JP2014214766A - シャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造及び摺動式等速ジョイント - Google Patents

シャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造及び摺動式等速ジョイント Download PDF

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Abstract

【課題】シャフトに外嵌した外嵌部材が抜けることを防止する止め輪の形状をより適切な形状とすることで、外嵌部材の抜ける方向に対する剛性を適切に向上させ、且つ止め輪をリング溝に嵌め込む際の作業性が悪化することを抑制することができる、シャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造及び摺動式等速ジョイントを提供する。
【解決手段】シャフト12の挿通部に外嵌部材(11)を嵌合させ、突出した挿通部の外周面のリング溝にCリング状の止め輪13が嵌め込まれ、リング溝に嵌め込まれた止め輪におけるリング溝から径方向外側に突出した端面のうち、挿通部の先端側の端面には、挿通部の先端側に向かって突出し、内周面が挿通部の外周面に対向する突起部13Tが形成されており、突起部は止め輪の全周に渡って形成されていることなく止め輪の中心を挟んで径方向において切欠部と反対側の位置を含む範囲に形成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、シャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造、及び車両の動力伝達機構等に用いられる摺動式等速ジョイントに関する。
従来より、例えば車両の回転駆動力を車輪に伝達するドライブシャフトには等速ジョイントが用いられ、一般的に車両側(インボード側)には摺動式等速ジョイントが用いられている。そして摺動式等速ジョイント(以下、等速ジョイントと記載する)では、3本のトリポード軸部を備えたトリポード部材(外嵌部材に相当)がシャフトに外嵌されている。
図3の例に示すように、等速ジョイントでは、径方向外側に突出した複数のトリポード軸部11Aを有するトリポード部材11(図3の例ではトリポード部材11を断面で示しており、トリポード軸部11Aを1個のみ記載している)の貫通孔11Kに、シャフト12の挿通部12Aが挿通されて嵌合されている。なお、挿通部12Aの外周面にはスプライン12Bが形成されており、トリポード部材11の貫通孔11Kの内周面にはスプライン11Bが形成されている。
またトリポード部材11の一方の端面11Mの側における貫通孔11Kの縁部には(小)面取り部11Sが形成されており、他方の端面11Nの側における貫通孔11Kの縁部には(大)面取り部11Lが形成されている。なお、精度が要求される(大)面取り部11Lのほうが、(小)面取り部11Sよりも大きく形成されて(大きく面取りされて)、要求精度に応じた寸法管理がされている。
ここで図6(B)を用いて、シャフト12に外嵌したトリポード部材11に対する、従来の抜け防止構造について説明する。
図6(B)に示すように、トリポード部材11の他方の端面11Nの側からシャフト12の挿通部12Aを挿通していくと、やがて挿通部12Aのスプライン12Bの端部に形成された突き当て部12C((大)面取り部11Lに対応した傾斜面)に(大)面取り部11Lが突き当たり、シャフト12に対するトリポード部材11の回転軸Z10方向の位置が位置決めされる。このとき、挿通部の先端はトリポード部材11から所定長さだけ突出しており、突出した挿通部の外周面であってトリポード部材11に隣接する位置には、円周方向にリング溝12Mが形成されている。そしてリング溝12Mに、従来の止め輪113が嵌め込まれ、挿通されたトリポード部材11がシャフト12から抜けないように保持されている。また従来の止め輪113は単純なC字状であり、図6(B)に示すように断面は単純な矩形である。なお図6(B)では、トリポード部材11と従来の止め輪113は、回転軸Z10方向に沿って切断した断面を示している。
また等速ジョイントでは、トリポード軸部に外嵌されるローラユニットとの干渉を回避するために、従来の止め輪113の径方向の高さは低く抑えられている。
従来の止め輪113は、シャフト12のリング溝12Mの径等に応じて、トリポード部材11がシャフト12から抜けることを防止可能な剛性を備えた、シャフト径等に対応した専用の止め輪113が用いられていた。作業者が誤って剛性の不足する止め輪を用いてしまった場合は、図6(B)において二点鎖線にて示す止め輪113Aのように、トリポード部材11の抜ける方向のスラスト荷重Fによって、止め輪113Aの変形や傾斜等が発生し、トリポード部材11の位置にズレが発生する可能性があり、好ましくない。
しかし、シャフト径等に応じた専用の止め輪の種類が増えてしまうことは、誤組み付けや、管理工数の増加等が発生する可能性があるので好ましくない。
従って、より剛性が高く、種々のシャフト径等に対して共通して使用することが可能な止め輪が望まれている(止め輪の種類を削減することが望まれている)。
例えば、特許文献1に記載された従来技術には、図7(A)に示す止め輪113Bが開示されている。そして、C字形状の止め輪113Bの切欠き部に設けた2つの折り返し部113Cの先端を、外嵌部材から突出したシャフトの外周面に圧接するようにリング溝に嵌め込むことで、止め輪の剛性を向上させている。
また特許文献2に記載された従来技術には、図7(B)に示すように、軸方向に向かう突起部113Eが、止め輪の全周に渡って形成された止め輪113Dが開示されている。この場合、止め輪113Dの収容部113Fがリング溝に収容され、突起部113Eの内周面はリング溝の縁部となるシャフトの外周面に圧接される。
特開平4−272511号公報 特開平2−256907号公報
特許文献1に記載された、図7(A)に示す従来の止め輪113Bでは、折り返し部113Cの分だけ止め輪113Bの径方向の高さが高くなり、等速ジョイントに用いた場合ではローラユニットと干渉する可能性があるので好ましくない。また、シャフトの突出部に、折り返し部113Cの先端を圧接する必要があるので、突出部の長さをより長く設定しなければならず、しかも、突出部に折り返し部113Cの先端を嵌め込むための溝を形成しておかなければならない。
また特許文献2に記載された、図7(B)に示す従来の止め輪113Dでは、止め輪の全周に渡って突起部113Eが形成されており、必要以上の剛性を有している。つまり、シャフトに外嵌された外嵌部材が抜けることを防止するための剛性だけでなく、止め輪113Dをリング溝に嵌め込むために止め輪113Dを開く方向の剛性まで必要以上に大きく上がってしまっている。従って、止め輪113Dをリング溝に嵌め込む際、止め輪113Dを開くためにより多くの力が必要となり、止め輪113Dをリング溝に嵌め込む際の作業性が(必要以上に)悪化する可能性がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、シャフトに外嵌した外嵌部材が抜けることを防止する止め輪の形状をより適切な形状とすることで、外嵌部材の抜ける方向に対する剛性を適切に向上させ、且つ止め輪をリング溝に嵌め込む際の作業性が悪化することを抑制することができる、シャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造及び摺動式等速ジョイントを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るシャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造及び摺動式等速ジョイントは次の手段をとる。
まず、本発明の第1の発明は、軸方向における一方端の側に外嵌部材を嵌合可能な挿通部を有するシャフトに、前記挿通部と嵌合される貫通孔を有する前記外嵌部材を嵌合させ、前記外嵌部材から軸方向に突出した前記挿通部の外周面であって前記外嵌部材に隣接する位置に周方向に形成されたリング溝に、前記外嵌部材が前記シャフトから抜けることを防止する止め輪が嵌め込まれている、シャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造である。
前記止め輪は、周方向の一部に切欠部が形成されたCリング状の形状を有しており、前記リング溝に嵌め込まれた止め輪における前記リング溝から径方向外側に突出した端面のうち、前記挿通部の先端側の端面には、前記挿通部の先端側に向かって突出し、前記リング溝と前記挿通部の外周面とを接続する縁部から前記挿通部の先端側に向かって前記挿通部の外周面に対向する内周面を有する突起部が形成されており、
前記突起部は、前記止め輪の全周に渡って形成されていることなく前記止め輪の中心を挟んで径方向において前記切欠部と反対側の位置を含む範囲に形成されている。
この第1の発明では、挿通部の先端側に向かう突起部を有することで、止め輪の径方向の高さを変えることなく、シャフトに外嵌された外嵌部材が抜けることを防止するための剛性を上げることができる。
また、止め輪の全周に渡って突起部が形成されているのではなく、止め輪の突起部を、切欠部に対して位相が180°異なる位置を含む範囲に設けたことにより、止め輪の剛性が高くなり、止め輪を開くのに大きな荷重が必要となる。
従って、止め輪にスラスト荷重がかかったときに止め輪が開くのを確実に防止でき、止め輪及び外嵌部材が抜けることを確実に防止できる。
また、止め輪の全周に渡って突起部が形成されていないので、止め輪を開く方向の剛性が(必要以上に)上がることを抑制しており、止め輪を開いてリング溝に嵌め込む際の作業性が(必要以上に)悪化することを抑制することができる。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係るシャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造であって、前記止め輪の前記突起部の内周面は、前記リング溝と前記挿通部の外周面とを接続する縁部から前記挿通部の先端側に向かって前記挿通部の外周面と、接している。
この第2の発明では、第1の発明に対して、止め輪の突起部の内周面と、挿通部の外周面と、の間の隙間を無くした(小さくした)ことで、止め輪にスラスト荷重がかかったとき、止め輪の変形と傾斜が小さくなる。
これにより、止め輪及び外嵌部材が抜けることを、さらに確実に防止することができる。
次に、本発明の第3の発明は、上記第1の発明または第2の発明に係るシャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造であって、前記止め輪の前記突起部は、前記切欠部と反対側の位置を含む範囲に1個所形成されている。
この第3の発明では、第1、第2の発明に対して、突起部を1個所にしたことにより、止め輪の製造・加工が容易となる。
これにより、止め輪のコストをより低減することができる。
次に、本発明の第4の発明は、上記第1の発明〜第3の発明のいずれか1つに係るシャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造を有する摺動式等速ジョイントであって、軸方向における一方端の側に外嵌部材を嵌合可能な挿通部を有するシャフトと、径方向外側に向かって突出する3つの軸部であるトリポード軸部と、シャフトに外嵌するための貫通孔と、が設けられた外嵌部材であるトリポード部材と、前記シャフトに外嵌された前記トリポード部材が前記シャフトから抜けることを防止する止め輪と、前記トリポード軸部のそれぞれに外嵌されるローラユニットと、前記シャフトに外嵌されて前記止め輪にて抜け防止が施されて前記ローラユニットが外嵌されたトリポード部材を収容する外輪と、を有する摺動式等速ジョイントである。
前記止め輪は、周方向の一部に切欠部が形成されたCリング状の形状を有しており、前記リング溝に嵌め込まれた止め輪における前記リング溝から径方向外側に突出した端面のうち、前記挿通部の先端側の端面には、前記挿通部の先端側に向かって突出し、前記リング溝と前記挿通部の外周面とを接続する縁部から前記挿通部の先端側に向かって前記挿通部の外周面に対向する内周面を有する突起部が形成されており、前記突起部は、前記止め輪の全周に渡って形成されていることなく前記止め輪の中心を挟んで径方向において前記切欠部と反対側の位置を含む範囲に形成されている。
この第4の発明では、上記第1の発明〜第3の発明のいずれか1つに係るシャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造を有する摺動式等速ジョイントを構成することで、止め輪の径方向の高さを変えることなく止め輪の剛性を高くする。
これにより、トリポード軸に対してローラが傾斜したとき、ローラと止め輪の干渉を確実に回避しながら、トリポード部材が抜けることを確実に防止できる。
また、止め輪の全周に渡って突起部が形成されていないので、止め輪を開く方向の剛性が(必要以上に)上がることを抑制しており、止め輪を開いてリング溝に嵌め込む際の作業性が(必要以上に)悪化することを抑制することができる。
本発明の等速ジョイントの全体構成の例を説明する分解斜視図である。 (A)は等速ジョイントの軸方向断面図であり、(B)は(A)におけるB−B断面図である。 トリポード部材の構造と、シャフトの挿通部の構造を説明する図である。 トリポード部材がシャフトに挿通され、止め輪がリング溝に嵌め込まれた状態を説明する図である。 本発明の等速ジョイントにて用いる止め輪の形状を説明する図であり、(A)は回転軸方向から見た止め輪の正面図であり、(B)は(A)におけるC−C断面図であり、(C)は止め輪の斜視図である。 (A)はシャフトに挿通したトリポード部材を、図5(A)〜(C)に示した止め輪を用いて保持した状態を説明する拡大図であり、(B)はシャフトに挿通したトリポード部材を、従来の止め輪を用いて保持した状態を説明する拡大図である。 従来の止め輪の形状の例を説明する図である。
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。
●[(摺動式)等速ジョイントの全体構成(図1、図2)]
まず図1及び図2を用いて、(摺動式)等速ジョイント1(以降、等速ジョイント1と記載する)の全体構成について説明する。なお、本実施の形態の説明では、ダブルローラタイプのトリポード型等速ジョイントを例として説明する。
図1は等速ジョイント1の分解斜視図を示しており、図2(A)は等速ジョイント1の軸方向断面図を示しており、図2(B)は図2(A)におけるB−B断面図を示している。なお図1では図2(A)に示すブーツ40の記載を省略している。
図1に示すように、等速ジョイント1は、回転駆動力の入力側である駆動部20と、回転駆動力の出力側である受動部10とにて構成されており、駆動部20の回転軸Z20(外輪軸に相当)に対して受動部10の回転軸Z10が一致せずに所定角度で傾斜しても、回転軸Z10と回転軸Z20とを常に等速で回転させて回転駆動力を伝達することができる。なお、符号10と符号20は、どちらが駆動部であってもよく、一方が駆動部となれば他方が受動部となる。本実施の形態では符号20を駆動部として説明する。
受動部10は、シャフト12と、当該シャフト12の一方端に固定されたトリポード部材11(外嵌部材に相当)と、にて構成されている。
トリポード部材11は外輪21内に収容され、トリポード部材11には、外輪21の内周面に形成された3つの案内溝21Aのそれぞれに向かって突出する3本の軸部であるトリポード軸部11Aが設けられている。そしてトリポード軸部11Aのそれぞれには、ローラユニット30が外嵌されている。そしてローラユニット30は、案内溝21Aに対向配置されたローラ案内面21Bの間に配置されている。
駆動部20は、外輪21と、当該外輪21に固定された連結軸22と、にて構成されている。
外輪21には、略筒状の形状を有して駆動部20の回転軸Z20の軸方向に沿うように対向配置されたローラ案内面21Bを有する3つの案内溝21Aが内周面に形成されている。
ローラユニット30は、トリポード軸部11Aに外嵌され、トリポード軸部11Aに対して回転可能であり、ローラ案内面21Bに沿って回転しながら案内溝21Aに沿って移動可能である。なお図2(A)の例ではローラユニット30はダブルローラタイプを示しているが、ダブルローラタイプのローラユニットの構造の詳細については説明を省略する。
また図2(A)に示すように、外輪21の開口部には、ブーツ40が取り付けられ、異物や水の浸入を防止するとともに潤滑油を内部に保持する。
以上の構成により、連結軸22から回転駆動力が入力されると、回転方向に対向しているローラ案内面21Bにローラユニット30が当接し、トリポード部材11及びシャフト12に回転駆動力を伝達する。
●[トリポード部材11と、シャフト12の挿通部12Aと、の詳細構造と嵌合状態(図3〜図5)]
次に図3を用いてトリポード部材11の構造と、シャフト12の挿通部12Aの構造について説明する。なお図3においてトリポード部材11は回転軸Z10方向に切断した断面を示している。
トリポード部材11は、径方向外側に向かって突出する複数のトリポード軸部11A(この場合、トリポード軸部11Aは3本であるが図3では1本のみを記載している)を有するとともにシャフト12を嵌合(挿通)するための貫通孔11Kが形成されている。また貫通孔11Kが形成されている内周面には、シャフト12の挿通部12Aのスプライン12Bと嵌合するためのスプライン11Bが形成されている。
そしてトリポード部材11の一方の端面11Mの側における貫通孔11Kの縁部には、比較的小さな(小)面取り部11Sが形成されており、トリポード部材11の他方の端面11Nの側における貫通孔11Kの縁部には、(小)面取り部11Sよりも大きな(大)面取り部11Lが形成されている。また(大)面取り部11Lの寸法は、要求精度を満足するための寸法管理がなされている。
シャフト12の一方端の側には、トリポード部材11の貫通孔11Kに嵌合(挿通)するための挿通部12Aが設けられ、挿通部12Aの外周面には、トリポード部材11の内周面のスプライン11Bに嵌合するスプライン12Bが形成されている。
また挿通部12Aにおける先端とは反対の側には、挿通したトリポード部材11の(大)面取り部11Lを突き当ててシャフト12に対するトリポード部材11の回転軸Z10方向の位置決めをするための突き当て部12Cが設けられている。また突き当て部12Cは、(大)面取り部11Lに対応する傾斜面として形成されている。
また挿通部12Aの先端近傍の外周面には、リング溝12Mが円周方向に形成されている。
図4は、(大)面取り部11Lが形成されている他方の端面11Nの側からトリポード部材11にシャフト12を挿通した状態を示している(なおトリポード部材11と止め輪13は回転軸Z10方向に沿って切断した断面を示している)。この場合、挿通部12Aの突き当て部12Cには、トリポード部材11の(大)面取り部11Lが突き当たり、リング溝12Mには、Cリング状の止め輪13が嵌め込まれる。なお止め輪13は、突起部13Tが挿通部12Aの先端側を向くように嵌め込まれる。
次に図5(A)〜(C)を用いて止め輪13の構造について説明する。なお図5(A)は止め輪13を回転軸Z10方向から見た正面図であり、図5(B)は図5(A)におけるC−C断面図を示しており、図5(C)は止め輪13の斜視図を示している。
止め輪13は、周方向の一部が開口した(周方向の一部に切欠部13Cを有する)Cリング状である。
また図4に示すようにリング溝12Mに嵌め込まれた止め輪13におけるリング溝12Mから径方向に突出した端面のうち、挿通部の先端側に向かう端面13Mには、挿通部の先端側に向かう突起部13Tが形成されている。
また止め輪13がリング溝に嵌め込まれた場合、突起部13Tの内周面13Lは、リング溝と挿通部の外周面とを接続する縁部(挿通部の外周面とリング溝との境界部)から挿通部の先端側に向かって挿通部の外周面12Gに接する(図6(A)参照)。
また図5(A)に示すように、突起部13Tは、止め輪13の全周に渡って形成されていることなく、止め輪13の中心(この場合、回転軸Z10)を挟んで径方向において切欠部13Cと反対側の位置を含む範囲に形成されている。図5(A)の例では、止め輪13の中心を挟んで切欠部13Cから最も遠い位置を中心として角度θ1となる範囲に突起部13Tが形成されている。なお角度θ1は、例えば60度〜120度程度である。
また突起部13Tの形成位置は、切欠部13Tの近傍の位置13X、13Yとするよりも、切欠部13Cから離れた位置となる図5(A)に示す位置のほうが、トリポード部材11からのスラスト荷重F(図6(A)参照)を、より強固に受け止めることができるので、より好ましい。
また止め輪13における内周側の収容部13S(図5(B)参照)は、止め輪13がリング溝に嵌め込まれた場合、リング溝内に収容される(図6(A)参照)。
●[シャフト12に挿通したトリポード部材11を、止め輪13にて保持した状態(図6(A))と、従来の止め輪113にて保持した状態(図6(B))]
図6(A)は、図5に示した止め輪13にて、シャフト12に挿通したトリポード部材11を保持した状態を示している。また図6(B)は、従来の止め輪113にて、シャフト12に挿通したトリポード部材11を保持した状態を示している。
図6(B)に示した状態において、従来の止め輪113がシャフト12の径に対応した専用の止め輪でなく、剛性の不足する止め輪が誤って嵌め込まれた場合を想定する。この場合、トリポード部材11からのスラスト荷重Fが止め輪113に印加されると、二点鎖線の止め輪113Aに示すように止め輪が変形や傾斜等する可能性があり、トリポード部材11の位置がずれる可能性があるので好ましくない。
このため、従来では、シャフト12の径に応じた専用の止め輪が用いられており、止め輪の種類が多く、管理が大変であった。
図6(A)に示した状態では、止め輪13の突起部13Tの内周面13Lが、リング溝12Mの縁部の外周面12Gと接している。このため、トリポード部材11がシャフト12から抜ける方向のスラスト荷重Fが発生して止め輪13にスラスト荷重Fが印加されても、止め輪13の突起部13Tが外周面12Gに圧接されて止め輪13が変形することや傾斜することを防止する。従って、トリポード部材11の抜ける方向に対する剛性を適切に向上させることができる。
なお、トリポード部材11の抜ける方向のスラスト荷重Fは、作業者による車両への等速ジョイントの組み付け工程において、等速ジョイントをデファレンシャルに圧入し、圧入状態を確認するために等速ジョイントを引張る際等にて発生する。
このように、トリポード部材11の抜けを防止する充分な剛性を確保することが可能であり、1種類の止め輪13を、種々の径のシャフトに利用することができる。なお、1種類の止め輪で全ての径のシャフトに利用することまでは困難であるが、1種類の止め輪で複数の径のシャフトに利用することは充分できるので、止め輪の種類を削減することは充分可能である。
また、図5(A)、(C)に示すように、突起部13Tは全周に渡って形成されていないので、止め輪13をリング溝12Mに嵌め込む際、止め輪13を開くための力は、突起部13Tが全周に渡って形成されている場合よりも充分小さな力で済む。従って、止め輪13をリング溝12Mに嵌め込む際の作業性が悪化することを抑制することができる。
また、図5(A)に示す角度θ1を60度〜120度程度とすることで、外嵌部材(この場合、トリポード部材)が(シャフトから)抜ける方向に対する剛性を適切に向上させ、且つ止め輪をリング溝に嵌め込む際の作業性が悪化することを抑制することができる。
これにより、止め輪および外嵌部材が(シャフトから)抜けることを確実に防止できる。そして、止め輪の嵌め込み作業時間を短縮でき、コスト低減できる。
また、止め輪の突起部の内周面と、挿通部の外周面と、が接するように構成すると、止め輪にスラスト荷重がかかったとき、止め輪の変形と傾斜をより小さくすることができるので、より好ましい。
また、止め輪の突起部を、切欠部と反対側の位置を含む範囲に1個所のみ形成することで、製造・加工が容易となり、コストを低減することができる。
また、突起部13Tを設けても止め輪13の径方向の高さは変わらないので、ローラユニットと干渉することもない。
本発明の等速ジョイント1及び各構成要素の構造、外観、形状等は、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
本実施の形態の説明では、ダブルローラタイプのトリポード型等速ジョイントを例として説明したが、(本実施の形態にて説明した止め輪13を)シングルローラタイプ等、種々の構造の摺動式等速ジョイントに適用することが可能である。
また、(摺動式)等速ジョイントに限定されず、軸方向の一方端の側に外嵌部材を嵌合可能な挿通部を有するシャフトに、挿通部と嵌合される貫通孔を有する外嵌部材を嵌合させ、挿通部の突出部の外周面に形成されたリング溝に、図5(A)〜(C)に示した止め輪13を嵌め込んで、外嵌部材がシャフトから抜けることを防止できる。従って、等速ジョイントに限定されず、シャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造として、図5(A)〜(C)に示した止め輪13を種々のものに適用することが可能である。
1 等速ジョイント(摺動式等速ジョイント)
10 受動部
11 トリポード部材
11A トリポード軸部
11B、12B スプライン
11K 貫通孔
11L (大)面取り部
11M 一方の端面
11N 他方の端面
11S (小)面取り部
12 シャフト
12A 挿通部
12C 突き当て部
12G 外周面
12M リング溝
13 止め輪
13L 内周面
13S 収容部
13T 突起部
20 駆動部
21 外輪
21A 案内溝
21B ローラ案内面
22 連結軸
30 ローラユニット
Z10 (受動部の)回転軸
Z20 (駆動部の)回転軸(外輪軸)

Claims (4)

  1. 軸方向における一方端の側に外嵌部材を嵌合可能な挿通部を有するシャフトに、
    前記挿通部と嵌合される貫通孔を有する前記外嵌部材を嵌合させ、
    前記外嵌部材から軸方向に突出した前記挿通部の外周面であって前記外嵌部材に隣接する位置に周方向に形成されたリング溝に、前記外嵌部材が前記シャフトから抜けることを防止する止め輪が嵌め込まれている、シャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造において、
    前記止め輪は、周方向の一部に切欠部が形成されたCリング状の形状を有しており、
    前記リング溝に嵌め込まれた止め輪における前記リング溝から径方向外側に突出した端面のうち、前記挿通部の先端側の端面には、前記挿通部の先端側に向かって突出し、前記リング溝と前記挿通部の外周面とを接続する縁部から前記挿通部の先端側に向かって前記挿通部の外周面に対向する内周面を有する突起部が形成されており、
    前記突起部は、前記止め輪の全周に渡って形成されていることなく前記止め輪の中心を挟んで径方向において前記切欠部と反対側の位置を含む範囲に形成されている、
    シャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造。
  2. 請求項1に記載のシャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造であって、
    前記止め輪の前記突起部の内周面は、前記リング溝と前記挿通部の外周面とを接続する縁部から前記挿通部の先端側に向かって前記挿通部の外周面と、接している、
    シャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造。
  3. 請求項1または2に記載のシャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造であって、
    前記止め輪の前記突起部は、前記切欠部と反対側の位置を含む範囲に1個所形成されている、
    シャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のシャフトに外嵌された外嵌部材の抜け防止構造を有する摺動式等速ジョイントであって、
    軸方向における一方端の側に外嵌部材を嵌合可能な挿通部を有するシャフトと、
    径方向外側に向かって突出する3つの軸部であるトリポード軸部と、シャフトに外嵌するための貫通孔と、が設けられた外嵌部材であるトリポード部材と、
    前記シャフトに外嵌された前記トリポード部材が前記シャフトから抜けることを防止する止め輪と、
    前記トリポード軸部のそれぞれに外嵌されるローラユニットと、
    前記シャフトに外嵌されて前記止め輪にて抜け防止が施されて前記ローラユニットが外嵌されたトリポード部材を収容する外輪と、を有する摺動式等速ジョイントにおいて、
    前記止め輪は、周方向の一部に切欠部が形成されたCリング状の形状を有しており、
    前記リング溝に嵌め込まれた止め輪における前記リング溝から径方向外側に突出した端面のうち、前記挿通部の先端側の端面には、前記挿通部の先端側に向かって突出し、前記リング溝と前記挿通部の外周面とを接続する縁部から前記挿通部の先端側に向かって前記挿通部の外周面に対向する内周面を有する突起部が形成されており、
    前記突起部は、前記止め輪の全周に渡って形成されていることなく前記止め輪の中心を挟んで径方向において前記切欠部と反対側の位置を含む範囲に形成されている、
    摺動式等速ジョイント。

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