JP2014216510A - プラスチック磁石の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】部位により磁力の向きや強さが変化しているプラスチック磁石、あるいは特定の部位だけが磁力を備えているプラスチック磁の製造方法を提供する。【解決手段】金型(6、7)に複数の温度制御手段(15、16)を設け、キャビティ(C)の温度をその部位によって調整できるようにする。型締めした金型(6、7)に磁石の粉末を混合した樹脂を射出して、コイル(10)に電流を流して磁場を発生させ樹脂中の磁石の粉末を配向させる。キャビティ(C)の上半分だけを冷却して固化させ磁石の粉末を固定する。次いでコイル(10)の電流の向きを逆にして磁場の磁力の方向を反転させる。キャビティ(C)の溶融状態の下半分の樹脂において磁石の粉末が配向される。キャビティ(C)の下半分も冷却して固化させる。そうすると、部位によって磁力の向きが異なるプラスチック磁石(C)を得ることができる。【選択図】 図2

Description

本発明は、プラスチック磁石の製造方法に関し、さらに詳しくは射出ユニットと、型締ユニットとを使用したプラスチック磁石の製造方法に関するものである。
プラスチック磁石は、磁石の粉末と樹脂あるいはエラストマーとからなる成形体で、永久磁石として形状の自由度は高く、複雑な形状の製品にも比較的容易に適用できるので、エアコンのフアンモータ、パソコンの周辺機器等の小型の機器を始めとして、電気自動車あるいはハイブリッド車等の大型機器としても多用されるようになっている。このようなプラスチック磁石を製造する方法は大きく2種類に分かれ、第1、2の方法がある。第1の方法では、磁化されていない磁性体の粉末が混合された溶融樹脂から金型等によって成形品を得る。次いで金型から取り出した成形品に強力な磁場を印加すると磁性体の粉末が着磁されて成形品が磁化される。第2の方法では、着磁された磁性体すなわち磁石を材料として使用する。すなわち磁石の粉末を溶融樹脂に混合し、これを金型によって成形する。そして溶融樹脂が固化する前に磁場を印加する。そうすると溶融樹脂中の磁石の粉末が磁場によって磁力の向きが揃う。すなわち配向される。これによってプラスチック磁石が得られる。これらの第1、2のいずれの方法においても射出成形法が広く利用されている。
射出成形法に適用される成形機は、従来周知のように、概略、射出ユニットと、型締ユニットとから構成されている。射出ユニットは、加熱シリンダ、この加熱シリンダの内部に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュ、このスクリュを駆動する駆動装置等からなり、加熱シリンダの前方には射出ノズルが設けられている。一方、型締ユニットは、固定盤に取り付けられている固定側金型、可動盤に同様に取り付けられている可動側金型から構成されており、可動側金型が固定側金型に対して型締めされるようになっている。したがって、第2の方法によってプラスチック磁石を製造する場合、次のようにする。すなわち、熱可塑性樹脂と磁石の粉末とを射出ユニットの加熱シリンダに供給し、スクリュを回転駆動する。そうすると、従来周知のようにして熱可塑性樹脂は加熱シリンダの前方の計量室に送られる過程で可塑化され所定量計量される。このとき、磁石の粉末は溶融樹脂中に均一に混合されて計量される。そこで、スクリュを軸方向に駆動し、計量室の溶融混合物を、型締めされた金型のキャビテイに射出・充填する。そうして、溶融混合物が固化する前に、充填されている溶融混合物に磁場をかける。磁石の粉末は磁場の磁力の方向に従って配列あるいは配向される。冷却固化を待って可動側金型を開くと、磁石の粉末が配向された所定形状のプラスチック磁石が得られる。
特開昭62−60211号公報
特許文献1には、プラスチック磁石を製造する射出成形機が示されている。この射出成形機のスプルーおよびランナ、すなわち射出ノズルがタッチされる金型取付板のロケートリングからキャビティに通じるスプルーおよびランナは、セラミックスのような保温材で形成されている。特許文献1によると、射出ユニットから射出される溶融樹脂と磁性粉との溶融混合物は、磁場が印加された状態の金型に射出され、この磁場によって磁性粉が配向されてプラスチック磁石が得られる。このような製造方法が採用されていることから、特許文献1において記載されている磁性粉は着磁された磁石の粉末であり、前記した第2の方法によってプラスチック磁石が製造されていると考えられる。特許文献1の射出成形機においては、溶融混合物は前記した保温材によって保存された状態でキャビティに達するので、すなわち粘性が高くなる前の状態でキャビティに達するので、磁場によって磁石粉が配向し易く、磁力の強いプラスチック磁石が得られる。
前記したような第1、2の方法のように従来の方法によってもプラスチック磁石は製造できるし、特許文献1に記載の射出成形機によっても、磁力の強いプラスチック磁石を得ることができる。しかしながら、解決すべき問題も見受けられる。すなわち、磁力の向きが部位によって変化するような特殊なプラスチック磁石を得られないという問題がある。プラスチック磁石は任意の金型によって成形できるので、その形状に関しては自由度が高く優れてはいると言えるが、1個のプラスチック磁石において磁力の向きは一様になっている。つまり磁力の向きについての自由度は小さい。もし、1個のプラスチック磁石において、磁力の向きが変化するようなプラスチック磁石を製造することができれば色々な応用が可能である。例えばブラシレスモータのロータにプラスチック磁石を適用するような応用例が考えられる。一般にロータには、その外周面を囲むように円弧状の永久磁石が複数個設けられ、外方にS極、N極が交互に露出するように配置されている。このような永久磁石として前記のように磁力の向きが変化するようなプラスチック磁石を適用すれば、永久磁石の個数を減らすことができそうである。具体的には、隣り合う2個分の永久磁石を、つまり外方に露出している極がS極の永久磁石とN極の永久磁石を、1個のプラスチック磁石から構成すれば永久磁石の個数を減らすことができる。しかしながら、1個のプラスチック磁石の中で、その部位によって磁力の向きが変化するようなプラスチック磁石の製造方法はない。同様に、磁力の向きが一定であっても、その部位によって磁力の強さが変化するようなプラスチック磁石の製造方法もない。
このように1個のプラスチック磁石の中で、その部位によって磁力の向きが変化したり磁力の強弱が変化するようなプラスチック磁石の製造方法はないが、1個のプラスチック磁石の中で、特定の部位だけが磁力を備えているプラスチック磁石、あるいは特定の部位だけが他の部位より強い磁力を備えているプラスチック磁石の製造方法もない。もし、所定の部位だけが磁力を備えているプラスチック磁石、あるいは他の部位に比して所定の部位だけが強い磁力を備えているプラスチック磁石を製造することができれば、色々な応用が考えられ有用であると考えられる。
したがって、本発明は、その部位により磁力の向きや強さが変化しているプラスチック磁石、あるいは特定の部位だけが磁力を備えているプラスチック磁石を製造することができるプラスチック磁石の製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、このような目的を達成するために、型締めした金型に磁石の粉末を混合した樹脂を射出して、金型を型締めした状態で磁場をかけて磁石の粉末を配向させてプラスチック磁石を製造する製造方法において、金型内において特定の部位の樹脂だけを溶融状態にして所定の方向の磁場をかける。このとき、他の部分については固化させた状態にする。そうすると、その特定の部位だけ磁石の粉末を配向させることができる。
すなわち、本願の請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、型締めした金型に磁石の粉末を混合した樹脂を射出して、前記金型を型締めした状態で磁場をかけて前記磁石の粉末を配向させてプラスチック磁石を製造する製造方法であって、前記製造方法は、前記金型に樹脂を射出する射出工程と、成形品の所定の部位を対象部位として磁力を付加する対象部位磁化工程とを備え、前記対象部位磁化工程は、所定の温度制御手段によって前記金型の温度を制御して前記対象部位の樹脂を溶融状態にすると共に他の部位の樹脂を固化させた状態にし、磁場をかけながら前記対象部位の樹脂を冷却固化するようにすることを特徴とするプラスチック磁石の製造方法として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の方法において、前記射出工程と前記対象部位磁化工程の間に前処理磁化工程を実施し、前記前処理磁化工程は、前記金型中において樹脂が全体的に溶融状態になっているときに磁場をかけ、この状態で少なくとも一部の部位を冷却固化するようにし、前記前処理磁化工程と前記対象部位磁化工程のそれぞれにおいてかける磁場は、磁力の向きを変える、もしくは磁力の大きさを変えるようにすることを特徴とするプラスチック磁石の製造方法として構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の方法において、前記対象部位磁化工程の後に、前記所定の部位とは異なる他の部位を第2の対象部位として磁力を付加する第2の対象部位磁化工程を実施し、前記第2の対象部位磁化工程は、所定の温度制御手段によって前記金型の温度を制御して前記第2の対象部位の樹脂を溶融状態にすると共に他の部位の樹脂を固化させた状態にし、前記キャビティに磁場をかけながら前記第2の対象部位の樹脂を冷却固化するようにし、前記対象部位磁化工程と前記第2の対象部位磁化工程のそれぞれにおいてかける磁場は、磁力の向きを変える、もしくは磁力の大きさを変えるようにすることを特徴とするプラスチック磁石の製造方法として構成される。
以上のように、本発明によると、金型に磁石の粉末を混合した樹脂を射出する射出工程と、成形品の所定の部位を対象部位として磁力を付加する対象部位磁化工程とを備えたプラスチック磁石の製造方法として構成されている。そして対象部位磁化工程は、所定の温度制御手段によって金型の温度を制御して対象部位の樹脂を溶融状態にすると共に他の部位の樹脂を固化させた状態にし、磁場をかけながら対象部位の樹脂を冷却固化するように構成されている。そうすると、対象部位の樹脂中の磁石の粉末だけが磁場によって配向されるので、プラスチック磁石において対象部位に付与する磁力を所望の向きと強さに調整することができる。つまりプラスチック磁石を製造するときに、特定の部位だけに所望の方向と強さの磁力を付与することができる。また他の発明によると、射出工程と対象部位磁化工程の間に前処理磁化工程を実施し、前処理磁化工程は、金型中において樹脂が全体的に溶融状態になっているときに磁場をかけ、この状態で少なくとも一部の部位を冷却固化するようにし、前処理磁化工程と前記対象部位磁化工程のそれぞれにおいてかける磁場は、磁力の向きを変える、もしくは磁力の大きさを変えるように構成される。そうすると、部位により磁力の向きや強さが変化しているプラスチック磁石を簡単に製造することができる。また他の発明によると、対象部位磁化工程の後に、所定の部位とは異なる他の部位を第2の対象部位として磁力を付加する第2の対象部位磁化工程を実施し、第2の対象部位磁化工程は、所定の温度制御手段によって金型の温度を制御して第2の対象部位の樹脂を溶融状態にすると共に他の部位の樹脂を固化させた状態にし、キャビティに磁場をかけながら第2の対象部位の樹脂を冷却固化するようにし、対象部位磁化工程と第2の対象部位磁化工程のそれぞれにおいてかける磁場は、磁力の向きを変える、もしくは磁力の大きさを変えるように構成されている。この発明によっても部位により磁力の向きや強さが変化しているプラスチック磁石を簡単に製造することができる。
本発明の実施の形態に係るプラスチック磁石の製造方法を説明する図で、その(ア)は本発明の実施の形態に係る製造方法で製造されるプラスチック磁石の斜視図、その(イ)は本実施の形態に係る製造装置を示す正面図である。 本発明の実施の形態に係るプラスチック磁石の製造方法により製造している途中の段階を示す模式図で、その(ア)〜(エ)はそれぞれ異なる製造段階を示す正面図である。
初めに、本実施の形態に係るプラスチック磁石の製造方法で製造されるプラスチック磁石1を説明する。プラスチック磁石Pは、図1の(ア)に示されているように、所定の高さの円筒を略1/4の円弧状に切断したような形状をしている。このプラスチック磁石Pは、ブラシレスモータのロータに設けられる磁石であり、1個のロータには、その外周面を囲むようにこれらの4個のプラスチック磁石P、P、…が設けられるようになっている。このプラスチック磁石Pは、左半分と右半分とでは磁力の向きが逆になっている点に特徴がある。すなわち左半分においては内側がN極で外側がS極になっているが、右半分においては内側がS極で外側がN極になっている。このように磁力が付与されているので、4個のプラスチック磁石P、P、…から構成されるロータの極数は8極になる。
本実施の形態に係るプラスチック磁石Pの製造装置1を説明する。プラスチック磁石の製造装置1は、射出ユニットと型締ユニット2とからなっているが、射出ユニットは、従来周知のユニットが適用できるので、図1の(イ)には示されていない。型締ユニット2も、従来の型締ユニットと同様に、固定盤4、この固定盤4に対して開閉する可動盤5、これらに取り付けられている固定側金型6と可動側金型7、固定盤4に対して可動盤5をガイドするタイバー、型開閉するための型締機構、等から構成されているが、図にはタイバー、型締機構は示されていない。
本実施の形態に係る型締ユニット2は、金型内に射出された樹脂に磁場をかけるための磁場発生装置9を備えている。磁場発生装置9はコイル10、10、…からなる電磁石とこのコイル10、10、…に電流を供給する電力装置とからなり、図1の(イ)にはコイル10、10、…のみが示されている。本実施の形態においてコイル10、10、…は固定盤4と可動盤5内に設けられているが、可動側金型5と固定側金型6の中に設けられていてもよい。
本実施の形態に係る金型6、7は、磁場発生装置9によって発生する磁束が妨げられないようにステンレス鋼(登録商標)、銅合金等の非磁性材料から構成されている。固定側金型6には凹面状に湾曲した凹部12が形成され、可動側金型7には凹部12と対向する位置に凸面状に湾曲した凸部13が形成され、固定側金型6と可動側金型7が型締めされるとプラスチック磁石Pを成形するためのキャビティが形成されるようになっている。固定側金型6には、スプルが設けられこのキャビティにゲートが開口しているが、これらは図に示されていない。
本実施の形態においても固定側金型6と可動側金型7は、従来の金型と同様に温度を制御できるようになっているが、本実施の形態においては、金型の所定の部分、すなわちキャビティの所定の部位を対象として加熱したり冷却できるようになっている。すなわち第1の温度制御手段12、12は、固定側金型6と可動側金型7のキャビティの上側に対応するように設けられており、第2の温度制御手段13、13はキャビティの下側に対応するように設けられている。これらによって、キャビティの上側と下側は、独立して温度制御できる。なお、固定側金型6と可動側金型7には、略中央の位置に断熱材18、18が埋め込まれており、上側と下側との間での熱伝導が抑制されている。
本実施の形態に係る製造装置1によって、プラスチック磁石Pを製造する方法を説明する。製造装置1において、図2の(ア)に示されているように型締ユニット2を駆動して金型6、7を型締めする。そうすると金型6、7内にキャビティCが形成される。射出ユニットにおいて溶融状態の樹脂と粉末状の磁石とを混合し、計量する。射出工程を実施して軽量された樹脂を金型6、7に射出する。磁石の粉末が混合された樹脂がキャビティCに充填されている様子が図2の(イ)に示されている。
前処理磁化工程を実施する。すなわち第1、2の温度制御制御手段15、16によってキャビティCを加熱して、キャビティC内の樹脂が全体的に溶融状態に維持されるようにして、図2の(ウ)に示されているようにコイル10、10に電流を流して磁場をかける。このときキャビティC内を通る磁力は、図において左から右に向かう方向になるようにする。溶融状態の樹脂の中で磁石の粉末が磁力の向きに整合するように配向する。この状態で第2の温度制御手段16によって下半分のキャビティCは高温に維持すると共に、第1の温度制御手段15によって上半分のキャビティCを冷却する。そうするとキャビティCの下半分に充填されている樹脂が溶融状態に維持されると共に上半分に充填されている樹脂が固化する。これによってキャビティCの上半分に充填されている樹脂中では磁石の粉末が固定される。つまり磁力が維持されることになる。前処理磁化工程が完了する。
次いで、キャビティCの下半分に充填されている樹脂を対象部位として磁力を付与する対象部位磁化工程を実施する。すなわちキャビティCの下半分に充填されている樹脂だけが溶融している状態で、磁場発生装置9においてコイル10、10、…に流す電流を逆にする。つまり図2の(エ)に示されているように、キャビティCを通る磁束の方向が右から左に向かう方向になるように磁場をかける。そうするとキャビティCの下半分に充填されている樹脂の中で、磁石の粉末が磁力の向きに整合するように配向する。この状態で第2の温度調整手段16によってキャビティCの下半分も冷却する。キャビティCの下半分に充填されている樹脂が固化し、磁石の粉末の向きが固定される。コイル10、10、…への電流の供給を停止する。対象部位磁化工程が完了する。型締ユニット2を駆動して金型6、7を開くと、図1の(ア)に示されている本実施の形態に係るプラスチック磁石Pが得られる。
本実施の形態に係るプラスチック磁石の製造方法は、色々な変形が可能である。例えば、本実施の形態においては前処理磁化工程を実施しているが、これを省略してもよい。すなわち磁場をかけないようにしてキャビティCの上半分だけを冷却してこれを固化させ、下半分だけを溶融状態にして対象部位磁化工程を実施する。そうすると下半分だけ磁力を備えたプラスチック磁石が得られる。また、このように前処理実施工程を省略した場合に、キャビティCの下半分だけを対象部位として前記したような対象部位磁化工程を実施し、その後、キャビティCの上半分を対象部位として第2の対象部位磁化工程を実施してもよい。つまり第2の対象部位磁化工程ではキャビティCの上半分だけを溶融状態にして、反対向きの磁場をかける。このようにしても、図1の(ア)に示されている本実施の形態に係るプラスチック磁石Pが得られる。また、上記の説明では磁場発生装置9によってかける磁場は、前処理磁化工程と対象部位磁化工程において磁力の向きを変更するように説明したが、磁力の向きは同じで磁力の強さを変更するようにしてもよい。そうすると、特定の部位の磁力が他の部位に比して大きなプラスチック磁石を製造することができる。
なお、上記の説明では第1、2の温度制御手段15、16については具体的な手段について説明しなかったが、加熱流体や冷却流体を供給して温度調整するようにしてもよいし、カーボンヒータ等のような加熱手段によって加熱するようにしてもよい。
1 製造装置 2 型締ユニット
4 固定盤 5 可動盤
6 固定側金型 7 可動側金型
9 磁場発生装置 10 コイル
15 第1の温度制御手段 16 第2の温度制御手段
18 断熱材
P プラスチック磁石
C キャビティ

Claims (3)

  1. 型締めした金型に磁石の粉末を混合した樹脂を射出して、前記金型を型締めした状態で磁場をかけて前記磁石の粉末を配向させてプラスチック磁石を製造する製造方法であって、
    前記製造方法は、前記金型に樹脂を射出する射出工程と、成形品の所定の部位を対象部位として磁力を付加する対象部位磁化工程とを備え、
    前記対象部位磁化工程は、所定の温度制御手段によって前記金型の温度を制御して前記対象部位の樹脂を溶融状態にすると共に他の部位の樹脂を固化させた状態にし、磁場をかけながら前記対象部位の樹脂を冷却固化するようにすることを特徴とするプラスチック磁石の製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記射出工程と前記対象部位磁化工程の間に前処理磁化工程を実施し、
    前記前処理磁化工程は、前記金型中において樹脂が全体的に溶融状態になっているときに磁場をかけ、この状態で少なくとも一部の部位を冷却固化するようにし、
    前記前処理磁化工程と前記対象部位磁化工程のそれぞれにおいてかける磁場は、磁力の向きを変える、もしくは磁力の大きさを変えるようにすることを特徴とするプラスチック磁石の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法において、前記対象部位磁化工程の後に、前記所定の部位とは異なる他の部位を第2の対象部位として磁力を付加する第2の対象部位磁化工程を実施し、
    前記第2の対象部位磁化工程は、所定の温度制御手段によって前記金型の温度を制御して前記第2の対象部位の樹脂を溶融状態にすると共に他の部位の樹脂を固化させた状態にし、前記キャビティに磁場をかけながら前記第2の対象部位の樹脂を冷却固化するようにし、
    前記対象部位磁化工程と前記第2の対象部位磁化工程のそれぞれにおいてかける磁場は、磁力の向きを変える、もしくは磁力の大きさを変えるようにすることを特徴とするプラスチック磁石の製造方法。
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