JP2014082890A - 車両用制動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな部品を設けることなく、ブレーキペダル操作時における回生制動手段の回生制動力をそのブレーキペダルの操作量に適合させる。
【解決手段】本発明の車両用制動装置は、電動発電機13の発電負荷に応じた回生制動力によって車両1を制動する回生制動手段と、ブレーキペダル51の操作量に対応する回生マップ23を有し、回生マップ23に表された回生制御ライン23aに沿って回生制動手段を制御する回生制動制御手段とを備える。ブレーキペダル51の操作量と車速との関係を示す標準ライン24aが示された操作マップ24を有し、車速に対するブレーキペダル51の実際の操作量が標準ライン24aに沿うように回生マップ23に表された回生制御ライン23aを変更するライン変更手段を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電動発電機の発電負荷に応じた回生制動力によって車両を制動する回生制動手段を備える車両用制動装置に関するものである。
従来、自動車に搭載される車両用制動装置として、車軸に固定されるディスクロータ等に対して摩擦制動力を作用させるようにした油圧ブレーキシステムがある。この摩擦制動手段である油圧ブレーキシステムは、ブレーキペダルに連動してブレーキ液圧を出力するマスタシリンダを備えており、運転者のブレーキペダルの操作量に応じた摩擦制動力を得ることが可能となっている。
また、駆動源として電動発電機を備える電気自動車やハイブリッド車両にあっては、運動エネルギを熱エネルギに変換して放出するようにした摩擦制動手段だけでなく、電動発電機を発電駆動させて運動エネルギを電気エネルギに変換して回収するようにした回生制動手段が設けられる。このような回生制動手段を用いて電気エネルギを回収することにより、電気自動車にあってはエネルギ効率を向上させて航続距離を延ばすことが可能となり、ハイブリッド車両にあってはエネルギ効率を向上させて燃料消費量を抑制することが可能となる。
この回生制動手段を備える電気自動車やハイブリッド車両にあっては、運転者によるブレーキペダルの操作によって生じる摩擦制動力に加えて、電動発電機の発電負荷に応じた回生制動力が発生する。このため、ブレーキペダルの操作量に比べて大きな制動力が作用することになり、ブレーキペダルを操作する運転者に対して違和感を与えてしまうおそれがある。よって、このような回生制動手段を備える車両用制動装置では、この回生制動手段と従来から設けられている摩擦制動手段とを協調させる必要があり、その協調の手段として、ブレーキペダルとマスタシリンダとの間にストローク制御機構を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このストローク制御機構を備えた車両用制動装置では、そのストローク制御機構を回生制動力に基づき制御することにより摩擦制動力を最適化させ、ブレーキペダルを操作する運転者に対して違和感を与えないとしている。
特開2007−22105号公報
しかし、ストローク制御機構を備えた上記従来の車両用制動装置では、ブレーキペダルとマスタシリンダとの間にストローク制御機構を設ける構造であるため、新たな部品の装着を招き、部品点数の増加とその管理負担の増加から低コスト化を達成することが困難であった。
本発明の目的は、新たな部品を設けることなく、ブレーキペダル操作時における回生制動手段の回生制動力をそのブレーキペダルの操作量に適合させて、運転者のブレーキペダルの操作性を最適化させ得る車両用制動装置を提供することにある。
本発明は、電動発電機の発電負荷に応じた回生制動力によって車両を制動する回生制動手段と、ブレーキペダルの操作量に対応する回生マップを有し、回生マップに表された回生制御ラインに沿って回生制動手段を制御する回生制動制御手段とを備える車両用制動装置の改良である。
その特徴ある点は、ブレーキペダルの操作量と車速との関係を示す標準ラインが示された操作マップを有し、車速に対するブレーキペダルの実際の操作量が標準ラインに沿うように回生マップに表された回生制御ラインを変更するライン変更手段を備えたところにある。
この場合、ブレーキペダルが操作された時の実際の操作量と車速を操作マップ上に記憶する記憶手段を備え、ライン変更手段は、記憶手段により記憶されたブレーキペダルの実際の操作量と車速の標準ラインに対する位置関係に基づいて回生マップに表された回生制御ラインを変更することが好ましい。
本発明の車両用制動装置では、車速に対するブレーキペダルの実際の操作量が標準ラインに沿うように回生マップの回生制御ラインを変更するライン変更手段を備えるので、ライン変更手段が回生マップの回生制御ラインを変更すると、ブレーキペダルの操作量に対する回生制動力が変更されることになる。一方、回生マップの回生制御ラインが変更されてブレーキペダルの実際の操作量が標準ラインに沿うようになると、ブレーキペダルの実際の操作量は通常の運転者が操作するであろう操作量となり、その操作量は最適化される。このため、ストローク制御機構を備える従来の車両用制動装置と異なり、新たな部品を設けることなく、運転者のブレーキペダルの操作性は最適化されることになる。この結果、部品点数の増加に起因する管理負担の増加は回避され、低コスト化を達成することが可能になる。
本発明実施形態の車両用制動装置を有するハイブリッド車両のブロック構成図である。 その回生制御ラインが示された回生マップを示す図である。 その標準ラインが示された操作マップを示す図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の車両用制動装置を備えるハイブリッド車両1の構成の例を示すブロック図である。このハイブリッド車両1は、半自動トランスミッションの変速機を介したエンジン10及び電動発電機13のいずれか一方又は双方によって駆動され、減速時には、電動発電機13の回生トルクによってエンジン10のエンジンブレーキのような制動力(回生制動力)を発生させることができるものである。
即ち、このハイブリッド車両1は、エンジン10、エンジンECU(Electronic Control Unit)11、クラッチ12、電動発電機13、インバータ14、バッテリ15、トランスミッション16、電動発電機ECU17、ハイブリッドECU18を有する。なお、トランスミッション16は、上述したように、半自動のものであって、マニュアルトランスミッションと同じ構成を有しながら変速操作を自動的に行うことができるものである。
エンジン10は、内燃機関の一例であり、エンジンECU11によって制御され、ガソリン、軽油、CNG(Compressed Natural Gas)、LPG(Liquefied Petroleum Gas)、又は代替燃料等を内部で燃焼させて、軸を回転させる動力を発生させ、発生した動力をクラッチ12に伝達するように構成される。このエンジン10を制御するエンジンECU11は、ハイブリッドECU18からの指示に従うことにより、電動発電機ECU17と連携動作するコンピュータであり、燃料噴射量やバルブタイミングなど、エンジン10を制御する。例えば、エンジンECU11は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、内部に、演算部、メモリ、及びI/O(Input/Output)ポートなどを有する。
クラッチ12は、クラッチアクチュエータ21により制御される油圧に従って、クラッチブースタ22により機械的に制御されるものを例示する。クラッチアクチュエータ21はハイブリッドECU18からの電気信号により制御される。クラッチ12は、エンジン10からの軸出力を、電動発電機13及びトランスミッション16を介してドライブシャフト19に伝達し、ドライブシャフト19の回転により車輪20を回転させて、車両10を走行させるように構成される。即ち、クラッチ12は、ハイブリッドECU18の制御によって、エンジン10の回転軸と電動発電機13の回転軸とを機械的に接続することにより、エンジン10の軸出力を電動発電機13に伝達したり、又は、エンジン10の回転軸と電動発電機13の回転軸との機械的な接続を切断することにより、エンジン10の軸と、電動発電機13の回転軸とが互いに異なる回転速度で回転できるようにする。
電動発電機13は、いわゆる、モータジェネレータであり、インバータ14から供給された電力により、軸を回転させる動力を発生させて、その軸出力をトランスミッション16に供給するか、又はトランスミッション16から供給された軸を回転させる動力によって発電し、その電力をインバータ14に供給するものである。
インバータ14は、電動発電機ECU17によって制御され、バッテリ15からの直流電力を交流電力に変換するか、又は電動発電機13からの交流電力を直流電力に変換するものである。電動発電機13が動力を発生させる場合、インバータ14は、バッテリ15の直流電力を交流電力に変換して、電動発電機13に電力を供給し、電動発電機13が発電する場合、インバータ14は、電動発電機13からの交流電力を直流電力に変換するように構成される。即ち、インバータ14は、バッテリ15に直流電力を供給するための整流器及び電圧調整装置としての役割を果たすものである。
バッテリ15は、充放電可能な二次電池であり、電動発電機13が動力を発生させるとき、電動発電機13にインバータ14を介して電力を供給するか、又は電動発電機13が発電しているとき、電動発電機13が発電する電力によって充電されるものである。
電動発電機ECU17は、ハイブリッドECU18からの指示に従うことにより、エンジンECU11と連携動作するコンピュータであり、インバータ14を制御することによって電動発電機13を制御するように構成される。そして、この電動発電機ECU17は、例えば、CPU、ASIC、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSPなどにより構成され、内部に、演算部、メモリ、及びI/Oポートなどを有するものが使用される。
ハイブリッドECU18は、コンピュータの一例であり、CPU、ASIC、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSPなどにより構成され、内部に、演算部、メモリ、及びI/Oポートなどを有するものが使用される。このハイブリッドECU18、エンジンECU11及び電動発電機ECU17は、CAN(Control Area Network)などの規格に準拠したバスなどにより相互に接続される。
ハイブリッドECU18は、アクセル開度情報、車速情報、及びトランスミッション16から取得したギア位置情報、エンジンECU11から取得したエンジン回転速度情報を取得して、これを参照して、エンジン10もしくは電動発電機13、又はエンジン10と電動発電機13とが協働して走行させるパラレル走行と、エンジン10により電動発電機13を駆動して発電させながら走行する発電走行をとるように構成される。このパラレル走行にあって、ハイブリッドECU18は、取得したアクセル開度情報やその他の情報に基づき電動発電機ECU17に対して電動発電機13及びインバータ14の制御指示を与え、エンジンECU11に対してエンジン10の制御指示を与えるように構成される。
このハイブリッド車両1には、走行状態の車両1を減速させるための摩擦制動手段が設けられる。この実施の形態における摩擦制動手段は、油圧により車両を制動させる油圧ブレーキシステム50である。そして、この油圧ブレーキシステム50は、運転者がブレーキペダル51を踏み込むという操作量に応じてブレーキ液圧を発生させる液圧発生機構としてのマスタシリンダ52と、ブレーキ液圧によって図示しないブレーキパッドを、車輪20を支持する車軸20bにその車輪20と同軸になるように設けられてその車輪20とともに回転するディスクロータ20aに押圧するキャリパ53とを備える。
このキャリパ53とマスタシリンダ52とは圧力配管54を介して接続されており、この圧力配管54を介して供給されるブレーキ液圧によってキャリパ53では図示しないブレーキパッドを回転するディスクロータ20aに押圧することによる摩擦制動力が生じ、車両1を減速させるようになっている。また、マスタシリンダ52にはバキューム圧や油圧によって作動する倍力機構55が取り付けられており、運転者によるブレーキペダル51の踏み込み力は倍力機構55を介して増幅されるようになっている。
また、このハイブリッド車両1には、本発明の車両用制動装置を構成する回生制動手段と、この回生制動手段を制御する回生制動制御手段を備える。回生制動手段は、電動発電機13の発電負荷に応じた回生制動力によって車両1を制動するものであり、この実施の形態では、電動発電機13を制御する上述したインバータ14と、そのインバータ14を制御する電動発電機制御ECU17等から構成される。回生制動手段を制御する回生制動制御手段は、ブレーキペダル51の操作量に対応する回生マップ23を有し、その回生マップ23に表された回生制御ライン23aに沿って回生制動手段を制御するものである。このため、このハイブリッド車両1には、ブレーキペダル51の操作量を検出するブレーキセンサ56が設けられ、このブレーキセンサ56の検出出力は上述したハイブリッドECU18に入力される。そして、このブレーキセンサ56やハイブリッドECU18は、回生制動手段を制御する回生制動制御手段を構成するものとなる。
ハイブリッドECU18にはメモリ18aが設けられ、このメモリ18aにはハイブリッドECU18によって実行されるプログラムや、ブレーキペダル51の操作量に対応する複数の回生マップ23が予め記憶される。ハイブリッドECU18には、上述したブレーキセンサ56から入力されるブレーキペダル51の踏み込み操作情報等から、油圧ブレーキシステム50によりハイブリッド車両1が減速状態である時には、電動発電機ECU17に対して電動発電機13及びインバータ14の制御指示を与え、その減速時における運動エネルギにより電動発電機13を発電させて、その電気エネルギをバッテリ15に充電して回収するように構成される。
そして、発電している状態の電動発電機13は、回生電力に応じた大きさの回生トルクを発生させ、その回生トルクにより車輪20の回転速度を減じて、車両1を減速させることになる。このため、バッテリの充電量である回生電力量が大きければ車両1を制動させる回生制動力も増加することになり、その回生電力量は、ハイブリッドECU18のメモリに記憶された回生マップ23の回生制御ライン23aに沿って制御される。
図2に示すように、この回生マップ23とは、車両1の走行速度である車速と回生電力量との関係を示すマップであり、ブレーキペダル51の操作量に応じて複数設けられる(図1)。このため、図1に示すハイブリッドECU18は、ブレーキセンサ56からブレーキペダル51が操作されてハイブリッド車両1が減速状態にあるときには、そのブレーキペダル51の操作量に対応した回生マップ23を選択する。次に、その選択された回生マップ23に表された回生制御ライン23aに沿って、その時の車速に対応する回生電力量を決定する。そして、電動発電機ECU17に対して電動発電機13及びインバータ14に制御指示を与え、その決定された回生電力量を電動発電機13により発電させるように構成される。
また、ハイブリッドECU18のメモリ18aには、ブレーキペダル51の操作量と車速との関係を示す標準ライン24aが示された操作マップ24が記憶される。この操作マップ24を図3に示す。ここで、標準ライン24aとは、標準的な運転者が車速に対してブレーキペダル51を通常踏み込む操作量を示すものである。そして、このハイブリッドECU18は、ブレーキペダル51が操作された時の実際に操作量と車速を操作マップ24上に記憶するように構成される。図3(b)では、ブレーキペダル51が操作された時の実際に操作量と車速が点24cとして記憶された場合を示す。
また、図1に示すハイブリッドECU18は、操作マップ24上に記憶されたブレーキペダル51の実際の操作量と車速の標準ライン24aに対する位置関係に基づいて、車速に対するブレーキペダル51の実際の操作量が標準ライン24aに沿うように、図2(b)に示すように、回生マップ23の回生制御ライン23aを変更するように構成される。このように、回生制御ライン23aを変更するように構成される点で、ハイブリッドECU18は、ライン変更手段を構成するものである。
ここで、ライン変更手段を構成するハイブリッドECU18における具体的な動作を説明する。
先ず、ハイブリッドECU18は、図3(b)に示すように、操作マップ24上に記憶された実際のブレーキペダル51の操作量と車速の関係を示す点24cが所定の個数になった場合、その複数の点24cからなるライン24bを求め、その求めたライン24bを予め記憶された標準ライン24aと対比させて、その位置関係を明らかにさせる。ここで、実際のブレーキペダル51の操作量と車速の関係を示す点24cの所定の個数とは、運転者の癖が現れるに十分な数とする。
その結果、例えば、図3(b)に示すように、操作マップ24上に記憶された車速に対するブレーキペダル51の実際の操作量が、標準ライン24aより高い位置にあるとすると、その標準ライン24aに示す標準的な運転者が車速に対してブレーキペダル51を通常踏み込む操作量よりも、そのブレーキペダル51をより深く踏み込む傾向にあることを意味する。換言すれば、その運転者は一般的な運転者よりもブレーキペダル51を深く踏み込む癖があるといえる。
すると、ハイブリッドECU18は、操作マップ24上に記憶されたブレーキペダル51の実際の操作量と車速を示すライン24bの標準ライン24aに対する位置関係に基づいて、図2に示す回生マップ23の回生制御ライン23aを同様に変更する。即ち、図3(b)に示すように、ブレーキペダル51の実際の操作量を示すライン24bが標準ライン24aより高い位置にあるとすると、その標準ライン24aとの差に略等しい量だけ、回生マップ23の回生制御ライン23aを、図2(b)に示すように回生電力量が上昇するように上方に位置変更させる。これは、そのブレーキペダル51の操作量に対して回生電力量が増加することを意味し、図2(c)に示すように、位置変更された新たな回生制御ライン23bに沿って回生制動制御手段が回生制御手段を制御すると、ブレーキペダル51の操作量に基づく回生制動力が増加することを意味する。
このように、ブレーキペダル51の操作量に基づく回生制動力が増加したとしても、そのブレーキペダル51の操作量により生じさせる摩擦制動力に変更はない。このため、そのブレーキペダル51の操作量により発生する摩擦制動力と回生制動力の比率は変更され、上述したように、ブレーキペダル51の実際の操作量が標準ライン24aより高い位置にある場合には、回生制動力の比率は増加する。そして、標準の運転者よりも、比較的深くブレーキペダル51を踏み込むような傾向の運転者にあっては、それほどブレーキペダル51を踏み込まなくても、所望の制動力を得ることが可能になる。
即ち、ライン変更手段であるハイブリッドECU18が回生マップ23の回生制御ライン23aを図2(b)に示すように上方に変更すると、回生制動力の比率が増加することから、運転者がブレーキペダル51を踏み込む操作量は徐々に浅くなって、図3(c)に示すように、ブレーキペダル51の実際の操作量を示す点24cは標準ライン24aに沿うようになる。これにより、ブレーキペダル51の操作時における回生制動手段の回生制動力は、そのブレーキペダル51の操作量に適合されることになり、運転者のブレーキペダル51の操作性は最適化される。そして、この場合、ディスクロータ20aに押し付ける摩擦制動における図示しないブレーキパッドの摩耗は従来よりも低減することになる。
一方、図示しないが、操作マップ24上に記憶された車速に対するブレーキペダル51の実際の操作量が標準ライン24aより低い位置にあるとすると、その標準ライン24aに示す標準的な運転者が車速に対して通常踏み込む量よりも、浅く踏み込まれる傾向にあることを意味する。このように、ブレーキペダル51の実際の操作量が標準ライン24aより低い位置にあるとすると、その標準ライン24aとの差に略等しい量だけ、回生マップ23の回生制御ライン23aをその回生電力量が低下するように下方に位置変更させる。これは、そのブレーキペダル51の操作量に対して回生電力量が減少することを意味する。
このように、ブレーキペダル51の操作量に基づく回生制動力が低下したとしても、そのブレーキペダル51の操作量により生じさせる摩擦制動力に変更はない。このため、そのブレーキペダル51の操作量により発生する摩擦制動力と回生制動力の比率は変更され、回生制動力の比率は低下することになる。従って、従来標準の運転者よりも、比較的浅くブレーキペダル51を踏み込むような傾向の運転者にあっては、ブレーキペダル51をより深く踏み込むような操作をしなければ、所望の制動力を得ることができなくなるようになり、その操作量は標準ライン24aに近づくことになる。
上述したように、本発明の車両用制動装置では、ブレーキペダル51の操作量が操作マップ24の標準ライン24a近づくように、ライン変更手段であるハイブリッドECU18が回生マップ23の回生制御ライン23aを変更するものであるけれども、ストローク制御機構を備える従来の車両用制動装置と異なり、新たな部品を設けることはない。そして、ハイブリッドECU18の制御内容を、上記のようにすることにより、新たな部品を設けることなく、ブレーキペダル51の操作時における回生制動手段の回生制動力をそのブレーキペダル51の操作量に適合させることができ、これにより運転者のブレーキペダル51の操作性を最適化させることが可能になる。この結果、部品点数の増加に起因する管理負担の増加は回避され、低コスト化を達成することも可能になる。
なお、上述した実施の形態では、エンジン10及び電動発電機13を備えたハイブリッド車両1に設けられた車両用制動装置を代表して説明したけれども、本発明の車両用制動装置は、エンジンを有しない電気自動車に用いられるものであっても良い。
また、上述した実施の形態では、インバータ14や電動発電機ECU17が回生制動手段を構成し、ハイブリッドECU18が回生制動制御手段やライン変更手段を構成する場合を説明したけれども、この回生制動制御手段やライン変更手段は、他のECUが兼ねるようにしても良い。
また、上述した実施の形態では、マスタシリンダを有する油圧ブレーキシステムからなる摩擦制動手段を説明したけれども、この摩擦制動手段あっては、ブレーキペダルの踏み込みにより稼働するものである限り、この油圧ブレーキシステムに限るものではない。例えば、この摩擦制動手段は、ブレーキペダルの踏み込みにより生じる圧縮エアにより制動力を生じるようなものであっても良い。
更に、上述した実施の形態では、半自動トランスミッションの変速機を用いた車両1を用いて説明したけれども、変速機は、オートトランスミッションやマニュアルトランスミッションであっても良い。
1 ハイブリッド車両(車両)
13 電動発電機
18 ハイブリッドECU(ライン変更手段)
23 回生マップ
23a 回生制御ライン
24 操作マップ
24a 標準ライン
51 ブレーキペダル

Claims (2)

  1. 電動発電機(13)の発電負荷に応じた回生制動力によって車両(1)を制動する回生制動手段と、ブレーキペダル(51)の操作量に対応する回生マップ(23)を有し、前記回生マップ(23)に表された回生制御ライン(23a)に沿って前記回生制動手段を制御する回生制動制御手段とを備える車両用制動装置であって、
    前記ブレーキペダル(51)の操作量と車速との関係を示す標準ライン(24a)が示された操作マップ(24)を有し、
    車速に対する前記ブレーキペダル(51)の実際の操作量が前記標準ライン(24a)に沿うように前記回生マップ(23)に表された回生制御ライン(23a)を変更するライン変更手段(18)を備えた
    ことを特徴とする車両用制動装置。
  2. 前記ブレーキペダル(51)が操作された時の実際の操作量と車速を操作マップ(24)上に記憶する記憶手段を備え、ライン変更手段(18)は、前記記憶手段により記憶されたブレーキペダル(51)の実際の操作量と車速の標準ライン(24a)に対する位置関係に基づいて回生マップ(23)に表された回生制御ライン(23a)を変更する請求項1記載の車両用制動装置。
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