JP2014190488A - 多板クラッチ - Google Patents

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敏彦 青木
Masahiro Otake
政弘 大竹
Shota Ikeda
翔太 池田
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Abstract

【課題】多板クラッチのコンパクト化を図りつつ、係合油室内で発生する遠心油圧を良好にキャンセル可能とする。
【解決手段】自動変速機25のクラッチC2は、ピストン220と共に係合油室225内で発生する遠心油圧をキャンセルするためのキャンセル油室235を画成するフランジ部243を含むキャンセルプレート240を有し、キャンセルプレート240のフランジ部243は、セパレータプレート205および摩擦プレート215よりもピストン220側でセパレータプレート205の内周よりも外側に延出し、ピストン220とフランジ部243の外周部との間には、シール部材246が配置される。
【選択図】図4

Description

本発明は、動力入力部材および動力出力部材の一方と一体に回転するクラッチハブと、クラッチハブに嵌合される第1摩擦係合プレートと、動力入力部材および動力出力部材の他方と一体に回転するクラッチドラムと、クラッチドラムに嵌合される第2摩擦係合プレートとを備える多板クラッチに関する。
従来、この種の多板クラッチとして、動力入力部材と一体に回転するクラッチハブと、クラッチハブに形成された筒状のプレート支持部に嵌合されるセパレータプレートと、動力の伝達対象(動力出力部材)と一体に回転するクラッチドラムと、クラッチドラムに嵌合される摩擦プレートと、セパレータプレートと摩擦プレートとを押圧して摩擦係合させるピストンと、入力軸により支持されてピストンと共にクラッチ係合油圧が供給される係合油室を画成する略円盤状の係合油室画成部材とを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この多板クラッチでは、筒状のプレート支持部の内側にクラッチハブとピストンとによって係合油室内で発生する遠心油圧をキャンセルするためのキャンセル油室が画成され、筒状のプレート支持部よりも内側にピストンと係合油室画成部材とによって係合油室が画成される。
特表2010−530047号公報
しかしながら、上記従来の多板クラッチでは、クラッチハブのプレート支持部の内側にキャンセル油室が画成されるため、要求されるトルク分担比が高い場合には、係合油室内で発生する遠心油圧をキャンセルするのに必要なキャンセル油室のチャンバ径、すなわちキャンセル油室における遠心油圧や受圧面積を充分に確保することができなくなってしまうおそれがある。その一方で遠心油圧を良好にキャンセルすべくクラッチハブを大径化すると、多板クラッチ、ひいてはそれが適用される変速機等のコンパクト化を図ることが困難となる。
そこで、本発明は、多板クラッチのコンパクト化を図りつつ、係合油室内で発生する遠心油圧を良好にキャンセル可能とすることを主目的とする。
本発明による多板クラッチは、上記主目的を達成するために以下の手段を採っている。
本発明による多板クラッチは、
動力入力部材および動力出力部材の一方と一体に回転するクラッチハブと、前記クラッチハブに内径側が嵌合される第1摩擦係合プレートと、前記動力入力部材および前記動力出力部材の他方と一体に回転するクラッチドラムと、前記クラッチドラムに外径側が嵌合される第2摩擦係合プレートと、前記第1および第2摩擦係合プレートを押圧して摩擦係合させるピストンと、前記動力入力部材および前記動力出力部材の一方により支持され、前記ピストンと共に係合油圧が供給される係合油室を画成する係合油室画成部材とを備える多板クラッチにおいて、
前記ピストンと共に前記係合油室内で発生する遠心油圧をキャンセルするためのキャンセル油室を画成するキャンセル油室画成部を有し、
前記キャンセル油室画成部は、前記第1および第2摩擦係合プレートよりも前記ピストン側で該第1摩擦係合プレートの内周よりも外側に延出し、前記ピストンと前記キャンセル油室画成部の外周部との間には、シール部材が配置されることを特徴とする。
この多板クラッチは、ピストンと共に係合油室内で発生する遠心油圧をキャンセルするためのキャンセル油室を画成するキャンセル油室画成部を有する。そして、キャンセル油室画成部は、第1および第2摩擦係合プレートよりもピストン側で第1摩擦係合プレートの内周よりも外側に延出し、ピストンとキャンセル油室画成部の外周部との間には、シール部材が配置される。このようなキャンセル油室画成部を多板クラッチに設けることにより、クラッチハブの第1摩擦係合プレートを支持する部分の大径化を抑制しつつ、キャンセル油室のチャンバ径、すなわちキャンセル油室における遠心油圧や受圧面積を良好に確保することができる。この結果、この多板クラッチでは、全体のコンパクト化を図りつつ、係合油室内で発生する遠心油圧を良好にキャンセルすることが可能となる。なお、キャンセル油室画成部は、第1摩擦係合プレートの外周よりも内側に位置すると好ましい。
また、前記多板クラッチは、前記キャンセル油室画成部を含むキャンセルプレートを更に備えてもよく、当該キャンセルプレートは、前記ピストンと当接するリターンスプリングによって付勢されて前記クラッチハブに押し付けられてもよい。このようなキャンセル油室画成部を含むキャンセルプレートを多板クラッチに設けることにより、クラッチハブを大径化することなく、係合油室内で発生する遠心油圧を良好にキャンセルすることが可能となる。そして、キャンセルプレートをピストンと当接するリターンスプリングによりクラッチハブに押し付けることで、部品点数の増加を抑制しながらキャンセルプレートをクラッチハブとピストンとの間に容易に保持することができる。
この場合、前記クラッチハブは、前記第1摩擦係合プレートが嵌合される筒状のプレート支持部と、該プレート支持部から径方向内側に延出されると共に前記動力入力部材および動力出力部材の一方により支持される基部とを含むものであってもよく、前記キャンセルプレートは、前記ピストン側から前記クラッチハブの前記プレート支持部内に嵌合される筒状部と、該筒状部の前記クラッチハブ側の端部から径方向内側に延出されると共に前記リターンスプリングにより前記クラッチハブの前記基部に押し付けられる当接部とを含むものであってもよく、前記キャンセル油室画成部は、前記筒状部の前記ピストン側の端部から径方向外側に延出されてもよく、前記クラッチハブの前記プレート支持部と前記キャンセルプレートの前記筒状部との間には、シール部材が配置されてもよい。これにより、クラッチハブとは別体のキャンセルプレートを採用した場合であっても、多板クラッチの軸長の増加を抑制することが可能となる。また、クラッチハブのプレート支持部とキャンセルプレートの筒状部との間にシール部材を配置することで、クラッチハブとキャンセルプレートとの隙間から作動油が漏出するのを良好に抑制することができる。
更に、前記クラッチハブは、前記第1摩擦係合プレートが嵌合される筒状のプレート支持部と、該プレート支持部から径方向内側に延出されると共に前記動力入力部材および動力出力部材の一方により支持される基部とを含むものであってもよく、前記キャンセル油室画成部は、前記プレート支持部の前記ピストン側の端部から径方向外側に延出するように該プレート支持部および前記基部と一体に成形されてもよい。このように、キャンセル油室画成部をクラッチハブに設けることで、プレート支持部の大径化すなわちクラッチハブの実質的な大径化や、部品点数の増加を抑制しつつ、係合油室内で発生する遠心油圧を良好にキャンセルすることが可能となる。
また、前記ピストンは、前記動力入力部材および前記動力出力部材の一方により移動自在に支持されると共に、前記係合油室内の油圧を受ける受圧部と、前記第1および第2摩擦係合プレートを押圧可能となるように前記受圧部から該第1および第2摩擦係合プレートに向けて延出され、前記キャンセル油室画成部と共に前記キャンセル油室を画成する筒状押圧部とを含むものであってもよい。このように第1および第2摩擦係合プレートを押圧するピストンの筒状押圧部をキャンセル油室の画成部材として兼用することで、多板クラッチをコンパクトに構成することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る多板クラッチを含む動力伝達装置の概略構成図である。 図1の動力伝達装置に含まれる自動変速機の各変速段とクラッチおよびブレーキの作動状態との関係を表す作動表である。 図1の動力伝達装置に含まれる自動変速機を構成する回転要素間における回転数の関係を例示する速度線図である。 図1の自動変速機の要部を示す拡大部分断面図である。 図1の動力伝達装置に含まれる自動変速機の要部を示す拡大図である。 変形態様に係る多板クラッチを示す拡大図である。
次に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る動力伝達装置20の概略構成図である。同図に示す動力伝達装置20は、後輪駆動車両に搭載される図示しないエンジンのクランクシャフトに接続されると共にエンジンからの動力を図示しない左右の駆動輪(後輪)に伝達可能なものである。図示するように、動力伝達装置20は、トランスミッションケース22や、当該トランスミッションケース22の内部に収容される発進装置(流体伝動装置)23、オイルポンプ24、自動変速機25、図示しないデファレンシャルギヤ(差動機構)等を含む。
発進装置23は、エンジンのクランクシャフトに接続される入力側のポンプインペラ23pや、自動変速機25の入力軸(入力部材)26に接続される出力側のタービンランナ23t、ポンプインペラ23pおよびタービンランナ23tの内側に配置されてタービンランナ23tからポンプインペラ23pへの作動油の流れを整流するステータ23s、ステータ23sの回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ23o、ロックアップクラッチ23c、ダンパ機構23d等を有するトルクコンバータとして構成される。ただし、発進装置23は、ステータ23sを有さない流体継手として構成されてもよい。
オイルポンプ24は、ポンプボディとポンプカバーとを含むポンプアッセンブリ、ハブを介して発進装置23のポンプインペラ23pに接続された外歯ギヤ、当該外歯ギヤに噛合する内歯ギヤ等を有するギヤポンプとして構成されている。オイルポンプ24は、エンジンからの動力により駆動され、図示しないオイルパンに貯留されている作動油(ATF)を吸引して図示しない油圧制御装置へと圧送する。
自動変速機25は、8段変速式の変速機として構成されており、図1に示すように、入力軸26に加えて、出力軸(出力部材)27や、ダブルピニオン式の第1遊星歯車機構30、ラビニヨ式の第2遊星歯車機構35、入力側から出力側までの動力伝達経路を変更するための4つのクラッチC1,C2,C3およびC4、2つのブレーキB1およびB2、並びにワンウェイクラッチF1を含む。入力軸26から出力軸27に伝達された動力は、何れも図示しないデファレンシャルギヤおよびドライブシャフトを介して左右の駆動輪に伝達される。
自動変速機25の第1遊星歯車機構30は、外歯歯車であるサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置される内歯歯車であるリングギヤ32と、互いに噛合すると共に一方がサンギヤ31に、他方がリングギヤ32に噛合する2つのピニオンギヤ33a,33bの組を自転自在(回転自在)かつ公転自在に複数保持するプラネタリキャリヤ34とを有する。図示するように、第1遊星歯車機構30のサンギヤ31は、トランスミッションケース22に固定されており、第1遊星歯車機構30のプラネタリキャリヤ34は、入力軸26に一体回転可能に連結されている。第1遊星歯車機構30は、いわゆる減速ギヤとして構成されており、入力要素であるプラネタリキャリヤ34に伝達された動力を減速して出力要素であるリングギヤ32から出力する。
自動変速機25の第2遊星歯車機構35は、外歯歯車である第1サンギヤ36aおよび第2サンギヤ36bと、第1および第2サンギヤ36a,36bと同心円上に配置される内歯歯車であるリングギヤ37と、第1サンギヤ36aに噛合する複数のショートピニオンギヤ38aと、第2サンギヤ36bおよび複数のショートピニオンギヤ38aに噛合すると共にリングギヤ37に噛合する複数のロングピニオンギヤ38bと、複数のショートピニオンギヤ38aおよび複数のロングピニオンギヤ38bを自転自在(回転自在)かつ公転自在に保持するプラネタリキャリヤ39とを有する。第2遊星歯車機構35のリングギヤ37は、出力軸27に連結される。また、プラネタリキャリヤ39は、ワンウェイクラッチF1を介してトランスミッションケース22により支持され、当該プラネタリキャリヤ39の回転方向は、ワンウェイクラッチF1により一方向に制限される。
クラッチC1は、ピストン、複数の摩擦プレートやセパレータプレート、作動油が供給される油室等により構成される油圧サーボを有し、第1遊星歯車機構30のリングギヤ32と第2遊星歯車機構35の第1サンギヤ36aとを締結すると共に両者の締結を解除することができる多板摩擦式油圧クラッチ(摩擦係合要素)である。クラッチC2は、ピストン、複数の摩擦プレートやセパレータプレート、作動油が供給される油室等により構成される油圧サーボを有し、入力軸26と第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39とを締結すると共に両者の締結を解除することができる多板摩擦式油圧クラッチである。クラッチC3は、ピストン、複数の摩擦プレートやセパレータプレート、作動油が供給される油室等により構成される油圧サーボを有し、第1遊星歯車機構30のリングギヤ32と第2遊星歯車機構35の第2サンギヤ36bとを締結すると共に両者の締結を解除することができる多板摩擦式油圧クラッチである。クラッチC4は、ピストン、複数の摩擦プレートやセパレータプレート、作動油が供給される油室等により構成される油圧サーボを有し、第1遊星歯車機構30のプラネタリキャリヤ34と第2遊星歯車機構35の第2サンギヤ36bとを締結すると共に両者の締結を解除することができる多板摩擦式油圧クラッチである。
ブレーキB1は、複数の摩擦プレートやセパレータプレート、作動油が供給される油室等により構成される油圧サーボを有し、第2遊星歯車機構35の第2サンギヤ36bをトランスミッションケース22に回転不能に固定すると共に第2サンギヤ36bのトランスミッションケース22に対する固定を解除することができる多板摩擦式油圧ブレーキである。ブレーキB2は、複数の摩擦プレートやセパレータプレート、作動油が供給される油室等により構成される油圧サーボを有し、第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39をトランスミッションケース22に回転不能に固定すると共にプラネタリキャリヤ39のトランスミッションケース22に対する固定を解除することができる多板摩擦式油圧ブレーキである。
また、ワンウェイクラッチF1は、例えばインナーレースやアウターレース、複数のスプラグ等を含み、インナーレースに対してアウターレースが一方向に回転した際にスプラグを介してトルクを伝達すると共に、インナーレースに対してアウターレースが他方向に回転した際に両者を相対回転させるものである。ただし、ワンウェイクラッチF1は、ローラ式といったようなスプラグ式以外の構成を有するものであってもよい。
これらのクラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2は、図示しない油圧制御装置による作動油の給排を受けて動作する。図2に自動変速機25の各変速段とクラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2、並びにワンウェイクラッチF1の作動状態との関係を表した作動表を示し、図3に自動変速機25を構成する回転要素間における回転数の関係を例示する速度線図を示す。自動変速機25は、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2を図2の作動表に示す状態とすることで前進1〜8速の変速段と後進1速および2速の変速段とを提供する。なお、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2の少なくとも何れかは、ドグクラッチといった噛み合い係合要素とされてもよい。
図4は、自動変速機25の要部を示す拡大部分断面図である。同図は、自動変速機25のクラッチC2の周辺における構成を示すものである。クラッチC2は、図示するように、クラッチハブ200と、クラッチドラム210と、クラッチハブ200に内径側が嵌合されて当該クラッチハブ200により移動自在に支持される複数のセパレータプレート(第1摩擦係合プレート)205と、クラッチドラム210に外径側が嵌合されて当該クラッチドラム210により移動自在に支持される複数の摩擦プレート(第2摩擦係合プレート)215とを含む。クラッチハブ200は、動力入力部材としての入力軸26に固定されて当該入力軸26と一体に回転する。また、クラッチドラム210は、動力出力部材(動力の伝達対象)としての第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39に連結されて当該プラネタリキャリヤ39と一体に回転する。クラッチハブ200に嵌合されるセパレータプレート205は、両面が平滑に形成された環状部材であり、クラッチドラム210に嵌合される摩擦プレート215は、両面に摩擦材が貼着された環状部材である。
更に、クラッチC2は、ピストン220と、係合油室画成部材230と、キャンセルプレート(キャンセル油室画成部材)240とを含む。ピストン220は、動力入力部材としての入力軸26により移動自在に支持され、セパレータプレート205および摩擦プレート215を押圧して摩擦係合させるものである。係合油室画成部材230は、略円環状に形成されており、本実施形態においてピストン220の車両後方側(図4における右側)に位置するように入力軸26により支持されてピストン220と共に係合油室225を画成する。係合油室225には、図示しない油圧制御装置から入力軸26に形成された油路26a,26bを介してクラッチC2を係合させるための係合油圧(作動油)が供給される。係合油室225内の油圧がピストン220に作用することで当該ピストン220が入力軸26の軸方向に移動してセパレータプレート205および摩擦プレート215を押圧し、それによりクラッチC2が係合することになる。キャンセルプレート240は、本実施形態においてピストン220の車両前方側(図4における左側)に位置するように配置され、ピストン220と共に係合油室225内で発生する遠心油圧をキャンセルするためのキャンセル油室235を画成する。キャンセル油室235には、図示しない油圧制御装置から入力軸26に形成された油路26c,26dを介して作動油(ドレン油)が供給される。
クラッチC2のクラッチハブ200は、例えばアルミニウム合金等を鋳造することにより形成され、複数のセパレータプレート205が嵌合される略円筒状のプレート支持部201と、プレート支持部211のピストン220側の端部よりも奥側(図中左側)で当該プレート支持部201の内周面から内方すなわち径方向内側(内径方向)に延出された環状の基部202とを含む。プレート支持部201の外周面には、各セパレータプレート205の内周部(内径側)に形成された凹凸部と係合可能なスプラインが形成されている。また、プレート支持部201の前端部(図4における左端部)すなわちピストン220から遠い側の端部には、径方向外側に延びる張出部201aが形成されており、当該張出部201aによってプレート支持部201に嵌合されるバッキングプレート206が軸方向に支持される。なお、プレート支持部201に張出部201aを形成する代わりに、プレート支持部201にバッキングプレート206と当接するようにスナップリングが装着されてもよい。
クラッチハブ200の基部202は、プレート支持部201の長手方向における略中央、すなわちプレート支持部201の前端部と後端部(図4における右端部)すなわちピストン220側の端部との間でプレート支持部201の内周面から径方向内側に延出されており、短尺の円筒状に形成された内周部203を有する。内周部203の内周面には、入力軸26の外周面に形成されたスプライン26Sと係合するスプライン203Sが形成されており、クラッチハブ200(基部202)の内周部203と、入力軸26とはそれぞれに形成されたスプライン26S,203Sを介して一体に回転するように連結される。そして、入力軸26には、内周部203の前端面(図4における左端面)と当接するようにスナップリング209が装着され、当該スナップリング209によりクラッチハブ200の車両前方すなわちピストン220から離間する方向への移動が規制される。
クラッチドラム210は、有底円筒状に形成されており、第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39に固定される環状部と、クラッチハブ200を囲む略円筒状の筒状部とを有する。クラッチドラム210の筒状部の内周面には、各摩擦プレート215の外周部(外径側)に形成された凹凸部と係合可能なスプラインが形成されており、クラッチドラム210の筒状部には、クラッチハブ200のプレート支持部201に嵌合された複数のセパレータプレート205と交互に並ぶように複数の摩擦プレート215が嵌合される。本実施形態において、クラッチドラム210の開放端部の端面(後端面)は、クラッチハブ200(プレート支持部201)のピストン220側の端面と概ね同一平面上に位置する。
クラッチC2のピストン220は、例えばアルミニウム合金等を鋳造することにより形成され、図4に示すように、入力軸26により移動自在に支持される受圧部221を含む。受圧部221は、略円環状に形成されており、入力軸26の軸方向に移動可能となるように当該入力軸26に嵌合される。そして、受圧部221は、車両後方側すなわちクラッチハブ200から遠い側で係合油室225内の油圧を受けると共に、車両前方側すなわちクラッチハブ200側でキャンセル油室235内の油圧を受ける。また、ピストン220は、受圧部221から車両後方側に向けて、すなわちクラッチハブ200から離間する方向に延出された筒状延出部(第1筒状部)222と、セパレータプレート205および摩擦プレート215を押圧可能となるように受圧部221から車両前方側すなわちセパレータプレート205および摩擦プレート215に向けて延出された筒状押圧部(第2筒状部)223とを含む。
ピストン220の筒状延出部222は、略円筒状に形成されており、ピストン220の外周部から車両後方側に向けて入力軸26やピストン220の軸方向に突出して上述の係合油室画成部材230と共に係合油室225を画成する。これにより、受圧部221には、車両後方側かつ筒状延出部222の内側に係合油室225内の油圧を受ける第1受圧面221aが形成される。第1受圧面221aの面積を規定する筒状延出部222の内径は、クラッチC2に要求されるトルク容量に応じて定められる。また、筒状延出部222の内周面と係合油室画成部材230の外周部との間には、シール部材232が配置される。ピストン220の筒状押圧部223も略円筒状に形成されており、ピストン220の外周部から車両前方側すなわちクラッチハブ200やクラッチドラム210に向けて複数のセパレータプレート205のうちの最もピストン220に近接した1枚に当接可能となるように入力軸26やピストン220の軸方向に突出する。筒状押圧部223の外径は、当該筒状押圧部223の外周面がクラッチドラム210の内周面すなわち摩擦プレート215が嵌合されるスプラインの歯先面よりも入力軸26に近接するように定められる。
このように、ピストン220の受圧部221から互いに逆方向に向けて筒状延出部222と筒状押圧部223とを延出させることにより、係合油室画成部材230と共に係合油室225を画成する筒状延出部222をリブとしても機能させると共に、セパレータプレート205および摩擦プレート215を押圧する筒状押圧部223もリブとして機能させることができる。この結果、クラッチC2では、ピストン220の強度を向上させて当該ピストン220が係合油室225に供給された係合油圧や当該係合油室225内で発生する遠心油圧の作用によって変形するのを良好に抑制することが可能となる。
また、本実施形態において、ピストン220は、少なくとも筒状延出部222および筒状押圧部223の基端部、すなわち筒状延出部222の基端と筒状押圧部223の基端との間の部分(図4における一点鎖線の矢印部分参照)を囲むように形成された環状の突出部224を有する。図示するように、突出部224は、筒状延出部222および筒状押圧部223の外周面よりも径方向外側(外径方向)に突出するように形成される。このような突出部224をピストン220に形成することにより、ピストン220の強度、特に筒状延出部222および筒状押圧部223の基端部(根元部)付近の強度をより向上させることが可能となる。また、本実施形態において、突出部224は、その外周面がクラッチドラム210の内周面すなわち摩擦プレート215が嵌合されるスプラインの歯先面よりも外側に突出すると共に、クラッチドラム210の外周面よりも内側に位置するように形成される。これにより、クラッチC2ひいては自動変速機25の大径化を抑制しつつ、ピストン220の強度を向上させることが可能となる。
そして、ピストン220の筒状押圧部223は、上述のキャンセルプレート240と共に、クラッチハブ200とピストン220との間に係合油室225内で発生する遠心油圧をキャンセルするためのキャンセル油室235を画成する。このようにセパレータプレート205および摩擦プレート215を押圧する筒状押圧部223をキャンセル油室235の画成部材として兼用することで、クラッチC2をコンパクトに構成することが可能となる。また、筒状押圧部223によりキャンセル油室235が画成されることで、ピストン220の受圧部221には、車両前方側かつ筒状押圧部223の内側にキャンセル油室235内の油圧を受ける第2受圧面221bが形成される。第2受圧面221bの面積を規定する筒状押圧部223の内径は、係合油室225内で発生する遠心油圧の大きさに応じて定められる。
筒状押圧部223と共にキャンセル油室235を画成するキャンセルプレート240は、図示するように、クラッチハブ200のプレート支持部201内に嵌合される筒状部241と、筒状部241のクラッチハブ200側(図中左側)すなわちピストン220から遠い側の端部から内方すなわち径方向内側に延出された環状の当接部242と、筒状部241のピストン220側の端部(図中右端部)から外方すなわち径方向外側(外径方向)に延出された環状のフランジ部(キャンセル油室画成部)243とを含む。
キャンセルプレート240の筒状部241は、クラッチハブ200のプレート支持部201の内径よりも僅かに小さい外径を有する円筒状に形成されており、ピストン220側(図中右側)からプレート支持部201内に嵌合される。そして、キャンセルプレート240は、筒状部241がプレート支持部201内に嵌合された際に当接部242が基部202のピストン220側の表面と当接すると共に、フランジ部243がプレート支持部201のピストン220側の端面と当接するように形成される。これにより、クラッチハブ200とは別体のキャンセルプレート240をクラッチC2に追設しても、クラッチC2の軸長の増加を抑制することが可能となる。キャンセルプレート240のフランジ部243は、セパレータプレート205および摩擦プレート215よりもピストン220側でセパレータプレート205の内周よりも外側(外周側)に延出すると共にピストン220の筒状押圧部223の内周面よりも内側に位置するように形成される。また、フランジ部243の外周部(外周面)と筒状押圧部223の内周面との間には、シール部材244が配置される。
このようなキャンセル油室画成部としてのフランジ部243を含むキャンセルプレート240をクラッチC2に設けることにより、キャンセルプレート240すなわちフランジ部243のサイズ(外径)を変更することで、クラッチハブ200のプレート支持部201の寸法(内径)に依存することなくキャンセル油室235を画成することができる。すなわち、クラッチハブ200を大径化することなく、キャンセル油室235のチャンバ径、すなわちキャンセル油室235における遠心油圧や第2受圧面221bの受圧面積を良好に確保することができるので、キャンセル油室235の設計の自由度を向上させると共にクラッチC2のコンパクト化を図りつつ、係合油室225内で発生する遠心油圧を良好にキャンセルすることが可能となる。
また、クラッチC2において、キャンセルプレート240(筒状部241)は、上述のように当接部242がクラッチハブ200の基部202と当接すると共に、フランジ部243がプレート支持部201のピストン220側の端面と当接するようにクラッチハブ200に嵌合される。更に、ピストン220とキャンセルプレート240との間には、スプリングシートを介してリターンスプリング245が配置され、当接部242は、リターンスプリング245によりクラッチハブ200の基部202に押し付けられる。更に、クラッチハブ200のプレート支持部201とキャンセルプレート240の筒状部241との間には、シール部材246が配置される。
このように、キャンセルプレート240をピストン220と当接するリターンスプリング245によってクラッチハブ200に押し付けることにより、部品点数の増加を抑制しながらキャンセルプレート240をクラッチハブ200とピストン220との間に容易に保持することができる。また、キャンセルプレート240の当接部242をクラッチハブ200の基部202と当接させると共に、キャンセルプレート240をリターンスプリング245によってクラッチハブ200に押し付け、かつクラッチハブ200のプレート支持部201とキャンセルプレート240の筒状部241との間にシール部材246を配置することで、クラッチハブ200とキャンセルプレート240との隙間から作動油が漏出するのを良好に抑制することができる。
更に、上述のように構成されるクラッチC2では、キャンセルプレート240がピストン220と当接するリターンスプリング245によって付勢されてクラッチハブ200に押し付けられ、クラッチハブ200によりキャンセルプレート240のピストン220から離間する方向(図中左側)への移動が規制される。また、入力軸26に装着されるスナップリング209によりクラッチハブ200のピストン220から離間する方向への移動が規制される。従って、クラッチC2では、1つのスナップリングによりクラッチハブ200およびキャンセルプレート240の双方を軸方向に支持することが可能となり、軸長の増加を抑制してコンパクト化を図ることが可能となる。
そして、クラッチC2では、係合油室画成部材230がピストン220のキャンセルプレート240とは反対側に位置すると共に入力軸26に形成された段部26eと当接するように当該入力軸26に嵌合され、当該段部26eにより係合油室画成部材230のピストン220から離間する方向(図中右側)への移動が規制される。また、ピストン220の受圧部221の第1受圧面221aに形成されたストッパ突部221cにより、係合油室画成部材230のピストン220に接近する方向(図中左側)への移動が規制される。これにより、スナップリング209と入力軸26に形成された段部26eとで、クラッチC2の軸長の増加や部品点数の増加を抑制しながら、クラッチハブ200、キャンセルプレート240、リターンスプリング245、ピストン220および係合油室画成部材230を適正に支持することが可能となる。
図5は、クラッチハブ200の内周部203と入力軸26との連結構造を示す拡大図である。同図に示すように、クラッチハブ200の内周部203と、入力軸26とは、それぞれに形成されたスプライン203S,26Sを介して一体に回転するように連結されるが、本実施形態のクラッチC2では、クラッチハブ200側のスプライン203Sに複数の欠歯部203rが設けられている。すなわち、クラッチハブ200の内周部203のスプライン203Sには、当該スプライン203Sを構成する複数のスプライン歯を例えば等間隔に1歯ずつ間引く(最初から形成しない)ことにより欠歯部203rが例えば等間隔に複数形成される。そして、スプライン203Sの欠歯部203rは、図4において点線で示すように、それぞれクラッチハブ200とピストン220との間のキャンセル油室235と連通する通路を画成する。更に、クラッチハブ200の内周部203の上記スナップリング209と当接する端面には、図5に示すように、それぞれクラッチハブ200の径方向に延在すると共に対応する欠歯部203rと連通する複数の油溝203gが形成されている。
これにより、クラッチC2では、クラッチハブ200のスプライン203Sに設けられた欠歯部203rにより画成される通路を介して、キャンセル油室235内の作動油を排出することが可能となる。また、クラッチハブ200のスプライン203Sに欠歯部203rを設けることで、キャンセル油室235内の作動油を排出するための排出孔や当該排出孔を内径側に寄せるための凹部等をクラッチハブ200に形成する必要が無くなることから、クラッチハブ200の強度を良好に確保することができる。更に、クラッチハブ200のスプライン203Sに複数の欠歯部203rを設けても、キャンセル油室235におけるピストン220の第2受圧面221bの受圧面積が小さくなることはない。
また、クラッチC2では、キャンセル油室235内の作動油を排出する通路としての各欠歯部203rと、クラッチハブ200の内周部203の端面に形成された油溝203gとを介して、キャンセル油室235内の作動油をスムースに排出することが可能となる。なお、欠歯部203rを流通して油溝203gから流出する作動油の一部は、クラッチハブ200の径方向外側へと飛散し、プレート支持部201に形成された油孔を介してセパレータプレート205や摩擦プレート215周辺に達し、両者の潤滑・冷却に供される。
以上説明したように、自動変速機25のクラッチC2は、ピストン220と共に係合油室225内で発生する遠心油圧をキャンセルするためのキャンセル油室235を画成するキャンセル油室画成部としてのフランジ部243を含むキャンセルプレート240を有する。そして、キャンセルプレート240のフランジ部243は、セパレータプレート205および摩擦プレート215よりもピストン220側でセパレータプレート205の内周よりも外側に延出し、ピストン220とフランジ部243の外周部との間には、シール部材246が配置される。このようなフランジ部243を含むキャンセルプレート240をクラッチC2に設けることにより、セパレータプレート205を支持するプレート支持部201ひいてはクラッチハブ200の大径化を抑制しつつ、キャンセル油室235のチャンバ径、すなわちキャンセル油室235における遠心油圧や第2受圧面221bの受圧面積を良好に確保することができる。この結果、クラッチC2では、全体のコンパクト化を図りつつ、係合油室225内で発生する遠心油圧を良好にキャンセルすることが可能となる。
また、クラッチC2のように、キャンセルプレート240をピストン220と当接するリターンスプリング245によりクラッチハブ200に押し付けることで、部品点数の増加を抑制しながらキャンセルプレート240をクラッチハブ200とピストン220との間に容易に保持することが可能となる。
更に、クラッチC2のクラッチハブ200は、セパレータプレート205が嵌合される筒状のプレート支持部201と、プレート支持部201のピストン220側の端部よりも奥側でプレート支持部201から径方向内側に延出されると共に入力軸26により支持される基部202とを含む。また、キャンセルプレート240は、ピストン220側からクラッチハブ200のプレート支持部201内に嵌合される筒状部241と、筒状部241のクラッチハブ200側の端部から径方向内側に延出されると共にリターンスプリング245によりクラッチハブ200の基部202に押し付けられる当接部242とを含む。そして、フランジ部243は、キャンセルプレート240の筒状部241のピストン220側の端部から径方向外側に延出され、クラッチハブ200のプレート支持部201とキャンセルプレート240の筒状部241との間には、シール部材244が配置される。
これにより、クラッチハブ200とは別体のキャンセルプレート240を採用した場合であっても、クラッチC2の軸長の増加を抑制することが可能となる。更に、クラッチハブ200のプレート支持部201とキャンセルプレート240の筒状部241との間にシール部材246を配置することで、クラッチハブ200とキャンセルプレート240との隙間から作動油が漏出するのを良好に抑制することができる。
また、クラッチC2のピストン220は、入力軸26により移動自在に支持されると共に、係合油室225内の油圧を受ける受圧部221と、セパレータプレート205および摩擦プレート215を押圧可能となるように受圧部221から当該セパレータプレート205および摩擦プレート215に向けて延出され、フランジ部243と共にキャンセル油室235を画成する筒状押圧部223とを含む。このようにセパレータプレート205および摩擦プレート215を押圧するピストン220の筒状押圧部223をキャンセル油室235の画成部材として兼用することで、クラッチC2をコンパクトに構成することが可能となる。
なお、上記クラッチC2では、キャンセル油室画成部としてのフランジ部243を含むキャンセルプレート240とピストン220(筒状押圧部223)とによりキャンセル油室235が画成されるが、キャンセル油室235は、図6に示すようなキャンセル油室画成部としてのフランジ部204を有するクラッチハブ200Bとピストン220(筒状押圧部223)とにより画成されてもよい。図6に示すクラッチC2Bのクラッチハブ200Bは、例えばアルミニウム合金等を鋳造することにより形成され、上記クラッチハブ200と同様に、第1摩擦係合プレートとしてのセパレータプレート205が嵌合される筒状のプレート支持部201と、当該プレート支持部201から内方すなわち径方向内側(内径方向)に延出されると共に入力軸26により支持される基部202とを含む。
図6に示すように、キャンセル油室画成部としてのフランジ部204は、プレート支持部201のピストン220側の端部から外方すなわち径方向外側(外径方向)に延出するように当該プレート支持部201および基部202と一体に成形される。そして、フランジ部204は、セパレータプレート205および摩擦プレート215よりもピストン220側でセパレータプレート205の内周よりも外側(外周側)に延出すると共に、ピストン220の筒状押圧部223の内周面よりも内側に位置するように形成される。また、フランジ部204の外周部には、環状の溝(凹部)が形成されており、当該溝内にシール部材244が配置される。このように、キャンセル油室画成部としてのフランジ部204をクラッチハブ200Bに設けることにより、プレート支持部201の大径化、すなわちクラッチハブ200の実質的な大径化や、部品点数の増加を抑制しつつ、キャンセル油室235のチャンバ径、すなわちキャンセル油室235における遠心油圧や第2受圧面221bの受圧面積を良好に確保することができるので、係合油室225内で発生する遠心油圧を良好にキャンセルすることが可能となる。
また、上記実施形態では、キャンセル油室235と連通する通路を画成する欠歯部203rがクラッチハブ200のスプライン203Sに設けられているが、このようなキャンセル油室235と連通する通路を画成する欠歯部は、図5において二点鎖線で示すように、入力軸26のスプライン26Sに設けられてもよく、クラッチハブ200のスプライン203Sと入力軸26のスプライン26Sとの双方に設けられてもよい。更に、上記クラッチC2では、クラッチハブ200(200B)が、動力入力部材としての入力軸26と一体に回転し、クラッチドラム210が動力出力部材としての第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39と一体に回転するが、クラッチC2は、クラッチハブ200が第2遊星歯車機構35のプラネタリキャリヤ39等の動力出力部材と一体に回転するクラッチドラム210が入力軸26等の動力入力部材と一体に回転するように構成されてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。また、上記発明を実施するための形態は、あくまで課題を解決するための手段の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本発明は、多板クラッチの製造産業等において利用可能である。
20 動力伝達装置、22 トランスミッションケース、23 発進装置、23c ロックアップクラッチ、23d ダンパ機構、23o ワンウェイクラッチ、23p ポンプインペラ、23s ステータ、23t タービンランナ、24 オイルポンプ、25 自動変速機、26 入力軸、26S スプライン、26a,26b,26c,26d 油路、26e 段部、27 出力軸、30 第1遊星歯車機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、33a,33b ピニオンギヤ、34 プラネタリキャリヤ、35 第2遊星歯車機構、36a 第1サンギヤ、36b 第2サンギヤ、37 リングギヤ、37a 当接部、38a ショートピニオンギヤ、38b ロングピニオンギヤ、39 プラネタリキャリヤ、200,200B クラッチハブ、201 プレート支持部、201a 張出部、202 基部、203 内周部、203S スプライン、203g 油溝、203r 欠歯部、204 フランジ部、205 セパレータプレート、206 バッキングプレート、209 スナップリング、210 クラッチドラム、215 摩擦プレート、220 ピストン、221 受圧部、221a 第1受圧面、221b 第2受圧面、221c ストッパ突部、222 筒状延出部、223 筒状押圧部、224 突出部、225 係合油室、230 係合油室画成部材、232 シール部材、235 キャンセル油室、240 キャンセルプレート、241 筒状部、242 当接部、243 フランジ部、244,246 シール部材、245 リターンスプリング、B1,B2 ブレーキ、C1,C2,C2B,C3,C4 クラッチ、F1 ワンウェイクラッチ。

Claims (5)

  1. 動力入力部材および動力出力部材の一方と一体に回転するクラッチハブと、前記クラッチハブに内径側が嵌合される第1摩擦係合プレートと、前記動力入力部材および前記動力出力部材の他方と一体に回転するクラッチドラムと、前記クラッチドラムに外径側が嵌合される第2摩擦係合プレートと、前記第1および第2摩擦係合プレートを押圧して摩擦係合させるピストンと、前記動力入力部材および前記動力出力部材の一方により支持され、前記ピストンと共に係合油圧が供給される係合油室を画成する係合油室画成部材とを備える多板クラッチにおいて、
    前記ピストンと共に前記係合油室内で発生する遠心油圧をキャンセルするためのキャンセル油室を画成するキャンセル油室画成部を有し、
    前記キャンセル油室画成部は、前記第1および第2摩擦係合プレートよりも前記ピストン側で該第1摩擦係合プレートの内周よりも外側に延出し、前記ピストンと前記キャンセル油室画成部の外周部との間には、シール部材が配置されることを特徴とする多板クラッチ。
  2. 請求項1に記載の多板クラッチにおいて、
    前記キャンセル油室画成部を含むキャンセルプレートを更に備え、
    前記キャンセルプレートは、前記ピストンと当接するリターンスプリングによって付勢されて前記クラッチハブに押し付けられることを特徴とする多板クラッチ。
  3. 請求項2に記載の多板クラッチにおいて、
    前記クラッチハブは、前記第1摩擦係合プレートが嵌合される筒状のプレート支持部と、該プレート支持部から径方向内側に延出されると共に前記動力入力部材および動力出力部材の一方により支持される基部とを含み、
    前記キャンセルプレートは、前記ピストン側から前記クラッチハブの前記プレート支持部内に嵌合される筒状部と、該筒状部の前記クラッチハブ側の端部から径方向内側に延出されると共に前記リターンスプリングにより前記クラッチハブの前記基部に押し付けられる当接部とを含み、
    前記キャンセル油室画成部は、前記筒状部の前記ピストン側の端部から径方向外側に延出され、前記クラッチハブの前記プレート支持部と前記キャンセルプレートの前記筒状部との間には、シール部材が配置されることを特徴とする多板クラッチ。
  4. 請求項1に記載の多板クラッチにおいて、
    前記クラッチハブは、前記第1摩擦係合プレートが嵌合される筒状のプレート支持部と、該プレート支持部から径方向内側に延出されると共に前記動力入力部材および動力出力部材の一方により支持される基部とを含み、前記キャンセル油室画成部は、前記プレート支持部の前記ピストン側の端部から径方向外側に延出するように該プレート支持部および前記基部と一体に成形されることを特徴とする多板クラッチ。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載の多板クラッチにおいて、
    前記ピストンは、前記動力入力部材および前記動力出力部材の一方により移動自在に支持されると共に、前記係合油室内の油圧を受ける受圧部と、前記第1および第2摩擦係合プレートを押圧可能となるように前記受圧部から該第1および第2摩擦係合プレートに向けて延出され、前記キャンセル油室画成部と共に前記キャンセル油室を画成する筒状押圧部とを含むことを特徴とする多板クラッチ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111795080A (zh) * 2019-04-09 2020-10-20 法雷奥离合器公司 包括改进的密封的湿式离合机构

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