JP2014215198A - センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、検出軸に対して垂直方向の衝撃が生じた場合に、錘部の捻れによる梁部の破断を効果的に抑制し、耐衝撃性を向上したセンサを提供することを目的とする。
【解決手段】この目的を達成するために、加速度センサ10は、基板11と、基板11の上面に設けられた支持部12と、基板11の上面と対向する錘部13と、一端が支持部12に接続され、他端が錘部13に接続された梁部14と、基板11の上面に設けられた突起部15、16と、を備え、錘部13の幅D1は、梁部14の幅D2よりも大きく、突起部15と突起部16との間隔D3は、梁部14の幅D2よりも大きく、かつ、錘部13の幅D1よりも小さい構成とする。
【選択図】図1
【解決手段】この目的を達成するために、加速度センサ10は、基板11と、基板11の上面に設けられた支持部12と、基板11の上面と対向する錘部13と、一端が支持部12に接続され、他端が錘部13に接続された梁部14と、基板11の上面に設けられた突起部15、16と、を備え、錘部13の幅D1は、梁部14の幅D2よりも大きく、突起部15と突起部16との間隔D3は、梁部14の幅D2よりも大きく、かつ、錘部13の幅D1よりも小さい構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両やナビゲーション装置、携帯端末等に用いられる加速度センサや角速度センサ等の慣性力センサ、歪センサや気圧センサ等のセンサに関する。
図9は従来のセンサの一例である加速度センサ1の断面図である。図9に示すように、従来の加速度センサ1は、基板2と、基板2の上面に設けられた支持部3と、基板2の上面と対向する錘部4と、一端が支持部3に接続され、他端が錘部4に接続された梁部5と、錘部4の下面に設けられた突起部6と、を備えている。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
図10は、図9のA方向から見た断面模式図であり、(a)は加速度が印加されていない場合、(b)はX軸方向に過大な衝撃が加わった場合の模式図である。同図(b)に示すように、X軸方向に過大な衝撃が加わった場合、錘部4に対してY軸を中心とした捻れが発生し、この捻れに起因して薄肉の梁部5が折れてしまうという課題があった。
そこで、本発明のセンサは、基板と、前記基板の上面に設けられた支持部と、前記基板の上面と対向する錘部と、一端が前記支持部に接続され、他端が前記錘部に接続された梁部と、前記基板の上面又は前記錘部の下面に設けられた第1の突起部および第2の突起部と、を備え、前記錘部の幅は、前記梁部の幅よりも大きく、前記第1の突起部と前記第2の突起部との間隔は、前記梁部の幅よりも大きく、かつ、前記錘部の幅よりも小さい構成とする。
この構成により、検出軸に対して垂直方向の衝撃が生じた場合に、錘部の捻れによる梁部の破断を効果的に抑制できるため、センサの耐衝撃性を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における加速度センサ10の概略模式図である。(a)は加速度センサ10の上面図、(b)はB−B線の断面図である。
図1は、実施の形態1における加速度センサ10の概略模式図である。(a)は加速度センサ10の上面図、(b)はB−B線の断面図である。
図1に示すように、加速度センサ10は、基板11と、基板11の上面に設けられた支持部12と、基板11の上面と対向する錘部13と、一端が支持部12に接続され、他端が錘部13に接続された梁部14と、基板11の上面に設けられた突起部15、16と、を備えている。錘部13の幅D1は、梁部14の幅D2よりも大きい。突起部15と突起部16との間隔D3(突起部15、16の対向面間の距離)は、梁部14の幅D2よりも大きく、かつ、錘部13の幅D1よりも小さい。
以上の構成により、検出軸であるZ軸方向に垂直なX軸方向に衝撃が生じた場合、錘部13のY軸を中心とした捻れを突起部15、16により抑止し、これにより梁部14の破断を防止できる。
以下、加速度センサ10の構成について詳細に説明する。
基板11、支持部12、錘部13、梁部14、突起部15、16は、シリコン、溶融石英、アルミナ等を用いることができる。好ましくは、シリコンを用いて形成することにより、微細加工技術を用いて小型の加速度センサとすることができる。
基板11と支持部12とを接着する方法として、接着材による接着や金属接合、常温接合、陽極接合等を用いることができる。このうち、接着材としてはエポキシ系樹脂やシリコーン系樹脂等の接着剤が用いられる。接着剤として、シリコーン系樹脂を用いることにより、接着剤自身の硬化による応力を小さくすることができる。
梁部14の厚み(Z方向の長さ)は、錘部13の厚みよりも小さい。これにより、外部から加速度が印加され、この加速度により錘部13が変位した際に梁部14に歪が発生し、この歪を検出することにより、加速度を検出することができる。
加速度を検出する検出部17、18は、梁部14に形成される。検出部17、18による検出方式として、歪抵抗方式や静電容量方式などを用いることができる。歪抵抗方式としてピエゾ抵抗を用いることにより、加速度センサ10の感度を向上させることができる。また、歪抵抗方式として酸化膜歪み抵抗体を用いた薄膜抵抗方式を用いることにより、加速度センサ10の温度特性を向上させることができる。
図2は、検出部17、18として、歪抵抗方式を用いた場合の回路例である。R1は検出部17に対応する抵抗、R4は検出部18に対応する抵抗、R2およびR3は支持部12に設けられた基準となる抵抗である。図2に示す如く、R1、R2、R3、R4をブリッジ型に接続し、対向する一対の接続点VddとGNDとの間に電圧を印加し、他の一対の接続点V1とV2との間の電圧Voutを検出することにより、加速度センサ10に印加された加速度を検出することができる。
図3は、本実施の形態における加速度センサ10における耐衝撃性の改善効果の説明図である。
図3(a)は本実施の形態における加速度センサ10であり、図1(b)の方向Cから見た断面図である。X軸の正方向に衝撃(過大な加速度)が印加された場合、Y軸と平行であって錘部13の重心を通る軸Y1を中心としてR方向に捻れる。この際、錘部13の角部13aが突起部16に当接し、錘部13のR方向の捻れが規制される。
図3(b)に示す加速度センサ19は、突起部20を錘部13の中央部下方に設けた構成である(従来の加速度センサ1に相当)。X軸の正方向に衝撃(過大な加速度)が印加された場合、(a)と同様にR方向に捻れる。この際、錘部13の下面13bが突起部20に当接するまで錘部13が捻れる。この結果、錘部13を支持する薄肉の梁部14に過大な応力が発生し、折れてしまう。
ここで、突起部15と突起部16との間隔D3(突起部15、16の対向面間の距離)は、梁部14の幅D2(図3では図示せず)よりも大きく、かつ、錘部13の幅D1よりも小さくしている。これにより、錘部13の捻れに起因する梁部14の応力を効果的に低減することができる。
さらに、図1や図3(a)に示すように、錘部13の上面から見た上面視において、突起部15、16が錘部13から露出している構成とすることが好ましい。これにより、図3(a)に示すように、錘部13の角部13aが突起部15、16の上面中央部に当接し、確実に錘部13の捻れを規制できる。
図4は、本実施の形態における加速度センサ10の応力低減効果を示した図である。横軸は、突起部ギャップ比であり、基板11の上面と錘部13の下面との距離(H1)に対する突起部15、16の上面と錘部13の下面との距離(H2)の比(H2/H1)を表している。縦軸は、最大応力比であり、従来例(図3(b)の加速度センサ19)の梁部に発生する最大応力(S1)に対する実施例(図3(a)の加速度センサ10)の梁部に発生する最大応力(S2)の比(S2/S1)を表している。この図からわかるように、突起部ギャップ比が0.4の場合、従来例と比べて梁部に加わる最大応力が約60%となり、約40%の応力低減効果であった。また、突起部ギャップ比を小さくするほど(すなわち、突起部の高さを高くするほど)応力低減効果が向上するが、加速度の検出範囲が狭くなるため、突起部ギャップ比は0.3〜0.5とすることが好ましい。
なお、本実施の形態においては、基板11の上面に突起部15、16を設けたが、錘部13の下面(基板11との対向面)に突起部15、16を設けてもよい。この場合であっても、突起部15と突起部16との間隔を梁部14の幅よりも大きく、かつ、錘部13の幅よりも小さくすることにより、錘部13の捻れに起因する梁部14の応力を低減することができる。突起部15、16を錘部13の下面に形成することにより、製造バラツキ等に起因して突起部15、16や錘部13の形成位置が変化した場合であっても、突起部15、16と錘部13の相対位置が変わらないため、確実に錘部13の捻れや変位を抑止することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態の特徴部分について、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
本発明の実施の形態の特徴部分について、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図5は、本実施の形態の加速度センサ24の断面図である。(a)は加速度センサ24をX軸の正方向から見た断面図であり、(b)は方向Dから見た断面図である。加速度センサ24は、上蓋21が支持部12に設けられており、この上蓋21が錘部13と対向する面に突起部22、23が設けられている。この突起部22、23は錘部13に対し、基板11に設けられた突起部15、16と対称位置に設けられている。すなわち、突起部22と突起部23との間隔D4(突起部22、23の対向面間の距離)は、突起部15と突起部16との間隔D3(突起部15、16の対向面間の距離)と同じである。また、突起部22と突起部23との間隔D4は、梁部14の幅D2よりも大きく、かつ、錘部13の幅D1よりも小さい。この構成により、錘部13の下側の角部が突起部15、16に当接するとともに、錘部13の上側の角部が突起部22、23と当接するため、より確実に錘部13の捻れを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、上蓋21の下面に突起部22、23を設けたが、錘部13の上面(上蓋21との対向面)に突起部22、23を設けてもよい。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態の特徴部分について、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
本発明の実施の形態の特徴部分について、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図6は、本実施の形態の加速度センサ30の概略模式図である。(a)は加速度センサ30の上面図(基板11は記載せず)、(b)はE−E線の断面図である。
加速度センサ30は、基板11の上面において、突起部15と突起部16の間に突起部31を備えている。この突起部31により、錘部13のZ軸方向への過振幅を抑制することができる。
また、図6(a)(b)に示されるように、突起部15、16と支持部12との距離D5は、突起部31と支持部12との距離D6よりも大きい。このように、突起部15、16を錘部13の重心G近くに形成することにより、加速度センサ30に衝撃が加わった際に、錘部13が突起部15、16との当接に伴い重心G周りに回転し、薄肉の梁部14が破損することを防止することができる。なお、突起部15、16を重心Gよりも錘部13の先端側に設けると、錘部13のZ軸方向の可動域が狭くなるため、重心Gよりも根元側(支持部12寄り)に設けることが好ましい。
さらに、突起部31を突起部15、16よりも錘部13の根元側(支持部12寄り)に設けることにより、錘部13のZ軸方向への過振幅を確実に抑制することができる。
図7は、加速度センサ30に対してZ軸方向に過大な衝撃が加わり、錘部13がZ軸方向に変位した際の断面模式図である。図7(a)は、Z軸の正方向(下から上)に過大な衝撃が加わった場合を示している。この場合、突起部31が錘部13の根元側に設けられていることにより、錘部13の角部が突起部31の上面に当接し、錘部13が過度にZ軸の正方向に変位することを効果的に防ぐことができる。図7(b)は、Z軸の負方向(上から下)に過大な衝撃が加わった場合を示している。この場合、突起部15、16が突起部31よりも重心G寄りに設けられていることにより、錘部13の下面が突起部15、16に当接し、錘部13が過度にZ軸の負方向に変位することを効果的に防ぐことができる。
なお、本実施の形態においては、基板11の上面に突起部15、16、31を設けたが、錘部13の下面(基板11との対向面)に突起部15、16、31を設けてもよい。
図8は、本実施の形態の他の例の加速度センサ33である。図8(a)は加速度センサ33の上面図(基板11と上蓋21は記載せず)、(b)はF−F線の断面図である。図8に示す如く、支持部12に上蓋21を形成し、この上蓋21が錘部13と対向する面に突起部22、23を設けるとともに、突起部22と突起部23の間に突起部32を形成してもよい。上蓋21に形成された突起部22、23、32は、基板11に設けられた突起部15、16、31と対称位置に設けられている。この構成により、錘部13の下側と上側にそれぞれX軸方向の衝撃による捻れ防止用の突起部(31、32)と、Z軸方向の過振幅防止用の突起部(15、16、22、23)を形成できるため、耐衝撃性を大幅に向上することができる。
なお、錘部13の下面(基板11との対向面)に突起部15、16、31を形成し、錘部13の上面(上蓋21との対向面)に突起部22、23、32を形成してもよい。
なお、以上の実施の形態においては、センサの一例として加速度センサを用いて説明したが、錘部や可撓部の変位により物理量を検出するセンサであれば、角速度センサや歪センサなど、他の種類のセンサにも適用することができる。
本発明のセンサは、検出軸に対して垂直方向の衝撃が生じた場合に、錘部の捻れによる梁部の破断を効果的に抑制し、センサの耐衝撃性を向上することができるので、車両やナビゲーション装置、携帯端末等に用いられる加速度センサや角速度センサ等の慣性力センサ、歪センサや気圧センサ等のセンサとして有用である。
10、19、24、30 加速度センサ
11 基板
12 支持部
13 錘部
14 梁部
15、16、20、22、23、31、32 突起部
17、18 検出部
21 上蓋
11 基板
12 支持部
13 錘部
14 梁部
15、16、20、22、23、31、32 突起部
17、18 検出部
21 上蓋
そこで、本発明のセンサは、基板と、前記基板の上面に設けられた支持部と、前記基板の上面と対向する錘部と、一端が前記支持部に接続され、他端が前記錘部に接続された梁部と、前記基板の上面又は前記錘部の下面に設けられた第1の突起部、第2の突起部および第3の突起部と、を備え、前記錘部の幅は、前記梁部の幅よりも大きく、前記第1の突起部と前記第2の突起部との間隔は、前記梁部の幅よりも大きく、かつ、前記錘部の幅よりも小さく、前記第3の突起部は、前記第1の突起部と前記第2の突起部との間であって、前記第1の突起部および前記第2の突起部よりも前記支持部に近い位置に形成され、前記錘部と前記梁部との境界は、前記第3の突起部の上部にある構成とする。
Claims (8)
- 基板と、
前記基板の上面に設けられた支持部と、
前記基板の上面と対向する錘部と、
一端が前記支持部に接続され、他端が前記錘部に接続された梁部と、
前記基板の上面又は前記錘部の下面に設けられた第1の突起部および第2の突起部と、を備え、
前記錘部の幅は、前記梁部の幅よりも大きく、
前記第1の突起部と前記第2の突起部との間隔は、前記梁部の幅よりも大きく、かつ、前記錘部の幅よりも小さいセンサ。 - 第3の突起部をさらに備え、
前記第3の突起部は、前記第1の突起部と前記第2の突起部との間であって、
前記第1の突起部および前記第2の突起部よりも前記支持部に近い位置に形成された請求項1に記載のセンサ。 - 前記第1の突起部および前記第2の突起部は、前記錘部の重心よりも前記支持部に近い位置に形成された請求項1に記載のセンサ。
- 前記錘部の上面から見た上面視において、前記第1の突起部の一部および前記第2の突起部の一部は、前記錘部から露出している請求項1に記載のセンサ。
- 前記錘部の上面と対向する上部基板と、
前記上部基板の下面又は前記錘部の上面に設けられた第4の突起部および第5の突起部と、をさらに備え、
前記第4の突起部と前記第5の突起部との間隔は、前記梁部の幅よりも大きく、かつ、前記錘部の幅よりも小さい請求項1に記載のセンサ。 - 第6の突起部をさらに備え、
前記第6の突起部は、前記第4の突起部と前記第5の突起部との間であって、
前記第4の突起部および前記第5の突起部よりも前記支持部に近い位置に形成された請求項5に記載のセンサ。 - 前記第4の突起部および前記第5の突起部は、前記錘部の重心よりも前記支持部に近い位置に形成された請求項5に記載のセンサ。
- 前記錘部の上面から見た上面視において、前記第4の突起部の一部および前記第5の突起部の一部は、前記錘部から露出している請求項5に記載のセンサ。
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