JP2014218057A - 積層フィルム - Google Patents

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愛 小金丸
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Abstract

【課題】ポリエステルメラミン樹脂系の塗布層を有する積層フィルムであって、スリット等の加工工程後であっても150℃1時間におけるΔヘイズのより小さな、新規の構成の積層フィルムを提供することを目的とする。【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、グリコールエーテルを含有する塗液から形成されてなる塗布層を有する積層フィルムであって、該塗布層は、ポリエステルメラミン樹脂を95〜50質量%、平均粒径10〜400nmの微粒子を5〜50質量%含有し、該塗布層の厚みが100nm以上、5μm以下であって、積層フィルムを150℃60分で熱処理する前後のヘイズ変化量ΔHzが1.0%以下である、積層フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、高温下での熱処理後もポリエステルオリゴマーの発生が抑制された積層フィルムに関するものである。
光学用フィルムは、高透明性等の高い品質が求められている。そのような中で、近年、回路の高精細化に伴う寸法安定性向上や酸化インジウム等の無機膜の結晶化等のため、150℃程度の高温で長時間熱処理して使用されることが多い。
一方、光学用フィルムとしては、透明性、寸法安定性、耐薬品性に優れ、比較的安価であること等からポリエステルフィルムが広く使用されているが、ポリエステルは、加熱によりオリゴマーが析出するという問題がある。さらに、スリットやスパッタリング、ラミネート工程等多くの加工工程を経ることでフィルム表面に傷が発生し、特にその傷部分からオリゴマーが析出し易い。そして、これらオリゴマー析出によるヘイズの増加や工程汚染が問題となっている。
ポリエステルフィルムにおいてオリゴマーを抑制する技術としては、例えば特許文献1、2が知られているが、近年要求されている高温長時間(例えば150℃1時間)での熱処理に対しては、より一層の性能の向上が求められる場合がある。
特開2004−82371号公報 特開平4−263937号公報
上述したように、光学用途に用いられるフィルムとしては、150℃1時間といった高温長時間の熱処理の後でも光学特性を維持できるフィルムの要望が高くなってきた。特に、スリット工程等の加工工程を経たとしてもポリエステルフィルムから発生するオリゴマーを抑制し、かつそれによりヘイズの上昇(ΔヘイズまたはΔHzということがある)が抑制されたフィルムが要求されている。
そこで本発明は、ポリエステルメラミン樹脂系の塗布層を有する積層フィルムであって、スリット等の加工工程後であっても150℃1時間におけるΔヘイズのより小さな、新規の構成の積層フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ポリエステルフィルムに、ポリエステルメラミン樹脂を50質量%以上含有する塗布層を設けるに際して、塗布層を形成するための塗液における溶媒成分としてグリコールエーテルを適量含有させることによって、新規の塗布層が形成され、上記目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、以下の構成を採用するものである。
1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、グリコールエーテルを含有する塗液から形成されてなる塗布層を有する積層フィルムであって、
該塗布層は、ポリエステルメラミン樹脂を95〜50質量%、平均粒径10〜400nmの微粒子を5〜50質量%含有し、
該塗布層の厚みが100nm以上、5μm以下であって、
積層フィルムを150℃60分で熱処理する前後のヘイズ変化量ΔHzが1.0%以下である、積層フィルム。
2. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、固形分成分と溶媒成分とからなる塗液を塗布、乾燥、硬化してなる塗布層を有する積層フィルムであって、
該固形分成分は、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂および微粒子を含有し、
該溶媒成分は、グリコールエーテルを溶媒成分100質量%中に13質量%以上、50質量%以下含有する、上記1に記載の積層フィルム。
3. 上記1に記載の積層フィルムを製造するに際して、
ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、固形分成分と溶媒成分とからなる塗液を塗布、乾燥、硬化して塗布層を形成する製造方法であって、
該固形分成分は、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂および微粒子を含有し、
該溶媒成分は、グリコールエーテルを溶媒成分100質量%中に13質量%以上、50質量%含有する、製造方法。
4. 上記乾燥の温度が100〜200℃で、時間が10秒〜2分である、上記3に記載の製造方法。
本発明によれば、加工工程を経た後に150℃1時間といった高温長時間の熱処理を行ってもΔヘイズのより小さな、かつ光学特性に優れたフィルムを得ることができる。かかるフィルムは、特に様々な光学用途フィルムとして好適に用いることができる。
以下、本発明を詳しく説明する。なお、フィルム連続製膜方向を縦方向、長手方向またはMDと呼称する場合がある。また、フィルム連続製膜方向と直交する方向を横方向、幅方向またはTDと呼称する場合がある。
[積層フィルム]
本発明の積層フィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片方の面に、塗布層を有するものである。
以下、本発明を構成する各構成成分について詳述する。
[ポリエステルフィルム]
本発明におけるポリエステルフィルムは、未延伸フィルム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムのいずれであってもよいが、機械的特性や熱的特性の点から二軸延伸フィルムであることが好ましい。
また、フィルムを構成するポリエステルは、酸成分とグリコール成分とからなるポリエステルであって、酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等に由来する成分が挙げられ、グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール等に由来する成分が挙げられる。なかでも、透明性、機械的特性、耐熱性等のバランスに優れるという観点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。なお、ここでいうポリエチレンテレフタレートとは、全繰返し単位を基準として、エチレンテレフタレート単位が95モル%以上、好ましくは98モル%以上のポリエステルであり、特に好ましくは共重合成分を併用していないホモポリエステルである。共重合ポリエチレンテレフタレートである場合には、共重合成分として、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸成分や、ジエチレングリコール、ブタンジオール、シクロヘキサンジオール等のグリコール成分を用いることができる。
ポリエステル、好ましくはポリエチレンテレフタレートの固有粘度は、o−クロロフェノール中35℃において、0.40dl/g以上であることが好ましく、0.50〜0.90dl/gであることがさらに好ましい。固有粘度が0.40dl/g未満の場合には、フィルム製膜時に切断が多発したり、成形加工後の製品の強度が不足したりすることがある。一方、固有粘度が高くなりすぎると溶融粘度が高くなるため、溶融押出が困難であるうえ、重合に長時間を要し生産性も悪くなることがある。
本発明におけるポリエステルフィルムは、透明性の観点から実質的に粒子を含まないことが好ましい。ここで「実質的に含有しない」とは、フィルム中の粒子(粒径100nm以上のもの)の含有量が100ppm以下、好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下であることを示す。
本発明のポリエステルフィルムは、塗布層を形成し易くしたり、塗布層との密着性を向上したりする目的において、塗布層を設ける側の表面にコロナ処理やプラズマ処理を施したり、易接着層を設けたりすることができる。かかる易接着層としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分を全酸成分に対して60〜70モル%有するポリエステル成分を易接着層の質量を基準として60質量%以上、好ましくは60〜90質量%と、オキサゾリン基を全モノマーユニットに対して20〜40モル%有する架橋剤成分を40質量%以下、好ましくは10〜40質量%とを含有するものが好ましい。かかる易接着層の厚みは、好ましくは0.02〜0.5μmであり、0.10〜0.20μmがさらに好ましい。
[塗布層]
本発明における塗布層は、ポリエステルメラミン樹脂を95〜50質量%、平均粒径10〜400nmの微粒子を5〜50質量%含有してなる塗布層である。本発明においては、かかる構成の採用、および後述する特定の溶媒成分の採用により、スリット等の加工工程におけるフィルム表面への傷の発生を抑制することができ、スリット等の加工工程を経た後であってもΔヘイズを低減することができる。Δヘイズ低減の観点から、塗布層中におけるポリエステルメラミン樹脂の含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
なお、本発明においてポリエステルメラミン樹脂とは、後述するポリエステル樹脂とメラミン樹脂とを混合して、反応、硬化して得られた樹脂を指す。
(ポリエステル樹脂)
ポリエステルメラミン樹脂を構成するポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分と多価ヒドロキシ化合物成分とからなるポリエステルである。かかる多価カルボン酸成分としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸に由来する成分を挙げることができる。また、5−Naスルホイソフタル酸等のスルホン酸塩基を有するジカルボン酸に由来する成分を共重合成分として含むと、得られるポリエステル樹脂が熱水或いは溶剤に溶解し易くなるため好ましい。また、多価ヒドロキシ化合物成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA・アルキレンオキシド付加物等に由来する成分を挙げることができる。ポリエステル樹脂は、これらの多価カルボン酸成分と多価ヒドロキシ化合物成分とからなる共重合ポリエステルであることが、塗布層とポリエステルフィルムとの密着性を高く適切なものにすることができるため好ましい。
また本発明においては、かかるポリエステル樹脂として、アクリル変性ポリエステル樹脂を採用することも可能である。アクリル変性ポリエステル樹脂は、前記のポリエステル樹脂にアクリル酸エステル系単量体及び/又はアクリル酸系単量体を重合して得られる変性共重合体であり、例えば、水性液中のポリエステル樹脂に、アクリル酸エステル系単量体及び/又はアクリル酸系単量体をラジカル開始剤を用いてグラフト重合させることにより得られるものである。この変性共重合体は、分子側鎖に官能基を有するものであってもよい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量は、好ましくは10,000〜50,000、より好ましくは10,000〜30,000、さらに好ましくは10,000〜20,000である。これにより塗布層の緻密性をより高くすることができるためか、オリゴマー析出抑制効果がより良好となり、Δヘイズを抑制することができる。数平均分子量は、低すぎると塗布層の強度が低下する傾向にあり、それによってオリゴマー析出抑制効果が低くなる傾向にあり、他方高すぎても塗布層の緻密性が低下する傾向にあるためか、オリゴマー析出抑制効果が低くなる傾向にある。
ポリエステル樹脂は、二次転移点が20℃以上、110℃以下であることが好ましく、これによってもオリゴマー析出抑制効果をより良好にすることができる。
かかるポリエステル樹脂は常法により製造することができる。
(メラミン樹脂)
本発明におけるメラミン樹脂としては、例えばメチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、メチル化尿素メラミン樹脂等を用いることができる。ポリエステル樹脂に対するメラミン樹脂の混合比率は、ポリエステル樹脂の合計量100質量部に対してメラミン樹脂を10〜200質量部の比率で混合することが好ましい。より好ましくは20〜100質量部、さらに好ましくは30〜50質量部、特に好ましくは40〜45質量部である。混合比率がこの範囲にあることで、後述する塗布層の緻密性をより高くすることができるためか、オリゴマー析出抑制効果により優れる。
本発明においては、ポリエステル樹脂とメラミン樹脂との架橋反応の触媒として、例えばパラトルエンスルホン酸ソーダ等の酸性触媒を使用できる。
(バインダー樹脂)
本発明における塗布層は、上述したポリエステル樹脂とメラミン樹脂とから形成されるポリエステルメラミン樹脂を50質量%以上含有するものであるが、その他の成分として、上記ポリエステル樹脂およびメラミン樹脂以外のバインダー樹脂を含有することができる。かかるバインダー樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエ−テル樹脂、セルロース系樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができ、特にアクリル樹脂が好ましい。バインダー樹脂は、例えば塗布層の質量を基準として10質量%以下で塗布層中に含有することができる。
(微粒子)
塗布層を構成する微粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、ケイ酸ソーダ、水酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化錫、三酸化アンチモン、カーボンブラック、二硫化モリブデン等の無機微粒子;アクリル系架橋重合体、スチレン系架橋重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂等の有機微粒子を用いることができる。これらは1種類を用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。少なくとも1種類は無機粒子を含むことが好ましい。
かかる微粒子は、平均粒径が、10〜400nmである。微粒子の平均粒径がかかる範囲にあると、好適な透明性を有しながら、適した耐擦傷性を付与することができ、オリゴマー抑制効果を高くすることができる。平均粒径が大きすぎると、透明性が低下する傾向にあり、透明性の観点で光学用フィルムとして好ましくない。また、微粒子と樹脂成分との間に隙間が生じ易くなる傾向にあり、これにより微粒子付近にオリゴマーが析出しやすくなる傾向にある。これら観点から、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは150nm以下、特に好ましくは120nm以下である。他方、小さすぎると、十分な耐擦傷性が得られなくなり、生じた傷によりオリゴマー抑制効果が得られなくなる。かかる観点から、好ましくは20nm以上、より好ましくは50nm以上、さらに好ましくは80nm以上である。
微粒子の含有量は、塗布層の全質量中に、5〜50質量%が好ましい。かかる含有量範囲とすることにより、好適な透明性を有しながら、適した耐擦傷性を付与することができ、オリゴマー抑制効果を高くすることができる。含有量が少なすぎると十分な耐擦傷性が得られ難い。かかる観点からは、含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは14質量%以上、さらに好ましくは18質量%以上である。他方、含有量が多すぎると透明性に劣る傾向にある。また接着性の悪化や塗工の際の塗布筋の原因となり好ましくない。かかる観点からは、含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは32質量%以下、さらに好ましくは22質量%以下、特に好ましくは17質量%以下である。
(その他の添加剤)
本発明における塗布層においては、本発明が規定するオリゴマー封止効果を実現できる範囲においては、光増感剤、レベリング剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、染料等を加えることができる。
[塗布層の厚み]
本発明における塗布層の厚みは、0.1μm以上、5μm以下である。これによりオリゴマー析出抑制効果を高くすることができる。かかる観点から、好ましくは0.15μm以上、より好ましくは0.2μm以上であり、また、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.8μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.3μm以下である。厚みが0.1μm未満であるとオリゴマー析出抑制の向上効果が低くなる傾向にある。他方5μmを超える塗布層は、均一な膜を得難くなる傾向にあり、塗布外観が悪くなる傾向にあり、光学用途に適さなくなる。
塗布層の厚みは、一般的には厚くすることでオリゴマー析出抑制効果を高くできると考えられるが、その反面塗布外観や光学特性が悪くなる傾向にあり、さらに過度に厚すぎると塗膜が割れやすくなる傾向にあり、オリゴマー析出抑制効果が低くなったり、フィルムとしてハンドリング性が悪くなったりする傾向にある。本発明においては、上記のような薄い塗布層であっても優れたオリゴマー析出抑制効果を奏することができる。
[ポリエステルフィルムの製造方法]
以下、本発明に用いられるポリエステルフィルムの製造方法について一例を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されない。
まず、十分に乾燥したポリエステルをTm+10℃ないしTm+30℃(ただし、Tmはポリエステルの融点)の温度で溶融し、シート状に押出し、冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとする。次いでこれを予熱した後、TgないしTg+70℃の温度(ただし、Tgはポリエステルのガラス転移温度)で縦方向に好ましくは2.5〜5.0倍、さらに好ましくは3.0〜4.0倍で延伸する。そして、好ましくは縦延伸の後、横延伸の前に、易接着層を形成するための塗液を塗布して易接着層を形成することができる。次いでステンターに投入し、予熱した後、TgないしTg+70℃の温度で横方向に好ましくは2.5〜5.0倍、さらに好ましくは3.0〜4.0倍で延伸した後に、(Tg+60℃)〜Tmの温度で熱固定し、好ましくは熱収縮率を調整するために熱弛緩処理することによって、ポリエステルフィルムを得ることができる。
[塗布層の形成方法]
本発明の積層フィルムは、塗布層を形成するための塗液(以下、単に塗液と呼称する場合がある。)を、ポリエステルフィルム上の積層したい側の表面に塗布し、乾燥し、硬化することにより得ることができる。
本発明において、かかる塗液は、固形分成分と溶媒成分とからなる。ここで固形分成分は、上述した塗布層を形成する成分である。より具体的には、本発明における塗液は、溶媒成分に、固形分成分としてのメラミン樹脂とポリエステル樹脂、および微粒子、好ましく添加される触媒やバインダー樹脂、および任意に添加してもよいその他の添加剤を添加し、混合した溶液である。各成分の添加にあたっては、粉体等の固体として添加してもよいし、固体を適当な溶媒を用いて溶液あるいは分散体の態様としたものを添加してもよい。
本発明における塗液に用いられる溶媒成分には、オリゴマー析出を抑制するために、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルを添加することが必要である。これによりオリゴマー析出抑制の効果を高めることができる。かかる効果が発現できるメカニズムの詳細は不明であるが、グリコールエーテルの沸点、粘度、揮発速度等の関係により、塗液の乾燥、硬化の工程において溶媒成分が適した速度で揮発することで、得られる塗布層がより緻密な構造となるためと推測される。グリコールエーテルとしては、中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが、とりわけオリゴマー析出抑制効果が高いため好ましい。添加量としては、溶媒成分100質量%中に、好ましくは13質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。添加量が上記下限を下回ると溶媒の揮発速度が抑制されないためか、オリゴマー析出抑制効果を保つことができない。このことから、本発明が好ましく規定するグリコールエーテルに係る態様を満足するものとしないものとでは、塗布層の構成としては、緻密性の点でその構成が相違していると考えられる。また、好ましくは50質量%以下である。多すぎると揮発速度が遅くなりすぎるためか、塗布外観が悪化して光学用途に使用し難くなる傾向にある。
溶媒成分を構成するその余としては、メチルエチルケトン(MEK)やトルエン、酢酸エチル、キシレン、エチルベンゼン、アルコール等を用いることができる。本発明においては、トルエンまたはMEKを主たる溶媒成分とし、グリコールエーテルを上記量にて含有している態様が好ましい。より好ましくはトルエン主たる溶媒成分とし、グリコールエーテルを上記量にて含有している態様である。ここで「主たる溶媒成分」とは、溶媒成分100質量%に対して50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上である態様を指す。
塗液の固形分濃度としては、1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、1〜15質量%がさらに好ましい。塗液の固形分濃度が上記の範囲にあることで、オリゴマー析出抑制効果を塗布層で均一に発現することができる。
塗液を塗布する方法としては、それ自体公知の方法を採用できる。例えばリップダイレクト法、コンマコーター法、スリットリバース法、ダイコーター法、グラビアロールコーター法、ブレードコーター法、スプレーコーター法、エアーナイフコート法、ディップコート法、バーコーター法等を好ましく挙げることができる。これらの塗布方法によって、ポリエステルフィルム上に塗液を塗布し、得られた塗布層を加熱乾燥する。加熱乾燥の条件としては、100〜200℃で10〜120秒間加熱することが好ましく、120〜180℃で30〜100秒間加熱することがさらに好ましく、140〜160℃で50〜80秒間加熱硬化することが特に好ましい。こうすることにより、オリゴマー析出抑制効果をさらに高めることができる。
本発明においては、上記のような特定の溶媒を採用した上で、同時に上記のごとく好ましい塗液の固形分濃度および乾燥条件を採用することを、本発明が規定するオリゴマー抑制効果を得るための特に好ましい達成方法として挙げることができる。
[積層フィルムの特性]
(ヘイズ)
本発明における積層フィルムのヘイズは低いことが好ましく、好ましくは2.0%以下、より好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.0%以下、特に好ましくは0.7%以下、最も好ましくは0.5%以下である。
また、スリット等の加工工程の前および後のいずれにおいても、150℃1時間の熱処理前後でのヘイズ変化量(Δヘイズ)は小さいことが好ましく、好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.5%以下、特に好ましくは0.2%以下である。ヘイズおよびΔヘイズがこの範囲にあるとクリア感が十分であり、様々な光学用途基材に適する。
なお、ヘイズの測定方法については、JISK7361−1に準じて測定することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下に示した実施例に制限されるものではない。なお、実施例中の物性や特性は、下記の方法にて測定または評価した。
1.塗布層の厚み
フィルムを長手方向2mm、幅方向2cmに切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂(リファインテック(株)製エポマウント)にて包埋した。包埋されたフィルムをミクロトーム(LEICA製ULTRACUT UCT)で幅方向に垂直に切断、5nm厚の薄膜切片にした。透過型電子顕微鏡(日立S−4300)を用いて、加速電圧100kVにて観察撮影し、写真から塗布層の厚みを測定した。
2.熱処理前後のヘイズ
フィルムは任意に取り出した3枚について、スガ試験機(株)製のヘイズメーターHCM−2B(JIS K7136に準拠)を用いてフィルムの1枚ヘイズを測定し、この3枚の平均値を処理前ヘイズ(単位:%)とした。
熱処理は、上記で測定した3枚のフィルムを150℃1時間の乾燥機中に入れ、取り出し室温まで冷却後、上記と同様にして測定を行い、3枚の平均値を熱処理後のヘイズ(単位:%)とした。
Δヘイズは下記式で算出した。
Δヘイズ(%)=熱処理後ヘイズ(%)−熱処理前ヘイズ(%)
[実施例1]
<基材フィルムおよび易接着層>
基材となるポリエステルフィルムとして、易接着層を有する、厚み38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。
ここで、易接着層は、以下の構成成分からなる。
ポリエステル:ジカルボン酸成分が2,6−ナフタレンジカルボン酸65モル%/イソフタル酸30モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%で構成されている。Tg=80℃、数平均分子量Mn13000。
架橋剤:メチルメタクリレート30モル%/2−イソプロペニル−2−オキサゾリン30モル%/ポリエチレンオキシド(n=10)メタクリレート10モル%/アクリルアミド30モル%で構成されている。Tg=50℃。
フィラー:シリカフィラー(平均粒子径100nm)(日産化学(株)製、商品名:スノーテックスZL)
脂肪族ワックス:カルナバワックス(中京油脂(株)製、商品名:セロゾール524)
界面活性剤:ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル(三洋化成社製、商品名:ナロアクティーN−70)
これらの構成成分を、固形分の質量比で、ポリエステル/架橋剤/微粒子/脂肪族ワックス/界面活性剤=65/20/5/5/5となるように混合し、イオン交換水により固形分濃度5質量%となるように希釈して易接着層を形成するための塗液を得た。
得られた塗液を、フィルムの製造工程(常法の逐次二軸延伸PETフィルムの製造工程)において、縦一軸延伸工程の後、横延伸工程の前において両面にインラインコーティングすることにより、ドライ厚み0.15μmの易接着層を両面に形成した。
基材フィルムには、固有粘度0.65dl/g(o−クロロフェノール中35℃)のポリエチレンテレフタレートを、縦方向に105℃で3.4倍、横方向に125℃で4.0倍で延伸し、温度220℃で10秒間熱固定して得られた二軸延伸ポリエステルフィルムを用いた。なお、かかる二軸延伸ポリエステルフィルムには、実質的に粒子が含有されていない(10ppm以下)。
<塗液の調整>
ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社 バイロン240、数平均分子量15,000)を70質量部(固形分重量部)、メラミン樹脂(三和ケミカル株式会社 ニカラックNS−11)30質量部(固形分重量部)、パラトルエンスルホン酸の50質量%イソプロピルアルコール溶液5質量部、平均粒径100nmの酸化ケイ素微粒子をMIBKへ添加し超音波分散させた分散体(酸化ケイ素微粒子の固形分濃度20質量%)27質量部を混合し、次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を、最終的な塗液において溶媒成分100質量%中に15質量%となるよう添加し、トルエンで希釈して固形分濃度15質量%の塗布層を形成するための塗液を得た。
<塗布層の塗設>
ロールコーターを用いて、上記で得られたポリエステルフィルムの両表面に、乾燥・硬化後の膜厚みが250nmとなるように、上記で得られた塗布層を形成するための塗液を均一に塗布し、150℃で1分間の条件で乾燥・硬化させ積層フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
<スリット工程>
上記で得られた幅1m、長さ600mのロール状の積層フィルムについて、スリッター装置(西村製作所製TC−310A)を用いて、巻取張力200N/m、巻取接圧140kg/m、巻取速度100m/分の条件で、幅600mm、長さ500mのフィルムロールに巻き上げた。巻き取り後のロール表層からスリット工程後の積層フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
[実施例2〜7、比較例1〜3]
ポリエステルメラミン樹脂の含有量、微粒子の含有量および平均粒径を表1に示す通りとした以外は実施例1と同様の方法にて積層フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
なお、比較例3は、目視でヘイズの高いものであり、また筋状の塗布斑が発生し、ヘイズに係る評価が困難であった。
[実施例8、9、比較例4、5]
PGMEAの添加量および塗布層の厚みを表1に示すとおりとした以外は実施例1と同様の方法にて積層フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
Figure 2014218057
本発明の積層フィルムは、スリット等の加工工程を経たとしても、150℃1時間という長時間の熱処理後もオリゴマーの析出が抑制されるため、例えばアニール処理といった高温熱処理による工程汚染が抑制されるので、ディスプレイ等に用いられる光学用フィルムとして好適に使用することができ、その工業的価値は極めて大きい。

Claims (4)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、グリコールエーテルを含有する塗液から形成されてなる塗布層を有する積層フィルムであって、
    該塗布層は、ポリエステルメラミン樹脂を95〜50質量%、平均粒径10〜400nmの微粒子を5〜50質量%含有し、
    該塗布層の厚みが100nm以上、5μm以下であって、
    積層フィルムを150℃60分で熱処理する前後のヘイズ変化量ΔHzが1.0%以下である、積層フィルム。
  2. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、固形分成分と溶媒成分とからなる塗液を塗布、乾燥、硬化してなる塗布層を有する積層フィルムであって、
    該固形分成分は、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂および微粒子を含有し、
    該溶媒成分は、グリコールエーテルを溶媒成分100質量%中に13質量%以上、50質量%以下含有する、請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 請求項1に記載の積層フィルムを製造するに際して、
    ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、固形分成分と溶媒成分とからなる塗液を塗布、乾燥、硬化して塗布層を形成する製造方法であって、
    該固形分成分は、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂および微粒子を含有し、
    該溶媒成分は、グリコールエーテルを溶媒成分100質量%中に13質量%以上、50質量%含有する、製造方法。
  4. 上記乾燥の温度が100〜200℃で、時間が10秒〜2分である、請求項3に記載の製造方法。
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