JP6734677B2 - ハイブリッド車両システム、ハイブリッド車両システムの制御装置及びハイブリッド車両システムの制御方法 - Google Patents

ハイブリッド車両システム、ハイブリッド車両システムの制御装置及びハイブリッド車両システムの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハイブリッド車両システム、ハイブリッド車両システムの制御装置及びハイブリッド車両システムの制御方法に関する。
従来、例えば下記の特許文献1には、ハイブリッドシステムのフェイル対応制御装置に関し、駆動源であるエンジンと第1モータジェネレータと第2モータジェネレータのいずれか1つまたは2つが出力異常であると検出されたとき、ハイブレーキまたはローブレーキのうち、何れか一方のブレーキを締結し、出力異常を生じていない駆動源の少なくとも1つを用いてエンジンを始動すること、及び車両慣性によりエンジンを始動することが記載されている。
特開2004−159412号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている手法を用いて車両慣性によりエンジンを始動した場合、車両慣性のエネルギーがエンジン始動のエネルギーとして用いられるため、急激な減速が発生し、ドライバーに違和感を与えたり、ドライバビリティが低下する問題がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、モータジェネレータが故障した場合に、車輪からの駆動力でエンジンを再始動するとともに、再始動時にドライバビリティが低下することを確実に抑止することが可能な、新規かつ改良されたハイブリッド車両システム、ハイブリッド車両システムの制御装置及びハイブリッド車両システムの制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、車両を走行させる駆動力を発生するエンジンと、車両を走行させる駆動力を発生する第1のモータジェネレータと、車両を走行させる駆動力を発生する第2のモータジェネレータと、前記第1のモータジェネレータ及び前記第2のモータジェネレータのいずれか一方が故障した場合に、車輪からの駆動力を前記エンジンに伝達して前記エンジンを再始動する駆動力伝達部と、を備え、前記第1のモータジェネレータ及び前記第2のモータジェネレータのいずれか一方が故障した場合に、前記第1のモータジェネレータ及び前記第2のモータジェネレータのいずれか他方は、ドライバーの要求に応じた走行駆動力と前記エンジンの再始動のための再始動駆動力との差分に相当する調整駆動力を発生し、前記駆動力伝達部は、前記エンジンの駆動軸と前記第1のモータジェネレータの駆動軸とを結合する第1のクラッチと、前記第1のモータジェネレータの駆動軸を無段変速機のプライマリ軸に連結する第2のクラッチと、前記無段変速機のセカンダリ軸と前記第2のモータジェネレータの駆動軸を結合する第3のクラッチと、を備え、前記第2のモータジェネレータの駆動軸が車輪に連結され、シングルモータEV走行モードにおいて、前記第1のクラッチ、前記第2のクラッチ及び前記第3のクラッチが開放され、前記第2のモータジェネレータの駆動力が車輪に伝達される、ハイブリッド車両システムが提供される。
前記第1のモータジェネレータは、故障していない状態では、通常運転時に前記エンジンを始動する際に前記エンジンを始動するための駆動力を発生させ、前記駆動力伝達部は、前記第1のモータジェネレータが故障した場合に車輪からの駆動力を前記エンジンに伝達して前記エンジンを再始動し、前記第2のモータジェネレータは、前記調整駆動力を発生するものであっても良い。
また、前記第1のモータジェネレータは、故障していない状態では、運転状態に応じて前記エンジンの駆動力により発電を行うものであっても良い。
以上説明したように本発明によれば、モータジェネレータが故障した場合に、車輪からの駆動力でエンジンを再始動するとともに、再始動時にドライバビリティが低下することを確実に抑止することが可能となる。
ハイブリッド車両の駆動系を示す模式図である。 ハイブリッド車両の駆動系の別の例を示す模式図である。 第1の実施形態において、アクセルオン時にエンジン再始動を行う場合を示す模式図である。 第1の実施形態において、アクセルオフ時にエンジン再始動を行う場合を示す模式図である。 第1の実施形態の処理を示すフローチャートである。 図5の処理を実行するためのハイブリッドECUの構成を示す模式図である。 第2の実施形態において、アクセルオン時にエンジン再始動を行う場合を示す模式図である。 第2の実施形態において、アクセルオフ時にエンジン再始動を行う場合を示す模式図である。 第2の実施形態の処理を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
1.第1の実施形態
1.1.ハイブリッド車両システムの構成例
図1は、本発明の各実施形態に係るハイブリッド車両の駆動系1を示している。かかる駆動系1は、エンジン10と、第1のモータジェネレータ20と、第2のモータジェネレータ24とを備え、エンジン10、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ24を駆動源として併用可能なパワーユニットである。かかる駆動系1では、エンジン走行モードと、シングルモータEV走行モードと、ツインモータEV走行モードと、ハイブリッド走行モードとを切り替えながら、車両の駆動力制御が行われる。
エンジン走行モードは、エンジン10の出力で車両を駆動するモードである。シングルモータEV走行モードは、第2のモータジェネレータ24の出力で車両を駆動するモードである。ツインモータEV走行モードは、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ24の出力で車両を駆動するモードである。ハイブリッド走行モードは、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ24のうちの少なくとも一方から出力されるトルクと、エンジン10から出力されるトルクとで車両を駆動するモードである。
エンジン10は、ガソリン等を燃料として駆動力を生成する内燃機関であり、出力軸としてのクランクシャフト11を有する。クランクシャフト11は、駆動力伝達装置(自動変速装置)30内に延設されている。また、クランクシャフト11には、ギヤ式のオイルポンプ15が連結されている。かかるオイルポンプ15は、図示しない車軸又はCVT31のプライマリ軸34又はセカンダリ軸36に対して、図示しないギヤ機構を介して連結されていてもよい。オイルポンプ15が車軸に対して連結されている場合、駆動輪(車輪)80の回転によってもオイルポンプ15が駆動され得る。オイルポンプ15がプライマリ軸34又はセカンダリ軸36に対して連結されている場合、第3の伝達クラッチ46が締結されている間、駆動輪80の回転によってもオイルポンプ15が駆動され得る。オイルポンプ15は、エンジン10の駆動力又は駆動輪80の回転により駆動されて、駆動力伝達装置30に向けて作動油を供給する。駆動力伝達装置30に供給される作動油は、CVT31及び各クラッチを作動させる作動油して用いられる。駆動力伝達装置30は、第1のモータジェネレータ20と、第2のモータジェネレータ24と、自動変速機としての無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)31と、第1の伝達クラッチ(エンジンクラッチ)42と、第2の伝達クラッチ44と、第3の伝達クラッチ46と、オイルポンプ28と、を備える。
エンジン10と第1のモータジェネレータ20とは第1の伝達クラッチ42を介して直列的に配列される。エンジン10のクランクシャフト11と、第1のモータジェネレータ20のモータ軸21との間には、クランクシャフト11とモータ軸21との間を締結又は開放する第1の伝達クラッチ42が設けられている。第1の伝達クラッチ42が締結状態にあるときに、クランクシャフト11とモータ軸21との間で動力を伝達することができる。
第1のモータジェネレータ20は、例えば、三相交流式のモータであり、インバータ70を介して高電圧バッテリ50に接続されている。第1のモータジェネレータ20は、高電圧バッテリ50の電力を用いて駆動(力行駆動)されて車両の駆動力を生成する駆動モータとしての機能と、エンジン10の駆動力を用いて駆動されて発電する発電機としての機能と、車両の減速時に回生駆動されて駆動輪80の運動エネルギを用いて発電する発電機としての機能とを有する。さらに、第1のモータジェネレータ20は、エンジン10を始動又は停止させるスタータモータとしての機能と、モータ軸21に連結されたオイルポンプ28を回転駆動させるモータとしての機能とを併せ持つ。
第1のモータジェネレータ20をスタータモータ、駆動モータ又はオイルポンプ28の駆動モータとして機能させる場合、インバータ70は、高圧バッテリ50から供給される直流電力を交流電力に変換し、第1のモータジェネレータ20を駆動する。また、第1のモータジェネレータ20を発電機として機能させる場合、インバータ70は、第1のモータジェネレータ20で発電された交流電力を直流電力に変換して高電圧バッテリ50に充電する。
上述のとおり、本実施形態にかかる駆動系1では、トルクコンバータではなく、第1の伝達クラッチ42により、クランクシャフト11とモータ軸21との間で動力の伝達が行われる。このため、第1のモータジェネレータ20を駆動モータとして機能させる場合に、第1のモータジェネレータ20とエンジン10とを完全に切り離すことにより、第1のモータジェネレータ20からの駆動力がエンジン10で消費されることがなく、第1のモータジェネレータ20の効率の低下を抑制することができる。
第1のモータジェネレータ20のモータ軸21には、ギヤ式のオイルポンプ28が連結されている。オイルポンプ28は、モータ軸21の回転により回転駆動され、CVT31及び各クラッチに向けて作動油を供給する。かかるオイルポンプ28は、第1のモータジェネレータ20により駆動される電動オイルポンプとして構成される。また、第1のモータジェネレータ20のモータ軸21は、第2の伝達クラッチ44を介して、CVT31のプライマリ軸34に連設されている。第2の伝達クラッチ44は、モータ軸21とプライマリ軸34との間を締結又は開放する。第2の伝達クラッチ44が締結状態にあるときに、モータ軸21とプライマリ軸34との間で動力を伝達することができる。
CVT31は、プライマリ軸34と、当該プライマリ軸34に平行に配設されたセカンダリ軸36とを有する。プライマリ軸34にはプライマリプーリ33が固定され、セカンダリ軸36にはセカンダリプーリ35が固定されている。プライマリプーリ33及びセカンダリプーリ35には、ベルト又はチェーンからなる巻き掛け式の駆動力伝達部材37が卷回されている。CVT31は、プライマリプーリ33及びセカンダリプーリ35上での駆動力伝達部材37の巻き掛け半径を変化させてプーリ比を変化させることにより、プライマリ軸34とセカンダリ軸36との間において、任意の変速比に変換した駆動力を伝達する。
セカンダリ軸36は、第3の伝達クラッチ46を介して、第2のモータジェネレータ24のモータ軸25に連設されている。第3の伝達クラッチ46は、セカンダリ軸36とモータ軸25との間を締結又は開放する。第3の伝達クラッチ46が締結状態にあるときに、セカンダリ軸36とモータ軸25との間で動力を伝達することができる。第2のモータジェネレータ24のモータ軸25は、図示しない減速ギヤ及び駆動軸を介して駆動輪80に連設され、モータ軸25を介して出力される駆動力が駆動輪80に伝達可能になっている。モータ軸25が、図示しないデファレンシャルギヤに接続され、駆動力が前輪及び後輪に分配されてもよい。
第2のモータジェネレータ24は、第1の伝達クラッチ42、第2の伝達クラッチ44及び第3の伝達クラッチ46を介してエンジン10に連設されている。第2のモータジェネレータ24は、第1のモータジェネレータ20と同様、三相交流式のモータであり、インバータ70を介して高電圧バッテリ50に接続されている。第2のモータジェネレータ24は、高電圧バッテリ50の電力を用いて駆動(力行駆動)されて車両の駆動力を生成する駆動モータとしての機能と、車両の減速時に回生駆動されて駆動輪80の運動エネルギを用いて発電する発電機としての機能とを有する。
第2のモータジェネレータ24を駆動モータとして機能させる場合、インバータ70は、高圧バッテリ50から供給される直流電力を交流電力に変換し、第2のモータジェネレータ24を駆動する。また、第2のモータジェネレータ24を発電機として機能させる場合、インバータ70は、第2のモータジェネレータ24で発電された交流電力を直流電力に変換して高電圧バッテリ50に充電する。第2のモータジェネレータ24の定格出力と第1のモータジェネレータ20の定格出力とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
インバータ70を介して第1のモータジェネレータ40及び第2のモータジェネレータ42に接続された高電圧バッテリ50には、DC/DCコンバータ55を介して低電圧バッテリ60が接続されている。高電圧バッテリ50は、例えば定格電圧が200Vの充放電可能なバッテリであり、低電圧バッテリ60は、例えば定格電圧が12Vの充放電可能なバッテリである。低電圧バッテリ60は、ハイブリッド車両のシステムの主電源として用いられる。DC/DCコンバータ55は、高電圧バッテリ50の直流電力の電圧を降圧させて、充電電力を低電圧バッテリ60に供給する。
エンジン10は、エンジン制御ユニット(エンジンECU)200により制御される。駆動力伝達装置30は、トランスミッション制御ユニット(トランスミッションECU)300により制御される。第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ24は、モータ制御ユニット(モータECU)400により制御される。これらのエンジンECU200、トランスミッションECU300、及び、モータECU400は、システム全体を統合的に制御するハイブリッド制御ユニット(ハイブリッドECU)100に接続されている。ハイブリッドECU100は、エンジンECU200、トランスミッションECU300、及び、モータECU400等を用いて、車両の走行制御又は減速制御、あるいは、高電圧バッテリ50の充電制御を行う。
それぞれのECUは、マイクロコンピュータをはじめとして各種インタフェース又は周辺機器等を備えて構成される。それぞれのECUは、例えばCAN(Controller Area Network)等の通信ラインを介して双方向通信可能に接続され、制御情報や制御対象に関連する各種の情報を相互に通信する。以下、それぞれのECUの機能の概略について説明する。
エンジンECU200は、ハイブリッドECU100からの制御指令を受け、エンジン10に備えられた各種センサにより検出される情報に基づいて、スロットル開度、点火時期、及び、燃料噴射量等の制御量を算出する。エンジンECU200は、算出された制御量に基づいてスロットル弁、点火プラグ、及び、燃料噴射弁等を駆動し、エンジン10の出力が制御指令値となるようにエンジン10を制御する。
モータECU400は、ハイブリッドECU100からの制御指令を受け、インバータ70を介して第1のモータジェネレータ20又は第2のモータジェネレータ24をそれぞれ制御する。モータECU400は、第1のモータジェネレータ20又は第2のモータジェネレータ24の回転数や電圧、電流等の情報に基づいてインバータ70に対して電流指令や電圧指令を出力し、第1のモータジェネレータ20又は第2のモータジェネレータ24の出力が制御指令値となるように、第1のモータジェネレータ20又は第2のモータジェネレータ24をそれぞれ制御する。
トランスミッションECU300は、ハイブリッドECU100からの制御指令を受けてCVT31の変速比を決定し、運転状態に応じた適切な変速比に制御する。トランスミッションECU300は、例えば、油圧を制御し、プーリ比を調節することにより、CVT31の変速比を制御する。また、トランスミッションECU300は、ハイブリッドECU100からの制御指令を受けて、第1の伝達クラッチ42、第2の伝達クラッチ44、及び、第3の伝達クラッチ46等の制御を行うことで、走行モードの切り替えを行う。トランスミッションECU300は、例えば、油圧を制御することにより、各クラッチの断接を制御する。
エンジン走行モードの場合、トランスミッションECU300は、第1の伝達クラッチ42、第2の伝達クラッチ44及び第3の伝達クラッチ46をすべて締結して、エンジン10からの駆動力をCVT31に伝達させる。そして、トランスミッションECU300は、CVT31においてエンジン10からの駆動力を所定の変速比に変換して、駆動輪80に伝達する。
シングルモータEV走行モードの場合、トランスミッションECU300は、第1の伝達クラッチ42、第2の伝達クラッチ44及び第3の伝達クラッチ46をすべて開放して、第2のモータジェネレータ24からの駆動力を駆動輪80に伝達する。あるいは、シングル走行モードの場合、トランスミッションECU300は、第2の伝達クラッチ44及び第3の伝達クラッチ46を締結して、第1のモータジェネレータ20からの駆動力を、CVT31及びモータ軸25を介して駆動輪80に伝達してもよい。
ツインモータEV走行モードの場合、トランスミッションECU300は、第2の伝達クラッチ44及び第3の伝達クラッチ46を締結して、第1のモータジェネレータ20からの駆動力をCVT31に伝達させる。そして、トランスミッションECU300は、CVT31を介して第1のモータジェネレータ20からの駆動力をモータ軸25に伝達させ、第2のモータジェネレータ24の駆動力と合わせて、駆動輪80に伝達する。なお、以下では、シングルモータEV走行モードとツインモータEV走行モードを総称してEV走行モードと称する。EV走行モードでは、エンジン10を停止することで燃費の向上を図ることができる。
ハイブリッド走行モードの場合、トランスミッションECU300は、第1の伝達クラッチ42、第2の伝達クラッチ44及び第3の伝達クラッチ46をすべて締結させる。エンジンECU200は、エンジン10を駆動させ、駆動力を駆動輪80に伝達させる。モータECU400は、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ24のうちの少なくとも一方を力行駆動させ、エンジン10による駆動輪80の駆動を補助する。そして、トランスミッションECU300は、CVT31に伝達されたトルクを所定の変速比で変換してモータ軸25に伝達させ、第2のモータジェネレータ24の出力トルクと合わせて、駆動輪80に伝達する。
さらに、トランスミッションECU300は、エンジン10を始動させる際に第1の伝達クラッチ42を締結させて、第1のモータジェネレータ20の駆動力によりエンジン10をクランキングさせてもよい。このとき、エンジン10と第1のモータジェネレータ20との差回転により車両の前後振動が発生しないように、トランスミッションECU300は、第1の伝達クラッチ42を締結させる前に、第2の伝達クラッチ44を開放させてもよい。
本実施形態にかかる駆動系1では、すべての走行モードにおいて、車両の減速時に、第2のモータジェネレータ24を回生駆動させることによって、回生ブレーキ力を発生させることができる。また、エンジン走行モード、ツインモータEV走行モード、及び、ハイブリッド走行モードにおいて、車両の減速時に、第1のモータジェネレータ20を回生駆動させることによって、回生ブレーキ力を発生させることができる。また、シングルモータEV走行モード、又は、ハイブリッド走行モードにおいて、エンジン10からの駆動力の一部又は全部により第1のモータジェネレータ20に発電させることができる。さらに、エンジン走行モードにおいて、エンジン10からの駆動力の一部により第1のモータジェネレータ20に発電させることができる。
このように、本実施形態にかかる駆動系1では、第1のモータジェネレータ20が、エンジン10のスタータモータとしての機能を有する。したがって、エンジン10の始動時又は停止時にしか使用されていなかった従来のスタータモータを省略することができる。また、第1のモータジェネレータ20は、オイルポンプ28と一体となって電動オイルポンプとしての機能を有する。したがって、エンジン10又は駆動輪80が停止し、ギヤ式のオイルポンプ15により作動油圧を生成できない場合にしか使用されていなかった従来の電動オイルポンプを省略することができる。
また、本実施形態にかかる駆動系1では、第1のモータジェネレータ20が、第2の伝達クラッチ44を介して、CVT31のプライマリプーリ33に連設されており、走行中において、第1のモータジェネレータ20を駆動モータとして機能させることができる。したがって、車両の動力性能を向上させることができる。さらに、エンジン10により車両の駆動力を発生させている間、エンジン10の出力に余剰のトルクがある場合には、第1のモータジェネレータ20を発電機として機能させることができる。したがって、車両の燃費性能を向上させることができる。
図2は、ハイブリッド車両の駆動系1の別の例を示す模式図である。図2に示す例では、第2のモータジェネレータ24の駆動軸がプライマリ軸34と連結されており、第2のモータジェネレータ24の駆動力は、CVT31を介して駆動輪80に伝達される。また、図2に示す例では、第3の伝達クラッチ46は設けられていない。その他の構成は、図1に示す構成と同様である。
図1に示す駆動系1では、第2のモータジェネレータ24をCVT31からも完全に切り離すことができるため、シングルモータEV走行モードの場合にCVT31の動作が不要となり、燃料消費及び電力消費を抑えた運転を行うことができる。一方、図2に示す駆動系1では、シングルモータEV走行モードでもCVT31による変速制御を行うことができるため、駆動力特性を重視した運転を行うことができる。
1.2.第1のモータジェネレータが故障した場合の制御
以上の構成において、EV走行モードからエンジン走行モードへ遷移する場合など、走行中にエンジン10の再始動が行われる場合がある。エンジン再始動時は、第2の伝達クラッチ44を解放状態として第1のモータジェネレータ20によるエンジン再始動を行い、エンジン再始動から第2の伝達クラッチ44を締結するまでの間、走行に必要な駆動力を第2のモータジェネレータ24で賄う。一方、第1のモータジェネレータ20が故障した際には、エンジン10を再始動することができず、EV走行モードで走行することになる。この場合、走行に応じて高電圧バッテリ50のSOC(State of Charge)が低下し、SOCが所定値よりも低くなると車両走行が出来なくなる。
このように、EV走行モードでは第2の伝達クラッチ44を切り離して第2のモータジェネレータ24で走行を行うが、第1のモータジェネレータ20が故障すると、エンジン10を再始動するためのデバイスが無くなるため、エンジンを再始動することが出来なくなる。
このため、本実施形態では、EV走行モードで走行中に第1のモータジェネレータ20が故障した場合、図1に示す構成例では、第1の伝達クラッチ42、第2の伝達クラッチ44及び第3の伝達クラッチ46を締結する。なお、また、図2に示す構成例では、第1の伝達クラッチ42及び第2の伝達クラッチ44を締結する。これにより、駆動輪80の回転による駆動力が、セカンダリ軸36、駆動力伝達部材37、プライマリ軸34を介してモータ軸21に伝達され、更にクランクシャフト11に伝達されることによって、エンジン10が回転する。これにより、駆動輪80の回転による駆動力によってエンジン10の回転数を上昇させることができ、エンジン10を再始動することができる。具体的には、駆動輪80の駆動力によりクランクシャフト11が回転し、回転数がある程度まで上昇すると、エンジン10の筒内に向けて噴射された燃料に点火が行われ、エンジン10が始動する。
一方、駆動輪80の回転による駆動力によってエンジン10を再始動すると、駆動輪80の回転による駆動力がエンジン10の再始動のために使われるため、駆動力損失が発生し、ドライバーの要求に応じて定まる車両を走行させるための走行駆動力に過不足が生じる。例えば、アクセルオン時にエンジン再始動を行うと、アクセル開度と車両速度に応じて求まる走行駆動力に対し、再始動による駆動力損失が生じるため、車両の加速が鈍り、ドライバビリティが低下する。また、アクセルオフ時(回生制御時)にエンジン再始動を行うと、回生時の走行駆動力に対してエンジン再始動による駆動力損失分が重畳されて、想定よりも大きな減速が行われてしまう場合がある。
本実施形態では、駆動輪80の回転による駆動力によってエンジン10を再始動した際に、走行駆動力に対する駆動力損失分による過不足を第2のモータジェネレータ24の駆動によって補う。このため、アクセル開度と車速に基づいて、ドライバーが要求する走行駆動力を算出する。また、車両速度とエンジン水温等に基づいて、エンジン再始動に必要な駆動力(再始動駆動力)を算出する。そして、走行駆動力とエンジン再始動に必要な駆動力との差分を第2のモータジェネレータ24への要求駆動力(調整駆動力)とし、第2のモータジェネレータ24を駆動する。
図3は、アクセルオン時にエンジン再始動を行う場合を示す模式図である。図3に示すように、駆動輪80の回転による駆動力は、第3の伝達クラッチ46、第2の伝達クラッチ44、第1の伝達クラッチ42を締結することでクランクシャフト11に伝達され、エンジン再始動が行われる。また、インバータ70から第2のモータジェネレータ24に電力が供給され、エンジン再始動によるエンジン回転数上昇に伴い、第2のモータジェネレータ24による調整駆動力を発生させ、エンジン再始動による駆動力損失分が第2のモータジェネレータ24の調整駆動力によって補われる。
図4は、アクセルオフ時にエンジン再始動を行う場合を示す模式図である。図4に示すように、駆動輪80の回転による駆動力は、第3の伝達クラッチ46、第2の伝達クラッチ44、第1の伝達クラッチ42を締結することでクランクシャフト11に伝達され、エンジン再始動が行われる。また、駆動輪80の回転による駆動力によって第2のモータジェネレータ24が駆動され、回生制動により発生した電力がインバータ70に送られる。アクセルオフ時(減速時)の場合は、駆動輪80の回転による駆動力でエンジン10の回転数が上昇し、エンジン10を回転させるためのフリクションで車両を制動して減速することができる。減速の目標となる走行駆動力に対し、エンジン10を回転させるためのフリクションによる制動力では不足が生じる場合は、不足分を第2のモータジェネレータ24の回生で補う。このように、減速時はエンジン再始動によるエンジン回転数の上昇分の減速度と、第2のモータジェネレータ24の回生制動による減速度でエンジンを再始動しながら車両が減速する。この際、エンジン回転数の上昇分による減速度が走行駆動力に応じた減速度よりも大きければ、第2のモータジェネレータ24の駆動力で車両加速方向の駆動力を発生させ、走行駆動力に対応する駆動力を補うことも可能である。
これにより、アクセルオン時、アクセルオフ時のいずれにおいても、走行もしくは減速に必要な走行駆動力に対して、エンジン再始動による駆動力損失分を第2のモータジェネレータ24の駆動力で補うことが可能となる。
従って、本実施形態によれば、第1のモータジェネレータ20が故障した場合に、駆動輪80の回転による駆動力で確実にエンジン再始動を行うことができ、エンジン走行モード(又はハイブリッド走行モード)で走行可能な状態に復帰することが可能である。また、エンジン再始動の際に、エンジン10を再始動するために駆動力損失が発生するが、駆動力損失分を第2のモータジェネレータ24の駆動力で補うことで、ドライバビリティが低下することを確実に抑止できる。
1.3.本実施形態の処理フロー
図5は、本実施形態の処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS10では、アクセル開度、車両速度にもとづいて、ドライバーの要求に応じた車両の走行駆動力(1)を算出する。次のステップS12では、車両速度、エンジン水温等に基づいて、エンジン再始動に必要な再始動駆動力(2)を算出する。次のステップS14では、現在の走行モードがEV走行モードであるか否かを判定し、EV走行モードの場合はステップS16へ進む。
ステップS16では、第1のモータジェネレータ20が故障しているか否かを判定し、第1のモータジェネレータ20が故障している場合はステップS18へ進む。ステップS18では、第3の伝達クラッチ46、第2の伝達クラッチ44、第1の伝達クラッチ42を締結する。これにより、駆動輪80の回転による駆動力でクランクシャフト11が回転し、エンジン10が再始動する。
次のステップS20では、第2のモータジェネレータ24の駆動力を、ステップS10で求めた走行駆動力(1)からステップS12で求めた再始動駆動力(2)を減算して得られる値とする。これにより、エンジン再始動に伴う駆動力損失が、第2のモータジェネレータ24の駆動力によって補われる。
また、ステップS14でEV走行モードでない場合はステップS22へ進む。この場合、エンジン走行モードまたはハイブリッド走行モードで車両が運転されており、エンジン10の駆動力が使われているため、第1のモータジェネレータ20は正常である。ステップS22において、エンジン10の再始動を行う場合は、第1のモータジェネレータ20の駆動力でエンジン10を再始動し、エンジン再始動中は第2のモータジェネレータ24の駆動力で車両を走行させるため、第2のモータジェネレータ24の駆動力をステップS10で求めた走行駆動力(1)とする。
また、ステップS16で第1のモータジェネレータ20が故障していない場合は、ステップS24へ進む。ステップS24では、第1のモータジェネレータ20と第2のモータジェネレータ24の駆動力を決定する。具体的には、シングルモータEV走行モードの場合、第2のモータジェネレータ24で車両を走行させるため、第2のモータジェネレータ24の駆動力をステップS10で求めた走行駆動力(1)とする。また、ツインモータEV走行モードの場合、第1のモータジェネレータ20と第2のモータジェネレータ24の駆動力分配結果に応じて、ステップS10で求めた走行駆動力(1)を第1のモータジェネレータ20と第2のモータジェネレータ24の駆動力で分配する。
以上のようにして第1のモータジェネレータ20が故障している場合であっても、エンジン10を再始動することができる。これにより、エンジンを再始動できずにEVモードで走行した場合に発生するSOCの低下を抑えることが可能となり、第1のモータジェネレータ20が故障している場合であっても、エンジン10の駆動力により車両を走行させることが可能となる。
1.4.ハイブリッドECUの構成例
図6は、図5の処理を実行するためのハイブリッドECU100の構成を示す模式図である。図6に示すように、ハイブリッドECU100は、走行駆動力取得部102、故障判定部104、再始動制御部106、再始動駆動力取得部108、調整駆動力制御部110、モード判定部112を有して構成されている。走行駆動力取得部102は、図5のステップS10において、ドライバーの要求に応じた走行駆動力を取得する。故障判定部104は、図5のステップS16において、第1のモータジェネレータ20が故障しているか否かを判定する。再始動制御部106は、図5のステップS18において、第1のモータジェネレータ20が故障した場合に、駆動力伝達部30を制御して車輪からの駆動力をエンジン10に伝達してエンジンを再始動する。再始動駆動力取得部108は、図5のステップS12において、エンジン10の再始動に必要な再始動駆動力を取得する。調整駆動力制御部110は、図5のステップS20において、走行駆動力と再始動駆動力との差分に相当する調整駆動力を発生させるように第2のモータジェネレータ24を制御する。モード判定部112は、図5のステップS14において、EV走行モードであるか否かを判定する。
なお、図6に示す各構成要素の1又は複数は、エンジンECU200、トランスミッションECU300、又はモータECU400に設けられていても良い。
第1のモータジェネレータ20が故障している状態でエンジン10を再始動してエンジン走行モードにより走行した場合に、車両を停止してイグニッションキーをオフにすると、エンジン10、第1のモータジェネレータ20、第2のモータジェネレータ24が停止する。その後、イグニッションキーをオンにした際には、第1のモータジェネレータ20が故障しているため、エンジン10を再始動することはできないが、シングルモータEV走行モードにより第2のモータジェネレータ24の駆動力で車両を走行させることができる。この際、図2に示した構成では、シングルモータEV走行モードでは第2の伝達クラッチ44を開放することによりオイルポンプ28を駆動できないため、オイルポンプ28によりCVT31にオイルを供給することはできない。このため、電動オイルポンプ(EOP)を別途設け、電動オイルポンプによりCVT31にオイルを供給することが望ましい。図1に示す構成の場合は、第3の伝達クラッチ46を開放することでCVT31の動作が不要となるため、イグニッションキーをオフにした後、再度オンにして走行を開始する場合も、電動オイルポンプを別途設けることなく、シングルモータEV走行モードにより走行が可能である。
以上説明したように第1の実施形態によれば、第1のモータジェネレータ20が故障した場合に、駆動輪80の回転による駆動力で確実にエンジン再始動を行うことができ、エンジン10の駆動力により走行可能な状態に復帰することが可能である。また、エンジン再始動の際に、エンジン10を再始動するために駆動力損失が発生するが、駆動力損失分を第2のモータジェネレータ24の駆動力で補うことで、ドライバビリティが低下することを確実に抑止できる。
2.第2の実施形態
2.1.第1のモータジェネレータが故障した場合の制御
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第2のモータジェネレータ24が故障した場合に関する。第1の実施形態で説明したように、EV走行モードからエンジン走行モードへ遷移する場合など、走行中にエンジン10の再始動が行われる場合がある。エンジン再始動時は、第2の伝達クラッチ44を解放状態として第1のモータジェネレータ20によるエンジン再始動を行い、エンジン再始動から第2の伝達クラッチ44を締結するまでの間、走行に必要な駆動力を第2のモータジェネレータ24で賄う。一方、第2のモータジェネレータ24が故障した際には、走行に必要な駆動力を確保することができず、エンジン再始動の際に駆動力が低下する。
このように、EV走行モードでは第2の伝達クラッチ44を切り離して第2のモータジェネレータ24で走行を行うが、第2のモータジェネレータ24が故障すると、エンジン10の再始動を開始してからエンジン10が駆動力を出力可能な状態になるまでにはある程度に時間がかかるかめ、その間、車両走行のための駆動力が低下し、いわゆる駆動力抜けが発生する。
このため、本実施形態では、EV走行モードで走行中に第2のモータジェネレータ20が故障した場合、図1に示す構成例では、第1の伝達クラッチ42、第2の伝達クラッチ44及び第3の伝達クラッチ46を締結する。なお、また、図2に示す構成例では、第1の伝達クラッチ42及び第2の伝達クラッチ44を締結する。これにより、駆動輪80の回転による駆動力が、セカンダリ軸36、駆動力伝達部材37、プライマリ軸34を介してモータ軸21に伝達され、更にクランクシャフト11に伝達されることによって、エンジン10が回転する。これにより、駆動輪80の回転による駆動力によってエンジン10の回転数を上昇させることができ、エンジン10を再始動することができる。具体的には、駆動輪80の駆動力によりクランクシャフト11が回転し、回転数がある程度まで上昇すると、エンジン10の筒内に向けて噴射された燃料に点火が行われ、エンジン10が始動する。
一方、駆動輪80の回転による駆動力によってエンジン10を再始動すると、駆動輪80の回転による駆動力がエンジン10の再始動のために使われるため、駆動力損失が発生し、ドライバーの要求に応じて定まる車両を走行させるための走行駆動力に過不足が生じる。例えば、アクセルオン時にエンジン再始動を行うと、アクセル開度と車両速度に応じて求まる走行駆動力に対し、再始動による駆動力損失が生じるため、車両の加速が鈍り、ドライバビリティが低下する。また、アクセルオフ時(回生制御時)にエンジン再始動を行うと、回生時の走行駆動力に対してエンジン再始動による駆動力損失分が重畳されて、想定よりも大きな減速が行われてしまう場合がある。
本実施形態では、駆動輪80の回転による駆動力によってエンジン10を再始動した際に、走行駆動力に対する駆動力損失分による過不足を第1のモータジェネレータ20の駆動によって補う。このため、アクセル開度と車速に基づいて、ドライバーが要求する走行駆動力を算出する。また、車両速度とエンジン水温等に基づいて、エンジン再始動に必要な駆動力(再始動駆動力)を算出する。そして、走行駆動力とエンジン再始動に必要な駆動力との差分を第1のモータジェネレータ20への要求駆動力(調整駆動力)とし、第1のモータジェネレータ20を駆動する。
図7は、アクセルオン時にエンジン再始動を行う場合を示す模式図である。図7に示すように、駆動輪80の回転による駆動力は、第3の伝達クラッチ46、第2の伝達クラッチ44、第1の伝達クラッチ42を締結することでクランクシャフト11に伝達され、エンジン再始動が行われる。また、インバータ70から第1のモータジェネレータ20に電力が供給され、エンジン再始動によるエンジン回転数上昇に伴い、第1のモータジェネレータ20による調整駆動力を発生させ、エンジン再始動による駆動力損失分が第1のモータジェネレータ20の調整駆動力によって補われる。
図8は、アクセルオフ時にエンジン再始動を行う場合を示す模式図である。図8に示すように、駆動輪80の回転による駆動力は、第3の伝達クラッチ46、第2の伝達クラッチ44、第1の伝達クラッチ42を締結することでクランクシャフト11に伝達され、エンジン再始動が行われる。また、駆動輪80の回転による駆動力によって第1のモータジェネレータ20が駆動され、回生制動により発生した電力がインバータ70に送られる。アクセルオフ時(減速時)の場合は、駆動輪80の回転による駆動力でエンジン10の回転数が上昇し、エンジン10を回転させるためのフリクション車両を制動して減速することができるが、制動の不足分を第1のモータジェネレータ20の回生で補う。このように、減速時はエンジン再始動によるエンジン回転数の上昇分の減速度と、第1のモータジェネレータ20の回生制動による減速度でエンジンを再始動しながら車両が減速する。この際、エンジン回転数の上昇分による減速度が走行駆動力に応じた減速度よりも大きければ、第1のモータジェネレータ20の駆動力で車両加速方向の駆動力を発生させ、走行駆動力に対応する駆動力を補うことも可能である。
これにより、アクセルオン時、アクセルオフ時のいずれにおいても、走行もしくは減速に必要な走行駆動力に対して、エンジン再始動による駆動力損失分を第2のモータジェネレータ24の駆動力で補うことが可能となる。
なお、第1のモータジェネレータ20は故障していないため、第1のモータジェネレータ20の駆動力でエンジン再始動を行うことも考えられるが、第2のモータジェネレータ24が故障している状態では、車両を走行する駆動力は第1のモータジェネレータ20からしか発生させることができない。このため、第1のモータジェネレータ20の駆動力でエンジン再始動を行うと、車両を走行する駆動力が低下し、車両走行のための駆動トルクが低下してしまい、いわゆる駆動力抜けが発生する。本実施形態では、駆動輪80の回転による駆動力でエンジン再始動を行い、損失分を第1のモータジェネレータ20の駆動力で補填するため、車両走行のための駆動トルクに抜けが生じてしまうことがなく、ドライバビリティの低下を確実に抑止できる。
従って、本実施形態によれば、第2のモータジェネレータ24が故障した場合に、駆動輪80の回転による駆動力で確実にエンジン再始動を行うことができ、エンジン走行モード(又はハイブリッド走行モード)で走行可能な状態に復帰することが可能である。また、エンジン再始動の際に、エンジン10を再始動するために駆動力損失が発生するが、駆動力損失分を第1のモータジェネレータ20の駆動力で補うことで、駆動力の低下を抑止することができ、ドライバビリティが低下することを確実に抑止できる。
2.2.本実施形態の処理フロー
図9は、本実施形態の処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS30では、アクセル開度、車両速度にもとづいて、ドライバーの要求に応じた車両の走行駆動力(1)を算出する。次のステップS32では、車両速度、エンジン水温等に基づいて、エンジン再始動に必要な再始動駆動力(2)を算出する。次のステップS34では、現在の走行モードがEV走行モードであるか否かを判定し、EV走行モードの場合はステップS36へ進む。
ステップS36では、第2のモータジェネレータ24が故障しているか否かを判定し、第2のモータジェネレータ24が故障している場合はステップS18へ進む。ステップS38では、第3の伝達クラッチ46、第2の伝達クラッチ44、第1の伝達クラッチ42を締結する。これにより、駆動輪80の回転による駆動力でクランクシャフト11が回転し、エンジン10が再始動する。
次のステップS40では、第1のモータジェネレータ20の駆動力を、ステップS30で求めた走行駆動力(1)からステップS12で求めた再始動駆動力(2)を減算して得られる値とする。これにより、エンジン再始動に伴う駆動力損失が、第1のモータジェネレータ20の駆動力によって補われる。
また、ステップS34でEV走行モードでない場合はステップS42へ進む。この場合、エンジン走行モードまたはハイブリッド走行モードで車両が運転されており、エンジン10の再始動を行う場合は、第1のモータジェネレータ20の駆動力でエンジン10を再始動する。このため、ステップS42では、第1のモータジェネレータ20の駆動力をステップS12で求めた再始動駆動力とする。
また、ステップS36で第2のモータジェネレータ24が故障していない場合は、ステップS44へ進む。ステップS44では、第1のモータジェネレータ20と第2のモータジェネレータ24の駆動力を決定する。具体的には、シングルモータEV走行モードの場合、第2のモータジェネレータ24で車両を走行させるため、第2のモータジェネレータ24の駆動力をステップS30で求めた走行駆動力(1)とする。また、ツインモータEV走行モードの場合、第1のモータジェネレータ20と第2のモータジェネレータ24の駆動力分配結果に応じて、ステップS30で求めた走行駆動力(1)を第1のモータジェネレータ20と第2のモータジェネレータ24の駆動力で分配する。
以上のようにして第2のモータジェネレータ24が故障している場合であっても、エンジン10を再始動することができる。これにより、エンジン10を再始動できずにEVモードで走行した場合に発生するSOCの低下を抑えることが可能となり、第2のモータジェネレータ24が故障している場合であっても、エンジン10の駆動力により車両を走行させることが可能となる。また、エンジン10を再始動する際の駆動力低下を第1のモータジェネレータ20の駆動力で補うことができるため、再始動時に車両を走行させるための駆動力が低下してしまうことを抑止できる。
2.3.ハイブリッドECUの構成例
図9の処理を実行するためのハイブリッドECU100の基本的な構成は、図6と同様である。但し、故障判定部104は、図9のステップS36において、第2のモータジェネレータ24が故障しているか否かを判定し、再始動駆動力取得部108は、図9のステップS38において、第2のモータジェネレータ24が故障した場合に、駆動力伝達部30を制御して車輪からの駆動力をエンジン10に伝達してエンジンを再始動する。また、調整駆動力制御部110は、図9のステップS40において、走行駆動力と再始動駆動力との差分に相当する調整駆動力を発生させるように第2のモータジェネレータ24を制御する。
第2のモータジェネレータ24が故障している状態でエンジン10を再始動してエンジン走行モードにより走行した場合に、車両を停止してイグニッションキーをオフにすると、エンジン10、第1のモータジェネレータ20、第2のモータジェネレータ24が停止する。その後、イグニッションキーをオンにした際には、第1のモータジェネレータ20でエンジン10を始動することはできる。従って、エンジン始動後は、エンジン走行モードで車両を走行させることができる。この際、第1のモータジェネレータ20の駆動力によってオイルポンプ28が駆動され、CVT31にオイルが供給される
以上説明したように第2の実施形態によれば、第2のモータジェネレータ24が故障した場合に、駆動輪80の回転による駆動力で確実にエンジン再始動を行うことができ、エンジン10の駆動力により走行可能な状態に復帰することが可能である。また、エンジン再始動の際に、エンジン10を再始動するために駆動力損失が発生するが、駆動力損失分を第1のモータジェネレータ20の駆動力で補うことで、ドライバビリティが低下することを確実に抑止できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 エンジン
20 第1のモータジェネレータ
24 第2のモータジェネレータ
30 駆動力伝達装置
31 CVT
34 プライマリ軸
36 セカンダリ軸
42 第1の伝達クラッチ
44 第2の伝達クラッチ
46 第3の伝達クラッチ
80 駆動輪
100 ハイブリッドECU
102 走行駆動力取得部
104 故障判定部
106 再始動制御部
108 再始動駆動力取得部
110 調整駆動力制御部
112 モード判定部

Claims (3)

  1. 車両を走行させる駆動力を発生するエンジンと、
    車両を走行させる駆動力を発生する第1のモータジェネレータと、
    車両を走行させる駆動力を発生する第2のモータジェネレータと、
    前記第1のモータジェネレータ及び前記第2のモータジェネレータのいずれか一方が故障した場合に、車輪からの駆動力を前記エンジンに伝達して前記エンジンを再始動する駆動力伝達部と、を備え、
    前記第1のモータジェネレータ及び前記第2のモータジェネレータのいずれか一方が故障した場合に、前記第1のモータジェネレータ及び前記第2のモータジェネレータのいずれか他方は、ドライバーの要求に応じた走行駆動力と前記エンジンの再始動のための再始動駆動力との差分に相当する調整駆動力を発生し、
    前記駆動力伝達部は、
    前記エンジンの駆動軸と前記第1のモータジェネレータの駆動軸とを結合する第1のクラッチと、
    前記第1のモータジェネレータの駆動軸を無段変速機のプライマリ軸に連結する第2のクラッチと、
    前記無段変速機のセカンダリ軸と前記第2のモータジェネレータの駆動軸を結合する第3のクラッチと、を備え、
    前記第2のモータジェネレータの駆動軸が車輪に連結され、
    シングルモータEV走行モードにおいて、前記第1のクラッチ、前記第2のクラッチ及び前記第3のクラッチが開放され、前記第2のモータジェネレータの駆動力が車輪に伝達されることを特徴とする、ハイブリッド車両システム。
  2. 前記第1のモータジェネレータは、故障していない状態では、通常運転時に前記エンジンを始動する際に前記エンジンを始動するための駆動力を発生させ、
    前記駆動力伝達部は、前記第1のモータジェネレータが故障した場合に車輪からの駆動力を前記エンジンに伝達して前記エンジンを再始動し、
    前記第2のモータジェネレータは、前記調整駆動力を発生することを特徴とする、請求項1に記載のハイブリッド車両システム。
  3. 前記第1のモータジェネレータは、故障していない状態では、運転状態に応じて前記エンジンの駆動力により発電を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載のハイブリット車両システム。
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