JP2014219083A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パーキングギヤとパーキングポールとの間に作用する接線力を低減させてパーキングロック機構の各構成部材の小型化を図り、ひいては動力伝達装置の小型化を図る。【解決手段】動力伝達装置20は、パーキングギヤ61と係合可能なパーキングポール62を含むパーキングロック機構60を備え、パーキングギヤ61は、カウンタシャフト42に固定される筒状部611と、当該筒状部611の一端から径方向外側に向けて延びると共に外周に形成された複数のギヤ歯61gを有するギヤ部612とを含む。そして、パーキングギヤ61の筒状部611には、カウンタドリブンギヤ43が当該パーキングギヤ61と一体回転するように取り付けられる。【選択図】図3
Description
本発明は、変速機と、変速機の出力部材に連結されるカウンタドライブギヤと、カウンタドライブギヤに噛合するカウンタドリブンギヤと、変速機の入力部材と平行に延在するカウンタシャフトと、パーキングギヤと係合可能なパーキングポールを含むパーキングロック機構とを備えた動力伝達装置に関する。
従来、この種の動力伝達装置として、変速機構と、変速機構の主軸と並行するカウンタ軸と、変速機構の出力部材としてのカウンタドライブギヤと、カウンタドライブギヤに噛合すると共にカウンタ軸に固定されたカウンタドリブンギヤと、当該カウンタドリブンギヤに一体化されたパーキングギヤとを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、この種の動力伝達装置に用いられるパーキングロック機構は、パーキングギヤと係合可能なパーキングポールや当該パーキングポールに対して進退移動可能なパーキングロッド、パーキングロッドの進退移動に伴ってパーキングポールをパーキングギヤに対して接近させるカム部材、パーキングギヤとパーキングポールとの係合を保持するようにカム部材を保持するカムスプリング等を有するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
上記特許文献1に記載の動力伝達装置では、カウンタドリブンギヤのギヤ歯を切削加工等により形成するために、カウンタドリブンギヤに一体化されたパーキングギヤ(歯先)を当該カウンタドリブンギヤのギヤ歯(歯底)よりも径方向内側に形成せざるを得ず、パーキングギヤのギヤ径をより大きくすることができない。このため、パーキングギヤと当該パーキングギヤと係合するパーキングポールとの間に作用する接線力が大きくなり、パーキングロック機構の各構成部材に求められる剛性が大きくなる。この結果、パーキングロック機構の各構成部材の小型化を図り、ひいては動力伝達装置の小型化を図ることが困難となる。
そこで、本発明は、パーキングギヤとパーキングポールとの間に作用する接線力を低減させてパーキングロック機構の各構成部材の小型化を図り、ひいては動力伝達装置の小型化を図ることを主目的とする。
本発明による動力伝達装置は、上記主目的を達成するために以下の手段を採っている。
本発明による動力伝達装置は、
変速機と、該変速機の出力部材に連結されるカウンタドライブギヤと、該カウンタドライブギヤに噛合するカウンタドリブンギヤと、前記変速機の入力部材と平行に延在するカウンタシャフトと、パーキングギヤと係合可能なパーキングポールを含むパーキングロック機構とを備えた動力伝達装置において、
前記パーキングギヤは、前記カウンタシャフトに固定される筒状部と、該筒状部の一端から径方向外側に向けて延びると共に外周に形成された複数のギヤ歯を有するギヤ部とを含み、
前記カウンタドリブンギヤは、前記パーキングギヤと一体回転するように該パーキングギヤの前記筒状部に取り付けられることを特徴とする。
変速機と、該変速機の出力部材に連結されるカウンタドライブギヤと、該カウンタドライブギヤに噛合するカウンタドリブンギヤと、前記変速機の入力部材と平行に延在するカウンタシャフトと、パーキングギヤと係合可能なパーキングポールを含むパーキングロック機構とを備えた動力伝達装置において、
前記パーキングギヤは、前記カウンタシャフトに固定される筒状部と、該筒状部の一端から径方向外側に向けて延びると共に外周に形成された複数のギヤ歯を有するギヤ部とを含み、
前記カウンタドリブンギヤは、前記パーキングギヤと一体回転するように該パーキングギヤの前記筒状部に取り付けられることを特徴とする。
この動力伝達装置は、パーキングギヤと係合可能なパーキングポールを含むパーキングロック機構を備え、パーキングギヤは、カウンタシャフトに固定される筒状部と、当該筒状部の一端から径方向外側に向けて延びると共に外周に形成された複数のギヤ歯を有するギヤ部とを含む。そして、カウンタドリブンギヤがパーキングギヤと一体回転するように当該パーキングギヤの筒状部に取り付けられる。このように、パーキングギヤとカウンタドリブンギヤとを別体化すると共に当該パーキングギヤの筒状部にカウンタドリブンギヤを固定することにより、カウンタドリブンギヤのギヤ歯の加工を考慮してパーキングロック用のギヤ部(歯先)を当該カウンタドリブンギヤのギヤ歯(歯底)よりも内側に形成する必要がなくなるため、パーキングギヤのギヤ径をより大きくして当該パーキングギヤとパーキングポールとの間に作用する接線力を低減させることができる。従って、この動力伝達装置では、パーキングギヤとパーキングポールとの間に作用する接線力を低減させてパーキングロック機構の各構成部材の小型化を図り、ひいては動力伝達装置の小型化を図ることが可能となる。
また、前記パーキングギヤの前記筒状部は、外周面に形成されたスプラインを有してもよく、前記カウンタドリブンギヤは、前記パーキングギヤの前記筒状部の外周にスプライン嵌合されてもよい。これにより、カウンタシャフトの軸心が本来の方向から傾いたとしても、パーキングギヤとカウンタドリブンギヤとの間のスプラインのガタにより当該カウンタシャフトの傾きを吸収することができる。この結果、カウンタドリブンギヤと当該カウンタドリブンギヤと噛み合うカウンタドライブギヤとの歯当たりがカウンタシャフトの軸心の傾きによる影響を受けるのをより良好に抑制することが可能となる。従って、この動力伝達装置では、カウンタドライブギヤとカウンタドリブンギヤとをより適正に噛み合わせて、ギヤノイズの発生をより良好に抑制することができる。
更に、前記カウンタドリブンギヤの内周部の軸方向における一端には、前記パーキングギヤの前記ギヤ部の端面に向けて突出する当接部が形成されてもよく、前記カウンタドリブンギヤは、前記当接部が前記ギヤ部の前記端面に当接するように前記筒状部の外周にスプライン嵌合されてもよく、前記筒状部の外周には、前記カウンタドリブンギヤの軸方向における他端と当接するようにスナップリングが装着されてもよく、前記カウンタドリブンギヤの前記当接部よりも径方向外側の端面と前記ギヤ部の前記端面との間には、間隙が形成されてもよい。これにより、カウンタドリブンギヤの当接部よりも径方向外側の端面とギヤ部の端面との間の間隙を介してカウンタドライブギヤおよびカウンタドリブンギヤのギヤ歯を潤滑する潤滑媒体をカウンタドリブンギヤとパーキングギヤのギヤ部との間でスムースに流通させることができるため、カウンタドライブギヤおよびカウンタドリブンギヤの噛合部分を良好に潤滑することが可能となる。
また、前記パーキングギヤの前記筒状部は、前記スプラインと前記ギヤ部の前記端面との間で径方向内側に向けて窪む環状の凹部を有してもよい。このような凹部をパーキングギヤの筒状部に形成することで、筒状部に対するスプラインの形成に伴って当該スプラインとギヤ部の端面との間に双方に連続するように形成される湾曲部を無くすことができる。これにより、当接部とパーキングギヤのギヤ部の端面との当接面積を充分に確保してカウンタドリブンギヤとパーキングギヤとの軸方向の相対移動をより良好に規制することが可能となる。
更に、前記カウンタドリブンギヤは、前記他端側の端面から前記スナップリングを囲むように前記軸方向に延出された環状の抜け止め部を有してもよい。これにより、当該抜け止め部によってスナップリングがパーキングギヤの筒状部のスプラインから抜け外れるのをより良好に抑制することができる。
次に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る動力伝達装置20の概略構成図である。同図に示す動力伝達装置20は、前輪駆動車両に搭載される図示しないエンジンのクランクシャフトに接続されると共にエンジンからの動力を図示しない左右の駆動輪(前輪)DWに伝達可能なものである。図示するように、動力伝達装置20は、トランスミッションケース22や、当該トランスミッションケース22の内部に収容される流体伝動装置(トルクコンバータ)23、オイルポンプ24、自動変速機25、ギヤ機構(ギヤ列)40、デファレンシャルギヤ(差動機構)50、パーキングロック機構60等を含む。
流体伝動装置23は、エンジンのクランクシャフトに接続される入力側のポンプインペラ23pや、自動変速機25の入力部材(入力軸)26に接続された出力側のタービンランナ23t、ポンプインペラ23pおよびタービンランナ23tの内側に配置されてタービンランナ23tからポンプインペラ23pへの作動油の流れを整流するステータ23s、ステータ23sの回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ23o、ロックアップクラッチ23c等を有するトルクコンバータとして構成される。ただし、流体伝動装置23は、ステータ23sを有さない流体継手として構成されてもよい。オイルポンプ24は、ポンプボディとポンプカバーとからなるポンプアッセンブリと、ハブを介して流体伝動装置23のポンプインペラ23pに接続された外歯ギヤとを備えるギヤポンプとして構成されている。オイルポンプ24は、エンジンからの動力により駆動され、図示しないオイルパンに貯留されている作動油(ATF)を吸引して図示しない油圧制御装置へと圧送する。
自動変速機25は、8段変速式の変速機として構成されており、図1に示すように、入力部材26に加えて、ダブルピニオン式の第1遊星歯車機構30と、ラビニヨ式の第2遊星歯車機構35と、入力側から出力側までの動力伝達経路を変更するための4つのクラッチC1,C2,C3およびC4、2つのブレーキB1およびB2、並びにワンウェイクラッチF1とを含む。
第1遊星歯車機構30は、外歯歯車であるサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置される内歯歯車であるリングギヤ32と、互いに噛合すると共に一方がサンギヤ31に、他方がリングギヤ32に噛合する2つのピニオンギヤ33a,33bの組を自転かつ公転自在に複数保持するプラネタリキャリヤ34とを有する。図示するように、第1遊星歯車機構30のサンギヤ31は、トランスミッションケース22に固定されており、第1遊星歯車機構30のプラネタリキャリヤ34は、入力部材26に一体回転可能に接続されている。また、第1遊星歯車機構30は、いわゆる減速ギヤとして構成されており、入力要素であるプラネタリキャリヤ34に伝達された動力を減速して出力要素であるリングギヤ32から出力する。
第2遊星歯車機構35は、外歯歯車である第1サンギヤ36aおよび第2サンギヤ36bと、第1および第2サンギヤ36a,36bと同心円上に配置される内歯歯車であって自動変速機25の出力部材として機能するリングギヤ37と、第1サンギヤ36aに噛合する複数のショートピニオンギヤ38aと、第2サンギヤ36bおよび複数のショートピニオンギヤ38aに噛合すると共にリングギヤ37に噛合する複数のロングピニオンギヤ38bと、複数のショートピニオンギヤ38aおよび複数のロングピニオンギヤ38bを自転自在(回転自在)かつ公転自在に保持するプラネタリキャリヤ39とを有する。第2遊星歯車機構35のリングギヤ37は、連結部材70を介してギヤ機構40に連結され、自動変速機25からの動力は、ギヤ機構40、デファレンシャルギヤ50、およびドライブシャフト28を介して左右の駆動輪DWに伝達される。また、第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39は、ワンウェイクラッチF1を介してトランスミッションケース22により支持される。
クラッチC1は、第1遊星歯車機構30のリングギヤ32と第2遊星歯車機構35の第1サンギヤ36aとを締結すると共に両者の締結を解除することができる油圧クラッチ(摩擦係合要素)である。クラッチC2は、入力部材26と第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39とを締結すると共に両者の締結を解除することができる油圧クラッチである。クラッチC3は、第1遊星歯車機構30のリングギヤ32と第2遊星歯車機構35の第2サンギヤ36bとを締結すると共に両者の締結を解除することができる油圧クラッチである。クラッチC4は、第1遊星歯車機構30のプラネタリキャリヤ34と第2遊星歯車機構35の第2サンギヤ36bとを締結すると共に両者の締結を解除することができる油圧クラッチである。ブレーキB1は、第2遊星歯車機構35の第2サンギヤ36bをトランスミッションケース22に回転不能に固定すると共に第2サンギヤ36bのトランスミッションケース22に対する固定を解除することができる油圧ブレーキ(摩擦係合要素)である。ブレーキB2は、第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39をトランスミッションケース22に回転不能に固定すると共にプラネタリキャリヤ39のトランスミッションケース22に対する固定を解除することができる油圧ブレーキである。
また、ワンウェイクラッチF1は、第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39に連結(固定)されるインナーレースや、アウターレース、複数のスプラグ、複数のスプリング(板バネ)、保持器等を含み、インナーレースに対してアウターレースが一方向に回転した際に各スプラグを介してトルクを伝達すると共に、インナーレースに対してアウターレースが他方向に回転した際に両者を相対回転させるものである。ただし、ワンウェイクラッチF1は、ローラ式といったようなスプラグ式以外の構成を有するものであってもよい。
これらのクラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2は、図示しない油圧制御装置による作動油の給排を受けて動作する。図2に、自動変速機25の各変速段とクラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2、並びにワンウェイクラッチF1の作動状態との関係を表した作動表を示す。自動変速機25は、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2を図2の作動表に示す状態とすることで前進1〜8速の変速段と後進1速および2速の変速段とを提供する。なお、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2の少なくとも何れかは、ドグクラッチといった噛み合い係合要素とされてもよい。
ギヤ機構40は、自動変速機25の第2遊星歯車機構35のリングギヤ37に連結部材70を介して連結されるカウンタドライブギヤ41と、自動変速機25の入力部材26と平行に延在するカウンタシャフト42と、カウンタドライブギヤ41に噛合すると共にカウンタシャフト42と一体に回転するカウンタドリブンギヤ43と、カウンタシャフト42に形成(あるいは固定)されたドライブピニオンギヤ(ファイナルドライブギヤ)44と、ドライブピニオンギヤ44に噛合すると共にデファレンシャルギヤ50に連結されるデフリングギヤ(ファイナルドリブンギヤ)45とを有する。
パーキングロック機構60は、パーキングロックおよびその解除を実行する周知のパーキングロック機構として構成され、トランスミッションケース22の内部に配置される。図1に示すように、パーキングロック機構60は、カウンタシャフト42に固定されるパーキングギヤ61と、パーキングギヤ61と係合可能なパーキングポール62とを含む。更に、パーキングロック機構60は、手動操作あるいは例えば電動式あるいは油圧式のアクチュエータからの動力により作動するディテント機構や、当該ディテント機構に連結されると共にパーキングポール62に対して進退移動可能なパーキングロッド、パーキングロッドの進退移動に伴ってパーキングポールをパーキングギヤに対して接近させる筒状のカム部材、パーキングロッドにより一端が支持されると共にパーキングギヤとパーキングポールとの係合を保持するようにカム部材を保持するカムスプリング等を含む(何れも図示せず)。
図3は、動力伝達装置20の要部を示す拡大部分断面図である。同図は、ギヤ機構40のカウンタドライブギヤ41、カウンタシャフト42、カウンタドリブンギヤ43およびカウンタシャフト42に固定されたパーキングギヤ61の周辺の構造を示すものである。図示するように、カウンタドライブギヤ41は、中心孔41oを有する環状部材であり、その外周に形成されたギヤ歯41gを有する。カウンタドライブギヤ41の中心孔41oの内周面には、軸受(ボールベアリング)81のアウターレースが固定されており、カウンタドライブギヤ41は、軸受81を介してトランスミッションケース22に締結されたセンターサポート22aにより回転自在に支持される。カウンタドライブギヤ41は、内周部から第2遊星歯車機構35側に延出された延出部41aを有し、当該延出部41aが連結部材70を介して自動変速機25の出力部材としての第2遊星歯車機構35のリングギヤ37に連結される。また、カウンタドリブンギヤ43は、中心孔43oを有する環状部材であり、その外周に形成されたギヤ歯43gと、中心孔43oの内周面に形成されたスプライン43sとを有する。カウンタドリブンギヤ43は、ギヤ歯43gがカウンタドライブギヤ41のギヤ歯41gと噛み合うようにトランスミッションケース22内に配置される。
パーキングギヤ61は、カウンタシャフト42に固定される筒状部611と、当該筒状部611の第2遊星歯車機構35と反対側(エンジン側、図3における右側)の一端から径方向外側に延びるギヤ部612とから構成される。更に、筒状部611は、カウンタシャフト42により支持される内筒部611aと、内筒部611aの長手方向における略中央部から径方向外側に延出される比較的薄肉の環状中間部611bと、環状中間部611bの外周部から軸方向両側に延びる外筒部611cとを含む。
筒状部611の内筒部611aは、カウンタシャフト42の外周面に形成されたスプラインと係合可能なスプラインを有し、第2遊星歯車機構35と反対側(エンジン側)の一端がカウンタシャフト42に形成された段部42aに当接するようにカウンタシャフト42の外周にスプライン嵌合される。そして、カウンタシャフト42の外周面には、筒状部611の内筒部611aの他端に当接するように軸受82のインナーレースが固定される。これにより、スプラインを介してパーキングギヤ61とカウンタシャフト42とが一体に回転可能に連結されると共に、段部42aおよび軸受82によりパーキングギヤ61のカウンタシャフト42に対する軸方向の移動が規制される。なお、カウンタシャフト42は、上記軸受82を介してトランスミッションケース22により回転自在に支持される。
図示するように、筒状部611の環状中間部611bの軸方向における幅は、内筒部611aおよび外筒部611cの軸長よりも短い。このように、環状中間部611bを内筒部611aおよび外筒部611cの軸長に比して薄肉化することにより、パーキングギヤ61の軽量化を図ることができる。また、筒状部611の外筒部611cは、その外周面にカウンタドリブンギヤ43の中心孔43oの内周面に形成されたスプライン43sと係合可能なスプライン611sを有する。スプライン611s(スプライン歯)には、ギヤ部612側と反対側(第2遊星歯車機構35側、図3における左側)の他端近傍に位置するようにスナップリング装着溝が形成されている。
ギヤ部612は、筒状部611のスプライン611sよりも図3における右側で、外筒部611cの一端から径方向外側に向けて軸方向と直交するように延出される。また、ギヤ部612の外周面には、パーキングポール62に形成された係合部62a(何れも図3における破線参照)と係合可能な複数のギヤ歯61gが形成されている。当該パーキングギヤ61の複数のギヤ歯61gの少なくとも何れか一つとパーキングポール62の係合部62aとが係合することにより、パーキングギヤ61すなわちカウンタシャフト42の回転がパーキングロック機構60によってロック(パーキングロック)される。そして、本実施形態において、ギヤ部612は、その外周すなわちギヤ歯61gの歯先がカウンタドリブンギヤ43の外周すなわちギヤ歯43gの歯先よりも径方向外側に張り出すようにセンターサポート22aの近傍まで延出される。
更に、外筒部611cのスプライン611sとギヤ部612の第2遊星歯車機構35側の端面612aとの間には、径方向内側に向けて窪む環状の凹部611oが形成されている。ここで、スプライン611sを形成する際に、ギヤ部612の近傍までカッターで外筒部611cを切り込んでいくと、スプライン611sの歯底とギヤ部612の端面612aとの間、すなわちスプライン611sの歯底の終端部分には、カッターの刃形状に沿った湾曲部が形成される。凹部611oは、外筒部611cに対するスプライン611sの形成に伴って当該スプライン611sとギヤ部612の端面612aとの間に双方に連続するように形成される湾曲部を無くすための逃がし溝としてスプライン611sの形成前あるいは形成後に外筒部611cに形成される。
上述のように構成されたパーキングギヤ61の筒状部611の外筒部611cには、上記カウンタドリブンギヤ43がスプライン嵌合される。本実施形態では、カウンタドリブンギヤ43の内周部の軸方向における一端、すなわち第2遊星歯車機構35と反対側の端部に、パーキングギヤ61のギヤ部612の端面612aに向けて突出する環状の当接部43tが形成されており、カウンタドリブンギヤ43は、当接部43tがギヤ部612の端面612aに当接するように外筒部611cにスプライン嵌合される。そして、外筒部611cのスプライン611sに形成されたスナップリング装着溝には、カウンタドリブンギヤ43の軸方向における他端側の内周部に当接するようにスナップリング90が装着される。これにより、スプラインを介してカウンタドリブンギヤ43およびパーキングギヤ61とカウンタシャフト42とが一体回転可能に連結されると共に、ギヤ部612およびスナップリング90によりカウンタドリブンギヤ43とパーキングギヤ61との軸方向の相対移動が規制される。ただし、カウンタドリブンギヤ43は、パーキングギヤ61の筒状部611に溶接等により固定されてもよい。なお、当接部43tは、必ずしも環状に形成される必要はなく、カウンタドリブンギヤ43の一端に複数(少なくとも1つ)の当接部43tが形成されてもよい。
また、上述したように、本実施形態では、外筒部611cのスプライン611sとギヤ部612の端面612aとの間に径方向内側に向けて窪む環状の凹部611oが形成されている。これにより、スプライン611sとギヤ部612の端面612aとの間に双方に連続するように形成される湾曲部を無くすことができるため、カウンタドリブンギヤ43の当接部43tに面取り加工を施す必要がなくなり、当該当接部43tとギヤ部612の端面612aとの当接面積を充分に確保して、カウンタドリブンギヤ43とパーキングギヤ61との軸方向の相対移動をより良好に規制することができる。ただし、スプライン611sとギヤ部612の端面612aとの間から凹部611oを省略すると共に、スプライン611sとギヤ部612の端面612aとの間に双方に連続するように形成される湾曲部を避けるように当接部43tに面取り加工を施してもよい。
更に、カウンタドリブンギヤ43の当接部43tをパーキングギヤ61のギヤ部612の端面612aと当接させることにより、カウンタドリブンギヤ43の当接部43tよりも径方向外側の端面43aと、ギヤ部612の端面612aとの間には、間隙が形成されることになる。これにより、カウンタドライブギヤ41のギヤ歯41gとカウンタドリブンギヤ43のギヤ歯43gとの噛合部分を潤滑する潤滑媒体を当該間隙を介してカウンタドリブンギヤ43とパーキングギヤ61のギヤ部612との間でスムースに流通させることができるため、カウンタドライブギヤ41およびカウンタドリブンギヤ43の噛合部分を良好に潤滑することが可能となる。ただし、カウンタドリブンギヤ43から当接部43tを省略すると共に、端面43a全体をギヤ部612の端面612aに当接させてもよい。
また、本実施形態において、カウンタドリブンギヤ43の内周部の軸方向における他端側、すなわち第2遊星歯車機構35側の端面43bには、パーキングギヤ61の筒状部611に装着されたスナップリング90を囲むように、第2遊星歯車機構35側に向けて軸方向に延出された環状の抜け止め部43nが形成されている。これにより、抜け止め部43nによってパーキングギヤ61のスプライン611sに装着されたスナップリング90が抜け外れるのをより良好に抑制することができる。ただし、抜け止め部43nは、スナップリング90がスプライン611sから抜け外れるのを抑制することができるものであれば、必ずしも環状に形成される必要はなく、カウンタドリブンギヤ43の他端に抜け止め部として機能する複数(少なくとも1つ)の突出部を形成してもよい。
そして、上述のようにパーキングギヤ61とカウンタドリブンギヤ43とを別体化すると共に当該パーキングギヤ61の筒状部にカウンタドリブンギヤ43を固定することで、カウンタドリブンギヤにパーキングロック用のギヤ部を一体化した場合のように、カウンタドリブンギヤのギヤ歯の加工を考慮してパーキングロック用のギヤ部(歯先)を当該カウンタドリブンギヤのギヤ歯(歯底)よりも内側に形成する必要がなくなる。すなわち、本実施形態においては、例えばカウンタドリブンギヤ43の複数のギヤ歯43gを切削加工するカッターの移動経路を確保すること等を考慮して、パーキングギヤ61のギヤ部612をカウンタドリブンギヤのギヤ歯43g(歯底)よりも外側に突出しないようにする必要がない。これにより、パーキングギヤ61のギヤ径をより大きくしてパーキングギヤ61のギヤ歯61gとパーキングポール62の係合部62aとの間に作用する接線力を低減させることが可能となる。この結果、パーキングロック機構60の各構成部材に求められる強度(剛性)を低減させることができるため、例えばパーキングギヤ61の歯幅(軸方向における厚み)やパーキングポール62の幅を小さくしたり、パーキングロッドやカム部材、カムスプリングの線径を小径化したりして、パーキングロック機構60の各構成部材の小型化を図り、ひいては動力伝達装置20の小型化を図ることが可能となる。
更に、本実施形態では、カウンタドリブンギヤ43とパーキングギヤ61とをスプラインを介して連結(固定)することにより、パーキングギヤ61が固定されたカウンタシャフト42の軸心が本来の方向から傾いたとしても、パーキングギヤ61とカウンタドリブンギヤ43との間のスプライン611s,43sのガタにより当該カウンタシャフト42の傾きを吸収することができる。これにより、カウンタドリブンギヤ43と当該カウンタドリブンギヤ43と噛み合うカウンタドライブギヤ41との歯当たりがカウンタシャフト42の軸心の傾きによる影響を受けるのをより良好に抑制することが可能となる。この結果、カウンタドライブギヤ41とカウンタドリブンギヤ43とをより適正に噛み合わせて、ギヤノイズの発生をより良好に抑制することができる。
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る動力伝達装置20は、パーキングギヤ61と係合可能なパーキングポール62を含むパーキングロック機構60を備え、パーキングギヤ61は、カウンタシャフト42に固定される筒状部611と、当該筒状部611の一端から径方向外側に向けて延びると共に外周に形成された複数のギヤ歯61gを有するギヤ部612とを含む。そして、カウンタドリブンギヤ43がパーキングギヤ61と一体回転するように当該パーキングギヤ61の筒状部611に取り付けられる。これにより、動力伝達装置20では、パーキングギヤ61とパーキングポール62との間に作用する接線力を低減させてパーキングロック機構60の各構成部材の小型化を図り、ひいては動力伝達装置20の小型化を図ることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。また、上記発明を実施するための形態は、あくまで課題を解決するための手段の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載された発明の要素を限定するものではない
本発明は、動力伝達装置の製造産業等に利用可能である。
20 動力伝達装置、22 トランスミッションケース、22a センターサポート、23 流体伝動装置、23c ロックアップクラッチ、23o ワンウェイクラッチ、23p ポンプインペラ、23s ステータ、23t タービンランナ、24 オイルポンプ、25 自動変速機、26 入力部材、28 ドライブシャフト、30 第1遊星歯車機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、33a,33b ピニオンギヤ、34 プラネタリキャリヤ、35 第2遊星歯車機構、36a 第1サンギヤ、36a 第2サンギヤ、37 リングギヤ、38a ショートピニオンギヤ、38b ロングピニオンギヤ、39 プラネタリキャリヤ、40 ギヤ機構、41 カウンタドライブギヤ、41a 延出部、41g ギヤ歯、41o 中心孔、42 カウンタシャフト、42a 段部、43 カウンタドリブンギヤ、43a,43b 端面、43g ギヤ歯、43n 抜け止め部、43o 中心孔、43s スプライン、43t 当接部、44 ドライブピニオンギヤ、50 デファレンシャルギヤ、60 パーキングロック機構、61 パーキングギヤ、61g ギヤ歯、611 筒状部、611a 内筒部、611b 環状中間部、611c 外筒部、611s スプライン、611o 凹部、612 ギヤ部、612a 端面、62 パーキングポール、62a 係合部、70 連結部材、81,82 軸受、90 スナップリング、B1,B2 ブレーキ、C1,C2,C3,C4 クラッチ、F1 ワンウェイクラッチ。
Claims (5)
- 変速機と、該変速機の出力部材に連結されるカウンタドライブギヤと、該カウンタドライブギヤに噛合するカウンタドリブンギヤと、前記変速機の入力部材と平行に延在するカウンタシャフトと、パーキングギヤと係合可能なパーキングポールを含むパーキングロック機構とを備えた動力伝達装置において、
前記パーキングギヤは、前記カウンタシャフトに固定される筒状部と、該筒状部の一端から径方向外側に向けて延びると共に外周に形成された複数のギヤ歯を有するギヤ部とを含み、
前記カウンタドリブンギヤは、前記パーキングギヤと一体回転するように該パーキングギヤの前記筒状部に取り付けられることを特徴とする動力伝達装置。 - 前記パーキングギヤの前記筒状部は、外周面に形成されたスプラインを有し、
前記カウンタドリブンギヤは、前記パーキングギヤの前記筒状部の外周にスプライン嵌合されることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。 - 前記カウンタドリブンギヤの内周部の軸方向における一端には、前記パーキングギヤの前記ギヤ部の端面に向けて突出する当接部が形成され、
前記カウンタドリブンギヤは、前記当接部が前記ギヤ部の前記端面に当接するように前記筒状部にスプライン嵌合され、
前記筒状部には、前記カウンタドリブンギヤの軸方向における他端と当接するようにスナップリングが装着され、
前記カウンタドリブンギヤの前記当接部よりも径方向外側の端面と前記ギヤ部の前記端面との間には、間隙が形成されることを特徴とする請求項2に記載の動力伝達装置。 - 前記パーキングギヤの前記筒状部は、前記スプラインと前記ギヤ部の前記端面との間で径方向内側に向けて窪む環状の凹部を有することを特徴とする請求項3に記載の動力伝達装置。
- 前記カウンタドリブンギヤは、前記他端側の端面から前記スナップリングを囲むように前記軸方向に延出された環状の抜け止め部を有することを特徴とする請求項3または4に記載の動力伝達装置。
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JP2013100221A Pending JP2014219083A (ja) | 2013-05-10 | 2013-05-10 | 動力伝達装置 |
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JP (1) | JP2014219083A (ja) |
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2013
- 2013-05-10 JP JP2013100221A patent/JP2014219083A/ja active Pending
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