JP2014214694A - 内燃機関の制御システムおよび制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮自着火燃焼の安定性を保ちつつ吸気管への吹き返しの発生を抑制する。【解決手段】ECU34は、エンジン12の運転状態に基づいて、要求トルクを出力するのに必要な燃料の合計噴射量を算出する。また、NVO期間中の燃焼室18に存在する酸素量を推定する。そして、ECU34は、NVO期間中に推定した酸素量で燃焼可能な燃料の限界量を算出し、合計噴射量のうちから第1の燃料噴射14で噴射させる量を決定する。ECU34は、エンジン12が低負荷運転の場合に、第1の燃料噴射14で噴射する量を限界量よりも大きな値に決定する。【選択図】 図1

Description

本発明は、負のオーバーラップ期間中に第1の燃料噴射を実行すると共に、オーバーラップ期間の経過後に第2の燃料噴射を実行することで、圧縮自着火燃焼を行う内燃機関の制御システムおよび制御方法に関するものである。
予め均一とした混合気をピストン運動により圧縮し、高温高圧とすることで自着火燃焼させる予混合圧縮自着火式の内燃機関が従来から知られている。例えば、特許文献1には、吸気弁および排気弁を共に閉じた負のオーバーラップ期間(NVO期間)を設ける技術が開示されている。そして、負のオーバーラップ期間中に1回目の燃料噴射を実行して燃焼室の温度を高め、メイン噴射において供給した燃料を自着火させるようになっている。
ここで、特許文献1では、負のオーバーラップ期間中の燃焼室内の酸素量を推定し、推定した酸素量と反応可能な燃料量(限界量)を算出するようになっている。そして、この算出した限界量を上限として、負のオーバーラップ期間中に噴射する量が決定される。
特開2005−220839号公報
ところが、特許文献1のように、負のオーバーラップ期間中に噴射する量が前述した限界量付近に設定された場合、燃焼室内が非常に高温・高圧となる。そのため、吸気弁を開放した際に、燃焼室内の高圧ガスが吸気弁や吸気管へ供給される吹き返しが発生することがある。この吹き返しが発生すると、吸気管の内部や吸気弁等にカーボン等からなるデポジットが堆積し、動作不良や不具合が発生する原因となっていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、圧縮自着火燃焼の安定性を保ちつつ吸気管への吹き返しの発生を抑制することにある。
請求項1の発明では、
燃焼室に向けて燃料を噴射する第1の燃料噴射弁を備え、燃焼室に設けられた吸気弁および排気弁が共に閉じた負のオーバーラップ期間中に前記第1の燃料噴射弁に第1の燃料噴射を実行させると共に、前記オーバーラップ期間の経過後に前記第1の燃料噴射弁に第2の燃料噴射を実行させることで、圧縮自着火燃焼を行う内燃機関の制御システムであって、
前記内燃機関の運転状態に基づいて、要求トルクを出力するのに必要な燃料の合計噴射量を算出する噴射量算出手段と、
前記負のオーバーラップ期間中の燃焼室に存在する酸素量を推定する酸素量推定手段と、
前記負のオーバーラップ期間中に前記酸素量推定手段が推定した酸素量で燃焼可能な燃料の限界量を算出する限界量算出手段と、
前記噴射量算出手段が算出した合計噴射量のうちから前記第1の燃料噴射で噴射させる量を決定する噴射量決定手段とを備え、
前記噴射量決定手段は、前記内燃機関が所定の低負荷運転の場合に、前記第1の燃料噴射で噴射する量を前記限界量算出手段が算出した限界量よりも大きな値に決定することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、噴射量決定手段は、内燃機関が所定の低負荷運転の場合に、限界量算出手段が算出した限界量よりも大きな値を第1の燃料噴射で噴射させる量に決定する。すなわち、負のオーバーラップ期間中、限界量よりも大きな量の燃料が噴射されるので、燃焼室に存在する酸素に燃料が完全に反応した上で、更に未燃焼分の燃料が残留することになる。その結果、未燃焼分の燃料による気化潜熱効果により、燃焼室内の圧力を低下させることができる。すなわち、圧縮行程後半での自着火に必要な筒内温度上昇を達成しつつ、負のバルブオーバラップ期間中の筒内圧力を低減させることができるので、自着火燃焼の安定性を維持した上で吸気弁開放時の吹き返しを抑制することができる。
ここで、噴射量決定手段は、内燃機関が所定の低負荷運転の場合に第1の燃料噴射で噴射させる量を限界量よりも大きな値に設定する。すなわち、内燃機関が低負荷運転で、負のオーバーラップ期間中に燃焼室内の温度を上昇させる必要がある場合に、第1の燃料噴射で噴射させる量を限界量よりも大きく設定することで、自着火燃焼の安定性は確実に確保される。
請求項2の発明では、前記内燃機関で生成されたトルクを算出するトルク算出手段を備え、前記噴射量決定手段は、前記内燃機関が所定の低負荷運転の場合に、前記トルク算出手段で検出されたトルクと要求トルクとの変動幅が所定範囲にあることを条件に、前記第1の燃料噴射で噴射する量をサイクル毎に増加させることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、噴射量決定手段は、トルク算出手段で検出されたトルクと要求トルクとの変動幅が所定範囲にあることを条件として、第1の燃料噴射で噴射する量をサイクル毎に増加させる。従って、ユーザーからの要求トルクを確保した上で、自着火燃焼の安定性を維持し、更には吸気弁開放時の吹き返しも抑制することができる。
請求項3の発明では、前記内燃機関の吸気管内に向けて燃料を噴射する第2の燃料噴射弁を備え、前記第2の燃料噴射弁は、前記噴射量算出手段が算出した前記合計噴射量から前記噴射量決定手段が決定した第1の燃料噴射で噴射する量を除いた残りの少なくとも一部を噴射させることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、第2の燃料噴射弁は、合計噴射量から第1の燃料噴射で噴射させる量を除いた残りの少なくとも一部を噴射させる。これにより、吹き返しにより吸気弁や吸気管内にカーボン等が堆積したとしても、第2の燃料噴射弁で噴射された燃料によってカーボン等を洗い流すことができる。また、第2の燃料噴射弁から吸気管に燃料を噴射することで、第1の燃料噴射での未燃焼分の燃料等から形成される粒子状物質(PM)の排出量を低減することができる。
請求項4の発明では、前記内燃機関の吸気管内の圧力を検出する圧力検出手段を備え、前記噴射量決定手段は、前記圧力検出手段の検出値が前記吸気弁の開放時に上昇することを条件として、前記第1の燃料噴射で噴射する量を前記限界量算出手段が算出した限界量よりも大きな値に決定することを特徴とする。
請求項4の発明によれば、圧力検出手段の検出値が吸気弁の開放時に上昇することを条件として、第1の燃料噴射で噴射する量を限界量よりも大きな値に決定する。すなわち、吸気弁を開放した際に吹き返しが発生した場合に、第1の燃料噴射で噴射する量を限界量よりも大きな値に設定して燃焼室内の圧力低下を図り、吹き返しの発生を抑制することができる。
請求項5の発明では、前記噴射量決定手段は、前記吸気弁の開放時における前回のサイクルで検出された前記圧力検出手段の検出値と今回のサイクルで検出された前記圧力検出手段の検出値との差が所定値以上あることを条件に、前記第1の燃料噴射で噴射する量をサイクル毎に増加させることを特徴とする。
請求項5の発明によれば、吸気弁の開放時における吸気管内の圧力について、前回のサイクルでの検出値と、今回のサイクルでの検出値との差が所定値以上であることを条件として、第1の燃料噴射で噴射する量を増加させる。すなわち、前後のサイクルでの吸気管内の圧力差が小さくなった場合には、第1の燃料噴射で噴射させる量の増加を中止するから、第1の燃料噴射で適切な量の燃料を噴射することができる。
請求項6の発明では、
燃焼室に向けて燃料を噴射する第1の燃料噴射弁を備え、燃焼室に設けられた吸気弁および排気弁が共に閉じた負のオーバーラップ期間中に前記第1の燃料噴射弁に第1の燃料噴射を実行させると共に、前記オーバーラップ期間の経過後に前記第1の燃料噴射弁に第2の燃料噴射を実行させることで、圧縮自着火燃焼を行う内燃機関の制御方法であって、
前記内燃機関の運転状態に基づいて、要求トルクを出力するのに必要な燃料の合計噴射量を噴射量算出手段が算出するステップと、
前記負のオーバーラップ期間中の燃焼室に存在する酸素量を酸素量推定手段が推定するステップと、
前記負のオーバーラップ期間中に前記酸素量推定手段が推定した酸素量で燃焼可能な燃料の限界量を限界量算出手段が算出するステップと、
前記噴射量算出手段が算出した合計噴射量のうちから前記第1の燃料噴射で噴射させる量を噴射量決定手段が決定するステップとを備え、
前記噴射量決定手段は、前記内燃機関が所定の低負荷運転の場合に、前記第1の燃料噴射で噴射する量を前記限界量算出手段が算出した限界量よりも大きな値に決定することを特徴とする。
請求項6の発明によれば、噴射量決定手段は、内燃機関が所定の低負荷運転の場合に、限界量算出手段が算出した限界量よりも大きな値を第1の燃料噴射で噴射させる量に決定する。すなわち、負のオーバーラップ期間中、限界量よりも大きな量の燃料が噴射されるので、燃焼室に存在する酸素に燃料が完全に反応した上で、更に未燃焼分の燃料が残留することになる。その結果、未燃焼分の燃料による気化潜熱効果により、燃焼室内の圧力を低下させることができる。すなわち、燃焼室内の圧力上昇率を確保しつつ圧力を低減させることができるので、自着火燃焼の安定性を維持した上で吸気弁開放時の吹き返しを抑制することができる。
第1実施形態に係る制御システムと、当該制御システムが適用されたエンジンの全体構成を示す概略図。 第1実施形態に係るHCCIモードでのタイムチャート。 NVO噴射の割合を変化させた場合の圧力上昇率最大値、燃焼変動率、熱発生量および筒内圧の変化を示すグラフ。 第1実施形態に係る制御方法を示すフローチャート。 第2実施形態に係る制御方法を示すフローチャート。
次に、実施形態に係る内燃機関の制御システムおよび制御方法について説明を行う。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る制御システム10が適用された内燃機関(エンジン12)のシステム構成を示す説明図である。このエンジン12は、排気工程、吸気工程、圧縮工程および膨張行程を順に繰り返す4サイクルエンジンである。また、このエンジン12は、複数の気筒を有する多気筒エンジンである。
エンジン12のシリンダヘッドには、第1の燃料噴射弁14が取り付けられ、第1の燃料噴射弁14は、燃料ポンプ16から供給される燃料(ガソリン)を燃焼室18内へ噴射する。すなわち、本実施形態のエンジン12は、燃料を燃焼室18へ直接噴射する直噴式エンジンである。
また、エンジン12には、燃焼室18に連通する吸気管20に第2の燃料噴射弁22が設けられている。第2の燃料噴射弁22は、所定のタイミングで燃料を吸気管20内に向けて供給するポート噴射を実行する。
本実施形態のエンジン12は、吸気バルブ24により流量調整された吸気と燃焼室18内に噴射された燃料との混合気を、点火プラグ26により点火することで着火させる点火式のエンジン12として機能する。また、所定の運転条件の場合には、燃焼室18内に噴射した燃料と吸気とを予め混合しておき、その混合気を圧縮自着火させる予混合圧縮自着火式のエンジン12としても機能する。
予混合圧縮自着火燃焼(HCCI燃焼)は、吸排気弁可変機構(VVT28)によって吸気弁30および排気弁32の開閉タイミングを制御し、燃焼室18内に燃料と吸気を予め混合することで実施される。すなわち、本実施形態のエンジン12は、火花着火燃焼による点火モードとHCCI燃焼によるHCCIモードとに切替可能に構成されている。
本実施形態のエンジン12は、排気工程から吸気工程にかけて吸気弁30および排気弁32をともに閉じるようVVT28を制御することで、排ガス(内部EGRガス)を燃焼室18に封鎖させる負のオーバーラップ期間(以下、NVO期間という)を設けることが可能となっている。
ECU34(電子制御ユニット)は、各種センサに電気的に接続され、これらセンサか検出した検出信号が入力される。具体的には、ECU34には、クランク角センサ36、吸気圧センサ40(圧力検出手段)、アクセルセンサ42、A/Fセンサ46および筒内圧センサ50が電気的に接続されている。
クランク角センサ36は、エンジン12のクランク軸38の回転角を検出する。吸気圧センサ40は、吸気管20の内部の圧力を検出する。アクセルセンサ42は、アクセルペダル44の踏込量を検出する。A/Fセンサ46は、排気管48に排気される排気ガス中の酸素濃度を検出する。筒内圧センサ50は、燃焼室18内の圧力(筒内圧)を検出する。
ECU34は、こられのセンサから出力された検出値に基づいて、吸気弁30の開度を制御して吸気量を制御する。また、ECU34は、第1の燃料噴射弁14および第2の燃料噴射弁22に対し、燃料噴射時期および燃料噴射時間(すなわち、噴射量)を制御する。更に、ECU34は、点火プラグ26による点火着火時期の制御や、VVT28の作動を制御することによるNVO期間の制御を実施する。
[HCCI燃焼について]
ECU34は、要求されるエンジン12の回転数(NE)およびエンジン12の負荷(要求トルク)が所定の領域である場合にHCCI燃焼を実行する。HCCI燃焼では、火花着火燃焼の場合に比べてNOやCOの排出量を低減することができる。但し、前述の所定の領域以外では、ノッキングや失火の発生頻度が大きくなって燃焼が不安定となる。そのため、ECU34は、所定の領域以外では火花着火燃焼を実行するように設定されている。なお、ECU34は、筒内温度および環境温度(吸気管20での吸入空気温度)等に基づいて要求トルクおよび回転数を算出し、その算出結果からHCCI燃焼の実行の可否を決定する。
図2は、HCCIモード時のタイムチャートであり、図中の(a)は燃焼サイクルに対する筒内圧の変化を示し、(b)は第1の燃料噴射弁14によるNVO期間中の噴射(第1の燃料噴射)およびNVO期間後の噴射(第2の燃料噴射)における噴射期間を示し、(c)は第2の燃料噴射弁22によるポート噴射の噴射期間を示す。
図2(b)に示すように、HCCIモード時では、排気行程から吸気行程にかけてNVO期間を設定し、この期間中に第1の燃料噴射弁14から所定量の燃料を噴射する(以下、NVO噴射という)。NVO噴射の後、吸気行程から圧縮行程にかけての所定期間に、NVO噴射よりも多い量の燃料を第1の燃料噴射弁14から噴射させる(以下、メイン噴射という)。
図2(a)に示すように、NVO噴射による燃料は、高圧高温の環境下に晒されるため、直ちに燃焼する。その結果、メイン噴射による燃料が燃焼するに先立って、燃焼室18内の温度を上昇させることができる。この高温状態となった燃焼室18に対しメイン噴射が実行されるため、メイン燃焼が失火することなく安定的に行われる。
図2(c)に示すように、HCCIモードでは、第2の燃料噴射弁22から所定量の燃料がポート噴射される。このポート噴射を実施することで、吸気管20の内部を燃料が流通して、吸気管20内に堆積したデポジットを洗い流すことができる。
[噴射量の決定について]
ECU34は、NVO噴射、メイン噴射およびポート噴射において噴射させる燃料の量を以下のように決定する。
先ず始めに、ECU34は、エンジン12の運転状態(筒内温度や吸入管での吸入空気温度等)に基づき、要求トルクおよび回転数を算出する。そして、算出した要求トルクおよび回転数から例えばマップを用いて、第1の燃料噴射弁14および第2の燃料噴射弁22で噴射する燃料の合計噴射量を算出する。すなわち、ECU34は、噴射量算出手段として機能する。
そして、ECU34は、この合計噴射量からNVO噴射、メイン噴射およびポート噴射で噴射させる燃料の割合を決定する。
NVO噴射での噴射量を決定するに際し、ECU34はエンジン12が低負荷運転であるか否かを考慮する。エンジン12が低負荷運転の場合、燃焼室18内の温度を大きく上昇させる必要があるため、NVO噴射での噴射量を大きくする必要がある。従って、エンジン12が低負荷運転の場合、ECU34は、NVO噴射での噴射量をエンジン12が高負荷運転の場合に比べて大きく設定する。すなわち、低負荷運転とは、自着火燃焼を安定的に行うためにNVO期間に燃焼室18内の温度を大きく上昇させる必要がある程度にエンジン12への負荷が低い状態をいう。
具体的には、ECU34は、A/Fセンサ46が検出した酸素濃度からNVO期間中の酸素量を推定する。次に、ECU34は、推定した酸素量で燃焼し得る燃料の最大量(以下、限界量という)を算出する。そして、ECU34は、エンジン12が低負荷運転の場合、NVO噴射での噴射量を算出した限界量よりも大きな値に決定する。すなわち、ECU34は、酸素量推定手段、限界量算出手段および噴射量決定手段として機能する。
更に、ECU34は、エンジン12で生成されたトルクと要求トルクとの変動幅が所定範囲にあることを条件として、NVO噴射での噴射量をサイクル毎に増加させる。すなわち、ECU34は、生成されるトルクが要求トルクから大きく乖離しない範囲で、NVO噴射での噴射量を徐々に増やすようになっている。
具体的には、ECU34は、筒内圧センサ50で検出された筒内圧に基づいて、エンジン12で生成されたトルクを算出する。すなわち、ECU34は、トルク算出手段として機能する。そして、算出したトルクの要求トルクに対する変動幅が所定範囲内にあることを条件として、NVO噴射での噴射量を1サイクル毎に所定量ずつ増加させる。なお、ECU34は、エンジン12が低負荷運転であると判断した場合、始めにNVO噴射の噴射量を限界量に設定する。そして、算出されたトルクと要求トルクとの変動幅が所定範囲である限り、NVO噴射の噴射量は、限界量から徐々に増加されることになる。なお、トルクの変動幅を監視する所定範囲は、エンジン12の仕様や運転状態に応じて適宜設定される。
ここで、NVO噴射での噴射量を限界量よりも大きくすることの意義について説明する。図3は、所定条件下において、合計噴射量に占めるNVO噴射量の割合(NVO噴射割合)を変化させた場合の(a)圧力上昇率最大値、(b)燃焼変動率、(c)NVO燃焼による熱発生量、(d)筒内圧の変化をそれぞれ示すグラフである。なお、圧力上昇率最大値および燃焼変動率については膨張行程時、熱発生量および筒内圧については吸気行程時での値である。また、NVO期間中に燃焼可能な限界量は、NVO噴射割合が約40%のときであったとする。
図3(c),(d)に示すように、熱発生量および筒内圧は、何れも限界量をピークとして、上に凸の円弧状のグラフとなっている。すなわち、NVO噴射による燃焼室18内の温度および圧力は、噴射量が限界量であるときが最大となり、噴射量が限界量よりも多くなるにつれて漸次的に減少する。一方、図3(a),(b)に示すように、圧力上昇率最大値および燃焼変動率は、NVO噴射の噴射量が増加するにつれて緩やかに増加する曲線を描いている。すなわち、NVO噴射での噴射量を限界量よりも多くしても、圧力上昇率最大値および燃焼変動率は少しずつ増加することになる。このことは、NVO噴射での噴射量を限界量よりも多く設定しても、メイン噴射での圧縮自着火燃焼の安定性は確保されることを意味している。
すなわち、エンジン12が低負荷運転状態にある場合に、NVO噴射での噴射量を限界量よりも大きく設定することで、メイン噴射での圧縮自着火燃焼の安定性を維持したまま吸気弁開放時の吹き返しを抑制することができる。
なお、エンジン12が高負荷運転状態の場合、ECU34は、NVO噴射での噴射量を限界量よりも少ない値に設定する。このときECU34は、運転状態に応じてNVO噴射での噴射量を決定する。
ECU34は、NVO噴射での噴射量を決定すると、次に、メイン噴射およびポート噴射での噴射量を決定する。このときECU34は、決定したNVO噴射の噴射量を合計噴射量から除いた残りをメイン噴射およびポート噴射に所定の割合で割り当てる。そして、ECU34は、NVO噴射での噴射量を所定量ずつ増加させる際に、メイン噴射またはポート噴射での噴射量を所定量ずつ減少させる。すなわち、NVO噴射での噴射量を増加させても、全体としての噴射量は合計噴射量に維持されることになる。なお、本実施形態では、NVO噴射の噴射量が所定量増加されると、メイン噴射の噴射量が同じ所定量だけ減少されるようになっている。
次に、本実施形態に係る制御システム10による制御方法について、図4のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、以下では、NVO噴射の噴射量を限界量よりも大きく設定する場合(すなわち、エンジン12が低負荷運転の場合)について説明する。
先ず始めに、ECU34は、筒内温度や吸入空気温度等から要求トルクおよび回転数を算出する(ステップS10)。そして、算出された要求トルクおよび回転数に基づいて、HCCI燃焼を実行するか否か判断する(ステップS11)。要求トルクおよび回転数が所定の領域にある場合(ステップS11のYes)、ECU34は、HCCIモードに移行する。一方、ステップS11が否定された場合、ECU34は、火花点火燃焼による制御を実行し(ステップS12)、処理を終了する。
HCCIモードに移行すると、ECU34は、所定のマップに基づいて、要求トルクおよび回転数を実現するのに必要な合計噴射量を算出する(ステップS13)。そして、ECU34は、算出した合計噴射量をNVO噴射、メイン噴射およびポート噴射に所定の割合で割り当て、第1および第2の燃料噴射弁14,22の噴射制御を実行すると共に、吸気弁30および排気弁32の吸排気制御を行う(ステップS14)。
次に、ECU34は、エンジン12が低負荷運転であるか否かを判断する(ステップS15)。エンジン12が低負荷運転である場合(ステップS15のYes)、ECU34は、NVO噴射での噴射量を限界量よりも大きく設定する制御を行う。一方、エンジン12が高負荷運転である場合には(ステップS15のNo)、NVO噴射での噴射量を増加させることなく処理を終了する。
ステップS15が肯定されると、ECU34は、A/Fセンサ46が検出した酸素濃度からNVO期間中の酸素量を推定する(ステップS16)。次に、ECU34は、推定した酸素量で燃焼可能な燃料の限界量を算出する(ステップS17)。そして、ECU34は、この限界量をNVO噴射での噴射量に設定する(ステップS18)。また、ECU34は、ステップS12で算出した合計噴射量から限界量を除いた量をメイン噴射およびポート噴射に所定の割合で割り当てる(ステップS19)。
次に、ECU34は、筒内圧センサ50で検出された筒内圧に基づいて算出したトルクと要求トルクとの変動幅が所定範囲にあるか否か判断する(ステップS20)。この変動幅が所定範囲内にある場合(ステップS20のYes)、ECU34は、NVO噴射での噴射量を所定量だけ増加させる(ステップS21)。これと同時に、ECU34は、NVO噴射の増加分だけメイン噴射の噴射量を減少させる。すなわち、NVO噴射、メイン噴射およびポート噴射で噴射される全噴射量は、ステップS13で算出した合計噴射量に維持される。
ECU34は、トルクの変動幅が所定範囲にある間(ステップS20のYes)、NVO噴射での噴射量を1サイクル毎に所定量ずつ増加させ続ける(ステップS21)。そして、トルクの変動幅が所定範囲を超えると(ステップS20のNo)、ECU34は、NVO噴射での噴射量を所定量だけ減少(メイン噴射での噴射量を所定量だけ増加)させて、処理を終了する。
以上説明した本実施形態に係る制御システム10および制御方法によれば、以下の効果を奏する。
(1)ECU34は、エンジン12が低負荷運転の場合に、NVO期間中の酸素量で反応可能な燃料の限界量をNVO噴射の噴射量に設定し、サイクル毎にNVO噴射の噴射量を増加させる。すなわち、限界量よりも大きな量の燃料がNVO噴射されるので、燃焼室18に存在する酸素に燃料が完全に反応した上で、更に未燃焼分の燃料が残留することになる。その結果、未燃焼分の燃料による気化潜熱効果により、燃焼室18内の圧力を低下させることができる。
すなわち、NVO噴射の噴射量を限界量よりも多くすることで、燃焼室18内の圧縮行程後半のメイン燃焼の自着火が可能な温度上昇を達成しつつ燃焼室内圧力を低減させることができるので、メイン噴射による自着火燃焼の安定性を維持した上で吸気弁開放時の吹き返しを抑制することができる。その結果、吹き返しにより吸気弁30や吸気管20内にカーボン等のデポジットが堆積するのを抑制することができる。
ここで、ECU34は、エンジン12が低負荷運転で、NVO期間中に燃焼室18内の温度を上昇させる必要がある場合に、NVO噴射での噴射量を大きく設定する。従って、エンジン12への負荷が低い場合にNVO噴射で多くの燃料が噴射されるから、自着火燃焼の安定性を確実に確保することができる。一方、エンジン12が高負荷運転の場合、ECU34は、NVO噴射での噴射量を限界量よりも多く設定することはない。従って、エンジン12が高負荷運転であるのにも拘らずNVO噴射での噴射量を多くすることで、燃焼室18が過度に高温となるのを回避することができる。
(2)ECU34は、生成されたトルクと要求トルクとの変動幅を監視し、この変動幅が所定範囲にあることを条件として、NVO噴射での噴射量を増加させる。そして、トルクの変動幅が所定範囲を超えると、ECU34は、NVO噴射での噴射量の増加を停止する。このため、要求トルクを確保した上で、自着火燃焼の安定性を維持し、更には吸気弁開放時の吹き返しも抑制することができる。
ここで、ECU34は、NVO噴射の噴射量を増加させる際、サイクル毎に徐々に噴射量を増やすようになっている。このため、自着火燃焼の安定性を維持しつつ、吸気弁開放時の吹き返しを最大限に抑制し得るNVO噴射の最適な噴射量を得ることができる。
(3)ECU34は、合計噴射量の一部を第2の燃料噴射弁22からポート噴射として噴射させる。これにより、吹き返しによって吸気弁30や吸気管20内にカーボン等が堆積したとしても、ポート噴射で噴射された燃料によってカーボン等を洗い流すことができる。
ここで、NVO噴射での噴射量を増加させることで、NVO期間中に未燃焼分の燃料が発生し易くなる。その結果、未燃焼分の燃料から粒子状物質(PM)が形成されることがある。しかるに、本実施形態のように、第2の燃料噴射弁22からポート噴射を実行することで、PMの排出量を低減することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る内燃機関の制御システムおよび制御方法について説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と相違する部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同様な部分については同じ符号を付して説明を省略する。
第2実施形態の制御システムは、図1に示す第1実施形態の制御システム10と基本的に構成は同じである。第1実施形態では、エンジン12が低負荷運転であることを条件として、NVO噴射での噴射量を限界量よりも多く設定する制御を行うものであった。これに対し、第2実施形態では、NVO噴射での噴射量を限界量よりも大きく設定する条件として、エンジン12が低負荷運転であることに加え、吸気弁30の開放時に吸気管20内の圧力が上昇することが追加されている。
具体的には、ECU34は、吸気圧センサ40が検出する吸気管20内の圧力を監視する。そして、エンジン12が低負荷運転であって、吸気弁30の開放時に吸気管20内の圧力(以下、吹き返し圧という)が上昇した場合に、ECU34は、NVO噴射での噴射量を限界量よりも多く設定する。すなわち、ECU34は、吸気管20内の圧力を監視することで吹き返しの有無を判断し、当該吹き返しが発生した場合にNVO噴射での噴射量を多くして、燃焼室18内の圧力低下を図るものである。
ECU34は、第1実施形態と同様に、トルクの変動幅が所定範囲内にあることを条件として、NVO噴射の噴射量をサイクル毎に増加させる。ここで、前述のように、NVO噴射での噴射量を増加させることで、燃焼室18内の圧力が低下し、吸気弁30の開放時に発生する吹き返し(すなわち、吹き返し圧)は抑制される。従って、NVO噴射の噴射量を増加させるにつれて、吸気圧センサ40で検出される吹き返し圧も次第に小さくなる。そして、NVO噴射の噴射量を増加させたことで燃焼室18の圧力低下の効果が十分発揮されると、吹き返し圧も十分小さくなる。この場合、NVO噴射の噴射量をそれ以上増加させても、吹き返し圧の低下効果は殆ど得られなくなる。
そこで、第2実施形態では、前回のサイクルでの吹き返し圧(Pi−1)と、今回のサイクルでの吹き返し圧(P)との差(以下、吹き返し圧差(Pi−1−P)という)をECU34が監視する。そして、吹き返し圧差が所定値(A)よりも大きいことを条件として、NVO噴射での噴射量の増加を継続する。すなわち、ECU34は、吹き返し圧の低下効果が得られる間、NVO噴射の噴射量を増加し続け、吹き返し圧の低下効果が小さくなったときにNVO噴射の噴射量の増加を停止させる。
このように、第2実施形態では、NVO噴射での噴射量の増加は、トルクの変動幅が所定範囲内にあり、かつ吹き返し圧差が所定値よりも大きいことを条件に継続されることになる。
次に、第2実施形態に係る制御システムの制御方法について、図5のフローチャートを参照して説明する。なお、第1実施形態の制御システム10と同じ制御方法については、同じステップ番号を付して説明は省略する。
ステップS15において、エンジン12が低負荷運転であると判断すると(ステップS15のYes)、ECU34は、吸気圧センサ40が検出する吸気管20内の圧力を監視する。そして、ECU34は、吸気弁開放時の吹き返し圧が上昇したか否か判断する(ステップS30)。吹き返し圧が上昇した場合(ステップS30のYes)、ECU34は、NVO噴射での噴射量を限界量よりも増加させる決定をする。一方、吹き返し圧が上昇しなかった場合(ステップS30のNo)、ECU34は、NVO噴射での噴射量を増加させることなく処理を終了する。
ステップS30が肯定されると、ECU34は、NVO期間中の酸素量を推定し(ステップS16)、この酸素量から限界量を算出する(ステップS17)。そして、この限界量をNVO噴射での噴射量に設定すると共に(ステップS18)、メイン噴射およびポート噴射での噴射量を割り当てる(ステップS19)。
次に、ECU34は、トルクの変動幅が所定範囲であるか否か判断する(ステップS20)。トルクの変動幅が所定範囲であれば(ステップS20のYes)、ECU34は、吹き返し圧差Pi−1−Pが所定値Aよりも大きいか否か判断する(ステップS31)。ここで、吹き返し圧差が所定値よりも大きければ、NVO噴射での噴射量を増加させることで吹き返し圧の抑制効果を期待できる。従って、ステップS31が肯定される場合、ECU34は、NVO噴射での噴射量を所定量だけ増加させると共に、メイン噴射での噴射量を所定量だけ減少させる(ステップS21)。
そして、ECU34は、エンジン12が低負荷運転で(ステップS20のYes)、かつ吹き返し圧差が所定値よりも大きい間(ステップS31のYes)、NVO噴射での噴射量を所定量ずつ増加し続ける(ステップs21)。
NVO噴射での噴射量を増加させたことで、NVO期間での燃焼室18の圧力が十分低下すると、吸気圧センサ40で検出される吹き返し圧が低下する度合いも小さくなる。そして、吹き返し圧差が所定値以下となると(ステップS31のNo)、NVO噴射での噴射量をこれ以上増加させても、吹き返し圧の低下効果は殆ど得られない。そこで、ECU34は、ステップS31が否定されると、ステップS22においてNVO噴射での噴射量を所定量だけ減少させ(メイン噴射での噴射量を所定量だけ増加)、処理を終了させる。
なお、NVO噴射での噴射量を増加させたことで、トルクの変動幅が所定範囲を超えた場合にも(ステップS20のNo)、ECU34は、ステップS22に移行してNVO噴射での噴射量を減少させた後に処理を終了させる。
以上説明した第2実施形態に係る制御システムおよび制御方法によれば、前述した第1実施形態での効果に加えて、以下の効果を奏する。
(4)ECU34は、吸気弁30の開放時に吹き返し圧が上昇することを条件として、NVO噴射での噴射量を限界量よりも大きな値に決定する。すなわち、吸気弁30を開放した際に吹き返しが発生した場合に、NVO噴射で限界量よりも多い量の燃料が噴射される。従って、燃焼室18内の圧力を低下させることができ、吹き返しの発生を確実に抑制することができる。また、吸気弁30の開放時に吹き返し圧が上昇しない場合、NVO噴射での噴射量を限界量よりも大きく設定することはない。従って、吹き返しが発生していないにも拘らずNVO噴射で多くの燃料が噴射されるのを回避することができる。
(5)ECU34は、吹き返し圧差が所定値以上であることを条件として、NVO噴射での噴射量を増加させる。従って、吸気管20内の圧力差が前後のサイクルで殆ど生じていないのにも拘らず、NVO噴射での噴射量を増加させるのを回避することができる。すなわち、メイン噴射得の圧縮自着火燃焼の安定性を確保しつつ、吹き返しの抑制効果が最大限に得られるNVO噴射の噴射量を得ることができる。
(変更例)
なお、前述した第1および第2実施形態は、以下のように変更することが可能である。
1.第1実施形態では、トルクの変動幅が所定範囲にあることを条件に、また、第2実施形態では、この条件に加えて、吹き返し圧差が所定値よりも大きいことを条件に、NVO噴射の噴射量を所定量ずつ増加させた。しかしながら、例えば、排ガス中の粒子状物質を検出するPMセンサ(図示せず)を設け、当該PMセンサで検出された粒子状物質の排出量(PM排出量)を監視してもよい。
具体的には、PMセンサで検出されたPM排出量が所定値よりも少ないことを条件として、NVO噴射の噴射量を徐々に増加させてもよい。例えば、この条件を第1実施形態のトルクの変動幅が所定範囲にあることの条件と組み合わせて用いてもよい。また、この条件を、第2実施形態のようにトルクの変動幅が所定範囲にあることの条件と、吹き返し圧差が所定範囲にあることの条件とに組み合わせて用いてもよい。
このように、PM排出量を監視しながらNVO噴射の噴射量を増加させることで、NVO噴射の噴射量を増加させることに伴って過度のPMが排出されないようにすることができる。
2.NVO噴射の噴射量を増加させる際の条件として、メイン噴射での自着火時期が適切なタイミングの範囲内にあることを加えてもよい。このように、メイン噴射での自着火時期を監視することで、NVO噴射の噴射量を増加させることに伴って、自着火時期が過度に遅角するのを抑制することができる。
3.第1および第2実施形態では、NVO噴射の噴射量を増加させる際に、サイクル毎に所定量ずつ増加させるようにした。しかしながら、必ずしも、一定量ずつ増加させる必要はない。例えば、NVO噴射の噴射量を増加させる初期段階は増加量を多くし、時間の経過に伴って増加量を少なくしてもよい。
更に、NVO噴射での噴射量を1サイクル毎に増加させる量を、生成されたトルクと要求トルクとの変動幅に反比例するように変動させてもよい。すなわち、生成されたトルクと要求トルクとの変動幅が小さい場合には、NVO噴射の増加量を多く設定し、当該変動幅が大きくなるにつれて増加量を少なく設定してもよい。
また、NVO噴射での噴射量を1サイクル毎に増加させる量を、吹き返し圧差の値に比例するように変動させてもよい。すなわち、吹き返し圧差の値が大きい場合には、NVO噴射の増加量を多く設定し、吹き返し圧差の値が小さくなるにつれて増加量が少なくなるようにしてもよい。
4.第1実施形態では、エンジンが低負荷運転の場合にNVO噴射の噴射量を限界量に設定し、サイクル毎に噴射量を次第に増加させるようにしたが、必ずしも噴射量をサイクル毎に増加させる必要はない。例えば、エンジンが低負荷運転である場合に、NVO噴射の噴射量を限界量よりも所定量より多い値に決定してもよい。
5.第1および第2実施形態では、NVO噴射の噴射量を増加させた際に、その増加分だけメイン噴射の噴射量を減少させたが、ポート噴射の噴射量を減少させてもよい。また、第1および第2実施形態では、NVO噴射の噴射量を減少させた際に、その減少分だけメイン噴射の噴射量を増加させたが、ポート噴射の噴射量を増加させてもよい。
6.なお、第1および第2実施形態では、第2の燃料噴射弁からポート噴射を実行する構成としたが、必ずしもポート噴射を実行する構成とする必要はない。ポート噴射を実行しない場合、第2の燃料噴射弁を省略することができる。
12…エンジン(内燃機関)、14…第1の燃料噴射弁、18…燃焼室、20…吸気管、22…第2の燃料噴射弁、30…吸気弁、32…排気弁、34…ECU(噴射量算出手段,限界量算出手段,噴射量決定手段,トルク算出手段)、40…吸気圧センサ(圧力決定手段)。

Claims (8)

  1. 燃焼室(18)に向けて燃料を噴射する第1の燃料噴射弁(14)を備え、燃焼室に設けられた吸気弁(30)および排気弁(32)が共に閉じた負のオーバーラップ期間中に前記第1の燃料噴射弁に第1の燃料噴射を実行させると共に、前記オーバーラップ期間の経過後に前記第1の燃料噴射弁に第2の燃料噴射を実行させることで、圧縮自着火燃焼を行う内燃機関(12)の制御システムであって、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて、要求トルクを出力するのに必要な燃料の合計噴射量を算出する噴射量算出手段(34)と、
    前記負のオーバーラップ期間中の燃焼室に存在する酸素量を推定する酸素量推定手段(34)と、
    前記負のオーバーラップ期間中に前記酸素量推定手段が推定した酸素量で燃焼可能な燃料の限界量を算出する限界量算出手段(34)と、
    前記噴射量算出手段が算出した合計噴射量のうちから前記第1の燃料噴射で噴射させる量を決定する噴射量決定手段(34)とを備え、
    前記噴射量決定手段は、前記内燃機関が所定の低負荷運転の場合に、前記第1の燃料噴射で噴射する量を前記限界量算出手段が算出した限界量よりも大きな値に決定する
    ことを特徴とする内燃機関の制御システム。
  2. 前記内燃機関で生成されたトルクを算出するトルク算出手段(34)を備え、前記噴射量決定手段は、前記内燃機関が所定の低負荷運転の場合に、前記トルク算出手段で検出されたトルクと要求トルクとの変動幅が所定範囲にあることを条件に、前記第1の燃料噴射で噴射する量をサイクル毎に増加させる請求項1記載の内燃機関の制御システム。
  3. 前記内燃機関の吸気管(20)内に向けて燃料を噴射する第2の燃料噴射弁(22)を備え、前記第2の燃料噴射弁は、前記噴射量算出手段が算出した前記合計噴射量から前記噴射量決定手段が決定した第1の燃料噴射で噴射する量を除いた残りの少なくとも一部を噴射させる請求項1または2記載の内燃機関の制御システム。
  4. 前記内燃機関の吸気管内の圧力を検出する圧力検出手段(40)を備え、前記噴射量決定手段は、前記圧力検出手段の検出値が前記吸気弁の開放時に上昇することを条件として、前記第1の燃料噴射で噴射する量を前記限界量算出手段が算出した限界量よりも大きな値に決定する請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御システム。
  5. 前記噴射量決定手段は、前記吸気弁の開放時における前回のサイクルで検出された前記圧力検出手段の検出値と今回のサイクルで検出された前記圧力検出手段の検出値との差が所定値以上あることを条件に、前記第1の燃料噴射で噴射する量をサイクル毎に増加させる請求項4記載の内燃機関の制御システム。
  6. 燃焼室に向けて燃料を噴射する第1の燃料噴射弁を備え、燃焼室に設けられた吸気弁および排気弁が共に閉じた負のオーバーラップ期間中に前記第1の燃料噴射弁に第1の燃料噴射を実行させると共に、前記オーバーラップ期間の経過後に前記第1の燃料噴射弁に第2の燃料噴射を実行させることで、圧縮自着火燃焼を行う内燃機関の制御方法であって、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて、要求トルクを出力するのに必要な燃料の合計噴射量を噴射量算出手段が算出するステップ(S13)と、
    前記負のオーバーラップ期間中の燃焼室に存在する酸素量を酸素量推定手段が推定するステップ(S16)と、
    前記負のオーバーラップ期間中に前記酸素量推定手段が推定した酸素量で燃焼可能な燃料の限界量を限界量算出手段が算出するステップ(S17)と、
    前記噴射量算出手段が算出した合計噴射量のうちから前記第1の燃料噴射で噴射させる量を噴射量決定手段が決定するステップ(S18,S21)とを備え、
    前記噴射量決定手段は、前記内燃機関が所定の低負荷運転の場合に、前記第1の燃料噴射で噴射する量を前記限界量算出手段が算出した限界量よりも大きな値に決定する(S15, S21)
    ことを特徴とする内燃機関の制御方法。
  7. 前記内燃機関で生成されたトルクを算出するトルク算出手段を備え、前記噴射量決定手段は、前記内燃機関が所定の低負荷運転の場合に、前記トルク算出手段で検出されたトルクと要求トルクとの変動幅が所定範囲にあることを条件に、前記第1の燃料噴射で噴射する量をサイクル毎に増加させる(S15,S20,S21)請求項6記載の内燃機関の制御方法。
  8. 前記内燃機関の吸気管内に向けて燃料を噴射する第2の燃料噴射弁を備え、前記第2の燃料噴射弁は、前記噴射量算出手段が算出した前記合計噴射量から前記噴射量決定手段が決定した第1の燃料噴射で噴射する量を除いた残りの少なくとも一部を噴射させる(S19)請求項6または7記載の内燃機関の制御方法。
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