JP2014217967A - インク液滴の飛翔状態評価装置 - Google Patents

インク液滴の飛翔状態評価装置 Download PDF

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【課題】インクジェット方式により画像を形成する際の、微小液滴が印刷用紙上の画像を汚す度合いを定量的に評価する。【解決手段】インク液滴500の撮影画像から、ノズル5aが最後に吐出した吐出方向ζの最後尾の主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530の部分を特定する。特定した部分から、主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530の吐出方向ζにおける累積体積関数を求める。具体的には、ノズル5a側から累積した微小液滴530の体積が、記録紙PAに着弾すると汚れとして認識される体積となる一定の値になる位置の吐出方向ζにおける座標値を、インク液滴500の飛翔状態の評価値として求める。この評価値は、記録紙PAに着弾位置ずれして着弾した微小液滴530の印刷濃度を示すOD値と相関があり、液柱520や微小液滴530の体積に応じて変化する。【選択図】図3

Description

本発明は、ノズルから吐出されたインク液滴の飛翔状態を評価する装置に関する。
インクジェット方式により画像を形成する際には、ノズルから吐出したインク液滴の印刷用紙上における着弾位置の精度が、画像の印刷品質を大きく左右する。
詳説すると、ノズルから吐出されたインク液滴は、一般に、主滴とその後ろに伸びる液柱との一群で飛翔する。主滴は印刷用紙上で画像を形成する主たる液滴であり、液柱はインク液滴の飛翔中に主滴から分離する。分離後の液柱はやがて複数の微小液滴(サテライト)に分裂する。微小液滴の体積及び質量は、主滴の概ね1/10乃至それ以下である。上述した「主滴」、「液柱」、「微小液滴」の全てを含んだものが「インク液滴」である。
主滴から分離した液柱が分裂して微小液滴となった直後は、微小液滴は主滴とほぼ等しい速度で飛翔する。しかし、空気中を飛翔する液滴はその大きさが小さいほど抗力による減速が顕著なので、飛翔を続けるうちに微小液滴は主滴から遅れて離れていく。特に、小さく軽い微小液滴は空気中を飛翔するうちに空気に対する飛翔速度がほとんどなくなって、ノズルを形成したインクジェットヘッドと印刷用紙との間の飛翔空間を漂うようになる。このような状態の微小液滴はミストとも呼ばれる。
一方、インク液滴によって画像を形成する印刷用紙はインクジェットヘッドに対して相対的に搬送移動されるので、インクジェットヘッドと印刷用紙との間には空気の流れが生じる。そして、インク液滴の飛翔空間の形状が一般的に複雑であることに加え、ノズルがオンデマンドで吐出するインク液滴が飛翔空間に気液混相流をもたらすので、飛翔空間内の空気の流れは、これらが混ざった非常に複雑な流れとなる。
上述した飛翔空間の複雑な流れを飛翔する際に、大きく重たい主滴には飛翔方向の曲がりが生じにくいが、小さく軽い微小液滴は飛翔方向の曲がりが大きく生じる。このため、印刷用紙に対する主滴と微小液滴との着弾位置は最終的に大きくずれる。そして、主滴の着弾位置に対して微小液滴の着弾位置がずれる方向は、印刷用紙の搬送方向だけには限られず、飛翔空間の複雑な流れのせいであらゆる方向となる。
このように、印刷する画像に応じて設計された主滴の着弾位置に対して、微小液滴の着弾位置はあらゆる方向にランダムにずれるので、画像の一部とは評価されず、むしろ、所謂画像の汚れとして評価される。
例えば、電子写真方式等の他の印刷方式との比較において、インクジェット印刷方式が有する特徴的な画像品質上の課題は、微小液滴による画像の汚れ(サテライト汚れ)である。特に、高品位な画像が要求される用途や、機能性材料をインクジェットによってパターニングする産業用途等では、微小液滴による画像の汚れは問題視される。
微小液滴による画像の汚れを評価する方法のうち最も直接的で単純な方法は、実際に画像を印刷した印刷用紙上で微小液滴による汚れを評価することである。しかし、この方法では、印刷を行い、印刷後の印刷用紙を高解像度で撮影し、撮影画像を詳細に解析する必要があるので、実行に時間を要する。そのため、評価結果を制御に即反映させるフィードバック制御を行うことができない。
また、印刷用紙上の画像は印刷プロセスの最終結果であり、途中経過を示唆するものではないので、微小液滴による汚れの発生原因を示唆する情報に乏しい。微小液滴による画像の汚れの発生原因を特定し最適化するには、微小液滴の発生と飛翔中に生じた現象についての情報が必要である。そのために、印刷用紙上の画像の微小液滴による汚れと整合するようにインク液滴の飛翔状態を評価することが望ましい。
ところで、ノズルから吐出されて印刷用紙に向け飛翔するインク液滴の撮影画像から液滴の飛翔速度や飛翔方向を求め、これに基づいて着弾位置精度を評価することについては、従来から数多くの提案が存在する。
具体的には、例えば、インク液滴の飛翔状態を撮影した撮影画像に基づいて、インク液滴の飛翔速度や飛翔方向を測定し、その結果から、インクジェットヘッドのクリーニング等の制御を行うことを提案したものがある(例えば、特許文献1)。また、インク液滴の飛翔状態を2つの方向から撮影した撮影画像に基づいて、液滴の飛翔速度、飛翔方向、体積を測定することを提案したものがある(例えば、特許文献2)。
さらに、インク液滴の飛翔状態を撮影した撮影画像に基づいて、インク液滴の飛翔速度を測定し、その結果から、インク液滴の体積を算出することを提案したものがある(例えば、特許文献3)。また、飛翔中のインク液滴に平行光を照射してできる陰影の撮影画像に基づいて、インク液滴の形状、大きさ、飛翔速度、飛翔方向を測定することを提案したものがある(例えば、特許文献4)。
さらに、インク液滴の飛翔状態を撮影した撮影画像に基づいて、液滴の平面位置を測定すると共に、撮影画像におけるインク液滴の輝度分散に基づいて、撮影レンズの光軸方向におけるインク液滴の位置を算出することを提案したものがある(例えば、特許文献5)。
特開平10−206624号公報 特開平11−105307号公報 特開2003−28696号公報 特開2008−155403号公報 特開2009−298012号公報
ところが、上述した特許文献1〜5では、微小液滴による画像の汚れを評価する方法についての提案が行われていない。特に、特許文献2〜4の提案では、微小液滴についての記述そのものが無い。また、特許文献1,5の提案では、微小液滴についての記述があるものの、微小液滴による画像の汚れと整合するようにインク液滴の飛翔状態を直接撮影する等により評価して、微小液滴による画像の汚れの抑制に活用することについての示唆はない。
このように、従来の提案では、インク液滴の主滴の液滴量や飛翔速度等の飛翔状態が目標範囲内にあるか否かを評価するものは存在するものの、微小液滴による画像の汚れの度合いに関係するインク液滴の飛翔状態を評価するものは存在していなかった。
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、主滴に続いて飛翔する微小液滴が印刷用紙の画像を汚す原因の示唆につながるインク液滴の飛翔状態の定量的な評価値を、汚れの度合いとの整合性が高くなるように得ることができるインク液滴の飛翔状態評価装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、
ノズル(例えば、図3(k)のノズル5a)から吐出されたインク液滴(例えば、図3(a)のインク液滴500の少なくとも、ノズル5aが最後に吐出した主滴510とその後を飛翔する液柱520や微小液滴530とを含む部分)の飛翔状態を評価するインク液滴の飛翔状態評価装置であって、
前記インク液滴の飛翔状態を撮影する撮影手段(例えば、図6のデジタルマイクロスコープ300)と、
前記撮影手段の撮影画像(例えば、図10(a)〜(j)の画像)から、前記飛翔中のインク液滴の主滴(例えば、図3(a)の主滴510)に続いて飛翔する後続飛翔体(例えば、図3(a)の液柱520、微小液滴530)を少なくとも含む画像部分を特定する特定手段(例えば、図6の画像処理部420)と、
前記画像部分から、前記インク液滴の吐出方向(例えば、図3(a)の吐出方向ζ)における前記後続飛翔体の累積体積を示す累積体積関数を算出する累積体積関数算出手段(例えば、図6の形状解析部430)と、
前記後続飛翔体の累積体積関数に基づいて、前記飛翔状態の評価値を取得する評価値取得手段(例えば、図6の演算処理部440)と、
を備えることを特徴とする。
上記発明によれば、飛翔中のインク液滴の撮影画像から特定される少なくとも後続飛翔体を含む画像部分により、インク液滴中の主滴に続く後続飛翔体の累積体積関数が、インク液滴の吐出方向について算出される。ここで、累積体積関数は、インク液滴の吐出方向における任意の起点からさまざまな距離にある終点までのインク液滴の体積(累積体積)を表す関数である。
この累積体積関数は当然、終点までの距離が増えると共に単調増加する。その際、特定の距離区間において累積体積が急激に増えることもあり、反対に、累積体積がほとんど増えない距離区間が存在することもあり得る。そして、累積体積が急激に増える距離区間にはインク液滴が大量に存在していることになり、反対に、累積体積がほとんど増えない距離区間ではインク液滴がほとんど存在していないことになる。
このため、後続飛翔体を含むインク液滴について累積体積関数を求めれば、後続飛翔体がインク液滴の吐出方向に沿ってどの位置にどれだけの体積で分布しているかを把握することができる。
ところで、後続飛翔体は、当初は主滴から伸びた液柱の状態で飛翔し、インク液滴の飛翔中に、インク液滴の吐出方向に複数に分裂する。
分裂した液柱は、主滴よりも小径の微小液滴(サテライト)となって主滴から独立して飛翔する。微小液滴は主滴に比べて軽く、また、小さい。このため、単独で飛翔する微小液滴は、空気中における抗力による減速が主滴よりも顕著になり、やがて、飛翔空間を漂うミストの状態となる。
但し、先行する液滴(主滴や微小液滴)の直後を飛翔する微小液滴は、先行液滴の後流により抗力が減じられて先行液滴に追いつくか、あるいは、先行液滴に追いつかないまでも、抗力による減速の程度が弱い。先行液滴の後流により抗力が減じられる程度は、先行液滴が大きいほど強く、また、先行液滴からの距離が短いほど強い。したがって、液柱が複数の微小液滴に分裂したとき、主滴からの距離が長いほど、微小液滴は飛翔空間を漂うミストになりやすい。このため、後続飛翔体の累積体積関数は、微小液滴又はやがて微小液滴に分裂し得る液柱がミストになりやすい程度を、情報として持っている。
ミストの状態となった微小液滴は、インク液滴の飛翔空間を流れる空気に流される。このため、微小液滴は主滴に対してずれて印刷用紙に着弾する。仮に、インク液滴の飛翔空間の空気の流れが、その空間の形状に応じて複雑な流れとなる場合は、主滴に対して微小液滴が様々な方向に着弾位置ずれする。このような微小液滴の存在は、インク液滴によって印刷用紙上に形成される画像を汚し印刷品質を低下させる要因となる。
ここで、主滴からずれて着弾した微小液滴が汚れとして印刷用紙上で認識されるには、微小液滴とはいえ、いくらかの体積が必要となる。したがって、インク液滴の吐出方向における後続飛翔体の累積体積がその体積に達しなければ、その後続飛翔体から発生した微小液滴が主滴から位置ずれして印刷用紙に着弾しても、汚れとして認識されないことになる。
そして、後続飛翔体の累積体積関数は、微小液滴又はやがて微小液滴に分裂し得る液柱の量(体積)の情報を含んでいる。したがって、後続飛翔体の累積体積関数は、微小液滴が印刷用紙上の画像を汚す度合いとの間に相関を持っている。即ち、後続飛翔体の累積体積関数は、微小液滴が印刷用紙の画像を汚す原因を示唆しており、かつ、微小液滴による画像の汚れの度合いとの整合性が高いと言うことができる。
そこで、主滴に続く後続飛翔体である微小液滴又はその元となる液柱について、インク液滴の吐出方向における累積体積関数を算出し、累積体積関数からインク液滴の飛翔状態の評価値を取得する。微小液滴による印刷用紙の汚れはインク液滴の飛翔状態と上述したように関係しているので、インク液滴の飛翔状態の評価値から、整合性の高い汚れの度合いを得ることができる。
また、取得した評価値を、インク液滴の飛翔状態を左右するインク液滴の吐出条件等のフィードバック制御に利用して、微小液滴による画像の汚れを迅速に抑制する制御を行うことができる。
なお、上記発明において、前記撮影手段は、前記主滴と前記後続飛翔体とが分離した前記飛翔中のインク液滴(例えば、図3(h)〜(k)のインク液滴500)を撮影する構成としてもよい。
上記発明によれば、インク液滴の飛翔中に、主滴から後続飛翔体としての液柱が分離して、さらに、分離した液柱が分裂して微小液滴となる場合は、液柱や微小液滴の状態で後続飛翔体が主滴から独立して飛翔している状態で飛翔中のインク液滴を撮影することで、撮影画像から後続飛翔体の画像部分を確実に特定することができる。
また、上記発明において、前記撮影手段は、前記インク液滴の吐出開始からの経過時間が同じタイミングで前記飛翔中のインク液滴を複数回撮影し、前記特定手段は、各回の前記撮影手段の撮影画像から前記画像部分をそれぞれ特定し、前記累積体積関数算出手段は、各回の前記画像部分から前記吐出方向における前記後続飛翔体の累積体積関数をそれぞれ算出し、前記評価値取得手段は、各回の前記後続飛翔体の累積体積関数から求めた値の平均に基づいて前記評価値を取得することを特徴とする。
上記発明によれば、液柱からやがて微小液滴に変化する後続飛翔体の飛翔状態は、主滴よりも軽く気流の影響を受けやすいので、主滴のようには安定せず再現性が低い。このため、同じ条件で撮影した飛翔中のインク液滴の撮影画像から後続飛翔体の画像部分をそれぞれ特定しても、特定した各画像部分からそれぞれ算出した後続飛翔体の累積体積関数が同じになるとは限らない。そこで、複数回算出した後続飛翔体の累積体積関数から求めた値を平均して評価値を取得することで、個々の後続飛翔体の累積体積関数が特異な内容であったとしても、それによる影響の少ない適切な飛翔状態の評価値を取得することができる。
また、上記発明において、前記特定手段は、前記飛翔中のインク液滴に存在する複数の前記主滴のうち前記ノズルから最後に吐出された主滴に続いて飛翔する前記後続飛翔体(例えば、図3(h)の液柱520、図3(i)の微小液滴530)の画像部分を特定することを特徴とする。
上記発明によれば、1つの画素に対してノズルからインク液滴を複数ドロップ連続して吐出する場合は、複数の主滴が飛翔し各主滴の後に後続飛翔体としての液柱がそれぞれ繋がって飛翔することになる。各液柱は飛翔中に徐々に分裂して微小液滴となるが、その微小液滴の後に主滴が飛翔していれば、微小液滴は後続の主滴にやがて吸収される。しかし、ノズルから最後に吐出された主滴の後から伸びる液柱が飛翔中に分裂して微小液滴になると、後続する主滴が存在しないので、微小液滴のまま飛翔し印刷用紙に着弾する。
そのため、ノズルから最後に吐出された主滴に続く後続飛翔体を撮影すれば、印刷用紙上の画像の品質を低下させる大きな要因となる微小液滴又はその元となる液柱を後続飛翔体として漏れなく撮影することができ、後続飛翔体の画像部分の特定や累積体積関数の算出を経て、微小液滴が着弾位置ずれにより印刷用紙の画像を汚す度合いを定量的に評価できるインク液滴の飛翔状態の評価値を、精度よく取得することができる。
さらに、上記発明において、前記後続飛翔体は、前記吐出方向における前記主滴の後方に伸びる液柱(例えば、図3(h)の液柱520)と、前記液柱が分裂して発生した微小液滴(例えば、図3(i)の微小液滴530)との少なくとも一方を含んでおり、前記評価値は、前記微小液滴により形成される汚れを示す値との間に相関関係を有する値であることを特徴とする。
主滴の後方に伸びる液柱から分裂した微小液滴は、主滴よりも着弾位置が本来のインク液滴の着弾位置からずれやすい。このため、微小液滴は印刷用紙の画像の品質を低下させる汚れの画像となる可能性が高い。そこで、上記発明によれば、微小液滴により形成される画像の汚れを示す値との間に相関関係を有する値をインク液滴の飛翔状態の評価値とすることで、この評価値から微小液滴が印刷用紙の画像を汚す度合いを容易に定量的に評価することができる。なお、画像の汚れを示す値としては、例えば、画像の印刷濃度を示すOD(Optical Density )を用いることができる。具体的には、微小液滴によって形成される画像に関するOD値を、画像の汚れを示す値とすることができる。
また、上記発明において、前記撮影手段による撮影タイミングは、前記撮影手段が前記インク液滴の吐出開始からの経過時間を変化させて複数回撮影した前記飛翔中のインク液滴(例えば、図4のインク液滴500)の撮影画像から前記評価値取得手段がそれぞれ取得した複数の前記評価値と、前記各評価値にそれぞれ対応する複数の前記画像の汚れを示す値との相関度に基づいて決定されたタイミングであることを特徴とする。
一般に、ノズルからのインク液滴の吐出条件が異なれば、主滴から分離した液柱が分裂して発生する微小液滴の飛翔状態も異なる。そして、微小液滴の飛翔状態が異なれば、微小液滴が印刷用紙に着弾する際の位置ずれ範囲や位置ずれ度合いも異なり、それにより、印刷用紙上の画像の汚れの度合いも異なる。たとえ同一の吐出条件でインク液滴を吐出しても、微小液滴の飛翔状態はその飛翔過程において時間と共に変化する。したがって、微小液滴の飛翔状態を評価するためには、どのタイミングで飛翔中のインク液滴を撮影するかを定める必要がある。
そこで、上記発明によれば、インク液滴の吐出からの経過時間を変化させて複数回撮影したインク液滴の撮影画像から特定した後続飛翔体の画像部分を用いてそれぞれ取得した評価値と、各評価値にそれぞれ対応する複数の画像の汚れを示す値との相関度に基づいて決定されたタイミングで、飛翔中のインク液滴を撮影手段により撮影する。このタイミングは、例えば、評価値と画像の汚れを示す値との相関係数が最も高くなるタイミングであってもよい。これにより、どのような吐出条件で吐出されたインク液滴の撮影画像であっても、例えば印刷用紙上の画像の汚れに対応する画像の汚れを示す値との相関度が高い等の、適切な評価値を取得することができる。
なお、上記発明において、前記吐出方向をζ軸、該ζ軸の前記撮影画像上への射影をZ軸、前記撮影画像上で前記Z軸と直交する方向をX軸、前記撮影手段の撮影光軸と前記Z軸とを含む面内で前記ζ軸と直交する方向をη軸、前記撮影光軸と前記ζ軸とのなす角度をθ、前記特定した画像部分の前記Z軸上における座標値の範囲を0乃至z、前記Z軸上の任意の座標値における前記特定した画像部分の前記X軸方向における長さの半値をr(z)とした場合、前記累積体積関数算出手段は、
で定義される累積体積関数V(ζ)を算出する構成としてもよい。
上記発明によれば、飛翔中のインク液滴の吐出方向に対する撮影手段の仰角(又は俯角)φを角度θを用いて定義し(φ=(π/2)−θ)、これを考慮した上で、撮影画像から特定した後続飛翔体の画像部分により後続飛翔体の累積体積関数をインク液滴の吐出方向について算出する。このため、インク液滴の吐出方向に対して撮影手段の撮影光軸の方向が直角に対して傾いていて、撮影画像に写る後続飛翔体のX軸方向における1画素当たりの長さが、撮影画像上の画素位置によって異なる場合でも、後続飛翔体の画像部分から正しい累積体積関数を算出することができる。よって、精度のよいインク液滴の飛翔状態の評価値を取得することができる。
また、上記発明において、前記評価値取得手段は、前記吐出方向における前記後続飛翔体の先頭又は最後尾から累積した前記後続飛翔体の累積体積が基準値に達する位置を前記評価値として取得することを特徴とする。
ここで、基準値とは、ノズルが最後に吐出した主滴の後を飛翔する後続飛翔体(液柱や微小液滴)の、ノズル側から累積した体積が、印刷用紙に着弾すると汚れとして認識されるようになる体積のことである。
一般に、液柱を経て発生する後続飛翔体としての微小液滴がインク液滴の吐出方向において主滴から離れているほど、インク液滴の本来の着弾位置からずれて着弾する微小液滴の着弾範囲と着弾位置ずれ度合いとが大きくなる。
したがって、後続飛翔体の累積体積が基準値に達する位置が、インク液滴の吐出方向においてどの位置に存在するのかは、微小液滴が印刷用紙上の画像を汚す度合いを表す指標となり得る。そこで、上記発明では、この位置をインク液滴の飛翔状態の評価値として取得する。これにより、微小液滴が印刷用紙上の画像を汚す度合いを定量的に評価することができる。
本発明によれば、主滴に続いて微小液滴が飛翔するインクジェット方式により画像を形成する際の、微小液滴が印刷用紙の画像を汚す度合いを定量的に評価することができる。
本発明の評価方法で飛翔状態を評価するインク液滴を吐出するインクジェットプリンタの概略構成を示す説明図である。 図1の制御ユニットがプリンタ部のインクジェットヘッドに出力する駆動信号の波形とインク室内のインク圧力の変化との関係を示す説明図である。 (a)〜(k)は図1のインクジェットヘッドのノズルから吐出されたインク液滴の飛翔状態を吐出からの経過時間別に示す説明図である。 図1のインクジェットヘッドのノズルから異なる材料のインクを吐出した際のインク液滴の飛翔状態を比較して示す説明図である。 インク吐出方向におけるノズルからの距離に対する微小液滴の累積体積の分布を図4のインク種類別に示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るインク液滴の飛翔状態評価装置の概略構成を示す説明図である。 図6のデジタルマイクロスコープによる飛翔中のインク液滴の撮影画像を示す説明図である。 図6のデジタルマイクロスコープの撮影光軸とインク液滴の吐出方向との関係を示す説明図である。 図6のカメラレコーダがインク液滴の吐出条件毎に求めたζ座標値と印刷濃度(OD値)との相関を示すグラフである。 (a)〜(j)は図3(i)のタイミングでノズルから吐出したインク液滴の飛翔状態を10回分比較して示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明では、まず、本発明の評価方法によって飛翔状態を評価するインク液滴を吐出するインクジェットプリンタの構造と、インク液滴の飛翔状態の傾向、及び、インク液滴中の微小液滴の発生状態とそれにより生じる画像の汚れとの関係を、下記の
1.インクジェットプリンタ
1.1.インクジェットプリンタの構成
1.2.インク液滴の飛翔状態
1.3.微小液滴の飛翔状態と画像の汚れの関係
の項目順で説明する。
また、これに続いて、本発明の実施形態に係るインク液滴の飛翔状態評価装置の構成と、評価処理において前提とする、インク液滴の累積体積関数や飛翔状態の評価値の一般的な求め方と、評価値を用いて飛翔状態を評価する際に用いる評価データの内容、そして、それらを用いた飛翔状態の評価処理の内容を、下記の
2.インク液滴の飛翔状態評価装置
2.1.飛翔状態評価装置の構成
2.2.累積体積関数の一般的な求め方
2.3.撮影光軸の傾斜による累積体積関数の補正
2.4.累積体積関数を用いた評価値の算出方法
2.5.評価データの内容
2.6.インク液滴の飛翔状態の評価処理
2.7.変形例
の項目順で説明する。
(1.インクジェットプリンタ)
(1.1.インクジェットプリンタの構成)
まず、本発明の評価方法によって飛翔状態を評価するインク液滴を吐出するインクジェットプリンタの概略構成を、図1の説明図を参照して説明する。図1に示す本実施形態のインクジェットプリンタ1は、給紙部Aと、プリンタ部Bと、搬送部Cと、排紙部Dと、反転部Eと、これらの動作を制御する制御ユニット29とを備えている。
給紙部Aは、記録紙PA(印刷用紙)を給紙するものである。給紙部Aは、記録紙PAの搬送経路の最も上流側に配置されている。給紙部Aは、給紙台A1から記録紙PAをプリンタ部Bへと給紙する。
プリンタ部Bは、給紙部Aの下流側に配置されている。プリンタ部Bは、レジストローラB1やベルト搬送部B2等を用いて記録紙PAを搬送部Cに搬送しつつ、記録紙PAに画像を印刷する。
レジストローラB1は、給紙部Aまたは反転部Eから搬送される記録紙PAをベルト搬送部B2へと搬送する。ベルト搬送部B2は、レジストローラB1から搬送された記録紙PAを吸引しつつ、搬送部Cへと搬送する。
搬送部Cは、記録紙PAの搬送経路のうち、排紙部Dと反転部Eの分岐部分に記録紙PAを搬送する経路を構成しており、印刷済みの記録紙PAを搬送する。搬送部Cは、プリンタ部Bの下流側に配置されている。排紙部Dには、印刷済みの記録紙PAが排紙されて積層される。排紙部Dは、搬送部Cの下流側に配置されている。
反転部Eには、排紙部Dと切り替えて、両面印刷の片面印刷済の記録紙PAが送り込まれる。反転部Eは、片面が印刷された記録紙PAを反転させてプリンタ部Bへと搬送する。
上述したプリンタ部Bでは、記録紙PAに対する画像の印刷が行われる。そのためにプリンタ部Bは、ベルト搬送部B2の上方に配置されたヘッドユニットB3を有している。ヘッドユニットB3は、C(シアン)、K(ブラック)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各色のインクに対応する4列のインクジェットヘッド5を備えている。
各インクジェットヘッド5は、図1中での図示を省略するが、インクを吐出するノズルと、このノズルに連通するインク室とを有しており、インク室は、PZT(PbZrO3 −PbTiO3 )等の公知の圧電材料からなる隔壁を有している。
インク室は、制御ユニット29からの駆動信号により隔壁の電極に印加される電圧を変化させて隔壁をせん断変形させることで、容積を増減変化させることができる。この容積変化を適切なパターンで行わせることにより、インク室のインクをノズルから液滴として吐出させることができる。
なお、図1のインクジェットプリンタ1は、所謂マルチドロップ機能を有している。したがって、1つの画素に対してノズルが吐出するインク液滴は、その画素の階調に応じて1ドロップ〜複数ドロップ(例えば7ドロップ)の範囲で変えることができる。
制御ユニット29は、マイクロコンピュータなどによって構成されており、いずれも図示を省略するROMに格納されたプログラムをCPUがRAMの作業領域を使用しながら実行することで、不図示のドライバ回路を通じて各インクジェットヘッド5に、上述した駆動信号を出力する。この制御ユニット29は、ノズルからインク液滴を1ドロップ吐出させる毎に、駆動信号をインクジェットヘッド5に出力する。
制御ユニット29が出力する駆動信号は、例えば、図2の実線で示すような、駆動パルスP1,P2を含む波形とすることができる。この駆動信号によりインクジェットヘッド5の不図示のインク室の隔壁を駆動すると、まず、最初の駆動パルスP1の開始(t1のタイミング)によりインク室の容積が拡大される。これにより、図2の破線で示すように、インク室内のインク圧力が減少し、インク室にインクが流れ込む。
その後、インクの流入によりインク圧力が増加し、t2のタイミングにおける駆動パルスP1の終了により、インク室の容積が元の大きさに縮小される。これにより、インク室内のインク圧力がさらに増加し、インク室のインクが不図示のノズルから液滴として吐出される。
以後、インク室内のインク圧力は減少に転じ、インク液滴の吐出が終了する。そして、2つ目の駆動パルスP2の開始(t3のタイミング)により、インク室の容積が縮小される。これにより、インク室内のインク圧力の減少がインク室容積の縮小に伴うインク圧力の増加でキャンセルされる。そのため、駆動パルスP2が終了(t4のタイミング)した後、インク室のインク圧力が通常圧力に戻るまでの所要時間が短縮され、次にノズルからインクを吐出する準備が早く整うようになる。
(1.2.インク液滴の飛翔状態)
次に、インクジェットヘッド5から吐出されたインク液滴の飛翔状態について説明する。図3(a)〜(k)はインク液滴の飛翔状態を吐出からの経過時間別に示す説明図であり、各図中下方にあるインクジェットヘッド5のノズル5aから上方に向けてインク液滴が吐出された場合を示している。なお、図3(a)〜(f)では、ノズル5aがインク液滴により隠れている。
図3(a)は吐出動作開始からの経過時間t=50μsのタイミングにおける飛翔状態を示し、図3(b)以降は経過時間tが5μsずつ後のタイミングにおける飛翔状態をそれぞれ示している。よって、最後の図3(k)では、経過時間t=100μsのタイミングにおける飛翔状態を示している。なお、図3(a)〜(k)では、1つの画素に5ドロップ連続でインク液滴を吐出した場合を示している。
図3(a)に示すように、ノズル5aから吐出方向ζに吐出されたインク液滴500は当初、ドロップに対応する主滴510の後に、細い尾を引いて飛翔する。そのため、各主滴510の後には細径の液柱520が尾を引いてそれぞれ繋がっている。なお、図3(a)のタイミングでは既に、ノズル5aが最初に吐出した吐出方向ζにおける先頭のドロップに対応する主滴が、2つ目のドロップに対応する主滴510に吸収されて1つになっている。
インク液滴500の飛翔中に液柱520は主滴510から分離し、分離後に主滴510の後方を飛翔する液柱520は、図3(e)〜(k)に示すように、やがて吐出方向ζにおいて複数に分裂し、微小液滴(サテライト)530となる。微小液滴の体積及び質量は、主滴の概ね1/10乃至それ以下である。
空気中を飛翔する液滴はその大きさが小さいほど抗力による減速が顕著なので、飛翔を続けるうちに微小液滴530は前方の主滴510から遅れて離れていく。そして、吐出方向ζの前後2つの主滴510間を飛翔する微小液滴530は、飛翔中に後方の主滴510に追いつかれて吸収される。一方、図3(k)に示すように、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する微小液滴530は飛翔速度が低下していき、その一部は、ノズル5aを形成したインクジェットヘッド5と記録紙PAとの間にあるインク液滴500の飛翔空間を漂うミストの状態となる。
(1.3.微小液滴の飛翔状態と画像の汚れの関係)
インク液滴500の飛翔空間には、ベルト搬送部B2による記録紙PAの搬送気流によって空気の流れが生じる。そして、この飛翔空間が一般的に複雑であり、しかも、ノズル5aがオンデマンドで吐出するインク液滴500が飛翔空間に気液混相流を発生させるので、これらの流れが混ざった飛翔空間の空気の流れは複雑なものとなる。したがって、この空間をミストの状態となって飛翔する微小液滴530は、主滴510に対して様々な方向にずれて記録紙PAに着弾し、記録紙PAの画像(図示せず)を汚して画像品質を低下させる要因となる。ミストにはならないものの減速して記録紙PAに着弾する微小液滴530も、画像を汚して画像品質を低下させる要因となる。
そして、ノズル5aが最後に吐出した吐出方向ζの最後尾の主滴510の後を飛翔する微小液滴530の体積が大きいと、記録紙PAの画像が微小液滴530により汚れる度合いが大きくなり、微小液滴530の体積が小さいと、画像が汚れる度合いが小さくなり、場合によっては視覚上汚れとして認識されなくなる。
そこで、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する微小液滴530や、その元となる液柱520等の、吐出方向ζにおける累積体積を示す累積体積関数に基づいて、微小液滴530の飛翔状態を評価する評価値を取得することができる。そして、この評価値により、微小液滴530により記録紙PAの画像が汚れる度合いを、定量的に評価することができる。この評価値は、図6を参照して後述する飛翔状態評価装置が、インク液滴500の撮影画像に基づいて算出する。
ところで、ノズル5aが吐出した各主滴510の後をそれぞれ飛翔する液柱520は、図3(a)〜(g)のタイミングでは、少なくとも一部の液柱520が前方を飛翔する主滴510に繋がっている。一方、図3(h)以降のタイミングでは、全ての液柱520が前方の主滴510からそれぞれ分離している。そして、図3(i)〜(k)に示すように、各主滴510から分離した液柱520は徐々に微小液滴530に分裂する。
分裂した微小液滴530のうち、前後2つの主滴510間を飛翔している微小液滴530は、図3(k)のタイミングまでに、後続の主滴510に吸収される。一方、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する微小液滴530は、主滴510とは異なる軌跡を飛翔し、あるいは、ミストの状態となって飛翔空間の空気の流れに流され、主滴510に対して様々な方向にずれて記録紙PAに着弾し、記録紙PAの画像を汚して印刷品質を低下させる要因となる。
そこで、インク液滴500の飛翔状態の評価値を取得する際には、ノズル5aが最後に吐出した主滴510に繋がっている状態の液柱520の累積体積関数か、あるいは、主滴510から分離した後の液柱520が分裂して発生した微小液滴530の累積体積関数から評価値を取得する。これにより、微小液滴530が記録紙PAの画像を汚す度合いを精度よく定量的に表した評価値を取得することができる。
ここで、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する微小液滴530の存在範囲は、例えば、インクの材料に応じて変わる場合がある。
図4は異なる材料のインクをノズル5aから吐出した際のインク液滴500の飛翔状態を比較して示す説明図である。図4では、吐出動作開始(図2のt2のタイミング)から100μs経過後(t=100μs)のタイミングにおける、8種類のインクA〜Hのインク液滴500の飛翔状態を示している。
なお、各インクA〜Hのインク液滴500の飛翔状態は、6回分の飛翔状態を重ね合わせて表示している。また、図中の横方向はノズル5aからの距離を表しており、左端がちょうどノズル5aの位置に相当する。
さらに、図中のインクA〜Eは油性インク、インクF〜Hは油中水滴(W/O型)エマルションインクであり、主に顔料の量、溶剤の粘度、エマルションの水の配合比などを調整して、インクの粘度を調整している。ちなみに、インクA〜Cの粘度は約9〜10mPa・s、インクD〜Hの粘度は約12〜21mPa・sである。
そして、図中の仕切り線で区切った下側のインクD〜Hは、粘度の低い油性インクA〜Cに比べて、吐出方向ζにおける最後尾の主滴510の後を飛翔する微小液滴530の存在範囲が広い。
図5は、インク液滴500の微小液滴530の体積をノズル5aからの吐出方向ζにおける距離に応じて累積した値(累積体積)を、図4に示したタイミングにおいて上記インクA〜Hの種類別に示したグラフである。図5に示すように、インクA〜Cは、ノズル5aから200μmを超える位置まで微小液滴530が存在していない。一方、インクD〜Hは、ノズル5aから100μmを超える手前の位置にも微小液滴530が存在している。
上述したインクA〜Hの材料の他にも、吐出方向ζの最後尾の主滴510の後を飛翔する微小液滴530の存在範囲は、例えば、図2に示した駆動信号の波形や電圧を変えると変化する場合がある。したがって、最後尾の主滴510の後を飛翔する微小液滴530やその元となる液柱520の吐出方向ζにおける累積体積関数から、インク液滴500の飛翔状態の評価値をインク液滴500の吐出条件毎に取得することが望ましい。
(2.インク液滴の飛翔状態評価装置)
(2.1.飛翔状態評価装置の構成)
次に、本発明の一実施形態に係るインク液滴の飛翔状態評価装置について、図6を参照して説明する。図6の飛翔状態評価装置は、例えば上述したようにしてインクジェットヘッド5のノズル5aから吐出されたインク液滴500の飛翔状態を、本発明の評価方法を適用して評価するのに用いることができる。
図6に示す本実施形態の飛翔状態評価装置は、図1の制御ユニット29に代わって駆動信号を出力しインクジェットヘッド5を駆動するために、コントローラとしての制御用パーソナルコンピュータ(制御用PC)100と、ドライバとしてのIJヘッド駆動装置150を用いる。IJヘッド駆動装置150は、制御用PC100からインク吐出の指示信号を受信すると、図2の駆動信号をインクジェットヘッド5に出力する。
また、本実施形態の飛翔状態評価装置は、インクジェットヘッド5が下方に吐出したインク液滴500の飛翔経路を照明するパルス光を発光するパルス光源200と、インク液滴500を撮影するデジタルマイクロスコープ300と、デジタルマイクロスコープ300から撮影信号を取り込み処理するパーソナルコンピュータ400とを有している。
パルス光源200は、制御用PC100の制御によりパルス光源制御装置250が出力するパルス信号に応じてパルス光を発光する。デジタルマイクロスコープ300は、例えば、RGB24ビットで縦1600×横1200画素の無圧縮画像信号を、15フレーム/秒の高レートで転送出力する。したがって、パーソナルコンピュータ400には、デジタルマイクロスコープ300の信号転送レートに応じたサンプリングレートで画像信号の取り込み及び記録(録画)が可能な画像記録部410として機能する装置を使用する。
前記制御用PC100は、IJヘッド駆動装置150によりインクジェットヘッド5のノズル5aから下方にインク液滴500を吐出させるための駆動信号を出力した後、一定時間遅れてパルス光源200を発光させる。パルス光源200が発光している間にデジタルマイクロスコープ300が撮影した画像には、インクジェットヘッド5が吐出動作を開始してから一定時間が経過した飛翔中のインク液滴500が撮影される。
したがって、例えば、インクジェットヘッド5のノズル5aが最後に吐出した主滴510から液柱520が分離した後の図3(i)のタイミング(経過時間t=90μs)でインク液滴500を撮影する場合は、インク液滴500の吐出動作開始後90μs経過した時点でパルス光源200を点灯させる。
パーソナルコンピュータ400は、上述した画像記録部410に録画した画像から、飛翔中のインク液滴500のうち液柱520や微小液滴530の部分を特定する画像処理部420として機能する。また、パーソナルコンピュータ400は、特定した液柱520や微小液滴530の部分の累積体積関数をインク液滴500の吐出方向ζについて算出する形状解析部430として機能する。
さらに、パーソナルコンピュータ400は、形状解析部430が算出したインク液滴500の累積体積関数から、インク液滴500の飛翔状態を評価するための評価値を取得し、取得した評価値を用いてインク液滴500の飛翔状態を評価する演算処理部440として機能する。なお、パーソナルコンピュータ400には、評価値に対応する評価内容を定義する評価データを記憶するハードディスク等の評価データ記憶部450が設けられている。
ここで、パルス光源200やデジタルマイクロスコープ300を用いた飛翔中のインク液滴500の撮影は、所謂同期法によって行う。具体的には、一定周期でインク液滴500をノズル5aが吐出する吐出動作において、そのトリガ信号を基準に任意の時間遅らせたタイミングでパルス光源200を発光させると、任意のタイミングにおけるインク液滴500の飛翔状態をデジタルマイクロスコープ300で観察することができる。
なお、デジタルマイクロスコープ300で撮影してパーソナルコンピュータ400の画像記録部410に録画するインク液滴500の飛翔状態とは、飛翔中のインク液滴500の一部の部分であってもよいし全体であってもよい。但し、少なくとも、ノズル5aが最後に吐出した主滴510とその後を飛翔する液柱520や微小液滴530とを含んでいるものとする。
本実施形態では、パルス光源200の発光強度の時間変化が、最大強度の半値幅で180ns(ナノ秒)と非常に短いので、インク液滴500の飛翔速度が例えば10m/sであると、最大強度の半値幅の発光時間中のインク液滴500の飛翔距離は1.8μmとなり、高速で移動するインク液滴500を撮影する際の「ぶれ」を最小限に抑えることができる。また、デジタルマイクロスコープ300は、1画素当たり0.8μmに相当する解像度を有している。このため、パルス光源200の発光タイミングを順次変更することで、インク液滴500の飛翔状態を時間的に連続してデジタルマイクロスコープ300により捉え、パーソナルコンピュータ400の画像記録部410に録画することができる。
パーソナルコンピュータ400の画像処理部420は、画像記録部410に記録したインク液滴500の飛翔状態の撮影画像から、インク液滴500の部分と背景部分とを判別するための画像処理を行う。この画像処理は、例えば、適切なしきい値を用いた撮影画像の2値化によって行うことができる。また、画像処理部420は、2値化された撮影画像からインク液滴500の形状を特定する解析処理を行う。
パーソナルコンピュータ400の形状解析部430は、インク液滴500の飛翔状態の評価値を演算処理部440により取得させるために、画像処理部420によるインク液滴500の形状の特定結果から、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530の累積体積関数を求める。以下、デジタルマイクロスコープ300による撮影画像からインク液滴500の累積体積関数を求める一般的な手法について説明する。
(2.2.累積体積関数の一般的な求め方)
デジタルマイクロスコープ300の撮影画像は平面であり、図7の説明図に示すように、この撮影画像に写るインク液滴500(主滴510、液柱520、微小液滴530)も平面状である。そして、実際のインク液滴500は、インク液滴500の吐出方向ζに延在する軸(ζ軸)を回転中心とする回転体と見倣すことができる。
なお、図7では、図3と同様に、インク液滴500の吐出方向を上下反転させて、ノズル5aが図中の下方に位置し、インク液滴500が図中の下方から上方に吐出される向きで示している。
図7に示すように、インク液滴500の吐出方向ζであるζ軸のデジタルマイクロスコープ300の撮影画像上への射影であるZ軸上において、任意の座標zにおけるインク液滴500の断面積S(z)は、撮影画像上でZ軸と直交するX軸方向(水平方向X)におけるインク液滴500の幅2r(z)を直径とする円の面積π(r(z))で表すことができる。したがって、Z軸がζ軸と一致する場合、Z軸上の起点(z=0)から終点(z=z1)のインク液滴500の体積Vは、z=0からz=z1までのインク液滴500の断面積S(z)を積分した下記の式(1)によって表すことができる。
上記の式(1)は、インク液滴500のZ軸方向(吐出方向ζ)における任意の起点(z=0)及び終点(z=z1)間の体積を表す累積体積関数である。
なお、インク液滴500のZ軸方向における長さやX軸方向における幅2r(z)は、デジタルマイクロスコープ300の解像度から定まる撮影画像の1画素当たりの実寸法(本実施形態では1画素当たり0.8μm)から換算することができる。
(2.3.撮影光軸の傾斜による累積体積関数の補正)
ところで、上記の式(1)は、インク液滴500の吐出方向ζに対してデジタルマイクロスコープ300の撮影光軸が直交していること、つまり、Z軸がζ軸と一致することを前提にした式である。実際には、吐出方向ζと直交するX軸方向(水平方向X)に対して、デジタルマイクロスコープ300の撮影光軸が傾いている場合もある。仮に、水平方向に対してデジタルマイクロスコープ300の撮影光軸が、図8の説明図に示すように、俯角φを有していると、吐出方向ζと撮影光軸とのなす角度θはθ=(π/2)−φとなる。
ここで、ノズル5aとノズル5aから吐出されたインク液滴500との距離(ノズル−インク液滴間距離)は数100μmである。これに対し、本実施形態で用いるデジタルマイクロスコープ300の光学系の最短焦点距離は数10mm以上であり、ノズル−インク液滴間距離に比べて非常に大きい。したがって、ノズル5aやインク液滴500を光学系の合焦範囲で撮影したときに、ノズル5aやインク液滴500に対するデジタルマイクロスコープ300の撮影光軸、即ち、図8中の光軸1、光軸2は、実質的に平行であると見倣すことができる。
このため、デジタルマイクロスコープ300の撮影画像に写っているノズル5aやインク液滴500は全て、インク液滴500の吐出方向ζに対して角度θだけ傾いていると見倣すことができる。
これを踏まえると、インク液滴500の吐出方向ζにおける実寸法は、デジタルマイクロスコープ300の撮影画像から求まるインク液滴500のZ軸方向における長さを(1/cosφ)倍、つまり、(1/sinθ)倍する必要がある。このため、Z軸方向における起点(z=0)及び終点(z=z1)に対応するζ軸上の起点(ζ=0)及び終点(ζ=ζ1)の座標値で表わした、実際のインク液滴500の起点(ζ=0)及び終点(ζ=ζ1)間の体積V(ζ1)は、下記の式(2)によって表されることになる。
このとき、撮影画像上でのX軸方向(水平方向X)におけるインク液滴500の幅2r(z)は、水平方向Xに対してデジタルマイクロスコープ300の撮影光軸が傾いていても、その影響でインク液滴500の実際の幅から変化することはない。このため、インク液滴500の直径2r(z)や断面積π(r(z))は、撮影光軸の傾きを考慮して補正しなくてよい。
そこで、上述した式(2)を一般型で示すと、Z軸方向における積分範囲をZ=0〜Z=zとした、下記の式(3)で表すことができる。この式(3)は、インク液滴500の吐出方向ζにおける範囲(起点(ζ=0)及び終点(ζ=ζ1)間)を、Z軸上の範囲に換算して、起点(z=0)及び終点(z=z1)間のインク液滴500の体積を累積した、累積体積関数V(ζ)と呼ぶことができる。
この累積体積関数V(ζ)を用い、終点(ζ=ζ1)の位置を徐々に起点(ζ=0)から遠ざけてその都度インク液滴500の体積を求めると、求まる体積は当然単調増加する。その増加の際に、終点の位置によっては体積が急激に増えることもあり、反対に、体積がほとんど増えないこともある。そして、体積が急激に増える終点位置にはインク液滴500が大量に存在していることになり、反対に、体積がほとんど増えない終点位置ではインク液滴500がほとんど存在していないことになる。
このため、累積体積関数により求まるインク液滴500の体積が、終点位置を起点から遠ざけるにつれてどのように増加するかに基づいて、インク液滴500が吐出方向ζに沿ってどの位置にどれだけの体積で分布しているかを把握することができる。
(2.4.累積体積関数を用いた評価値の算出方法)
次に、パーソナルコンピュータ400の演算処理部440が、インク液滴500の飛翔状態の評価値を累積体積関数により算出する方法について説明する。まず、具体的な算出方法に先立って、微小液滴530の飛翔状態について説明し、続いて、微小液滴530の飛翔状態を踏まえて決定した起点及び終点間の累積体積関数から評価値を算出する具体的な方法について説明する。
ここで、先行する主滴510や微小液滴530の直後を飛翔する微小液滴530は、先行する主滴510や微小液滴530の後流により抗力が減じられて、先行する主滴510や微小液滴530に追いつく。あるいは、先行する主滴510や微小液滴530に追いつかないまでも、先行する主滴510や微小液滴530の後流により、空気から受ける抗力による減速の程度が弱くなる。先行する主滴510や微小液滴530の後流により抗力が減じられる程度は、先行する主滴510や微小液滴530が大きいほど強く、また、先行する主滴510や微小液滴530からの距離が短いほど強い。したがって、液柱520が複数の微小液滴530に分裂したとき、先行する主滴510からの距離が長いほど、微小液滴530は飛翔空間を漂うミストになりやすい。
このため、インク液滴500の累積体積関数V(ζ)のうち、後続飛翔体(液柱520や微小液滴530)の部分の累積体積関数は、微小液滴530又はやがて微小液滴530に分裂し得る液柱520がミストになりやすい程度を示す情報を含んでいる。また、後続飛翔体(液柱520や微小液滴530)の部分の累積体積関数は、微小液滴530又はやがて微小液滴530に分裂し得る液柱520の量(体積)示す情報を含んでいる。
そこで、パーソナルコンピュータ400の形状解析部430は、インク液滴500の飛翔状態の評価値を取得するために、上記の式(3)、つまり、累積体積関数V(ζ)の式を利用し、ノズル5aが最後に吐出した主滴510から伸びる液柱520や、液柱520が分裂して発生した微小液滴530を含む範囲を起点(ζ=0)及び終点(ζ=ζ1)として、起点及び終点間の累積体積関数を求める。
ここで、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する微小液滴530の吐出方向ζにおける分布範囲が広いほど、ノズル5a側の微小液滴530の飛翔速度が遅くなり、主滴510からの遅れが大きくなる。そこで、本発明の発明者は、図4に示す種々の材料のインクでインク液滴500の飛翔状態を評価し、これと、記録紙PAの汚れた度合いとの関係を調べた。その結果、主滴510からの遅れが大きく飛翔速度が遅い微小液滴530の量が多く、一方、記録紙PA上では、画像が微小液滴530の着弾により大きい度合いで汚れており、その汚れは視覚的にも顕著であることが分かった。
つまり、個々の微小液滴530の体積が大きかったり微小液滴530の数が多かったりしても、微小液滴530の飛翔速度が遅くなければ、記録紙PAの画像が微小液滴530の着弾によって汚れる度合いは小さくなるということが分かった。そこで、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530の吐出方向ζにおける累積体積関数を、ノズル5a側から求めるのが、微小液滴530による画像の汚れの度合いを評価するのに当たって有効であることがわかる。この場合、累積体積関数からどのようにして評価値を取得するかが重要となる。
ここで、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530の、ノズル5a側から累積した体積が、記録紙PAに着弾すると汚れとして認識されるようになる微小液滴530の体積に相当する一定の値に達したと仮定する。一定の値は、例えば、主滴510に対して着弾位置ずれした微小液滴530が記録紙PA上で汚れとして認識されるかどうかを微小液滴530の体積を変えながら繰り返し検証する等して、実験的に求めることができる。
そして、ノズル5a側から累積した、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530の体積が、上述した一定の値に達した場合は、記録紙PAの画像を視覚上認識できる度合いで汚す体積の微小液滴530が、やがて、主滴510からずれて記録紙PAに着弾することになる。
このため、演算処理部440は、液柱520や微小液滴530の体積の累積を開始する位置(累積体積関数V(ζ)の起点)を、吐出方向ζにおけるノズル5aの位置に定め、液柱520や微小液滴530の体積の累積を終了する位置(累積体積関数V(ζ)の終点)を、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後端の、ζ軸上における座標ζとして、上記の式(3)により算出される体積V(ζ)が上述した一定の値となるζ座標値を求める。
このζ座標値は、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530の吐出方向ζにおける累積体積関数から取得した、インク液滴500の飛翔状態の評価値とすることができる。また、ノズル5aが最後に吐出した主滴510とノズル5aとの距離から、ノズル5aからζ軸上の座標ζまでの距離を差し引いた、ノズル5aが最後に吐出した主滴510と座標ζとの距離を、ζ座標値に代えてインク液滴500の飛翔状態の評価値としてもよい。この評価値は、画像の汚れに大きく影響する液柱520や微小液滴530の体積に対応し、さらに、微小液滴530が記録紙PAに着弾して画像を汚す度合いを数値化したものとして扱うことができる。
なお、「一定の値」を、上述したζ座標値に代えて、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530(後続飛翔体)のノズル5a側の端部(後端)と上述したζ座標値の地点との中間点や、液柱520や微小液滴530の後端と上述したζ座標値との間における液柱520や微小液滴530の重心位置としてもよい。
(2.5.評価データの内容)
演算処理部440は、上述のようにして評価値を取得すると、評価データ記憶部450の評価データを参照して、インク液滴500の飛翔状態を評価する。データ記憶部450の評価データは、評価値とそれに対応する評価内容とを定義するもので、両者の関係を示す一般式や、両者を対応付けたテーブル等によって構成される。評価データの内容は、次のようにして決定されている。
まず、形状解析部430が累積体積関数を求めるのに用いたデジタルマイクロスコープ300の撮影画像に映ったインク液滴500で記録紙PAに形成された画像(図示せず)の、微小液滴530の着弾位置ずれにより汚れた余白部分等を特定し、その部分の印刷濃度を求める。
なお、本実施形態では、微小液滴530により記録紙PA上に形成される画像の印刷濃度として、OD(Optical Density )値を用いている。また、微小液滴530の着弾位置ずれで汚れた部分の特定や、特定した部分の印刷濃度の算出は、例えば、記録紙PAに形成された画像をスキャナで読み取り、不図示の元画像のデータを参照して画像処理することで、行うことができる。
微小液滴530の着弾位置ずれで汚れた部分の印刷濃度を求めたら、その値を、評価値として求めたζ座標値と対応付ける。
ここで、一般に、ノズル5aからのインク液滴500の吐出条件が異なれば、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530の存在範囲が異なり、微小液滴530が着弾位置ずれして記録紙PA上に着弾する位置が異なる。そこで、吐出条件が異なる各インク液滴500について、上述した、カメラレコーダ400が求めたζ座標値と印刷濃度(OD値)との対応付けを行う。
図9は、図4に示す8種類のインクA〜Hについて、吐出から一定時間経過後(例えば、t=100μs)のタイミングでデジタルマイクロスコープ300が撮影した画像からカメラレコーダ400が求めた、ζ座標値と印刷濃度(OD値)との相関を示すグラフである。このグラフでは、ノズル5a側から累積した液柱520や微小液滴530の累積体積が0.1pl(ピコリットル)となる位置(ζ座標値)と、それに対応する印刷濃度(OD値)との相関を示している。そして、ζ座標値と印刷濃度(OD値)との間には、図中の直線fで近似される負の相関関係が存在する。
したがって、カメラレコーダ400が求めたζ座標値を評価値として、微小液滴530が着弾位置ずれして記録紙PA上に着弾することで発生した画像の汚れの印刷濃度(OD値)を通じて、微小液滴530による記録紙PAの画像の汚れの度合いを定量的に評価することができる。
なお、図3(a)〜(k)を参照して説明したように、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する液柱520は、飛翔中に分割されて微小液滴530となる。したがって、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530の存在範囲は、ノズル5aからインク液滴500を吐出してからの経過時間が長いほど安定する。このため、液柱520や微小液滴530の存在範囲の安定性を優先させるならば、デジタルマイクロスコープ300によるインク液滴500の撮影タイミングをできるだけ遅らせるのが望ましい。
一方、ノズル5aからインク液滴500を吐出してからの経過時間が長くなると、デジタルマイクロスコープ300によって撮影するインク液滴500の吐出方向ζにおける分布範囲が拡がる。インク液滴500の撮影範囲が拡がってもデジタルマイクロスコープ300の画素数は変わらないので、インク液滴500を撮影するタイミングが遅くなるほど、デジタルマイクロスコープ300による撮影画像の分解能は下がる。このため、撮影分解能を優先させるならば、デジタルマイクロスコープ300によるインク液滴500の撮影タイミングをできるだけ早めるのが望ましい。
このように、液柱520や微小液滴530の存在範囲の安定と、デジタルマイクロスコープ300による撮影画像の分解能との間には、デジタルマイクロスコープ300によるインク液滴500の撮影タイミングについてトレードオフの関係がある。したがって、デジタルマイクロスコープ300によるインク液滴500の撮影タイミングをどのように決定するかが問題となる。
ところで、図9のグラフに示したζ座標値と印刷濃度(OD値)との相関関係については、以下のことが言える。デジタルマイクロスコープ300が撮影した画像に映る液柱520や微小液滴530の存在範囲は、ζ座標値や印刷濃度(OD値)と関係がある。そして、インク液滴500の撮影タイミングを変えると、液柱520や微小液滴530の存在範囲も変わる。したがって、ζ座標値や印刷濃度(OD値)を求める元となるデジタルマイクロスコープ300の撮影画像の撮影タイミングが変わると、それが反映されたζ座標値や印刷濃度(OD値)の相関関係も変わる。
例えば、デジタルマイクロスコープ300による撮影タイミングが異なる撮影画像を元にしてζ座標値と印刷濃度(OD値)を求めると、それらの相関は、例えば図9中に示す近似直線fに対する各インクA〜Hの相関のばらつきに対して、ばらつきがより拡大する場合もあれば、ばらつきがより縮小する場合もある。
そこで、インク液滴500の撮影タイミングと使用するインクの種類とをそれぞれ異ならせた組み合わせについて、各撮影タイミングの撮影画像に基づいてζ座標値と印刷濃度(OD値)との相関を求めて、各インクA〜Hの相関の近似直線を求める。そして、最も近似直線に対する相関のばらつきが小さい撮影タイミング、つまり、ζ座標値と印刷濃度(OD値)との相関係数の絶対値が最も大きい撮影タイミングを求める。このようにして求めた撮影タイミングは、いつでも参照できるように、ハードディスク等の記憶手段に記憶しておく。
そして、この撮影タイミングでデジタルマイクロスコープ300が撮影した画像を元にして求めたζ座標値と印刷濃度(OD値)との相関関係を、評価データとして評価データ記憶部450に記憶しておく。
(2.6.インク液滴の飛翔状態の評価処理)
続いて、飛翔状態評価装置によるインク液滴500の飛翔状態の評価処理について説明する。まず、制御用PC100が、ハードディスク等に記憶された撮影タイミングに合わせてパルス光源200を発光させ、そのタイミングでデジタルマイクロスコープ300が撮影したインク液滴500の飛翔状態の画像を、パーソナルコンピュータ400の画像記録部410に録画する。
そして、パーソナルコンピュータ400の画像処理部420が、記録したインク液滴500の飛翔状態の撮影画像からインク液滴500の形状を特定する。また、形状解析部430が、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530の累積体積関数を算出する。
さらに、演算処理部440が、インク液滴500の飛翔状態の評価値としてζ座標値を算出し、算出したζ座標値に対応するOD値を評価データを参照して求める。そして、求めたOD値に基づいて、インク液滴500の飛翔状態を評価する。このとき、演算処理部440は、例えば、OD値が所定のしきい値以上であるときは、画像の汚れ度合いが高いものとして、インク液滴500の飛翔状態が良好でないと評価し、OD値が所定のしきい値未満であるときは、画像の汚れ度合いが低いものとして、インク液滴500の飛翔状態が良好であると評価することができる。
このように本実施形態では、デジタルマイクロスコープ300による撮影画像から、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530の部分を特定する。そして、特定した部分から、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530の吐出方向ζにおける累積体積関数を求める。具体的には、ノズル5a側から累積した微小液滴530の体積が上述した「一定の値」になる位置の吐出方向ζにおける座標値(ζ座標値)を、インク液滴500の飛翔状態の評価値として求める。
この評価値は、記録紙PAに着弾した微小液滴530の印刷濃度を示すOD値と相関があり、液柱520や微小液滴530の体積に応じて変化する。また、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530が主滴510から離れるほど、微小液滴530の飛翔速度が落ちて、記録紙PAに着弾した際に画像を汚す度合いが大きくなる。そこで、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530の累積体積関数を、インク液滴500の飛翔状態の評価値として求めることで、評価値を通じて微小液滴530による記録紙PAの画像の汚れの度合いを定量的に評価することができる。
(2.7.変形例)
なお、本実施形態では、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530の累積体積関数を求めるために、それらの画像部分(後続飛翔体の画像部分)を飛翔中のインク液滴500の撮影画像から特定するものとした。しかし、例えば、インク液滴500の撮影画像から背景を除くインク液滴500の画像部分を特定し、特定したインク液滴500の画像部分から、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530の累積体積関数を求めてもよい。
また、特定のζ座標値でない一般値としての累積体積関数V(ζ)を、インク液滴500の飛翔状態の評価値として用いてもよい。
さらに、本実施形態では、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530の吐出方向ζにおける累積体積関数を、ノズル5a側から求めるものとした。しかし、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後端側からノズル5aに向かって、主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530の吐出方向ζにおける累積体積関数を求めてもよい。
この場合、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後方の液柱520や微小液滴530による累積体積が一定の値になるような座標値を評価値として求め、それに基づき、インク液滴500の飛翔状態を評価するようにしてもよい。この評価値も、液柱520や微小液滴530の体積に対応し、かつ、微小液滴530が記録紙PAに着弾して画像を汚す度合いを数値化したものとして扱うことができる。
なお、例えば、主滴510の先端部分においては、累積体積関数の座標値ζの変化に対する累積体積の増加の度合い(増加加速度)が大きく、主滴510の後端とそれに続く液柱520や微小液滴530との境界部分では、累積体積関数の座標値ζの変化に対する累積体積の増加の度合い(増加加速度)が小さい。したがって、例えばノズル5a側から累積体積を求めた場合は、ζ軸上の座標値ζの変化に対して累積体積が急激に増加するところを特定することで、主滴510とそれ以外(液柱520や微小液滴530)との境界を検出することができる。
即ち、累積体積関数の座標値ζの変化に対する累積体積の増加の変化の度合い(増加加速度)に基づいて、飛翔中のインク液滴500における各主滴510の位置や、各主滴510とそれに続く液柱520や微小液滴530との境界位置を、ζ軸方向において特定することができる。そこで、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後方の液柱520や微小液滴530だけでなく、例えば、ノズル5aが最初に吐出した主滴510の先端からノズル5aまで、インク液滴500の全体に亘って累積体積関数を求めてもよい。
その場合は、求めたインク液滴500全体の累積体積関数から、ノズル5aが最後に吐出した主滴510とその後方の液柱520や微小液滴530との境界位置をζ軸方向において特定する。そして、特定した範囲について、ノズル5a側やノズル5aが最後に吐出した主滴510の後端側からの累積体積を求める。このようにしても、求めた累積体積が一定の値に達したことを検出することによって、インク液滴500の飛翔状態の評価値を求めることができる。
ちなみに、評価値を求める際に一定の値に達したことを検出するインク液滴500の累積体積は、ノズル5a側から求めてもよく、ノズル5aが最初に吐出した主滴510側から求めてもよい。どちら側から求めた評価値も、液柱520や微小液滴530の体積に対応し、かつ、微小液滴530が記録紙PAに着弾して画像を汚す度合いを数値化したものとして扱うことができる。
なお、パーソナルコンピュータ400の形状解析部430がデジタルマイクロスコープ300の撮影画像からインク液滴500の飛翔状態の評価値を取得する際に、以下の理由により、同じ吐出条件で吐出させた複数回分のインク液滴500の撮影画像から画像処理部420が求めた複数回分の累積体積関数の平均値を用いて、評価値を取得するようにしてもよい。
即ち、ノズル5aが最後に吐出した主滴510から分離した液柱520には表面張力によって「くびれ」が発生し、最終的に液柱520は複数の微小液滴530に分裂する。その際、液柱520のどこにくびれが発生し、その結果、個々の微小液滴530が吐出方向ζにおいてどこにどのような液滴量で発生するかは、ほとんど予測困難である。また、その液柱520が分裂して発生した微小液滴530の飛翔状態は、それらが主滴510よりも軽くかつ小さいので、飛翔空間を流れる複雑な流れの空気に流されて安定しない。
このような微小液滴530の発生や飛翔状態の不安定性を示すのが、図10(a)〜(j)の説明図である。図10(a)〜(j)は、ノズル5aから吐出してから90μsが経過したタイミング(経過時間t=90μs)におけるインク液滴500の飛翔状態を、同じ吐出条件で10回分比較した説明図である。
図10(a)〜(j)を比較すると分かるように、各回の主滴510の飛翔状態は比較的一致して安定しているのに対し、液柱520や微小液滴530の飛翔状態(飛翔位置、液柱520から微小液滴530への移行状態)は毎回異なり安定していない。このため、ノズル5aが最後に吐出した主滴510から分離した後の液柱520や微小液滴530の累積体積関数を1回求めても、その累積体積関数が、以後のインク液滴500の飛翔状態から常に再現されるとは限らない。したがって、1回求めた液柱520や微小液滴530の累積体積関数からインク液滴500の飛翔状態の評価値を取得しても、その評価値が微小液滴530による画像の汚れの度合いを適切に表す値になるとは限らない。
そこで、ノズル5aが最後に吐出した主滴510から分離した後の液柱520や微小液滴530の累積体積関数を、同じ吐出条件で吐出したインク液滴500について複数回求め、複数回分の累積体積関数の平均値から、インク液滴500の飛翔状態の評価値を取得するようにしてもよい。
例えば、10回分の累積体積関数の平均値から評価値を取得する場合は、インク液滴500の飛翔状態を吐出開始動作から同じタイミング(例えば90μs経過後)で10回繰り返して撮影して、図10(a)〜(j)に示す10パターンの撮影画像を取得する。そして、10パターンの撮影画像を用いて累積体積関数をそれぞれ求めることで、それらの平均値を求めることができる。なお、図10(a)〜(j)の画面の縦横比(アスペクト比)と、デジタルマイクロスコープ300の無圧縮画像信号の画面の縦横比とは異なっている。
さらに、本実施形態では、ノズル5aが最後に吐出した主滴510の後を飛翔する液柱520や微小液滴530の撮影画像からの特定から、インク液滴500の飛翔状態の評価値の取得までを、全てパーソナルコンピュータ400が行うものとした。しかし、それらの一部又は全部を例えば制御用PC100によって行うようにしてもよい。
また、インク液滴500の飛翔状態の評価値について、良好と評価する数値範囲から外れる評価値を取得した場合に、その数値範囲からどのくらい外れているかに応じた内容で、不良な飛翔状態を良好に戻すために、インクの材料や駆動信号の波形、電圧等、インク液滴500の吐出条件を変更するフィードバックを行うようにしてもよい。
1 インクジェットプリンタ
5 インクジェットヘッド
5a ノズル
29 制御ユニット
100 制御用パーソナルコンピュータ(制御用PC)
150 IJヘッド駆動装置
200 パルス光源
250 パルス光源制御装置
300 デジタルマイクロスコープ(撮影手段)
400 パーソナルコンピュータ
410 画像記録部
420 画像処理部(特定手段)
430 形状解析部(累積体積関数算出手段)
440 演算処理部(評価値取得手段)
500 インク液滴
510 主滴
520 液柱(後続飛翔体)
530 微小液滴(後続飛翔体)
A 給紙部
A1 給紙台
B プリンタ部
B1 レジストローラ
B2 ベルト搬送部
B3 ヘッドユニット
C 搬送部
D 排紙部
E 反転部
P1,P2 駆動パルス
PA 記録紙
S 断面積
X 水平方向
f 近似直線
ζ 吐出方向

Claims (5)

  1. ノズルから吐出されたインク液滴の飛翔状態を評価するインク液滴の飛翔状態評価装置であって、
    前記インク液滴の飛翔状態を撮影する撮影手段と、
    前記撮影手段の撮影画像から、前記飛翔中のインク液滴の主滴に続いて飛翔する後続飛翔体を少なくとも含む画像部分を特定する特定手段と、
    前記画像部分から、前記インク液滴の吐出方向における前記後続飛翔体の累積体積を示す累積体積関数を算出する累積体積関数算出手段と、
    前記後続飛翔体の累積体積関数に基づいて、前記飛翔状態の評価値を取得する評価値取得手段と、
    を備えることを特徴とするインク液滴の飛翔状態評価装置。
  2. 前記特定手段は、前記飛翔中のインク液滴に存在する複数の前記主滴のうち前記ノズルから最後に吐出された主滴に続いて飛翔する前記後続飛翔体の画像部分を特定することを特徴とする請求項1記載のインク液滴の飛翔状態評価装置。
  3. 前記後続飛翔体は、前記吐出方向における前記主滴の後方に伸びる液柱と、前記液柱が分裂して発生した微小液滴との少なくとも一方を含んでおり、前記評価値は、前記微小液滴により形成される画像の汚れを示す値との間に相関関係を有する値であることを特徴とする請求項1又は2記載のインク液滴の飛翔状態評価装置。
  4. 前記撮影手段による撮影タイミングは、前記撮影手段が前記インク液滴の吐出開始からの経過時間を変化させて複数回撮影した前記飛翔中のインク液滴の撮影画像から前記評価値取得手段がそれぞれ取得した複数の前記評価値と、前記各評価値にそれぞれ対応する複数の前記画像の汚れを示す値との相関度に基づいて決定されたタイミングであることを特徴とする請求項3記載のインク液滴の飛翔状態評価装置。
  5. 前記評価値取得手段は、前記吐出方向における前記後続飛翔体の先頭又は最後尾から累積した前記後続飛翔体の累積体積が基準値に達する位置を前記評価値として取得することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のインク液滴の飛翔状態評価装置。
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