JP2014216326A - 電子装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】放熱フィンを介した発熱素子の放熱性を高め得る電子装置およびその製造方法を提供を提供する。
【解決手段】半導体素子23,24が一側実装面21に実装される回路基板20には、一側実装面21から他側実装面22まで貫通する第1貫通穴27が形成され、放熱フィン30の基台31には、受熱側面33から放熱側面34まで貫通し他側実装面22および受熱側面33が熱的に接続される際に第1貫通穴27に連通する第2貫通穴35が形成される。そして、複数のフィン部32および放熱側面34の一部を除き回路基板20および放熱フィン30をモールド(封止)するモールド樹脂40は、回路基板20の他側実装面22と基台31の受熱側面33とを熱的に接続した状態にて連通した第1貫通穴27および第2貫通穴35に充填されるとともに、第2貫通穴35の外縁を構成する放熱側面34を抜け止め部41にて覆うように形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、発熱素子を有する電子装置およびその製造方法に関するものである。
従来、発熱素子がモールド樹脂等により封止される電子装置では、発熱素子の放熱を促すためにヒートシンクや放熱フィン等の放熱部材が採用される。このような放熱部材を用いて発熱素子の放熱を促す電子装置に関する技術として、下記特許文献1に開示される電力用半導体装置が知られている。この電力用半導体装置は、片側放熱の樹脂封止半導体パッケージであり、製造方法としては半導体パッケージ内の部品を樹脂封止した後に、接着剤を介して放熱フィンと固着する方法を取っている。
特開2012−164697号公報
ところで、樹脂封止後の半導体パッケージと放熱フィンとを接着剤を介して固着する構成では、熱伝導率の低い接着剤が放熱経路となるので、この接着剤のために樹脂封止される発熱素子の放熱が抑制されてしまうという問題がある。特に、露出部を除くヒートシンクが発熱素子を実装した基板とともに樹脂封止される構成では、ヒートシンクの露出部と放熱フィンとの間に接着剤が介在するだけでなく、基板とヒートシンクとの間にも接着剤が介在することとなり、さらに発熱素子の放熱が抑制されてしまう。一方、半導体パッケージの大型化や放熱フィンの大型化を図ることで放熱フィンを介した発熱素子の放熱性を高めることができるが、部品コストが増大するだけでなく、大型化による半導体パッケージ内の各部品に作用する熱応力等の増大してしまうという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、放熱フィンを介した発熱素子の放熱性を高め得る電子装置およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、発熱素子(23,24)が一側面(21)に実装される基板(20)と、前記基板の他側面(22)からの熱を受熱側面(33)にて受ける基台(31)と前記基台の放熱側面(34)に設けられる複数のフィン部(32,32a,32b)とを有する放熱フィン(30)と、前記複数のフィン部および前記放熱側面の少なくとも一部を除き前記基板および前記放熱フィンを封止する封止部材(40)と、を備え、前記基板には、前記一側面から前記他側面まで貫通する第1貫通穴(27)が形成され、前記基台には、前記受熱側面から前記放熱側面まで貫通し前記他側面および前記受熱側面が熱的に接続される際に前記第1貫通穴に連通する第2貫通穴(35,35a)が形成され、前記封止部材は、前記他側面と前記受熱側面とを熱的に接続した状態にて連通した前記第1貫通穴および前記第2貫通穴に充填されるとともに、前記第2貫通穴の外縁を構成する前記放熱側面の少なくとも一部を覆うように形成されることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、発熱素子(23,24)が一側面(21)に実装される基板(20)と、前記基板の他側面(22)からの熱を受熱側面(33)にて受ける基台(31)と前記基台の放熱側面(34)に設けられる複数のフィン部(32,32a,32b)とを有する放熱フィン(30)とを備える電子装置の製造方法であって、前記一側面から前記他側面まで貫通する第1貫通穴(27)が形成された前記基板を用意する第1工程と、前記受熱側面から前記放熱側面まで貫通し前記他側面および前記受熱側面が熱的に接続される際に前記第1貫通穴に連通する第2貫通穴(35,35a)が前記基台に形成された前記放熱フィンを用意する第2工程と、前記第1貫通穴および前記第2貫通穴が連通するように前記他側面と前記受熱側面とを熱的に接続した状態にて、前記複数のフィン部および前記放熱側面の少なくとも一部を除き前記基板および前記放熱フィンを封止部材(40)により封止する工程であって、前記封止部材が前記第1貫通穴および前記第2貫通穴に充填されるとともに前記封止部材により前記第2貫通穴の外縁を構成する前記放熱側面の少なくとも一部が覆われる第3工程と、を備えることを特徴とする。
なお、特許請求の範囲および上記手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
請求項1の発明では、発熱素子が一側面に実装される基板には、一側面から他側面まで貫通する第1貫通穴が形成され、放熱フィンの基台には、受熱側面から放熱側面まで貫通し他側面および受熱側面が熱的に接続される際に第1貫通穴に連通する第2貫通穴が形成される。そして、複数のフィン部および放熱側面の少なくとも一部を除き基板および放熱フィンを封止する封止部材は、基板の他側面と基台の受熱側面とを熱的に接続した状態にて連通した第1貫通穴および第2貫通穴に充填されるとともに、第2貫通穴の外縁を構成する放熱側面の少なくとも一部を覆うように形成される。
請求項8の発明では、第1工程により、一側面から他側面まで貫通する第1貫通穴が形成された基板が用意され、第2工程により、受熱側面から放熱側面まで貫通し他側面および受熱側面が熱的に接続される際に第1貫通穴に連通する第2貫通穴が基台に形成された放熱フィンが用意される。そして、第3工程により、第1貫通穴および第2貫通穴が連通するように他側面と受熱側面とを熱的に接続した状態にて、封止部材が第1貫通穴および第2貫通穴に充填されるとともに封止部材により第2貫通穴の外縁を構成する放熱側面のが覆われる。
これにより、基板および放熱フィンが他側面と受熱側面とを熱的に接続した状態で封止部材により封止されるため、基板と放熱フィンとの間に熱伝導率の低い接着剤を介在させる必要をなくすことができる。特に、第2貫通穴の外縁を構成する放熱側面の少なくとも一部が封止部材により覆われているため、この放熱側面を覆う封止部材の部位が基板や放熱フィンの封止部材に対する抜け止めとして機能する。このため、基板の他側面と放熱フィンの受熱側面とが離れにくくなるので、熱伝導率の低い接着剤を介在させなくても、放熱フィンを介した発熱素子の放熱性を高めることができる。
第1実施形態に係る電子装置の上面図である。 図1に示すX−X線相当の切断面による断面図である。 電子装置の製造方法を示す工程図である。 図3に示す製造方法における製造過程の一部を示す断面図である。 図3に示す製造方法における製造過程の一部を示す断面図である。 第2実施形態に係る電子装置の上面図である。 第3実施形態に係る電子装置の断面図である。 第4実施形態に係る電子装置の断面図である。 第5実施形態に係る電子装置の断面図である。 第5実施形態の第1変形例に係る電子装置の断面図である。 第5実施形態の第2変形例に係る電子装置の断面図である。 第5実施形態の第3変形例に係る電子装置の断面図である。 第1実施形態の第1変形例に係る電子装置の上面図である。 第1実施形態の第2変形例に係る電子装置の上面図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の電子装置および電子装置の製造方法を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る電子装置10は、例えば、自動車等のような機器に搭載される装置であって、図1および図2に示すように、全体制御を司る回路部が設けられる回路基板20および放熱用の放熱フィン30等がモールド樹脂40によりモールド(封止)されて構成されている。
図2に示すように、回路基板20は、所定の機能を実現するための半導体素子23,24や他の電子部品等を備えている。両半導体素子23,24は、その駆動時に発熱を伴う発熱素子であって、回路基板20の一側実装面21の所定の配線部に対してはんだ25,26を用いたはんだ接合によりそれぞれ実装されている。
そして、回路基板20には、一側実装面21から他側実装面22まで貫通する第1貫通穴27が形成されている。この第1貫通穴27は、半導体素子23,24の発熱の影響を受けにくい部位、例えば、他側実装面22の中央部に設けられている。なお、一側実装面21は、「一側面」の一例に相当し、他側実装面22は、「他側面」の一例に相当し得る。
放熱フィン30は、アルミニウムまたはその合金からなる放熱用部材であって、回路基板20の他側実装面22からの熱を受熱側面33にて受ける略平板状の基台31と、基台31の放熱側面34に設けられる複数のピンタイプ(円柱状)のフィン部32とが一体成形されて構成されている。
基台31には、受熱側面33から放熱側面34まで貫通する第2貫通穴35が形成されている。この第2貫通穴35は、後述するように回路基板20の他側実装面22および基台31の受熱側面33が熱的に接続される際に、回路基板20の第1貫通穴27に連通するように配置されている。
また、回路基板20には、所定の信号を入出力(伝達)するための複数のリード51が電気的に接続されている。
そして、回路基板20および放熱フィン30は、他側実装面22と受熱側面33との間に介在するエポキシ樹脂などの熱伝導性部材52により熱的に接続されている。なお、熱伝導性部材52は、第1貫通穴27と第2貫通穴35との連通部53を除くように配置されている。
図2に示すように、熱伝導性部材52により熱的に接続された回路基板20および放熱フィン30は、フィン部32と放熱側面34の一部を除き、モールド樹脂40によりモールドされている。特に、モールド樹脂40は、封止部材として機能するもので、第1貫通穴27および第2貫通穴35と連通部53とに充填されるとともに、抜け止め部41にて第2貫通穴35の外縁を構成する放熱側面34の部位を円環状に覆うように形成される。すなわち、基台31は、放熱側面34の外縁や第2貫通穴35の外縁、受熱側面33および放熱側面34と異なる側面31aまでモールド樹脂40によりモールドされる(図1参照)。また、各リード51は、外部接続側がそれぞれ突出するようにモールド樹脂40によりモールドされている。
次に、上述のように構成される電子装置10の製造方法について、図3〜図5を用いて詳細に説明する。なお、図3は、電子装置10の製造方法を示す工程図である。図4および図5は、図3に示す製造方法における製造過程を示す断面図であり、図4(A)は第1貫通穴27が形成された回路基板20を示し、図4(B)は第2貫通穴35が形成された放熱フィン30を示し、図5(A)は熱伝導性部材52を介して回路基板20および放熱フィン30を貼り合わせた状態を示し、図5(B)は金型60を用いてモールドした状態を示す。
図3に示すように、電子装置10の製造においては、まず、回路基板20を製造するためのセラミック基板が複数形成されたウエハを用意し、所定の位置にはんだを印刷する。次に、半導体素子23,24や他の電子部品等の搭載部品を用意して、各セラミック基板にそれぞれはんだを介してマウントする。そして、はんだを硬化させた後に、各セラミック基板を分割するとともに、第1貫通穴27を形成することで、図4(A)に示す状態の回路基板20を製造する。その後、回路基板20の外観チェックを行う。
また、各リード51が一体に形成されたリードフレームを用意する。また、図4(B)に示すように、第2貫通穴35が形成された基台31とフィン部32とが一体成形された放熱フィン30を用意する。そして、放熱フィン30に設けられるかしめ用の突起(図示略)にリードフレームの一部をかしめることで、放熱フィン30にリードフレームを組み付ける。
そして、連通部53を除くように熱伝導性部材52を放熱フィン30の受熱側面33の所定の位置に印刷して塗布した後に、図5(A)に示すように、熱伝導性部材52を介して、第1貫通穴27および第2貫通穴35が連通するように、回路基板20の他側実装面22と放熱フィン30の受熱側面33とを貼り合わせる。熱伝導性部材52が硬化した後、貼り合わせた状態の回路基板20および放熱フィン30の外観チェックを行う。なお、熱伝導性部材52を回路基板20の他側実装面22の所定の位置に印刷して塗布した後に、回路基板20の他側実装面22と放熱フィン30の受熱側面33とを貼り合わせてもよい。
次に、ALワイヤやAuワイヤ等を用いて半導体素子23,24や各リード51等と所定の配線部とを電気的に接続した後、接続部の外観チェックを行う。
続いて、図5(B)に示すように、回路基板20および放熱フィン30等を入れた上型(回路基板20側の型)61aおよび下型(放熱フィン30側の型)61bを有する金型60に流動状態のモールド樹脂40を注入してモールド成型する。ここで、下型61bには、抜け止め部41を形成するための溝部62が設けられている。このため、溝部62に充填されたモールド樹脂40により、抜け止め部41が形成される。そして、モールド成型時にさらに熱硬化(アフターキュア)を実施する。
その後、外観チェック後にレーザマーキングを施して所定の情報を表示した後に、リードフレームの不要な部分をカットして各リード51を形成する。そして、コンタクト検査を実施した後に、バーンイン(ならし試験)を実施する。その後、室温での電気検査と高温での電気検査とを実施した後に、外観チェックおよび出荷外観検査を実施する。これらの検査に合格した製品が電子装置10として出荷されることとなる。
以上説明したように、本実施形態に係る電子装置10では、半導体素子23,24が一側実装面21に実装される回路基板20には、一側実装面21から他側実装面22まで貫通する第1貫通穴27が形成され、放熱フィン30の基台31には、受熱側面33から放熱側面34まで貫通し他側実装面22および受熱側面33が熱的に接続される際に第1貫通穴27に連通する第2貫通穴35が形成される。そして、複数のフィン部32および放熱側面34の一部を除き回路基板20および放熱フィン30をモールド(封止)するモールド樹脂40は、回路基板20の他側実装面22と基台31の受熱側面33とを熱的に接続した状態にて連通した第1貫通穴27および第2貫通穴35に充填されるとともに、第2貫通穴35の外縁を構成する放熱側面34を抜け止め部41にて覆うように形成される。
また、本実施形態に係る電子装置10の製造方法では、図4(A)に示す工程(第1工程)により、一側実装面21から他側実装面22まで貫通する第1貫通穴27が形成された回路基板20が用意され、図4(B)に示す工程(第2工程)により、受熱側面33から放熱側面34まで貫通し他側実装面22および受熱側面33が熱的に接続される際に第1貫通穴27に連通する第2貫通穴35が基台31に形成された放熱フィン30が用意される。そして、図5(A)(B)に示す工程(第3工程)により、第1貫通穴27および第2貫通穴35が連通するように他側実装面22と受熱側面33とを熱的に接続した状態にて、モールド樹脂40が第1貫通穴27および第2貫通穴35に充填されるとともにモールド樹脂40により第2貫通穴35の外縁を構成する放熱側面34が抜け止め部41にて覆われる。
これにより、回路基板20および放熱フィン30が他側実装面22と受熱側面33とを熱的に接続した状態でモールド樹脂40によりモールド(封止)されるため、回路基板20と放熱フィン30との間に熱伝導率の低い接着剤を介在させる必要をなくすことができる。特に、第2貫通穴35の外縁を構成する放熱側面34が抜け止め部41により覆われているため、この抜け止め部41が回路基板20や放熱フィン30のモールド樹脂40に対する抜け止めとして機能する。このため、回路基板20の他側実装面22と放熱フィン30の受熱側面33とが離れにくくなるので、熱伝導率の低い接着剤を介在させなくても、放熱フィン30を介した半導体素子23,24の放熱性を高めることができる。
特に、回路基板20の他側実装面22と基台31の受熱側面33との間には、モールド樹脂40が充填される連通部53を除き、他側実装面22と受熱側面33とを熱的に接続する熱伝導性部材52が介在している。これにより、他側実装面22および受熱側面33の凹凸等に起因して微細な隙間が形成されてしまう場合でも、熱伝導性部材52により当該隙間が埋まるため、放熱性をより高めることができる。
なお、熱伝導性部材52として、エポキシ樹脂が採用されることに限らず、例えば、シリコングリース等が採用されてもよい。
なお、他側実装面22および受熱側面33間に微細な隙間が形成され難い場合等には、熱伝導性部材52をなくして、他側実装面22と受熱側面33とが直接接触するように、回路基板20および放熱フィン30がモールド樹脂40によりモールドされてもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る電子装置およびその製造方法について図面を参照して説明する。図6は、第2実施形態に係る電子装置10aの上面図である。
本第2実施形態に係る電子装置10aでは、放熱性をさらに高めるために第1貫通穴27および第2貫通穴35を複数設ける点が、上記第1実施形態に係る電子装置と主に異なる。したがって、第1実施形態の電子装置と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態に係る電子装置10aでは、モールド樹脂40が充填される第1貫通穴27および第2貫通穴35が、回路基板20および基台31にそれぞれ複数形成される。そして、各第2貫通穴35の外縁を構成する放熱側面34の部位は、それぞれ抜け止め部41により覆われている。
具体的には、例えば、図6に例示するように、両貫通穴27,35および抜け止め部41が5箇所設けられており、放熱側面34の中央に1つ設けられて他の4つが中央の1つを基準に分散するように配置されている。
また、本実施形態における両貫通穴27,35は、その内径が上記第1実施形態における両貫通穴27,35の内径よりも小さくなるように形成されている。両貫通穴27,35に充填されるモールド樹脂40自体が放熱の阻害要因となるため、1箇所に充填されるモールド樹脂40を小さくして分散することで、抜け止め部41による抜け止め機能を確保しつつ放熱に関するモールド樹脂40の影響を低減することができる。これにより、放熱フィン30を介した半導体素子23,24の放熱性をさらに高めることができる。
なお、各第2貫通穴35の外縁を構成する放熱側面34の部位がそれぞれ抜け止め部41により覆われることに限らず、各第2貫通穴35のうち少なくとも1つの外縁を構成する放熱側面34の部位が抜け止め部41により覆われてもよい。
なお、第1貫通穴および第2貫通穴を複数設ける本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態にも適用することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る電子装置およびその製造方法について図面を参照して説明する。図7は、第3実施形態に係る電子装置10bの断面図である。
本第3実施形態に係る電子装置10bでは、抜け止め効果をさらに高めるように第2貫通穴を形成する点が、上記第1実施形態に係る電子装置と主に異なる。したがって、第1実施形態の電子装置と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
第3実施形態に係る電子装置10bでは、図7に示すように、基台31に形成される第2貫通穴35aが、放熱側面34から受熱側面33へ向かうほど径が小さくなるように楔状に形成されている。これにより、第2貫通穴35aに充填されるモールド樹脂40によるアンカー効果が生じるため、回路基板20や放熱フィン30のモールド樹脂40に対する抜け止め効果をさらに高めることができる。
なお、第2貫通穴35aは、放熱側面34から受熱側面33へ向かうほど径が小さくなるように楔状に形成されることに限らず、例えば、放熱側面34から受熱側面33へ向かうほど段階的に径が小さくなるように形成されてもよい。
なお、第2貫通穴が放熱側面34から受熱側面33へ向かうほど径が小さくなるように形成される本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態にも適用することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る電子装置およびその製造方法について図面を参照して説明する。図8は、第4実施形態に係る電子装置10cの断面図である。
本第4実施形態に係る電子装置10cでは、抜け止め効果をさらに高めるように熱伝導性部材52を配置する点が、上記第1実施形態に係る電子装置と主に異なる。したがって、第1実施形態の電子装置と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
第4実施形態に係る電子装置10cでは、図8に示すように、第1貫通穴27の外縁を構成する他側実装面22と第2貫通穴35の外縁を構成する受熱側面33と連通部53とを含めた領域(以下、連通領域ともいう)には、熱伝導性部材52が配置されずにモールド樹脂40が中間抜け止め部42として充填されている。
この中間抜け止め部42は、上記連通領域を除くように熱伝導性部材52を他側実装面22と受熱側面33との間に配置した後に、第1貫通穴27および第2貫通穴35に流動状態のモールド樹脂40を注入する際に充填されることで形成される。
これにより、中間抜け止め部42によるアンカー効果が生じるため、回路基板20や放熱フィン30のモールド樹脂40に対する抜け止め効果をさらに高めることができる。
なお、上記連通領域に中間抜け止め部42が充填される本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態にも適用することができる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る電子装置およびその製造方法について図面を参照して説明する。図9は、第5実施形態に係る電子装置10dの断面図である。
本第5実施形態に係る電子装置10dでは、抜け止め効果をさらに高めるように回路基板20および放熱フィン30を形成する点が、上記第1実施形態に係る電子装置と主に異なる。したがって、第1実施形態の電子装置と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
第5実施形態に係る電子装置10dでは、図9に示すように、第1貫通穴27に連通する左右一対の溝29や第2貫通穴35に連通する左右一対の溝36が形成されている。このため、第1貫通穴27および第2貫通穴35にモールド樹脂40を充填することで、各溝29および各溝36にもモールド樹脂40が充填される。これにより、各溝29および各溝36に充填されるモールド樹脂40によるアンカー効果が生じるため、回路基板20や放熱フィン30のモールド樹脂40に対する抜け止め効果を高めることができる。なお、溝29は、第1貫通穴27に対して左右一対設けられることに限らず、どちらか一方のみ設けられてもよいし、3つ以上設けられてもよい。また、溝36は、第2貫通穴35に対して左右一対設けられることに限らず、どちらか一方のみ設けられてもよいし、3つ以上設けられてもよい。
なお、図10に例示する第5実施形態の第1変形例に係る電子装置10eのように、各溝29および各溝36を貫通方向に複数箇所設けることで、アンカー効果を増大させて、回路基板20や放熱フィン30のモールド樹脂40に対する抜け止め効果をさらに高めることができる。
なお、第5実施形態およびその第1変形例では、溝29および溝36のうちどちらか一方が形成されても、回路基板20や放熱フィン30のモールド樹脂40に対する抜け止め効果を高めることができる。
また、抜け止め効果をさらに高めるため、回路基板20や放熱フィン30のうちモールド樹脂40によりモールドされる部位に溝等を形成してもよい。例えば、図11に例示する第5実施形態の第2変形例に係る電子装置10fのように、基台31の側面31aに溝36aを形成してもよい。また、図12に例示する第5実施形態の第3変形例に係る電子装置10gのように、放熱側面34の外縁に溝36bを形成してもよい。
このようにしても、溝36aまたは溝36bに充填されるモールド樹脂40によるアンカー効果が生じるため、回路基板20や放熱フィン30のモールド樹脂40に対する抜け止め効果を高めることができる。
なお、回路基板20や放熱フィン30のうちモールド樹脂40によりモールドされる部位に溝等を形成する本実施形態および変形例の特徴的構成は、他の実施形態にも適用することができる。
なお、本発明は上記各実施形態および変形例に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)図13は、第1実施形態の第1変形例に係る電子装置の上面図である。図14は、第1実施形態の第2変形例に係る電子装置の上面図である。
基台31の放熱側面34に設けられる複数のフィン部32は、ピンタイプ(円柱状)として形成されることに限らず、他の形状、例えば、図13に例示する複数のフィン部32aのように、放熱側面34の短手方向に延びるプレートタイプとして形成されてもよいし、図14に例示する複数のフィン部32bのように、放熱側面34の長手方向に延びるプレートタイプとして形成されてもよい。この複数のフィン部32a,32b等の形状は、他の実施形態および変形例に適用されてもよい。
(2)抜け止め部41は、第2貫通穴35,35aの外縁を構成する放熱側面34の部位を円環状に覆うように形成されることに限らず、第2貫通穴35,35aの外縁を構成する放熱側面34の少なくとも一部を覆うように形成されてもよい。このようにしても、抜け止め部41が回路基板20や放熱フィン30のモールド樹脂40に対する抜け止めとして機能するため、熱伝導率の低い接着剤を介在させなくても、放熱フィン30を介した半導体素子23,24の放熱性を高めることができる。
10,10a〜10g…電子装置
20…回路基板(基板)
21…一側実装面(一側面) 22…他側実装面(他側面)
23,24…発熱素子
27…第1貫通穴
30…放熱フィン 31…基台 32,32a,32b…フィン部
33…受熱側面 34…放熱側面
35,35a…第2貫通穴
40…モールド樹脂(封止部材)
41…抜け止め部

Claims (14)

  1. 発熱素子(23,24)が一側面(21)に実装される基板(20)と、
    前記基板の他側面(22)からの熱を受熱側面(33)にて受ける基台(31)と前記基台の放熱側面(34)に設けられる複数のフィン部(32,32a,32b)とを有する放熱フィン(30)と、
    前記複数のフィン部および前記放熱側面の少なくとも一部を除き前記基板および前記放熱フィンを封止する封止部材(40)と、
    を備え、
    前記基板には、前記一側面から前記他側面まで貫通する第1貫通穴(27)が形成され、
    前記基台には、前記受熱側面から前記放熱側面まで貫通し前記他側面および前記受熱側面が熱的に接続される際に前記第1貫通穴に連通する第2貫通穴(35,35a)が形成され、
    前記封止部材は、前記他側面と前記受熱側面とを熱的に接続した状態にて連通した前記第1貫通穴および前記第2貫通穴に充填されるとともに、前記第2貫通穴の外縁を構成する前記放熱側面の少なくとも一部を覆うように形成されることを特徴とする電子装置。
  2. 前記基板の前記他側面と前記基台の前記受熱側面との間には、前記封止部材が充填される前記第1貫通穴と前記第2貫通穴との連通部(53)を除き、前記他側面と前記受熱側面とを熱的に接続する熱伝導性部材(52)が介在することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記第1貫通穴の外縁を構成する前記他側面と前記第2貫通穴の外縁を構成する前記受熱側面との少なくとも一部と前記連通部とを含めた領域には、前記熱伝導性部材が配置されずに前記封止部材が充填されることを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
  4. 前記封止部材が充填される前記第1貫通穴および前記第2貫通穴は、前記基板および前記基台にそれぞれ複数形成され、
    複数形成される前記第2貫通穴のうち少なくとも1つの外縁を構成する前記放熱側面の少なくとも一部が前記封止部材により覆われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子装置。
  5. 前記第2貫通穴(35a)は、前記放熱側面から前記受熱側面へ向かうほど径が小さくなるように形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子装置。
  6. 前記基台のうち前記封止部材に覆われる部位には、前記封止部材が充填される溝部(36,36a,36b)が形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子装置。
  7. 前記基板のうち前記封止部材に覆われる部位には、前記封止部材が充填される溝部(29)が形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子装置。
  8. 発熱素子(23,24)が一側面(21)に実装される基板(20)と、前記基板の他側面(22)からの熱を受熱側面(33)にて受ける基台(31)と前記基台の放熱側面(34)に設けられる複数のフィン部(32,32a,32b)とを有する放熱フィン(30)とを備える電子装置の製造方法であって、
    前記一側面から前記他側面まで貫通する第1貫通穴(27)が形成された前記基板を用意する第1工程と、
    前記受熱側面から前記放熱側面まで貫通し前記他側面および前記受熱側面が熱的に接続される際に前記第1貫通穴に連通する第2貫通穴(35,35a)が前記基台に形成された前記放熱フィンを用意する第2工程と、
    前記第1貫通穴および前記第2貫通穴が連通するように前記他側面と前記受熱側面とを熱的に接続した状態にて、前記複数のフィン部および前記放熱側面の少なくとも一部を除き前記基板および前記放熱フィンを封止部材(40)により封止する工程であって、前記封止部材が前記第1貫通穴および前記第2貫通穴に充填されるとともに前記封止部材により前記第2貫通穴の外縁を構成する前記放熱側面の少なくとも一部が覆われる第3工程と、
    を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
  9. 前記基板の前記他側面と前記基台の前記受熱側面との間に、前記封止部材が充填される前記第1貫通穴と前記第2貫通穴との連通部(53)を除き、前記他側面と前記受熱側面とを熱的に接続する熱伝導性部材(52)を介在させる工程を備えることを特徴とする請求項8に記載の電子装置の製造方法。
  10. 前記第1貫通穴の外縁を構成する前記他側面と前記第2貫通穴の外縁を構成する前記受熱側面との少なくとも一部と前記連通部とを含めた領域には、前記熱伝導性部材が配置されずに前記封止部材が充填されることを特徴とする請求項9に記載の電子装置の製造方法。
  11. 前記第1工程では、前記第1貫通穴が複数形成された前記基板が用意され、
    前記第2工程では、複数の前記第1貫通穴にそれぞれ連通する前記第2貫通穴が前記基台に複数形成され、
    前記第3工程では、複数形成される前記第2貫通穴のうち少なくとも1つの外縁を構成する前記放熱側面の少なくとも一部が前記封止部材により覆われることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法。
  12. 前記第2貫通穴(35a)は、前記放熱側面から前記受熱側面へ向かうほど径が小さくなるように形成されることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法。
  13. 前記基台のうち前記封止部材に覆われる部位には、前記封止部材が充填される溝部(36,36a,36b)が形成されることを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法。
  14. 前記基板のうち前記封止部材に覆われる部位には、前記封止部材が充填される溝部(29)が形成されることを特徴とする請求項8〜13のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法。
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