JP2014214509A - 構造物荷重による地盤の液状化対策構造 - Google Patents

構造物荷重による地盤の液状化対策構造 Download PDF

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Abstract

【課題】地震時に発生した構造物慣性力は、構造物に接続した地中壁7を介して構造物外周に配置した地中壁6へと伝え、構造物の鉛直荷重は構造物直下地盤31へと伝達するようにするとともに、構造物のロッキング振動を防止して、地中壁6の対向する壁間隔が大きくても十分な液状化防止効果を得られる軟弱地盤の液状化対策構造を提供すること。【解決手段】構造物2と、該構造物外周から僅かに外方へ離間して構造物直下地盤31を囲んで非液状化地盤4まで延伸された外側地中壁4と、構造物の下端縁近傍に接続された内側地中壁7とを備え、地震による水平方向の構造物慣性力は、内側地中壁7を介して外側地中6へと伝達され、構造物直下地盤31へ作用する構造物慣性力による外力を減少させ、地盤のせん断応力を低減するとともに、地震による構造物のロッキング振動を内側地中壁7と地盤の間の摩擦によって抑制し、構造物の鉛直荷重全体を構造物直下地盤に作用させ、地盤の有効応力を増大する地盤の液状化対策構造とした。【選択図】図1

Description

本発明は、地盤の上に構築された構造物の荷重による地盤の液状化を防止するための液状化対策構造に関する。
従来、液状化対策の一つに、図11に示されるように、地盤103に格子状地中壁102を設けることにより、この格子状地中壁102に囲まれた地盤103の変形を抑止するとともに、周辺地盤104からの地下水の流動を遮断して、液状化を防止する液状化対策技術が知られている(特許文献1)。
地盤の液状化を抑制するためには、ある程度狭い格子間隔で地中壁を造成する必要があり、地中壁造成のコストが高くなったり工期が長くなったりする場合がある。
また、既存構造物に対して液状化対策しようとした場合、構造物直下の地盤に地中壁を造成することが困難であり、地中壁の造成に多額の費用が掛かったり、地中壁を造成できなかったりする。構造物直下に地中壁を造成できない場合、この液状化対策技術は採用できなくなる。
そこで、地中壁の構造物直下への造成を不要とした、図12に示されるような、平面視で構造物111を所定の幅厚をもって囲繞する地盤改良体からなる地中壁112が、鉛直方向に少なくとも構造物111の基礎下端面から非液状化層114まで形成された、液状化する可能性のある液状化層113上に構築される構造物の基礎地盤である第一の液状化対策構造110が提案されている(特許文献2)。
しかし、この液状化対策構造は、構造物周囲にのみ地盤改良体からなる地中壁を配置しているため、構造物の平面が大きい場合に、対向する地中壁の間隔が広くなり液状化自体を防止することができない。
また、地震時に構造物慣性力による水平力が、図13(a)に模式的に示すように構造物111から液状化する可能性のある液状化層113の地盤へ伝わり、液状化抑制に対してむしろマイナスとなることが想定されるが、それに対して有効な対策が採られていない。
さらに、同図(b)に示されるように、地震時に構造物がロッキング振動することによって、構造物から地盤への外力が生じるが、それを抑制する手段が考えられていない。
これら問題を解決するため、図14に示されるように、地盤125を囲む地中壁122と、地盤上に配置され、地盤よりも高い剛性を有し、前記地中壁の内側を覆う剛性板123と、前記地中壁122の内面と前記剛性板123との間の隙間を塞ぐための、透水性を有する袋体に詰められた粒状体からなる目地部材124と、を有する第二の液状化対策構造120が提案されるに至った(特許文献3)。
この液状化対策構造120は、地震時には建物慣性力による水平力を剛性板123から目地部材124を介して地中壁122へ伝達させることで、地中壁に囲まれた地盤124のせん断変形を抑制し、液状化を防止することができる。
また、目地部材が建物をロックすることで建物両端の上下動を抑制することができる。
しかしながら、この第二の液状化対策構造は、図15に模式的に示すように、根入れが浅い場合など剛性板123の厚さが厚くない場合では、地中壁122へ力を伝達する面積が小さくなるため、地中壁上部に力が集中し、地中壁の応力が厳しくなることが想定される。
さらに、目地部材124として、袋体に詰められた粒状体(土嚢袋に詰められた砂・礫等)を想定しているが、上下動の抑制をせん断変形に伴う粒状体の体積膨張で拘束するとしており、粒状体の充填状態や袋体の埋設状況によって、確実にその効果が得られるかについて不安がある。
さらにまた、地中壁122の剛性によっては、地中壁に囲まれた地盤125のせん断変形を抑制し、液状化を防止する効果が十分に得られない可能性を否定できない。
特公平04−054004号公報 特開2005−105602号公報 特開2010−216107号公報
本発明は、構造物外周に地中壁を配置した液状化対策において、対向する地中壁間隔が広い場合でも液状化防止効果を得られるようにすることを課題とし、構造物外周に配置した地中壁と構造物に接続した地中壁を組み合わせて、地震時に発生した構造物慣性力は、構造物に接続した地中壁を介して構造物外周に配置した地中壁へと伝え、構造物の鉛直荷重は構造物直下地盤へと伝達するようにするとともに、構造物のロッキング振動を防止して、構造物外周に配置した地中壁の間隔が大きくても十分な液状化防止効果を得られるようにした軟弱地盤の液状化対策構造を提供することを目的としている。
請求項1に係る発明は、地盤上面に構造物の鉛直荷重が作用する形式の基礎に支承された構造物と、該構造物外周から僅かに外方へ離間して構造物直下地盤を囲んで非液状化地盤まで延伸された外側地中壁と、前記構造物の下端縁近傍に接続された内側地中壁とを備えた地盤の液状化対策構造であって、前記内側地中壁と前記外側地中壁とは上下方向の縁が切られていて、地震による水平方向の構造物慣性力は、前記内側地中壁を介して前記外側地中壁へと伝達され、前記構造物直下地盤へ作用する構造物慣性力による外力を減少させ、地盤のせん断応力を低減するとともに、地震による構造物のロッキング振動は、前記内側地中壁と地盤の間の摩擦によって抑制され、構造物の鉛直荷重全体を前記構造物直下地盤に作用させ、地盤の有効応力を増大する地盤の液状化対策構造とした。
請求項2に係る発明は、セメント系の地盤改良体からなる前記外側地中壁の外面上部の少なくとも一部は、セメント系の地盤改良体によって補強されていることを特徴としている。
請求項3に係る発明は、前記内側地中壁は、平面視連続して、あるいは、断続して地盤を囲むように設けられていることを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、地盤上面に構造物の鉛直荷重が作用する形式の基礎に支承された構造物と、構造物外周から僅かに外方へ離間して構造物直下地盤を囲んで非液状化地盤まで延伸された外側地中壁と、前記構造物の下端縁近傍に接続された内側地中壁とを組み合わせたので、地震時に発生した構造物慣性力は、内側地中壁を介して外側地中壁へと伝えることができ、内側地中壁間の地盤へ作用する構造物慣性力による外力が減少し、地盤のせん断応力が低減することで液状化抑制効果が得られる。
なお、内側地中壁と外側地中壁の間にわずかに地盤を挟んでいるが、挟まれた地盤の厚さが非常に薄いため、両地中壁間の構造物慣性力の伝達に悪影響を及ぼすことなく無視できる程度である。
一方、構造物に接続した内側地中壁と外側地中壁の上下方向の縁が切られているため、構造物の鉛直荷重は、外側地中壁に極力伝達させず、構造物直下地盤へと伝えることができる。
これによって、外側地中壁によるせん断変形抑止と、構造物の鉛直荷重による有効応力増大と、内側地中壁による構造物直下地盤への外力の低減の効果が得られ、従来の外側地中壁のみの地盤の液状化対策構造に比べて優れた液状化抑制効果を発揮することができる。
その結果、従来よりも地中壁間隔が広い場合においても、液状化を防止することが可能となる。
また、本発明では、内側地中壁の見付け面積分の範囲で、外側地中壁と力のやり取りをするので、構造物の根入れ部だけで力のやり取りをする場合よりも広い面積で力のやり取りをすることになり、地中壁上部の応力集中を防ぐことができる。よって、構造物慣性力を地中壁へ伝達させたことによる地中壁の損傷の可能性を軽減することができる。
さらに、地震時に生じる構造物のロッキング振動に対しても、内側地中壁と地盤の間の摩擦によって振動を抑制することが可能である。
請求項2に係る発明によれば、セメント系の地盤改良体からなる前記外側地中壁の外面上部の少なくとも一部をセメント系の地盤改良体によって補強して、地中壁の地震耐力を増強してあるので、地震による水平方向の構造物慣性力による地中壁の破損を防止することかできる。
請求項3の内側地中壁が平面視連続して地盤を囲むように設けられた発明によれば、異なる方向に構築した内側地中壁が一体となって抵抗するので、内側地中壁の剛性が得られやすくなり、構造物慣性力を外側地中壁へと伝達させやすくできる。
一方、請求項3の内側地中壁が平面視断続して地盤を囲むように設けられた発明によれば、工事量を縮減してコストダウンを図ることや、埋設配管等の位置を避けて内側地中壁を構築することができる。
本発明の実施例1の地盤の液状化対策構造の縦断面図である。 本発明の内側地中壁が構造物慣性力を広い面積で外側地中壁に伝達して応力集中を緩和するメカニズムを示す図である。 本発明の内側地中壁が地盤の摩擦により構造物のロッキング振動を抑制するメカニズムを示す図である。 地震時における過剰間隙水圧の上昇・消散をシミュレートした有効応力解析結果を示す図である。 構造物直下地盤深度2.5mにおける過剰間隙水圧比の時刻歴を示す図である。 本発明の実施例1の地盤の液状化対策構造の平面図である。 実施例1の変形例の地盤の液状化対策構造の平面図である。 本発明の実施例2の地盤の液状化対策構造の縦断面図である。 実施例2の地盤の液状化対策構造の平面図である。 実施例2の変形例の地盤の液状化対策構造の平面図である。 特許文献1に記載された第一の液状化対策構造を模式的に示す縦断面図である。 特許文献2に記載された第一の液状化対策構造を模式的に示す縦断面図である。 (a)は、構造物慣性力が構造物直下地盤へ伝達されるメカニズムを模式的に示す図であり、(b)は、ロッキング振動による地盤に作用する外力が、地盤の液状化抑制に対してマイナスの作用をすることを模式的に示す図である。 特許文献3に記載された第二の液状化対策構造を模式的に示す縦断面図である。 第二の液状化対策構造が、構造物慣性力を外側地中壁に伝達する面積が小さいため、応力集中するメカニズムを模式的に示す縦断面図である。
液状化を防止する方法の一つとして、地盤の有効応力を増大させる方法がある。
直接基礎で支持した構造物がある場合、その直下では有効応力が増大しているので、液状化が起こりにくくなることが考えられる。しかし、何の対策も施していない地盤に構造物を支持させた場合、地震時に周辺地盤が液状化すると、構造物直下の地盤が側方へ孕み出して過度な沈下が生じる。
そこで、地盤の側方への孕み出しを防止するために、図12に示すように、構造物直下の地盤を囲むように地中壁を設けることによって、構造物の沈下を防ぐとともに、地中壁によるせん断変形抑止と構造物の鉛直荷重による有効応力増大の二つの液状化抑制効果を得ることができるようになる。
ところが、地盤に構造物の鉛直荷重を掛けると、有効応力が増大する一方で、地震時に発生する構造物慣性力による水平力が地盤へと伝わってしまう。
これによって、地中壁で囲まれた地盤のせん断応力が増大し、液状化抑制効果が十分に得られない可能性が生じる。
よって、構造物慣性力を何らかの方法で地盤に伝えないようにする工夫が必要となる。そこで、構造物慣性力を根入れ部を介して地中壁側へ伝達させることが考えられるが、根入れが浅い場合など、構造物と地中壁が接する面積が小さい場合には、地中壁に作用する力が地中壁上部に集中し、地中壁が損傷する可能性がある(図15参照)。
本発明の地盤の液状化対策構造は、地中壁上部への応力集中を抑制する機能をも有するものである。
そこで、本発明による液状化対策構造の実施例について、詳しく説明する。
先ず、実施例1について、図1乃至図3を参照して詳しく説明する。
前提として、構造物2が載荷され構造物の鉛直荷重が作用する形式の基礎5は、地盤の下方から非液状化地盤4とその上に積層された液状化の恐れがある地盤3とから構成されている。
そして、この構造物2はこの液状化の恐れがある地盤3に直接支持されるのであり、外側地中壁6と構造物2が存在しない条件下で地震による水平荷重を受けたときに、地盤に液状化現象が発生するものである。
この実施例の液状化対策構造1は、液状化の恐れがある地盤3に構造物の鉛直荷重が作用する形式の基礎5に支承された構造物2と構造物直下地盤31を囲む外側地中壁6とを備えている。
本発明は、構造物2と、外側地中壁6と、構造物2に接続した内側地中壁7を組み合わせたことを特徴とした液状化対策構造である。外側地中壁6は、構造物2から平面的にやや距離を置いて配置されており、通常難透水性の連続壁であり、地中壁6の下端部は、液状化の恐れがある地盤3よりも下側の非液状化層4に根入れされている。
外側地中壁6は、セメント系の地盤改良体、鉄筋コンクリート連壁、鋼矢板、土とセメントスラリーを原位置で混合・攪拌して造成した壁体と鋼材の合成構造であるSMW等で形成することができる。
内側地中壁7は、構造物2の外周壁下端部あるいは外周壁近傍の基礎下面に取付けられて構造物2と一体化され、外側地中壁6とは適宜間隔をもって配置されている。
この内側地中壁7は、鉄筋コンクリート連壁・鋼矢板・H鋼などで連続して形成することができる。
また、内側地中壁7は非液状化地盤4まで到達させる必要はなく、構造物からの水平荷重が構造物直下地盤31を囲む外側地中壁6へ十分に伝わる程度の深さ方向長さを有していれば良い。
内側地中壁7と外側地中壁6との間隔は、地震時に発生した構造物慣性力が、構造物2に一体化された内側地中壁7を介して外側地中壁6へと伝えることができる程度の距離に設定されている。このため、地中壁6、7間には地盤が挟まれているものの、厚さが適切な範囲に設定されているので、構造物慣性力の伝達に悪影響を及ぼすことはなく、その影響は無視できる程度である。
地震時に発生する構造物慣性力による水平力は、内側地中壁7を介して外側地中壁6へと伝えることができるので、構造物2直下の地盤31自体へ作用する構造物慣性力による水平外力が減少する。
これによって、地盤3のせん断応力が低減することによって液状化抑制効果が得られるものである
一方、構造物2に接続した内側地中壁7と構造物直下地盤を囲む外側地中壁6の上下方向の縁が切られているため、構造物2は下方への移動を許容され、構造物の鉛直荷重は、外側地中壁6へ流れることなく構造物の鉛直荷重全体が上記した構造物直下地盤31に作用して、地盤の有効応力を確実に増大する。
これによって、構造物直下地盤31を囲む外側地中壁6によるせん断変形抑止と、構造物の鉛直荷重による有効応力増大と、構造物に接続した内側地中壁7による地盤への外力の低減の効果が得られ、図12に示される従来の地中壁112のみの液状化対策構造よりも優れた液状化抑制効果を発揮することができる。
その結果、従来よりも対向する地中壁間隔が広い場合においても、液状化を防止することが可能となる。
また、本実施例では、図2に示されるように、構造物2に一体化して接続した内側地中壁7の見付け面積分の範囲で、構造物直下地盤を囲む外側地中壁6と力のやり取りをする。
したがって、図12に示されるような、構造物2の根入れ部だけで力のやり取りをする液状化対策構造よりも広い面積で力のやり取りをすることになり、外側地中壁6への応力集中を防ぐことができる。
よって、構造物慣性力を内側地中壁7を介して外側地中壁6へ伝達させたことによる地中壁6の損傷の可能性を大きく軽減することができる。
さらに、本実施例は図3に示されるように、地震時に生じる構造物2のロッキング振動に対しても、構造物2に接続した内側地中壁7と地盤の間の摩擦によって振動を抑制することが可能である。
地盤に構造物の鉛直荷重が作用する構造物の基礎形式としては、本実施例ではべた基礎(直接基礎)を採用している。
そして、内側地中壁7は、平面視して必ずしも地盤を囲むように連続している必要はない。それ故、この実施例の変形例として、図7に示されるような平面視して断続して地盤を囲むように設けられている形態、すなわち、平面的に見て分割された形態とすることも可能である。
以上の本発明の作用効果を実証するため、地震時における過剰間隙水圧の上昇・消散をシミュレートできる有効応力解析を実施して、格子状地中壁と構造物の鉛直荷重による液状化抑制効果を検討した。
この解析モデルは、外側地中壁6が地表から10mの深さまで構築され、壁厚0.8m、対向する壁の間隔15mとしてある。
解析ケースは、構造物の鉛直荷重なしで地中壁のみで対策した場合、構造物の鉛直荷重60kN/m2を作用させた場合、構造物の鉛直荷重60kN/m2を作用させるのに加えて構造物に接続した内側地中壁7を設けた場合の3ケースである。
図4に過剰間隙水圧比のコンターを、図5に深度2.5mにおける過剰間隙水圧比の時刻歴を示す。構造物の鉛直荷重が作用しない場合(A)よりも構造物の鉛直荷重が作用する場合(B)の方が、過剰間隙水圧比の上昇量が小さくなっていることが判る。
これは、構造物の鉛直荷重が外側地中壁6で囲まれた地盤に作用することで、地盤の有効応力が増加し、地盤の液状化強度が増加したためと考えられる。
さらに、構造物に接続した内側地中壁7を設けた場合(C)では、過剰間隙水圧比の上昇量がより小さくなっており、液状化抑制効果が高まっていることが確認できる。構造物2に接続した内側地中壁7がない場合では、地震動によって発生した構造物の慣性力が外側地中壁6で囲まれた地盤31に外力として作用して、液状化を助長していたが、構造物に接続した壁を設けた場合では、構造物の慣性力が構造物に接続した内側地中壁7を介して外側地中壁6へと流れるため、外側地中壁6に囲まれた地盤の外力が減少し、液状化抑制効果が高まったことが認められる。
図5の深度2.5mにおける地中壁で囲まれた地盤の過剰間隙水圧比の時刻歴について検討する。
これによると、構造物の鉛直荷重を作用させない場合(A)は、地震発生後略15秒後に略液状化し、120秒経過しても液状化現象は消散しない。
構造物の鉛直荷重を作用させた場合(B)は、略20秒後に液状化するものの略40秒経過すると液状化現象の消散が始まり、略120秒後に液状化現象が略完全に消散する。
これに対して、構造物の鉛直荷重を作用させることに加えて構造物に接続した内側地中壁7を設けた場合(C)では、過剰間隙水圧比の上昇量がより有意に小さくなっており、液状化が発生することなく、地盤の過剰間隙水圧比は略120秒経過後に地震動を受ける前の状態に復することからみて、液状化抑制効果が高まっていることが確認できる。
構造物に接続した内側地中壁7がない場合(B)では、地震動によって発生した構造物の慣性力が地中壁で囲まれた地盤に外力として作用して、液状化を助長していたが、構造物に接続した内側地中壁7を設けた場合(C)では、構造物の慣性力が構造物に接続した内側地中壁7を介して外側地中壁6へと流れるため、外側地中壁6に囲まれた地盤31の外力が減少し、液状化抑制効果が高まったことが裏付けられる。
実施例2について、図8乃至図10を参照して説明する。
この液状化対策構造1は、図8、図9に示されるように、セメント系の地盤改良体からなる外側地中壁6の外面上部の全部が、セメント系の地盤改良体からなる補強杭61によって補強されている。
外側地中壁6の上部は、地震時において内側地中壁7から水平方向の構造物慣性力を受けるから、内側地中壁7の打設深さが浅くなればなるほど損傷する可能性が高くなる。
そしてこの実施例では、内側地中壁7と略同じ深さの補強杭61が構築されている。
これにより、外側地中壁6の剛性が高まるので、構造物慣性力を内側地中壁7から外側地中壁6へより伝達し易くなるとともに、外側地中壁6の応力をさらに緩和することができて、外側地中壁6の耐震性が高まることから、地震による水平振動に耐えることができる。
上記した実施例2は、補強杭61を一重に配設しているが、これを二重・三重にしてさらに厚くすることもできる。
図10に示されたものは、実施例2の変形例であり、セメント系の地盤改良体からなる外側地中壁6の外面上部が、断続して、すなわち、水平方向に間隔を置いてセメント系の地盤改良体からなる補強杭61によって、部分的に補強されている。
1 液状化対策構造
2 構造物
3 液状化の恐れがある地盤
31 構造物直下の地盤
4 非液状化地盤
5 基礎
6 外側地中壁
61 補強杭
7 内側地中壁

Claims (3)

  1. 地盤上面に構造物の鉛直荷重が作用する形式の基礎に支承された構造物と、該構造物外周から僅かに外方へ離間して構造物直下地盤を囲んで非液状化地盤まで延伸された外側地中壁と、前記構造物の下端縁近傍に接続された内側地中壁とを備えた地盤の液状化対策構造であって、
    前記内側地中壁と前記外側地中壁とは上下方向の縁が切られていて、
    地震による水平方向の構造物慣性力は、前記内側地中壁を介して前記外側地中壁へと伝達され、前記構造物直下地盤へ作用する構造物慣性力による外力を減少させ、地盤のせん断応力を低減するとともに、地震による構造物のロッキング振動は、前記内側地中壁と地盤の間の摩擦によって抑制され、
    構造物の鉛直荷重全体を前記構造物直下地盤に作用させ、地盤の有効応力を増大する、
    ことを特徴とする地盤の液状化対策構造。
  2. セメント系の地盤改良体からなる前記外側地中壁の外面上部の少なくとも一部は、セメント系の地盤改良体によって補強されていることを特徴とする請求項1に記載された地盤の液状化対策構造。
  3. 前記内側地中壁は、平面視連続して、あるいは、断続して地盤を囲むように設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載された液状化対策構造。
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