JP2014218171A - ハイブリッド車両の制御装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレーキペダルとアクセルペダルの双方の踏み込みをゼロとするような場合における燃料噴射量を抑制する。
【解決手段】ハイブリッド車両の制御装置は、エンジン10に電動発電機13とクラッチ12をこの順序に介して駆動輪4bが連結され、エンジン10の燃料噴射量を制御するエンジン制御手段11と、クラッチ12を接断制御するクラッチ制御手段18と、電動発電機13を制御する電動機制御手段17とを備える。クラッチ制御手段18は、ブレーキペダル31及びアクセルペダル2の双方の踏み込み量がゼロの時にクラッチ12を切断して車両1を慣性走行させるように構成され、エンジン制御手段11は、慣性走行時に燃料噴射量をゼロにしてエンジンの回転速度を低下させるように構成され、電動機制御手段17は、慣性走行時に電動発電機13によりエンジン10を駆動させるように構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】ハイブリッド車両の制御装置は、エンジン10に電動発電機13とクラッチ12をこの順序に介して駆動輪4bが連結され、エンジン10の燃料噴射量を制御するエンジン制御手段11と、クラッチ12を接断制御するクラッチ制御手段18と、電動発電機13を制御する電動機制御手段17とを備える。クラッチ制御手段18は、ブレーキペダル31及びアクセルペダル2の双方の踏み込み量がゼロの時にクラッチ12を切断して車両1を慣性走行させるように構成され、エンジン制御手段11は、慣性走行時に燃料噴射量をゼロにしてエンジンの回転速度を低下させるように構成され、電動機制御手段17は、慣性走行時に電動発電機13によりエンジン10を駆動させるように構成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、エンジンに電動発電機及びクラッチをこの順序に介して駆動輪が連結されたハイブリッド車両の制御装置及びその制御方法に関するものである。
従来、エンジンの出力軸に電動発電機を結合し、この電動発電機にクラッチを介してトランスミッションを連結させたハイブリッド車両が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このようなハイブリッド車両では、その電動発電機の回転駆動力を駆動出力としてトランスミッションに伝達し、トランスミッションの駆動出力をディファレンシャル装置から駆動輪に伝達するように構成される。
このため、このようなハイブリッド車両では、エンジン又は電動発電機のいずれか一方又は双方の回転駆動力により走行するとともに、ブレーキペダルを踏み込む減速操作時には、回転する駆動輪により電動発電機が駆動されて、走行する車両の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収している。そして、このようなハイブリッド車両は、エンジン及び電動発電機がともに車両を駆動するパラレル走行モードと、蓄電手段を充電しながら走行する走行充電モードをとることができるとしている。このようなハイブリッド車両では、運動エネルギーを電気エネルギーとして回収し、その後の走行に利用することによりエネルギーの有効活用がなされ、燃料消費量を抑制し得るとしている。
ここで、このようなハイブリッド車両を走行させると、減速させる積極的な意思はないのでブレーキペダルを踏み込むことはしないけれども、加速させる意思もないのでアクセルペダルの踏み込み量をゼロにして、車両をその慣性により走行させるような場合がある。このようにブレーキペダルとアクセルペダルの双方の踏み込みをゼロとするような操作は、特に車両を比較的高速で継続的に走行させる高速道路において、その頻度が高い。このため、このような操作が行われた慣性走行時には、電動発電機とトランスミッションの間のクラッチを切断するとともに、その慣性走行中におけるエンジンの燃料噴射を停止することにより、燃料消費量を更に抑制することが考えられる。
しかし、クラッチを切断すると駆動輪の回転によりエンジンの出力軸を回転させることはないので、その状態でエンジンの燃料噴射を停止すると、そのエンジンが停止することになる。一方、エンジンには、エアブレーキ装置等に使用される圧縮エアを供給するためのエアポンプや、ウインカ等の電動発電機以外の電力機器に使用される電力を生じさせるオルタネータ等の補機が従来から連結されており、エンジンが停止すると、これらの補機も停止し、車両を走行させることが困難になる不具合がある。このため、従来では、慣性走行時に電動発電機とトランスミッションの間のクラッチを切断させるとしても、エンジンを停止させることはできず、そのエンジンを少なくともアイドル回転速度で駆動させる燃料を必要とすることから、その燃料消費量を抑制することには限界があった。
本発明の目的は、ブレーキペダルとアクセルペダルの双方の踏み込みをゼロとするような場合における燃料噴射量を抑制し得るハイブリッド車両の制御装置及びその制御方法を提供することにある。
本発明は、エンジンに電動発電機とクラッチをこの順序に介して駆動輪が連結されたハイブリッド車両であって、エンジンの燃料噴射量を制御するエンジン制御手段と、クラッチを接断制御するクラッチ制御手段と、電動発電機を制御する電動機制御手段とを備えたハイブリッド車両の制御装置の改良である。
その特徴ある構成は、クラッチ制御手段は、ブレーキペダル及びアクセルペダルの双方の踏み込み量がゼロの時にクラッチを切断して車両を慣性走行させるように構成され、エンジン制御手段は、慣性走行時に燃料噴射量をゼロにしてエンジンの回転速度を低下させるように構成され、電動機制御手段は、慣性走行時に電動発電機によりエンジンをアイドル回転速度に達しないように駆動するように構成されたところにある。
アクセルペダルの踏み込みの無い状態で回転速度が低下したエンジンに燃料を噴射してそのエンジンをアイドル回転速度で維持させるアイドル回転制御回路が設けられている場合に、電動機制御手段は、慣性走行時に電動発電機によりエンジンを駆動して低下するエンジンの回転速度をアイドル回転速度より高くかつアイドル回転速度の近傍の回転速度で維持させるように構成されることが好ましい。
また、別の本発明は、エンジンに電動発電機とクラッチをこの順序に介して駆動輪が連結されたハイブリッド車両であって、アクセルペダルの踏み込みの無い状態で回転速度が低下したエンジンに燃料を噴射してエンジンをアイドル回転速度で維持させるハイブリッド車両の制御方法の改良である。
その特徴ある点は、ブレーキペダル及びアクセルペダルの双方の踏み込み量がゼロの時にクラッチを切断して車両を慣性走行させるようにクラッチを制御し、その慣性走行時に燃料噴射量をゼロにしてエンジンの回転速度を低下させ、低下するエンジンの回転速度がアイドル回転速度に達しないように電動発電機によりエンジンを駆動するところにある。
本発明のハイブリッド車両の制御装置及びその制御方法では、ブレーキペダル及びアクセルペダルの双方の踏み込み量がゼロの時にクラッチを切断して車両を慣性走行させ、その慣性走行時の燃料噴射量をゼロとするので、その慣性走行時における燃料消費量を確実に抑制することが可能になる。
その一方で、エンジンには、各種のポンプやオルタネータ等の補機が連結されている。けれども、電動機制御手段は、慣性走行時に電動発電機によりエンジンを駆動させるので、これらの補機が停止するようなことは無い。よって、本発明では、アクセルペダルの踏み込み量をゼロにして車両を慣性走行させるような場合における燃料噴射量をゼロにして、さらなる燃料消費量を抑制することが可能になるのである。
ここで、エンジンの回転抵抗は、その回転速度が高くなると大きくなる。このため、慣性走行時に電動発電機によりエンジンをアイドル回転速度に達しないように回転させる、即ち、アイドル回転速度より高いけれども、そのアイドル回転速度の近傍においてエンジンを駆動させれば、エンジンの回転速度が比較的高い場合に比較して、その電動発電機がエンジンを駆動するために消費する電力量を抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のハイブリッド車両1の構成の例を示すブロック図である。このハイブリッド車両1は、エンジン10の出力軸に電動発電機13及びクラッチ12をこの順序に介してトランスミッション16が連結される。トランスミッション16からはプロペラシャフト4aを介して駆動輪4bが連結される。トランスミッション16は半自動のものであり、このトランスミッション16はエンジン10及び電動発電機13のいずれか一方又は双方によって駆動され、減速時には、電動発電機13の回生トルクによってエンジン10のエンジンブレーキのような制動力(回生制動力)を発生させることができるものである。
即ち、このハイブリッド車両1は、これを走行させる動力を発生させるエンジン10と、そのエンジン10又は回転する駆動輪4bにより駆動される電動発電機13と、クラッチ12と、トランスミッション16と、その電動発電機13からの発電電力を後述するバッテリ15に供給するインバータ14とを備える。そして、このようなハイブリッド車両の制御装置は、そのエンジン10をアクセルペダル2の踏み込み量から求められるドライバ要求トルクに従って制御するエンジン制御手段であるエンジンECU(Electronic Control Unit)11と、そのインバータ14を介して電動発電機13を制御する電動機制御手段である電動発電機ECU17と、クラッチ制御手段を構成するハイブリッドECU18とを有する。
エンジン10は、内燃機関の一例であり、エンジンECU11によって制御され、ガソリン、軽油、CNG(Compressed Natural Gas)、LPG(Liquefied Petroleum Gas)、又は代替燃料等を内部で燃焼させて、軸を回転させる動力を発生させ、発生した動力を電動発電機13を介してクラッチ12に伝達するように構成される。図におけるエンジン10は軽油を燃料とするディーゼルエンジンである場合を示し、符号10aは、その燃料である軽油を噴射する燃料噴射装置10aを示す。そして、図示しないが、このエンジン10には、エアブレーキ装置等に使用される圧縮エアを供給するためのエアポンプや、ウインカ等の電動発電機以外の電力機器に使用される電力を生じさせるオルタネータ等の補機が連結される。
このエンジン10を制御するエンジンECU11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、内部に、演算部、メモリ、及びI/O(Input/Output)ポートなどを有するコンピュータである。このエンジンECU11には、アクセルペダル2の踏み込み量を検出するアクセルセンサ3の検出出力が接続され、このエンジンECU11の制御出力は、エンジン10の燃料噴射装置10aに連結される。そして、このコンピュータから成るエンジンECU11は、アクセルペダル2の踏み込み量から要求されるドライバ要求トルクに従って、電動発電機ECU17やハイブリッドECU18と連携動作し、燃料噴射装置10aにおける燃料噴射量やバルブタイミングなどを調整し、エンジン10を制御するように構成される。
一方、このエンジンECU11には、アイドル回転制御回路11a(ISC制御回路)が設けられる。このアイドル回転制御回路11aは、アクセルペダル2の踏み込みの無い状態で、回転速度が低下したエンジン10に燃料を噴射して、そのエンジン10をアイドル回転速度で駆動するようにエンジン10を制御するものである。ここで、この明細書におけるアイドル回転速度とは、車両1の停車中に、エンジンの稼動を維持し、エンジンに連結されたオルタネータ等の補機を駆動させるのに必要なエンジン10の最低限の回転速度をいう。このため、このアイドル回転速度は一般的に低い値となるものである。よって、このアイドル回転制御回路11aは、例えば、アクセルペダル2が踏み込まれずに車両1が停車している状態等において、エンジン10をアイドル回転速度(図3)で回転駆動するように燃料を噴射させて、燃料噴射量を抑制しつつエンジン10に連結された図示しない補機を駆動させるものである。
電動発電機13は、いわゆる、モータジェネレータであり、エンジン10からの動力により発電して、その電力をインバータ14に供給するものである。けれども、この実施の形態における電動発電機13は、クラッチ12を介してトランスミッション16から供給された軸を回転させる動力によっても発電可能なものとする。その一方で、この電動発電機13は、インバータ14から電力が供給されると、軸を回転させる動力を発生させて、その軸出力をトランスミッション16に供給して車両1を走行させるか、又はその軸出力をエンジン10に供給してそのエンジン10を駆動可能に構成されるものとする。
インバータ14は、電動発電機ECU17によって制御され、バッテリ15からの直流電力を交流電力に変換するか、又は電動発電機13からの交流電力を直流電力に変換するものである。電動発電機13が動力を発生させる場合、インバータ14は、バッテリ15の直流電力を交流電力に変換して、電動発電機13に電力を供給し、電動発電機13が発電する場合、インバータ14は、電動発電機13からの交流電力を直流電力に変換するように構成される。即ち、インバータ14は、バッテリ15に直流電力を供給するための整流器及び電圧調整装置としての役割を果たすものである。
バッテリ15は、充放電可能な二次電池であり、電動発電機13が動力を発生させるとき、電動発電機13にインバータ14を介して電力を供給するか、又は電動発電機13が発電しているとき、電動発電機13が発電する電力によって充電されるものである。
電動発電機ECU17は、ハイブリッドECU18からの指示に従うことにより、エンジンECU11と連携動作するコンピュータであり、インバータ14を制御することによって電動発電機13を制御するように構成される。そして、この電動発電機ECU17は、例えば、CPU、ASIC、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSPなどにより構成され、内部に、演算部、メモリ、及びI/Oポートなどを有するものが使用される。
クラッチ12は、図1の左側にある電動発電機13に連結されて、電動発電機13の出力軸とともに回転するフライホイール12aと、そのフライホイール12aに対向配置されてトランスミッション16のインプットシャフトと一体的に回転するクラッチディスク12bを備える。そして、クラッチ12にはクラッチレバー12cが設けられ、このクラッチレバー12cをクラッチブースタ22が傾動可能に構成される。クラッチブースタ22はクラッチアクチュエータ21により制御される油圧によりそのロッド22aを出没させてクラッチレバー12cを動かすものを例示する。
クラッチアクチュエータ21はハイブリッドECU18からの電気信号により制御され、クラッチ12は、エンジン10からの出力を、電動発電機13及びトランスミッション16を介してプロペラシャフト4aに伝達し、プロペラシャフト4aの回転により駆動輪4bを回転させて、ハイブリッド車両1を走行させるように構成される。
即ち、クラッチ12は、ハイブリッドECU18の制御によって、エンジン10に連結された電動発電機13の回転軸をトランスミッション16のインプットシャフトと機械的に接続することにより、エンジン10及び電動発電機13の軸出力を駆動輪4bに伝達したり、又は、電動発電機13とトランスミッション16との機械的な接続を切断することにより、駆動輪4bの自由な回転を許容して、走行する車両1がその慣性により走行する慣性走行を可能にするものである。
ここで、ハイブリッドECU18と、ハイブリッドECU18により制御されるクラッチアクチュエータ21と、クラッチアクチュエータ21により制御される油圧によりそのロッド22aを出没させるクラッチブースタ22は、クラッチレバー12cを動かしてクラッチ12を接断動作させることから、本発明のクラッチ制御手段を構成するものである。
また、ハイブリッドECU18は、コンピュータの一例であり、CPU、ASIC、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSPなどにより構成され、内部に、演算部、メモリ、及びI/Oポートなどを有するものが使用される。このハイブリッドECU18、エンジンECU11及び電動発電機ECU17は、CAN(Control Area Network)などの規格に準拠したバスなどにより相互に接続される。
このハイブリッド車両1には、油圧により車両1を制動させる油圧ブレーキシステム30が設けられる。この油圧ブレーキシステム30は、ブレーキペダル31と、そのブレーキペダル31を踏み込むとブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダ32と、ブレーキ液圧によって図示しないブレーキパッドをディスクロータ4cに押圧するキャリパ33とを備える。ここで、ディスクロータ4cは、駆動輪4bを支持する車軸4dにその駆動輪4bと同軸になるように設けられ、キャリパ33では図示しないブレーキパッドを回転するディスクロータ4cに押圧することによる摩擦制動力が生じ、車両1を減速させるように構成される。
また、このハイブリッド車両1には、ブレーキペダル31の操作量を検出するブレーキセンサ36が設けられ、このブレーキセンサ36の検出出力は上述したハイブリッドECU18に入力される。ハイブリッドECU18には、上述したブレーキセンサ36から入力されるブレーキペダル31の踏み込み操作情報等から、油圧ブレーキシステム30によりハイブリッド車両1が減速状態である時には、電動発電機ECU17に対して電動発電機13及びインバータ14の制御指示を与え、その減速時における運動エネルギーにより電動発電機13を発電させて、その電気エネルギーをバッテリ15に充電して回収するように構成される。
そして、本発明の特徴ある構成は、クラッチ制御手段を構成するハイブリッドECU18は、アクセルペダル2及びブレーキペダル31の双方の踏み込み量がゼロの時にクラッチ12を切断して車両1を慣性走行させるように構成され、エンジン制御手段であるエンジンECU11は、その慣性走行時に燃料噴射量をゼロにしてエンジン10の回転速度を低下させるように構成され、電動機制御手段である電動発電機ECU17は、慣性走行時に電動発電機13によりエンジン10を駆動して、そのエンジン10をアイドル回転速度に達しないように回転させるところにある。
即ち、ブレーキペダル31を踏み込むことはしないけれども、アクセルペダル2の踏み込み量をゼロにするような場合に、ハイブリッドECU18は、クラッチ12を切断して車両1を慣性走行させる。そして、その慣性走行時に、エンジンECU11は、燃料噴射量をゼロにし、電動発電機ECU17は、電動発電機13によりエンジン10を駆動させるものである。アクセルペダル2の踏み込みの無い状態でエンジン10をアイドル回転速度で駆動するアイドル回転制御回路11aが設けられたこの実施の形態では、電動機制御手段である電動発電機ECU17は、その慣性走行時に電動発電機13によりエンジン10を駆動して低下するエンジン10の回転速度をアイドル回転速度より高くかつアイドル回転速度の近傍の回転速度で維持させるように構成される。
このように構成されたハイブリッド車両の制御方法を説明する。
このハイブリッド車両1では、アクセルペダル2が踏み込まれる走行中において、ハイブリッドECU18は、エンジンECU11を介して得られるアクセルペダル2の踏み込み量、即ち、アクセル開度情報や、車速情報、及びトランスミッション16から取得したギア位置情報、エンジンECU11から取得したエンジン10の回転速度情報等を取得する。そして、これらを参照して、エンジン10又は電動発電機13、若しくはエンジン10と電動発電機13とが協働して走行させるパラレル走行と、エンジン10により電動発電機13を駆動して発電させながら走行する発電走行をとる。このパラレル走行にあって、ハイブリッドECU18は、取得したアクセル開度情報やその他の情報に基づき電動発電機ECU17に対して電動発電機13及びインバータ14の制御指示を与え、エンジンECU11に対してエンジン10の制御指示を与えることになる。
一方、ハイブリッド車両1を走行させている状態において、ブレーキペダル31を踏み込むことをせずに、アクセルペダル2の踏み込みを解消させたような場合は、アクセルペダル2及びブレーキペダル31の双方の踏み込み量がゼロとなる。このような操作は、特に車両1を比較的高速で継続的に走行させる高速道路において、その頻度が高い。このため、このような操作時には、アクセルセンサ3及びブレーキセンサ36の検出出力によりアクセルペダル2及びブレーキペダル31の双方の踏み込み量がゼロとなることが検出され、この検出出力により、クラッチ制御手段であるハイブリッドECU18は、クラッチ12を切断するように制御する。
図1に示すように、このクラッチ12の切断は、クラッチアクチュエータ21に指令を発してクラッチブースタ22のロッド22aを突出させてフライホイール12a及びクラッチディスク12bを切り離すことにより行われる。すると、エンジン10及び電動発電機13による駆動力は駆動輪4bに伝達されずに、車両1はそれ以前に走行していた慣性により走行する慣性走行状態となる。
この慣性走行状態において、エンジン制御手段であるエンジンECU11は、その慣性走行時に燃料噴射量をゼロにする。即ち、燃料噴射ポンプ10aに指令を発して、燃料の噴射量をゼロにする。これにより、慣性走行時に燃料が消費されることを禁止して、燃料消費量の更なる抑制を可能にするものである。
ここで、図3に示すように、エンジン10にはその回転に伴う抵抗がある。このため、アクセルペダル2の踏み込みに伴う燃料噴射によりエンジン10が回転していた黒点で示す状態から、アクセルペダル2の踏み込みの解消によりその燃料噴射量である噴射が停止されると、その抵抗トルクによりエンジン10の回転速度は図3の実線矢印で示すように低下することになる。アイドル回転制御回路11aは、その実際のエンジン10の回転速度が、補機を駆動するために必要なアイドル回転速度に達すると、再び燃料を噴射させて、エンジン10を、そのアイドル回転速度に維持させることになる。
一方、この慣性走行状態では、電動機制御手段である電動発電機ECU17は、所定の条件下で、電動発電機13によりエンジン10を駆動し、そのエンジン10の出力軸が所定の回転速度で回転するように維持させる。この慣性走行時に電動発電機13がエンジン10を駆動するまでのフローチャートを図2に示す。
即ち、図2に示すように、ハイブリッドECU18は常にそのシステムが故障していないかを検出しており、何らかの故障が検出されると(S01)、電動発電機13によりエンジン10のアシストは行わずに、この明細書では説明していないけれども、その故障が検出された場合の通常の処理がなされる(S06)。
また、システムが故障していないけれども(S01)、アクセルペダル2の踏み込みが解除されていなければ、慣性走行も行われない(S02)。すると、エンジン10又は電動発電機13、若しくはエンジン10と電動発電機13とが協働して走行させるパラレル走行や、発電走行のような通常の処理がなされる(S06)。
更に、システムが故障していない状態で(S01)、アクセルペダル2及びブレーキペダル31の双方の踏み込み量がゼロとなるような操作がされると、ハイブリッドECU18は、クラッチ12を切断して車両1を慣性走行させる(S02)。すると、次にハイブリッドECU18は、バッテリの残容量(SOC)が一定値以上であるか否かを判断し、残容量が一定値に満たずに不足している場合には(S03)、電動発電機13によりエンジン10の駆動は行わずに、アイドル回転制御回路11aにより、エンジン10の実際の回転速度がアイドル回転速度に達した段階で燃料を噴射させて、エンジン10をそのアイドル回転速度に維持させるような、通常の処理がなされる(S06)。
一方、システムが故障していない状態で(S01)、クラッチ12を切断して車両1が慣性走行され(S02)、バッテリの残容量(SOC)が一定値以上であれば(S03)、慣性走行時に燃料噴射量をゼロにしてエンジン10の回転速度を低下させ、低下するエンジン10の回転速度がアイドル回転速度に達しないように電動発電機13によりエンジン10を駆動する。具体的には、電動発電機13により必要なアシストトルクを演算した後(S04)、電動発電機13によりエンジン10の実際の駆動(アシスト)が開始される(S05)。
アシストトルクを演算する(S04)のは、電動発電機13により駆動(アシスト)されたエンジン10の回転速度を所定の回転速度(図3)に維持させるためであり、図3に示すように、その所定の回転速度とは、アイドル回転速度より高くかつそのアイドル回転速度の近傍の速度である。即ち、この実施の形態における所定の回転速度は、いわゆるアイドル回転速度よりやや高めの回転速度を意味する。
ここで、所定の回転速度をアイドル回転速度より高くするのは、クラッチ12の切断後にエンジン10の実際の回転速度がアイドル回転速度にまで低下して、アイドル回転制御回路11aにより燃料の噴射が再開されることを回避するためである。また、アイドル回転速度の近傍とするのは、エンジン10の回転抵抗は、その回転速度が高くなると大きくなるため、エンジン10の回転速度が比較的低いアイドル回転速度の近傍において回転させることにより、その電動発電機13がエンジン10を駆動する電力消費を抑制するためである。
ここで、アイドル回転速度は、いわゆる補機の駆動状態等から変動するものである。このため、エンジン10をアシストして、その変動するアイドル回転速度よりやや高めに位置する所定の回転速度にそのエンジン10を維持させるためには、エンジン10の回転速度を所定の回転速度(図3)に維持させる電動発電機13が発するアシストトルクを、変動するアイドル回転速度に基づいて求めることが好ましい。
例えばPID制御により、アイドル回転速度におけるエンジンの回転抵抗トルクよりわずかに大きな電動発電機13のアシストトルクを導き出し、このアシストトルクに基づいて、電動発電機13がエンジン10を駆動(アシスト)すると、図3に示すように、エンジン10はアイドル回転速度よりわずかに高い所定の回転速度で維持されることになる。
このように、慣性走行時に回転数が低下するエンジン10をアイドル回転速度よりわずかに高い所定の回転速度で維持させることにより、エンジン10が停止するような事態は回避されるとともに、エンジン10の実際の回転速度がアイドル回転速度にまで低下して、アイドル回転制御回路11aにより燃料の噴射が再開されるようなこともない。そして、そのエンジン10に連結された補機、例えば、エアブレーキ装置等に使用される圧縮エアを供給するためのエアポンプや、ウインカ等の電動発電機13以外の電力機器に使用される電力を生じさせるオルタネータ等を駆動させる。これにより、慣性走行時に、燃料の消費量をゼロにしつつ、補機の駆動を可能にして、車両1の継続走行を可能とすることができるのである。
なお、上述した実施の形態では、エンジンECU11にアイドル回転制御回路11aが設けられる場合を説明したけれども、エンジン10を実際にアイドル回転速度で維持しうる限り、このアイドル回転制御回路11aが設けられる場所はエンジンECU11でなくても良い。
また、上述した実施の形態では、ハイブリッドECU18と、ハイブリッドECU18により制御されるクラッチアクチュエータ21と、クラッチアクチュエータ21により制御される油圧によりそのロッド22aを出没させるクラッチブースタ22が、クラッチ制御手段を構成するものとしたけれども、クラッチ制御手段は、クラッチ12を接断動作させ得る限り、この構造のものに限られるものではなく、クラッチ12を接断させる他の構造のものであっても良い。
1 ハイブリッド車両
2 アクセルペダル
4b 駆動輪
10 エンジン
11 エンジンECU(エンジン制御手段)
11a アイドル回転制御回路
12 クラッチ
13 電動発電機
17 電動発電機ECU(電動機制御手段)
18 ハイブリッドECU(クラッチ制御手段)
31 ブレーキペダル
2 アクセルペダル
4b 駆動輪
10 エンジン
11 エンジンECU(エンジン制御手段)
11a アイドル回転制御回路
12 クラッチ
13 電動発電機
17 電動発電機ECU(電動機制御手段)
18 ハイブリッドECU(クラッチ制御手段)
31 ブレーキペダル
Claims (3)
- エンジン(10)に電動発電機(13)とクラッチ(12)をこの順序に介して駆動輪(4b)が連結されたハイブリッド車両であって、前記エンジン(10)の燃料噴射量を制御するエンジン制御手段(11)と、前記クラッチ(12)を接断制御するクラッチ制御手段(18)と、前記電動発電機(13)を制御する電動機制御手段(17)とを備えたハイブリッド車両の制御装置において、
前記クラッチ制御手段(18)は、ブレーキペダル(31)及びアクセルペダル(2)の双方の踏み込み量がゼロの時に前記クラッチ(12)を切断して車両(1)を慣性走行させるように構成され、
前記エンジン制御手段(11)は、前記慣性走行時に燃料噴射量をゼロにして前記エンジン(10)の回転速度を低下させるように構成され、
前記電動機制御手段(17)は、前記慣性走行時に前記電動発電機(13)により前記エンジン(10)をアイドル回転速度に達しないように駆動するように構成された
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - アクセルペダル(2)の踏み込みの無い状態で回転速度が低下したエンジン(10)に燃料を噴射して前記エンジン(10)をアイドル回転速度で維持させるアイドル回転制御回路(11a)が設けられ、電動機制御手段(17)は、慣性走行時に電動発電機(13)により前記エンジン(10)を駆動して低下する前記エンジン(10)の回転速度を前記アイドル回転速度より高くかつ前記アイドル回転速度の近傍の回転速度で維持させるように構成された請求項1記載のハイブリッド車両の制御装置。
- エンジン(10)に電動発電機(13)とクラッチ(12)をこの順序に介して駆動輪(4b)が連結されたハイブリッド車両であって、アクセルペダル(2)の踏み込みの無い状態で回転速度が低下したエンジン(10)に燃料を噴射して前記エンジン(10)をアイドル回転速度で維持させるハイブリッド車両の制御方法において、
ブレーキペダル(31)及びアクセルペダル(2)の双方の踏み込み量がゼロの時に前記クラッチ(12)を切断して車両(1)を慣性走行させるように前記クラッチ(12)を制御し、
前記慣性走行時に燃料噴射量をゼロにして前記エンジン(10)の回転速度を低下させ、低下する前記エンジン(10)の回転速度が前記アイドル回転速度に達しないように前記電動発電機(13)により前記エンジン(10)を駆動する
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013098936A JP2014218171A (ja) | 2013-05-09 | 2013-05-09 | ハイブリッド車両の制御装置及びその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013098936A JP2014218171A (ja) | 2013-05-09 | 2013-05-09 | ハイブリッド車両の制御装置及びその制御方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2014218171A true JP2014218171A (ja) | 2014-11-20 |
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ID=51937064
Family Applications (1)
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JP2013098936A Pending JP2014218171A (ja) | 2013-05-09 | 2013-05-09 | ハイブリッド車両の制御装置及びその制御方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2014218171A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016164049A (ja) * | 2015-03-06 | 2016-09-08 | 富士重工業株式会社 | ハイブリッド車両の制御装置 |
CN107107903A (zh) * | 2015-03-18 | 2017-08-29 | 宝马股份公司 | 用于运行混合动力车辆的方法 |
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2013
- 2013-05-09 JP JP2013098936A patent/JP2014218171A/ja active Pending
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