形態では、例えばリーチ演出が行われるときに、特図変動時演出制御パターンに従って第1〜第4演出可動機構100〜400による演出制御が行われる。第1演出可動機構100による演出動作としては、モータ121を駆動制御することによって装飾体150を進退させたり、発光体153aを駆動制御することによって装飾体150を発光させることにより演出表示を実行する。また、第2演出可動機構200による演出動作としては、パンタグラフ用モータ221を駆動制御することによって、装飾部材250を後退させて少なくとも一部が本体ケース210内に隠れる状態と、装飾部材250を画像表示装置5の前方位置に進出させた状態とに変位させたり、複数のLED256aを駆動制御して装飾部材250を発光させることにより演出表示を実行する。また、第3演出可動機構300による演出動作としては、駆動ユニット360、揺動用駆動ユニット370を駆動制御することによって、装飾体358を移動または揺動させるとともに左右可動部材353、355を動作させたり、発光用基板342などを駆動制御して第2アーム340や第1アーム330、装飾体358を発光させることによって演出表示を実行する。また、第4演出可動機構400による演出動作としては、駆動モータ414、モータ491を駆動制御することにより、移動回転体430を左右方向に移動させたり回転させたり、複数のLED446aを駆動制御して移動回転体430を発光させることにより演出表示を実行する。
第1〜第4演出可動機構100〜400による演出表示としては、第1〜第4演出可動機構100〜400の1つだけを用いて演出表示を実行したり、複数を用いて演出表示を実行したりしてもよい。また、第1〜第4演出可動機構100〜400の演出表示としては、例えば第1演出可動機構100の装飾体150を進出させて途中で停止させて元に戻したり、装飾体150を進出の途中位置で振動させるなど、それぞれの演出可動機構の可動体の動作を途中で停止させて元に戻したり、動作途中で振動させるなどしてもよい。
また、リーチ演出における第1〜第4演出可動機構100〜400を用いた演出動作では、大当り期待度が高いリーチ演出のときほど、演出効果の高い演出動作が行われるように予め演出パターンを定めておいてもよい。例えば、ノーマルリーチ演出が行われるときには、第1〜第4の演出可動機構100〜400のうち1つだけを動作させ、スーパーリーチ演出が行われるときには、複数の演出可動機構を動作させてもよい。
なお、第1〜第4演出可動機構100〜400を用いた演出動作については、これらの例に限定されるものではなく、第1〜第4演出可動機構100〜400の駆動源や発光体を駆動制御することによって実現できる種々の演出動作が採用されればよい。また、リーチ演出以外の演出において、第1〜第4演出可動機構100〜400を用いた演出動作が行われてもよい。例えば、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出において、第1〜第4演出可動機構100〜400を用いた演出動作が行われてもよいし、飾り図柄の可変表示状態がノーマルリーチによるリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出において、第1〜第4演出可動機構100〜400を用いた演出動作が行われてもよいし、大当り演出において第1〜第4演出可動機構100〜400を用いた演出動作が行われてもよいし、客待ちデモにおいて、第1〜第4演出可動機構100〜400を用いた演出動作が行われてもよい。また、第1〜第4演出可動機構100〜400を用いた演出動作では、各モータ(駆動源)の回転速度(駆動速度)が演出動作ごとに変更されてもよい。
上記した実施の形態では、第1〜第4演出可動機構100〜400は、遊技盤2に取り付けられてパチンコ遊技機1に搭載されるものとしたが、遊技機用枠3の所定位置に取り付けられてパチンコ遊技機1に搭載されてもよい。
上記した実施の形態では、遊技機として、パチンコ遊技機1に、本発明を適用して説明したが、例えば、スロットマシンやゲーム機などに上記の第1〜第4演出可動機構100〜400が搭載されるなど、他の遊技機に本発明を適用してもよい。