JP2006326876A - 成形品の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 所望の加熱分布の実現を可能とする成形品の製造方法及びその製造装置を提供する。
【解決手段】 対向する平面部同士(上部磁性部材20の下面20aと下部磁性部材30の上面30a)が平行となるように配置された一対の磁性部材(上部磁性部材20と下部磁性部材30)間の領域に設けられたキャビティ80に、磁性粉が含まれた熱硬化性ポリマーを充填する工程と、キャビティ80を含む領域に一様な磁場を形成し、かつ該磁場の大きさを変化させて、熱硬化性ポリマーに含まれた前記粉による磁気ヒステリシス損失を利用して、熱硬化性ポリマーを加熱して硬化させる工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気ヒステリシス損失による発熱を利用した成形品の製造方法及びその製造装置に関するものである。
ゴムや熱硬化性樹脂などの熱硬化性ポリマーを素材とする成形品の成形方法としては、一般的に、圧縮成形法,トランスファ成形法、及び射出成形法がある。これらの成形法においては、成形温度に加熱しておいた金型内のキャビティに材料を充填し、金型からの伝熱によりキャビティ内に充填された材料を一定時間加熱して硬化させるのが一般的である。
このような成形方法の場合には、キャビティ内の材料の加熱は、金型の熱容量が問題となる。また、金型からの伝熱によって材料を加熱するため、材料を所定温度まで昇温させるのに時間がかかるという問題もある。更に、成形品の肉厚が厚い場合には、表面側と内部側とで昇温速度が大きく異なってしまうなどの問題もある。
また、他の加熱方法として、誘導渦電流や磁気ヒステリシス損失を利用したものも知られているが、従来知られた方法では、被加熱部の形状や大きさによっては、被加熱部を均一に加熱するなど所望の加熱分布を実現することが困難であった。特に、誘導渦電流を利用した方法の場合には、誘導渦電流がキャビティ内において、表面側に偏在してしまい、所望の加熱分布を実現することは非常に困難であった。
関連する技術としては、特許文献1〜14に開示された技術がある。
特開昭63−221019号公報 特開平6−297049号公報 特公平2−25629号公報 特許第3209384号公報 特開平9−161269号公報 特開平5−159954号公報 特開平3−285924号公報 特開2002−18524号公報 特開平7−117133号公報 特開平11−219778号公報 特許第2547430号公報 特開平11−187532号公報 特開昭63−113623号公報 特開平7−256674号公報
本発明の目的は、所望の加熱分布の実現を可能とする成形品の製造方法及びその製造装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の成形品の製造方法は、
対向する平面部同士が平行となるように配置された一対の磁性部材間の領域に設けられたキャビティに、磁性粉が含まれた熱硬化性ポリマーを充填する工程と、
前記キャビティを含む領域に一様な磁場を形成し、かつ該磁場の大きさを変化させて、熱硬化性ポリマーに含まれた前記粉による磁気ヒステリシス損失を利用して、熱硬化性ポリマーを加熱して硬化させる工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の成形品の製造装置は、
対向する平面部同士が平行となるように配置される一対の磁性部材と、
これらの磁性部材間に磁場を形成する磁場形成手段と、
一対の磁性部材間の領域のうち、一様な磁場が形成される領域にキャビティを形成する、非磁性かつ非導電性の金型と、を備え、
前記キャビティ内に充填された、磁性粉が含まれた熱硬化性ポリマーに対して印加する一様な磁場の大きさを変化させて、前記粉による磁気ヒステリシス損失を利用して、熱硬化性ポリマーを加熱して硬化させることを特徴とする。
これらの発明によれば、対向する平面部同士が平行に配置された一対の磁性部材間の領域に、一様な磁場、すなわち、均一な磁束密度の磁場が形成される。そして、この領域にキャビティが備えられるため、キャビティ内には均一な磁束密度の磁場が形成される。これにより、このキャビティ内に存在する複数の磁性粉が、磁気ヒステリシス損失によってそれぞれ均一に発熱する。従って、キャビティ内の加熱分布は、この粉の分布により制御することができる。例えば、熱硬化性ポリマーに、この粉を均一に充填(混入)させておけば、キャビティの形状や大きさに関係なく、キャビティ内に充填された熱硬化性ポリマーを均一に加熱することができる。
以上説明したように、本発明によれば、所望の加熱分布の実現が可能となる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、以下の実施例1では、基本的な製造方法と製造装置について示し、実施例2〜4では、より具体的な応用例を示す。
図1を参照して、本発明の実施例1に係る成形品の製造方法及びその製造装置について説明する。図1は本発明の実施例1に係る成形品の製造装置の模式的断面図である。
<製造装置>
本発明の実施例1に係る成形品の製造装置100は、磁性材(強磁性材)からなる支柱10と、同じく磁性材(強磁性材)からなる一対の板状の磁性部材(それぞれ上部磁性部材20,下部磁性部材30と称する)とを備えている。ここで、支柱10と下部磁性部材30は固定されており、下部磁性部材30は土台としての役割も担っている。また、上部磁性部材20は、支柱10に対して摺動可能に設けられており、駆動機構50によって、図中上下動するように構成されている。なお、駆動機構50は、適宜、公知技術を採用すればよい。また、上部磁性部材20と支柱10は、これらの間に磁力線が十分通過すれば良く、密着性はそれほど厳格に要求されない。例えば、すべり軸受けにより、上部磁性部材20が支柱10に対して摺動するように構成することができる。なお、図中S0は摺動部を示している。また、支柱10にはコイル40が巻かれている。
そして、上部磁性部材20と下部磁性部材30は、対向する平面部同士(すなわち上部磁性部材20の下面20aと下部磁性部材30の上面30a)が平行となるように配置されている。
以上の構成により、不図示の電源によりコイル40に電流を流すことで、上部磁性部材20と下部磁性部材30との間の領域には、一様な磁場(均一な磁束密度の磁場)が形成される。本実施例では、上部磁性部材20及び下部磁性部材30の周縁部付近を除く領域に一様な磁場が形成される。そして、コイル40に交流を流すことによって、上記の一様な磁場の大きさや向きを周期的に変化させることができる。
また、上部磁性部材20と下部磁性部材30との間に、非磁性かつ非導電性の上型60及び下型70が設けられている。これら上型60及び下型70の具体的な材料としては、例えば、セラミックス,プラスチックを挙げることができる。上型60は上部磁性部材20に固定されており、下型70は下部磁性部材30に固定されている。これにより、駆動機構50によって、上部磁性部材20を図中上方向に移動させることで型開きを行うことができ、上部磁性部材20を図中下方向に移動させることで型締めを行うことができる。
そして、上型60と下型70により形成されるキャビティ80は、上述した一様な磁場が形成される領域内に配置されるように構成されている。
<製造方法>
本実施例により成形される成形品の材料として、ゴムや熱硬化性樹脂などの熱硬化性ポリマーに、磁性粉が含まれたもの(充填されたもの、あるいは添加剤として微量に混入されたもの)が用いられる。また、本実施例では、磁性粉は、熱硬化性ポリマーに均一に充填(混入)されている。
このように、磁性粉が含まれた熱硬化性ポリマーを、上型60と下型70により形成されるキャビティ80に充填する。そして、不図示の電源によりコイル40に交流を流すことによって、キャビティ80内に、大きさや向きが周期的に変化する一様な磁場を印加する。これにより、キャビティ80内に存在する粉が、磁気ヒステリシス損失によって均一に発熱する。本実施例では、粉は熱硬化性ポリマーに均一に充填(混入)されているため、キャビティ80に充填された熱硬化性ポリマーは均一に加熱される。これにより熱硬化性ポリマーは硬化して成形品が成形される。なお、成形品の材料に含まれる磁性粉は、導電性であっても非導電性であっても構わないが、成形品の材料全体としては、非導電性または導電率が低いのが好ましい。何故なら、成形品の材料全体で導電性を有する(導電率が高い)場合には、上記のような磁場が印加されると渦電流損失が発生してしまい、これによる発熱は表面側に偏ってしまうからである。つまり、磁気ヒステリシス損失は磁性粉が粉の状態でも発生するが、粉が導電性を有していても、粉の状態では渦電流は発生しない。そのため、粉自体は導電性であっても構わないが、成形品の材料全体では、非導電性または導電率は低いほうが好ましい。従って、例えば、成形品の材料として、フェノールに黒鉛を充填し、酸化鉄系のものを混ぜたものなども適用できる。
<本実施例の優れた点>
本実施例によれば、熱硬化性ポリマーに含まれた、磁性粉が均一に発熱するため、キャビティ80の形状や大きさに関係なく、キャビティ80に充填された熱硬化性ポリマーは均一に加熱される。従って、硬化反応や加硫が均一に進行するため、成形品の変形を抑制することができる。また、金型(上型60及び下型70)を加熱することなく、キャビティ80内の材料のみを加熱することができるので、急速加熱及び冷却が可能となり、サイクルタイムを短くすることができ、生産性が向上する。また、エネルギー効率も良くなる。なお、本実施例で成形される製品の一例としては、燃料電池のセパレータを挙げること
ができる。
図2を参照して、本発明の実施例2に係る成形品の製造方法及びその製造装置について説明する。図2は本発明の実施例2に係る成形品の製造装置の模式的断面図である。本実施例では、圧縮成形法に応用した例を示す。
<製造装置>
本発明の実施例2に係る成形品の製造装置101は、磁性材(強磁性材)からなる支柱11と、同じく磁性材(強磁性材)からなる一対の板状の磁性部材(それぞれ上部磁性部材21,下部磁性部材31と称する)とを備えている。ここで、支柱11と下部磁性部材31は固定されており、下部磁性部材31は土台としての役割も担っている。また、上部磁性部材21は、支柱11に対して摺動可能に設けられており、駆動機構51によって、図中上下動するように構成されている。なお、駆動機構51は、適宜、公知技術を採用すればよい。また、上部磁性部材21と支柱11は、これらの間に磁力線が十分通過すれば良く、密着性はそれほど厳格に要求されない。例えば、すべり軸受けにより、上部磁性部材21が支柱11に対して摺動するように構成することができる。なお、図中S1は摺動部を示している。また、支柱11にはコイル41が巻かれている。
そして、上部磁性部材21と下部磁性部材31は、対向する平面部同士(すなわち上部磁性部材21の下面21aと下部磁性部材31の上面31a)が平行となるように配置されている。
以上の構成により、不図示の電源によりコイル41に電流を流すことで、上部磁性部材21と下部磁性部材31との間の領域には、一様な磁場(均一な磁束密度の磁場)が形成される。本実施例では、上部磁性部材21及び下部磁性部材31の周縁部付近を除く領域に一様な磁場が形成される。そして、コイル41に交流を流すことによって、上記の一様な磁場の大きさや向きを周期的に変化させることができる。
また、上部磁性部材21と下部磁性部材31との間に、非磁性かつ非導電性の圧縮成形用の金型(上型61及び下型71)が設けられている。これら上型61及び下型71の具体的な材料としては、例えば、セラミックス,プラスチックを挙げることができる。上型61は上部磁性部材21に固定されており、下型71は下部磁性部材31に固定されている。これにより、駆動機構51によって、上部磁性部材21を図中上方向に移動させることで型開きを行うことができ、上部磁性部材21を図中下方向に移動させることで型締めを行うことができる。
そして、上型61と下型71により形成されるキャビティ81は、上述した一様な磁場が形成される領域内に配置されるように構成されている。なお、キャビティ81の周囲には、余分な材料を逃がすための逃げ通路91が設けられている。
<製造方法>
本実施例により成形される成形品の材料として、ゴムや熱硬化性樹脂などの熱硬化性ポリマーに、磁性粉が含まれたもの(充填されたもの、あるいは添加剤として微量に混入されたもの)が用いられる。また、本実施例では、磁性粉は、熱硬化性ポリマーに均一に充填(混入)されている。
まず、駆動機構51により型を開き、キャビティ81となる部分に、上記の磁性粉が含まれた熱硬化性ポリマーで構成された成形材料を入れる。そして、駆動機構51により型を閉じて成形材料を加圧しつつ、不図示の電源によりコイル41に交流を流すことによっ
て、キャビティ81内に、大きさや向きが周期的に変化する一様な磁場を印加する。これにより、キャビティ81内に存在する粉が、磁気ヒステリシス損失によって均一に発熱する。本実施例では、粉は熱硬化性ポリマーに均一に充填(混入)されているため、キャビティ81に充填された熱硬化性ポリマーは均一に加熱される。これにより熱硬化性ポリマーは硬化して成形品が成形される。なお、型を開いて、成形品を取り出した後、製品部以外の部分(逃げ通路91に相当する部分(いわゆるバリ))は適宜切除される。なお、成形品の材料に含まれる磁性粉は、導電性であっても非導電性であっても構わないが、成形品の材料全体としては、非導電性または導電率が低いのが好ましい。何故なら、成形品の材料全体で導電性を有する(導電率が高い)場合には、上記のような磁場が印加されると渦電流損失が発生してしまい、これによる発熱は表面側に偏ってしまうからである。つまり、磁気ヒステリシス損失は磁性粉が粉の状態でも発生するが、粉が導電性を有していても、粉の状態では渦電流は発生しない。そのため、粉自体は導電性であっても構わないが、成形品の材料全体では、非導電性または導電率は低いほうが好ましい。従って、例えば、成形品の材料として、フェノールに黒鉛を充填し、酸化鉄系のものを混ぜたものなども適用できる。
以上により、本実施例の場合にも、上記実施例1の場合と同様の効果を得ることができる。
図3を参照して、本発明の実施例3に係る成形品の製造方法及びその製造装置について説明する。図3は本発明の実施例3に係る成形品の製造装置の模式的断面図である。本実施例では、トランスファ成形法に応用した例を示す。
<製造装置>
本発明の実施例3に係る成形品の製造装置102は、磁性材(強磁性材)からなる支柱12と、同じく磁性材(強磁性材)からなる一対の板状の磁性部材(それぞれ上部磁性部材22,下部磁性部材32と称する)とを備えている。ここで、支柱12と下部磁性部材32は固定されており、下部磁性部材32は土台としての役割も担っている。また、上部磁性部材22は、支柱12に対して摺動可能に設けられている。なお、上部磁性部材22と支柱12は、これらの間に磁力線が十分通過すれば良く、密着性はそれほど厳格に要求されない。例えば、すべり軸受けにより、上部磁性部材22が支柱12に対して摺動するように構成することができる。なお、図中S2は摺動部を示している。また、支柱12にはコイル42が巻かれている。
そして、上部磁性部材22と下部磁性部材32は、対向する平面部同士(すなわち上部磁性部材22の下面22aと下部磁性部材32の上面32a)が平行となるように配置されている。
以上の構成により、不図示の電源によりコイル42に電流を流すことで、上部磁性部材22と下部磁性部材32との間の領域には、一様な磁場(均一な磁束密度の磁場)が形成される。本実施例では、上部磁性部材22及び下部磁性部材32の周縁部付近を除く領域に一様な磁場が形成される。そして、コイル42に交流を流すことによって、上記の一様な磁場の大きさや向きを周期的に変化させることができる。
また、本実施例に係る成形品の製造装置102は、非磁性かつ非導電性のトランスファ成形用の上型62及び下型72が設けられている。これら上型62及び下型72の具体的な材料としては、例えば、セラミックス,プラスチックを挙げることができる。上述した上部磁性部材22は、その大部分が上型62の内部に差し込まれており、上型62と上部磁性部材22は一体的に固定されている。また、下型72は下部磁性部材32に固定され
ている。
そして、上型62を駆動する駆動機構52によって、上型62を図中上方向に移動させることで型開きを行うことができ、上型62を図中下方向に移動させることで型締めを行うことができる。なお、駆動機構52は、適宜、公知技術を採用すればよい。
また、本実施例に係る成形品の製造装置102は、上型62の上側に、プランジャ62aと、このプランジャ62aを図中上下に駆動する駆動機構62bが設けられている。なお、駆動機構62bは、適宜、公知技術を採用すればよい。
そして、上型62と下型72により形成されるキャビティ82は、上述した一様な磁場が形成される領域内に配置されるように構成されている。また、上型62とプランジャ62aとの間には、材料室(トランスファポット)92が設けられている。更に、本実施例に係る成形品の製造装置102は、上型62及び上部磁性部材22のそれぞれに形成された貫通孔と下型72の表面に形成された溝により、材料室92からキャビティ82まで溶融状態の材料を導く通路93が設けられている。
<製造方法>
本実施例により成形される成形品の材料として、ゴムや熱硬化性樹脂などの熱硬化性ポリマーに、磁性粉が含まれたもの(充填されたもの、あるいは添加剤として微量に混入されたもの)が用いられる。また、本実施例では、磁性粉は、熱硬化性ポリマーに均一に充填(混入)されている。
まず、駆動機構52によって上型62と下型72を閉じておき、駆動機構62bによって、プランジャ62aを上部に移動させて、材料室92に、上記の磁性粉が含まれた熱硬化性ポリマーで構成された成形材料を入れる。そして、駆動機構62bにより、プランジャ62aを下部に移動させて、プランジャ62aにより成形材料を加圧する。このとき、同時に成形材料を加熱し、溶融状態にさせた材料を、通路93によりキャビティ82まで移動させる。
そして、キャビティ82に材料が充填された後に、不図示の電源によりコイル42に交流を流すことによって、キャビティ82内に大きさや向きが周期的に変化する一様な磁場を印加する。これにより、キャビティ82に存在する粉が、磁気ヒステリシス損失によって均一に発熱する。本実施例では、粉は熱硬化性ポリマーに均一に充填(混入)されているため、キャビティ82に充填された熱硬化性ポリマーは均一に加熱される。これにより熱硬化性ポリマーは硬化して成形品が成形される。なお、型を開いて、成形品を取り出した後、製品部以外の部分(いわゆるバリ)は適宜切除される。なお、成形品の材料に含まれる磁性粉は、導電性であっても非導電性であっても構わないが、成形品の材料全体としては、非導電性または導電率が低いのが好ましい。何故なら、成形品の材料全体で導電性を有する(導電率が高い)場合には、上記のような磁場が印加されると渦電流損失が発生してしまい、これによる発熱は表面側に偏ってしまうからである。つまり、磁気ヒステリシス損失は磁性粉が粉の状態でも発生するが、粉が導電性を有していても、粉の状態では渦電流は発生しない。そのため、粉自体は導電性であっても構わないが、成形品の材料全体では、非導電性または導電率は低いほうが好ましい。従って、例えば、成形品の材料として、フェノールに黒鉛を充填し、酸化鉄系のものを混ぜたものなども適用できる。
以上により、本実施例の場合にも、上記実施例1の場合と同様の効果を得ることができる。
図4を参照して、本発明の実施例4に係る成形品の製造方法及びその製造装置について説明する。図4は本発明の実施例4に係る成形品の製造装置の模式的断面図である。本実施例では、射出成形法に応用した例を示す。
<製造装置>
本発明の実施例4に係る成形品の製造装置103は、磁性材(強磁性材)からなる支柱13と、同じく磁性材(強磁性材)からなる一対の板状の磁性部材(それぞれ上部磁性部材23,下部磁性部材33と称する)とを備えている。ここで、支柱13と上部磁性部材23は固定されている。また、下部磁性部材33は、支柱13に対して摺動可能に設けられており、駆動機構53によって、図中上下動するように構成されている。なお、駆動機構53は、適宜、公知技術を採用すればよい。また、下部磁性部材33と支柱13は、これらの間に磁力線が十分通過すれば良く、密着性はそれほど厳格に要求されない。例えば、すべり軸受けにより、下部磁性部材33が支柱13に対して摺動するように構成することができる。なお、図中S3は摺動部を示している。また、支柱13にはコイル43が巻かれている。
そして、上部磁性部材23と下部磁性部材33は、対向する平面部同士(すなわち上部磁性部材23の下面23aと下部磁性部材33の上面33a)が平行となるように配置されている。
以上の構成により、不図示の電源によりコイル43に電流を流すことで、上部磁性部材23と下部磁性部材33との間の領域には、一様な磁場(均一な磁束密度の磁場)が形成される。本実施例では、上部磁性部材23及び下部磁性部材33の周縁部付近を除く領域に一様な磁場が形成される。なお、厳密には、射出ノズル付近は、上部磁性部材23にノズル用の貫通孔23bが設けられているので、磁場は一様ではないが、型全体の大きさに比較して、この貫通孔23bは非常に小さいので、射出ノズル付近も一様な磁場が形成される。そして、コイル43に交流を流すことによって、上記の一様な磁場の大きさや向きを周期的に変化させることができる。
また、上部磁性部材23と下部磁性部材33との間に、非磁性かつ非導電性の射出成形用の上型63及び下型73が設けられている。これら上型63及び下型73の具体的な材料としては、例えば、セラミックス,プラスチックを挙げることができる。上型63は上部磁性部材23に固定されており、下型73は下部磁性部材33に固定されている。これにより、駆動機構53によって、下部磁性部材33を図中下方向に移動させることで型開きを行うことができ、下部磁性部材33を図中上方向に移動させることで型締めを行うことができる。
そして、上型63と下型73により形成されるキャビティ83は、上述した一様な磁場が形成される領域内に配置されるように構成されている。また、本実施例に係る成形品の製造装置103は、上型63の上側に射出成形用の加熱シリンダスクリュー94が設けられており、その先端のノズルは、上部磁性部材23に設けられた貫通孔23bに挿入されている。そして、上型63に形成された貫通孔と下型73の表面に形成された溝により、加熱シリンダスクリュー94の先端のノズルから射出された溶融状態の材料を導く通路95が設けられている。
<製造方法>
本実施例により成形される成形品の材料として、ゴムや熱硬化性樹脂などの熱硬化性ポリマーに、磁性粉が含まれたもの(充填されたもの、あるいは添加剤として微量に混入されたもの)が用いられる。また、本実施例では、磁性粉は、熱硬化性ポリマーに均一に充填(混入)されている。
まず、駆動機構53によって、上型63と下型73を閉じた状態で、加熱シリンダスクリュー94から、溶融状態の成形材料(磁性粉が含まれた熱硬化性ポリマー)を射出する。溶融状態の成形材料は、通路95を通って、キャビティ83に導かれる。
そして、キャビティ83に材料が充填された後に、不図示の電源によりコイル43に交流を流すことによって、キャビティ83内に、大きさや向きが周期的に変化する一様な磁場を印加する。これにより、キャビティ83に存在する粉が、磁気ヒステリシス損失によって均一に発熱する。本実施例では、粉は熱硬化性ポリマーに均一に充填(混入)されているため、キャビティ83に充填された熱硬化性ポリマーは均一に加熱される。これにより熱硬化性ポリマーは硬化して成形品が成形される。なお、型を開いて、成形品を取り出した後、製品部以外の部分(いわゆるバリ)は適宜切除される。なお、成形品の材料に含まれる磁性粉は、導電性であっても非導電性であっても構わないが、成形品の材料全体としては、非導電性または導電率が低いのが好ましい。何故なら、成形品の材料全体で導電性を有する(導電率が高い)場合には、上記のような磁場が印加されると渦電流損失が発生してしまい、これによる発熱は表面側に偏ってしまうからである。つまり、磁気ヒステリシス損失は磁性粉が粉の状態でも発生するが、粉が導電性を有していても、粉の状態では渦電流は発生しない。そのため、粉自体は導電性であっても構わないが、成形品の材料全体では、非導電性または導電率は低いほうが好ましい。従って、例えば、成形品の材料として、フェノールに黒鉛を充填し、酸化鉄系のものを混ぜたものなども適用できる。
以上により、本実施例の場合にも、上記実施例1の場合と同様の効果を得ることができる。
図1は本発明の実施例1に係る成形品の製造装置の模式的断面図である。 図2は本発明の実施例2に係る成形品の製造装置の模式的断面図である。 図3は本発明の実施例3に係る成形品の製造装置の模式的断面図である。 図4は本発明の実施例4に係る成形品の製造装置の模式的断面図である。
符号の説明
10,11,12,13 支柱
20,21,22,23 上部磁性部材
20a,21a,22a,23a 下面
23b 貫通孔
30,31,32,33 下部磁性部材
30a,31a,32a,33a 上面
40,41,42,43 コイル
50,51,52,53 駆動機構
60,61,62,63 上型
62a プランジャ
62b 駆動機構
70,71,72,73 下型
80,81,82,83 キャビティ
91 通路
92 材料室
93 通路
94 加熱シリンダスクリュー
95 通路
100,101,102,103 製造装置

Claims (2)

  1. 対向する平面部同士が平行となるように配置された一対の磁性部材間の領域に設けられたキャビティに、磁性粉が含まれた熱硬化性ポリマーを充填する工程と、
    前記キャビティを含む領域に一様な磁場を形成し、かつ該磁場の大きさを変化させて、熱硬化性ポリマーに含まれた前記粉による磁気ヒステリシス損失を利用して、熱硬化性ポリマーを加熱して硬化させる工程と、を有することを特徴とする成形品の製造方法。
  2. 対向する平面部同士が平行となるように配置される一対の磁性部材と、
    これらの磁性部材間に磁場を形成する磁場形成手段と、
    一対の磁性部材間の領域のうち、一様な磁場が形成される領域にキャビティを形成する、非磁性かつ非導電性の金型と、を備え、
    前記キャビティ内に充填された、磁性粉が含まれた熱硬化性ポリマーに対して印加する一様な磁場の大きさを変化させて、前記粉による磁気ヒステリシス損失を利用して、熱硬化性ポリマーを加熱して硬化させることを特徴とする成形品の製造装置。
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